JP6931879B2 - 酸化型コエンザイムq10の発酵生産方法、及びそれにより製造された酸化型高含有コエンザイムq10 - Google Patents

酸化型コエンザイムq10の発酵生産方法、及びそれにより製造された酸化型高含有コエンザイムq10 Download PDF

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Description

本願発明は、微生物の発酵分野に関し、具体的には、酸化還元電位ORP(Oxidation−Reduction Potential)の調整・制御によって、生産菌(例えば、ロドバクター・スフェロイデス、Rhodobacter sphaeroides)から、高含有率(例えば、70%以上、80%以上、又は90%以上)の酸化型コエンザイムQ10を生産する発酵法に関する。
コエンザイムQ10(CoQ10)は、ユビキノン、ユビデカレノンとも呼ばれ、その化学名が2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−デカプレニルである。コエンザイムQ10は、そのキノン環の酸化還元特性及びその側鎖の物理化学的性質に由来する生物活性を有し、細胞が自ら生み出した天然の酸化防止剤及び細胞代謝活性化剤であり、酸化の防止性、ラジカルの消去、生体の免疫力の向上、老化の防止等の機能を有するものである。臨床的応用において、心臓病、ガン、糖尿病、急性・慢性肝炎、パーキンソン病等の様々な疾患の治療に広く使用されており、食品、化粧品及び老化防止健康製品の面においても多用されている。
現在、微生物発酵法は、コエンザイムQ10の主な生産方法である。微生物発酵法によるコエンザイムQ10の生産は、製品の品質及び安全性において、大きな競争優位性を持っており、大規模な工業生産に適している。
微生物でコエンザイムQ10を生産する場合、その発酵段階は、一般的に次の2つの段階に分けられる。1)菌の成長段階(微生物の増殖段階とも呼ばれる)。この段階では、通常、微生物を急速に増殖させて生産が必要とする菌濃度となるように、急速に増殖するのに十分な酸素の供給及び栄養を維持する必要がある。それとともに、代謝物であるコエンザイムQ10の合成が迅速に開始する。2)コエンザイムQ10の合成・蓄積段階(合成段階と呼ばれることもある)。この段階では、発酵菌が酸素を急速に消費し、発酵液中の溶存酸素は通常、比較的に低い値となり、発酵微生物が酸素制限状態にある。このとき代謝物であるコエンザイムQ10は急速に合成され蓄積される。合成・蓄積段階は、発酵液中のコエンザイムQ10の力価変化に従って画分すると、通常、初期(コエンザイムQ10の力価が速く増加する曲線となる)、中期(コエンザイムQ10の力価の増加が緩やかになるが、明らかな増加傾向を保っている)及び後期(コエンザイムQ10の力価の増加曲線がほぼ平らになり、発酵時間につれて少しだけ増加する)に分けられる。一般に、コエンザイムQ10の合成・蓄積段階の初期、中期及び後期の間の時間間隔は約10〜20時間である。
CN102876743Bに開示されているように、発酵過程を調整するために段階的酸素供給の制御策が採用され、発酵過程の菌成長段階及び合成・蓄積段階の初期において、酸素を多く供給することが採用され、菌の急速な成長及びコエンザイムQ10の合成の迅速開始を促進する。菌成長が安定期に入った(菌が明らかに増加しなくなる)後、酸素の供給を段階的に低減してコエンザイムQ10の比生産速度を高く維持し、基質であるグルコースの消費を減少させる。このような段階的な酸素供給パターンへの変更は、生産菌の最適な生理特性の状態をもたらし、コエンザイムQ10の生産コストを削減する。
微生物発酵によるコエンザイムQ10の生産過程において、当業者は、コエンザイムQ10の高生産率という目的を達成するために、通常、発酵液の菌種、溶存酸素、温度、圧力、培地、栄養素の追加速度等の影響要因を調節する。例えば、特許文献CN105420417Aには、酸素消費速度(溶存酸素)および電気伝導率(栄養素の追加速度)を調節することで、相乗的にコエンザイムQ10の発酵過程を制御することを提案した。特許文献CN104561154Aには、発酵過程における菌の形状を判断の根拠として、プロセスパラメータを調整することが開示された。特許文献CN103509729Bでは、ロドバクター・スフェロイデスを改良することによって、微生物のコエンザイムQ10を合成する能力を向上させた。これらのプロセスの共通の特徴は、生産されたコエンザイムQ10が、いずれも酸化型コエンザイムQ10と還元型コエンザイムQ10との混合物であり、かつ還元型コエンザイムQ10の割合が比較的高いことである。特に、特許文献US7910340B2に記載されているプロセスでは、発酵終了後、微生物によって生産されたコエンザイムQ10のうち、還元型コエンザイムQ10の含有率は70%以上であった。
酸化型コエンザイムQ10と還元型コエンザイムQ10とは細胞内で相互変換することができるので、種類を問わず、いずれのコエンザイムQ10も電子伝達体として関連の生理機能を発揮することができる。一方、酸化型コエンザイムQ10は比較的安定であり、保存が容易であるため、近年、酸化型コエンザイムQ10に対する市場のニーズはますます増加している。
上記特許文献CN105420417A、CN104561154A、CN103509729Bのいずれにおいても、微生物によって生産されたコエンザイムQ10を専門的に処理することで、還元型コエンザイムQ10を酸化型コエンザイムQ10に変換する報告がない。特許文献US7910340B2には、後処理工程において、酸化することで、還元型コエンザイムQ10の大部分を酸化型コエンザイムQ10に変換できることが提案されているが、その後処理工程は複雑であり、コストが高い。また、従来技術には、微生物発酵法を用いて酸化型高含有コエンザイムQ10を直接生産する方法に関する報告もない。
本発明の目的は、従来の微生物発酵法により生産された酸化型コエンザイムQ10の比率が低く、後処理工程が複雑であるなどの問題を解決し、発酵液のORPを制御することによって、生産菌(例えば、ロドバクター・スフェロイデスRhodobacter sphaeroides)から酸化型高含有コエンザイムQ10を生産する発酵生産方法を提供することにある。
本願は、以下の酸化型コエンザイムQ10の発酵生産方法に関する。
生産菌の発酵過程において、発酵液の酸化還元電位ORPを−50〜300mVに制御し、好ましくは、発酵液の酸化還元電位ORPを50〜200mVに制御することを特徴とする、酸化型コエンザイムQ10の発酵生産方法。
前記発酵生産方法において、前記発酵液の溶存酸素の量を制御する方式と、前記発酵液のpHを制御する方式の少なくとも一方によって発酵液の酸化還元電位ORPを制御し、好ましくは、前記発酵液の溶存酸素の量を制御する方式と前記発酵液のpHを制御する方式とを組み合わせる。
前記発酵生産方法において、発酵タンクの単位体積あたりの撹拌動力を制御する方式と、発酵液の単位体積あたりの空気導入量を制御する方式と、発酵タンクの内圧を制御する方式の少なくとも一方によって前記発酵液中の溶存酸素の量を制御し、好ましくは、上記方式の2種以上を組み合わせて前記発酵液中の溶存酸素の量を制御する。
前記発酵生産方法において、前記発酵タンクの単位体積あたりの撹拌動力が0.25〜0.50kw/mであり、前記発酵液の単位体積あたりの空気導入量が1.0〜15.0vvmであり、及び/又は前記発酵タンクの内圧が0.05〜0.3MPaであり、好ましくは、前記発酵タンクの単位体積あたりの撹拌動力が0.30〜0.40kw/mであり、前記発酵液の単位体積あたりの空気導入量が5.0〜8.0vvmであり、及び/又は前記発酵タンクの内圧が0.08〜0.15MPaである。
前記発酵生産方法において、前記発酵液のpHを3.5〜6.0に制御することによって前記発酵液のpHを制御し、好ましくは、前記発酵液のpHを4.0〜5.0に制御することによって前記発酵液のpHを制御し、より好ましくは、酸又はアルカリを添加することによって前記発酵液のpHを制御し、さらに好ましくは、前記酸又は前記アルカリを段階的又は連続的に添加することによって前記発酵液のpHを制御する。
前記発酵生産方法において、前記酸が有機酸又は無機酸であり、及び/又は前記アルカリが有機アルカリ又は無機アルカリであり、好ましくは、前記酸がリン酸、塩酸、硫酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸、及びシュウ酸のうちの1種又は2種以上であり、及び/又は好ましくは、前記アルカリがアンモニア水、水酸化ナトリウム、および液体アンモニアのうちの1種又は2種以上であり、より好ましくは、前記酸がリン酸、乳酸、又はクエン酸であり、及び/又は前記アルカリがアンモニア水、又は液体アンモニアである。
前記発酵生産方法において、発酵過程中におけるコエンザイムQ10の合成・蓄積段階において発酵液のORPを制御し、好ましくは、発酵過程中におけるコエンザイムQ10の合成・蓄積段階の中後期において発酵液のORPを制御し、より好ましくは、発酵過程中におけるコエンザイムQ10の合成・蓄積段階の後期において発酵液のORPを制御する。
前記発酵生産方法において、前記発酵過程において、前記発酵液の電気伝導率を5.0〜30.0ms/cmに制御し、好ましくは、菌の成長段階において、酸素消費速度を30〜150mmol/(L・h)に制御し、かつ前記発酵液の電気伝導率を5.0〜30.0ms/cmに制御し、より好ましくは、コエンザイムQ10の合成・蓄積段階において、酸素消費速度を60〜120mmol/(L・h)に制御し、かつ前記発酵液の電気伝導率を8.0〜15.0ms/cmに制御する。
前記発酵生産方法において、前記生産菌がロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)であり、好ましくは、前記ロドバクター・スフェロイデスが自然界から選択された菌株、物理又は化学的変異誘発法により育種された菌株、又は遺伝子工学法により改良された菌株であり、より好ましくは、前記ロドバクター・スフェロイデスが受託番号CGMCC No.5997のロドバクター・スフェロイデス菌株、受託番号CGMCC No.5998のロドバクター・スフェロイデス菌株、又は受託番号CGMCC No.5999のロドバクター・スフェロイデス菌株である。
前記発酵生産方法において、前記コエンザイムQ10が酸化型高含有コエンザイムQ10であり、かつ、好ましくは、前記酸化型高含有コエンザイムQ10中の酸化型コエンザイムQ10の含有率が96%以上であり、より好ましくは97%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
本願はさらに上記方法により製造されたコエンザイムQ10に関する。前記コエンザイムQ10は酸化型高含有コエンザイムQ10であり、かつ、好ましくは、前記酸化型高含有コエンザイムQ10における酸化型コエンザイムQ10の含有率が96%以上であり、より好ましくは97%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
前記方法により製造されたコエンザイムQ10において、前記コエンザイムQ10は食品、機能性栄養食品、特別健康食品、栄養補給剤、栄養品、動物用医薬品、飲料、飼料、化粧品、医薬品、薬剤、予防薬の製造に用いられる。
本願は、少なくとも以下の効果を奏する酸化型高含有コエンザイムQ10の発酵生産方法を提供する。
発酵液の酸化還元電位ORPを制御することによって、微生物によって生産されるコエンザイムQ10は、酸化型コエンザイムQ10の含有率が96%以上に達することができ、生成物の構成が比較的簡単で、後処理が容易となる。酸化型コエンザイムQ10は還元型コエンザイムQ10よりも安定であり、酸化型高含有コエンザイムQ10は、従来の発酵生産により得られたコエンザイムQ10に比べて、生体内で分解される量が低い。さらに、本願の発酵法は力価が高い。
図1は、ロドバクター・スフェロイデス体内の電子伝達の過程を示す図である。
本願は、発酵過程における発酵液の酸化還元電位ORPを制御することによって、酸化型高含有コエンザイムQ10を生産するという酸化型高含有コエンザイムQ10の発酵生産方法を提供する。ORPが−50〜300mVに制御され、好ましくは発酵液のORPが50〜200mVに制御される。
本発明の方法に適する菌株は、特に限定されず、コエンザイムQ10を生産する既存の生産菌を使用してもよく、常法または遺伝子工学法により改良されたエンジニアリング菌を使用してもよい。
好ましくは、コエンザイムQ10の発酵生産に用いる前記菌株は、ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)である。ロドバクター・スフェロイデスは、紅色細菌(Rhodobacter)属の球菌(sphaeroides)種に属する光合成細菌である。
より好ましくは、前記ロドバクター・スフェロイデスは、自然界から選択された菌株、物理又は化学的変異誘発法により育種された菌株、又は遺伝子工学法により改良された菌株である。さらに好ましくは、コエンザイムQ10の発酵生産に用いる菌株は、受託番号CGMCC No.5997のロドバクター・スフェロイデス菌株、又は受託番号CGMCC No.5998のロドバクター・スフェロイデス菌株、又は受託番号CGMCC No.5999のロドバクター・スフェロイデス菌株である。
従来技術では、コエンザイムQ10の合成・蓄積段階で、コエンザイムQ10の歩留まりを高く維持するために、発酵液のORPは−150〜−300mVに制御されることが一般的である。細菌自体の生理作用により、発生されたコエンザイムQ10は酸化型と還元型との混合物として存在し、その中で、還元型は70%程度を占める。本願は、発酵液のORPを制御することにより、発酵微生物によって酸化型コエンザイムQ10を生産する方法を提供する。本願において、ORPを−50〜300mVに制御し、発酵菌によって発生された酸化型コエンザイムQ10の割合は96%以上に達した。前記方法のメカニズムは図1に示されている。ロドバクター・スフェロイデス内に電子伝達を行うNAD⇔NADHサイクルが存在し、ロドバクター・スフェロイデスの代謝にエネルギーを提供する。還元状態のNADHが提供する還元力は、細胞体内の酸化型コエンザイムQ10が還元型コエンザイムQ10に変換する必須条件の1つである。発酵液の環境は細胞内のNAD⇔NADHサイクルに極めて大きな影響を与え、その中で、発酵液の酸化還元電位ORPが重要な指標である。一般的には、発酵液のORP値が−150〜−300mvであり、即ち、発酵液が還元条件下にある場合、ロドバクター・スフェロイデスが生産するコエンザイムQ10はほとんど還元型コエンザイムQ10である。発酵液のORPを高めることによって、発酵液環境の酸化性が強くなり、これによりNADがNADHへの変換が阻害される。ロドバクター・スフェロイデスが生産するコエンザイムQ10はNADHによる十分な還元力が欠如している条件下において、酸化型コエンザイムQ10から還元型コエンザイムQ10への変換も極めて大きく影響され、その結果、酸化型コエンザイムQ10が細胞内で大量に生成する。
上述した酸化型高含有コエンザイムQ10の発酵生産方法は、微生物発酵の全過程に適している。好ましくは、上記方法はコエンザイムQ10の合成・蓄積の段階で使用する。さらに、発酵過程におけるコエンザイムQ10の合成・蓄積段階の中期と後期において発酵液のORPを制御する。さらに好ましくは、発酵過程におけるコエンザイムQ10の合成・蓄積段階の後期において発酵液のORPを制御する。
上記方法において、発酵液のORP値の制御は、発酵過程における発酵液の溶存酸素またはpHを制御することによって、あるいは発酵液の溶存酸素およびpHをともに制御することによって行われる。好ましくは、発酵液のORP値の制御は、発酵液の溶存酸素およびpHをともに制御することによって行われる。
発酵過程における溶存酸素濃度の変化は、酸素供給速度と酸素消費速度との動的バランスである。本願において、発酵タンクの単位体積当たりの撹拌動力の制御、発酵液の単位体積当たりの空気導入量の制御、または発酵タンクの内圧の制御、あるいはこれら3つをランダムに組み合わせる方式により、発酵液中の酸素供給を増加させ、これにより発酵液中の溶存酸素(溶解酸素)を高め、発酵液のORP値を−50〜300mvとなるようにする。その中で、好ましくは、発酵タンクの単位体積あたりの撹拌動力を0.25〜0.50kw/mに制御し、発酵液の単位体積あたりの空気導入量を1.0〜15.0vvmに制御し(ここで、vvmとは、空気体積(air volume)/発酵液体積(culture volume)/min(分)であり、即ち、1分あたりの空気導入量と発酵タンク内の実際の発酵液体積との比を指す)、発酵タンクの内圧を0.05〜0.3MPaに制御する。より好ましくは、発酵タンクの単位体積あたりの撹拌動力を0.30〜0.40kw/mに制御し、発酵液の単位体積あたりの空気導入量を5.0〜8.0vvmに制御し、発酵タンクの内圧を0.08〜0.15MPaに制御する。
本願において、また、発酵液のORP値が−50〜300mvになるように発酵液pHを制御することが好ましい。例えば、pHを3.5〜6.0に制御することができ、より好ましくは、pHを4.0〜5.0に制御する。また、酸又はアルカリの添加によりpHの制御を行うことが好ましい。前記酸は、発酵液のpH調整に慣用される通常の酸であってもよく、リン酸、塩酸、硫酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸、シュウ酸のうちの1種又は2種以上であることが好ましい。前記アルカリは、発酵液のpH調整に慣用される通常のアルカリであってもよく、アンモニア水、水酸化ナトリウム、液体アンモニアのうちの1種又は2種以上であることが好ましい。好ましくは、前記酸は、リン酸、乳酸、クエン酸であり、前記アルカリは、アンモニア水、液体アンモニアである。発酵菌への激しい影響を回避するために、酸又はアルカリを分けて添加する又は連続添加することによって発酵液のpHを制御してもよい。
前記方法において、発酵菌への栄養供給を維持するために、発酵液の電気伝導率を5.0〜30.0ms/cmに制御する。その中で、発酵液の電気伝導率の制御は、流加培地によって行われる。本発明に用いる培地は特に限定されず、炭素源、窒素源、リン源及び微量栄養素を含有する様々な通常の培地であってもよい。例えば、前記流加培地の配合は、流加液1Lあたりに酵母粉末8〜12g、硫酸アンモニウム5〜10g、硫酸マグネシウム1〜2g、塩化ナトリウム3〜6g、リン酸二水素カリウム2〜4g、リン酸水素二カリウム2〜4g、塩化カルシウム1〜2g、ビオチン0.013〜0.025gであり、pH値が7.0である。
前記発酵法において、発酵過程における温度は、本願の効果に影響を及ぼさない限り、特に限定されない。生産菌がより多くの酸化型コエンザイムQ10を生産することができる観点から、温度を25〜35℃に制御することが好ましい。
本願において、コエンザイムQ10の発酵生産前の種培養段階では、当業界の通常の培養手段を使用することができる。好ましくは、特許CN105483171Aに記載の培養方法を参照することができる。具体的には、種培養段階では、Fe2+濃度が0.1〜0.5mol/Lの培地を用い、ロドバクター・スフェロイデス菌株は蘇生、および種培養基による拡大培養を経た後、選別して発酵種を得る。本発明の方法に用いる種培地の配合は特に限定されず、炭素源、窒素源、リン源及び微量栄養素を含有する様々な通常の培地であってもよい。例えば、前記種培地は、CN105483171Aに開示されているように、培地1L当たりにはFe2+0.1〜0.5molに加え、酵母粉末1g、塩化アンモニウム1g、塩化ナトリウム1g、クエン酸鉄0.0028g、リン酸二水素カリウム0.6g、リン酸水素二カリウム0.9g、硫酸マグネシウム0.25g、塩化カルシウム0.1gがさらに含まれ、pH値が7.0に調節された。
本願発明において、発酵過程におけるロドバクター・スフェロイデスの菌成長段階において、好ましくはさらにコエンザイムQ10の合成・蓄積段階の初期及び/又は中期において、当業界の通常手段に本願の手段を組み合わせて行うことができる。好ましくは、特許CN105420417Aを参照し、酸素消費速度及び電気伝導率のオンライン制御と本願の手段と併用して実施する。ここで、酸素消費速度は攪拌の回転速度および空気導入量によって調整し、前記電気導電率は流加供給または回分供給によって調整する。具体的には、ロドバクター・スフェロイデス菌の成長段階で、酸素消費速度を30〜150mmol/(L・h)に制御するとともに、電気伝導率を5.0〜30.0ms/cmに維持する。コエンザイムQ10の合成・蓄積段階では、酸素消費速度を60〜120mmol/(L・h)に制御するとともに、電気伝導率を8.0〜15.0ms/cmに維持する。発酵段階で用いる培地は、炭素源、窒素源、リン源及び微量栄養素を含有する当業界の通常培地である。例えば、培地1L当たりにおいて、酵母粉末8g、塩化アンモニウム3g、塩化ナトリウム2.8g、クエン酸鉄0.005g、リン酸二水素カリウム0.6g、リン酸水素二カリウム0.9g、硫酸マグネシウム12.55g、塩化カルシウム0.1gであり、pH値が7.0である。
ロドバクター・スフェロイデスの例
受託番号はCGMCC No.5997、CGMCC No.5998、CGMCC No.5999であり、受託機関は中国微生物菌種受託管理委員会普通微生物センターであり、受託機関のアドレスは北京市朝陽区北辰西路1号院3号中国科学院微生物研究所であり、受託日は2012年4月13日であり、公開特許はCN105420417(A)であり、公開日は2016年03月23日である。
また、上記3つの菌株はCN105483171A(2016年04月13日)にも開示されている。CGMCC No.5998はCN103509729A(2014年01月15日)に開示されている。
以下は、具体的な実施例を用いて本発明をさらに詳述する。しかし、本発明は、下記実施例によって制限されない。
菌種及び発酵前培養
菌種:ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)で、受託番号がCGMCC No.5997、CGMCC No.5998、又はCGMCC No.5999である菌株。
発酵前培養:培養済みの斜面を無菌水で洗浄し、菌濃度が1mlあたりに10〜10個細胞である細菌懸濁液を調製し、マザーフラスコの培地100mlに2ml接種し、32℃、回転速度180rpmで種培養を28〜30時間行った。
種培地(g/L):酵母粉末1g、NHCl 1g、塩化ナトリウム1g、クエン酸鉄2.8mg、KHPO 0.6g、KHPO 0.9g、MgSO 0.25g、CaCl 0.1g、ビオチン0.5μg、pH7.0。
上記種培養により得られたロドバクター・スフェロイデス菌株を発酵タンクに接種する接種量は、当業界での通常量とすればよく、例えば、10〜300mlであり、好ましくは25〜200mlであり、より好ましくは50〜100mlである。必要に応じて接種量を調整することができる。
力価の測定:試料の調製:窒素雰囲気下で、発酵液1mlを取って10mlの遠心分離管に入れて、1mol/lのHClを180μl添加し、均一に混合し、3〜5分間静置した後、92℃の水浴下に放置して30分間加熱した。遠心して上清を除去し、抽出液(酢酸エチル:エタノール=5:3)を8ml加え、抽出を2時間行い、逆相HPLC測定を行った。高速液体クロマトグラフィー条件:C18カラム:150mm×4.6mm、移動相:メタノール:イソプロパノール=75:25(体積基準で)、流量:1.00ml/分、検出波長:275nm、注入量:40μl。保持時間は12分であった。
酸化型コエンザイムQ10の含有量の測定:試料の調製:窒素雰囲気下で、発酵液1mlを取って〜10mlの遠心分離管に入れて、1mol/lのHClを180μl添加し、均一に混合し、3〜5分間静置した後、92℃の水浴下に放置して30分間加熱した。遠心して上清を除去し、抽出液(酢酸エチル:エタノール=5:3)を8ml加え、抽出を2時間行い、逆相HPLC測定を行った。高速液体クロマトグラフィー条件:カラム:YMC−Pack 4.6mm×250mm、移動相:メタノール/n−ヘキサン=85:15(体積基準で)、流量:1mL/分、検出波長:275nm、注入量:40μl。保持時間は、還元型コエンザイムQ10が13.5分であり、酸化型コエンザイムQ10が22.0分であった。
(実施例1)
30℃で、種培養から得られたロドバクター・スフェロイデス菌株CGMCCNo.5998を、発酵培地が添加された5Lの発酵タンクに50ml接種して発酵を開始し、発酵タンクの酸素供給条件として、発酵液単位体積当たりの空気導入量を1.0vvmに制御し、単位体積当たりの攪拌動力を0.25kw/mに制御し、発酵タンクの内圧を0.1MPaに制御しながら、液体アンモニアを流加して発酵液のpH値を7.0程度に制御した。
発酵培地は、培地1Lあたりに酵母粉末8g、塩化アンモニウム3g、塩化ナトリウム2.8g、クエン酸鉄0.005g、リン酸二水素カリウム0.6g、リン酸水素二カリウム0.9g、硫酸マグネシウム12.55g、塩化カルシウム0.1gを含有し、pH値は7.0に調節した。
流加培地によって、発酵過程にわたって導電率を12ms/cm程度に制御した。前記流加培地は、流加液1Lあたりに酵母粉末8g、硫酸アンモニウム5g、硫酸マグネシウム1g、塩化ナトリウム3g、リン酸二水素カリウム2g、リン酸水素二カリウム2g、塩化カルシウム1g、ビオチン0.013gを含有し、pH値は7.0に調節した。
15時間連続発酵後、発酵液のORP値を測定したところ、−35mvであった。発酵液の一部を取り、不活性ガス雰囲気下で抽出及び測定(前述の力価の測定及び含有量の測定を参照)を行ったところ、細胞中の酸化型コエンザイムQ10と還元型コエンザイムQ10との含有率の比は96.5:3.5であった。
本実施例において、高い酸素供給量を常に維持し、かつ高い撹拌動力及びタンク圧を維持することで、発酵液中の溶存酸素は常に高い値に維持され、発酵液のORP値は常に−35mv以上であり、発酵液中の微生物は常に成長増殖の状態にあった。測定結果により、発酵液のORP値が一定値以上に維持されている場合、菌の成長段階で発酵微生物が生産するのは酸化型高含有コエンザイムQ10であることが確認された。
(実施例2)
30℃で、種培養から得られたロドバクター・スフェロイデス菌株CGMCC No.5999を、発酵培地が添加された5Lの発酵タンクに40ml接種して発酵を開始した(発酵タンクの発酵液の単位体積あたりの空気導入量を0.45vvmに制御し、単位体積あたりの撹拌動力を0.1kw/mに制御し、タンク圧を0.02MPaに制御した)。発酵液の電気伝導率は12ms/cmであり、pH値は7.0程度に制御した。
発酵培地は、培地1Lあたりに酵母粉末8g、塩化アンモニウム3g、塩化ナトリウム2.8g、クエン酸鉄0.005g、リン酸二水素カリウム0.6g、リン酸水素二カリウム0.9g、硫酸マグネシウム12.55g、塩化カルシウム0.1gを含有し、pH値は7.0に調節した。
流加培地は、流加液1Lあたりに酵母粉末10g、硫酸アンモニウム8g、硫酸マグネシウム1.5g、塩化ナトリウム5g、リン酸二水素カリウム3g、リン酸水素二カリウム3g、塩化カルシウム1g、ビオチン0.020gを含有し、pH値は7.0に調節した。
発酵液中の溶存酸素が低減しなくなることを検出した後、発酵液のpHが4.0程度になるように一定量のリン酸を1時間かけて徐々に連続添加した後、液体アンモニアを流加してpHを4.0程度に安定し、発酵タンクの発酵液の単位体積あたりの空気導入量、単位体積あたりの撹拌動力、タンク圧をそのまま保ち、発酵液の電気伝導率が12ms/cmであった。pHが安定した後、発酵液のORP値を測定したところ、58〜135mvであった。
10時間後、発酵液の一部を取り、不活性ガス雰囲気下で抽出及び測定を行ったところ、細胞中の酸化型コエンザイムQ10と還元型コエンザイムQ10との含有率の比は97.3:2.7であった。
本実施例において、発酵液中の溶存酸素が低減しなくなった後、発酵過程はコエンザイムQ10の合成・蓄積段階に入った。コエンザイムQ10の合成・蓄積段階の初期において、pH値の調節を行った。最終測定結果によって、pH値の調節によりORP値を制御することで、発酵微生物がコエンザイムQ10の合成・蓄積の初期において酸化型高含有コエンザイムQ10を効率的に生産することを可能にすることは示された。
(実施例3)
30℃で、種培養から得られたロドバクター・スフェロイデス菌株CGMCC No.5997を、発酵培地が添加された10Lの発酵タンクに90ml接種して発酵を開始した(発酵タンクの発酵液の単位体積あたりの空気導入量を0.6vvmに制御し、単位体積あたりの撹拌動力を0.1kw/mに制御し、タンク圧を0.02MPaに制御した)。発酵液の電気伝導率は12ms/cmであり、pH値は7.0程度に制御した。
発酵培地は、培地1Lあたりに酵母粉末8g、塩化アンモニウム3g、塩化ナトリウム2.8g、クエン酸鉄0.005g、リン酸二水素カリウム0.6g、リン酸水素二カリウム0.9g、硫酸マグネシウム12.55g、塩化カルシウム0.1gを含有し、pH値は7.0に調節した。
流加培地は、流加液1Lあたりに酵母粉末12g、硫酸アンモニウム10g、硫酸マグネシウム2g、塩化ナトリウム6g、リン酸二水素カリウム4g、リン酸水素二カリウム4g、塩化カルシウム2g、ビオチン0.025gを含有し、pH値は7.0に調節した。
発酵液中の溶存酸素が低減しなくなることを検出した後、発酵液のpHが5.0程度になるように一定量のリン酸を1時間かけて徐々に連続添加した後、液体アンモニアを流加してpHを5.0程度に安定しながら、発酵タンクの発酵液の単位体積あたりの空気導入量を5.0vvmに制御し、単位体積あたりの撹拌動力を0.3kw/mに制御し、タンク圧を0.08MPaに制御した。pHが安定した後、発酵液のORP値は100〜210mVに維持された。
10時間後、発酵液の一部を取り、不活性ガス雰囲気下で抽出及び測定を行ったところ、細胞中の酸化型コエンザイムQ10と還元型コエンザイムQ10との含有率の比は99.1:0.9であった。
本実施例において、発酵液の酸素供給条件及び発酵液のpH値をともに制御することによって発酵液のORP値を制御した。同様に、本実施例では、発酵過程のコエンザイムQ10合成・蓄積段階で制御が行われ、生産された酸化型コエンザイムQ10の割合が99.1%に達した。
(実施例4)
1)30℃で、種培養から得られたロドバクター・スフェロイデス菌株CGMCC No.5999を、発酵培地が添加された10Lの発酵タンクに120ml接種して発酵を開始した(発酵タンクの発酵液の単位体積あたりの空気導入量を0.4vvmに制御し、単位体積あたりの撹拌動力を0.1kw/mに制御し、タンク圧を0.02MPaに制御した)。酸素消費速度を50mmol/(L・h)に制御し、発酵液の電気伝導率は12ms/cmであり、pH値は7.0程度に制御した。
発酵培地は、培地1Lあたりに酵母粉末8g、塩化アンモニウム3g、塩化ナトリウム2.8g、クエン酸鉄0.005g、リン酸二水素カリウム0.6g、リン酸水素二カリウム0.9g、硫酸マグネシウム12.55g、塩化カルシウム0.1gを含有し、pH値は7.0に調節した。
流加培地は、流加液1Lあたりに酵母粉12g、硫酸アンモニウム10g、硫酸マグネシウム2g、塩化ナトリウム6g、リン酸二水素カリウム4g、リン酸水素二カリウム4g、塩化カルシウム2g、ビオチン0.025gに含有し、pH値は7.0に調節した。
2)15時間後、酸素供給を増加させ(発酵タンクの発酵液の単位体積あたりの空気導入量を0.6vvmに制御し、単位体積あたりの撹拌動力を0.2kw/mに制御し、タンク圧を0.04MPaに制御した)、酸素消費速度が70mmol/(L・h)に上昇した後安定しており、発酵液の電気伝導率は12ms/cmであり、pH値は7.0に制御し、発酵を継続した。このとき、発酵は菌の成長段階にあった。
3)20時間後、酸素供給を再度増加させ(発酵タンクの発酵液の単位体積あたりの空気導入量を0.8vvmに制御し、単位容積あたりの撹拌動力を0.2kw/mに制御し、タンク圧を0.05MPaに制御した)、酸素消費速度が90mmol/(L・h)に上昇した後安定しており、発酵液の電気導電率は12ms/cmであり、pH値は7.0に制御して発酵を継続した。このとき、発酵は菌の成長段階にあった。
4)10時間後、酸素消費速度を70mmol/(L・h)程度に維持し、発酵液の電気伝導率を12ms/cmに制御し、pHを6.0程度に制御し、発酵を継続した。このとき、発酵はコエンザイムQ10の合成・蓄積段階の初期にあった。
5)20時間後、このときの発酵力価は一定になる傾向にあり、発酵はコエンザイムQ10の合成・蓄積段階の後期に入った。発酵タンクの発酵液の単位体積あたりの空気導入量を6.0vvmに制御し、単位体積あたりの撹拌動力を0.2kw/mに制御し、タンク圧を0.1MPaに制御した。リン酸を連続的に添加することによって、約2時間かけてpHを3.5程度に調節し、発酵液の電気伝導率を12ms/cmに制御し、発酵を継続した。安定になった後、発酵液のORP値は100〜200mVに維持された。
6)15時間後、発酵を停止し、発酵液の一部を取り、不活性ガス雰囲気下で抽出及び測定を行ったところ、力価は3182mg/Lであり、酸化型コエンザイムQ10:還元型コエンザイムQ10は99.3:0.7であった。
本実施例において、発酵過程のコエンザイムQ10合成・蓄積段階の後期において発酵液のORP値を制御した。酸化型高含有コエンザイムQ10を効率的に生産したとともに、発酵微生物の力価も大幅に向上した。
本願の酸化型コエンザイムQ10の発酵生産方法では、発酵液の酸化還元電位ORPを制御することによって、微生物によって生産されたコエンザイムQ10中の酸化型コエンザイムQ10の含有率が96%以上になることができ、後処理が容易である。
生産された酸化型高含有コエンザイムQ10は還元型コエンザイムQ10と比較して安定であり、食品、機能性栄養食品、特別健康食品、栄養補給剤、栄養品、動物用医薬品、飲料、飼料、化粧品、医薬品、薬剤、予防薬の製造に用いられることができる。

Claims (13)

  1. 受託番号CGMCC No.5997のロドバクター・スフェロイデス菌株、受託番号CGMCC No.5998のロドバクター・スフェロイデス菌株、及び受託番号CGMCC No.5999のロドバクター・スフェロイデス菌株からなる群より選ばれるメンバーを含む発酵液の酸化還元電位ORPを、発酵タンクの単位体積あたりの撹拌動力を0.25〜0.50kw/mに制御する方式と、発酵タンクにおける発酵液の単位体積あたりの空気導入量を1.0〜15.0vvmに制御する方式と、発酵タンクの内圧を0.05〜0.3MPaに制御する方式との少なくとも1つによって、−50〜300mVに制御すること、及び
    pH値が7.0であり1Lあたり0.013〜0.025gのビオチンを含む流加培地を、前記発酵液に加えることによって、前記発酵液の電気伝導率を5.0〜30.0ms/cmに維持すること、を含む、
    発酵タンクにおける酸化型コエンザイムQ10の発酵生産方法。
  2. 酵液の溶存酸素の量を調節する方式と、酵液のpHを制御する方式の少なくとも一方により、
    発酵液の酸化還元電位ORPを制御する、
    請求項1に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  3. 前記発酵液のpHを3.5〜6.0に制御することによって前記発酵液のpHを制御する、
    請求項2に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  4. 発酵過程におけるコエンザイムQ10の合成・蓄積段階において発酵液のORPを制御する、
    請求項1に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  5. 前記コエンザイムQ10が、酸化型高含有コエンザイムQ10である、
    請求項1に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  6. 生産菌の発酵過程において、発酵液の酸化還元電位ORPを50〜200mVに制御する、
    請求項1に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  7. 前記発酵タンクの単位体積あたりの撹拌動力が0.30〜0.40kw/mであり、前記発酵液の単位体積あたりの空気導入量が5.0〜8.0vvmであり、及び/又は、前記発酵タンクの内圧が0.08〜0.15MPaである、
    請求項1に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  8. 前記発酵液のpHを4.0〜5.0に制御することによって前記発酵液のpHを制御する、
    請求項3に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  9. 酸又はアルカリを段階的又は連続的に添加することによって前記発酵液のpHを制御する、
    請求項3に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  10. 前記酸がリン酸、塩酸、硫酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸、及びシュウ酸のうちの1種又は2種以上であり、及び/又は、前記アルカリがアンモニア水、水酸化ナトリウム、および液体アンモニアのうちの1種又は2種以上である、
    請求項9に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  11. 前記酸がリン酸、乳酸、又はクエン酸であり、及び/又は、前記アルカリがアンモニア水、又は液体アンモニアである、
    請求項10に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  12. 発酵過程におけるコエンザイムQ10の合成・蓄積段階の中期又は後期において発酵液のORPを制御する、
    請求項4に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
  13. 菌の成長段階において、酸素消費速度を30〜150mmol/(L・h)に制御し、かつ前記発酵液の電気伝導率を5.0〜30.0ms/cmに制御する、及び/又は、
    コエンザイムQ10の合成・蓄積段階において、酸素消費速度を60〜120mmol/(L・h)に制御し、かつ前記発酵液の電気伝導率を8.0〜15.0ms/cmに制御する、
    請求項1に記載のコエンザイムQ10の発酵生産方法。
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