JP6935733B2 - 電極積層体の製造装置及び方法 - Google Patents
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Description
集電体層及び上記集電体層の少なくとも一方の表面に配置されている活物質層を有する活物質層付集電体層をロールでプレスする、電極積層体の製造装置であって、
上記ロールは、上記活物質層と接触する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を有しており、又は上記ロールと上記活物質層との間にプレス用シートが配置される場合には、上記プレス用シートは、上記活物質層と接触する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を有しており、かつ
上記ダイヤモンドライクカーボン膜の平均粗さRaが、0.16μm以下である、
電極積層体の製造装置。
〈態様2〉
上記ダイヤモンドライクカーボン膜のマイクロビッカース硬さHvが、1800以上である、態様1に記載の装置。
〈態様3〉
上記ダイヤモンドライクカーボン膜のマイクロビッカース硬さHvが、4000以下である、態様1又は2に記載の装置。
〈態様4〉
上記ロールの表面の温度が、160℃以上250℃以下である、態様1〜3のいずれか一項に記載の装置。
〈態様5〉
上記ロールによるプレスの線圧が、9kN/cm以上60kN/cm以下である、態様1〜4のいずれか一項に記載の装置。
〈態様6〉
上記ダイヤモンドライクカーボン膜と上記ロール又は上記プレス用シートの表面との間に、金属窒化物、クロム、シリコン、又はタングステンカーバイドを含有する膜が形成されている、態様1〜5のいずれか一項に記載の装置。
〈態様7〉
上記活物質層が、硫化物固体電解質を含む、態様1〜6のいずれか一項に記載の装置。
〈態様8〉
集電体層及び上記集電体層の少なくとも一方の表面に配置されている活物質層を有する活物質層付集電体層をロールでプレスする、電極積層体の製造方法であって、
上記ロールは、上記活物質層と接触する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を有しており、又は上記ロールと上記活物質層との間にプレス用シートが配置される場合には、上記プレス用シートは、上記活物質層と接触する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を有しており、かつ
上記ダイヤモンドライクカーボン膜の平均粗さRaが、0.16μm以下である、
電極積層体の製造方法。
〈態様9〉
上記活物質層が、硫化物固体電解質を含んでいる、態様8に記載の方法。
電極積層体を製造する本開示の装置及び方法は、集電体層及び集電体層の少なくとも一方の表面に配置されている活物質層を有する活物質層付集電体層をロールでプレスする、電極積層体の製造装置及び方法であって、
ロールは、活物質層と接触する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を有しており、又はロールと活物質層との間にプレス用シートが配置される場合には、プレス用シートは、活物質層と接触する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を有しており、かつ
ダイヤモンドライクカーボン膜の平均粗さRaが、0.16μm以下である。
ダイヤモンドライクカーボン膜の表面の平均粗さRaは、0.16μm以下、又は0.11μm以下であってよい。また、ダイヤモンドライクカーボン膜の表面の平均粗さRaは、0.01μm以上、又は0.11μm以上であってよい。なお、平均粗さRaは、JIS規格のJIS B 0601:2001に基づいて算出された値を用いることができる。
ダイヤモンドライクカーボン膜8の表面のマイクロビッカース硬さHvは、1800以上であってよい。ダイヤモンドライクカーボン膜8のマイクロビッカース硬さHvが十分に大きいことによって、電極積層体の製造時におけるダイヤモンドライクカーボン膜の摩耗を抑制でき、またロール又はプレス用シートの表面と接触する活物質層に含まれる物質が、ロール又はプレス用シートに埋め込まれにくく、それによってこれらがロールに付着することを抑制できると推測される。なお、マイクロビッカース硬さHvは、JIS規格のJIS Z 2244に基づいて算出された値を用いることができる。
ロールによるプレスの線圧は例えば、プレスされる活物資層の種類等に依存して調節することができ、例えば全固体電池のための活物質層をプレスする場合には、9kN/cm以上、10kN/cm以上、20kN/cm以上であってよく、また60kN/cm以下、50kN/cm以下、又は40kN/cm以下であってよい。
ロールの表面は加熱することができ、例えばロールの表面の温度は、150℃以上、160℃以上であってよく、また300℃以下、250℃以下、又は200℃以下であってよい。ロールのプレス面を加熱することによって、活物質層の緻密化や、活物質層を構成する材料、例えば固体電解質の結晶化を促進し、それによって電池の高性能化に寄与できる場合がある。
以下、電極積層体を製造する本開示の装置及び方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略することがある。
本開示の製造装置及び方法によって製造される電極積層体は、リチウム全固体電池以外の電池に適用されてもよい。例えば、本開示の製造装置及び方法によって製造される電極積層体は、固体電解質ではなくセパレータと電解液を用いたリチウムイオン二次電池に適用されるものであっても、電気二重層キャパシタに適用されるものであってもよい。
負極集電体の材料は、Liと合金化しない材料であることが好ましく、例えばSUS、銅、ニッケル及びカーボン等を挙げることができる。負極集電体の形態としては、例えば、箔状、板状等を挙げることができる。負極集電体の平面視形状は、特に限定されるものではないが、例えば、円状、楕円状、矩形状、任意の多角形状等を挙げることができる。また、負極集電体の厚さは、形状によって異なるものであるが、例えば1μm〜50μmの範囲内であり、5μm〜20μmの範囲内であることがより好ましい。
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、導電助剤、バインダー、及び、固体電解質の少なくとも一つを含有していてもよい。負極活物質としては、金属Li、グラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、Si及びSi合金、Li4Ti5O12等が挙げられる。負極活物質層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜100μm、中でも20〜60μmであることが好ましい。
固体電解質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、固体電解質層が含有することができる固体電解質としては、上述した負極活物質層が含有することができる。
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質、導電助剤及びバインダーの少なくとも一つを含有していてもよい。正極活物質は、通常、Liを含有する。正極活物質としては、例えば酸化物活物質を挙げることができ、具体的には、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiVO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等の岩塩層状型活物質、LiMn2O4、Li(Ni0.5Mn1.5)O4等のスピネル型活物質、LiCoPO4、LiFePO4、LiMnPO4、LiNiPO4、LiCuPO4等のオリビン型活物質等を挙げることができる。また、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4等のSi含有酸化物を正極活物質として用いてもよく、硫黄、Li2Sや多硫化リチウム等の硫化物を正極活物質として用いてもよい。
正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタン及びカーボン等を挙げることができる。正極集電体の厚さや形状等については、電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。また、正極集電体の厚さは、形状によって異なるものであるが、例えば1μm〜50μmの範囲内であり、5μm〜20μmの範囲内であることがより好ましい。
厚み50μmのSUS304シートの表面に、プラズマCVD法によって、厚み約2.5μmのダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を成膜し、実施例1でプレス用シートとして用いるSUSシートを得た。
容器に、分散媒としての酪酸ブチル、バインダーとしてのPVDF系バインダー5wt%含む酪酸ブチル溶液、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(日亜化学工業社製)、固体電解質としてのLi2S−P2S5−LiI系ガラスセラミックス、導電助剤としてのVGCF(昭和電工社製)を加え、フィルミックス分散装置で撹拌し、正極合材ペーストを得た。
ブレード法によって上記の正極合材ペーストを、正極集電体としてのアルミニウム箔に塗工し、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させて正極活物質層を成膜して、正極活物質層付集電体層を得た。
上記SUSシートのダイヤモンドライクカーボン膜を成膜した面と、成膜した上記正極活物質層とが対向するように配置した。その後、上記SUSシートと上記正極を170℃の熱を加え、ホットロールプレスを行った。
厚み50μmのSUS304シートの表面に、原料ガス組成を変えプラズマCVD法によって、厚み約2μmのダイヤモンドライクカーボン膜を成膜した以外は、実施例1と同様の正極活物質層に対して、実施例1と同様の条件でホットロールプレスを行った。
厚み50μmのSUS304シートの表面に、成膜処理を施さなかった以外は、実施例1と同様の正極活物質層に対して、実施例1と同様の条件でホットロールプレスを行った。
厚み50μmのSUS304シートの表面に、膜厚が約80μmの硬質クロムめっき処理を施した以外は、実施例1と同様の正極活物質層に対して、実施例1と同様の条件でホットロールプレスを行った。
厚み50μmのSUS304シートの表面に、PVD(Physical Vapor Deposition)法によって、厚み約1μmのダイヤモンドライクカーボン膜を成膜した以外は、実施例1と同様の正極活物質層に対して、実施例1と同様の条件でホットロールプレスを行った。
(SUSシートの表面に成膜した膜の平均粗さRaの測定方法)
形状測定レーザマイクロスコープ(キーエンス社製、VK−X200)を用い、JIS B 0601:2001に基づいてSUSシートの表面に製膜した膜の平均粗さRaを測定した。
JIS Z 2244に基づいてSUSシートの表面に製膜した膜のマイクロビッカース硬さHvを測定した。
ホットロールプレスで正極活物質層と接触したSUSシートの表面に対して、エネルギー分散型X線分析装置(Bruker社製、Quantax400)を内蔵した電界放出型走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、SU8030)を用い、1000倍の倍率にてSEM像を取得し、EDX面分析を行い、固体電解質由来の硫黄(S)と正極活物質由来のニッケル(Ni)のモル比を取得し付着量を測定した。
2 負極活物質層
3 固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
7a 第1のロール
7b 第2のロール
8 ダイヤモンドライクカーボン膜
9 中間膜
10 集電体層
11 活物質層
12 回転軸線
13 集電体層
14 基材
15 活物質
16 固体電解質
17 導電助剤
100 リチウム全固体電池
200 本開示の製造装置
Claims (7)
- 集電体層及び前記集電体層の少なくとも一方の表面に配置されている活物質層を有する活物質層付集電体層をロールでプレスする、電極積層体の製造装置であって、
前記活物質層は、硫化物固体電解質を含有しており、
(i)前記ロールは、前記活物質層と接触する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を有しており、又は
(ii)前記ロールと前記活物質層面との間にプレス用シートが配置される場合には、前記プレス用シートは、前記活物質層と接触する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を有しており、かつ
前記ダイヤモンドライクカーボン膜の平均粗さRaが、0.16μm以下である、
電極積層体の製造装置。 - 前記ダイヤモンドライクカーボン膜のマイクロビッカース硬さHvが、1800以上である、請求項1に記載の装置。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン膜のマイクロビッカース硬さHvが、4000以下である、請求項1又は2に記載の装置。
- 前記ロールの表面の温度が、160℃以上250℃以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
- 前記ロールによるプレスの線圧が、9kN/cm以上60kN/cm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン膜と前記ロール又は前記プレス用シートの表面との間に、金属窒化物、クロム、シリコン、又はタングステンカーバイドを含有する膜が形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
- 集電体層及び前記集電体層の少なくとも一方の表面に配置されている活物質層を有する活物質層付集電体層をロールでプレスする、電極積層体の製造方法であって、
前記活物質層は、硫化物固体電解質を含有しており、
(i)前記ロールは、前記活物質層と接触する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を有しており、又は
(ii)前記ロールと前記活物質層面との間にプレス用シートが配置される場合には、前記プレス用シートは、前記活物質層と接触する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を有しており、かつ
前記ダイヤモンドライクカーボン膜の平均粗さRaが、0.16μm以下である、
電極積層体の製造方法。
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