JP6305707B2 - 液体吐出装置 - Google Patents
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Description
例えば上記特許文献1、2には塗布液体を吐出する装置が開示されている。通常液体塗布装置では、ノズル先端からコーティング剤を電子回路基板などの表面に対して吐出して薄膜コーティングを形成する。
そこで本発明では、液体吐出装置において通常のノズルでは実現できない、多様な箇所へのコーティングを、効率よくかつ正確に実行できるようにすることを目的とする。
細線状のニードルにより塗布ガンからの液体(コーティング剤)を噴霧することで精密な液体塗布が可能となるが、その上で先端部が屈曲されていること、さらには旋回可能とすることで吐出目標の自由度を上げる。この場合に旋回中心がニードル本体部の中心軸としていることで、方向制御を容易化する。
このようにすることで円弧状の塗布目標に対して均一な塗布が可能となる。
このようにすることは塗布対象物の周面に対して均一な塗布に適している。
つまり塗布対象物である電子回路基板に応じて必要時にニードルを装着できるようにする。
説明は次の順序で行う。
<1.実施の形態のコーティング装置の構成>
<2.コーティング装置の制御構成>
<3.スプレーパス設定>
<4.屈曲ニードルを用いた塗布動作>
<5.変形例>
図1乃至図4を用いて、本発明の液体吐出装置の実施の形態であるコーティング装置1の構成を説明する。まず主に図1を参照してコーティング装置1の全体構成を述べる。
このコーティング装置1は、その作業台部2に載置された回路基板100に対して、ノズル3a又は屈曲ニードル4aからコーティング剤を吐出して吹き付け、回路基板100に防湿や防錆のための保護薄膜を形成する装置である。
ノズル3aは塗布液体(コーティング剤)を扇状又は円錐状に吐出するノズルである。一方、ニードルとは先端が例えば針状(細長い円筒)とされて塗布液体を細線状に吐出する「ノズル」であるが、屈曲ニードル4aとは、図2乃至図4に拡大して示すように、特に針状の細経の本体部4ahと、本体部4ahから屈曲されて形成された先端部4asを有するニードルである。
ノズル3aと屈曲ニードル4aは、いずれも「ノズル」として機能するが、各ノズルを区別するために、説明上、細線状の液体吐出を行うノズルを「ニードル」と呼ぶこととしている。
例えばこのコーティング装置1は電子回路基板等の製造ラインの一部として使用することができ、回路基板100が図示しない搬送機構で基板載置台10上にセットされる。そしてコーティング装置1でコーティング処理が行われ、その後図示しない搬送機構で回路基板100が取り出されて次工程に移送される。これによりライン上で連続作業としてのコーティング処理が実行される。
もちろん、コーティング装置1は、このようにラインを構成するだけでなく、個別に回路基板100等の処理対象物に対してコーティングを行う機器としてもよい。
ガンユニット3には、コーティング剤を扇状に吐出するノズル3aが装着された塗布ガン305が取り付けられている。ユニットケース301内に塗布ガン305の上部機構が配置されている。
ガンユニット4には、コーティング剤を細線状に吐出する屈曲ニードル4aが装着された塗布ガン405が取り付けられている。ユニットケース401内に塗布ガン405の上部機構が配置されている。
ユニットケース301は、Z方向ガイド3zに対して、Z方向にスライド可能に取り付けられている。Z方向ガイド3zには、図示しないノズルZモータ5(図5で後述)と、ノズルZモータ5によって回転される駆動軸が配備されており、ガンユニット3は駆動軸の回転により、Z方向、つまり塗布処理対象物配置面である基板載置台10に接離する方向に移動可能とされている。
同様にユニットケース401は、Z方向ガイド4zに対して、Z方向にスライド可能に取り付けられている。Z方向ガイド4zにも、図示しないニードルZモータ15(図5で後述)と、ニードルZモータ15によって回転される駆動軸が配備されており、ガンユニット4は駆動軸の回転により、Z方向(基板載置台10に接離する方向)に移動可能とされている。
このZ方向の移動により、ノズル3a、屈曲ニードル4aは、それぞれ塗布時に回路基板100の表面に対して、所定高さの位置まで降下できる。
X方向ガイド11には、Xモータ7と、Xモータ7によって回転される駆動軸11aが配備されており、ガンユニット3,4は駆動軸11aの回転により、X方向ガイド11に沿ってX方向に移動可能とされている。このため駆動軸11aとZ方向ガイド3z、4zの間では、駆動軸11aの回転がスライド移動方向に変換されるギア構成等による連結機構が採用される。
X方向、Y方向、Z方向に移動することで、載置された回路基板100上の各所を移動しながらのコーティング剤のスプレーを行うことや、非塗布時に所定の待機位置で待機することなどが実行可能となる。
なおX方向、Y方向、Z方向の移動手段としての機構は、あくまで一例である。移動機構が上述の構造に限定されるものではない。
そして塗布ガン305,405では、内部の吐出機構で圧力が調節されることで、コーティング剤の吐出量が調整される。
コーティング剤は例えばポリオレフィン系若しくはアクリル系若しくはポリウレタン系の絶縁コーティング剤である。シンナーで希釈して液状で回路基板100に塗布した場合、10分程度乾燥させることで、回路基板100に基板遮蔽層としての薄膜が形成される。
光センサを構成する発光部21と受光部22は、X方向に対向するように配置されている。発光部21は例えば半導体レーザ等により構成され、例えば直径1.5mm程度のレーザ光を出力する。このレーザ光は受光部22によって受光される。受光部22では、受光光量に応じて、検出信号を出力する。
この場合、レーザ光の光線はX方向に伸びる線状となり、例えばノズル3aがY方向に移動されてレーザ光の光線を横切ると、光線がノズル3aによって妨げられ、受光部22に達しない。これによって受光部22では、受光光量が低下し、光量低下状態を示す検出信号を出力することとなる。
適切な塗布幅で塗布を行うために、ノズル3aからの扇状のスプレーパターンの幅を調整することが行われる。そのために、ノズル3aのからスプレーパターンを吐出させながら、センサの光線を横切る方向性でノズル3aを移動させて、スプレーパターンの幅を測定する。測定結果に応じて、コーティング剤のスプレー圧を調整することで、スプレーパターン幅を所望の幅に調整できる。
また浸け置き部24A、24Bは、ノズル3a及び屈曲ニードル4aの先端を希釈剤に浸け置きするために設けられている。
本例では、揮発性の高い溶剤で希釈されたコーティング剤を用いており、これが乾燥してノズル3aや屈曲ニードル4aの先端吐出孔で硬化し、吐出するスプレーパターンを変化させたり、詰まりを生じさせてしまうことがある。
そこで不使用時の待機位置として浸け置き部24A、24Bを設け、不使用時には、希釈剤を入れた浸け置き部24A、24Bにノズル3a及び屈曲ニードル4aの先端が浸されるようにしておく。浸け置き部24A、24Bには例えばシンナー系の溶剤を入れておくことで、ノズル3aや屈曲ニードル4aの詰まりを防ぐ。
また使用前には捨て打ち部23の上方にノズル3aや屈曲ニードル4aを位置させた状態で、捨て打ちとしての吐出を行って硬化部分を吹き飛ばすようにする。
これらの手法で、実際のコーティング作業時に安定したスプレーパターンが得られるようにしている。
この際に、上述の浸け置き、捨て打ちが行われていることで、測定の際も安定したスプレーパターン幅の測定ができることとなる。
また、捨て打ち部23の上方は、発光部21からのレーザ光の光線位置となる。従って、後述する測定処理としてスプレーパターンを吐出しながらノズル3aを移動させる動作は、捨て打ち部23の上方で行うことができる。つまり捨て打ち部23が測定処理の際に吐出されるスプレーパターンの受け部としても機能する。
また捨て打ち部23には図示の様に斜面が形成されており、該斜面によって捨て打ちされたコーティング剤が一定方向に向かうようにされ、むやみに作業台部2上にコーティング剤が飛散することがないようにしている。
この表示部9には、コーティング装置1に対する操作のための操作アイコン、メッセージ表示、その他、ユーザインターフェースのための各種画像が表示される。
図2はユニットケース401内を示した斜視図であり、図3はユニットケース401内の構造を、チューブ束27(チューブ27a,27b,27c)を外した状態で示し、旋回中心軸CTを加えた図である。また図4Aは、旋回機構の断面を示すとともに、図4Aと図4Bは、塗布ガンが90°異なる旋回角度位置にある状態を示している。
ベースプレート402上にはニードル回転モータ16が配置されている。ニードル回転モータ415は、例えばサーボモータ等で構成される。ニードル回転モータ16の回転力はモータ側ギア16aから、旋回ギア410に伝達される。
旋回ベース409の上部は円筒部409aとされ、下部は旋回体取付部409bとされている。旋回体取付部409bとベースプレート402の下面の間にはベアリングテーブル411が配置されている。
旋回体取付部409bの旋回体取付部409bには、ネジN5によりL字プレート404が固着されている。そしてL字プレート404の下端側に塗布ガン405が固定されている。従って、旋回ベース409が中央孔402h内で回転されることで、L字プレート404が旋回し、これによって塗布ガン405(塗布ガン405に装着された屈曲ニードル4a)が旋回することになる。
図4Aに示すように、上ギア410aと下ギア410bは、ネジN2で接合されている。また上ギア410aはネジN1によりベアリングテーブル411の内周部材411bと接合されている。また旋回ベース409の旋回体取付部409bはネジN4によりベアリングテーブル411の内周部材411bと接合されている。
そしてベアリングテーブル411の外周部材411aがネジN3によりベースプレート402の下面側に固定されている。
以上の構造より、ニードル回転モータ16による回転力がモータ側ギア16aから、旋回ギア410に伝達され、旋回ギア410が回転されることで旋回ベース409が回転される。旋回ベース409が回転されることで塗布ガン405を取り付けたL字プレート404が旋回する。
回転角度範囲の制限はニードル回転モータ16の動作制御によるものだけでもよいが、さらに本例では図2,図3に示すように旋回ベース409にストッパピン409cが形成され、またベースプレート402の下面側所定位置にストッパ面402aが形成され、ストッパピン409cがストッパ面402aに当接することで、それ以上の回転が制限されるようにしている。図のストッパピン409c、ストッパ面402aは右回転方向の制限を行うものであるが、左回転方向の制限のためにも、同様のストッパ面、ストッパピンが設けられている。
従って塗布ガン405が旋回されると、屈曲ニードル4aの屈曲された先端部4asの向き(つまり液体吐出方向)は、旋回中心軸CTを中心として周囲を見渡していくように変化することになる。
また本実施の形態のコーティング装置1では、ノズル3a及び屈曲ニードル4aは塗布ガン305,405から取り外しが可能とされている。図4の装着部420を緩めることで脱着が可能である。
従って、ノズル3aと屈曲ニードル4aを取り付けた状態とするほか、使用目的に応じて、ノズル3a又は屈曲ニードル4aを、先端が屈曲していない通常(ストレートタイプ)のニードルに取り替えるといったことも可能である。
図5にコーティング装置1の制御構成を示す。なおここでは特に電気系統を示し、コーティング剤の供給、加圧制御等の流体制御系についての説明は省略する。
メモリ部34は、主制御部30が各種制御で用いるROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEP−ROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリ等の記憶領域を総括的に示している。
なお、このメモリ部34としては、マイクロコンピュータ内部に形成される記憶領域(レジスタ、RAM、ROM、EEP−ROM等)や、マイクロコンピュータとしてのチップ外部で外付けされるメモリチップの領域の両方をまとめて示している。つまり、いずれの記憶領域が用いられても良いため区別せずに示したものである。
メモリ部34におけるRAM領域は、主制御部30としてのCPUが各種演算処理のためのワークメモリとして用いたり、画像データの一時的な記憶等に用いられる。
メモリ部34における不揮発性メモリ領域は、演算制御処理のための係数、定数等、必要な情報が格納される。
主制御部30は、メモリ部34に格納されるプログラムや、入力部31からのオペレータの操作入力に基づいて、或いは図示しないライン制御コンピュータ等からの指示に基づいて、必要な演算処理、制御処理を行う。
入力部31からの入力情報は主制御部30に供給され、主制御部30は入力情報に応じた処理を行う。
例えば主制御部30は、操作メニュー画面、操作アイコン、動作状態表示画像、メッセージ画像などの表示を表示駆動部33に指示し、表示部9に表示させる。
この通信により、外部機器から回路基板100の撮像画像データ等の供給を受けたり、或いはバージョンアッププログラムをロードしたり、各種処理係数、定数の変更設定を受け付けたりすることができる。また主制御部30がホスト機器に対し、エラーメッセージ、ワーニング等を送信することなども可能とされる。
例えばホスト機器で設定されたノズルパスとニードルパスの情報は、外部インターフェース46により取り込まれ、メモリ部34に記憶される。
主制御部30は、そのノズルパスとニードルパスの設定情報に基づいて、次のような各モータの駆動制御を行う。
そして実際のコーティング処理を開始した後は、上述のノズルパスに応じて、ノズル移動をモータコントローラ35に指示し、またニードルパスに応じて、ニードル移動をモータコントローラ35に指示していくこととなる。
これらのコマンドに応じて、モータコントローラ35は、各モータドライバ(36,37,38,39,45,46)を駆動制御することとなる。
Yモータドライバ38は、Yモータ8に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりYモータ7が駆動され、ガンユニット3、4の全体(X方向ガイド11全体)がY方向の正方向又は逆方向にスライド移動される。
ノズルZモータドライバ39は、ノズルZモータ5に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりノズルZモータ5が駆動され、ノズル3aを装着した塗布ガン305が垂直方向に繰り出されたり、引き上げられたりするように移動される。
ノズル回転モータドライバ37は、ノズル回転モータ6に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりノズル3aを装着した塗布ガン305の旋回角度位置を変化させる旋回動作が行われる。
ニードルZモータドライバ45は、ニードルZモータ15に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりニードルZモータ15が駆動され、屈曲ニードル4aを装着した塗布ガン405が垂直方向に繰り出されたり、引き上げられたりするように移動される。
ニードル回転モータドライバ46は、ニードル回転モータ16に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これにより屈曲ニードル4aを装着した塗布ガン405の旋回角度位置を変化させる旋回動作が行われる。
モータコントローラ35は、主制御部30からのコマンドに応じて、各モータドライバ36,37,38,39,45,46に指示を出し、電流印加を実行させることで、各モータが連携して、作業台部2上での塗布ガン305(ノズル3a)及び塗布ガン405(屈曲ニードル4a)の移動が実行される。
位置検出部52は、ノズル回転モータ6により回転駆動される塗布ガン305(ノズル3a)の旋回角度位置を検出する。そして旋回角度位置を主制御部30に通知する。
位置検出部53は、Yモータ8により移動される塗布ガン305、405のY方向の位置を、Y座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部54は、ノズルZモータ5により上下移動される塗布ガン305(ノズル3a)のZ方向の位置を、Z座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部55は、ニードルZモータ15により上下移動される塗布ガン405(屈曲ニードル4a)のZ方向の位置を、Z座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部56は、ニードル回転モータ16により回転駆動される塗布ガン405(屈曲ニードル4a)の旋回角度位置を検出する。そして旋回角度位置を主制御部30に通知する。
またXモータ7,Yモータ8,ノズルZモータ5,ニードルZモータ15に取り付けられたFG(Frequency Generator)やロータリエンコーダ等の信号を用いて、現在位置を計測するものでもよい。いずれにせよ位置検出部51,53,54,55は、ノズル3a及び屈曲ニードル4aの現在位置としてX座標値、Y座標値、Z座標値が検出できる構成であればよく、その具体的手法は問われない。
また位置検出部52、56は、例えばサーボモータによるノズル回転モータ6、ニードル回転モータ16による塗布ガン305、405の旋回角度位置を機械的或いは光学的に検出するセンサとされる。或いはノズル回転モータ6やニードル回転モータ16のFGやロータリエンコーダの出力を検知して旋回角度位置情報を生成するようにしてもよい。
モータコントローラ35は、位置検出部51,52,53,54,55,56からの位置情報を監視しながら、主制御部30から求められた駆動を実行することになる。
また主制御部30は、モータコントローラ35を介して位置検出部51,52,53,54,55,56による位置情報の通知を受けることで、ノズル3aや屈曲ニードル4aの現在位置を把握でき、正確かつ無駄のないノズル移動制御、ニードル移動制御が実行できる。
なお、この場合、ノズル3aの位置と屈曲ニードル4aの位置としてのX、Y座標値は、あくまでノズル3a側のガンユニット3の位置として検出される。従って主制御部30は、ノズル3aの塗布位置、屈曲ニードル4aの塗布位置としてのそれぞれのX、Y座標値は、ガンユニット3の位置から所定量オフセットさせるように計算上求めるようにすればよい。
また吐出制御部40は、主制御部30の指示に応じて、吐出の際の圧力を調整することで、コーティング剤のスプレーパターンの幅や吐出量を調整することもできる。
このセンサ駆動部42は主制御部30の指示に応じてレーザ発光駆動を行い、またその際、検出信号を主制御部30に供給することになる。
以上の構成の本実施の形態のコーティング装置1は、ノズル3a側の塗布ガン305及び屈曲ニードル4a側の塗布ガン405を併用することで、回路基板100に応じた精細な塗布を行うことができる。特にコーティングを効率よくかつ正確に行うために、実際の塗布作業の前には、予め外部コンピュータ装置で作成された、ノズル3aによる塗布作業時の移動経路(ノズルパス)と、屈曲ニードル4aによる塗布作業時の移動経路(ニードルパス)を取り込む。以下、外部のコンピュータ装置においてスプレーパス設定プログラムによるノズルパス。ニードルパスの設定処理を説明する。
図6Aはコーティング処理対象物である回路基板100を示している。この回路基板100にコーティングを行うためには、図6B、図6Bのように第1禁止エリアAR1、第2禁止エリアAR2を設定する。
第1禁止エリアAR1は、ノズル3aによるスプレーパターンの吐出を行わない領域である。但し、塗布したいが、ノズル3aによっては塗布できない領域も含んでいる。
第2禁止エリアAR2は、第1禁止エリア内であって、屈曲ニードル4aによるスプレーパターン91の吐出を行わない領域である。即ち第2禁止エリアAR2は、第1禁止エリアAR1に含まれているが塗布を行うべき場所を除外したエリアである。換言すれば、本来、回路基板100上で塗布を行わないとすべきエリアは、第2禁止エリアAR2として表される。例えば電子部品110、111の上面などである。
図7Aに示すように回路基板100の撮像画像には、電子部品110、111等が画像として現れる。
このような画像に対し、オペレータのタッチ入力、もしくはコンピュータ装置で可能な画像解析により図7Bのように第1禁止エリアAR1を設定する。
ノズルパス設定は、この第1禁止エリアAR1を考慮して行われる。即ち第1禁止エリアAR1を避けるようにノズル3aを移動させる経路を算出する。図7Cは作成したノズルパスを画面に表示させている例である。各パスマーカPM1がノズルパスを示す。三角形のパスマーカPM1によりノズル3aの移動方向が示される。また例えば各パスマーカPM1には数字が付されており、塗布時にノズル3aを移動させる経路の順序が示される。
なお各パスマーカPM1によっては、ノズル3aがコーティング剤を吐出しながら移動する吐出移動経路が示される。各パスマーカPM1で示されるのが、それぞれ1つの吐出移動経路となる。或る吐出移動経路から次の吐出移動経路に移動するときは、ノズル3aからの吐出を継続させながら移動できる箇所もあれば、一旦コーティング剤の吐出を停止させて移動させる場合もある。例えば図7Cで「7番」のパスマーカPM1の吐出移動経路で塗布を行った後、「8番」のパスマーカPM1の吐出移動経路での塗布に移る場合、ノズル3aは非吐出状態で移動される。このような非吐出状態で移動する経路(非吐出移動経路)は、パスマーカPM1によって直接的には示されないが、実質的には塗布作業時のノズル移動経路であり、ノズルパスに含まれることになる。
なお図8Bには、第2禁止エリアAR2に、第1禁止エリアAR1を破線で重ねて示した。この図からわかるように、第2禁止エリアAR2は、第1禁止エリアAR1内で、塗布しないエリアを示すものとなる。
ニードルパスは図8Aの第2禁止エリアAR2を考慮して設定される。即ち第1禁止エリアAR1内であって、第2禁止エリアAR2に含まれない部分を屈曲ニードル4aで塗布するように、屈曲ニードル4aを移動させる経路を算出する。図8Cは作成したニードルパスを画面に表示させている例である。各パスマーカPM2がニードルパスを示す。三角形のパスマーカPM2により、屈曲ニードル4aの移動方向が示される。また図示していないが、例えば各パスマーカPM2に対応して数字が付されて、屈曲ニードル4aを移動させる経路の順序が示される。
なお各パスマーカPM2によっては、屈曲ニードル4aがコーティング剤を吐出しながら移動する吐出移動経路が示される。屈曲ニードル4aの場合も、或る吐出移動経路から次の吐出移動経路に移動するときは、一旦コーティング剤の吐出を停止させて移動させる場合もある。この場合の非吐出移動経路は、パスマーカPM2によって直接的には示されないが、実質的には塗布作業時のニードル移動経路であり、ニードルパスに含まれることになる。
以下、外部のコンピュータ装置においてスプレーパス設定プログラムにより実行されるスプレーパス設定処理の具体例を図9を参照して詳細に説明する。
なお、このステップS101としては、既に用意された回路基板100の画像データを、当該スプレーパス設定を行うコンピュータ装置に転送するようにしてもよい。
(1)ノズル3aの扇状スプレーパターンの幅や塗布厚の設定
扇状のスプレーパターンの幅は加圧液体の加圧力やノズル3aの種別によって異なる。スプレーパターンの幅が異なれば効率の良いノズルパスも変わる。そこでノズルパス作成のために扇状スプレーパターンの幅を設定する。また塗布厚の設定はノズル3aの移動速度や、隣のすでに塗布された部分への重ね塗り量に関わる。
(2)重ね塗り量の設定
塗布幅hで塗布する際に、隣の既に塗布された部分にどれだけ重ねて塗布するかを設定する。通常は重ね塗りしないでノズルパスを設定しても、液化したコーティング剤の塗布後の僅かな拡張によって隣同士の塗布が合体し隙間のない塗布が完成する。しかし付着しない部分やピンホールを完全に防ぐための塗布作業ないし厚みのある塗布を必要とする場合は重ね塗り量を多く設定する必要がある。
(3)基板外周のり代の設定
回路基板100の端面までコーティング剤を塗布すると、コーティング剤が流れ落ちピンホールや付着しない部分を形成することがある。また、コーティング剤が流れ出して回路基板100の側面や裏面に付着すると粘着性が発生するともに厚みが変化し、後の搬送に支障をきたす恐れがある。また、無駄なコーティング剤の消費ともなる。そこで外周でコーティング剤を塗布しないのり代を設定できるようにしている。回路基板100の外周に数ミリ間隔の塗布しないのり代を設定すると、のり代の手前に塗布されたコーティング剤の表面張力によって、回路基板100上に塗装厚を保持しコーティング膜を作成することができる。この表面張力によってコーティング剤が流れ落ちることもない。
(4)基板厚み設定
基板の厚みを設定することによりノズル3a及び屈曲ニードル4aの高さ(塗布時のZ座標値)が決まる。上述のように扇状のスプレーパターンを吐出するノズル3aは、効率よい塗布幅hで塗布することができる高さ位置が決まることになる。
(5)塗布方向の設定
効率的で短時間に塗布作業を完成させる為に、回路基板100の横方向(X方向)か縦方向(Y方向)のどちらに主にノズル3aや屈曲ニードル4aを移動させたほうが良いかを設定する。
(6)塗布高さの設定
回路基板100上の電子部品110,111等の高さにも応じたノズル3a及び屈曲ニードル4aの高さ位置の設定であって、扇状スプレーパターンが霧化しないダブテイル状の部分を使って塗布するための高さ設定である。過去のデータが揃っていれば条件を入力するだけで自動的に効率よい塗布幅hに設定することができる。
(7)移動高さ設定
上述のように塗布作業時の移動経路であるスプレーパス(ノズルパス、ニードルパス)は、吐出移動経路と非吐出移動経路を含む。
非吐出移動経路においてコーティング剤の吐出を行わずに回路基板100上をノズル3a及び屈曲ニードル4aが通過するときは、回路基板100上の電子部品110,111等の高さに考慮して移動しなくてはならない。そこでノズル3a及び屈曲ニードル4aが電子部品等に当接して破損することがないように、移動高さ(ノズル移動高さ、及びニードル移動高さ)を設定する。
具体的には、非吐出状態で移動が行われる非吐出移動経路でのノズル3aの高さ位置、及び屈曲ニードル4aの高さ位置を、ノズル移動高さ、及びニードル移動高さとして設定する。
ここでノズル移動高さ及び上記ニードル高さは、塗布処理対象物である回路基板100に設けられた構造物(電子部品110,111)の高さを越える高さに設定することで、非吐出移動経路において、ノズル3aや屈曲ニードル4aが電子部品110,111に衝突することがないようにされる。
但しあまりにノズル移動高さ、及びニードル移動高さを高く設定すると、非吐出移動経路の移動の際にZ方向の移動に時間をとられ非効率になる。そこでノズル移動高さ、及びニードル移動高さ、電子部品110,111の高を越える高さを越えるが、高すぎないような高さに設定されることで、移動効率を確保する。
ノズル移動高さとニードル移動高さの設定値は、Z座標値として設定しても良いし、液体吐出時の高さからのZ方向(上昇方向)へのオフセット値として設定してもよい。
なおノズル移動高さとニードル移動高さは個別に設定してもよいし、同じ値としてもよい。同じ値とする場合は、ノズル移動高さとニードル移動高さを、非吐出移動経路での「移動高さ」としてまとめて設定してもよい。
またノズル移動高さ、及びニードル移動高さは、オペレータがZ座標値又はオフセット値を数値入力して設定しても良いし、コンピュータ装置が自動設定してもよい。例えばステップS101で取り込んだ基板撮像画像の解析を行って、例えば電子部品等の構造物の種別を判定して、最も高い構造物に応じて自動設定をすることができる。さらには撮像画像の被写体距離を算出して構造物の高さを判定することもできる。その高さに応じてノズル移動高さ、及びニードル移動高さを自動設定することも考えられる。
(8)塗布速度設定
ノズル3aの選定と吐出圧の設定と塗布速度の設定によってコーティング剤の塗布厚が決定する。塗布速度を下げるとコーティング剤が厚く塗布され、ひび割れの原因になったり、あふれて禁止エリアAR1,AR2に入ってしまうことがある。塗布速度を早くするとコーティング剤が薄く塗布され、塗布されない箇所ができてしまうと共に、飛沫量が大きくなり、禁止エリアAR1,AR2に飛沫が飛んでしまうことがある。そこで適切な塗布速度を設定する。
なお、設定する塗布速度としては、ノズル3aによる直線方向塗布速度、旋回角度に応じた塗布速度、斜め方向移動のための塗布速度、円弧移動のための塗布速度、屈曲ニードル4aの塗布速度などがある。
(9)塗布タイミング設定
塗布方向にノズル3aや屈曲ニードル4aが移動する際、停止した状態から加速して一定速度に達するまでの期間に吐出したコーティング剤は厚く塗布されてしまう。同様にノズル3aや屈曲ニードル4aの速度が減速して停止するまでの間に吐出したコーティング剤も厚く塗布されてしまう。また、一定速度で移動していたノズル3aや屈曲ニードル4aが停止するまでコーティング剤が吐出されると、慣性力によって停止位置よりも先にコーティング剤が塗布されてしまう。そこでノズル3a及び屈曲ニードル4aの移動が一定速度に達してからコーティング剤を塗布するとともに、一定速度より減速するとコーティング剤の塗布を中止するように、塗布タイミングを設定する。
続いてステップS104では、コンピュータ装置は第1禁止エリアAR1の設定を行う。
上述のように回路基板100の画像に対してオペレータが塗布を禁止させたい領域範囲をマウスやタッチペンなどを用いて囲うなどの入力を行うことに応じて図7Bのように禁止エリアAR1の領域を設定する。
なお、コンピュータ装置は回路基板100の撮像画像を解析することで電子部品110,111の領域を判別することができる。そこで電子部品領域や、上述の設定処理で設定した塗布幅では塗布できない領域などを画像解析結果から判定し、当該箇所を第1禁止エリアAR1として自動設定するようにしてもよい。
また、自動設定した第1禁止エリアAR1を図7Bのように表示した際に、オペレータが必要に応じて修正入力を行い、それにより第1禁止エリアAR1の設定を修正するようにしてもよい。
例えばオペレータが禁止させたい箇所を入力した場合、その領域を第2禁止エリアAR2に設定する。その上で該第2禁止エリアAR2と、さらにノズル3aでは塗布できない幅の領域をまとめて第1禁止エリアAR1の設定を行う。このようにすれば、オペレータは、単純に、塗布させたくない領域の入力のみを行えばよいことになり作業性が向上する。
また、同様に画像解析の場合も、まず電子部品110,111等の領域を第2禁止エリアAR2として設定する。そして該第2禁止エリアAR2と、さらにノズル3aでは塗布できない幅の領域を検出して、これらをまとめて第1禁止エリアAR1として設定するようにしてもよい。第1禁止エリアAR1、第2禁止エリアAR2の両方を画像解析に基づいてコンピュータ装置が自動設定するようにすれば作業の手間は軽減され、作業効率は大きく向上する。
具体的なノズルパス作成処理は、全体の経路を設定するとともに、1つのパスマーカPM1で示される1つ1つの吐出移動経路について、開始位置、終了位置、パス長、方向、ノズル旋回角度、吐出時のノズル高さ(Z座標値)、移動速度などを設定する処理となる。また非吐出移動経路のノズル移動高さもノズルパスの情報に含まれる。
このようなノズルパス設定により、ノズル3aの吐出移動経路の移動が第1禁止エリアAR1を含まず、また非吐出移動経路の移動が適切な高さで行われ、さらに各種コーティング条件に応じて効率良く行われるようにする。
そして図8Cに示したようにパスマーカPM2によりニードルパスを表示させる。図8CのパスマーカPM2は、全体のニードルパスを構成する1つ1つのパスの略中央に表示される例としている。
具体的なニードルパス作成処理は、全体の経路を設定するとともに、1つのパスマーカPM2で示される1つ1つのパスについて、開始位置、終了位置、パス長、方向、吐出時のニードル高さ(Z座標値)、ニードル旋回角度、移動速度などを設定する処理となる。また非吐出移動経路のニードル移動高さもニードルパスの情報に含まれる。
このようなニードルパス設定により、屈曲ニードル4aの吐出移動経路の移動が第2禁止エリアAR2及びノズル3aによる塗布エリアを含まず、また非吐出移動経路の移動が適切な高さや旋回角度状態で行われ、さらに各種コーティング条件に応じて効率良く行われるようにする。
例えばオペレータが入力部31からコーティング開始を指示する。
これにより主制御部30は回路基板100に対してコーティング剤の塗布実行の制御を行う。
例えば主制御部30は、まずノズルパスに応じた移動が実行されるようにモータコントローラ35に指示するとともに、吐出制御部40に指示してノズル3aからのコーティング剤の吐出を実行させる。これによりノズルパスの経路で回路基板100上に塗布が行われていく。
ノズルパスでの塗布が完了したら、続いて主制御部30は、ニードルパスに応じた移動が実行されるようにモータコントローラ35に指示するとともに、吐出制御部40に指示して屈曲ニードル4aからのコーティング剤の吐出を実行させる。これによりニードルパスの経路で回路基板100上に塗布が行われていく。
以上の制御により回路基板100上でのコーティング剤の塗布が完了する。
なお、以上の説明は外部のコンピュータ装置でスプレーパス設定が行われるものとしたが、コーティング装置1に回路基板100を撮像できる撮像部を設け、或いは撮像画像をコーティング装置1に転送するようにし、その撮像画像を用いて主制御部30が図9の処理を行うことでノズルパス及びニードルパスを作成するようにしてもよい。
設定されたニードルパスに基づいて行われる屈曲ニードル4aによるコーティング動作の各種例を説明する。
先端部4asが本体部4ahに対して所定角度に屈曲されていることで、以下の例のような塗布が実行可能となる。
図10AのパスマーカPM2で示されるニードルパスが、電子部品110の周囲を周回する設定であったとする。このニードルパスは、例えば図10Cのように屈曲ニードル4aを十分に下降させたZ座標において、X、Y座標値(X0、Y0)からX、Y座標値(X1、Y1)まで電子部品110の周りを半周し、さらにそのまま続いてX、Y座標値(X1、Y1)からX、Y座標値(X0、Y0)まで残り半周して完了するものであるとする。
旋回角度位置θ0はX、Y座標値(X0、Y0)の位置で屈曲ニードル4aの先端部4asが電子部品110の中心Sの方向を向く旋回角度位置であるとする。
旋回角度位置θ1はX、Y座標値(X1、Y1)の位置で屈曲ニードル4aの先端部4asが電子部品110の中心Sの方向を向く旋回角度位置であるとする。旋回角度位置θ0とθ1は180°異なる。
このときに開始点(X0、Y0)から目的点(X1、Y1)までの経路において、XY2軸の円弧補間を行いながら、旋回角度位置θ軸との補間を行う。
つまり、Xモータ制御量とYモータ制御量の2軸につい円弧補間を行って図10Bに破線矢印500で示すように円弧経路を設定する。加えてこの円弧経路上で連続的に旋回角度位置θを変化させるように設定し、図示のように、円弧経路において常に先端部4asが円弧の中心(電子部品110の中心S)に向くようにする。具体的には、開始点(X0、Y0)から目的点(X1、Y1)までの円弧経路の距離、及びスピードに対して、均一に旋回角度位置θを例えば0°から180°まで変化させるように設定する。
この円弧補間は、例えば電子部品110が円柱形状である場合、先端部4asが、円弧経路の接線d1に対して90°を維持するように旋回させる動作を規定するものとなる。
なお円弧経路の接線d1との間でなす先端部4asの角度(旋回角度位置)とは、塗布対象物の周面の円弧形状の接線との間でなす先端部4asの角度に相当する。
図11Aに示すように、上方から塗布ができない部品112の側面のような場所にも塗布することが可能となる。さらに同図に示すように基板100の側面を塗布することも可能となる。
まず、先端部4asを部品112の側面に向けて塗布する。このとき旋回角度位置θ=−180°としておく。そして矢印d1で示すように部品113の付近に移動し、旋回角度位置θを−90°とする。これによって先端部4asが部品113の側面に向くことになり、側面塗布を実行する。以降も、矢印d2移動→旋回角度位置θ=0°→部品114の側面塗布→矢印d3移動→旋回角度位置θ=90°→部品115側面塗布、と動作を進めていくことで、部品112,113,114,115に囲まれた狭い領域で各部品の側面塗布が実行できる。
また、狭い部分を通過して塗布することも可能である。その場合には、図11Cのように屈曲方向が狭路方向に合うように旋回角度位置θを制御すればよい。
特に屈曲ニードル4aによっては、基板端面、電子部品間の狭路、基板等の壁面、さらには円弧面などにも安定して適切にコーティングが可能である。
さらに上述のように、電子部品110等の塗布処理対象物に対して屈曲ニードル4aが円弧状の塗布経路で移動するように前記塗布ガンを移動させる際、旋回機構が、先端部4asが円弧状の塗布経路の接線に対して所定角度を維持するように旋回させることで、塗布処理対象物の円弧面などにも均一で安定したコーティングが実現できる。
しかしながら、チルト機構を採用する場合、電子部品の陰の部分が塗布できなかったり、狭路ではニードルを傾斜させることができないこともある。さらに塗布ガンにチルト機構を設けることで構成の複雑化を招く。
これに対し、本実施の形態の屈曲ニードル4aを用いることによれば、チルト機構では対応できない陰の部分や狭路側面なども容易に塗布することができ、さらに機構の複雑化も招かない。
本発明は、以上の実施の形態に限定されず各種の変形例が考えられる。
屈曲ニードル4aの先端部4asの屈曲角度は、各図では約45°程度として示したが、もちろん屈曲角度は限定されない。例えば30°、60°、90°などとされてもよい。
角度によって噴出される液体のスプレーパターン形状も変化するため、塗布対象物に応じて適切な角度が設定されることが好適である。例えば図11Aの壁面塗布の場合などは、90°の屈曲ニードルが好適となることも想定される。
また、塗布ガン405に対して屈曲ニードル4aは着脱可能である。従って、各種の角度の屈曲ニードル4aを用意しておき、使用時に選択できるようにしてもよい。
また、先端部4asは、直線状ではなく湾曲していてもよい。
また屈曲ニードル4aは取り替え不能で塗布ガン405に固定されているものでもよい。
また上述のスプレーパス設定処理では、第1、第2禁止エリアAR1、AR2の上空をノズル3a及び屈曲ニードル4aが通過しないようなパス設定をおこなうようにするとよい。さらには、塗布中、或いは塗布後、塗布開始前などのいずれの場合も、ノズル3a及び屈曲ニードル4aが、少なくとも第2禁止エリアAR2の上空を通過しないように制御することが好ましい。ノズル3aや屈曲ニードル4aからの液だれにより、少なくとも第2禁止エリアAR2にコーティング剤が付着してしまうことがないようできるためである。
また本発明の液体吐出装置は、実施の形態のようなコーティング装置に限らず、膜形成、洗浄、塗装など、各種の目的で加圧液体の吐出を行う液体吐出装置として広く適用できる。
2…作業台部
3,4…ガンユニット
3a…ノズル
3z,4z…Z方向ガイド
4a…ニードル
4ah…本体部
4as…先端部
15…ニードルZモータ
16…ニードル回転モータ
Claims (4)
- 本体部の下端側となる先端部が斜め下方に向くように前記本体部の中心軸に対して屈曲されているニードルが装着されることで、前記先端部から電子回路基板のコーティング剤である塗布液体を吐出する塗布ガンと、
装着された前記ニードルが、電子回路基板の配置面に対する平面方向及び電子回路基板の配置面に接離する方向に移動するように、前記塗布ガンを移動させる移動手段と、
装着された前記ニードルの前記先端部を旋回させる旋回手段とを備え、
前記旋回手段は、前記ニードルの前記本体部の中心軸を旋回中心として前記塗布ガンを旋回させ、
前記移動手段による前記塗布ガンの移動と前記旋回手段による前記先端部の旋回は、塗布処理対象の電子回路基板について設定される塗布禁止エリアと他のノズルによる塗布エリアの両方を除いた領域を塗布する経路の情報であって、コーティング剤を吐出しながら移動する吐出移動経路とコーティング剤を吐出しないで移動する非吐出移動経路を含み、更に各経路では開始位置、終了位置、経路長、進行方向、ニードルの前記先端部の高さ、ニードル旋回角度についての設定がされているニードルパスの情報に従って行われる
液体吐出装置。 - 前記ニードルパスの情報に従って行われる前記移動手段による前記塗布ガンの移動と前記旋回手段による前記先端部の旋回として、
前記移動手段により、電子回路基板に対して前記ニードルが円弧状の塗布経路で移動するように前記塗布ガンを移動させる際、
前記旋回手段は、前記ニードルの前記先端部が、前記円弧状の塗布経路の接線に対して所定角度を維持するように旋回させる
請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記円弧状の塗布経路は、電子回路基板における塗布対象物の円筒面状の周面に対して液体塗布を行うための塗布経路であり、前記所定角度は、前記先端部が、前記塗布対象物の中心を向く角度である
請求項2に記載の液体吐出装置。 - 前記ニードルは、前記塗布ガンに対して着脱可能とされている
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置。
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