JP6936457B1 - 固形食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原材料である魚卵そのものの歯触りや食感、魚卵を含む原材料そのものの味を担保した、常温流通の食品を提供する。【解決手段】 味付け数の子を分散して含有する固形食品であって、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊とチーズとの混合物を固化してなる。これにより、原材料である魚卵そのものの歯触りや、魚卵を含む原材料そのものの味を担保した、常温流通の固形食品ができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、味付け数の子を分散して含有する固形食品及びその製造方法に関し、より詳細には、少なくとも、味付け数の子を分散して含有する固形食品であって、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊とチーズとの混合物を固化してなる前記固形食品、ならびにその製造方法に関する。
従来、魚卵を利用した様々な固形食品が開発されている。例えば、特開昭61−078362号公報には、シシャモの卵・トビウオの卵・数の子・タラコ・イクラといった魚卵が分散添加されている水中油型乳化物の凝固物である、魚卵の拡大用途を図った固形食品が(特許文献1)、特開昭63−279768号公報には、魚卵たる数の子と海藻類を相互に接着させる方法による数の子を使用した食品が(特許文献2)、特開平03−147740号公報には、製造する際に加熱を必要としないなどの、チーズと魚卵からなるテリーヌが(特許文献3)、特開平04−166065号公報には、味付けした粒子のある魚卵の周囲に、チーズ、バター、マーガリン、魚肉といった他の食品を被覆した加工食品が(特許文献4)、それぞれ開示されている。
特開昭61−078362号公報 特開昭63−279768号公報 特開平03−147740号公報 特開平04−166065号公報
特許文献1に開示されている固形食品は、魚卵を美味しく食することを、特許文献2に開示されている数の子を使用した食品は、魚卵のいわゆる「バラ子(卵粒)」を安価に利用することを、特許文献3に開示されているテリーヌは、製造する際に加熱を必要とせず、ベースとしてのチーズ中に生の魚卵を混和させ、冷却凝固して生の魚卵の風味を保つことを、特許文献4に開示されている加工食品は、新しい組み合わせの複合食品を提供することと、低品位の原料卵やハラ状の魚卵の利用拡大を図ることを、それぞれ目的としているが、原材料である魚卵そのものの歯触りや食感、魚卵を含む原材料そのものの味を担保しつつ、常温流通の食品とすることを目的とするものではなかった。
本発明は、原材料である魚卵そのものの歯触りや食感、魚卵を含む原材料そのものの味を担保した、常温流通の食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊とチーズとの混合物を固化してなる固形食品を、当該味付けされた数の子の卵粒及び/または卵塊を分散して含有するようにすること、その固形食品における含水量をその固形食品100質量部に対して33〜45質量部とすること、さらに、その混合物における当該味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊の含有量を、その混合物100質量部に対して15〜45質量部とすること、あるいは、その混合物において、当該味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊を、味付けされ、乾燥されて所望の含水量に調整され、かつ、燻製にされた数の子の卵粒及び/または卵塊とすることにより、原材料である魚卵そのものの歯触りや、魚卵を含む原材料そのものの味を担保した、常温流通の固形食品ができることを見出し、下記の各発明を完成した。
(1)味付け数の子を分散して含有する固形食品であって、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊とチーズとの混合物を固化してなる前記固形食品。
(2)固形食品の含水量が、前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部である、(1)に記載の固形食品。
(3)混合物100質量部に対して、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊を15〜45質量部で含む、(2)に記載の固形食品。
(4)常温流通の食品である、(1)から(3)のいずれか一に記載の固形食品。
(5)味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊が、味付けされ、乾燥されて所望の含水量に調整され、かつ、燻製にされた数の子の卵粒及び/または卵塊である、(1)から(4)のいずれか一に記載の固形食品。
(6)チーズが、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、チーズフード、及び、乳または乳製品を主要原料とする食品からなる群から選択される1または2以上の食品である、(1)から(5)のいずれか一項に記載の固形食品。
(7)味付け数の子を分散して含有する固形食品の製造方法であって、数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程と、前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程と、前記所望の含水量に調整した味付け数の子とチーズとを加熱条件下にて混合して混合物を調製する工程と、前記調製した混合物を冷蔵により固化する工程とを有し、前記固形食品の含水量が前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部である、前記固形食品の製造方法。
(8)味付け数の子を分散して含有する固形食品の製造方法であって、数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程と、前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程と、前記所望の含水量に調整した味付け数の子と粉状及び/または粒状のチーズとを混合して混合物を調製する工程と、前記調製した混合物を耐圧性のあるケーシングに圧入して固化する工程とを有し、前記固形食品の含水量が前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部である、前記固形食品の製造方法。
(9)燻製にされた味付け数の子を分散して含有する固形食品の製造方法であって、数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程と、前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程と、前記所望の含水量に調整した味付け数の子を燻製にする工程と、前記燻製にした味付け数の子とチーズとを加熱条件下にて混合して混合物を調製する工程と、前記調製した混合物を冷蔵により固化する工程とを有し、前記固形食品の含水量が前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部である、前記固形食品の製造方法。
(10)燻製にされた味付け数の子を分散して含有する固形食品の製造方法であって、数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程と、前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程と、前記所望の含水量に調整した味付け数の子を燻製にする工程と、前記燻製にした味付け数の子と粉状及び/または粒状のチーズとを混合して混合物を調製する工程と、前記調製した混合物を耐圧性のあるケーシングに圧入して固化する工程とを有し、前記固形食品の含水量が前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部である、前記固形食品の製造方法。
(11)味付け数の子を分散して含有する常温流通固形食品の製造方法であって、数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程と、前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程と、前記所望の含水量に調整した味付け数の子とチーズとを加熱条件下にて混合して混合物を調製する工程と、前記調製した混合物を冷蔵により固化する工程とを有し、前記固形食品の含水量が前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部である、前記常温流通固形食品の製造方法。
(12)味付け数の子を分散して含有する常温流通固形食品の製造方法であって、数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程と、前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程と、前記所望の含水量に調整した味付け数の子と粉状及び/または粒状のチーズとを混合して混合物を調製する工程と、前記調製した混合物を耐圧性のあるケーシングに圧入して固化する工程とを有し、前記固形食品の含水量が前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部である、前記常温流通固形食品の製造方法。
(13)燻製にされた味付け数の子を分散して含有する常温流通固形食品の製造方法であって、数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程と、前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程と、前記所望の含水量に調整した味付け数の子を燻製にする工程と、前記燻製にした味付け数の子とチーズとを加熱条件下にて混合して混合物を調製する工程と、前記調製した混合物を冷蔵により固化する工程とを有し、前記固形食品の含水量が前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部である、前記常温流通固形食品の製造方法。
(14)燻製にされた味付け数の子を分散して含有する常温流通固形食品の製造方法であって、数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程と、前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程と、前記所望の含水量に調整した味付け数の子を燻製にする工程と、前記燻製にした味付け数の子と粉状及び/または粒状のチーズとを混合して混合物を調製する工程と、前記調製した混合物を耐圧性のあるケーシングに圧入して固化する工程とを有し、前記固形食品の含水量が前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部である、前記常温流通固形食品の製造方法。
(15)チーズが、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、チーズフード、及び、乳または乳製品を主要原料とする食品からなる群から選択される1または2以上の食品である、(7)から(14)のいずれか一項に記載の固形食品または常温流通固形食品の製造方法。
本発明によれば、原材料である魚卵そのものの歯触りや食感、魚卵を含む原材料そのものの味を担保した、常温流通の固形食品を提供することができる。
本発明における混合物の味付け数の子の含有量が当該混合物100質量部に対して45質量部(チーズの含有量が当該混合物100質量部に対して55質量部)の場合の、当該固形食品の含水量(w/w)毎の、歯触りや食感の評価、べたつきの評価、総合評価及び当該味付け数の子の含水量を表す表図である。 本発明における混合物の味付け数の子の含有量が当該混合物100質量部に対して35質量部(チーズの含有量が当該混合物100質量部に対して65質量部)の場合の、当該固形食品の含水量(w/w)毎の、歯触りや食感の評価、べたつきの評価、総合評価及び当該味付け数の子の含水量を表す表図である。 本発明における混合物の味付け数の子の含有量が当該混合物100質量部に対して25質量部(チーズの含有量が当該混合物100質量部に対して75質量部)の場合の、当該固形食品の含水量(w/w)毎の、歯触りや食感の評価、べたつきの評価、総合評価及び当該味付け数の子の含水量を表す表図である。 本発明における混合物の味付け数の子の含有量が当該混合物100質量部に対して15質量部(チーズの含有量が当該混合物100質量部に対して85質量部)の場合の、当該固形食品の含水量(w/w)毎の、歯触りや食感の評価、べたつきの評価、総合評価及び当該味付け数の子の含水量を表す表図である。
以下、本発明に係る固形食品及びその製造方法について詳細に説明する。先ず、本発明に係る固形食品について説明する。本発明に係る固形食品は、味付け数の子を分散して含有する固形食品であって、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊とチーズとの混合物を固化してなる。
本発明に係る固形食品の原材料となり、当該固形食品が分散して含有する味付け数の子は、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊から調製される。味付け数の子とは、味付けが施されたニシンの魚卵をいう。その味付けは、当業者により適宜選択可能な味付けであれば、公知か非公知かを問わず、特に限定されない。
次に、本発明において、乾燥する手法や乾燥のための温度帯は、味付けされた数の子(卵粒及び/または卵塊)の含水量を調整できる手法や温度帯であって、当業者により適宜選択可能な手法や温度帯であれば、特に限定されない。なお、本明細書実施例においては、除湿乾燥機を用いて22±2℃の温度帯にて味付け数の子を乾燥している。また、本発明における所望の含水量とは、乾燥しすぎず、また、べたつきを生じない範囲において適宜調整が可能な含水量をいう。本明細書実施例においては、11.5〜63.0%(w/w)の範囲から選択される含水量を、好適な所望の含水量としている。
次に、本発明において、卵粒とは、いわゆるばらこ(バラ子)すなわち魚卵の卵巣膜がなくバラバラとなった状態のもののうち、卵が粒毎にバラバラとなったものをいう。また、本発明において、卵塊とは、魚卵の卵巣膜がなくバラバラになった状態のもののうち、2〜10000粒の範囲に含まれる数の卵粒の集合体をいい、卵粒を除くばらこ(バラ子)や、いわゆる折れ子が本発明に係る卵塊に該当する場合がある。
次に、本発明に係る固形食品は、前記味付け数の子を分散して含有する固形食品であって、前記味付け数の子とチーズとの混合物を固化してなる。本発明において、固形食品とは、常温で一定の形状を有する食品であり、常温で液状、流動性を有する飲料のような食品は除外される。また、本発明において、分散とは、特に限定されるものではないが、卵粒状及び/または卵塊状の味付け数の子が固形食品中に散在している状態をいう。また、本発明において、混合物とは、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊とチーズを含むものであり、必要に応じ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊とチーズ以外にも、当該混合物を固化して生成される固形食品を構成する成分が含有されていてもよい。また、本発明において、固化とは、当該混合物が固体になることをいうが、常温で液状、流動性を有するということでなければよく、また、その固体の固さは特に限定されない。
また、一般にチーズとは、フレッシュまたは熟成した、固形または半固形の製品であり、(a)レンネットまたはその他適当な凝固剤の作用により、乳、脱脂乳、部分脱脂乳、クリーム、ホエイクリーム、バターミルクまたはこれらのどんな混合物であっても、それらを凝固させ、この凝固物より分離するホエイを部分的に流出せしめることで得られるもの、(b)乳及び、または乳から得られる原料を用い、凝固を引き起こす加工技術により(a)に限定されている製品と同じ化学的、物理的、官能的な特徴をもつ最終的な製品、のいずれかをいうが、本発明において、チーズとは、ナチュラルチーズ及びプロセスチーズの他、チーズフード、及び、乳または乳製品を主要原料とする食品をいう。
「ナチュラルチーズ」とは、食品衛生法(昭和22年法律233号)に基づく乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号。以下「乳等省令」という。)第2条第17項に規定するナチュラルチーズをいい、当該ナチュラルチーズには、香り及び味を付与する目的で、乳に由来しない風味物質を添加してもよい。
「プロセスチーズ」とは、乳等省令第2条第18項に規定するプロセスチーズであって、乳等省令別表二(三)(4)の成分規格に合致するものをいい、当該プロセスチーズには、(a)食品衛生法で認められている添加物、(b)脂肪量の調整のためのクリーム、バター及びバターオイル、(c)香り、味、栄養成分、機能性及び物性を付与する目的の食品(添加量は製品の固形分重量の1/6以内とし、(b)以外の乳等の添加量は製品中の乳糖含量が5%を超えない範囲。)を添加してもよい。
「乳または乳製品を主要原料とする食品」とは、乳等省令第2条第1項に規定する乳または乳等省令第2条第12項に規定する乳製品ならびにこれらを主要原料とする食品をいう。
「チーズフード」とは、「乳または乳製品を主要原料とする食品」であって、一種以上のナチュラルチーズまたはプロセスチーズを粉砕し、混合し、加熱溶融し、乳化してつくられるもので、製品中のチーズ分の重量が51%以上のものをいい、当該チーズフードには、(a)食品衛生法で認められている添加物、(d)香り、味、栄養成分、機能性及び物性を付与する目的の食品(添加量は製品の固形分重量の1/6以内。)、(e)乳に由来しない脂肪、蛋白質または炭水化物(添加量は製品重量の10%以内。)を添加してもよい。
次に、本発明に係る固形食品の含水量は、当業者により適宜選択可能な手法により、その手法が公知か非公知かを問わず、測定することができる。そのような手法により測定される、本発明に係る固形食品の含水量は、好ましくは、当該固形食品100質量部に対して33〜45質量部であり、より好ましくは、当該固形食品100質量部に対して35.1〜42.9質量部であり、さらに好ましくは、当該固形食品100質量部に対して36.4〜39.6質量部である。なお、本明細書において「〜」または「から」を用いて表される数値範囲は「〜」または「から」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
次に、本発明において、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊が混合物に含まれる量は、当業者により適宜選択可能な手法により、その手法が公知か非公知かを問わず、測定することができる。そのような手法により測定される、本発明における、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊が混合物に含まれる量は、当該混合物100質量に対して15〜45質量部であることが好ましい。
次に、本発明に係る固形食品は、常温流通の食品である。本発明に係る固形食品は、当該固形食品の含水量が、当該固形食品100質量部に対して33〜45質量部であること、味付けされた数の子の卵粒や卵塊が、乾燥されて所望の含水量に調整されていること、そのような、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊を、混合物100質量部に対して15〜45質量部で含むことにより、常温流通食品とすることができる。
次に、本発明において、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊は、味付けされ、乾燥されて所望の含水量に調整され、かつ、燻製にされた数の子の卵粒及び/または卵塊であってもよい。なお、本発明において、燻製には、燻煙によるものの他、例えば、燻液によるものが含まれる。
以上のような、本発明に係る固形食品は、本発明の特徴を損なわない範囲であれば、いかなる物質も含んでよい。
次に、本発明に係る固形食品の製造方法について説明する。本発明に係る固形食品の製造方法の第一実施形態は、味付け数の子を分散して含有する固形食品の製造方法であって、
(i)数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程(味付け数の子調整工程)、
(ii)前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程(味付け数の子乾燥工程)、
(iii)前記所望の含水量に調整した味付け数の子とチーズとを加熱条件下にて混合して混合物を調製する工程(加熱下混合物調製工程)、及び、
(iv)前記調製した混合物を冷蔵により固化する工程(固化工程)
を有している。なお、本第一実施形態の固形食品の製造方法のうち、上述した本発明に係る固形食品の構成と同一もしくは相当する構成については、再度の説明を省略する。
「(i)味付け数の子調整工程」における、数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する手法は、当業者により適宜選択可能な手法により、その手法が公知か非公知かを問わず、行うことができ、「(ii)味付け数の子乾燥工程」における、味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する手法は、乾燥しすぎず、また、べたつきを生じない範囲において適宜調整が可能な含水量に、当業者により適宜選択可能な手法により、その手法が公知か非公知かを問わず、行うことができ、「(iii)加熱下混合物調製工程」における、味付け数の子とチーズとを加熱条件下にて混合して混合物を調製する手法は、当業者により適宜選択可能な手法により、その手法が公知か非公知かを問わず、行うことができ、「(iv)固化工程」における、混合物を冷蔵により固化する手法は、当業者により適宜選択可能な手法により、その手法が公知か非公知かを問わず、行うことができる。
ここで、「(iii)加熱下混合物調製工程」において、加熱条件とは、前記所望の含水量に調整した味付け数の子とチーズとを混合して混合物を調製可能な加熱条件であり、50〜85℃に加熱すればよく、55〜80℃に加熱するのが好ましく、60〜75℃に加熱するのがより好ましい。なお、本明細書実施例においては、65〜70℃に加熱することを好適な加熱条件としている。また、混合の程度は、チーズ中に味付け数の子が分散して、本発明に係る固形食品が当該味付け数の子を分散して含有する程度であればよい。
また、本第一実施形態の固形食品の製造方法において、「(iii)加熱下混合物調製工程」を、
(v)前記所望の含水量に調整した味付け数の子と粉状及び/または粒状のチーズとを混合して混合物を調製する工程(混合物調製工程)
へ、「(iv)固化工程」を、
(vi)前記調製した混合物を耐圧性のあるケーシングに圧入して固化する工程(加圧下固化工程)
へ、それぞれ置換してもよい。この場合の「(v)混合物調製工程」における混合の程度は、チーズ中に味付け数の子が分散して、本発明に係る固形食品が当該味付け数の子を分散して含有する程度であればよく、「(vi)加圧下固化工程」における加圧の程度は、当該混合物が固化する程度であればよい。
また、本第一実施形態の固形食品の製造方法により製造される固形食品は、当該固形食品の含水量が当該固形食品100質量部に対して33〜45質量部であることが好ましい。
次に、本発明に係る固形食品の異なる実施形態の製造方法について説明する。本発明に係る固形食品の製造方法の第二実施形態は、燻製にされた味付け数の子を分散して含有する固形食品の製造方法であって、
(i)数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程(味付け数の子調整工程)、
(vii)前記調製した味付け数の子を燻製にしつつ所望の含水量に調整する工程(味付け数の子燻製工程)、
(iii)前記燻製にしつつ所望の含水量に調整した味付け数の子とチーズとを加熱条件下にて混合して混合物を調製する工程(加熱下混合物調製工程)、及び、
(iv)前記調製した混合物を冷蔵により固化する工程(固化工程)
を有している。なお、本第二実施形態の固形食品の製造方法のうち、上述した本発明に係る固形食品及び本第一実施形態の固形食品の製造方法の構成と同一もしくは相当する構成については、再度の説明を省略する。
また、本第二実施形態の固形食品の製造方法により製造される固形食品は、当該固形食品の含水量が当該固形食品100質量部に対して33〜45質量部であることが好ましい。
また、本第一実施形態の固形食品の製造方法及び本第二実施形態の固形食品の製造方法により製造される固形食品は、常温流通の食品である。
以下、本発明に係る固形食品について、実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される実施態様に限定されない。
(1)固形食品の調製
調製した味付け数の子(卵粒(バラ子)及び卵塊)を、除湿乾燥機を用いて22±2℃にて乾燥した。乾燥時間を適宜変更して当該味付け数の子の含水量を調整することにより、含水量が11.5〜63.0%(w/w)の乾燥味付け数の子10種類を得た。次いで、市販の固形プロセスチーズを湯煎にて65〜70℃に加熱・溶融して溶融チーズを得た後、当該溶融チーズ55質量部に対し乾燥味付け数の子45質量部を投入し、なるべく味付け数の子が全体に対して均一に拡散するようによく撹拌混合して混合物を得た後、当該混合物を直径20mmのポリエチレン製チューブに注入して成型した。これを速やかに10℃以下に冷却して固化した後、一昼夜10℃以下で保管し、チーズと数の子との間で水分を十分に移行させた。次いで、ポリエチレン製チューブを除去し、幅7mmに切断して固形食品を調製し、実施例1〜10とした。
一方、当該得られた乾燥味付け数の子を用いて、当該溶融チーズ65質量部に対し乾燥味付け数の子35質量部を投入して混合物を得、実施例1〜10を調製した方法と同様の方法にて固形食品を調製し、実施例11〜20とした。同様に、当該溶融チーズ75質量部に対し乾燥味付け数の子25質量部を投入して混合物を得、実施例1〜10を調製した方法と同様の方法にて固形食品を調製して実施例21〜30とし、また、当該溶融チーズ85質量部に対し乾燥味付け数の子15質量部を投入して混合物を得、実施例1〜10を調製した方法と同様の方法にて固形食品を調製して実施例31〜40とした。
(2)固形食品の評価
得られた実施例1〜40に係る固形食品の、「含水量(w/w)」毎の「(常温での)歯触り・食感」及び「(常温での)切断面のべたつき」について評価した。「(常温での)歯触り・食感」の評価については、「常温において、プチプチとした数の子特有の好ましい歯触りや食感を感得できる」場合を「5点」、「常温において、数の子特有の歯触りや食感を失い、ガム質様食感となっている」場合を「1点」、「常温において、十分ではないが数の子の歯触りや食感が維持されていて、商品価値を有すると判断される」場合を「3点」とする5段階評価とした。「(常温での)切断面のべたつき」の評価については、「常温において、数の子部分からの液の漏出がないか、または僅かであり、チーズ部分がべたついていない」場合を「5点」、「常温において、数の子部分からの漏出液がチーズ部分にも広がり、そのべたつきが包装工程の支障となりかねず、商品価値を損ねると判断される」場合を「1点」、「常温において、多少のべたつきはあるものの、商品価値を有すると判断される」場合を「3点」とする5段階評価とした。「(常温での)歯触り・食感」及び「(常温での)切断面のべたつき」それぞれについて、12名の評価の平均値を算出し、評価結果とした。そのうえで、「(常温での)歯触り・食感」及び「(常温での)切断面のべたつき」の評価点数合計が8.0を超えるものを「〇」、7.5を超え8.0以下のものを「△」、7.5以下のものを「×」と総合評価し、常温流通の可否を判断した。その結果を図1〜4に示す。
図1〜4に示すように、含水量(w/w)が33.0%(実施例21における含水量)〜45.0%(実施例18における含水量)の本発明に係る固形食品は、総合評価の結果から、常温での流通が可能であることが明らかとなり、本発明に係る固形食品100質量部に対し、含水量が33〜45質量部である当該固形食品が、常温流通の食品とすることができることが示された。また、含水量(w/w)が35.7%(実施例14)〜42.1%(実施例17)の本発明に係る固形食品は、総合評価の結果から、常温での流通に適していることが明らかとなり、本発明に係る固形食品100質量部に対し、含水量が35〜43質量部である当該固形食品が常温流通の食品として好適であることが示され、本発明に係る固形食品100質量部に対し、含水量が33〜45質量部の範囲となるよう、「乾燥味付け数の子の含水量」、「チーズの含水量」及び「乾燥味付け数の子の含有量(チーズと味付け数の子の重量比)」を適宜組合せることが、本発明に係る固形食品において重要であることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. 味付け数の子を分散して含有する固形食品であって、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊とチーズとの混合物を固化してなり、
    前記固形食品の含水量が、前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部であり、
    味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊を、前記混合物100質量部に対して15〜45質量部含む、固形食品
  2. 味付け数の子を分散して含有する固形食品であって、味付けされ、かつ、乾燥されて所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊と、チーズとの混合物を固化してなり、
    前記固形食品の含水量が、前記固形食品100質量部に対して33〜45質量部であり、
    味付けされ、かつ、乾燥されて11.5〜63.0%(w/w)の範囲で所望の含水量に調整された数の子の卵粒及び/または卵塊を、前記混合物100質量部に対して15〜45質量部含む、固形食品。
  3. 常温流通の食品である、請求項1または請求項2に記載の固形食品。
  4. 味付け数の子を分散して含有する固形食品の製造方法であって、
    数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程と、
    前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程と、
    前記所望の含水量に調整した味付け数の子とチーズとを加熱条件下にて混合して混合物を調製する工程と、
    前記調製した混合物を冷蔵により固化する工程と
    を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固形食品の製造方法。
  5. 味付け数の子を分散して含有する固形食品の製造方法であって、
    数の子の卵粒及び/または卵塊を味付けして味付け数の子を調製する工程と、
    前記調製した味付け数の子を乾燥して所望の含水量に調整する工程と、
    前記所望の含水量に調整した味付け数の子と粉状及び/または粒状のチーズとを混合して混合物を調製する工程と、
    前記調製した混合物を耐圧性のあるケーシングに圧入して固化する工程と
    を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固形食品の製造方法。
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