しかし、上記したような駐輪設備では、自転車の駐輪場が移動式でないため、使用できる場所が限定され、かつ、V型に曲がったフックで自転車のハンドルポスト両側のハンドルを受けるため、自転車の種類によってはハンドルが掛けられないまたは安定しない等の問題があった。
そこで、本発明は、自立式スタンドを持たない自転車を様々な方式で駐輪することができ、かつ、持ち運びが容易な自転車用携帯駐輪装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。 請求項1に記載の発明は、自転車を支持する支持棒と、前記支持棒の左右に配置された折り畳み可能な脚部と、前記支持棒に前記自転車を駐輪するための引っ掛け手段と、を備え、前記支持棒の上面が断面から見て円弧状に形成され、前記支持棒の上面に前記自転車のサドルを直接支持可能な前記引っ掛け手段または前記支持棒に着脱自在に引っ掛けられる上面が断面から見て円弧状に形成された支持棒受部および前記自転車の左右のハンドルを掛ける対の支持片とからなる前記引っ掛け手段を介して、前記支持棒に間接に前記自転車を掛けられることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の特徴点に加え、前記引っ掛け手段は、前記支持棒が水平方向において前記自転車を前記支持棒の軸線に対し垂直な方向の一方または他方から単数または複数の前記自転車を引っ掛ける手段であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の特徴点に加え、前記引っ掛け手段は、前記支持棒に対してリバーシブルに着脱可能に支持されて引っ掛ける手段または前記ハンドルを前記支持棒が水平方向において前記支持棒の軸線に対し垂直な方向の一方または他方から引っ掛ける手段であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明の特徴点に加え、前記支持棒受部および前記支持片は、緩衝材を取付けていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明の特徴点に加え、前記支持片は、一部が開口し、傾斜辺を1以上設けていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5記載の発明の特徴点に加え、前記支持片は、前記支持棒に対して外方に位置し、前記支持片に前記ハンドルを掛けると前記支持棒の下方に前記支持片が回動することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、分割した前記支持棒受部および対の前記支持片は、前記支持棒受部と対の前記支持片とがスライド手段を介して係合されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明の特徴点に加え、前記スライド手段は、前記支持棒受部のレール片および前記支持片の受レール片とからなり、前記受レール片は前記レール片に係合し、前記受レール片は、傾斜した角度で前記レール片内を摺動し、所定の位置で前記受レール片を回動して前記レール片内に固定する手段であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明の特徴点に加え、前記レール片は、垂下する突出部を備え、前記受レール片には、前記突出部に支持される垂下部を備えていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8または9記載の発明の特徴点に加え、前記レール片の端部には、脱落防止手段を設けていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、自転車を支持する支持棒と、支持棒の左右に配置された折り畳み可能な脚部と、支持棒に自転車を駐輪するための引っ掛け手段と、を備えているため、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車を駐輪することができ、かつ、折り畳めることで持ち運びが容易であり、使い勝手が良い。また、支持棒は、直接または間接に自転車を掛けられるため、自転車の種類を問わず、いずれかの方法で引っ掛けることが可能であり、利便性が高い。
引っ掛け手段は、自転車のサドルを支持棒に直接掛ける手段または自転車のハンドル等を支持棒に間接に掛ける手段であるため、自転車の種類や形状に対して駐輪方法を選択できるので、自転車競技会場や商業施設等、様々な環境に対応でき、利便性が高い。また、ハンドルを引っ掛ける手段は、左右のハンドルおよび地面に接地する後輪による三点支持ができ、より安定した支持が可能になるので、自転車が揺れ難く、強風等による転倒、破損を防ぐ。
請求項2に記載の発明は上記の通りであり、引っ掛け手段は、単数または複数の自転車を支持棒の一方または他方から引っ掛ける手段であるため、自転車の種類や形状を問わず二方向からの駐輪および駐輪方法が選択できるので、自転車競技会場や商業施設等、様々な環境にも対応でき、利便性が高い。
請求項3に記載の発明は上記の通りであり、引っ掛け手段は、支持棒に対してリバーシブルに着脱可能に支持されて引っ掛ける手段であるため、引っ掛け面を変更(リバーシブル)するだけで様々な環境にも対応でき、使い勝手が良い。また、ハンドル等を一方または他方の二方向から引っ掛ける手段であるため、狭い空間しかない環境でもハンドルの挿入方法を変更するだけで支持棒の一方または他方の二方向からの混在した駐輪が容易にでき、使い勝手が良い。
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、引っ掛け手段は、支持棒に着脱自在に支持される支持棒受部および左右のハンドル等を掛ける対の支持片とからなるため、着脱するだけで駐輪方法を選択でき、使い勝手が良い。また、対の支持片間に空間が設けられているため、ハンドル周辺に突出部がある自転車においても空間内に突出部が収められるので、駐輪の妨げになり難く、使い勝手が良い。
請求項4に記載の発明は上記の通りであり、支持棒受部は、緩衝材を取付けているため、支持棒受部と接触する支持棒への傷を防ぐ。また、支持片にも緩衝材を取付けているため、支持片と接触するハンドル等も接触による傷を防ぐことができる。また、緩衝材により、支持片とハンドル等との密着率が向上するため、自転車が揺れ難く、強風等による転倒、破損を防ぐ。
請求項5に記載の発明は上記の通りであり、支持片は、一部が開口し、傾斜辺を1以上設けているため、自転車の種類や形状を問わず、傾斜辺がガイドになり、開口部からのハンドル等の受け入れと、ハンドル等の受け入れ後の抜け防止およびハンドル等の取り外しのし易さを兼ね備え、使い勝手が良い。
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、支持棒および支持棒受部は、上面が円弧状に形成されているため、上面を同じ形状にすることで支持棒と接触する支持棒受部との安定した支持および回動がスムーズであり、使い勝手が良い。また、上面を円弧状にすることにより、直接掛けるサドルにフィットして安定的に自転車を保持でき、使い勝手が良い。
請求項6に記載の発明は上記の通りであり、支持片は、支持棒に対して外方に位置しているため、支持棒の下方と支持片の開口部周辺に広い空間ができるので、ハンドル等を支持片の開口部へ容易に挿入することができ、使い勝手が良い。また、支持片にハンドル等
を掛けると支持棒の下方に支持片が回動するため、自転車用携帯駐輪装置が最も安定した位置での三点支持が可能であり、自転車が揺れ難く、強風等による転倒、破損を防ぐ。
請求項7に記載の発明は上記の通りであり、分割した支持棒受部および対の支持片は、支持棒受部と対の支持片とがスライド手段を介して係合されているため、自転車の種類や形状によって異なるハンドルの幅に対し、対の支持片の間隔をスライド手段で調整をして支持ができ、利便性が高い。また、支持片のみを複数製作するだけでハンドル以外を使用した駐輪ができるため、部品数が減りコストが抑えられる。
請求項8に記載の発明は上記の通りであり、スライド手段は、支持棒受部のレール片および支持片の受レール片とからなり、受レール片はレール片に係合し、受レール片は、傾斜した角度でレール片内を摺動するため、最も摩擦抵抗が少ない角度にすることでスムーズに摺動ができ、使い勝手が良い。また、所定の位置で受レール片を回動してレール片内に固定するため、受レール片とレール片が最も密着する位置で確実に係合固定ができ、作業性が良い。
請求項9に記載の発明は上記の通りであり、レール片は、垂下する突出部を備え、受レール片には、突出部に支持される垂下部を備えているため、突出部によりスライド手段が外方に開きすぎることを防止でき、強風およびハンドル引っ掛け時の外方向への荷重によるスライド手段の破損を防ぐ。
請求項10に記載の発明は上記の通りであり、レール片の端部には、脱落防止手段を設けているため、支持片が支持棒受部から抜け落ち難く、支持片の外れによる自転車の転倒、落下等を防ぐ。
本発明の実施形態について、図を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る自転車用携帯駐輪装置10は、例えば、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車50を駐輪するためのものであり、携帯可能に折り畳めるようになっている。この自転車用携帯駐輪装置10は、図1および図2に示すように、支持棒11と、左右の脚部20と、左右の金具23と、引っ掛け手段30A、40と、を備えて構成される。
支持棒11は、図5に示すように、自転車50のサドル51を直接引っ掛ける手段40または、図6に示すように、自転車50のハンドル52を間接に引っ掛ける手段30Aを支持可能な棒状の部材である。本実施形態に係る支持棒11は、図2、図4に示すように、左右の外棒12(左外棒12A、右外棒12B)と中央の内棒13の3本を長手方向に伸縮可能に組み合わせて構成されている。具体的には、左右の外棒12A、12Bの内部に内棒13が挿入されており、収縮時には図2、図3に示すように、左右の外棒12A、12Bが付き合わせた状態となっている。このとき、左右の外棒12A、12Bの内部に内棒13が収容されており、内棒13は外部に露出しない。この状態から操作ボタン(符号なし)を押しながら左右の外棒12A、12Bのいずれか、またはどちらも離れる方向に引っ張ると、図4に示すように、左右の外棒12A、12Bの間に内棒13が露出した状態となり、支持棒11が伸長するようになっている。逆に、支持棒11を収縮するときは、操作ボタン(符号なし)を押しながら左右の外棒12A、12Bのいずれか、またはどちらも縮める方向に押すと、図2、図3に示すように、左右の外棒12A、12Bが突き合わせた状態となり、支持棒11が収縮するようになっている。これにより、引っ掛ける自転車50の台数によって、長さを調整することができる。なお、支持棒11は1本で構成しても良い。これにより、自転車50を少数台引っ掛けて使用する(収縮を必要としない)場合は、部品および加工数が減るため、コストが抑えられる。
脚部20は、支持棒11の左右に配置されており、図2に示すように、使用時に支持棒11を水平に支持するためのものである。左右の脚部20は、図1に示すように、それぞれの脚部20が支持棒11の上方に水平な状態まで折り畳み可能に接続されている。具体的には、金具23によって支持棒11に対して回動可能に接続されており、金具23が回転することで脚部20も一体的に支持棒11に対して回動し、支持棒11の上方に水平な状態に折り畳めるように構成されている。なお、折り畳み状態から使用状態へと変形する時も、上述の手順を実行すれば良い。
この脚部20は、図2に示すように、略V字形に開くことができる一対の棒状部材21と、一対の棒状部材21の間に架設可能な開き防止機構22と、を備える。具体的には、使用時に開き防止機構22によって、一対の棒状部材21を所定の角度で開いた状態に維持し、支持棒11を水平に支持するように構成されている。なお、上記に示すように、脚部20を支持棒11の上方に水平な状態に折り畳む際は、金具23によって回転する前に、一対の棒状部材21を略V字形から略I字形になるように閉じてから折り畳むことで、図1に示すような折り畳み状態へ変形する。
引っ掛け手段40は、図5に示すように、支持棒11の上面に自転車50のサドル51を直接引っ掛ける手段である。この手段により、サドル51を引っ掛けるだけで駐輪ができ、使い勝手が良い。また、図5、図7(a)、図7(b)に示すように、支持棒11の上面が円弧状に形成されているため、サドル51にフィットして安定的に自転車50を保持できようになっている。また、支持棒11の一方または他方の二方向から駐輪ができ、様々な環境に対応できる。さらに、図4に示すように、後述の引っ掛け手段30A、30B、30Cと混在して駐輪することができ、利便性が高い。
引っ掛け手段30Aは、図6に示すように、自転車50のハンドル52を引っ掛ける手段である。本実施形態に係る引っ掛け手段30Aは、図2、図3に示すように、支持棒11に着脱自在に取付ける長尺な支持棒受部31と、支持棒受部31の両端部の下方に連なるハンドル52を掛ける対の支持片32とからなり、この引っ掛け手段30Aを介して支持棒11にハンドル52が引っ掛けられるように構成されている。
支持棒受部31は、図3、図7(a)、図7(b)に示すように、長尺で上面が円弧状からなり、下方が開口した開口部33を設けており、支持棒11を開口部33内で着脱自在に支持するものである。なお、支持棒11の上面と同じ形状のため、引っ掛けるだけでフィットして安定的に支持ができ、利便性が高い。また、後述の対の支持片32が長尺の支持棒受部31に連なっているため、左右のハンドル52を支持する際に対の支持片32への荷重が均等に分散され、安定した駐輪が行え、使い勝手が良い。また、後述の回動を妨げず、スムーズな動きが行える。なお、支持棒11の断面が丸型や角型等であっても、支持棒受部31が引っ掛けられれば良いので、様々な支持棒11に対応できる。
支持片32は、図3、図7(a)、図7(b)に示すように、長尺な支持棒受部31の長手方向両端部に連なり、左右のハンドル52を引っ掛けるものである。具体的には、外方に傾斜する傾斜辺32a、32bを備えた樋形状からなり、一方の端部を支持棒受部31に連ね、他方の端部には、支持棒受部31の開口部33と連続した一体の開口部が備えられ、その開口部33内に左右のハンドル52が引っ掛けられるように構成されている。なお、図7(a)に示すように、一体型の広い開口部33を備えているため、ハンドル52が挿入し易い。また、図7(b)に示すように、外方に傾斜する傾斜辺32a、32bを備えた樋形状により、挿入したハンドル52が抜け難い。さらに、ハンドル52を支持片32から取り外す際にも開口部33側の傾斜辺32bが外方に傾斜しているため、取り外しがし易く、後述の回動を妨げず、スムーズな動きが行える。言い換えると、ハンドル52の受け入れとハンドル52の受け入れ後の抜け防止および取り外しのし易さを兼ね備え、使い勝手が良いように構成されている。なお、図3に示すように、対の支持片32間には空間Sが設けられている。これにより、自転車50の種類や形状によってはハンドル52の周辺に配置されているシフトブレーキ、補助ブレーキ等、精密な部品が突出しているが、空間S内にこれらが収められるため、駐輪の妨げになり難く、使い勝手が良い。また、対の支持片32が長尺の支持棒受部31に連なっているため、左右のハンドル52を支持する際に対の支持片32への荷重が均等に分散され、安定した駐輪が行え、使い勝手が良い。
上記した引っ掛け手段30Aは、図7(a)、図7(b)に示すように、回動をすることでハンドル52を容易に駐輪することができる。具体的には、図7(a)に示すように、ハンドル52を掛ける前は支持棒11に対して外方に傾く位置で支持棒11に支持されることにより開口部33周辺に広い空間ができ、ハンドル52が挿入し易いように構成されている。その開口部33側からハンドル52を挿入し、図7(b)に示すように、外方に傾斜する傾斜辺32a、32bを備えた樋形状でハンドル52を支持すると、引っ掛け手段30Aが支持棒11の外方から下方へ反時計回りに回動する。これにより、図6に示すように、支持棒11の下方にある支持片32に引っ掛けた左右のハンドル52および地面Aに接地している後輪53による三点支持が施されるため、自転車用携帯駐輪装置10が最も安定した位置での駐輪が行える。言い換えると、自転車用携帯駐輪装置10の重心である支持棒11の真下において、上述の三点支持により駐輪することで最もバランスの良い位置での駐輪が施せるため、自転車50が揺れ難く、強風等による転倒、破損を防ぐように構成されている。なお、自転車50の種類によってはハンドル52の周辺に配置されているシフトブレーキ、補助ブレーキ等、精密な
部品が突出しているが、広い空間により、突出部が駐輪の妨げになり難く、使い勝手が良い。なお、図7(a)、図7(b)に示す引っ掛け手段30Aは、上述のハンドル52を挿入する方法に限らず、支持片32の下方を潜って開口部33に挿入しても良い。これにより、同じ方向を向いた引っ掛け手段30Aで支持棒11の一方または他方の二方向からの混在した駐輪が可能になる。
また、引っ掛け手段30Aは、支持棒11に対してリバーシブルに支持されても良く、図7(a)、図7(b)に示すように、ハンドル52を挿入する開口部33が右側に開口した配置を、図8(a)、図8(b)に示すように、開口部33が左側に開口したリバーシブルに配置ができる。これにより、自転車競技会場や商業施設等、様々な環境でも対応でき、使い勝手が良い。言い換えると、引っ掛け手段30Aの面を変更(リバーシブル)するだけで支持棒11の一方または他方の二方向からの混在した様々な駐輪が可能になる。なお、上述した実施形態は上記と同じ部材には、同一の符号を付して重複する説明は省略する。また、引っ掛け手段30Aの形状は上記した実施形態のものに限らず、種々のものが考えられる。
例えば、図9(a)、図9(b)に示すように、上下に連続する一体型の開口部33を支持棒受部31と支持片32間に境界線の傾斜辺32cを形成し、支持棒受部31と支持片32に対向した開口部31a、32dからなる引っ掛け手段30Bでも良い。これにより、境界線の傾斜辺32cが支持棒11およびハンドル52を挿入する際のガイドとなり、さらに使い勝手が良く構成されている。なお、図9(a)、図9(b)は、図7(a)、図7(b)の実施形態と同様にハンドル52を挿入する開口部32dが右側に開口した配置からなり、この配置を図10(a)、図10(b)に示すように、開口部32dが左側に開口したリバーシブルに配置でき、上記実施形態と同様の効果を奏する。また、上述した実施形態は上記と同じ部材には、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
また、図11(a)、図11(b)に示すように、引っ掛け手段30Aの支持棒受部31と支持片32を分割した引っ掛け手段30Cでも良い。本実施形態に係る引っ掛け手段30Cは、長尺で上面が円弧状からなる支持棒受部31’と、その下方に短尺で断面がL字状からなる対の支持片32’がスライド手段35を介して係合され、ハンドル52が引っ掛けられるように構成されている。なお、支持棒受部31’と支持片32’を分割にすることで、支持片32’のみを製作し、様々な駐輪方法を選択できるようにしても良い。具体的には、引っ掛け手段30Cに引っ掛けられれば良いため、自転車50のフレーム(図示なし)や車輪(図示なし)を引っ掛けられるように支持片32’のみを製作し、支持棒受部31’に係合しても良い。
スライド手段35は、図11(a)、図11(b)に示すように、支持片32’を支持棒受部31’内で摺動自在に係合するものである。本実施形態に係るスライド手段35は、図13(a)、図13(b)に示すように、支持棒受部31’の下方に備えたレール片36と、支持片32’の上方に備えた受レール片37とからなり、レール片36の両端部から受レール片37を挿入して摺動し、所定の位置で固定することによりハンドル52の支持ができる。
レール片36は、図13(a)、図13(b)に示すように、支持片32’を摺動自在に係合固定するものである。具体的には、断面が滴状で上方が開口したレール部36aと、レール部36aの一方の端部の垂下部36bと、レール部36aの他方の端部の当接部36cと、レール部36aの下方に突出した突出部36dとからなる。この垂下部36bとレール部36aおよび当接部36cで囲まれたスライド手段35内に、支持棒受部31’の長手方向両端部から支持片32’を挿入し、摺動自在に係合する。また、突出部36dは、支持片32’を外方に開きすぎるのを防止する。なお、図15(a)、図15(b)に示すように、対の支持片32’が長尺の支持棒受部31’に係合されているため、左右のハンドル52を支持する際に対の支持片32’への荷重が均等に分散され、安定した駐輪が行え、使い勝手が良い。
受レール片37は、図13(a)、図13(b)に示すように、支持棒受部31’へ摺動自在に係合固定されるものである。具体的には、断面が釣り針状で左方が開口し、レール部36a内に挿入され、円状に膨らむ受レール部37aと、垂下部36bと当接部36c間に位置し、受レール部37aに連なる連結部37bと、突出部36dに沿って垂下し、連結部37bから連なる垂下部37cとからなる。この連結部37bの先端に連なる受レール部37aを支持棒受部31’の長手方向両端部から挿入し、摺動自在に係合する。言い換えると、支持棒受部31’の両端部から支持片32’を挿入するだけで、左右のハンドル52が支持でき、使い勝手が良い。また、垂下部37cは、突出部36dに沿っているため、突出部36d側の外方に開きすぎるのを防止し、強風およびハンドル52引っ掛け時の外方向への荷重によるスライド手段35の破損を防ぐ。また、図15(a)、図15(b)に示すように、対の支持片32’が長尺の支持棒受部31’に係合されているため、左右のハンドル52を支持する際に対の支持片32’への荷重が均等に分散され、安定した駐輪が行え、使い勝手が良い。なお、図11(a)、図11(b)は、図7(a)、図7(b)の実施形態と同様にハンドル52を挿入する開口部33が右側に開口した配置からなり、この配置を図12(a)、図12(b)に示すように、開口部33が左側に開口したリバーシブルに配置でき、上記実施形態と同様の効果を奏する。また、図7(a)、図7(b)と同様に、ハンドル52の挿入する方法を変更するだけで、同じ方向を向いた引っ掛け手段30Cであっても支持棒11の一方または他方の二方向からの混在した駐輪が可能になる。なお、上述した実施形態は上記と同じ部材には、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
上記したスライド手段35は、長手方向に摺動(スライド)するために図13(a)に示すように、支持片32’を反時計回りに回転させて、垂下部36bとレール部36aおよび当接部36cで囲まれたスライド手段35と連結部37bの先端に連なる受レール部37aとの間に空隙を設けることで最も摩擦抵抗が少ない角度になり、スムーズに摺動ができ、使い勝手が良い。次に、所定の位置で支持片32’を固定するには、図13(b)に示すように、支持片32’を時計回りに回転させて、垂下部36b、37cをほぼ直線状にし、受レール部37aおよび連結部37bを当接部36cに接触させることで最も密着する位置で確実に係合固定ができ、左右のハンドル52を安定して支持ができる。なお、図13(a)、図13(b)に示すように、レール部36aの底部に凹溝(符号なし)を形成しても良い。これにより、さらに摩擦抵抗が少なくなり、スムーズに摺動ができる。また、スライド手段35は、支持棒受部31’の長手方向両端部のみから支持片32’を挿入できるため、図14に示すように、両端部から受レール片37を挿入後、ネジ等からなる脱落防止手段38でレール片36の両端部を塞ぐことにより、支持片32’が支持棒受部31’から抜け落ち難く、支持片32’の外れによる自転車50の転倒、落下を防ぐ。
また、図15(a)、図15(b)に示すように、対の支持片32’間の空間Sは、自転車50の種類や形状によってはハンドル52の幅が相違しているが、対の支持片32’の摺動が可能なため、左右のハンドル52の幅に対応するように調整をして支持ができ、利便性が高い。すなわち、大人用の自転車(図示なし)には、図15(a)のように空間Sを広く配置し、子ども用の自転車(図示なし)には、図15(b)のように空間Sを狭く配置することで、様々な自転車50に対応ができるように構成されている。
また、図16(a)、図16(b)に示すように、支持棒受部31および支持片32内に緩衝材34を設けても良い。具体的には、支持棒受部31が支持棒11と接触する面と、支持片32がハンドル52と接触する面に緩衝材34を貼設する。これにより、支持棒受部31と接触する支持棒11および支持片32と接触するハンドル52への接触による傷を防ぐことができる。さらに、緩衝材34により、支持片32とハンドル52との密着率が向上するため、自転車50が揺れ難く、強風等による転倒、破損等を防ぐ。なお、図16(a)の実施形態は、引っ掛け手段30Aに緩衝材34が設けられ、図16(b)の実施形態は、引っ掛け手段30Bに緩衝材34が設けられた構成を示しているが、引っ掛け手段30Cにも上述の実施形態と同様に緩衝材34が取付けられ、上記実施形態と同様の効果を奏する。また、緩衝材34は、支持棒受部31および支持片32の断面のみを覆う小口カバー(図示なし)に緩衝材34と同様の効果を奏しても良い。すなわち、断面のみを覆うことで支持棒受部31が支持棒11と接触する面および支持片32がハンドル52と接触する面に小口カバーが接触するため、この小口カバーが緩衝材を兼ね備え、利便性が高い。
上記した自転車用携帯駐輪装置10を折り畳み状態から使用状態へと変形するときは、左右の金具23および脚部20を支持棒11に対して約270度回転させ(図示なし)、一対の棒状部材21を開き、開き防止機構22を所定の状態にすることで自転車50を駐輪することができる。なお、自転車50の台数により支持棒11を伸ばすことで複数の自転車50を駐輪することができ、かつ、支持棒11の一方および他方側のどちらからも駐輪することができる。また、図4に示すように、自転車50の種類や形状によっては、自転車50のサドル51を直接掛ける手段(外棒12B上の引っ掛け手段40)や自転車50のハンドル52を間接に掛ける手段(外棒12Aおよび内棒13上の引っ掛け手段30A、30B、30C)を選択し、混在して駐輪することができる。以上で設置が完了する。
なお、自転車用携帯駐輪装置10を折り畳む際には、上記の手順を逆から実行すればよい。すなわち、間接に掛ける手段(引っ掛け手段30A、30B、30C)を取外し、支持棒11を収縮させ、一対の棒状部材21を閉じて、左右の金具23および脚部20を支持棒11に対して折り畳み方向に約270度回転させれば良い(図示なし)。
以上説明したように、本実施形態によれば、自転車50を支持する支持棒11と、支持棒11の左右に配置された折り畳み可能な脚部20と、支持棒11に自転車50を駐輪するための引っ掛け手段30A、30B、30C、40と、を備えているため、ロードバイク等の自立式スタンドを持たない自転車50を駐輪することができ、かつ、折り畳めることで持ち運びが容易であり、使い勝手が良い。また、支持棒11は、直接または間接に自転車50を掛けられるため、自転車50の種類を問わず、いずれかの方法で引っ掛けることが可能であり、利便性が高い。
また、引っ掛け手段30A、30B、30C、40は、自転車50のサドル51を支持棒11に直接掛ける手段または自転車50のハンドル52等を支持棒11に間接に掛ける手段であるため、自転車50の種類や形状に対して駐輪方法を選択できるので、自転車競技会場や商業施設等、様々な環境に対応でき、利便性が高い。また、ハンドル52を引っ掛ける手段30A、30B、30Cは、左右のハンドル52および地面Aに接地する後輪53による三点支持ができ、より安定した支持が可能になるので、自転車50が揺れ難く、強風等による転倒、破損を防ぐ。
また、引っ掛け手段30A、30B、30C、40は、単数または複数の自転車50を支持棒11の一方または他方から引っ掛ける手段であるため、自転車50の種類や形状を問わず二方向からの駐輪および駐輪方法が選択できるので、自転車競技会場や商業施設等、様々な環境
にも対応でき、利便性が高い。
また、引っ掛け手段30A、30B、30Cは、支持棒11に対してリバーシブルに着脱可能に支持されて引っ掛ける手段であるため、引っ掛け面を変更(リバーシブル)するだけで様々な環境にも対応でき、使い勝手が良い。また、ハンドル52等を一方または他方の二方向から引っ掛ける手段であるため、狭い空間しかない環境でもハンドル52の挿入方法を変更するだけで支持棒11の一方または他方の二方向からの混在した駐輪が容易にでき、使い勝手が良い。
また、引っ掛け手段30A、30B、30Cは、支持棒11に着脱自在に支持される支持棒受部31、31’および左右のハンドル52等を掛ける対の支持片32、32’とからなるため、着脱するだけで駐輪方法を選択でき、使い勝手が良い。また、対の支持片32、32’間に空間Sが設けられているため、ハンドル52周辺に突出部がある自転車50においても空間S内に突出部が収められるので、駐輪の妨げになり難く、使い勝手が良い。
また、支持棒受部31、31’は、緩衝材34を取付けているため、支持棒受部31、31’と接触する支持棒11への傷を防ぐ。また、支持片32、32’にも緩衝材34を取付けているため、支持片32、32’と接触するハンドル52等も接触による傷を防ぐことができる。また、緩衝材34により、支持片32、32’とハンドル52等との密着率が向上するため、自転車50が揺れ難く、強風等による転倒、破損を防ぐ。
また、支持片32、32’は、一部が開口し、傾斜辺32a、32b、32cを1以上設けているため、自転車50の種類や形状を問わず、傾斜辺32a、32b、32cがガイドになり、開口部32d、33からのハンドル52等の受け入れと、ハンドル52等の受け入れ後の抜け防止およびハンドル52等の取り外しのし易さを兼ね備え、使い勝手が良い。
また、支持棒11および支持棒受部31、31’は、上面が円弧状に形成されているため、上面を同じ形状にすることで支持棒11と接触する支持棒受部31、31’との安定した支持および回動がスムーズであり、使い勝手が良い。また、上面を円弧状にすることにより、直接掛けるサドル51にフィットして安定的に自転車50を保持でき、使い勝手が良い。
また、支持片32、32’は、支持棒11に対して外方に位置しているため、支持棒11の下方と支持片32、32’の開口部32d、33周辺に広い空間ができるので、ハンドル52等を支持片32、32’の開口部32d、33へ容易に挿入することができ、使い勝手が良い。また、支持片32、32’にハンドル52等を掛けると支持棒11の下方に支持片32、32’が回動するため、自転車用携帯駐輪装置10が最も安定した位置での三点支持が可能であり、自転車50が揺れ難く、強風等による転倒、破損を防ぐ。
また、分割した支持棒受部31’および対の支持片32’は、支持棒受部31’と対の支持片32’とがスライド手段35を介して係合されているため、自転車50の種類や形状によって異なるハンドル52の幅に対し、対の支持片32’の間隔をスライド手段35で調整をして支持ができ、利便性が高い。また、支持片32’のみを複数製作するだけでハンドル52以外を使用した駐輪ができるため、部品数が減りコストが抑えられる。
また、スライド手段35は、支持棒受部31’のレール片36および支持片32’の受レール片37とからなり、受レール片37はレール片36に係合し、受レール片37は、傾斜した角度でレール片36内を摺動するため、最も摩擦抵抗が少ない角度にすることでスムーズに摺動でき、使い勝手が良い。また、所定の位置で受レール片37を回動してレール片36内に固定するため、受レール片37とレール片36が最も密着する位置で確実に係合固定ができ、作業性が良い。
また、レール片36は、垂下する突出部36dを備え、受レール片37には、突出部36dに支持される垂下部37cを備えているため、突出部36dによりスライド手段35が外方に開きすぎることを防止でき、強風およびハンドル52引っ掛け時の外方向への荷重によるスライド手段35の破損を防ぐ。
また、レール片36の端部には、脱落防止手段38を設けているため、支持片32’が支持棒受部31’から抜け落ち難く、支持片32’の外れによる自転車50の転倒、落下等を防ぐ。