JP6305707B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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本発明は、例えば電子回路基板等の処理対象物に保護膜等の薄膜をコーティングするためなどにスプレーパターン吐出を行う液体吐出装置に関する。
特開2013−4878号公報 特開2013−706号公報
電子回路基板などに対しては、防湿、防錆などを目的として保護膜となる薄膜をコーティングすることが行われる。
例えば上記特許文献1、2には塗布液体を吐出する装置が開示されている。通常液体塗布装置では、ノズル先端からコーティング剤を電子回路基板などの表面に対して吐出して薄膜コーティングを形成する。
ところで電子回路基板等にコーティングを行う際には、単に平面上に均一な厚みでコーティング膜が形成されるようにするだけでなく、基板上の細かい箇所、或いは各種形状の電子部品の側面など、多様な箇所に効率よく且つ正確にコーティング剤を噴出することが必要な場合がある。
そこで本発明では、液体吐出装置において通常のノズルでは実現できない、多様な箇所へのコーティングを、効率よくかつ正確に実行できるようにすることを目的とする。
発明に係る液体吐出装置は、本体部の下端側となる先端部が斜め下方に向くように前記本体部の中心軸に対して屈曲されているニードルが装着されることで、前記先端部から電子回路基板のコーティング剤である塗布液体を吐出する塗布ガンと、装着された前記ニードルが、電子回路基板の配置面に対する平面方向及び電子回路基板の配置面に接離する方向に移動するように、前記塗布ガンを移動させる移動手段と、装着された前記ニードルの前記先端部を旋回させる旋回手段とを備え、前記旋回手段は、前記ニードルの前記本体部の中心軸を旋回中心として前記塗布ガンを旋回させ、前記移動手段による前記塗布ガンの移動と前記旋回手段による前記先端部の旋回は、塗布処理対象の電子回路基板について設定される塗布禁止エリアと他のノズルによる塗布エリアの両方を除いた領域を塗布する経路の情報であって、コーティング剤を吐出しながら移動する吐出移動経路とコーティング剤を吐出しないで移動する非吐出移動経路を含み、更に各経路では開始位置、終了位置、経路長、進行方向、ニードルの前記先端部の高さ、ニードル旋回角度についての設定がされているニードルパスの情報に従って行われる。
細線状のニードルにより塗布ガンからの液体(コーティング剤)を噴霧することで精密な液体塗布が可能となるが、その上で先端部が屈曲されていること、さらには旋回可能とすることで吐出目標の自由度を上げる。この場合に旋回中心がニードル本体部の中心軸としていることで、方向制御を容易化する。
また上記した本発明に係る液体吐出装置においては、前記ニードルパスの情報に従って行われる前記移動手段による前記塗布ガンの移動と前記旋回手段による前記先端部の旋回として、前記移動手段により、電子回路基板に対して前記ニードルが円弧状の塗布経路で移動するように前記塗布ガンを移動させる際、前記旋回手段は、前記ニードルの前記先端部が、前記円弧状の塗布経路の接線に対して所定角度を維持するように旋回させることが望ましい。
このようにすることで円弧状の塗布目標に対して均一な塗布が可能となる。
また上記した本発明に係る液体吐出装置においては、前記円弧状の塗布経路は、電子回路基板における塗布対象物の円筒面状の周面に対して液体塗布を行うための塗布経路であり、前記所定角度は、前記先端部が、前記塗布対象物の中心を向く角度であることが望ましい。
このようにすることは塗布対象物の周面に対して均一な塗布に適している。
また上記した本発明に係る液体吐出装置においては、前記ニードルは、前記塗布ガンに対して着脱可能とされていることが望ましい。
つまり塗布対象物である電子回路基板に応じて必要時にニードルを装着できるようにする。
本発明によれば、処理対象物の形状、場所によらず、特には部品側面、細密部分などであっても容易に均一且つ効率のよい液体塗布が可能となる。
本発明の実施の形態のコーティング装置の全体の斜視図である。 実施の形態のコーティング装置の塗布ガン周辺の斜視図である。 実施の形態のコーティング装置の塗布ガン周辺の斜視図である。 実施の形態の塗布ガンの旋回の説明図である。 実施の形態のコーティング装置の制御構成のブロック図である。 実施の形態の禁止エリアの説明図である。 実施の形態の禁止エリア及びノズルパス設定の説明図である。 実施の形態のニードルパス設定の説明図である。 実施の形態のスプレーパス設定処理のフローチャートである。 実施の形態のニードルによる円弧状の塗布動作の説明図である。 実施の形態のニードルによる側面塗布や狭路塗布の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、液体吐出装置の実施の形態として、処理対象物である回路基板に薄膜を形成するためのコーティング剤を吐出するコーティング装置の例を挙げる。
説明は次の順序で行う。
<1.実施の形態のコーティング装置の構成>
<2.コーティング装置の制御構成>
<3.スプレーパス設定>
<4.屈曲ニードルを用いた塗布動作>
<5.変形例>
<1.実施の形態のコーティング装置の構成>
図1乃至図4を用いて、本発明の液体吐出装置の実施の形態であるコーティング装置1の構成を説明する。まず主に図1を参照してコーティング装置1の全体構成を述べる。
このコーティング装置1は、その作業台部2に載置された回路基板100に対して、ノズル3a又は屈曲ニードル4aからコーティング剤を吐出して吹き付け、回路基板100に防湿や防錆のための保護薄膜を形成する装置である。
ノズル3aは塗布液体(コーティング剤)を扇状又は円錐状に吐出するノズルである。一方、ニードルとは先端が例えば針状(細長い円筒)とされて塗布液体を細線状に吐出する「ノズル」であるが、屈曲ニードル4aとは、図2乃至図4に拡大して示すように、特に針状の細経の本体部4ahと、本体部4ahから屈曲されて形成された先端部4asを有するニードルである。
ノズル3aと屈曲ニードル4aは、いずれも「ノズル」として機能するが、各ノズルを区別するために、説明上、細線状の液体吐出を行うノズルを「ニードル」と呼ぶこととしている。
図1に示すように、作業台部2上には基板載置台10が設けられ、この基板載置台10にコーティング処理対象物となる回路基板100が載置される。
例えばこのコーティング装置1は電子回路基板等の製造ラインの一部として使用することができ、回路基板100が図示しない搬送機構で基板載置台10上にセットされる。そしてコーティング装置1でコーティング処理が行われ、その後図示しない搬送機構で回路基板100が取り出されて次工程に移送される。これによりライン上で連続作業としてのコーティング処理が実行される。
もちろん、コーティング装置1は、このようにラインを構成するだけでなく、個別に回路基板100等の処理対象物に対してコーティングを行う機器としてもよい。
ガンユニット3,4は作業台部2の上方空間を移動可能とされている。
ガンユニット3には、コーティング剤を扇状に吐出するノズル3aが装着された塗布ガン305が取り付けられている。ユニットケース301内に塗布ガン305の上部機構が配置されている。
ガンユニット4には、コーティング剤を細線状に吐出する屈曲ニードル4aが装着された塗布ガン405が取り付けられている。ユニットケース401内に塗布ガン405の上部機構が配置されている。
ノズル3a、屈曲ニードル4aが装着された各塗布ガン305,405(各ガンユニット3、4)は、作業台部2の上方空間をX方向、Y方向、Z方向に移動可能とされている。
ユニットケース301は、Z方向ガイド3zに対して、Z方向にスライド可能に取り付けられている。Z方向ガイド3zには、図示しないノズルZモータ5(図5で後述)と、ノズルZモータ5によって回転される駆動軸が配備されており、ガンユニット3は駆動軸の回転により、Z方向、つまり塗布処理対象物配置面である基板載置台10に接離する方向に移動可能とされている。
同様にユニットケース401は、Z方向ガイド4zに対して、Z方向にスライド可能に取り付けられている。Z方向ガイド4zにも、図示しないニードルZモータ15(図5で後述)と、ニードルZモータ15によって回転される駆動軸が配備されており、ガンユニット4は駆動軸の回転により、Z方向(基板載置台10に接離する方向)に移動可能とされている。
このZ方向の移動により、ノズル3a、屈曲ニードル4aは、それぞれ塗布時に回路基板100の表面に対して、所定高さの位置まで降下できる。
Z方向ガイド3z、4zは、X方向ガイド11に取り付けられている。
X方向ガイド11には、Xモータ7と、Xモータ7によって回転される駆動軸11aが配備されており、ガンユニット3,4は駆動軸11aの回転により、X方向ガイド11に沿ってX方向に移動可能とされている。このため駆動軸11aとZ方向ガイド3z、4zの間では、駆動軸11aの回転がスライド移動方向に変換されるギア構成等による連結機構が採用される。
X方向ガイド11は、ガイドホルダ13に固定されている。そしてガイドホルダ13は、Y方向ガイド12に対して、Y方向にスライド可能に取り付けられている。Y方向ガイド12には、Yモータ8と、Yモータ8によって回転される駆動軸12aが配備されており、ガイドホルダ13(即ちX方向ガイド11全体)は駆動軸12aの回転により、Y方向ガイド12に沿ってY方向に移動可能とされている。このため駆動軸12aとガイドホルダ13との間は、駆動軸12aの回転がスライド移動方向に変換されるギア構成などによる連結機構が採用される。
以上の構成により、ノズル3a及び屈曲ニードル4aの位置は、Xモータ7、Yモータ8、ノズルZモータ5、ニードルZモータ15によって、作業台部2の上方空間をX方向、Y方向、Z方向に移動可能となる。
X方向、Y方向、Z方向に移動することで、載置された回路基板100上の各所を移動しながらのコーティング剤のスプレーを行うことや、非塗布時に所定の待機位置で待機することなどが実行可能となる。
なおX方向、Y方向、Z方向の移動手段としての機構は、あくまで一例である。移動機構が上述の構造に限定されるものではない。
回路基板100には、抵抗、コンデンサ、ICチップ等の各種の電子部品110,111がマウントされており、その各種電子部品110,111の高さや、電子部品の間隙のサイズなども多様である。本実施の形態では、例えばこのような回路基板100に対して、X方向、Y方向、Z方向にノズル3a及び屈曲ニードル4aが移動されながら吹きつけを行うことで、回路基板100の形状や部品配置に応じた適切な薄膜形成を可能とする。
X方向、Y方向の移動制御に関しては、例えば基板載置部10の角部(隅部)を座標上の原点aとし、この原点aを中心としてノズル3a及び屈曲ニードル4aのXY方向の移動距離が設定される。なお、基板載置部10には、例えば2箇所にピンが設けられ、また回路基板100の2箇所に当該ピンを挿入する穴が開けられている。これらの穴をピンに挿入させるように配置することで、回路基板100の角部(隅部)が原点aとなるように回路基板100が位置決め配置される。
またさらにガンユニット3、4には、それぞれ塗布ガン305,405を旋回させる旋回機構が設けられている。ガンユニット4側の旋回機構については後に図2乃至図4で詳述する。
なお図示していないが、ノズル3a及び屈曲ニードル4aから加圧液体としてのコーティング剤を吐出させるために、コーティング剤やエアを供給する供給機構が設けられている。図1では塗布ガン305,405と連結されるそれぞれ3本のチューブによるチューブ束26、27を示している。3本のチューブは、コーティング剤の往路と復路、及びエア注入に用いられる。
そして塗布ガン305,405では、内部の吐出機構で圧力が調節されることで、コーティング剤の吐出量が調整される。
コーティング剤は例えばポリオレフィン系若しくはアクリル系若しくはポリウレタン系の絶縁コーティング剤である。シンナーで希釈して液状で回路基板100に塗布した場合、10分程度乾燥させることで、回路基板100に基板遮蔽層としての薄膜が形成される。
また本実施の形態のコーティング装置1には、作業台部2上には、光センサを構成する発光部21,受光部22や、捨て打ち部23、浸け置き部24A、24Bが設けられる。
光センサを構成する発光部21と受光部22は、X方向に対向するように配置されている。発光部21は例えば半導体レーザ等により構成され、例えば直径1.5mm程度のレーザ光を出力する。このレーザ光は受光部22によって受光される。受光部22では、受光光量に応じて、検出信号を出力する。
この場合、レーザ光の光線はX方向に伸びる線状となり、例えばノズル3aがY方向に移動されてレーザ光の光線を横切ると、光線がノズル3aによって妨げられ、受光部22に達しない。これによって受光部22では、受光光量が低下し、光量低下状態を示す検出信号を出力することとなる。
適切な塗布幅で塗布を行うために、ノズル3aからの扇状のスプレーパターンの幅を調整することが行われる。そのために、ノズル3aのからスプレーパターンを吐出させながら、センサの光線を横切る方向性でノズル3aを移動させて、スプレーパターンの幅を測定する。測定結果に応じて、コーティング剤のスプレー圧を調整することで、スプレーパターン幅を所望の幅に調整できる。
捨て打ち部23は、いわゆる捨て打ちとしてコーティング剤を吐出する場合などに用いられる。
また浸け置き部24A、24Bは、ノズル3a及び屈曲ニードル4aの先端を希釈剤に浸け置きするために設けられている。
本例では、揮発性の高い溶剤で希釈されたコーティング剤を用いており、これが乾燥してノズル3aや屈曲ニードル4aの先端吐出孔で硬化し、吐出するスプレーパターンを変化させたり、詰まりを生じさせてしまうことがある。
そこで不使用時の待機位置として浸け置き部24A、24Bを設け、不使用時には、希釈剤を入れた浸け置き部24A、24Bにノズル3a及び屈曲ニードル4aの先端が浸されるようにしておく。浸け置き部24A、24Bには例えばシンナー系の溶剤を入れておくことで、ノズル3aや屈曲ニードル4aの詰まりを防ぐ。
また使用前には捨て打ち部23の上方にノズル3aや屈曲ニードル4aを位置させた状態で、捨て打ちとしての吐出を行って硬化部分を吹き飛ばすようにする。
これらの手法で、実際のコーティング作業時に安定したスプレーパターンが得られるようにしている。
また本例ではノズル3aからスプレーパターンを吐出させながら、センサの光線を横切る方向性でノズル3aを移動させて、スプレーパターンの幅を測定することが行われる。
この際に、上述の浸け置き、捨て打ちが行われていることで、測定の際も安定したスプレーパターン幅の測定ができることとなる。
また、捨て打ち部23の上方は、発光部21からのレーザ光の光線位置となる。従って、後述する測定処理としてスプレーパターンを吐出しながらノズル3aを移動させる動作は、捨て打ち部23の上方で行うことができる。つまり捨て打ち部23が測定処理の際に吐出されるスプレーパターンの受け部としても機能する。
また捨て打ち部23には図示の様に斜面が形成されており、該斜面によって捨て打ちされたコーティング剤が一定方向に向かうようにされ、むやみに作業台部2上にコーティング剤が飛散することがないようにしている。
またコーティング装置1には、例えば液晶パネル等により構成された表示部9が設けられている。表示部9には、タッチパネルが搭載されてオペレータが入力操作を行うことも可能とされる。
この表示部9には、コーティング装置1に対する操作のための操作アイコン、メッセージ表示、その他、ユーザインターフェースのための各種画像が表示される。
屈曲ニードル4aが取り付けられた塗布ガン405を旋回させる旋回機構について図2乃至図4で詳述する。
図2はユニットケース401内を示した斜視図であり、図3はユニットケース401内の構造を、チューブ束27(チューブ27a,27b,27c)を外した状態で示し、旋回中心軸CTを加えた図である。また図4Aは、旋回機構の断面を示すとともに、図4Aと図4Bは、塗布ガンが90°異なる旋回角度位置にある状態を示している。
ユニットケース401内にはベースプレート402が固定されている。ベースプレート402の背面側には、ベースプレート402の下方に向けてバックプレート403が取り付けられている。このバックプレート403側が上述のZ方向ガイド4zにスライド可能に取り付けられる。
ベースプレート402上にはニードル回転モータ16が配置されている。ニードル回転モータ415は、例えばサーボモータ等で構成される。ニードル回転モータ16の回転力はモータ側ギア16aから、旋回ギア410に伝達される。
またベースプレート402には中央孔402hが形成されており(図4A参照)、この中央孔を介してベースプレート402の上下面に渡って旋回ベース409が配置されている。
旋回ベース409の上部は円筒部409aとされ、下部は旋回体取付部409bとされている。旋回体取付部409bとベースプレート402の下面の間にはベアリングテーブル411が配置されている。
旋回体取付部409bの旋回体取付部409bには、ネジN5によりL字プレート404が固着されている。そしてL字プレート404の下端側に塗布ガン405が固定されている。従って、旋回ベース409が中央孔402h内で回転されることで、L字プレート404が旋回し、これによって塗布ガン405(塗布ガン405に装着された屈曲ニードル4a)が旋回することになる。
旋回ギア410はバックラッシュを考慮して上ギア410aと下ギア410bが重ねた状態でベースプレート402上に配置されている。
図4Aに示すように、上ギア410aと下ギア410bは、ネジN2で接合されている。また上ギア410aはネジN1によりベアリングテーブル411の内周部材411bと接合されている。また旋回ベース409の旋回体取付部409bはネジN4によりベアリングテーブル411の内周部材411bと接合されている。
そしてベアリングテーブル411の外周部材411aがネジN3によりベースプレート402の下面側に固定されている。
以上の構造より、ニードル回転モータ16による回転力がモータ側ギア16aから、旋回ギア410に伝達され、旋回ギア410が回転されることで旋回ベース409が回転される。旋回ベース409が回転されることで塗布ガン405を取り付けたL字プレート404が旋回する。
チューブ束27として束ねられているチューブ27a、27b、27cは、旋回ベース409の円筒内を通過して塗布ガン405側に達する。チューブ27aはコーティング剤の往路を形成しており、塗布ガン405の液体注入部406に取り付けられる。チューブ27bはコーティング剤の復路を形成しており、塗布ガン405の液体排出部407に取り付けられる。チューブ27cはエア供給路を形成しており、塗布ガン405のエア吸入部408に取り付けられる。
ここで旋回ベース409の旋回は、基準旋回位置0°の状態から、右回り方向に約180°、左回り方向に約180℃の範囲で制限さるようにしている。このように回転動作が制限されることで、塗布ガン405に取り付けられたチューブ27a,27b,27cが過大にねじれてしまうことがないようにされている。
回転角度範囲の制限はニードル回転モータ16の動作制御によるものだけでもよいが、さらに本例では図2,図3に示すように旋回ベース409にストッパピン409cが形成され、またベースプレート402の下面側所定位置にストッパ面402aが形成され、ストッパピン409cがストッパ面402aに当接することで、それ以上の回転が制限されるようにしている。図のストッパピン409c、ストッパ面402aは右回転方向の制限を行うものであるが、左回転方向の制限のためにも、同様のストッパ面、ストッパピンが設けられている。
このような構造において、塗布ガン405の旋回は、旋回中心軸CTを旋回中心として行われる。この旋回中心軸CTは屈曲ニードル4aの本体部4ahの中心軸に相当する。
従って塗布ガン405が旋回されると、屈曲ニードル4aの屈曲された先端部4asの向き(つまり液体吐出方向)は、旋回中心軸CTを中心として周囲を見渡していくように変化することになる。
なお、以上、塗布ガン405の旋回機構について説明したが、ノズル3aが取り付けられた塗布ガン305側の旋回機構も同様の機構で実現できる。
また本実施の形態のコーティング装置1では、ノズル3a及び屈曲ニードル4aは塗布ガン305,405から取り外しが可能とされている。図4の装着部420を緩めることで脱着が可能である。
従って、ノズル3aと屈曲ニードル4aを取り付けた状態とするほか、使用目的に応じて、ノズル3a又は屈曲ニードル4aを、先端が屈曲していない通常(ストレートタイプ)のニードルに取り替えるといったことも可能である。
<2.コーティング装置の制御構成>
図5にコーティング装置1の制御構成を示す。なおここでは特に電気系統を示し、コーティング剤の供給、加圧制御等の流体制御系についての説明は省略する。
主制御部30は、例えばマイクロコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)により形成された演算処理装置であり、各部の動作制御を行う。
メモリ部34は、主制御部30が各種制御で用いるROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEP−ROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリ等の記憶領域を総括的に示している。
なお、このメモリ部34としては、マイクロコンピュータ内部に形成される記憶領域(レジスタ、RAM、ROM、EEP−ROM等)や、マイクロコンピュータとしてのチップ外部で外付けされるメモリチップの領域の両方をまとめて示している。つまり、いずれの記憶領域が用いられても良いため区別せずに示したものである。
メモリ部34におけるROM領域には、主制御部30としてのCPUが実行するプログラムが記憶される。
メモリ部34におけるRAM領域は、主制御部30としてのCPUが各種演算処理のためのワークメモリとして用いたり、画像データの一時的な記憶等に用いられる。
メモリ部34における不揮発性メモリ領域は、演算制御処理のための係数、定数等、必要な情報が格納される。
主制御部30は、メモリ部34に格納されるプログラムや、入力部31からのオペレータの操作入力に基づいて、或いは図示しないライン制御コンピュータ等からの指示に基づいて、必要な演算処理、制御処理を行う。
入力部31は、オペレータが操作入力を行う部位とされる。例えば上述のように表示部9にタッチパネルが形成される場合、該タッチパネルが入力部31となる。また操作キーや、リモートコントローラ等による入力部31が設けられても良い。
入力部31からの入力情報は主制御部30に供給され、主制御部30は入力情報に応じた処理を行う。
主制御部30は、表示駆動部33に表示データを供給し、表示部9での表示を実行させる。表示駆動部33は、供給された表示データに基づいて画像信号を生成し、表示部9を駆動する。
例えば主制御部30は、操作メニュー画面、操作アイコン、動作状態表示画像、メッセージ画像などの表示を表示駆動部33に指示し、表示部9に表示させる。
外部インターフェース46は外部機器との通信やネットワーク通信を行う。主制御部30は外部インターフェース46を介して、各種情報を通信により入力したり、送信出力することができる。例えばライン上の各機器がネットワークシステム化させている場合、ホスト機器や他の機器との間で通信を行うことができる。
この通信により、外部機器から回路基板100の撮像画像データ等の供給を受けたり、或いはバージョンアッププログラムをロードしたり、各種処理係数、定数の変更設定を受け付けたりすることができる。また主制御部30がホスト機器に対し、エラーメッセージ、ワーニング等を送信することなども可能とされる。
また実際のコーティングの際には、ガンユニット3、4をX、Y、Z方向に移動させ、またノズル3aや屈曲ニードル4aを旋回させる動作により、回路基板100上で塗布位置を移動させる。このために、例えば外部のホスト機器などで予めスプレーパス設定処理が行われ、ノズル3aの移動経路であるノズルパスと、屈曲ニードル4aの移動経路であるニードルパスが設定される。
例えばホスト機器で設定されたノズルパスとニードルパスの情報は、外部インターフェース46により取り込まれ、メモリ部34に記憶される。
主制御部30は、そのノズルパスとニードルパスの設定情報に基づいて、次のような各モータの駆動制御を行う。
主制御部30はモータコントローラ35に対してノズル移動のコマンドを送信する。コマンド内容は、塗布ガン305、405の移動方向(X、Y、Z方向)、移動量、移動速度、旋回方向、旋回量、旋回速度を指示する内容などとされる。
そして実際のコーティング処理を開始した後は、上述のノズルパスに応じて、ノズル移動をモータコントローラ35に指示し、またニードルパスに応じて、ニードル移動をモータコントローラ35に指示していくこととなる。
これらのコマンドに応じて、モータコントローラ35は、各モータドライバ(36,37,38,39,45,46)を駆動制御することとなる。
Xモータドライバ36は、Xモータ7に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりXモータ7が駆動され、ガンユニット3、4の全体がX方向の正方向又は逆方向にスライド移動される。
Yモータドライバ38は、Yモータ8に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりYモータ7が駆動され、ガンユニット3、4の全体(X方向ガイド11全体)がY方向の正方向又は逆方向にスライド移動される。
ノズルZモータドライバ39は、ノズルZモータ5に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりノズルZモータ5が駆動され、ノズル3aを装着した塗布ガン305が垂直方向に繰り出されたり、引き上げられたりするように移動される。
ノズル回転モータドライバ37は、ノズル回転モータ6に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりノズル3aを装着した塗布ガン305の旋回角度位置を変化させる旋回動作が行われる。
ニードルZモータドライバ45は、ニードルZモータ15に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりニードルZモータ15が駆動され、屈曲ニードル4aを装着した塗布ガン405が垂直方向に繰り出されたり、引き上げられたりするように移動される。
ニードル回転モータドライバ46は、ニードル回転モータ16に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これにより屈曲ニードル4aを装着した塗布ガン405の旋回角度位置を変化させる旋回動作が行われる。
モータコントローラ35は、主制御部30からのコマンドに応じて、各モータドライバ36,37,38,39,45,46に指示を出し、電流印加を実行させることで、各モータが連携して、作業台部2上での塗布ガン305(ノズル3a)及び塗布ガン405(屈曲ニードル4a)の移動が実行される。
位置検出部51は、Xモータ7により移動される塗布ガン305、405のX方向の位置を検出する。例えば作業台部2の情報空間が、X座標、Y座標、Z座標としての三次元座標空間として管理されるとする。位置検出部51は、X方向の位置をX座標値として検知し、現在のX座標値を主制御部30に通知する。
位置検出部52は、ノズル回転モータ6により回転駆動される塗布ガン305(ノズル3a)の旋回角度位置を検出する。そして旋回角度位置を主制御部30に通知する。
位置検出部53は、Yモータ8により移動される塗布ガン305、405のY方向の位置を、Y座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部54は、ノズルZモータ5により上下移動される塗布ガン305(ノズル3a)のZ方向の位置を、Z座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部55は、ニードルZモータ15により上下移動される塗布ガン405(屈曲ニードル4a)のZ方向の位置を、Z座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部56は、ニードル回転モータ16により回転駆動される塗布ガン405(屈曲ニードル4a)の旋回角度位置を検出する。そして旋回角度位置を主制御部30に通知する。
位置検出部51,53,54,55は、それぞれX方向ガイド11,Y方向ガイド12、Z方向ガイド3z,4zに機械的或いは光学的なセンサが設けられて位置を検出するようにしても良いし、或いはXモータ7,Yモータ8,ノズルZモータ5,ニードルZモータ15がステッピングモータの場合、位置検出部51,53,54,55は、正逆方向の駆動ステップ数をアップ/ダウンカウントするカウンタとし、そのカウント値を検出位置とするものでもよい。
またXモータ7,Yモータ8,ノズルZモータ5,ニードルZモータ15に取り付けられたFG(Frequency Generator)やロータリエンコーダ等の信号を用いて、現在位置を計測するものでもよい。いずれにせよ位置検出部51,53,54,55は、ノズル3a及び屈曲ニードル4aの現在位置としてX座標値、Y座標値、Z座標値が検出できる構成であればよく、その具体的手法は問われない。
また位置検出部52、56は、例えばサーボモータによるノズル回転モータ6、ニードル回転モータ16による塗布ガン305、405の旋回角度位置を機械的或いは光学的に検出するセンサとされる。或いはノズル回転モータ6やニードル回転モータ16のFGやロータリエンコーダの出力を検知して旋回角度位置情報を生成するようにしてもよい。
従って位置検出部51,52,53,54,55,56は、モータコントローラ35の内部カウンタ等による構成となってもよいし、機械的或いは光学的な外部センサの情報をモータコントローラ35が取り込む形式で構成してもよい。
モータコントローラ35は、位置検出部51,52,53,54,55,56からの位置情報を監視しながら、主制御部30から求められた駆動を実行することになる。
また主制御部30は、モータコントローラ35を介して位置検出部51,52,53,54,55,56による位置情報の通知を受けることで、ノズル3aや屈曲ニードル4aの現在位置を把握でき、正確かつ無駄のないノズル移動制御、ニードル移動制御が実行できる。
なお、この場合、ノズル3aの位置と屈曲ニードル4aの位置としてのX、Y座標値は、あくまでノズル3a側のガンユニット3の位置として検出される。従って主制御部30は、ノズル3aの塗布位置、屈曲ニードル4aの塗布位置としてのそれぞれのX、Y座標値は、ガンユニット3の位置から所定量オフセットさせるように計算上求めるようにすればよい。
吐出制御部40は、主制御部30の指示に応じて、ノズル3a、屈曲ニードル4aからのコーティング剤の吐出の実行/停止を制御する。この図では吐出機構41として、ノズル3a及び屈曲ニードル4aへのコーティング剤の供給及び加圧・吐出を行う機構部位として概念的に示している。
また吐出制御部40は、主制御部30の指示に応じて、吐出の際の圧力を調整することで、コーティング剤のスプレーパターンの幅や吐出量を調整することもできる。
センサ駆動部42は、発光部21からのレーザ発光駆動を実行させるとともに、受光部22の受光信号を検出し、検出信号を生成する。
このセンサ駆動部42は主制御部30の指示に応じてレーザ発光駆動を行い、またその際、検出信号を主制御部30に供給することになる。
<3.スプレーパス設定>
以上の構成の本実施の形態のコーティング装置1は、ノズル3a側の塗布ガン305及び屈曲ニードル4a側の塗布ガン405を併用することで、回路基板100に応じた精細な塗布を行うことができる。特にコーティングを効率よくかつ正確に行うために、実際の塗布作業の前には、予め外部コンピュータ装置で作成された、ノズル3aによる塗布作業時の移動経路(ノズルパス)と、屈曲ニードル4aによる塗布作業時の移動経路(ニードルパス)を取り込む。以下、外部のコンピュータ装置においてスプレーパス設定プログラムによるノズルパス。ニードルパスの設定処理を説明する。
まず図6〜図8で、スプレーパス(ノズルパス及びニードルパス)設定の概要を説明する。
図6Aはコーティング処理対象物である回路基板100を示している。この回路基板100にコーティングを行うためには、図6B、図6Bのように第1禁止エリアAR1、第2禁止エリアAR2を設定する。
第1禁止エリアAR1は、ノズル3aによるスプレーパターンの吐出を行わない領域である。但し、塗布したいが、ノズル3aによっては塗布できない領域も含んでいる。
第2禁止エリアAR2は、第1禁止エリア内であって、屈曲ニードル4aによるスプレーパターン91の吐出を行わない領域である。即ち第2禁止エリアAR2は、第1禁止エリアAR1に含まれているが塗布を行うべき場所を除外したエリアである。換言すれば、本来、回路基板100上で塗布を行わないとすべきエリアは、第2禁止エリアAR2として表される。例えば電子部品110、111の上面などである。
図7、図8はこのような禁止エリア設定と、その後のスプレーパス設定を、撮像画像で示している。例えば外部のコンピュータ装置においては、回路基板100の撮像画像を利用してスプレーパス設定処理を行う。
図7Aに示すように回路基板100の撮像画像には、電子部品110、111等が画像として現れる。
このような画像に対し、オペレータのタッチ入力、もしくはコンピュータ装置で可能な画像解析により図7Bのように第1禁止エリアAR1を設定する。
ノズルパス設定は、この第1禁止エリアAR1を考慮して行われる。即ち第1禁止エリアAR1を避けるようにノズル3aを移動させる経路を算出する。図7Cは作成したノズルパスを画面に表示させている例である。各パスマーカPM1がノズルパスを示す。三角形のパスマーカPM1によりノズル3aの移動方向が示される。また例えば各パスマーカPM1には数字が付されており、塗布時にノズル3aを移動させる経路の順序が示される。
なお各パスマーカPM1によっては、ノズル3aがコーティング剤を吐出しながら移動する吐出移動経路が示される。各パスマーカPM1で示されるのが、それぞれ1つの吐出移動経路となる。或る吐出移動経路から次の吐出移動経路に移動するときは、ノズル3aからの吐出を継続させながら移動できる箇所もあれば、一旦コーティング剤の吐出を停止させて移動させる場合もある。例えば図7Cで「7番」のパスマーカPM1の吐出移動経路で塗布を行った後、「8番」のパスマーカPM1の吐出移動経路での塗布に移る場合、ノズル3aは非吐出状態で移動される。このような非吐出状態で移動する経路(非吐出移動経路)は、パスマーカPM1によって直接的には示されないが、実質的には塗布作業時のノズル移動経路であり、ノズルパスに含まれることになる。
図8Aは、第2禁止エリアAR2を示した画像例である。第2禁止エリアAR2も、撮像画像に対してのオペレータのタッチ入力、もしくは画像解析により設定する。
なお図8Bには、第2禁止エリアAR2に、第1禁止エリアAR1を破線で重ねて示した。この図からわかるように、第2禁止エリアAR2は、第1禁止エリアAR1内で、塗布しないエリアを示すものとなる。
ニードルパスは図8Aの第2禁止エリアAR2を考慮して設定される。即ち第1禁止エリアAR1内であって、第2禁止エリアAR2に含まれない部分を屈曲ニードル4aで塗布するように、屈曲ニードル4aを移動させる経路を算出する。図8Cは作成したニードルパスを画面に表示させている例である。各パスマーカPM2がニードルパスを示す。三角形のパスマーカPM2により、屈曲ニードル4aの移動方向が示される。また図示していないが、例えば各パスマーカPM2に対応して数字が付されて、屈曲ニードル4aを移動させる経路の順序が示される。
なお各パスマーカPM2によっては、屈曲ニードル4aがコーティング剤を吐出しながら移動する吐出移動経路が示される。屈曲ニードル4aの場合も、或る吐出移動経路から次の吐出移動経路に移動するときは、一旦コーティング剤の吐出を停止させて移動させる場合もある。この場合の非吐出移動経路は、パスマーカPM2によって直接的には示されないが、実質的には塗布作業時のニードル移動経路であり、ニードルパスに含まれることになる。
以上のようにスプレーパス設定処理で、第1禁止エリアAR1、第2禁止エリアAR2を考慮して、ノズルパスとニードルパスが設定される。
以下、外部のコンピュータ装置においてスプレーパス設定プログラムにより実行されるスプレーパス設定処理の具体例を図9を参照して詳細に説明する。
スプレーパス設定処理が開始されると、まずステップS101で基板撮像画像取り込み、記憶、及び画像補正の処理が行われる。この場合、回路基板100の平面画像の撮像が行われて、撮像画像がコンピュータ装置に取り込み、処理対象の画像として記憶する。なお、撮像画像に対しては必要なサイズ補正や画角調整などが行われる場合もある。
なお、このステップS101としては、既に用意された回路基板100の画像データを、当該スプレーパス設定を行うコンピュータ装置に転送するようにしてもよい。
次にコンピュータ装置はステップS102で、撮像画像上でスプレーパス原点位置を設定する処理を行う。これは、ノズル3a及び屈曲ニードル4aのX、Y方向移動の原点と、表示された画像の原点位置を一致させる処理である。例えばノズル3aが撮像画像の原点aの位置に相当する位置にある場合の移動座標値(X方向ガイド11上の検出位置、及びY方向ガイド12上の検出位置)をノズル原点座標とし、屈曲ニードル4aが撮像画像の原点aの位置に相当する位置にある場合の移動座標値をニードル原点座標とする。
ステップS103でコンピュータ装置はコーティング条件設定を行う。ここでは例えば以下の(1)〜(9)のような設定を行う。
(1)ノズル3aの扇状スプレーパターンの幅や塗布厚の設定
扇状のスプレーパターンの幅は加圧液体の加圧力やノズル3aの種別によって異なる。スプレーパターンの幅が異なれば効率の良いノズルパスも変わる。そこでノズルパス作成のために扇状スプレーパターンの幅を設定する。また塗布厚の設定はノズル3aの移動速度や、隣のすでに塗布された部分への重ね塗り量に関わる。
(2)重ね塗り量の設定
塗布幅hで塗布する際に、隣の既に塗布された部分にどれだけ重ねて塗布するかを設定する。通常は重ね塗りしないでノズルパスを設定しても、液化したコーティング剤の塗布後の僅かな拡張によって隣同士の塗布が合体し隙間のない塗布が完成する。しかし付着しない部分やピンホールを完全に防ぐための塗布作業ないし厚みのある塗布を必要とする場合は重ね塗り量を多く設定する必要がある。
(3)基板外周のり代の設定
回路基板100の端面までコーティング剤を塗布すると、コーティング剤が流れ落ちピンホールや付着しない部分を形成することがある。また、コーティング剤が流れ出して回路基板100の側面や裏面に付着すると粘着性が発生するともに厚みが変化し、後の搬送に支障をきたす恐れがある。また、無駄なコーティング剤の消費ともなる。そこで外周でコーティング剤を塗布しないのり代を設定できるようにしている。回路基板100の外周に数ミリ間隔の塗布しないのり代を設定すると、のり代の手前に塗布されたコーティング剤の表面張力によって、回路基板100上に塗装厚を保持しコーティング膜を作成することができる。この表面張力によってコーティング剤が流れ落ちることもない。
(4)基板厚み設定
基板の厚みを設定することによりノズル3a及び屈曲ニードル4aの高さ(塗布時のZ座標値)が決まる。上述のように扇状のスプレーパターンを吐出するノズル3aは、効率よい塗布幅hで塗布することができる高さ位置が決まることになる。
(5)塗布方向の設定
効率的で短時間に塗布作業を完成させる為に、回路基板100の横方向(X方向)か縦方向(Y方向)のどちらに主にノズル3aや屈曲ニードル4aを移動させたほうが良いかを設定する。
(6)塗布高さの設定
回路基板100上の電子部品110,111等の高さにも応じたノズル3a及び屈曲ニードル4aの高さ位置の設定であって、扇状スプレーパターンが霧化しないダブテイル状の部分を使って塗布するための高さ設定である。過去のデータが揃っていれば条件を入力するだけで自動的に効率よい塗布幅hに設定することができる。
(7)移動高さ設定
上述のように塗布作業時の移動経路であるスプレーパス(ノズルパス、ニードルパス)は、吐出移動経路と非吐出移動経路を含む。
非吐出移動経路においてコーティング剤の吐出を行わずに回路基板100上をノズル3a及び屈曲ニードル4aが通過するときは、回路基板100上の電子部品110,111等の高さに考慮して移動しなくてはならない。そこでノズル3a及び屈曲ニードル4aが電子部品等に当接して破損することがないように、移動高さ(ノズル移動高さ、及びニードル移動高さ)を設定する。
具体的には、非吐出状態で移動が行われる非吐出移動経路でのノズル3aの高さ位置、及び屈曲ニードル4aの高さ位置を、ノズル移動高さ、及びニードル移動高さとして設定する。
ここでノズル移動高さ及び上記ニードル高さは、塗布処理対象物である回路基板100に設けられた構造物(電子部品110,111)の高さを越える高さに設定することで、非吐出移動経路において、ノズル3aや屈曲ニードル4aが電子部品110,111に衝突することがないようにされる。
但しあまりにノズル移動高さ、及びニードル移動高さを高く設定すると、非吐出移動経路の移動の際にZ方向の移動に時間をとられ非効率になる。そこでノズル移動高さ、及びニードル移動高さ、電子部品110,111の高を越える高さを越えるが、高すぎないような高さに設定されることで、移動効率を確保する。
ノズル移動高さとニードル移動高さの設定値は、Z座標値として設定しても良いし、液体吐出時の高さからのZ方向(上昇方向)へのオフセット値として設定してもよい。
なおノズル移動高さとニードル移動高さは個別に設定してもよいし、同じ値としてもよい。同じ値とする場合は、ノズル移動高さとニードル移動高さを、非吐出移動経路での「移動高さ」としてまとめて設定してもよい。
またノズル移動高さ、及びニードル移動高さは、オペレータがZ座標値又はオフセット値を数値入力して設定しても良いし、コンピュータ装置が自動設定してもよい。例えばステップS101で取り込んだ基板撮像画像の解析を行って、例えば電子部品等の構造物の種別を判定して、最も高い構造物に応じて自動設定をすることができる。さらには撮像画像の被写体距離を算出して構造物の高さを判定することもできる。その高さに応じてノズル移動高さ、及びニードル移動高さを自動設定することも考えられる。
(8)塗布速度設定
ノズル3aの選定と吐出圧の設定と塗布速度の設定によってコーティング剤の塗布厚が決定する。塗布速度を下げるとコーティング剤が厚く塗布され、ひび割れの原因になったり、あふれて禁止エリアAR1,AR2に入ってしまうことがある。塗布速度を早くするとコーティング剤が薄く塗布され、塗布されない箇所ができてしまうと共に、飛沫量が大きくなり、禁止エリアAR1,AR2に飛沫が飛んでしまうことがある。そこで適切な塗布速度を設定する。
なお、設定する塗布速度としては、ノズル3aによる直線方向塗布速度、旋回角度に応じた塗布速度、斜め方向移動のための塗布速度、円弧移動のための塗布速度、屈曲ニードル4aの塗布速度などがある。
(9)塗布タイミング設定
塗布方向にノズル3aや屈曲ニードル4aが移動する際、停止した状態から加速して一定速度に達するまでの期間に吐出したコーティング剤は厚く塗布されてしまう。同様にノズル3aや屈曲ニードル4aの速度が減速して停止するまでの間に吐出したコーティング剤も厚く塗布されてしまう。また、一定速度で移動していたノズル3aや屈曲ニードル4aが停止するまでコーティング剤が吐出されると、慣性力によって停止位置よりも先にコーティング剤が塗布されてしまう。そこでノズル3a及び屈曲ニードル4aの移動が一定速度に達してからコーティング剤を塗布するとともに、一定速度より減速するとコーティング剤の塗布を中止するように、塗布タイミングを設定する。
ステップS103ではコンピュータ装置は、以上の(1)〜(9)のような各種設定を、オペレータの入力、他の機器からの情報、或いは入力に基づいた演算などによって実行する。もちろん必要に応じて上記以外の設定も行われる。
続いてステップS104では、コンピュータ装置は第1禁止エリアAR1の設定を行う。
上述のように回路基板100の画像に対してオペレータが塗布を禁止させたい領域範囲をマウスやタッチペンなどを用いて囲うなどの入力を行うことに応じて図7Bのように禁止エリアAR1の領域を設定する。
なお、コンピュータ装置は回路基板100の撮像画像を解析することで電子部品110,111の領域を判別することができる。そこで電子部品領域や、上述の設定処理で設定した塗布幅では塗布できない領域などを画像解析結果から判定し、当該箇所を第1禁止エリアAR1として自動設定するようにしてもよい。
また、自動設定した第1禁止エリアAR1を図7Bのように表示した際に、オペレータが必要に応じて修正入力を行い、それにより第1禁止エリアAR1の設定を修正するようにしてもよい。
ステップS105でコンピュータ装置は、第2禁止エリアAR2の設定を行う。この場合も、オペレータが塗布を禁止させたい領域範囲をマウスやタッチペンなどを用いて囲うなどの入力に応じて、図8Aのように禁止エリアAR2の領域を設定してもよいし、画像解析により自動設定してもよい。自動設定の場合はオペレータが必要に応じて修正入力を行うことができるようにすると良い。
なお、この図9の処理例では、第1禁止エリアAR1、第2禁止エリアAR2を順次別個に設定するものとしているが、連動的に設定することもできる。
例えばオペレータが禁止させたい箇所を入力した場合、その領域を第2禁止エリアAR2に設定する。その上で該第2禁止エリアAR2と、さらにノズル3aでは塗布できない幅の領域をまとめて第1禁止エリアAR1の設定を行う。このようにすれば、オペレータは、単純に、塗布させたくない領域の入力のみを行えばよいことになり作業性が向上する。
また、同様に画像解析の場合も、まず電子部品110,111等の領域を第2禁止エリアAR2として設定する。そして該第2禁止エリアAR2と、さらにノズル3aでは塗布できない幅の領域を検出して、これらをまとめて第1禁止エリアAR1として設定するようにしてもよい。第1禁止エリアAR1、第2禁止エリアAR2の両方を画像解析に基づいてコンピュータ装置が自動設定するようにすれば作業の手間は軽減され、作業効率は大きく向上する。
ステップS106でコンピュータ装置はノズルパスの作成を行う。この場合、ステップS103で設定した各種コーティング条件や、ステップS104で設定した第1禁止エリアAR1に基づいて塗布する経路の方向や順序を演算し、第1の塗布禁止エリアを少なくとも除いた吐出移動経路と、ノズル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むノズルパスを作成する。そして図7Cに示したようにパスマーカPM1によりノズルパスを表示させる。なお、図7CのパスマーカPM1は、全体のノズルパスを構成する1つ1つの吐出移動経路の略中央に表示される例としている。
具体的なノズルパス作成処理は、全体の経路を設定するとともに、1つのパスマーカPM1で示される1つ1つの吐出移動経路について、開始位置、終了位置、パス長、方向、ノズル旋回角度、吐出時のノズル高さ(Z座標値)、移動速度などを設定する処理となる。また非吐出移動経路のノズル移動高さもノズルパスの情報に含まれる。
このようなノズルパス設定により、ノズル3aの吐出移動経路の移動が第1禁止エリアAR1を含まず、また非吐出移動経路の移動が適切な高さで行われ、さらに各種コーティング条件に応じて効率良く行われるようにする。
ステップS107でコンピュータ装置はニードルパスの作成を行う。即ちステップS103で設定した各種コーティング条件や、ステップS105で設定した第2禁止エリアAR2に基づいて、第2禁止エリアAR2及びノズル3aによる塗布エリアを除いた領域について、屈曲ニードル4aで塗布すべき経路の方向や順序を演算し、吐出移動経路と、ニードル移動高さの設定に従った非吐出移動経路を含むニードルパスを作成する。
そして図8Cに示したようにパスマーカPM2によりニードルパスを表示させる。図8CのパスマーカPM2は、全体のニードルパスを構成する1つ1つのパスの略中央に表示される例としている。
具体的なニードルパス作成処理は、全体の経路を設定するとともに、1つのパスマーカPM2で示される1つ1つのパスについて、開始位置、終了位置、パス長、方向、吐出時のニードル高さ(Z座標値)、ニードル旋回角度、移動速度などを設定する処理となる。また非吐出移動経路のニードル移動高さもニードルパスの情報に含まれる。
このようなニードルパス設定により、屈曲ニードル4aの吐出移動経路の移動が第2禁止エリアAR2及びノズル3aによる塗布エリアを含まず、また非吐出移動経路の移動が適切な高さや旋回角度状態で行われ、さらに各種コーティング条件に応じて効率良く行われるようにする。
なお実際には、図8CのパスマーカPM2によるニードルパス表示と、図7CのパスマーカPM1によるノズルパス表示は、一画面上で同時に実行させるようにしても良いし、切り換えて個別に表示できるようにしてもよい。禁止エリアAR1,AR2の表示もまとめても良いし、切り換えられるようにしてもよい。
以上の図9の処理で作成されたノズルパス及びニードルパスが外部インターフェース46を介してコーティング装置1に取り込まれメモリ部34に記憶される。そしてそのノズルパス及びニードルパスに基づいて実際のコーティング作業が行われる。
例えばオペレータが入力部31からコーティング開始を指示する。
これにより主制御部30は回路基板100に対してコーティング剤の塗布実行の制御を行う。
例えば主制御部30は、まずノズルパスに応じた移動が実行されるようにモータコントローラ35に指示するとともに、吐出制御部40に指示してノズル3aからのコーティング剤の吐出を実行させる。これによりノズルパスの経路で回路基板100上に塗布が行われていく。
ノズルパスでの塗布が完了したら、続いて主制御部30は、ニードルパスに応じた移動が実行されるようにモータコントローラ35に指示するとともに、吐出制御部40に指示して屈曲ニードル4aからのコーティング剤の吐出を実行させる。これによりニードルパスの経路で回路基板100上に塗布が行われていく。
以上の制御により回路基板100上でのコーティング剤の塗布が完了する。
なお、以上の説明は外部のコンピュータ装置でスプレーパス設定が行われるものとしたが、コーティング装置1に回路基板100を撮像できる撮像部を設け、或いは撮像画像をコーティング装置1に転送するようにし、その撮像画像を用いて主制御部30が図9の処理を行うことでノズルパス及びニードルパスを作成するようにしてもよい。
<4.屈曲ニードルを用いた塗布動作>
設定されたニードルパスに基づいて行われる屈曲ニードル4aによるコーティング動作の各種例を説明する。
先端部4asが本体部4ahに対して所定角度に屈曲されていることで、以下の例のような塗布が実行可能となる。
図10は例えば円柱形状の電子部品110の下部周囲をコーティングする場合を示している。図10Cのように、屈曲ニードル4aが電子部品110の周面を周回するように移動しながらコーティング剤を噴射する。
図10AのパスマーカPM2で示されるニードルパスが、電子部品110の周囲を周回する設定であったとする。このニードルパスは、例えば図10Cのように屈曲ニードル4aを十分に下降させたZ座標において、X、Y座標値(X0、Y0)からX、Y座標値(X1、Y1)まで電子部品110の周りを半周し、さらにそのまま続いてX、Y座標値(X1、Y1)からX、Y座標値(X0、Y0)まで残り半周して完了するものであるとする。
この場合にX、Y座標値(X0、Y0)における旋回角度位置がθ0と設定され、X、Y座標値(X1、Y1)における旋回角度位置がθ1と設定されているとする。
旋回角度位置θ0はX、Y座標値(X0、Y0)の位置で屈曲ニードル4aの先端部4asが電子部品110の中心Sの方向を向く旋回角度位置であるとする。
旋回角度位置θ1はX、Y座標値(X1、Y1)の位置で屈曲ニードル4aの先端部4asが電子部品110の中心Sの方向を向く旋回角度位置であるとする。旋回角度位置θ0とθ1は180°異なる。
このようなニードルパスは、図9のステップS107で設定される。つまりこの場合のパスマーカPM2に対応する条件設定として、円弧塗布が指定され、屈曲ニードル4aの先端部4asの向きも設定される。この設定において、円弧状に屈曲ニードル4aを移動させる際の先端部4asの向き、つまり旋回角度位置を、移動に伴って変化させるものとしてニードルパスを設定する。
このときに開始点(X0、Y0)から目的点(X1、Y1)までの経路において、XY2軸の円弧補間を行いながら、旋回角度位置θ軸との補間を行う。
つまり、Xモータ制御量とYモータ制御量の2軸につい円弧補間を行って図10Bに破線矢印500で示すように円弧経路を設定する。加えてこの円弧経路上で連続的に旋回角度位置θを変化させるように設定し、図示のように、円弧経路において常に先端部4asが円弧の中心(電子部品110の中心S)に向くようにする。具体的には、開始点(X0、Y0)から目的点(X1、Y1)までの円弧経路の距離、及びスピードに対して、均一に旋回角度位置θを例えば0°から180°まで変化させるように設定する。
この円弧補間は、例えば電子部品110が円柱形状である場合、先端部4asが、円弧経路の接線d1に対して90°を維持するように旋回させる動作を規定するものとなる。
なお円弧経路の接線d1との間でなす先端部4asの角度(旋回角度位置)とは、塗布対象物の周面の円弧形状の接線との間でなす先端部4asの角度に相当する。
このような設定に基づいて実際の塗布が行われる場合、主制御部30の制御により、Xモータ7とYモータ8が、円弧経路を進行するように駆動されながら、ニードル回転モータ16が連続的に駆動される。これによって図10Cのように、電子部品110の下部周面のコーティングが実現される。特に円弧経路上で旋回角度位置θが変化させられ、先端部4asが常に中心Sを向くことで円周形状部位に対して均一で安定したコーティングが実現できる。
なお、図10Bでは、先端部4asが、円弧状の塗布経路上の接線d1に対して所定角度として90°を維持するようにしたが、90°に限られない。例えば図10Dのように、先端部4asが、円弧状の塗布経路上の接線d1に対して直角ではない所定角度qを維持するように旋回させる動作を規定することもできる。このように所定角度を変化させることで、塗布量や塗布幅を変化させることもできる。
次に図11は屈曲ニードル4aによる他の塗布例である。
図11Aに示すように、上方から塗布ができない部品112の側面のような場所にも塗布することが可能となる。さらに同図に示すように基板100の側面を塗布することも可能となる。
また、図11Bに示すように、部品112,113,114,115の各側面を塗布することも可能である。
まず、先端部4asを部品112の側面に向けて塗布する。このとき旋回角度位置θ=−180°としておく。そして矢印d1で示すように部品113の付近に移動し、旋回角度位置θを−90°とする。これによって先端部4asが部品113の側面に向くことになり、側面塗布を実行する。以降も、矢印d2移動→旋回角度位置θ=0°→部品114の側面塗布→矢印d3移動→旋回角度位置θ=90°→部品115側面塗布、と動作を進めていくことで、部品112,113,114,115に囲まれた狭い領域で各部品の側面塗布が実行できる。
また、狭い部分を通過して塗布することも可能である。その場合には、図11Cのように屈曲方向が狭路方向に合うように旋回角度位置θを制御すればよい。
以上のように本実施の形態のコーティング装置1は、塗布液体を扇状に吐出するノズル3aと、塗布液体を細線状に吐出する屈曲ニードル4aを有することで、処理対象物(回路基板100等)の状態にあわせてノズル3aと屈曲ニードル4aで分担して塗布液体を吐出し、塗布作業を実行できる。このため回路基板100の電子部品110配置などにフレキシブルに対応して適切なコーティングが可能である。
特に屈曲ニードル4aによっては、基板端面、電子部品間の狭路、基板等の壁面、さらには円弧面などにも安定して適切にコーティングが可能である。
また、屈曲ニードル4aを取り付けた塗布ガン405は、屈曲ニードル4aの本体部4ahの中心軸を旋回中心CTとして旋回される。これによりニードル回転モータ16による回転駆動の制御が容易化される。つまりニードル回転モータ16で実現される旋回角度位置θは、そのまま先端部4asの向きとなる。このためニードルパス設定演算の容易化、円弧経路設定での円弧補間処理の容易化が実現される。また屈曲ニードル4aによる任意の向きの状態での吐出制御も容易となる。
さらに上述のように、電子部品110等の塗布処理対象物に対して屈曲ニードル4aが円弧状の塗布経路で移動するように前記塗布ガンを移動させる際、旋回機構が、先端部4asが円弧状の塗布経路の接線に対して所定角度を維持するように旋回させることで、塗布処理対象物の円弧面などにも均一で安定したコーティングが実現できる。
なお基板端面などの塗布には、屈曲ニードル4aを用いなくても、通常のニードルを傾けるチルト機構を形成することで、可能となる場合もある。
しかしながら、チルト機構を採用する場合、電子部品の陰の部分が塗布できなかったり、狭路ではニードルを傾斜させることができないこともある。さらに塗布ガンにチルト機構を設けることで構成の複雑化を招く。
これに対し、本実施の形態の屈曲ニードル4aを用いることによれば、チルト機構では対応できない陰の部分や狭路側面なども容易に塗布することができ、さらに機構の複雑化も招かない。
以上により本実施の形態では、処理対象物の形状、場所によらず、特には部品側面、細密部分などであっても容易に均一且つ効率のよい液体塗布が可能となる。
<5.変形例>
本発明は、以上の実施の形態に限定されず各種の変形例が考えられる。
屈曲ニードル4aの先端部4asの屈曲角度は、各図では約45°程度として示したが、もちろん屈曲角度は限定されない。例えば30°、60°、90°などとされてもよい。
角度によって噴出される液体のスプレーパターン形状も変化するため、塗布対象物に応じて適切な角度が設定されることが好適である。例えば図11Aの壁面塗布の場合などは、90°の屈曲ニードルが好適となることも想定される。
また、塗布ガン405に対して屈曲ニードル4aは着脱可能である。従って、各種の角度の屈曲ニードル4aを用意しておき、使用時に選択できるようにしてもよい。
また、先端部4asは、直線状ではなく湾曲していてもよい。
屈曲ニードル4aの取付時は、例えば待機位置で先端が所定方向に向くように取り付けるようにしたり、或いは取り付けると必ずその方向に向くような機構を形成することが好適である。即ち塗布ガン405の旋回角度位置θ=0°の状態で先端部4asが特定方向を向くようにする。これにより先端部4asの向きの制御が正確に可能となる。
また屈曲ニードル4aは取り替え不能で塗布ガン405に固定されているものでもよい。
実施の形態では2つの塗布ガン305,405を有する2ガンタイプのコーティング装置を挙げたが、1ガンタイプ、3ガンタイプなど、塗布ガンの数は限定されない。いずれにしても屈曲ニードル4aが装着可能な構成であれば本発明は適用できる。
またガンユニット3、4は、それぞれ個別にX,Y方向に移動されるようにした構成例も考えられる。
また上述のスプレーパス設定処理では、第1、第2禁止エリアAR1、AR2の上空をノズル3a及び屈曲ニードル4aが通過しないようなパス設定をおこなうようにするとよい。さらには、塗布中、或いは塗布後、塗布開始前などのいずれの場合も、ノズル3a及び屈曲ニードル4aが、少なくとも第2禁止エリアAR2の上空を通過しないように制御することが好ましい。ノズル3aや屈曲ニードル4aからの液だれにより、少なくとも第2禁止エリアAR2にコーティング剤が付着してしまうことがないようできるためである。
また実施の形態のコーティング装置は、回路基板に薄膜を形成するコーティング装置に限ることなく、各種の処理対象物に対して薄膜等を形成するコーティング装置に適用できる。薄膜とは、防湿膜、防さび膜、塗装膜、着色膜など、各種の膜のコーティングに適用できる。
また本発明の液体吐出装置は、実施の形態のようなコーティング装置に限らず、膜形成、洗浄、塗装など、各種の目的で加圧液体の吐出を行う液体吐出装置として広く適用できる。
1…コーティング装置
2…作業台部
3,4…ガンユニット
3a…ノズル
3z,4z…Z方向ガイド
4a…ニードル
4ah…本体部
4as…先端部
15…ニードルZモータ
16…ニードル回転モータ

Claims (4)

  1. 本体部の下端側となる先端部が斜め下方に向くように前記本体部の中心軸に対して屈曲されているニードルが装着されることで、前記先端部から電子回路基板のコーティング剤である塗布液体を吐出する塗布ガンと、
    装着された前記ニードルが、電子回路基板の配置面に対する平面方向及び電子回路基板の配置面に接離する方向に移動するように、前記塗布ガンを移動させる移動手段と、
    装着された前記ニードルの前記先端部を旋回させる旋回手段とを備え、
    前記旋回手段は、前記ニードルの前記本体部の中心軸を旋回中心として前記塗布ガンを旋回させ、
    前記移動手段による前記塗布ガンの移動と前記旋回手段による前記先端部の旋回は、塗布処理対象の電子回路基板について設定される塗布禁止エリアと他のノズルによる塗布エリアの両方を除いた領域を塗布する経路の情報であって、コーティング剤を吐出しながら移動する吐出移動経路とコーティング剤を吐出しないで移動する非吐出移動経路を含み、更に各経路では開始位置、終了位置、経路長、進行方向、ニードルの前記先端部の高さ、ニードル旋回角度についての設定がされているニードルパスの情報に従って行われる
    液体吐出装置。
  2. 前記ニードルパスの情報に従って行われる前記移動手段による前記塗布ガンの移動と前記旋回手段による前記先端部の旋回として、
    前記移動手段により、電子回路基板に対して前記ニードルが円弧状の塗布経路で移動するように前記塗布ガンを移動させる際、
    前記旋回手段は、前記ニードルの前記先端部が、前記円弧状の塗布経路の接線に対して所定角度を維持するように旋回させる
    請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記円弧状の塗布経路は、電子回路基板における塗布対象物の円筒面状の周面に対して液体塗布を行うための塗布経路であり、前記所定角度は、前記先端部が、前記塗布対象物の中心を向く角度である
    請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記ニードルは、前記塗布ガンに対して着脱可能とされている
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置。
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