JP6930800B2 - ラミブジン及びエムトリシタビンの生産方法 - Google Patents

ラミブジン及びエムトリシタビンの生産方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
[序論]
本発明は、ラミブジン及びエムトリシタビンの生産方法、特に、排他的ではないが、本方法の少なくとも1つのステップが無溶媒であり、該方法が、半連続フロー合成法又は完全連続フロー合成法である、ラミブジン及びエムトリシタビンの生産方法に関する。
[背景]
エムトリシタビン及びラミブジンは、抗ウイルス薬として使用される。エムトリシタビンは、5位にフッ素原子を含む点で、ラミブジンとは異なる。エムトリシタビン及びラミブジンの調製に関する従来技術において、多数の方法及び合成経路が記載されている。
しかし、これらの化合物を生産する既存の合成法は、標準的な撹拌式バッチリアクター型の方法に本質的に基づいており、この場合、多量の有機溶媒が使用される。さらに、これらの方法は、通常、この方法の各ステップにおいて、プロセス中間体を単離しており、それにより、溶媒の使用がさらに増加する。したがって、このように生産されるコストの比較的高いAPIは、このような有機溶媒への依存性及び中間体の単離に起因するプロセスの内在的非効率性に大部分基づいている。
さらに最近、ブランド化された「フロー化学」である、マイクロリアクター法(Micro reactor technology:MRT)は、研究開発におけるそのような作業が、連続フローを利用する反応を迅速にスクリーニングすることを可能にする、新たに現れた技法であり、生産レベルにおいて使用するのに好適な反応条件の特定に導く。さらに、従来の反応方法を使用することに加えて、小さなリアクター容量を使用することに伴う本来もつ安全性により、使用者は、過酷な反応条件、又は「有害な」化合物の使用/生成などの、生産環境内での使用に有害過ぎるとこれまで考えられてきた反応条件を用いることが可能となる。その結果、この技術の使用により、化学者に利用可能な反応のタイプが増大する。
現在のところ、フロー化学、又は有機溶媒の必要性がこの方法のステップの一部において解消される方法に基づいた、エムトリシタビン又はラミブジンの生産方法は存在しない。
本発明は、新規なエムトリシタビン又はラミブジンの生産方法を提供することにより、従来技術の欠点のうちのいくつかに対処しようとするものである。
本発明への第1の態様によれば、式Iの化合物
Figure 0006930800

及びその薬学的に許容される塩を生産するフロー合成法が提供され、
本方法は、以下のステップ:
a)グリオキシル酸L−メンチルを1,4−ジチアン−2,5−ジオールと脱水反応で反応させて、式Iaの化合物
Figure 0006930800

を含む反応生成物を形成するステップ、
b)ステップ(a)の反応生成物を適切なアセチル化試薬と反応させて、式Ibの化合物
Figure 0006930800

を含む反応生成物を形成するステップ、
c)グリコシル化反応において、ステップ(b)の反応生成物を式Icの化合物
Figure 0006930800

と反応させて、式Idの化合物
Figure 0006930800

を含む反応生成物を形成するステップ、及び
d)ステップ(c)の反応生成物を還元剤と反応させて、式Iの化合物を形成するステップを含み、
式中、Rは、H又はFから選択され、
ステップ(a)から(b)及び(c)から(d)は、式Ibの化合物が本方法において単離される唯一の中間体となるような、連続フロー合成ステップである。
好ましい実施形態では、ステップ(a)〜(d)は、本方法において単離する中間体が生成しない、連続フロー合成ステップである。
一実施形態では、ステップ(a)の前に、グリオキシル酸L−メンチルが、シクロヘキサン中、L(−)メントールとグリオキシル酸との反応から生産され、L(−)メントールが、ステップ(d)において形成された反応混合物から副生物として回収される。
ステップ(c)において使用される式Icの化合物
Figure 0006930800

は、式IIの化合物
Figure 0006930800

を有機溶媒の存在下で、ビス(トリメチルシリル)アセトアミドと反応させることにより生産されることが好ましい。
好ましくは、有機溶媒はアセトニトリルである。
好ましい実施形態では、ステップ(a)、ステップ(b)、又はステップ(a)と(b)の両方における反応は、無溶媒反応である。
別の実施形態では、ステップ(a)において、グリオキシル酸L(−)メンチルと1,4−ジチアン−2,5−ジオールとの反応は、有機溶媒中で行われる。
一実施形態では、ステップ(b)において、アセチル化試薬は、無水酢酸とピリジン、又は無水酢酸と炭酸ナトリウムの混合物である。
さらなる実施形態では、ステップ(b)において、式Iaの化合物
Figure 0006930800

のアセチル化反応は、有機溶媒の存在下で行われる。
好ましくは、ステップ(a)及び(b)における有機溶媒は、アセトン、ジクロロメタン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
一実施形態では、ステップ(c)において、式Icの化合物
Figure 0006930800

は、有機溶媒の存在下、式Ibの化合物
Figure 0006930800

及びトリメチルシリルヨージド又はピリジントリフレートと反応させる。
好ましくは、ステップ(c)の有機溶媒は、アセトニトリルである。
本発明の第2の態様によれば、式Iの化合物
Figure 0006930800

及びその薬学的に許容される塩を生産するバッチプロセスが提供され、
本方法は、以下のステップ:
a)グリオキシル酸L−メンチルを1,4−ジチアン2,5−ジオールと反応させて、式Iaの化合物
Figure 0006930800

を含む反応生成物を形成するステップ、
b)任意選択で有機溶媒の存在下、式Iaの化合物をアセチル化試薬と反応させて、式Ibの化合物
Figure 0006930800

を含む反応生成物を形成するステップ、
c)式Ibの化合物を、有機溶媒の存在下、式Icの化合物
Figure 0006930800

及びヨードトリメチルシランと反応させて、式Idの化合物
Figure 0006930800

を含む反応生成物を形成するステップ、及び
d)式Idの化合物を還元剤と反応させて、式Iの化合物を形成するステップ
を含み、
式中、Rは、H又はFから選択される。
好ましい実施形態では、アセチル化試薬は、無水酢酸と炭酸ナトリウムとの混合物である。
好ましい実施形態では、ステップ(a)、ステップ(b)、又はステップ(a)と(b)の両方における反応は、無溶媒反応である。
好ましい実施形態では、ステップ(b)及び(c)における有機溶媒は、アセトニトリルである。
一実施形態では、ステップ(a)において、式Iaの化合物
Figure 0006930800

は、トリメチルアミンとヘプタンとの混合物により、反応生成物から結晶化させる。
別の実施形態では、ステップ(b)において、式Ibの化合物
Figure 0006930800

は、トリメチルアミンとヘキサンとの混合物により、反応生成物から結晶化させる。
好ましくは、ステップ(c)において、反応生成物は、メタノール及びジクロロメタンの移動相を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製され、その後に、式Idの化合物
Figure 0006930800

を、酢酸エチル、ヘキサン及びメタノールの混合物により再結晶させる。
以下の非限定的な実施形態及び図面を参照して、本発明を一層詳細に記載する。
ラミブジン及びエムトリシタビンを生産するための、半連続フロー合成法に関する合成略図である。 ラミブジン及びエムトリシタビンを生産するための、バッチ合成法に関する合成略図である。
[好ましい実施形態の詳細な説明]
本明細書のこれ以降に記載されている発明は、本発明の範囲内に含まれることが意図されているわずかな修正及び他の実施形態を含め、開示されている特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
特定の用語が本明細書において用いられているが、これらの用語は一般的意味及び説明的な意味で使用されているに過ぎず、限定を目的とするものではない。
本明細書において使用する場合、本明細書全体及び以下に続く特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明白に他を示さない限り、複数形を含む。
本明細書において使用されている専門用語及び語法は、説明を目的としているものであり、限定として考えられるべきではない。本明細書において使用される、用語「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及びそれらの変化形の使用は、これ以降に列挙されている項目及びその均等物、並びに追加の項目を包含することが意図されている。
本発明は、ラミブジン及びエムトリシタビン、並びにその薬学的に許容される塩の生産方法を提供し、ラミブジン及びエムトリシタビンは、以下の構造を有する式I
Figure 0006930800

(式中、Rは、H又はFから選択される)によって表わされる。
本発明は、特に、ラミブジン及びエムトリシタビンの生産方法であって、該方法の反応のうちの少なくとも1つが溶媒の非存在下で行われる方法による生産方法を提供する。本方法は、バッチ法、半連続フロー合成法又は完全連続フロー合成法とすることができる。
本明細書において使用する場合、用語「半連続フロー合成法」は、いくつかのステップを含むフロー合成法を意味することを理解すべきであり、この場合、大部分のステップは、プロセス中間体の単離を行わない連続的なものである。
本明細書において使用する場合、用語「完全連続フロー合成法」は、いくつかのステップを含むフロー合成法を意味することを理解すべきであり、この場合、本方法の最終生成物は、いずれのプロセス中間体の単離も行うことなく得られる。
本方法のバッチ合成構成及びフロー合成構成のどちらにおいても、本方法の、第1の反応又は最初の2つの反応は、溶媒を含まない環境中で行うことができる。最初の2つの反応は、1)グリオキシル酸L(−)メンチルと1,4−ジチアン2,5−ジオールとの反応に由来する(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−ヒドロキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(式Ia)の形成、及び2)最初の反応の反応生成物と、無水酢酸又は無水酢酸及び炭酸水素ナトリウムとの反応に由来する(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(式Ib)の形成である。無溶媒反応はバッチ構成において実証され得るが、この方法は、適切な機器を使用するフロー合成構成に移管することが可能であることが、当業者により理解されよう。
本方法のフロー合成構成において、本方法は、半連続フロー合成法又は完全連続フロー合成法のどちらか一方とすることができる。半連続フロー合成法では、反応の最初の2つのステップは、有機溶媒中で行われ、この後に、(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(式Ib)が、本方法のさらなるステップにおいて使用するために、再構成されることになる中間体として単離される。例えば、本方法の第1の段階において使用される溶媒は、本方法の後の段階において使用される溶媒と混和しないので、この中間体は単離されてもよい。
しかし、本方法はまた、完全な連続方式で操作されてもよい。このフロー合成法では、中間体は単離されない。完全連続フロー合成法は、反応全体にわたり混和性の反応溶媒を選択することにより、又は代替として、無溶媒環境で本方法のステップの一部を行うことにより、実現することができる。半連続及び完全連続フロー合成法は、ラミブジン及びエムトリシタビンの従来の合成方法と比べると、一部が溶媒使用の低減の結果として、時間及び費用の削減をもたらす。
本方法のバッチ合成構成及びフロー合成構成の両方において、グリオキシル酸L(−)メンチル出発原料は、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、Synthetic Commun.1990年、20巻、2837〜2847頁に記載されている方法に従い、L(−)メントールとグリオキシル酸との反応により調製することができる。グリオキシル酸L(−)メンチルの生成において使用されるL(−)メントールは、(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(式Id)の還元によって、ラミブジン及びエムトリシタビンを調製するステップにおいて生産される有機層から回収することができる。
L(−)メントールは、還元反応の最終生成物の精製において使用される有機溶媒から回収することができる。NaBHを用いる最終反応の完了後、この反応混合物を希塩酸によりクエンチし、pHを4〜4.5に調節し(ラミブジン及びエムトリシタビンは、水層中に塩の形態で存在する)、トルエン及びジエチルエーテルにより洗浄すると、メントールが回収され、このメントールをさらなる溶媒洗浄により精製した。
本方法のバッチ及びフロー合成構成の両方において、シリル化シトシン又はフルオロシトシンは、不活性雰囲気下、有機溶媒中、特定のシトシン出発化合物とビス(トリメチルシリル)アセトアミドとの反応により生成することができる。本方法のフロー合成構成では、シリル化シトシン又はシリル化フルオロシトシンは、ある所定の流速で、フロー合成法に導入し、(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(式Ib)と反応させることができる。式Ibの化合物は、再構成された単離中間体として(半連続)、又は前の反応の反応生成物の非単離構成成分として(完全連続)のどちらかで導入することができる。
これより、本発明を、本発明の非限定的実施形態の一部を参照して、これ以降、一層完全に記載する。
一般的実験手順
バッチ反応はすべて、オーブン乾燥したガラス器具で実施した。溶媒及び化学物質は、Aldrich及びAlfa Aesar社から入手した。他のすべての試薬及び溶媒は、さらに精製することなく、入手したまま使用した。水分に敏感な反応はすべて、オーブン乾燥したガラス器具を使用して、窒素雰囲気下で実施した。
シリンジポンプ及びステンレスシリンジ(1ml、5mL及び10mL)は、Supelco社から購入した。PFAチューブは、パーフルオロアルコキシアルカンチューブを指す。PFA及びTygon MHLLチューブは、IDEX Health&Sciencesから購入した。
分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、EMDシリカゲル 60 F254プレートを使用して実施した。生成物は、UV光(254nm)、ヨウ素蒸気及び/又はKMnO染色の使用により視覚化した。
H及び13C NMRスペクトルは、DMSO−d及びCDCl中、Bruker AvanceIII−400スペクトロメーター(それぞれ、400及び100MHz)で記録した。H NMRスペクトルにおける化学シフトは、CDCl中の残留CHCl(7.26ppm)、MeOD中のMeOH(3.31ppm)又はDMSO−d中のDMSO(2.50ppm)である内部標準から、δスケールでの百万分率(ppm)で報告する。データは、以下のとおり報告する:化学シフト、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、quint=クインテット、m=マルチプレット及びbr=ブロード)で、ヘルツ(Hz)でのカップリング定数及び積分値。13C NMRスペクトルの化学シフトは、δスケールで、CDCl(77.16ppm)、MeOD(49.15ppm)又はDMSO−d(39.52ppm)の中央ピークからppmで報告する。1個超の炭素に対する同一の化学シフトを有する13Cシグナルを明記し、複数の炭素に対する重なりピークは、シフト範囲により表示する。赤外(IR)スペクトルは、Perkin Elmerモデル2000 FT−IRで記録した。
実施例1:(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−ヒドロキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(式Ia)のフロー調製
Figure 0006930800

1,4−ジチアン2,5−ジオール(396mg、2.60mmol)及び触媒量の酢酸(0.5mL)に、アセトン(10mL)中のグリオキシル酸L−メンチル一水和物(1.0g、4.34mmol)を加えた。この溶液を流速0.05mL/分(合わせた流速は0.1mL/分)でポンプ注入し、この反応溶液を125℃で、フローリアクターに通し、温度及び圧力を制御するための背圧調節器(10bar)を経てフローシステムから排出させた。セプタムを装備した収集バイアルに、この反応混合物を収集した。反応の完了後、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)及びガスクロマトグラフィー(「GC」)によってモニタリングしながら、溶媒を蒸発させた。この反応混合物を0℃〜−5℃に冷却し、ヘプタン又はヘキサン中の1%トリエチルアミン溶液を滴下して加えた。この混合物を、0℃で2〜3時間、撹拌し、沈殿の形成を観察した。単離した固体をろ過して、n−ヘキサンにより洗浄すると、(2R,5R)−((1R、2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−ヒドロキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(1.1g、88%)が白色固体として得られた。
スペクトル分析:
CDCl中1H−NMR(400MHz):∂ 5.96(d,1H)、5.57(d,1H)、4.74(s,1H)、3.32〜3.29(m,1H)、3.17〜3.08(dd,1H)、2.02(d,2H)、1.70(d,1H)、1.51〜1.42(m,2H)、1.09〜1.00(m,2H)、0.91(d,6H)、0.78(d,3H)。CDCl中13C−NMR(100MHz):∂ 16.27、20.69、23.30、26.16、31.42、34.11、38.46、40.35、46.86、46.07、80.20、101.22、103.20、172.18。FT−IR(Neat):3456、2956、2864、1731、1457、1387、1288、1196、1041、986。
化合物の性質:白色固体
流速:0.1mL/分
滞留時間:20分
反応温度:50℃〜125℃
再結晶:ヘプタン/ヘキサン中の1%TEA
確認:GC、IR及びH−NMRスペクトルによる
実施例1A:(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−ヒドロキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(式Ia)の無溶媒バッチ調製
Figure 0006930800

グリオキシル酸L(−)メンチル(25g、108.69mmol)及び1,4−ジチアン2,5−ジオール(8.2g、54.32mmol)を250mLの丸底フラスコ中、30分間、一緒に混合した。丸底フラスコにNを充填し、ディーンスタークコンデンサを据え付けて、水循環器に接続した。最初に、この反応混合物を80℃〜85℃で固体から融解させて、濃厚な褐色液体にする。次に、加熱を2〜3時間、110℃まで上昇させた。反応の完了後、GC及びTLCによってモニタリングしながら、この反応混合物を0〜5℃に冷却した。1%トリエチルアミンのヘプタン(150mL)溶液をゆっくりと加え、撹拌して結晶化させた。この懸濁液を、0〜5℃で2時間、撹拌した。生成物をろ過により単離してヘプタンにより洗浄し、減圧下で乾燥すると、(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−ヒドロキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(26.5g、85.4%)が白色固体として得られた。
フロー構成では、グリオキシル酸L(−)メンチルを80℃〜85℃に加熱したフラスコに加え、この時点で、グリオキシル酸エステルが融解する。次に、この粘性の高い溶液を、ライン中での沈殿を防止するため、熱制御したチューブを使用して、リアクターにポンプ注入した。次に、これを、リアクターの他の注入口からの1,4−ジチアン2,5−ジオールと反応させた。反応の後処理は、上記と同じとした。
スペクトル分析:
CDCl3中1H−NMR(400MHz):∂ 5.96(d,1H)、5.57(d,1H)、4.74(s,1H)、3.32〜3.29(m,1H)、3.17〜3.08(dd,1H)、2.02(d,2H)、1.70(d,1H)、1.51〜1.42(m,2H)、1.09〜1.00(m,2H)、0.91(d,6H)、0.78(d,3H)。CDCl3中13C−NMR(100MHz):∂ 16.27、20.69、23.30、26.16、31.42、34.11、38.46、40.35、46.86、46.07、80.20、101.22、103.20、172.18。FT−IR(Neat):3456、2956、2864、1731、1457、1387、1288、1196、1041、986。
実施例2:(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(式Ib)のフロー調製
Figure 0006930800

室温で、ジクロロメタン(「DCM」)に溶解した(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−ヒドロキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(10.0g、34.7mmol)の溶液を試料ループA(50mL)に満たし、DCM中の無水酢酸(16.3mL、173.6mmol)及びピリジン(8.3mL、104.1mmol)の保存溶液を試料ループB(50mL)に満たした。2つの試料ループ(A及びB)は、同時に、ラインのスイッチを入れて、開始溶液を、それぞれ0.1mL/分の流速で、ユニクシス(Uniqsis)(商標)システムによりポンプ注入した。開始溶液をT字型混合用ピース(T−mixing piece)中で混合し、この反応溶液(合わせた流速は、0.2mL/分)を、室温でPFAコーティングしたステンレス鋼リアクターコイル(10mL)に通した。排出流を、閉鎖したキャップバイアル(250mL)中に収集した。反応の完了を、TLC及びGCによって確認した後、この混合物を氷水(100mL)によりクエンチして静置し、分離した有機層を希HCl(50mL)により洗浄し、無水NaSOにより脱水し、減圧下で濃縮した。ジアステレオマー混合物を含む、7.8gのアセチル化合物が褐色固体として得られた。
780mgの試料を、TEA0.1mLを含むヘキサン10mL中に−10℃で24時間かけて、溶解し、これにより、所望の生成物である(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(550mg、48.24%)が得られた。
スペクトル分析:
CDCl3中1H−NMR:∂ 6.79(d,1H)、5.63(s,1H)、4.74(d,1H)、3.45(dd,1H)、3.16(d,1H)、2.11(s,3H)、2.03〜1.95(m,2H)、1.70(d,2H)、1.41〜1.33(m,2H)、1.08〜1.02(m,2H)、0.99〜0.91(m,6H)、0.76(d,3H)。CDCl3中13C−NMR(100MHz):∂ 16.16、20.71、21.50、23.24、26.15、31.37、34.13、37.33、40.40、47.07、76.10、79.90、80.35、99.65、168.58、169.64。FT−IR(Neat):3463、2959、2932、2865、1745、1730、1463、1385、1287、1169、1040、986、876。
化合物の性質:白色固体
流速:0.2mL/分
滞留時間:50分
反応温度:室温
確認:GC、IR及びH−NMRスペクトルによる
実施例2A:(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(式Ib)のバッチ調製
Figure 0006930800

窒素を充填した500mLの2つ口丸底フラスコに、撹拌した(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−ヒドロキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(25g、86.80mmol)のアセトニトリル(200mL)溶液を室温で加えた。炭酸水素ナトリウム(14.5g、173.11mmol)及び無水酢酸(16.34mL、173.11mmol)をゆっくりと加え、この反応混合物を室温で6時間、撹拌した。この反応の進行を、TLC(20%EA+PEを使用、Rは約0.65)及びGCによってモニタリングした。この反応混合物をろ過してアセトニトリルにより洗浄し、ロータリーエバポレーションにより蒸発させて、次に、水(100mL)により希釈し、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOにより脱水し、減圧下で濃縮すると、4つのジアステレオマーの混合物が得られた。5gの試料を1mLのTEAを含む80mLのヘキサンに溶解し、−20℃で36時間後、所望のtrans−(2R、5R)立体異性体(2.4g、41.8%)が沈殿した。
スペクトル分析:
CDCl3中1H−NMR:∂ 6.79(d,1H)、5.63(s,1H)、4.74(d,1H)、3.45(dd,1H)、3.16(d,1H)、2.11(s,3H)、2.03〜1.95(m,2H)、1.70(d,2H)、1.41〜1.33(m,2H)、1.08〜1.02(m,2H)、0.99〜0.91(m,6H)、0.76(d,3H)。CDCl3中13C−NMR(100MHz):∂ 16.16、20.71、21.50、23.24、26.15、31.37、34.13、37.33、40.40、47.07、76.10、79.90、80.35、99.65、168.58、169.64。FT−IR(Neat):3463、2959、2932、2865、1745、1730、1463、1385、1287、1169、1040、986、876。
実施例3:(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(式Ib)の調製における、最初の2つのステップ(ユニクシス(商標))の連続フロープロトコル
本方法の最初の2つのステップは、以下に詳述した方法に従い、ユニクシスフローシン(Uniqsis Flowsyn)(商標)システム上で行った。
Figure 0006930800

Figure 0006930800

グリオキシル酸L(−)メンチル一水和物(1g、4.34mmol)、1,4−ジチアン2,5−ジオール(392mg、2.60mmol)及び酢酸(1mL)のアセトン(10mL)保存溶液を、透明な溶液が形成されるまで、50℃に加熱した。この透明な保存溶液を、125℃で2mLのフローリアクターに、流速0.1mL/分でポンプ注入した。フローリアクターの出口を、バックプレッシャーレギュレータ(10bar)に接続し、排出流をT字型混合用ピース(T字型混合用ピースの前に冷却浴を準備して、第1のステップ溶液を冷却した)中で合わせた。別のフラスコ中で、ピリジン(1.02mL、13.02mmol)及び無水酢酸(2.21mL、21.70mmol)をDCM(10mL)に溶解し、流速0.1mL/分でポンプ注入し、T字型混合用ピースにおいて混合した。ポンプA(0.1mL/分)及びポンプB(0.1mL/分)からの反応流速を合わせて、合計流速を0.2mL/分にした。この反応混合物を、室温で、PFAコーティングしたステンレス鋼リアクターコイル(10mL)に流した。排出流を、閉鎖したキャップバイアル(25mL)中に収集した。反応の完了を、TLC及びGCによって確認した後、この混合物を氷水(10mL)によりクエンチして静置し、分離した有機層を希HCl(10mL)により洗浄して、無水NaSOにより脱水し、減圧下で濃縮した。ジアステレオマー混合物を含む、700mgのアセチル化合物が褐色固体として得られた。700mgの試料を、0.1mLのTEAを含むヘキサン10mL中に、−10℃で24時間、溶解し、これにより、所望の生成物である(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(450mg、2つのステップの総収率31.4%)が得られた。
スペクトル分析:
CDCl3中1H−NMR:∂ 6.79(d,1H)、5.63(s,1H)、4.74(d,1H)、3.45(dd,1H)、3.16(d,1H)、2.11(s,3H)、2.03〜1.95(m,2H)、1.70(d,2H)、1.41〜1.33(m,2H)、1.08〜1.02(m,2H)、0.99〜0.91(m,6H)、0.76(d,3H)。CDCl3中13C−NMR(100MHz):∂ 16.16、20.71、21.50、23.24、26.15、31.37、34.13、37.33、40.40、47.07、76.10、79.90、80.35、99.65、168.58、169.64。FT−IR(Neat):3463、2959、2932、2865、1745、1730、1463、1385、1287、1169、1040、986、876。
化合物の性質:白色固体
流速:0.2mL/分
反応温度:室温
確認:GC、IR及びH−NMRスペクトルによる
実施例4:式Idの化合物の調製における式Ibの化合物のフロー法グリコシル化反応
式Idの化合物は、以下のフロー法に従い、式Ibの化合物から調製することができる:
Figure 0006930800

25mLの丸底フラスコ中、窒素雰囲気下、室温で、シトシン又はフルオロシトシン(2.3g、20.72mmol)とビス(トリメチルシリル)アセトアミド(11.65mL、47.65mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液とを混合し、80℃に加熱した。透明な溶液が1時間後に得られ、シリル生成物の形成が示された。この生成物をオーブン乾燥したスクリューキャップメスフラスコ中で25mLに希釈した。
(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(5.0g、19.60mmol)及びトリメチルシリルヨージド(2.7mL、19.60mmol)のアセトニトリル(25mL)溶液を、別のオーブン乾燥したスクリューキャップメスフラスコ中で調製した。次に、この2つの溶液を、10mLステンレス鋼シリンジに移送した(核塩基(nucleobase)を加熱テープで周囲を包んだシリンジに入れて、反応中60〜65℃に維持し、シリンジ中で固体が沈殿するのを防止した)。試薬流を同一流速でPFTチューブからポンプ注入(各ポンプは、0.1mL/分;合計流速:0.2mL/分)し、油浴を使用して100℃に維持した。セプタムを装備したバイアルに、この反応混合物を収集した。収集した溶液を、回転式圧力下で蒸発させた。60〜120シリカメッシュを使用するカラムクロマトグラフィーによって、残留物を精製した。溶離液は、DCM中の4〜5%メタノールとした。純粋な生成物は、還流下、ヘキサン:酢酸エチル:メタノール(2:2:1)中で再結晶し、透明な白色固体を得た。
別のフロー実験では、トリメチルシリルヨージド(TMSI)をピリジウムトリフレートにより置き換えた類似反応を実施した。どちらの反応も、等しい収率で生成物が得られた。
スペクトル分析:
(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル(2R,5S)−5−(4−アミノ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリミジニル)−1,3−オキサチアラン−2−カルボキシレートの分析データ:
DMSO−d6中1H−NMR(400MHz):∂ 7.95(d,1H)、7.30〜7.25(d,2H)、6.35(t,1H)、5.80〜5.68(m,2H)、4.69(q,1H)、3.53(d,1H)、3.14〜3.10(m,1H)、1.92〜1.86(m,2H)、1.65(d,2H)、1.47〜1.41(m,2H)、1.08〜1.00(m,2H)、0.90〜0.86(m,6H)、0.73(d,3H)。CDCl3中13C−NMR(100MHz):169.45、166.14、140.92、94.81、89.28、77.81、77.77、46.75、40.63、35.76、33.97、31.27、26.15、23.28、22.25、20.95及び16.57。
(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル(2R,5S)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリミジニル)−1,3−オキサチアラン−2−カルボキシレートの分析データ:
CDCl3中1H−NMR(400MHz):∂ 8.43(d,1H)、7.42(bs,1H)、6.35(d,1H)、5.71(bs,2H)、5.39(s,1H)、4.73(t,1H)、3.48(dd,1H)、3.07(dd,1H)、1.97〜1.85(m,2H)、1.64(d,2H)、1.44〜1.35(m,2H)、1.05(t,2H)、0.97〜0.83(m,6H)、0.78(d,3H)。CDCl3中13C−NMR(100MHz):169.77、158.11、153.38、134.71、125.50 89.59、78.31、75.58、46.86、40.63、36.74、34.02、31.25、26.21、23.38、22.25、20.88及び16.58。
化合物の性質:白色固体
流速:0.2mL/分
滞留時間:9.3分
反応温度:室温から120℃
確認:GC、IR及びH−NMRスペクトルによる
実施例4A:式Idの化合物の調製における式Ibの化合物のバッチグリコシル化反応
式Idの化合物は、以下のバッチ法に従い、式Ibの化合物から調製することができる:
Figure 0006930800

核酸塩基(1.0当量)のアセトニトリル(5mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温でビス(トリメチルシリル)アセトアミド(2.5当量)をゆっくりと加えた。この反応混合物が透明な溶液を形成すると、この反応混合物を1時間かけて、80℃まで加熱し、シリル生成物の形成が示された。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、何らさらなる単離をすることなく、次のステップに使用した。
上記の混合物に、(2R,5R)−((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)5−アセトキシ−1,3−オキサチオラン−2−カルボキシレート(1.0当量)のアセトニトリル(10mL)溶液を加え、10分間、撹拌した。ヨードトリメチルシラン(1.0当量)を室温でカニューレによって滴下して導入した。反応の進行をTLC及びGCによってモニタリングしながら、この反応混合物を2時間かけて、80℃まで加熱した。反応の完了後、この反応混合物をNa(15mL)水溶液を添加することによりクエンチした。溶媒をロータリーエバポレーションにより除去し、酢酸エチル(3x50mL)により抽出した。合わせた有機層を水(25mL)、ブライン(25mL)溶液、及びNaHCO(25mL)の飽和溶液により洗浄した。有機層を無水NaSO下で脱水し、回転式圧力を使用して濃縮すると、粗残留物が得られた。100〜200シリカメッシュ、及び希釈剤としてMeOH:DCM(6:94)を使用するカラムクロマトグラフィーにより、粗化合物を精製した。この物質のH−NMRスペクトルにより、この物質はcis−及びtrans−ジアステレオマーの混合物であることが示された。この固体生成物を酢酸エチル、ヘキサン及びメタノールの混合物を使用して再結晶し、必要な異性体が生成した。
スペクトル分析:
(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル(2R,5S)−5−(4−アミノ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリミジニル)−1,3−オキサチアラン−2−カルボキシレートの分析データ:
DMSO−d6中1H−NMR(400MHz):∂ 7.95(d,1H)、7.30〜7.25(d,2H)、6.35(t,1H)、5.80〜5.68(m,2H)、4.69(q,1H)、3.53(d,1H)、3.14〜3.10(m,1H)、1.92〜1.86(m,2H)、1.65(d,2H)、1.47〜1.41(m,2H)、1.08〜1.00(m,2H)、0.90〜0.86(m,6H)、0.73(d,3H)。CDCl3中13C−NMR(100MHz):169.45、166.14、140.92、94.81、89.28、77.81、77.77、46.75、40.63、35.76、33.97、31.27、26.15、23.28、22.25、20.95及び16.57。
(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル(2R,5S)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1−ピリミジニル)−1,3−オキサチアラン−2−カルボキシレートの分析データ:
CDCl3中1H−NMR(400MHz):∂ 8.43(d,1H)、7.42(bs,1H)、6.35(d,1H)、5.71(bs,2H)、5.39(s,1H)、4.73(t,1H)、3.48(dd,1H)、3.07(dd,1H)、1.97〜1.85(m,2H)、1.64(d,2H)、1.44〜1.35(m,2H)、1.05(t,2H)、0.97〜0.83(m,6H)、0.78(d,3H)。CDCl3中13C−NMR(100MHz):169.77、158.11、153.38、134.71、125.50 89.59、78.31、75.58、46.86、40.63、36.74、34.02、31.25、26.21、23.38、22.25、20.88及び16.58。
実施例5:式Idの化合物のフロー法還元反応
Figure 0006930800

MeOH:HO(2:3mL)中の式Idの化合物(1当量)の懸濁液を、オーブン乾燥した5mLシリンジに入れた。水3mL中のリン酸水素カリウム(3当量)、及び水1.5mL中の水素化ホウ素ナトリウム(2当量)+25%w/w水酸化ナトリウム0.5mLからなる調製溶液を、別のオーブン乾燥シリンジに入れた。両方のシリンジを個々のケムトリックス(Chemtrix)(商標)フローポンプに取り付けた。これらのポンプをT−ジョイントに連結し、生成物流を導いてマイクロリアクター(個々の流速は0.1mL/分、合計流速は0.2mL/分)にポンプ注入した。
収集した溶液をHCl(pH4〜4.5)の希釈溶液によりクエンチして、ジエチルエーテルにより抽出し、メタノールを除去し、次に、飽和NaHCO溶液を使用してpHを7に調節した。この溶液をセンタード漏斗(centred funnel)によりろ過し、ロータリーエバポレーションにより蒸発させた。ヘキサン:酢酸エチル:MeOH(1:1:1)からなる希釈混合物による、60〜120シリカメッシュを使用するカラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製すると、純粋な生成物が得られた。
実施例5A:式Idの化合物のバッチ法還元反応
Figure 0006930800

メタノール及び水(2:1)中のヌクレオシド(1当量)の懸濁液を、室温でKHPO(3当量)の水溶液(2mL)に加えた。撹拌して15分後、この反応混合物に、25%(w/w)NaOH溶液を含有するNaBH(2当量)の水溶液(2mL)を加えた。反応の進行をTLCによってモニタリングしながら、この反応混合物を室温で2時間、撹拌した。この反応物をHClによりクエンチし、4〜4.5にpHを調節し、ジエチルエーテルにより洗浄して、何らかの未反応出発原料及びメントールを除去した。2M NaOH溶液を使用して、水層のpHを7〜7.2に調節し、この混合物をセライトパッドによりろ過して、減圧したロータリーエバポレーション下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより粗化合物を精製し、酢酸エチル:MeOHを使用して再結晶すると、純粋な化合物が得られた。
スペクトル分析:
4−アミノ−1−((2R,5S)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)ピリミジン-2(1H)-オン(ラミブジン)の分析データ:
CD3OD−d4中1H−NMR(400MHz):∂ 8.06(d,J=7.52,1H)、6.30(t,J=4.72,1H)、5.90(d,J=7.52,1H)、5.29(t,J=3.72,1H)、3.94(dd,J=3.48,2H)、3.88(dd,J=4.28,1H)、3.53(dd,J=5.4,12.0,1H)、3.14(dd,J=4.36,11.96,1H)。CD3OD−d4中13C−NMR(100MHz):166.35、156.53、141.33、94.30、87.45、86.56、62.67、37.05。元素分析:C8H11N3O3Sの計算値:C 41.91、H 4.84、N 18.33、S 13.99。実測値:C 41.88、H 4.71、N 18.19 S 13.91。
4−アミノ−5−フルオロ−1−((2R,5S)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)ピリミジン-2(1H)−オン(エムトリシタビン)の分析データ:
CD3OD−d4中1H−NMR(400MHz):∂ 8.36(d、J=6.92,1H)、6.25(ddd,J=1.64,5.2,7.03,1H)、5.30(t,J=3.36,1H)、4.02(dd,J=3.03,12.6,2H)、3.88(dd,J=3.56,12.6,1H)、3.54(dd,J=5.36,12.16,1H)、3.19(dd,J=3.63,12.12,1H)。CD3OD−d4中13C−NMR(100MHz):158.31(d,J=14)、154.83、136.24(d,J=240.2)、125.8(d,J=33.3)、87.45、87.34、62.02、37.50。
本発明の例示的な実施形態の一部のこうした上記の説明は、どうすれば本発明をなす、及び実施することができるかを示すためのものである。当業者は、様々な詳細が修正され得、それにより、さらなる実施形態に到達するが、これらの実施形態の多数が、本発明の範囲内に依然としてあることを認識されよう。

Claims (11)

  1. 式Iの化合物
    Figure 0006930800

    及びその薬学的に許容される塩を生産するためのフロー合成法であって、
    前記フロー合成法が、以下のステップ:
    a)グリオキシル酸L−メンチルを1,4−ジチアン−2,5−ジオールと脱水反応で反応させて、式Iaの化合物
    Figure 0006930800

    を含む反応生成物を形成するステップ、
    b)ステップ(a)の反応生成物をアセチル化試薬と反応させて、式Ibの化合物
    Figure 0006930800

    を含む反応生成物を形成するステップ、
    c)ステップ(b)の反応生成物をピリジントリフレート及び式Icの化合物
    Figure 0006930800

    と、グリコシル化反応で反応させて、式Idの化合物
    Figure 0006930800

    を含む反応生成物を形成するステップ、及び
    d)ステップ(c)の反応生成物を還元剤と反応させて、式Iの化合物を形成するステップを含み、
    式中、Rが、H又はFから選択され、
    ステップ(a)から(b)及び(c)から(d)が、式Ibの化合物が前記フロー合成法で単離される唯一の中間体となるような連続フロー合成ステップである、フロー合成法。
  2. ステップ(a)〜(d)が、前記フロー合成法において単離する中間体が生じないような連続フロー合成ステップである、請求項1に記載のフロー合成法。
  3. ステップ(a)の前に、グリオキシル酸L−メンチルが、シクロヘキサン中、L(−)メントールとグリオキシル酸との反応から生産され、L(−)メントールが、ステップ(d)で形成された反応混合物から副生物として回収される、請求項1又は2に記載のフロー合成法。
  4. ステップ(c)で使用される式Icの化合物
    Figure 0006930800

    が、式IIの化合物
    Figure 0006930800

    を、有機溶媒の存在下、ビス(トリメチルシリル)アセトアミドと反応させることにより生産される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフロー合成法。
  5. 前記有機溶媒がアセトニトリルである、請求項4に記載のフロー合成法。
  6. ステップ(b)で、アセチル化試薬が、無水酢酸とピリジンとの混合物、又は無水酢酸と炭酸ナトリウムとの混合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフロー合成法。
  7. ステップ(a)の反応が無溶媒反応である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフロー合成法。
  8. ステップ(a)で、グリオキシル酸L(−)メンチルと1,4−ジチアン2,5−ジオールとの反応が有機溶媒中で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフロー合成法。
  9. ステップ(b)で、アセチル化試薬と式Iaの化合物
    Figure 0006930800

    との反応が、有機溶媒の存在下で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフロー合成法。
  10. 前記有機溶媒がアセトンである、請求項8又は9に記載のフロー合成法。
  11. ステップ(c)で、グリコシル化反応がアセトニトリル中で行われる、請求項1に記載のフロー合成法。
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