JP6294163B2 - 半田塗布装置 - Google Patents
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Description
特許文献1にも言及されるように基板上の所定の配線パッド位置に半田ペーストを塗布するには、半田ペーストの高速塗布と固着に必要な量の定量塗布が必須である。また、電子機器は多様化しており、必然的に半導体装置や抵抗,コンデンサなどの電子部品も多様化されている。つまり、基板上へ電子部品を固着するに必要な半田ペースト塗布量は電子部品により様々であって、塗布所要量が多い部品もあれば、少ない部品もある。
そして、半田ペーストの塗布所要量が異なる電子部品に対しても、半田ペーストを高速で塗布することを課題として特許文献1に記載の発明にあっては、非接触変位検出手段でノズルと基板との間の間隔を維持しつつ、該ノズルと該基板の前後左右の相対的移動を行ない、その間に、同一配線パッド上に所望回数半田ペーストの打点塗布を行なう手段を設けた。ノズル径を基板上の最小ピッチの電子部品に対応する大きさのものとすることにより、ノズルを交換することなくあらゆる表面実装用の電子部品に対応できるとするものである。
半田の特性(特に粘性など)は、外気温・湿度に大きく左右される。従って、使用する度に特性(特に粘性など)が変化し、その結果、ノズルからの吐出量に変化が生じる。
吐出量に変化が生じる為、理想的な定量塗布(量と大きさ(径))を実現することが難しい。
これは、特許文献1に記載の発明でも、同じことである。即ち打点塗布の1回の塗布量に変化が生じれば、電子部品ごとに決まった所定回数の吐出量も変化するため、理想的な打点塗布による定量塗布を実現することが難しい。
さらに特許文献1に記載の発明にあっては、ノズル径を基板上の最小ピッチの電子部品に対応する大きさのものとする必要があるため、最小ピッチのことなる基板に変更した場合、その都度、ノズルの交換が必要となり、作業効率の低下の原因となるという問題もある。
一方、鉛フリー半田などは塗布形状の保持力が強く、温度・湿度の影響を受けにくい。 本発明者らは、一定条件下でノズルから基板上への所定の半田を吐出した場合、温度・湿度の影響により吐出量が変化しても、基板上に塗布された半田の形状に定型性(相似性)があることに着目して本発明を構成するに至ったものである。
前記基板の高さを検出する第1の非接触変位検出手段と、
前記ノズルから吐き出され前記基板上に塗布された半田の表面の変位を検出する第2の非接触変位検出手段と、
前記ノズルの位置と前記ノズルからの吐出動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記第1の非接触変位検出手段からの検出信号に基づき、前記ノズルと前記基板との間の間隔を一定に保ちつつ、前記ノズルからの半田の吐出を開始し、
前記第2の非接触変位検出手段からの検出信号が目標値を示す時に半田の吐出が終了するように、前記ノズルからの吐出動作を制御することを特徴とする半田塗布装置である。
したがって、本発明によれば、第1の非接触変位検出手段からの検出信号に基づき、ノズルと基板との間の間隔を一定に保ちつつ、ノズルからの半田の吐出を開始し、第2の非接触変位検出手段からの検出信号が目標値を示すときに半田の吐出が終了するように、ノズルの吐出動作を制御するので、当該目標値に対応するところの目標の半田塗布量(塗布径)の塗布を実現することができる。
以上のように本発明によれば、高精度に半田塗布量を制御することができる。
図1〜図3に示すように本実施形態の半田塗布装置100は塗布ヘッドユニット1を備えている。塗布ヘッドユニット1は、第1Z軸アクチュエータ31によって基台に対して上下動するように支持されているとともに、水平軸アクチュエータによって水平移動するように支持されている。
塗布ヘッドユニット1には、ノズル11を備えノズル11から半田を吐出するディスペンサー10と、4つのレーザー変位センサー21,22,23,24と、第2Z軸アクチュエータ32とが搭載されている。
4つのレーザー変位センサー21,22,23,24は、基板の高さを検出する第1の非接触変位検出手段としてのレーザー変位センサー21,22と、ノズル11から吐き出され基板上に塗布された半田の表面の変位を検出する第2の非接触変位検出手段としてのレーザー変位センサー23,24とからなる。
レーザー変位センサー21は基板に対して垂直にレーザーを照射するように設置されている。レーザー変位センサー22は斜め下方にレーザーを照射するように設置されている。レーザー変位センサー23,24は、互いにノズル11を挟んで逆側に配置され、斜め下方にレーザーを照射するように設置されている。特に、レーザー変位センサー23,24は、原点に照射するように設置されている。ノズルの交換時等においてノズル11の中心軸がこの原点を通るように予め微調整される。
第1Z軸アクチュエータ31の作動により、塗布ヘッドユニット1の全体が上下動、従って、ノズル11及びセンサー21,22,23,24が一体的に上下動する。第2Z軸アクチュエータ32は、センサー21,22,23,24から独立してノズル11を上下動させる。ノズルの交換時のキャリブレーションとしてノズル11の先端が原点に一致するときの第2Z軸アクチュエータ32の制御値が図示しない制御装置に記憶される。
なお、本発明を実施するためには、レーザー変位センサー21,22のうちいずれか一方を省略してもよく、レーザー変位センサー23,24のうちいずれか一方を省略してもよい。なお、対になったレーザー変位センサー23,24は、ノズル11の中心軸の検出に利用できる。また、斜めに照射するレーザー変位センサー22は、ノズル11の直下の基板表面の高さを測定できる。レーザー変位センサー21,22のうちレーザー変位センサー21のみを使用する場合であって、ノズル直下位置とレーザー変位センサー21の照射点とで基板の高さが異なる可能性があるときは、レーザー変位センサー21を基板上の塗布点の上方に配置して基板表面の高さを測定した後、当該塗布点の上方にノズルを移動させることで測定可能である。
制御装置は、レーザー変位センサー21,22,23,24の検出信号の入力を受けるとともに、ディスペンサー10及び各アクチュエータその他を制御して以下の塗布プロセスを実行する。以下、レーザー変位センサー23を用いる場合とする。
図4及び図5を参照する。図4は、ノズル11、レーザー変位センサー21,22、レーザー変位センサー23及び基板40を模式的に描いたものである。図5は、基板40の被塗布表面41と、原点Pと、増大過程における半田の垂直断面外形S1,S2,S3を描いたものである。
また、次の誤検出検出制御を併せて実施することが好ましい。
すなわち、レーザー変位センサー23で半田の表面の変位を検出中に、半田自体が持つ光沢やその光沢によって引き起こされる乱反射により、レーザー変位センサー23が本来の検出値より多い値を検出することがある。そのため、検出値を信用するには誤検出かどうかをチェック、すなわち、誤検出を検出する必要がある。又、半田材料自体の粘性が想定よりも柔らかくなった場合、吐出量が急激に増加するため、上記の増圧制御を適用して塗布を行っている場合などに目標値よりも多く塗布されてしまう現象が生じ得るが、これを防止するためにもこの誤検出検出制御が有効である。
(ステップ1)レーザー変位センサー23の塗布目標設定値を取り込む。これは、上記の例で目標値1.5mmに相当する。
(ステップ2)誤検出検出リミット(1〜10%)の値を算出する。この1〜10%の値は別途設定可能である。例えば、目標値1.5mmのとき、誤検出検出リミットを10%に設定すると、誤検出検出リミットの値は、0.15mmとなる。
(ステップ3)サンプリング周期(10〜100ms)を決定する。この10〜100msの値は別途設定可能である。
(ステップ4)上述したようにノズル11と基板40との間の間隔を一定に保ち、ノズル11の中心軸Cと基板40上の被塗布表面41との交点を、レーザー変位センサー23の照射点として、ノズル11からの半田Sの吐出を開始する。吐出開始と同時にレーザー変位センサー23の検出信号のサンプリングを開始する。
(ステップ5)サンプリング周期に従ってレーザー変位センサー23の検出値を取り込む。
(ステップ6)サンプリング毎に検出値が「誤検出検出リミット」以上に増加したか否かを判断する。
(ステップ7)ステップ6で増加していなければ誤検出無し、増加していた場合は誤検出又は塗布量増加過多と判断し塗布を停止する。 誤検出無が無ければ上述したように目標許容範囲内で吐出が止まるように制御する。
(ステップ8)ステップ7で誤検出を検出してから300ms(固定値)経過後、レーザー変位センサー23の検出値が目標許容範囲の下限より下回っていたら圧力を初期のパラメータ値に戻し再度塗布を開始する。ここで、圧力を初期のパラメータ値に戻すとは、図6の例で0.2MPaに戻すことに相当する。
(ステップ9)ステップ7で誤検出を検出してから300ms(固定値)経過後、検出値が目標許容範囲内か上回っていたら塗布完了とみなし終了する。
開始から20ms後、レーザー変位センサー23の検出値が0.1mmを示し、サンプリングの一周期前に対しての増加量が0.1mmであり、誤検出検出リミット0.15mm未満であるので、塗布過程が進行する。
同様に、40ms後、60ms後、80ms後、100ms後、一周期前に対しての増加量が誤検出検出リミット0.15mm未満であるので、塗布過程が進行し、その後も同様に進行すればレーザー変位センサー23の検出値が目標許容範囲に達した時に塗布を終了する。目標許容範囲としは、例えば許容幅として0.2mmを設定し、上に設定して1.5〜1.7mmとする場合や、上下に設定して1.4〜1.6mmとする場合などがある。
開始から20ms後、レーザー変位センサー23の検出値が0.1mmを示し、サンプリングの一周期前に対しての増加量が0.1mmであり、誤検出検出リミット0.15mm未満であるので、塗布過程が進行する。
同様に、40ms後、一周期前に対しての増加量が誤検出検出リミット0.15mm未満であるので、塗布過程が進行する。
60ms後、一周期前に対しての増加量0.4mmであり、誤検出検出リミット0.15mm以上であるので、塗布を停止する。
それから300ms経過後の360ms後、レーザー変位センサー23の検出値が0.34mmであり、目標許容範囲を下回っているので、初期のパラメータ値に戻し再度塗布を開始する。なお、表2において、360ms後における増加量は、誤検出時(60ms後)の一周期前(40ms後)に対してのものを記載する。仮に、360ms後のレーザー変位センサー23の検出値が目標許容範囲内かそれを上回っていたら塗布完了とみなし終了する。なお、各塗布点について目標許容範囲内で終了したか、目標許容範囲外で終了したかを製造履歴データとして記録する。
380ms後、一周期前に対しての増加量が誤検出検出リミット0.15mm未満であるので、塗布過程が進行し、その後も同様に進行すれば、レーザー変位センサー23の検出値が目標許容範囲に達した時に塗布を終了する。
10 ディスペンサー
11 ノズル
21,22 レーザー変位センサー(第1の非接触変位検出手段)
23,24 レーザー変位センサー(第2の非接触変位検出手段)
31 第1Z軸アクチュエータ
32 第2Z軸アクチュエータ
40 基板
41 被塗布表面
100 半田塗布装置
C ノズルの中心軸
D 塗布径(直径)
L 投光レーザー
L0‐L3 反射光
P 原点
S 半田
S1,S2,S3 半田の垂直断面外形
Claims (3)
- ノズルから基板上に半田ペーストを吐き出し塗布する半田塗布装置であって、
前記基板の高さを検出する第1の非接触変位検出手段と、
前記ノズルから吐き出され前記基板上に塗布された半田の表面の変位を検出する第2の非接触変位検出手段と、
前記ノズルの位置と前記ノズルからの吐出動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記第1の非接触変位検出手段からの検出信号に基づき、前記ノズルと前記基板との間の間隔を一定に保ちつつ、前記ノズルからの半田の吐出を開始し、
前記第2の非接触変位検出手段からの検出信号が目標値を示す時に半田の吐出が終了するように、前記ノズルからの吐出動作を制御することを特徴とする半田塗布装置。 - 前記第1の非接触変位検出手段及び前記第2の非接触変位検出手段をレーザー変位センサーとする請求項1に記載の半田塗布装置。
- 前記第2の非接触変位検出手段であるレーザー変位センサーにより、投光レーザーを前記ノズルの中心軸と基板上の被塗布表面との交点を目標に当該中心軸及び被塗布表面に対して傾斜した所定の角度で照射して半田の表面の変位を検出する請求項2に記載の半田塗布装置。
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