JP6929468B2 - 車車間通信用アンテナ装置及びリーン車両 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、車車間通信を行うリーン車両が示されている。リーン車両の例として自動二輪車が示されている。特許文献1のリーン車両は、リーン車両のシートよりも後方に配置された後方アンテナを備えている。
後方アンテナは、リーン車両よりも後方にある他の車両との通信性能を保持している。
リーン車両よりも後方の車両との通信性能を保持しつつリーン車両のリヤフェンダの設計自由度を高めることが求められている。
本発明の目的は、リーン車両よりも後方の車両との通信性能を保持しつつリヤフェンダの設計自由度を高めることができる車車間通信用アンテナを提供することである。
例えば、特許文献1のアンテナは、他の部品による電波の干渉を避けるように、これら他の部品からできるだけ離れるように配置されている。例えば、特許文献1のアンテナは、リヤフェンダに固定具を介して取り付けられている。これによって、アンテナは、他の部品から離れるように配置されている。また、例えば、特許文献1のアンテナは、リヤフェンダに設けられた取付部を介して取付けられている。これによって、アンテナは、他の部品から離れるように配置されている。
このように、特許文献1では、アンテナを周囲の他の部品からできるだけ離して配置することによって、他の部品による電波の干渉を避けることができる。これにより、リーン車両よりも後方の車両との通信性能の保持が図られている。
つまり、特許文献1に示された技術思想は、アンテナを周囲の他の部品からできるだけ離して配置することによって、車両よりも後方の車両との通信性能の保持を図ることである。
そこで、本願発明者らは、リーン車両よりも後方の車両との通信性能を保持するにあたり、従来の技術思想とは異なる技術思想で設計を試みた。
車種は違っていても、リーン車両には、後ろの車両からの認識性を高めるための機能であるリフレクタ及びライセンスプレートライトの少なくともいずれかが設けられている。しかも、それらには光を出力するという共通の特徴がある。
即ち、リフレクタは、後ろの車両のライトの光を反射することによって光を出力し、リーン車両の認識性を高める機能を有する。また、ライセンスプレートライトは、リヤフェンダに取付けられたライセンスプレートに向けて光を出力することによってリーン車両のライセンスプレートの認識性を高める機能を有する。この機能を最大限に発揮するため、リフレクタ及びライセンスプレートライトは、リーン車両よりも後ろの車両に対し見通しのよい位置に配置される。しかも、リフレクタ及びライセンスプレートライトは、アンテナから出力される電波に干渉しないように、アンテナを収容することができる。
前記車車間通信用アンテナ装置は、
前記リーン車両のリヤフェンダに直接に取り付けられるリフレクタユニット、又は前記リーン車両のリヤフェンダに直接に取り付けられるライセンスプレートライトユニットと、
前記リヤフェンダに直接に取り付けられる前記リフレクタユニットに収容されるか、又は前記リヤフェンダに直接に取り付けられる前記ライセンスプレートライトユニットに収容された、少なくとも電波を送信するアンテナと、
を備える。
リーン車両には、後ろの車両からの認識性を高めるための機能であるリフレクタ及びライセンスプレートライトの少なくともいずれかが設けられている。しかも、それらには光を出力するという共通の特徴がある。
例えば、リフレクタは、後ろの車両のライトの光を反射することによって光を出力し、リーン車両の認識性を高める機能を有する。また、ライセンスプレートライトは、リヤフェンダに取付けられたライセンスプレートに向けて光を出力することによってリーン車両のライセンスプレートの認識性を高める機能を有する。例えばリフレクタ及びライセンスプレートライトは、リーン車両の前後方向でリーン車両よりも後方の車両に対し見通しのよい位置に配置される。
リフレクタ及びライセンスプレートライトは、アンテナから出力される電波に干渉しないように、アンテナを収容することができる。このため、リーン車両のリヤフェンダを、アンテナのための特別な固定具を設けたり、特殊な形状にしたりする制約から開放することができる。
上記車車間通信用アンテナ装置によれば、選択された特定の部品であるリフレクタユニット、又はライセンスプレートライトユニットにアンテナを収容することで、リーン車両よりも後方の車両との通信性能を保持しつつ、リヤフェンダの設計自由度を高めることができる。
前記リフレクタユニット、又は前記ライセンスプレートライトユニットは、前記アンテナを収容する筐体と、
前記筐体の内部から前記筐体の外部へ光を出力する機能部とを備え、
前記アンテナは、前記機能部から出力される光の進路を避けた位置に配置される。
前記車車間通信用アンテナ装置が直立状態の前記リーン車両に取付けられた状態における前記リーン車両の前後方向で前記アンテナよりも後方に配置される金属材料を有しない。
前記アンテナと電気的に接続された同軸ケーブルをさらに備え、
前記筐体は、前記車車間通信用アンテナ装置が直立状態の前記リーン車両に取付けられた場合に、前記リーン車両の前後方向において前記アンテナよりも前方に配置され、前記リーン車両における前方向に向かう法線を有する面を含み、前記同軸ケーブルが通る貫通穴が設けられた前壁を有する。
前記リーン車両は、
リヤフェンダと、
前記リーン車両の周辺に存在する周辺車両との通信を行う車車間通信装置と、
前記リヤフェンダに取り付けられ、前記車車間通信装置と電気的に接続された(1)から(4)いずれか1の車車間通信用アンテナ装置とを備える。
本明細書では、新しい車車間通信用アンテナ装置及びリーン車両について説明する。以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細なしに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
アンテナは、板状に形成された板状アンテナに限られない。アンテナは、例えば棒状又は球状に形成されたものでもよい。例えば、板状アンテナは、配置に必要な空間が、例えば棒状又は球状と比べて小さい。板状アンテナは、面を有するリフレクタ又はライセンスプレートライトに、リフレクタ又はライセンスプレートライトの機能を損なったり大型化することなく容易に収容しやすい。
板は平板に限られず、例えば、設置場所に合わせ湾曲していてもよい。即ち板状アンテナは、設置場所に合わせて湾曲していてもよい。板が湾曲している場合、「板の面が有する法線」は、板の中心における面の法線とすることができる。
板状アンテナは、例えばプリント基板で形成された基板状アンテナである。ただし、板状アンテナは、基板状アンテナに限られず、パッチアンテナでもよい。パッチアンテナは、プリント基板よりも大きな厚みを有する樹脂製の板に金属板が取り付けられた構成を有する。パッチアンテナは、例えば、アンテナ素子として機能する2つの金属板の間に樹脂製の板が配置されたサンドイッチ構造を有する。
また、板状アンテナを構成する板は1枚に限られない。板状アンテナの構成として、アンテナ素子が形成された複数枚の板が実質的に互いに平行に配置されてもよい。また、この場合、板状アンテナは、アンテナ素子が形成された板と、実質的に平行に延びる別の導体が組み合わされた構成でもよい。
アンテナは、筐体内で複数のアンテナセットを構成してもよい。例えば、アンテナは、別のアンテナと隣り合わせに配置されてもよい。この場合、アンテナセットは、各アンテナとは異なる指向性及び出力特性を発揮する。
リーン車両の車車間通信用アンテナ装置は、リーン車両が車両左方向に傾斜した場合又は車両右方向に傾斜した場合でも、リーン車両の右後方又は左後方の車両に電波を送信できるように、少なくともリーン車両における後方に広がる水平面よりも下方に向けて電波を送信する。ただし、車車間通信用アンテナ装置は、水平面よりも上方に向けて送信してもよい。例えば、車車間通信用アンテナ装置が、リーン車両における後方に広がる水平面よりも下方及び上方の双方に向けて電波を送信する場合、リーン車両が車両左方向に傾斜した場合又は車両右方向に傾斜した場合に、リーン車両を含みリーン車両よりも後方に広がる水平面に向かって送信される電波の強度の低下を抑制できる。
リーン車両1Aは、左旋回中に車両左方向に傾斜し右旋回中に車両右方向に傾斜する。
図1における矢印Fは、リーン車両1Aにおける前方向を示している。前方向は、リーン車両1Aが走行する方向である。矢印Bは、後ろ方向を示している。矢印F及び矢印Bは、リーン車両1Aにおける前後方向FBを表している。前方向F、後ろ方向B、及び前後方向FBは、リーン車両1Aの直立状態における水平面と平行である。矢印Uは上方向を示している。矢印Dは下方向を示している。矢印U及び矢印Dは、リーン車両1Aにおける上下方向UDを表している。上方向U、下方向D及び上下方向UDは、リーン車両1Aの直立状態における鉛直方向と平行である。リーン車両に乗車したライダーの右方向と左方向を図1のパート(c)に表す矢印L及び矢印Rで示す。矢印L及び矢印Rは、リーン車両1Aにおける左右方向LRを表している。
本明細書において、車車間通信用アンテナ装置100を含む全ての部品についての方向は、リーン車両1Aに取り付けられた状態での上述した方向で説明される。
車車間通信装置9は、フレーム3に取り付けられている。車車間通信装置9は、リーン車両1Aの周辺に存在する周辺車両との通信を行う。
リヤフェンダ15は、後輪19の上部及び後部の一部を覆うように設けられている。リヤフェンダ15は、後輪19から離れて設けられている。リヤフェンダ15と後輪19との間には、空間のみが介在している。リヤフェンダ15は、樹脂材料で構成されている。なお、リヤフェンダ15は、例えば1つの樹脂成形品で構成されてもよく、また、複数の樹脂成形品の組合せで構成されてもよい。
リヤフェンダ15の後部には、ライセンスプレート30が傾斜姿勢で取り付けられている。ライセンスプレート30は、上下方向UDでテールランプユニット13より下に取り付けられている。
リヤフェンダ15には、ライセンスプレートライト20が直接に取り付けられている。
ライセンスプレートライト20は、上下方向UDでライセンスプレート30より上に設けられている。
リヤフェンダ15には、車車間通信用アンテナ装置100が直接に取り付けられている。
車車間通信用アンテナ装置100は、上下方向UDでライセンスプレート30とテールランプユニット13との間に配置されている。
車車間通信用アンテナ装置100は、上下方向UDでライセンスプレート30とライセンスプレートライト20の間に配置されている。
図1のパート(b)に示すように、車車間通信用アンテナ装置100は、リフレクタユニットRUと、アンテナ160とを備えている。リフレクタユニットRUは、リーン車両1Aのリヤフェンダ15に直接に取り付けられる。アンテナ160は、リフレクタユニットRUに収容される。リフレクタユニットRUは、筐体110と、機能部140と、取付部150と、同軸ケーブル170とを備えている。
本体部材120は、アンテナ160を支持している。カバー部材130は、アンテナ160の後ろを覆っている。
筐体110は、後壁111を含んでいる。後壁111は、カバー部材130に形成されている。後壁111は、車車間通信用アンテナ装置100が直立状態のリーン車両1Aのリヤフェンダ15に取り付けられた状態で、リーン車両1Aの後ろ方向Bに向かう法線110Bを有する面を含む。カバー部材130は、光透過性の樹脂材料で形成されている。即ち、後壁111は、光透過性を有する。
筐体110は、リーン車両1Aにおける前方向Fに向かう法線110Fを有する面を含む前壁113を有する。取付部150は、前壁113に一体に設けられている。取付部150は、前壁113に埋設されたボルトである。つまり、取付部150は、筐体110に埋設されたボルトである。取付部150は、筐体110の前壁113から前方向Fに突出している。
また、前壁113には、同軸ケーブル170が通る貫通穴113hが設けられている。
図2には、アンテナ160として板状アンテナが示されている。より詳細には、アンテナ160は、樹脂材料で形成された板161及びアンテナ素子162を有する。アンテナ160は、マイクロストリップアンテナである。
板161は、基板である。以降、アンテナを構成する、樹脂材料で形成された板を、基板とも称する。また、アンテナを基板状アンテナとも称する。基板161は、平板である。但し、基板161は、湾曲した形状でもよい。基板161は、可撓性を有するフィルム状の薄板であってもよい。
アンテナ素子162は、基板161の上に形成された導体である。アンテナ素子162は、基板161の後面に形成されている。図2は、基板161の後面を示している。なお、基板161の前面には、図示しないグラウンド層が全面に亘って形成されている。
アンテナ素子162は、基板161の上に形成された導体層である。アンテナ160は、例えば、プリント基板である。アンテナ素子162は、導体材料の印刷、又はエッチングによって形成することができる。但し、アンテナ素子162は、例えば、成形した導体板を基板161に貼り付けることによっても形成される。同軸ケーブル170は、アンテナ160と電気的に接続されている。詳細には、同軸ケーブル170は、アンテナ素子162及び図示しないグラウンド層と電気的に接続されている。
リフレクタ機能に用いられる樹脂製の後壁111を利用することで、広い面を有するアンテナ160が採用できる。アンテナ160は、例えばロッドアンテナ又はコイルアンテナと比べて軽量であり、小型である。従って、車車間通信用アンテナ装置100の大型化を抑制することができる。
図1のパート(c)は、アンテナ160の基板161の面が有する法線110Bの方向に見た車車間通信用アンテナ装置100を示している。図1のパート(c)に示すように、アンテナ160は、基板161の面が有する法線110Bの方向に見て、機能部140と重なる位置に配置されている。これによって、アンテナ160及び機能部140を有する車車間通信用アンテナ装置100がより小型化できる。
アンテナ160の電気的特性は、アンテナ160が直接接触する部材に応じて異なる。しかし、アンテナ160は、車車間通信用アンテナ装置100の筐体110内に支持されているため、車車間通信用アンテナ装置100がリヤフェンダ15に直接取付けられても、アンテナ160は、リヤフェンダ15に直接接触しない。従って、例えば取り付けられるリヤフェンダ15の形状や材料が変更される場合に、アンテナ160の電気的特性の変動が抑制される。
本実施形態における機能部140は、反射光を後ろ方向Bに放射するリフレクタ機能を有する。機能部140は、光が入射した向きと逆向きに光を出力する。図1のパート(a)には、機能部140から出力される光の進路P1として、光が出力され得る範囲が示されている。本実施形態における機能部140は、後壁111と一体成形されたプリズムによって入射した光を反射する。このため、金属材料を含む反射板なしに、反射光を後ろ方向Bに放射する。ここで、金属材料を含む反射板とは、例えば、金属材料で形成された板や、金属材料の層を有する樹脂材料の板である。
このため、リーン車両の前後方向FBでアンテナ160よりも後方Bに配置される金属材料を有しない。従って、アンテナ160から放射される電波の、機能部140による干渉が抑制される。このため、リフレクタユニットRUにアンテナ160が収容されても、機能部140がアンテナ160から放射される電波を妨げない。従って、リフレクタユニットRUにアンテナ160が収容されても、リーン車両1Aよりも後方の車両との通信性能を保持することができる。
このようにして、後ろの車両との通信性能を保持しつつ、車車間通信用アンテナ装置100の大型化を抑制することができる。
また、車車間通信用アンテナ装置100は、特別な取付具を設けること無しにリヤフェンダ15に取付けられるため、軽量化している。
本実施形態の車車間通信用アンテナ装置100が取り付けられることによって、例えばリフレクタ機能を有する機能部品とは別のアンテナを他の部品と干渉しないように配置するためのスペースがリヤフェンダ15から削減できる。従って、リヤフェンダ15の設計の自由度が高い。本実施形態の車車間通信用アンテナ装置100は、リフレクタ機能の搭載が要求される様々な種類の車両に取り付けることができる。従って、様々な種類の車両におけるリヤフェンダ15の設計の自由度が高い。
続いて、本発明の第二実施形態について説明する。
本実施形態の車車間通信用アンテナ装置200は、機能部240として、リフレクタ機能の代わりにライセンスプレートライト機能を有する。リヤフェンダ15に取り付けられたリフレクタ10は、リフレクタ機能専用の部品であり、アンテナを備えていない。
車車間通信用アンテナ装置200は、ライセンスプレートライトユニットLUと、アンテナ160とを備えている。ライセンスプレートライトユニットLUは、筐体210と、機能部240と、取付部250と、同軸ケーブル270とを備えている。
本体部材220は、機能部240及びアンテナ160を覆っている。窓部材230は、本体部材220に設けられた穴を塞ぐように設けられている。窓部材230は、光透過性の樹脂材料で形成されている。
筐体210は、後壁211及び上壁212を含んでいる。
後壁211は、車車間通信用アンテナ装置200が直立状態のリーン車両1Aのリヤフェンダ15に取り付けられた状態で、リーン車両1Aの後ろ方向Bに向かう法線210Bを有する面を含む。
上壁212は、車車間通信用アンテナ装置200が直立状態のリーン車両1Aのリヤフェンダ15に取り付けられた状態で、リーン車両1Aの上方向Uに向かう法線210Uを有する面を含む。
筐体210は、リーン車両1Aにおける前方向Fに向かう法線210Fを有する面を含む前壁213を有する。取付部250は、前壁213に一体に設けられている。取付部250は、筐体210の前壁213から前方向Fに突出している。取付部250は、前壁213に埋設されたボルトである。つまり、取付部250は、筐体210に埋設されたボルトである。取付部250は、筐体210内に延長し、アンテナ160及び機能部240を支持している。但し、アンテナ160及び機能部240は、取付部250でなく筐体210に直接支持されてもよく、また筐体210に取り付けられた取付部250とは別の支持部材に支持されてもよい。
前壁213には、同軸ケーブル270が通る貫通穴213hが設けられている。
このため、本実施形態の車車間通信用アンテナ装置200は、法線が後ろ方向Bに向かう面積の広い後壁211を有する。樹脂材料で形成された後壁211を利用することで、広い面を有するアンテナ160が採用できる。アンテナ160は、例えばロッドアンテナ又はコイルアンテナと比べて軽量であり、小型である。従って、車車間通信用アンテナ装置200の大型化を抑制することができる。
本実施形態の車車間通信用アンテナ装置200が取り付けられることによって、例えばライセンスプレートライト機能を有する機能部品とは別のアンテナを他の部品と干渉しないように配置するためのスペースが削減できる。従って、リヤフェンダ15の設計の自由度が高い。本実施形態の車車間通信用アンテナ装置200は、ライセンスプレートライト機能の搭載が要求される様々な種類の車両に取り付けられる。従って、様々な種類の車両におけるリヤフェンダ15の設計の自由度が高い。
続いて、本発明の第三実施形態について説明する。
本実施形態の車車間通信用アンテナ装置300は、アンテナ360の構造と、その配置位置において、図4に示す第二実施形態の車車間通信用アンテナ装置200と異なる。残りの構成は、第二実施形態と同じである。従って、アンテナ360を除く部分について第二実施形態の符号と同じ符号を参照し、第二実施形態と異なる部分について説明する。
アンテナ360は、円盤アンテナである。アンテナ360は、実質的に平行に配置された2枚の基板361,363及びアンテナ素子362,364を有する。アンテナ素子362は基板361の上に形成されている。別のアンテナ素子364は基板363の上に形成されている。アンテナ素子362は、グラウンド素子として機能する。アンテナ素子362,364は円状に広がっている。アンテナ素子364には金属製の柱365が電気的に接続されている。つまり、金属製の柱365の一端にアンテナ素子364が電気的に接続されている。金属製の柱365の他端は、アンテナ素子362とは接続されておらず、給電点として機能する。基板363は、樹脂366に埋設されている。
このため、本実施形態の車車間通信用アンテナ装置300は、法線210Uが上方向Uに向かう面積の広い上壁212を有する。樹脂材料で形成された上壁212を利用することで、広い面を有するアンテナ360が採用できる。アンテナ360は、例えばロッドアンテナ又はコイルアンテナと比べて軽量であり、小型である。従って、車車間通信用アンテナ装置300の大型化を抑制することができる。
また、車車間通信用アンテナ装置300は、リーン車両の前後方向FBでアンテナ360(ここではアンテナ360の後端)よりも後方Bに配置される金属材料を有しない。従って、アンテナ160から放射される電波の、機能部140による干渉が抑制される。
第一実施形態から第三実施形態までの車車間通信用アンテナ装置300は、リーン車両1A(図1参照)のフレーム3に固定されたリヤフェンダ15に取り付けられている。
続いて、車車間通信用アンテナ装置が、フレームに対し移動可能なリヤフェンダに取り付けられた第四実施形態を説明する。
リーン車両1Bは、スポーツタイプの自動二輪車である。リーン車両1Bは、図1を参照して説明したスクータタイプのリーン車両1Aと同じ基本的構造を有している。リーン車両1Bは、フレーム3Bと、リヤフェンダ15Bと、車車間通信装置9Bと、ライセンスプレートライト20Bと、車車間通信用アンテナ装置200とを有している。
本実施形態に係るリーン車両1Bは、リアアーム4Bを備えている。リアアーム4Bは、フレーム3Bに揺動可能に支持されている。後輪19は、リアアーム4Bに支持されている。
リヤフェンダ15Bには、車車間通信用アンテナ装置400が直接に取り付けられている。
また、車車間通信用アンテナ装置400の構造及び機能は、図2のパート(b)、パート(c)及び図3を参照して説明した第一実施形態の車車間通信用アンテナ装置100と同じである。
続いて、ライセンスプレートライト機能を有する車車間通信用アンテナ装置が、フレームに対し移動可能なリヤフェンダに取り付けられた第五実施形態を、図7を参照して説明する。
図8(B)は、アンテナの変形例としてアンテナセットを構成する2枚のアンテナ760A,760Bを示す図である。
例えば、図8(B)に示すように、2枚のアンテナ760A,760Bが互いに異なる方向を向けて上述した車車間通信用アンテナ装置(100〜500)に配置されてもよい。2枚のアンテナ760A,760Bは、アンテナセットを構成する。この場合、アンテナ760A,760Bの少なくとも1つが、後壁(図3の111,図4の211)又は上壁(図5の212)に沿って配置される。
アンテナ760A,760Bの双方が、後壁(図3の111,図4の211)又は上壁(図5の212)に沿って配置されることも可能である。即ち、アンテナ760A,760Bの双方が、後壁(図3の111,図4の211)又は上壁(図5の212)と45°未満の角度を有して配置される。
9,9B 車車間通信装置
15,15B リヤフェンダ
100,200,300,400,500 車車間通信用アンテナ装置
RU リフレクタユニット
LU ライセンスプレートライトユニット
110,210 筐体
111,211 後壁
113,313 前壁
113h 貫通穴
140,240 機能部
150,250 取付部
160,360,660,760A,760B アンテナ(板状アンテナ、基板状アンテナ)
161,361,363 基板(板)
162,362,364 アンテナ素子
170 同軸ケーブル
212 上壁
270 同軸ケーブル
Claims (5)
- 左旋回中に車両左方向に傾斜し右旋回中に車両右方向に傾斜するリーン車両に設けられ、前記リーン車両の周辺に存在する周辺車両との通信を行うための車車間通信用アンテナ装置であって、
前記車車間通信用アンテナ装置は、
前記リーン車両のリヤフェンダに直接に取り付けられると共に光を出力するリフレクタユニット又はライセンスプレートライトユニットと、
前記リヤフェンダに直接に取り付けられると共に光を出力する前記リフレクタユニット又は前記ライセンスプレートライトユニットに収容され、少なくとも電波を送信するアンテナと、
を備える
ことを特徴とする車車間通信用アンテナ装置。 - 請求項1に記載の車車間通信用アンテナ装置であって、
前記リフレクタユニット、又は前記ライセンスプレートライトユニットは、前記アンテナを収容する筐体と、
前記筐体の内部から前記筐体の外部へ光を出力する機能部とを備え、
前記アンテナは、前記機能部から出力される光の進路を避けた位置に配置される
ことを特徴とする車車間通信用アンテナ装置。 - 請求項2に記載の車車間通信用アンテナ装置であって、
前記車車間通信用アンテナ装置は、前記車車間通信用アンテナ装置が直立状態の前記リーン車両に取付けられた状態における前記リーン車両の前後方向で前記アンテナよりも後方に配置される金属材料を有しない
ことを特徴とする車車間通信用アンテナ装置。 - 請求項2又は3に記載の車車間通信用アンテナ装置であって、
前記車車間通信用アンテナ装置は、前記アンテナと電気的に接続された同軸ケーブルをさらに備え、
前記筐体は、前記車車間通信用アンテナ装置が直立状態の前記リーン車両に取付けられた場合に、前記リーン車両の前後方向において前記アンテナよりも前方に配置され、前記リーン車両における前方に向かう法線を有する面を含み、前記同軸ケーブルが通る貫通穴が設けられた前壁を有する
ことを特徴とする車車間通信用アンテナ装置。 - 左旋回中に車両左方向に傾斜し右旋回中に車両右方向に傾斜するリーン車両であって、
前記リーン車両は、
リヤフェンダと、
前記リーン車両の周辺に存在する周辺車両との通信を行う車車間通信装置と、
前記リヤフェンダに取り付けられ、前記車車間通信装置と電気的に接続された請求項1から4いずれか1項に記載の車車間通信用アンテナ装置とを備える
ことを特徴とするリーン車両。
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