JP2018122229A - スプレーパス設定方法、プログラム、演算処理装置 - Google Patents

スプレーパス設定方法、プログラム、演算処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回路基板等の処理対象物に対して液体塗布のスプレーパスを適切に設定する。【解決手段】塗布禁止エリアが設定された塗布処理対象物に対して、塗布禁止エリアを無視した状態で略全面の塗布を行うための仮スプレーパスを設定する。次に塗布禁止エリアを避ける状態となるように仮スプレーパスを改変する。次に仮スプレーパスからパス設定条件に不適な部分を除外する。次に仮スプレーパスを画像化して、塗り残しとなる領域を確認する。そして塗り残しとなる領域について追加パスを設定する。【選択図】図10

Description

本発明は、例えば塗布装置により電子回路基板等の塗布処理対象物に薄膜をコーティングするためのスプレーパスの設定方法、及びスプレーパス設定のためのプログラムや演算処理装置に関する。
電子回路基板などに対しては、防湿、防錆などを目的として保護膜となる薄膜をコーティングすることが行われる。
例えば特許文献1には塗布液体を塗布する装置が開示されている。
特開2014−103258号公報
電子回路基板等の製造ラインのコーティング装置には、電子部品マウント済の基板が順次搬入される。コーティング装置では、搬入された電子回路基板に対して効率的に液体塗布を行うことが望まれる。
このため電子回路基板に対する効率的なスプレーパスを設定する必要がある。スプレーパスとは、塗布装置(コーティング装置)のノズルの液体塗布時の移動経路である。
ところが、スプレーパスは、基板上の電子部品の配置などに応じて、塗布をしない領域等を考慮したり所定の塗布条件を満たすように設定する必要がある。このスプレーパスは演算処理装置が自動設定するが、各種のパス設定条件に対応することで、設定したスプレーパスでは塗り残しとなる領域を生じさせることがある。例えば塗布を行うノズルの径より短いようなパスが発生すると、それはパスとして設定できないためパスから除外するためである。
従来、そのような塗り残しが生ずる場合、後の工程で作業者が塗り残し領域に人手で塗布を行うようにしており、工程効率が低下していた。
そこで本発明では、塗り残し領域が生じないようなスプレーパス設定方法を提案する。
本発明のスプレーパス設定方法は、塗布処理対象物に対して塗布を行うノズルの移動経路としてのスプレーパスを設定する演算処理装置のスプレーパス設定方法である。そして、塗布禁止エリアが設定された塗布処理対象物に対して、塗布禁止エリアを無視した状態で略全面の塗布を行うための仮スプレーパスを設定する第1手順と、塗布禁止エリアを避ける状態となるように仮スプレーパスを改変する第2手順と、仮スプレーパスからパス設定条件に不適な部分を除外する第3手順と、前記第3手順後の仮スプレーパスを画像化して、塗り残しとなる領域を確認する第4手順と、前記塗り残しとなる領域について追加パスを設定する第5手順とを行ってスプレーパスを設定する。
第1手順で略全面を走査するように仮スプレーパスを設定し、第2手順で塗布禁止エリアの対応、第3手順でパス設定条件対応を行うことで、効率的にパス設定を行うことができるが、その場合、塗り残し領域が生ずることがある。そこで、その時点のスプレーパスを画像化して認識することで塗り残し領域を判定し、追加パスを設定する。
上記のスプレーパス設定方法においては、前記第4手順では、塗り残しとなる領域の形状及びサイズを確認し、前記第5手順では、形状及びサイズに応じて、塗り残しとなる領域の長手方向にパスが進行するように追加パス設定を行うことが考えられる。
塗り残し部分の形状により長手方向と短手方向が確認でき、サイズによりスプレーパスとして必要なパス本数が確認できる。
上記のスプレーパス設定方法においては、前記第2手順では、塗布禁止エリアにパスが存在しないように仮スプレーパスを分割したうえで、塗布禁止エリアの周囲に新たにパスを追加するように、仮スプレーパスを改変することが考えられる。
最初に全面に設定した仮スプレーパスが、塗布禁止エリアで削除されるようにパスを分割する。
上記のスプレーパス設定方法においては、前記第3手順で参照するパス設定条件はパスの長さが所定以上であることが考えられる。
塗布装置(コーティング装置)では、適切に塗布を行うための最小塗布長がある。それに対応して、パスも最小パス長を設定することが適切となるため、1つのパスの長さが所定未満はパスとして有効化しないような条件を設定する。
本発明のプログラムは、塗布処理対象物に対して塗布を行うノズルの移動経路としてのスプレーパスを設定する演算処理装置に、上記第1処理から第5処理までを実行させるプログラムである。
本発明の演算処理装置は上記第1処理から第5処理までを実行する演算処理装置である。
本発明によれば、禁止領域や塗布条件を考慮したスプレーパスとして塗り残しが生じないスプレーパスを効率よく設定できるという効果がある。
本発明の実施の形態のコーティング装置の外観例の説明図である。 実施の形態のコーティング装置のノズルによる吐出動作の説明図である。 実施の形態のスプレーパターン幅の説明図である。 実施の形態のコーティング装置の制御構成のブロック図である。 実施の形態のコンピュータ装置のブロック図である。 実施の形態の禁止エリアの説明図である。 実施の形態の禁止エリア及びスプレーパス設定の説明図である。 実施の形態のスプレーパス設定処理のフローチャートである。 実施の形態の高さ測定の説明図である。 実施の形態のパス作成のフローチャートである。 実施の形態のパス作成の説明図である。 実施の形態のパス作成の説明図である。 実施の形態のパス作成の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。実施の形態では、塗布処理対象物である回路基板100に薄膜を形成するためのコーティング剤を吐出するコーティング装置1と、そのコーティング装置1と通信可能なコンピュータ装置200の例を挙げる。
説明は次の順序で行う。
<1.実施の形態のコーティング装置の構成>
<2.コーティング装置の制御構成>
<3.コンピュータ装置の構成>
<4.スプレーパス設定>
<5.まとめ及び変形例>
<6.プログラム>
<1.実施の形態のコーティング装置の構成>
図1にコーティング装置1の外観例を示す。
このコーティング装置1は搬入されてきた回路基板100に対して、吐出部であるノズル3からコーティング剤を吐出して吹き付けるコーティング処理を行い、回路基板100に防湿や防錆のための保護薄膜を形成する装置である。
なお後述するが、ノズル3は塗布液体(コーティング剤)を扇状又は円錐状に吐出する吐出部である。
図示のように、回路基板100の搬入のためにX方向に延伸するコンベア機構10が設けられている。
コンベア機構10は、Y方向に離隔したコンベア10a、10aと、コンベア10a、10aをそれぞれ支持するとともに搬送される回路基板100をガイドする搬送ガイド10b、10bとを有する。搬送ガイド10bの上面は高さ基準面10cとされている。
コンベア10a、10aには、回路基板100のY方向における両端部がそれぞれ載置される。回路基板100は、コンベア10a、10aの駆動により搬送される。回路基板100の搬入時、搬出時にコンベア10a、10aは図示しないモータにより駆動される。
なお搬送ガイド10b、10bのX方向における所定の位置には、位置決め部としてのストッパ20、20が設けられている。ストッパ20は、コンベア10a、10aの上方(Z方向)に張り出すように搬送ガイド10b、10bからY方向に突出されている。コンベア10a、10a上を搬送される回路基板100は、先端面がストッパ20、20に突き当てられることでその移動が規制され、コーティング処理が行われるコーティング位置に位置決めされる。
例えばこのコーティング装置1は電子回路基板等の製造ラインの一部として使用することができ、コーティング装置1の操作者もしくは図示しない前工程からの搬入機構により回路基板100がコンベア機構10にセットされ、矢印DRinの方向に搬入される。そしてコーティング装置1でコーティング処理が行われ、その後コンベア機構10で矢印DRoutの方向に搬出され次工程に移送される。これによりライン上で連続作業としてのコーティング処理が実行される。
もちろん、コーティング装置1は、このようにラインを構成するだけでなく、個別に回路基板100等の処理対象物に対してコーティングを行う機器としてもよい。
搬入された回路基板100の上方には、コーティング剤を吐出するノズル3が位置される。
ノズル3は、筒状先端部3aがノズルベース部3bに取り付けられた構造とされている。
ノズル3は、ホルダ4に取り付けられた状態で、搬入された回路基板100の上方空間をX方向、Y方向、Z方向に移動可能とされている。
またホルダ4にはレーザセンサ25が取りつけられている。レーザセンサ25は高さ測定を行うためのセンサであり、塗布処理対象物である回路基板100の高さを測定できる。レーザセンサ25は、例えば基台10bの天面である高さ基準面10cを基準として回路基板100上の各所の高さを測定する。
レーザセンサ25がホルダ4に装着されていることで、レーザセンサ25はノズル3とともにX方向、Y方向、Z方向に移動可能とされている。
ホルダ4は、Y方向ガイド11に対して、Y方向にスライド可能に取り付けられている。Y方向ガイド11には、Yモータ7と、Yモータ7によって回転される駆動軸11aが配備されており、ホルダ4は駆動軸11aの回転により、Y方向ガイド11に沿ってY方向に移動可能とされている。このため駆動軸11aとホルダ4の間では、駆動軸11aの回転がスライド移動方向に変換されるギア構成等による連結機構が採用される。
Y方向ガイド11は、ガイドホルダ13に固定されている。そしてガイドホルダ13は、X方向ガイド12に対して、X方向にスライド可能に取り付けられている。X方向ガイド12には、Xモータ8と、Xモータ8によって回転される駆動軸12aが配備されており、ガイドホルダ13(即ちY方向ガイド11全体)は駆動軸12aの回転により、X方向ガイド12に沿ってX方向に移動可能とされている。このため駆動軸12aとガイドホルダ13との間は、駆動軸12aの回転がスライド移動方向に変換されるギア構成などによる連結機構が採用される。
ホルダ4には、ノズルZモータ5が配置されており、このノズルZモータ5によって、ノズル3の先端が上下(Z方向)に移動される。つまり塗布処理対象物に対するノズル3の筒状先端部3aの高さ位置が変動される。
以上の構成により、ノズル3の位置は、Xモータ8、Yモータ7、ノズルZモータ5によってX方向、Y方向、Z方向に移動可能となる。X方向、Y方向、Z方向に移動することで、搬入された回路基板100上の各所を移動しながらのコーティング剤のスプレーを行うことができる。
またレーザセンサ25の位置はXモータ8、Yモータ7によりX方向、Y方向に移動可能となる。これにより回路基板100の平面をスキャンして、回路基板100の各部の高さを計測できる。
またさらにホルダ4には、ノズル回転モータ6が取り付けられており、ノズル回転モータ6によりノズル3の回転角度位置を変化させることができる。回転角度位置とは、図2Aのθ方向の位置である。
図2Aには、ノズル3が回路基板100の上方からコーティング剤(スプレーパターン90)を吐出して吹き付けている様子を拡大して示している。
図2Aに示すように、回路基板100には、抵抗、コンデンサ、ICチップ等の各種の電子部品110,111,112,113がマウントされており、その各種電子部品の高さw,vや、電子部品間のサイズk,mなども多様である。本実施の形態では、例えばこのような回路基板100に対して、X方向、Y方向、Z方向にノズル3が移動されながら吹きつけを行うことで、回路基板100の形状や部品配置に応じた適切な薄膜形成を可能とする。
X方向、Y方向の移動制御に関しては、例えばコーティング処理にあたっては、ストッパ20により規定されるコーティング位置に位置された状態の回路基板100の角部(隅部)を座標上の原点aとし、この原点aを中心としてノズル3のX−Y方向の移動距離が設定される。
ノズル3の筒状先端部3aは、図2B、図2Cに示すように形成され、吐出孔3cから加圧液体のコーティング剤を吐出する。突端部3d,3dより奥まった位置に吐出孔3cが形成されていることで、吐出されるコーティング剤のスプレーパターン90は、図2Dに示すように扁平な扇状となる。図2Eには、図2Dのスプレーパターン90のa−a断面を示しているが、扇状のスプレーパターン90は、縁部近傍に、厚幅部分90aが生じ、縁部及び中央部は、厚みが比較的薄くなる。
この図2Dのようなスプレーパターン90は、a−a断面線の位置よりさらに下方にいくと、霧化状になり、コーティングに適さなくなる。霧化状のパターンで塗布したコーティング剤は塗布されない部分やピンホールが多くなり、不良品になることがある。そのため、例えばa−a断面線の位置あたりで、回路基板100の表面に達することが適切である。
図2Aでは、上述のZ方向移動によりノズル3の回路基板100の表面からの高さ位置が、距離tの状態に調整され、コーティング剤の塗布が行われている様子を示している。この場合の塗布面からの距離tは、スプレーパターン90による塗布幅が、最も効率よく塗布ができる幅hとなる高さを得る距離である。この状態でX方向に移動されることで、幅hの状態でのX方向へ帯状に進行する塗布が行われることになる。
なお、最適な距離tは、塗布液体の粘度やノズル3のサイズ・形状等にもよるが、例えば本実施の形態では距離t=10mmとして説明する。
また上述のようにノズル回転モータ6によりノズル3の回転角度位置を変化させることができる。例えば図2Aの状態から90°回転角度位置を変化させてY方向に移動させれば、幅hの状態でのY方向へ帯状に進行する塗布が行われることになる。
さらに回転角度位置により、進行させる塗布の帯の幅を調節することもできる。例えば図2Aの状態から45°回転角度位置を変化させてX方向に移動させれば、図示の幅hの半分の幅の状態でのX方向へ帯状に進行する塗布を行うことが可能になる。
図3A、図3B、図3Cには、各種回転角度位置θ1、θ2、θ3の場合に、例えばX方向側から見た場合のスプレーパターン90及び塗布領域92の塗布幅を示している。図のように、塗布幅を回転角度位置によって調整できる。
従って重ね塗り部分を考慮して塗布幅を調整したり、比較的狭い箇所にスプレーを行う場合などは、回転角度位置を調整して、進行方向からみたスプレーパターン幅を調整することで、適切な幅の塗布が可能となる。
なお図1,図2には示していないが、ノズル3に対しては、加圧液体としてのコーティング剤を吐出させるために、コーティング剤を供給する供給機構や吐出機構が設けられる。吐出機構で圧力が調節されることで、コーティング剤の吐出量やスプレーパターン幅が調整される。
コーティング剤は例えばポリオレフィン系若しくはアクリル系若しくはポリウレタン系の絶縁コーティング剤である。シンナーで希釈して液状で回路基板100に塗布した場合、10分程度乾燥させることで、回路基板100に基板遮蔽層としての薄膜が形成される。
図1に示すようにコーティング装置1には、光センサを構成する発光部21,受光部22や、捨て打ち部23、浸け置き部24が設けられる。
光センサを構成する発光部21と受光部22は、X方向に対向するように配置されている。発光部21は例えば半導体レーザ等により構成され、例えば直径1.5mm程度のレーザ光を出力する。このレーザ光は受光部22によって受光される。受光部22では、受光光量に応じて、検出信号を出力する。
この場合、レーザ光の光線はX方向に伸びる線状となり、例えばノズル3がY方向に移動されてレーザ光の光線を横切ると、光線がノズル3によって妨げられ、受光部22に達しない。これによって受光部22では、受光光量が低下し、光量低下状態を示す検出信号を出力することとなる。
適切な塗布幅で塗布を行うために、ノズル3からの扇状のスプレーパターン90の幅を調整することが行われる。そのために、ノズル3のからスプレーパターン90を吐出させながら、センサの光線を横切る方向性でノズル3を移動させて、スプレーパターン90の幅を測定する。測定結果に応じて、コーティング剤のスプレー圧を調整することで、スプレーパターン幅を所望の幅に調整できる。
捨て打ち部23は、いわゆる捨て打ちとしてコーティング剤を吐出する場合などに用いられる。また浸け置き部24は、ノズル3の先端を希釈剤に浸け置きするために設けられている。また浸け置き部24の側壁にはブラシ26を取り付けている。
本例では、揮発性の高い溶剤で希釈されたコーティング剤を用いており、これが乾燥してノズル3の筒状先端部3a(吐出孔)で硬化し、吐出するスプレーパターン90を変化させてしまうことがある。
そこで不使用時には、希釈剤を入れた浸け置き部24にノズル3の先端が浸されるようにしておく。浸け置き部24には例えばシンナー系の溶剤を入れておく。これによりノズル3の詰まりを防ぐ。
また使用前には捨て打ち部23の上方にノズル3を位置させた状態で、捨て打ちとしての吐出を行って硬化部分を吹き飛ばしたり、ノズル3の先端をブラシ26に接触させるようにY方向に移動させて清掃できるようにしている。これらの作業により、実際のコーティング作業時には、安定したスプレーパターンが得られるようにしている。
また上述のスプレーパターン90の幅の測定の際にも、上述の浸け置き、捨て打ち、ブラシ洗浄が行われていることで、安定したスプレーパターン90の幅の測定ができることとなる。
また、捨て打ち部23の上方は、発光部21からのレーザ光の光線位置となる。従って、後述する測定処理としてスプレーパターン90を吐出しながらノズル3を移動させる動作は、捨て打ち部23の上方で行うことができる。つまり捨て打ち部23が測定処理の際に吐出されるスプレーパターン90の受け部としても機能する。
また捨て打ち部23には図示の様に斜面が形成されており、該斜面によって捨て打ちされたコーティング剤は一定方向に飛び散るように構成されている。この図1の場合、浸け置き部24の方向にコーティング剤が飛び散るようにされている。このため捨て打ちの際や、測定処理の際に、むやみにコーティング剤が飛散することがないようにできる。
また例えば液晶パネル等により構成された表示部9が設けられている。表示部9には、タッチパネルが搭載されてオペレータが入力操作を行うことも可能とされる。
この表示部9には、このコーティング装置1に取り込まれた回路基板100の画像(撮像画像)や撮像画像を加工した画像、操作アイコン、メッセージ表示、その他、ユーザインターフェースのための各種画像が表示される。
回路基板100の画像が表示されることで、オペレータは、画像上で、コーティングを行う部位を指定したり、あるいはコーティングを禁止する領域を指定したりすることも可能とされる。
<2.コーティング装置の制御構成>
図4にコーティング装置1の制御構成を示す。なおここでは特に電気系統を示し、コーティング剤の供給、加圧制御等の流体制御系についての説明は省略する。
主制御部30は、例えばマイクロコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)により形成された演算処理装置であり、各部の動作制御を行う。
メモリ部34は、主制御部30が各種制御で用いるROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEP−ROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリ等の記憶領域を総括的に示している。
なお、このメモリ部34としては、マイクロコンピュータ内部に形成される記憶領域(レジスタ、RAM、ROM、EEP−ROM等)や、マイクロコンピュータとしてのチップ外部で外付けされるメモリチップの領域の両方をまとめて示している。つまり、いずれの記憶領域が用いられても良いため区別せずに示したものである。
メモリ部34におけるROM領域には、主制御部30としてのCPUが実行するプログラムが記憶される。
メモリ部34におけるRAM領域は、主制御部30としてのCPUが各種演算処理のためのワークメモリとして用いたり、画像データ等の一時的な記憶等に用いられる。
メモリ部34における不揮発性メモリ領域は、演算制御処理のための係数、定数等、必要な情報が格納される。
主制御部30は、メモリ部34に格納されるプログラムや、入力部31からのオペレータの操作入力に基づいて、或いは外部装置であるコンピュータ装置200等からの指示に基づいて、必要な演算処理、制御処理を行う。
入力部31は、オペレータが操作入力を行う部位とされる。例えば上述のように表示部9にタッチパネルが形成される場合、該タッチパネルが入力部31となる。また操作キーや、リモートコントローラ等による入力部31が設けられても良い。
入力部31からの入力情報は主制御部30に供給され、主制御部30は入力情報に応じた処理を行う。
センサ駆動部32は主制御部30の指示に応じてレーザセンサ25を駆動する。レーザセンサ25による高さ測定のための検出信号は主制御部30に供給される。主制御部30は回路基板100の表面をスキャンする測定をレーザセンサ25に実行させるが、その際の検出信号から、回路基板100の各部の高さ値を検出し、メモリ部34に記憶する。
主制御部30は、表示駆動部33に表示データを供給し、表示部9での表示を実行させる。表示駆動部33は、供給された表示データに基づいて画像信号を生成し、表示部9を駆動する。
例えば主制御部30は、回路基板100の撮像画像データを表示駆動部33に受け渡して、撮像画像を表示部9に表示させたり、撮像画像データを編集して表示部9に表示させたりすることができる。
なお主制御部30は、例えばコンピュータ装置200やデジタルスチルカメラ等の外部機器から撮像画像データを取り込んで、メモリ部34に格納する。そして主制御部30は、例えばスプレーパスの設定などのために必要に応じて撮像画像データを読み出して画像解析処理、拡大/縮小処理、画像編集処理、或いは外部送信処理等を行うことができる。
外部インターフェース46は外部機器(例えばコンピュータ装置200等)との通信やネットワーク通信を行う。主制御部30は外部インターフェース46を介して、各種情報を通信により入力したり、送信出力することができる。例えばライン上の各機器がネットワークシステム化させている場合、ホスト機器や他の機器との間で通信を行うことができる。
この通信により、外部機器から撮像画像データ等の供給を受けたり、或いはバージョンアッププログラムをロードしたり、各種処理係数、定数の変更設定を受け付けたりすることができる。また主制御部30がホスト機器に対し、エラーメッセージ、ワーニング等を送信したり、撮像画像データを送信することなども可能とされる。
また図示のようにコンピュータ装置200と通信可能とされた場合、コンピュータ装置200から撮像画像データ、動作プログラム、スプレーパスの設定データ等を取り込むことができる。
主制御部30はモータコントローラ35に対してノズル3の移動のためのコマンドを送信する。コマンド内容は、移動方向(X、Y、Z方向及び回転角度位置θ方向)、移動量、移動速度を指示する内容などとされる。
例えば主制御部30は、コーティング処理を開始する前に、回路基板100を撮像した撮像画像の解析、及びオペレータの操作入力による禁止エリア設定等に応じて、スプレーパスを作成する処理を行う。もしくはコンピュータ装置200側で設定したスプレーパスのデータを取得する。
実際のコーティング処理を開始した後は主制御部30は、スプレーパスに応じて、ノズル移動方向をモータコントローラ35に指示していくこととなる。
また、高さ測定の際にも、主制御部30は、モータコントローラ35に対してレーザセンサ25(ホルダ4)の所定の移動を指示する。
これらの移動のコマンドに応じて、モータコントローラ35は、各モータドライバ(36,37,38,39)を駆動制御することとなる。
Yモータドライバ36は、Yモータ7に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりYモータ7が駆動され、ノズル3とレーザセンサ25を装着したホルダ4全体がY方向の正方向又は逆方向にスライド移動される。
Xモータドライバ38は、Xモータ8に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりXモータ8が駆動され、ホルダ4を支持するY方向ガイド11全体がX方向の正方向又は逆方向にスライド移動される。
ノズルZモータドライバ39は、ノズルZモータ5に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりノズルZモータ5が駆動され、ノズル3が垂直方向に繰り出されたり、引き上げられたりするように移動される。
ノズル回転モータドライバ37は、ノズル回転モータ6に正方向回転又は逆方向回転の駆動電流を与える。これによりノズル3の回転角度位置を変化させる回転動作が行われる。
モータコントローラ35は、主制御部30からのコマンドに応じて、各モータドライバ36,37,38,39に指示を出し、電流印加を実行させることで、各モータが連携してノズル3とレーザセンサ25の移動が実行される。
位置検出部51は、Yモータ7により移動されるホルダ4のY方向の位置を検出する。例えばストッパ20に規定されて配置された回路基板100の上方空間が、X座標、Y座標、Z座標としての三次元座標空間として管理されるとする。位置検出部51は、Y方向の位置をY座標値として検知し、現在のY座標値を主制御部30に通知する。
位置検出部52は、ノズル回転モータ6により回転駆動されるノズル3の回転角度位置を検出する。そして回転角度位置を主制御部30に通知する。
位置検出部53は、Xモータ8により移動されるホルダ4のX方向の位置を、X座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部54は、ノズルZモータ5により上下移動されるノズル3のZ方向の位置を、Z座標値として検知し、主制御部30に通知する。
位置検出部51,53,54は、それぞれY方向ガイド11,X方向ガイド12、ホルダ4に機械的或いは光学的なセンサが設けられて位置を検出するようにしても良いし、或いはYモータ7,Xモータ8,ノズルZモータ5がステッピングモータの場合、位置検出部51,53,54は、正逆方向の駆動ステップ数をアップ/ダウンカウントするカウンタとし、そのカウント値を検出位置とするものでもよい。またYモータ7,Xモータ8,ノズルZモータ5に取り付けられたFG(Frequency Generator)やロータリエンコーダ等の信号を用いて、現在位置を計測するものでもよい。いずれにせよ位置検出部51,53,54は、ノズル3の現在位置としてX座標値、Y座標値、Z座標値が検出できる構成であればよく、その具体的手法は問われない。
また位置検出部52も同様に、ノズル回転位置を機械的或いは光学的に検出するセンサでもよいし、例えばノズル回転モータ6のFGやロータリエンコーダ、或いはステッピングモータの場合のステップ数のアップダウンカウンタなどとしてもよい。
従って位置検出部51,52,53,54は、モータコントローラ35の内部カウンタ等による構成となってもよいし、機械的或いは光学的な外部センサの情報をモータコントローラ35が取り込む形式で構成してもよい。
モータコントローラ35は、位置検出部51,52,53,54からの位置情報を監視しながら、主制御部30から求められたノズル駆動を実行することになる。
また主制御部30は、モータコントローラ35を介して位置検出部51,52,53,54による位置情報の通知を受けることで、ノズル3とレーザセンサ25の現在位置を把握でき、正確かつ無駄のない移動制御が実行できる。
なお、この場合、ノズル3の位置、レーザセンサ25の位置としてのX、Y座標値は、あくまでホルダ4の位置として検出される。従って主制御部30は、ノズル3の塗布位置、レーザセンサ25の検出位置としてのそれぞれのX、Y座標値は、ホルダ4の位置から所定量オフセットさせるように計算上求めるようにすればよい。
吐出制御部40は、主制御部30の指示に応じて、ノズル3からのコーティング剤の吐出の実行/停止を制御する。この図では吐出機構41として、ノズル3へのコーティング剤の供給及び加圧・吐出を行う機構部位として概念的に示している。
また吐出制御部40は、主制御部30の指示に応じて、吐出の際の圧力を調整することで、コーティング剤のスプレーパターン90の幅や量を調整することもできる。
例えば吐出機構41では、コーティング剤の吐出用の空気圧の調整に電空レギュレータを使用する。吐出制御部40は電空レギュレータを制御することで、噴射圧でコーティング剤のスプレーパターン90の幅を調整できる。電空レギュレータによって電気信号に比例して空気圧を無段階に制御できることで、スプレーパターン90の幅を無段階で変化させることができる。これにより、スプレーパターン90の調整、あるいは設定変更などが容易に実行できる。
センサ駆動部42は、発光部21からのレーザ発光駆動を実行させるとともに、受光部22の受光信号を検出し、検出信号を生成する。
このセンサ駆動部42は主制御部30の指示に応じてレーザ発光駆動を行い、またその際、検出信号を主制御部30に供給することになる。
搬送制御部43はコンベア機構10内のモータを駆動制御する。回路基板100の搬入時、排出時に主制御部30は搬送制御部43に指示してコンベア機構10を駆動させる。
<3.コンピュータ装置の構成>
図5にコンピュータ装置200の構成を示す。コーティング装置1と接続されるコンピュータ装置200は、例えば図5のようなハードウエア構成で実現される。
コンピュータ装置200は、CPU251、ROM252、RAM253を有して構成される。CPU251は、ROM252に記憶されているプログラム、または記憶部259からRAM253にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM253にはまた、CPU251が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。CPU251、ROM252、RAM253は、バス254を介して相互に接続されている。このバス254には入出力インターフェース255も接続されている。
入出力インターフェース255には、液晶パネル或いは有機EL(Electroluminescence)パネルなどよりなるディスプレイ256が接続される。また入出力インターフェース255には、キーボード、マウスなどよりなる入力部256、スピーカ258、HDD(Hard Disk Drive)などより構成される記憶部259、通信部260などが接続可能である。
通信部260は、例えばLANなどによりコーティング装置1を含む周辺装置との間の通信を行う。
入出力インターフェース75にはまた、必要に応じてドライブ261が接続され、メモリカード262が装着され、メモリカード262から読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部278にインストールされたり、CPU251で処理したデータが記憶される。もちろんドライブ261は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等のリムーバブル記憶媒体に対する記録再生ドライブとされてもよい。
このようなハードウエア構成のコンピュータ装置200において、コーティング装置1の塗布処理のためのスプレーパス設定やコーティング条件設定その他の各種設定処理をCPU251が実行し、通信部260から設定情報をコーティング装置1に転送することができる。
例えばコーティング装置1で必要とされる処理をコンピュータ装置200側で行うことでコーティング装置1の主制御部30の処理負担を軽減できる。
<4.スプレーパス設定>
実施の形態のコーティング装置1とコンピュータ装置200によるシステムでは、コーティング装置1におけるコーティングを効率よくかつ正確に行うために、実際の塗布作業の前に、ノズル3による塗布作業時の移動経路(スプレーパス)の設定が行われる。
図6,図7でスプレーパス設定の概要を説明する。このスプレーパス設定の処理はコーティング装置1の主制御部30で行っても良いし、コンピュータ装置200のCPU251で行っても良い。
図6Aはコーティング処理対象物である回路基板100を示している。この回路基板100にはコーティングを行わない領域も存在するため、あらかじめ図6Bのように禁止エリアARを設定する。
禁止エリアARは、ノズル3によるスプレーパターン90の吐出を行わない領域であるとする。
図7はこのような禁止エリア設定と、その後のスプレーパス設定の様子を、撮像画像で示している。
図7Aは、例えば表示部9又はディスプレイ256に表示される回路基板100の撮像画像である。回路基板100や電子部品110、111、112、113等が画像として表示されている。
このような画像に対し、オペレータのタッチ入力、クリック操作、範囲指定走査、もしくは主制御部30又はCPU251の画像解析により図7Bのように禁止エリアARを設定する。主制御部30やCPU251はこの禁止エリアARを考慮してスプレーパスを設定する。即ち禁止エリアARを避けるようにノズル3を移動させる経路を算出する。
図7Cは作成したスプレーパスを表示部9又はディスプレイ256に表示させている状態を示している。各パスマーカPMがスプレーパスを示す。三角形のパスマーカPMによりノズル3の移動方向が示される。また例えば各パスマーカPMには数字が付されており、塗布時にノズル3を移動させる経路の順序が示される。
なお各パスマーカPMによっては、ノズル3がコーティング剤を吐出しながら移動する吐出移動経路が示される。各パスマーカPMで示されるのが、それぞれ1つの吐出移動経路となる。或る吐出移動経路から次の吐出移動経路に移動するときは、ノズル3からの吐出を継続させながら移動できる箇所もあれば、一旦コーティング剤の吐出を停止させて移動させる場合もある。例えば図7Cで「7番」のパスマーカPMの吐出移動経路で塗布を行った後、「8番」のパスマーカPMの吐出移動経路での塗布に移る場合、ノズル3は非吐出状態で移動される。このような非吐出状態で移動する経路(非吐出移動経路)は、パスマーカPMによって直接的には示されないが、実質的には塗布作業時のノズル移動経路であり、スプレーパスに含まれることになる。
以下、スプレーパス設定処理の具体例を、図8を参照して詳細に説明する。
なお、ここではコンピュータ装置200のCPU251がスプレーパス設定用のプログラムに応じて実行するスプレーパス設定処理として説明する。但し以下のスプレーパス設定処理は、例えばコーティング装置1の主制御部30が実行してもよい。
スプレーパス設定処理が開始されると、まずCPU251はステップS101で基板撮像データの取り込みを行う。
例えば処理対象とする回路基板100については、予め作業者がデジタルスチルカメラ等を用いて撮像し、コンピュータ装置200等に取り込んでおく。CPU251は、取り込んであった基板撮像データを補正してディスプレイ256に表示させる。ここでの補正とは、例えば回路基板100の撮像画像を実物と同じ大きさで表示部9に表示させるように、画像を縮小又は拡大する処理である。例えばディスプレイ256の表示上の基板画像上で原点aからX方向に1cmだけ仮想ノズルを移動させると、コーティング装置1に搬送された実物の回路基板100上でも同様に原点aからX方向に1cmだけ実際のノズル3が移動するように、画像と現物のサイズを合わせる。即ち現実の回路基板100の大きさとCPU251が管理する縮尺とが一致するように画像補正を行う。
次にステップS102でCPU251は、撮像画像上でスプレーパス原点位置を設定する処理を行う。これは、ノズル3のX、Y方向移動の原点と、表示された画像の原点位置を一致させる処理である。例えばノズル3が撮像画像の原点a(図2参照)の位置に相当する位置にある場合の移動座標値(X方向ガイド12上の検出位置、及びY方向ガイド11上の検出位置)をノズル原点座標とする。
ステップS103でCPU251は高さ測定データを取得する。例えばコーティング装置1がレーザセンサ25を用いて回路基板100の平面の各部の高さ位置を測定したデータを取得する。
図9はコーティング装置1においてストッパ20で規定される位置に載置された回路基板100の平面を示しているとする。この回路基板100に対して、レーザセンサ25で測定スキャンを行う。
例えばまずレーザセンサ25を原点aから破線矢印で示すように端辺bの位置までX方向に移動させるように第1ラインL1をスキャンする。
続いて端辺bに沿って1ライン分だけY方向に移動させ、破線矢印に示すようにX方向に逆移動させ、第2ラインL2をスキャンする。
このような1つのライン毎にレーザセンサ25を移動させて高さ測定値を取得していく動作を、最終ラインLnまで行う。
このように回路基板100の平面上を第1ラインL1〜最終ラインLnまでレーザセンサ25によりスキャンさせて、平面上の各部の高さ位置を測定する。
なお、各ラインL1,L2・・・Lnは、例えば1mm間隔などとして設定すればよい。ライン間隔を狭くするほど、回路基板100の平面上を精密に高さ測定できることになる。
このようなレーザスキャンにより測定された高さ測定データはメモリ部34に記憶される。コンピュータ装置200は、コーティング装置1に対してこのように測定した高さ測定データを要求して取得する。
図8のステップS104でCPU251は、部品位置座標の補正を行う。ステップS101で取得した基板撮像データの画像を解析することで、電子部品110等の位置(X−Y座標値)を判定できるが、デジタルスチルカメラ等で撮像した基板撮像データから得られる電子部品110等の位置はずれが生じている。
例えば基板撮像データ上で観察される電子部品等は、上方の或る点の光軸を中心として観察される斜視形状が二次元に投影された画像となる。このため電子部品の位置(X、Y座標値)には誤差が生ずる。しかし実際の各電子部品の範囲のX−Y座標値は、レーザセンサ25を用いた高さ測定データから正確に判定できる。
そこでCPU251は、高さ測定データを用いて基板撮像データの補正を行う。具体的には電子部品等の配置物の輪郭線が、高さデータの変化点に一致するように補正を行えば良い。なお、実際に画像自体の補正を行っても良いが、基板撮像データを解析して得た回路基板100上の各種部品の位置データについてのみ補正を行うものでもよい。いずれにしても、スプレーパスの設定に反映させる各種電子部品の位置が補正されるようにすればよい。
ステップS105でCPU251は作業者の入力等に基づいてコーティング条件設定を行う。ここでは例えば以下の(1)〜(8)のような設定を行う。
(1)ノズル3の扇状スプレーパターン90の幅や塗布厚の設定
扇状のスプレーパターン90の幅は加圧液体の加圧力やノズル3の種別によって異なる。スプレーパターン90の幅が異なれば効率の良いスプレーパスも変わる。そこでスプレーパス作成のために扇状スプレーパターン90の幅を設定する。また塗布厚の設定はノズル3の移動速度や、隣のすでに塗布された部分への重ね塗り量に関わる。
(2)重ね塗り量の設定
塗布幅hで塗布する際に、隣の既に塗布された部分にどれだけ重ねて塗布するかを設定する。通常は重ね塗りしないでスプレーパスを設定しても、液化したコーティング剤の塗布後の僅かな拡張によって隣同士の塗布が合体し隙間のない塗布が完成する。しかし付着しない部分やピンホールを完全に防ぐための塗布作業ないし厚みのある塗布を必要とする場合は重ね塗り量を多く設定する必要がある。
(3)基板外周のり代の設定
回路基板100の端面までコーティング剤を塗布すると、コーティング剤が流れ落ちピンホールや付着しない部分を形成することがある。また、コーティング剤が流れ出して回路基板100の側面や裏面に付着すると粘着性が発生するともに厚みが変化し、後の搬送に支障をきたす恐れがある。また、無駄なコーティング剤の消費ともなる。そこで外周でコーティング剤を塗布しないのり代を設定できるようにしている。回路基板100の外周に数ミリ間隔の塗布しないのり代を設定すると、のり代の手前に塗布されたコーティング剤の表面張力によって、回路基板100上に塗装厚を保持しコーティング膜を作成することができる。この表面張力によってコーティング剤が流れ落ちることもない。
(4)塗布方向の設定
効率的で短時間に塗布作業を完成させる為に、回路基板100の横方向(X方向)か縦方向(Y方向)のどちらに主にノズル3を移動させたほうが良いかを設定する。なお、基本的には主に回路基板100長手方向に移動させることで、パスの数を少なくできる可能性が高い。従ってCPU251は、回路基板100のX方向が長手方向であればX方向、Y方向が長手方向であればY方向を、主な塗布方向と自動的に設定することが望ましい。
(5)塗布高さの設定
回路基板100上の電子部品110,111等の高さにも応じたノズル3の高さ位置の設定であって、扇状スプレーパターン90が霧化しないダブテイル状の部分を使って塗布するための高さ設定である。過去のデータが揃っていれば条件を入力するだけで自動的に効率よい塗布幅hに設定することができる。
例えば図2Aに示した距離tが塗布高さであり、例えばt=10mmとする。
(6)移動高さ設定
上述のように塗布作業時の移動経路であるスプレーパスは、吐出移動経路と非吐出移動経路を含む。
非吐出移動経路においてコーティング剤の吐出を行わずに回路基板100上をノズル3が通過するときは、回路基板100上の電子部品110,111等の高さに考慮して移動しなくてはならない。そこでノズル3が電子部品等に当接して破損することがないように移動高さを設定する。具体的には、非吐出状態で移動が行われる非吐出移動経路でのノズル3の高さ位置を設定する。
ここでノズル移動高さは、塗布処理対象物である回路基板100に設けられた構造物(電子部品110,111)の高さを越える高さに設定することで、非吐出移動経路において、ノズル3が電子部品110,111に衝突することがないようにされる。
基本的には、移動高さとは、回路基板100上の電子部品110等に衝突しない十分な高さに設定される。例えば移動高さ=30mmなどとする。
もちろん、実際の電子部品110等の高さに応じて設定してもよい。例えば後述のようにスプレーパス設定を行った後、非吐出移動経路となる部分の高さに応じて、移動高さ設定を行ったり、非吐出移動経路毎に、移動高さを設定しても良い。
(7)塗布速度設定
ノズル3の選定と吐出圧の設定と塗布速度の設定によってコーティング剤の塗布厚が決定する。塗布速度を下げるとコーティング剤が厚く塗布され、ひび割れの原因になったり、あふれて禁止エリアARに入ってしまうことがある。塗布速度を早くするとコーティング剤が薄く塗布され、塗布されない箇所ができてしまうと共に、飛沫量が大きくなり、禁止エリアARに飛沫が飛んでしまうことがある。そこで適切な塗布速度を設定する。
なお、設定する塗布速度としては、ノズル3による直線方向塗布速度、θ回転角度に応じた塗布速度、斜め方向移動のための塗布速度、円弧移動のための塗布速度などがある。
(8)塗布タイミング設定
塗布方向にノズル3が移動する際、停止した状態から加速して一定速度に達するまでの期間に吐出したコーティング剤は厚く塗布されてしまう。同様にノズル3の速度が減速して停止するまでの間に吐出したコーティング剤も厚く塗布されてしまう。また、一定速度で移動していたノズル3が停止するまでコーティング剤が吐出されると、慣性力によって停止位置よりも先にコーティング剤が塗布されてしまう。そこでノズル3の移動が一定速度に達してからコーティング剤を塗布するとともに、一定速度より減速するとコーティング剤の塗布を中止するように、塗布タイミングを設定する。
ステップS105でCPU251は、以上の(1)〜(8)のような各種設定を、オペレータの入力、或いは入力に基づいた演算などによって実行する。もちろん必要に応じて上記以外の設定も行われる。
続いてステップS106では、CPU251は禁止エリアARの設定を行う。
上述のように回路基板100の画像がディスプレイ256に表示されている際に、オペレータが塗布を禁止させたい領域範囲をマウスやタッチペンなどを用いて囲うなどの入力を行うことに応じて、CPU251は図7Bのように禁止エリアARの領域を設定する。
なお、CPU251は撮像画像の解析結果とステップS104の部品位置座標補正により、電子部品110〜113等の領域を正確に判別することができる。
そこで電子部品領域や、上述の設定処理で設定した塗布幅では塗布できない領域などを画像解析結果から判定し、当該箇所を禁止エリアARとして自動設定するようにしてもよい。
また、自動設定した禁止エリアARを図7Bのように表示した際に、オペレータが必要に応じて修正入力を行い、それによりCPU251は、禁止エリアARの設定を修正するようにしてもよい。
ステップS107でCPU251はパス作成の処理を行う。これは具体的にスプレーパスを構成する各パスを設定していく処理となる。
ステップS107のパス作成処理を図10に詳細に示している。図10の各処理を図11,図12,図13を参照しながら説明する。
図10のステップS201でCPU251は、回路基板100の平面の全域に対して、長手方向走査によるパスラインを仮スプレーパスとして設定する。この際、禁止エリアARについては無視する。パスラインは長手方向に形成されるようにする。
図11Aはパス設定の対象の回路基板100の画像とする。この回路基板100はX方向が長手方向となっている長方形であり、禁止エリアARが2箇所設定されている。
このような回路基板100の全域を、原点aを視点として走査するようにパスラインPLを設定する。すなわち図11Bのように行TL1のパスラインPLから順次走査していくように、図11Cのように行TLnのパスラインPLまでを仮に設定する。
例えば図11Cのように行TL1,TL3,TL5・・・はX座標値の昇順方向(右から左)に進行するパスとし、行TL2,TL4,TL6・・・はX座標値の降順方向(左から右)に進行するパスとしている。これによってノズル3の往路と復路で効率よく塗布ができるようにしている。
なお、Y方向が長手方向の回路基板100であれば、Y方向の往路、復路にパスを設定することが望ましい。
ところで実際にはディスプレイ256には、図11Aのようなパス設定前の状態と、最終的にスプレーパス設定完了後の状態が表示されてオペレータに提示されればよい。
図11B、図11C、図12A、図12B、図12C、図13A、図13BはCPU251が行うパス生成の過程を説明のために示しているもので、これらが実際にディスプレイ256に表示されるわけではない。特にCPU251は、各パスラインPLについては、その領域の範囲を設定しているのみであり、図12Cの状態までは、図示のようなパスの画像として認識しているわけではない。
なお説明上の理解のため、これらの図にも三角形のパスマーカPMを付し、このパスマーカPMが付されたパスラインPLが、スプレーパスの計算過程で仮に設定されているものであることを示すこととする。
なお、最終的にオペレータに提示するスプレーパスの画像は、例えば図13Bの各パスラインPLについてパスマーカPMにパス順序を示す番号が表記された状態などとすればよい。
図11Cの状態で、回路基板100の平面上の全域をカバーするようにn個(n行)のパスラインPLで仮スプレーパスが設定されたことになる。但しこの時点で禁止エリアARは無視されている。
そこで続いてCPU251は図10のステップS202で、禁止エリアARの周囲をカットするように仮スプレーパスを改変する。
具体的には禁止エリアARを通るパスラインPLや禁止エリアARから所定範囲内のパスラインを分割する。そして、禁止エリアARの周囲にパスラインPLが存在しない所定サイズの領域を形成する。例えば禁止エリアARの周囲10mmは、パスラインPLが存在しないようにする。仮にスプレー幅が10mm設定であれば、1本のパスラインPLは10mmである。その場合、図12Aのように、禁止エリアARの周囲にパスラインPLの1本分の領域が開けられた空き領域EA1となるように、パスラインPLを分割する。
この図12Aの例の場合、図11Cの行TL3〜TL7のパスラインPLが一部削除されるように3つのパスラインPLに分割されることで、禁止エリアARの周囲が空き領域EA1となっている。
なお、図12Aの例では各パスラインPLについて、開始端側及び終了端側となる領域も削って、左右端部に空き領域EA2を設定している。このような各パスラインPLについての開始端側及び終了端側での空き領域EAの設定もステップS202で行う。
次にCPU251はステップS203で、禁止エリアARの周囲を周回するように新たなパスラインPLを設定する。
図12Bのように左側の禁止エリアARの周囲に例えば反時計回りに周回するパスラインPL1,PL2,PL3,PL4を設定し、右側の禁止エリアARの周囲にも反時計回りに周回するパスラインPL11,PL12,PL13,PL14を設定する。もちろんこれらのパスの進行方向は時計回り方向でもよいし、それぞれが他の進行方向に設定されてもよい。
またこの際、回路基板100の左右の端部の空き領域EA2にも、Y方向のパスラインPL15,PL16を設定する。
ここまでの仮スプレーパスの改変によって、禁止エリアARや基板端部において好適な塗布が実行できるスプレーパス設定が実現される。
すなわち禁止エリアARの周囲に関しては、例えば図11CのようなX方向の移動のみで禁止エリアARを避けるようにすると、各パスラインの塗布範囲の誤差で、禁止エリアARに塗布が行われたり、塗り残りが生じたりする可能性が生ずる。これに対して禁止エリアARについては、その周囲を周回するようなパスラインPLを設定することで、禁止エリアARを正確に避けながら、禁止エリアARとの境界で塗り残し部分が生じにくく、かつ塗布範囲の端部のラインが整った塗布が実行できることになる。
基板の端部においても同様である。図11Cのような走査方向で塗布を行うと、開始端側及び終了端側で各ラインの塗布領域の誤差が生じ、端部が整わず正確な塗布ができない可能性が高くなる。これに対してパスラインPL15,PL16でY方向に塗布を行うように設定することで、基板端部においてラインが整った塗布が実現されやすくできる。
続いてCPU251はステップS204で、パス設定条件にそぐわないパスラインを削除する。ここでは最小塗布長に満たないパスラインPLを削除する。例えば最小塗布長=10mmとすると、長さが10mm未満のパスラインPLを削除する。このようなパスラインPLでは適切な塗布が実行できないためである。
図12Bにおいては、パスラインPL3とPL11に挟まれた5つのパスラインPLがそれぞれ10mm未満であったとすると、これらが削除される。これによって図12Cのように空き領域EA3が発生する。
ここまでの処理で設定された仮スプレーパスでは、禁止エリアARで塗布が行われず、かつ禁止エリアARの周囲や、主たるパス方向(基板長手方向)の基板端部(図の左右端部)において正確な塗布が行われ易いものとされ、しかも不適切な塗布が行われるパス(最小塗布長未満のパスラインPL)は存在しないものとされた。
これによって、当該仮スプレーパスを完成スプレーパスとしても、不都合な塗布は行われない。しかしながら、空き領域EA3が存在し、これにより塗り残しが生ずる。そこで本実施の形態では、塗り残しを解消するようにさらに追加パスを設定する。
但しCPU251は以上の図11、図12で説明した仮スプレーパスを平面的に認識していない。すなわちCPU251で起動されるソフトウエア内部としては、各パスラインPLについては、それぞれのラインの領域の端点(図13Cのパスラインの左上Q1、左下Q2、右上Q3、右下Q4)の座標値を把握しているのみである。このため空き領域EA3を把握するのは困難で負荷の大きい演算が必要になる。
そこでCPU251はステップS205で各パスラインPLの領域や禁止エリアARの配置情報を用いて、仮スプレーパスを画像化する。
各パスラインPLの領域や禁止エリアARを平面にマッピングしていくことで、例えば図13Aのような画像化ができる。図13Aの画像では、パスラインPLが存在している領域SPAと、禁止エリアARと、空き領域EA3が平面上に現れる。
この画像化により塗り残し領域RM(パスの空き領域EA3であって塗り残しになってしまう領域)が容易に認識できる。
CPU251はステップS206で、画像化により発見した塗り残し領域RMについて、その形状やサイズを算出する。そしてステップS207で、形状やサイズに応じた追加パス設定を行う。
具体的には形状判定により当該塗り残し領域RMの長手方向、短手方向を判定し、パスの方向を決める。またサイズ(長さ、幅)により、必要なパス本数、パス長を決める。
例えば図13Aのような塗り残し領域RMに対しては、図13BのようにY方向に進行する1本の追加パスラインPL20が設定されればよい。
以上の処理により、例えば図13Bのように各パスラインPLが設定され、これによって塗り残し領域RMが解消される。
CPU251はステップS208で、スプレーパスを決定する。すなわち図13Bの追加パスラインPL20を含めたパスラインPLを全て有効なパスラインPLとするとともに、適切なパス順序を決める。パス順序とPは図7Cで説明したようにパスマーカPMに示される順序であり、塗布経路順であるため、ノズル3の効率的な移動が実現されるようにパス順序が設定される。CPU251は以上の処理を行って、スプレーパスを完成させる。
以上の図8,図10の処理で設定されたスプレーパスは、コーティング装置1に転送されて実際の塗布の際に用いられる。
CPU251は自動的に、或いはオペレータの操作に応じて、設定したスプレーパスのデータをコーティング装置1に転送する。主制御部30はこれを受け取って所定の回路基板100に対するスプレーパスの情報としてメモリ部34に保存する。そして実際の塗布時にスプレーパスの情報を読み出して塗布動作を制御する。
例えば主制御部30は、スプレーパスに応じた移動が実行されるようにモータコントローラ35に指示するとともに、吐出制御部40に指示してノズル3からのコーティング剤の吐出を実行させる。これによりスプレーパスの経路で回路基板100上に塗布が行われていく。
<5.まとめ及び変形例>
以上の実施の形態では次のような効果が得られる。
実施の形態のスプレーパス設定方法は、塗布禁止エリアが設定された塗布処理対象物(回路基板100)に対して、塗布禁止エリアARを無視した状態で略全面の塗布を行うための仮スプレーパスを設定する第1手順(S201)と、塗布禁止エリアARを避ける状態となるように仮スプレーパスを改変する第2手順(S202,S203)と、仮スプレーパスからパス設定条件に不適な部分を除外する第3手順(S204)と、第3手順後の仮スプレーパスを画像化して、塗り残し領域RMを確認する第4手順(S205,S206)と、塗り残し領域RMについて追加パスを設定する第5手順(S207)とを行ってスプレーパスを設定する。
第1手順で略全面を走査するように仮スプレーパスを設定し、第2手順で塗布禁止エリアの対応、第3手順でパス設定条件対応を行うことで、効率的に的確なパス設定を行うことができる。その上で、塗り残し領域RMが生ずることがあるため、その時点のスプレーパスを画像化して認識することで塗り残し領域RMを判定し、追加パスを設定する。
特に仮スプレーパスを画像化することで、その時点で塗り残しとなってしまう領域を比較的簡易な演算処理で判定できる。従って比較的容易な処理として、塗り残し領域RMに応じた追加パス設定が可能となる。これにより効率的な処理で、塗り残しを発生させないようなスプレーパス設定が可能となる。
また塗り残し領域RMを解消することにより、コーティング装置1から搬出された後に、作業者が塗り残し部分に追加塗布を行うような面倒な作業は解消され、工程効率を向上させることができる。
実施の形態のスプレーパス設定方法においては、塗り残し領域RMの形状及びサイズを確認し(S206)、形状及びサイズに応じて、塗り残しとなる領域の長手方向にパスが進行するように追加パス設定を行うようにしている(S207)。
塗り残し部分の形状により長手方向と短手方向が確認でき、サイズによりスプレーパスとして必要なパス本数が確認できることで適切な追加パス設定ができる。特になるべく長手方向にパスを設定することで、追加パスの本数を少なくできる。これによりコーティング装置1での塗布処理を効率化でき、塗布作業のサイクルタイムの短縮に貢献できる。
また第2手順(S202,S203)では、塗布禁止エリアにパスが存在しないように仮スプレーパスを分割したうえで、塗布禁止エリアの周囲に新たにパスを追加するように、仮スプレーパスを改変している。
これにより禁止エリアARに係らないようなパス設定を効率的に設定できる。
また第3手順(S204)で参照するパス設定条件はパスの長さが所定以上であることとしている。
パス長が所定以上(例えば10mm以上)としてパス設定条件により、それを満たさないパスをパスから除外することで、適切な塗布を実現できるスプレーパスとする。これにより塗布不良を解消したパス設定ができる。但しこのようにパスの除外を行うと、塗り残し領域RMが発生しやすいものとなるが、本実施の形態では、追加パス設定により塗り残しとならないようにできるため、より有効となる。
図8,図10の処理を行うコンピュータ装置200(CPU251)は、本発明の演算処理装置に相当する。
またコーティング装置1(主制御部30)が図8,図10の処理を行うようにしてもよい。その場合コーティング装置1は本発明の演算処理装置に相当することになる。
実施の形態では、ノズル3から扇状のスプレーパターンが吐出される例としたが、必ずしも扇状のスプレーパターンを吐出するノズルでなくともよい。
例えば円錐状に広がるスプレーパターンを吐出するノズルであっても本発明は適用できる。
またノズル3とニードルという2つの吐出部を備えた液体吐出装置としても実現可能である。ニードルとは細径の吐出口を持つ針状ノズルであり、電子部品間の狭い領域等に塗布できるものである。その場合、ニードルについてもスプレーパスが設定されることが考えられる。
また実施の形態のコーティング装置1は、回路基板100に薄膜を形成する装置に限ることなく、各種の塗布処理対象物に対して薄膜等を形成するコーティング装置に適用できる。薄膜とは、防湿膜、防さび膜、塗装膜、着色膜など、各種の膜のコーティングに適用できる。
また本発明のスプレーパス設定方法で設定されたスプレーパスは、実施の形態のようなコーティング装置1に限らず、膜形成、洗浄、塗装など、各種の目的で加圧液体の吐出を行う液体吐出装置において広く適用できる。
さらに本発明は、基板接着装置やレーザ加工装置などに応用することができる。
<6.プログラム>
実施の形態のプログラムは、上述の図10の処理を、例えばCPU、DSP(Digital Signal Processor)等の演算処理装置に実行させるプログラムである。
即ち塗布禁止エリアが設定された塗布処理対象物に対して、塗布禁止エリアを無視した状態で略全面の塗布を行うための仮スプレーパスを設定する第1処理(S201)と、塗布禁止エリアを避ける状態となるように仮スプレーパスを改変する第2処理(S202,S203)と、仮スプレーパスからパス設定条件に不適な部分を除外する第3処理(S204)と、第3処理後の仮スプレーパスを画像化して、塗り残しとなる領域を確認する第4処理(S205,S206)と、塗り残しとなる領域について追加パスを設定する第5処理(S207)とを演算処理装置に実行させるプログラムである。
このようなプログラムによれば、実施の形態のコンピュータ装置200やコーティング装置1等の塗布装置の広範な提供に適している。
以上のプログラムは、コーティング装置1やコンピュータ装置200に内蔵されている記録媒体としてのメモリ部34或いは、HDD等や、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))、磁気ディスク、半導体メモリ、メモリカードなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記録媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
1…コーティング装置
3…ノズル
5…ノズルZモータ
6…ノズル回転モータ
7…Yモータ
8…Xモータ
9…表示部
11…Y方向ガイド
12…X方向ガイド
20…ストッパ
30…主制御部
100…回路基板
110,111,112,113…電子部品
200…コンピュータ装置
251…CPU

Claims (6)

  1. 塗布処理対象物に対して塗布を行うノズルの移動経路としてのスプレーパスを設定する演算処理装置のスプレーパス設定方法として、
    塗布禁止エリアが設定された塗布処理対象物に対して、塗布禁止エリアを無視した状態で略全面の塗布を行うための仮スプレーパスを設定する第1手順と、
    塗布禁止エリアを避ける状態となるように仮スプレーパスを改変する第2手順と、
    仮スプレーパスからパス設定条件に不適な部分を除外する第3手順と、
    前記第3手順後の仮スプレーパスを画像化して、塗り残しとなる領域を確認する第4手順と、
    前記塗り残しとなる領域について追加パスを設定する第5手順と、
    を行ってスプレーパスを設定するスプレーパス設定方法。
  2. 前記第4手順では、塗り残しとなる領域の形状及びサイズを確認し、
    前記第5手順では、形状及びサイズに応じて、塗り残しとなる領域の長手方向にパスが進行するように追加パス設定を行う
    請求項1に記載のスプレーパス設定方法。
  3. 前記第2手順では、塗布禁止エリアにパスが存在しないように仮スプレーパスを分割したうえで、塗布禁止エリアの周囲に新たにパスを追加するように、仮スプレーパスを改変する
    請求項1に記載のスプレーパス設定方法。
  4. 前記第3手順で参照するパス設定条件はパスの長さが所定以上であることである
    請求項1に記載のスプレーパス設定方法。
  5. 塗布処理対象物に対して塗布を行うノズルの移動経路としてのスプレーパスを設定する演算処理装置に、
    塗布禁止エリアが設定された塗布処理対象物に対して、塗布禁止エリアを無視した状態で略全面の塗布を行うための仮スプレーパスを設定する第1処理と、
    塗布禁止エリアを避ける状態となるように仮スプレーパスを改変する第2処理と、
    仮スプレーパスからパス設定条件に不適な部分を除外する第3処理と、
    前記第3処理後の仮スプレーパスを画像化して、塗り残しとなる領域を確認する第4処理と、
    前記塗り残しとなる領域について追加パスを設定する第5処理と、
    を実行させるプログラム。
  6. 塗布処理対象物に対して塗布を行うノズルの移動経路としてのスプレーパスを設定する演算処理装置であって、
    塗布禁止エリアが設定された塗布処理対象物に対して、塗布禁止エリアを無視した状態で略全面の塗布を行うための仮スプレーパスを設定する第1処理と、
    塗布禁止エリアを避ける状態となるように仮スプレーパスを改変する第2処理と、
    仮スプレーパスからパス設定条件に不適な部分を除外する第3処理と、
    前記第3処理後の仮スプレーパスを画像化して、塗り残しとなる領域を確認する第4処理と、
    前記塗り残しとなる領域について追加パスを設定する第5処理と、
    を行う演算処理装置。
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