JP6927420B2 - スライディングゲート - Google Patents

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Description

本発明は、鋼等の溶融金属の連続鋳造における、レードルからタンディッシュあるいはタンディッシュからモールドへの溶融金属の注入過程において、溶融金属の流量を調整するスライディングゲートに関する。具体的には、スライディングゲートを利用して、溶融金属流を旋回させる方法に関する。
本願は、2018年4月11日に、日本国に出願された特願2018−075947号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
鋼等の溶融金属の連続鋳造において、図1に示すように、レードル14からタンディッシュ15に溶融金属21を注入し、さらにタンディッシュ15から鋳型16に溶融金属21を注入する。それぞれの溶融金属21の注入過程において、溶融金属21の流量を調整するために、スライディングゲート1が用いられる。スライディングゲート1は、通常、2枚又は3枚のプレート2からなり、それぞれのプレート2には溶融金属21が通過する流路孔6が設けられる。図10、図11は、スライディングゲート1が3枚のプレートからなる場合を示している。接触するプレート相互間で摺動が可能であり、3枚のプレートのうちの1枚は、摺動面30に沿って移動可能に設けられ、スライド板4と呼ばれる。残り2枚のプレート2は、スライディングゲート1が取り付けられるレードル14あるいはタンディッシュ15に対して相対移動せず、固定板(上固定板3、下固定板5)と呼ばれる。スライド板4を摺動させることにより、隣接するプレート2(固定板)間の流路孔6の重なりである開口部の開口面積を調整し、これによって溶融金属21の流量調整を行うとともに、スライディングゲート1の開閉を行うことができる。図10は開口部が全開の場合、図11は開口部が1/2開度の場合を示している。
レードル14の底部に設けられたスライディングゲート1の下部には、ロングノズル12等の注入管11が設けられている。レードル14のスライディングゲート1から流出した溶融金属21は、タンディッシュ15に注入する際に、注入管11内部の流路を経由してタンディッシュ15内に導かれる。また、タンディッシュ15の底部に設けられたスライディングゲート1の下部には、浸漬ノズル13等の注入管11が設けられている。タンディッシュ15のスライディングゲート1から流出した溶融金属21は、鋳型16内に注入する際に、注入管11内部の流路を経由して鋳型16内に導かれる。
レードル14の底部のスライディングゲート1から流出する溶融金属21は、スライディングゲート1を通過する時点で既に下流側に向けた流速を有しており、注入管11中を落下する過程でさらに溶融金属21の流速が増大する。タンディッシュ15内に注がれた溶融金属21は、タンディッシュ15の底部を高速度で通過する流れを形成し、溶融金属21中に含まれる非金属介在物がタンディッシュ15内で十分に浮上分離する機会を得ることができず、非金属介在物が溶融金属21とともに直接、鋳型16内に流入することとなり、鋳片の品質低下の原因となる。
注入管11内において溶融金属21の流れを旋回させると、流動する溶融金属21の運動エネルギーの一部を旋回流速に分配し、下方に向かう溶融金属21の流速を低減することができる。これにより、注入管11からタンディッシュ15内に吐出する下方に向けた流れの最大流速が低下し、吐出流によるタンディッシュ15内の流動の乱れを抑制できることが知られている。例えば、特許文献1には、レードルからタンディッシュへの注入に用いられるロングノズル内に旋回付与機構を設ける方法が開示されている。
タンディッシュ15の底部のスライディングゲート1を経由して浸漬ノズル13等の注入管11から鋳型16内に溶融金属21を注入する際に、浸漬ノズル13の内部の流路に非金属介在物が付着することが知られている。特許文献2においては、浸漬ノズル内流路のノズル狭窄や閉塞を低減するために、タンディッシュから鋳型への注入過程にある中間ノズルの形状を工夫し、浸漬ノズル内に旋回流を付与する方法が開示されている。
また、特許文献3には、タンディッシュから鋳型への注入に用いられる浸漬ノズルの内部に旋回付与機構(羽根)を設ける方法が開示されている。さらに、特許文献4には、スライディングゲートの流路に切り欠きを設けて溶鋼を旋回させる方法が開示されている。
日本国特開2006−346688号公報 日本国特開平07−303949号公報 日本国特開2000−237852号公報 日本国特許第3615437号公報
特許文献1や特許文献4の方法は、壁面近傍の流れに限定的に旋回を付与するもので、得られる旋回が弱いことや、溝や切り欠きが溶損して旋回付与効果が維持できないことが問題であった。
特許文献2の方法は、旋回を付与する機構の形状が複雑で製造が困難であることが問題であった。
特許文献3の方法は、浸漬ノズル内の旋回付与機構およびその周囲が非金属介在物によって閉塞しやすいことが問題であった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消し、溶融金属を注入する注入管内において十分な強さの旋回流を、注入管上部に配設されたスライディングゲートの構造を工夫することにより、コンパクトかつ平易な機構で、流路の閉塞リスクを増すことなく付与することができる、スライディングゲートの提供を目的とする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、後述する各態様を採用する。なお、本発明では、レードルからタンディッシュへ溶鋼を注入するロングノズル等の注入管、タンディッシュから鋳型内へ溶融金属を注入する浸漬ノズル等の注入管を、総称して単に「注入管」と呼ぶ。
本発明者は、注入管内の流路を流下する溶融金属に旋回方向の流速を付与して下流方向への流速を低減するにあたり、従来技術の問題点を解消する方法について考察と実験を重ねた。その際、流路の閉塞を防止する観点から、流路を二分する羽根のような構造物を流路内に内挿することは避けた。そして、注入管と、その上部に配設されたスライディングゲートを含めた既存の流路を構成する部分の中で、流路を急激に絞り激しい流れを付与しているスライディングゲートに注目し、その形状を工夫することによって、注入管内の溶融金属流に旋回を与えることとした。
その第1の理由は、スライディングゲート内で絞られた小断面かつ高速の流れを対象とすることによって、旋回付与機構がコンパクトに構成できることである。その第2の理由は、注入管の流路内において下降流に周方向流速を付与しようとすると、注入管内の流動が乱れ、注入管耐火物の損傷や非金属介在物の付着を促進する懸念がある。これに対し、元々激しい流れを生じているスライディングゲート内では新たに乱れが生じるリスクが少ないからである。また、スライディングゲートの複数枚のプレートに穿つ異なる方向の斜孔を組み合わせることにより、1個の部材では形成することが難しい複雑な流路構造を実現できるのである。
本発明は、かかる観点から考案されたものであり、スライディングゲートのプレートに穿つ流路孔の形状を工夫して旋回流を得るものである。本発明においては、流路閉塞や流路壁溶損を引き起こさないよう、個々の流路の断面形状を複雑にしないことに留意した。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)本発明の一態様は、溶融金属が通過する流路孔が形成された複数枚のプレートを有し、前記複数枚のプレートのうちの少なくとも1枚のプレートが摺動可能なスライド板であり、前記溶融金属の流量調整に用いられるスライディングゲートであって、
前記複数枚のプレートのそれぞれにおける前記流路孔は、前記プレートの表面のうち、通過する前記溶融金属の上流側に位置する上流側表面に上流側表面開孔を形成し、下流側に位置する下流側表面に下流側表面開孔を形成し、前記上流側表面開孔の図形の重心から前記下流側表面開孔の図形の重心に向く方向を流路軸線方向としたとき、
前記複数枚のプレートの摺動面に垂直な下流方向である摺動面垂直下流方向と前記流路軸線方向との間の流路軸線傾斜角度αが5°以上75°以下であり、
前記流路軸線方向を前記摺動面に投影した方向を摺動面流路軸線方向と呼び、前記スライディングゲートを閉とする際の前記スライド板の摺動方向を摺動閉方向と呼び、前記摺動閉方向に対し、前記摺動面流路軸線方向が、前記摺動面垂直下流方向に見て時計回りになす角度を±180度の範囲内である流路軸線回転角度θと呼び、前記流路軸線回転角度θが、互いに隣接する前記複数枚のプレート間で異なっており、前記複数枚のプレートの枚数を、1以上の整数Nを用いて合計でN枚とし、最も上流側にある前記プレートから数えてN枚目の前記プレートにかけて、前記複数枚のプレートの前記流路軸線回転角度θを順にθ1、θ2、・・・θNとし、角度Δθ=θN−θN+1(nは1以上の整数でプレート枚数−1まで)としたとき、前記角度Δθがいずれも10°以上かつ170°未満、又は、前記角度Δθがいずれも−170°超かつ−10°以下である。
(2)上記(1)に記載のスライディングゲートにおいて、前記複数枚のプレートの合計枚数が2枚もしくは3枚であり、前記スライド板の枚数が1枚であってもよい。
本発明の上記態様によれば、溶融金属の流量調整に用いられるスライディングゲートにおいて、それぞれのプレートにおける流路孔の流路軸線方向と摺動面垂直下流方向との間の流路軸線傾斜角度αが5°以上75°以下であり、流路軸線方向を摺動面に投影した摺動面流路軸線方向が、プレート相互間で相違し、下流に行くに従って時計回り方向あるいは反時計回り方向に変化する。この構成によれば、スライディングゲートの流路孔内で溶融金属が旋回流を形成する。そして、スライディングゲートの下流側の注入管内においても、溶融金属が旋回流を形成するため、従来のスライディングゲートと比較し、下流方向に向かう最大流速を抑制することが可能となる。
連続鋳造装置のレードル、タンディッシュ、鋳型とスライディングゲートの関係の一例を示す概念縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るスライディングゲートを示す図であり、(A)は上固定板、(B)はスライド板、(C)は下固定板、のそれぞれ平面図である。(D)はスライディングゲートと注入管を組み合わせた正面図である。(E)は(D)のE−E矢視図であり、(F)は(A)のF−F矢視断面図である。 同スライディングゲートを示す図であり、(A)は(D)のA−A矢視図、(B)は(D)のB−B矢視図、(C)は(D)のC−C矢視図、(D)はスライディングゲートと注入管を組み合わせた正面図、(E)は(D)のE−E矢視図である。 同スライディングゲート内における溶融金属の流れを示す図であり、(A)は(D)のA−A矢視図、(B)は(D)のB−B矢視図、(C)は(D)のC−C矢視図、(D)はスライディングゲートと注入管を組み合わせた正面図、(E)は(D)のE−E矢視図である。 上記実施形態に係るスライディングゲートの変形例を示す図であり、(A)は上固定板、(B)はスライド板、(C)はスライディングゲートと注入管を組み合わせた正面図、(D)は(C)のD−D矢視図、(E)は(A)のE−E矢視断面図である。 上記実施形態に係るスライディングゲートの他の変形例を示す図であり、(A)は(C)のA−A矢視図、(B)は(C)のB−B矢視図、(C)はスライディングゲートと注入管を組み合わせた正面図、(D)は(C)のD−D矢視図である。 上記実施形態に係るスライディングゲートのさらに他の変形例を示す図であって、同スライディングゲートに備わる上固定板の一例を示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図、(D)は(A)のD−D矢視断面図である。 比較例のスライディングゲートを示す図であり、(A)は上固定板、(B)はスライド板、(C)はスライディングゲートと注入管を組み合わせた正面図、(D)は(C)のD−D矢視図、(E)は(A)のE−E矢視断面図である。 比較例のスライディングゲートを示す図であり、(A)はA−A矢視図、(B)はB−B矢視図、(C)はスライディングゲートと注入管を組み合わせた正面図、(D)は(C)のD−D矢視図である。 従来のスライディングゲートを示す図であり、(A)は上固定板、(B)はスライド板、(C)は下固定板、のそれぞれ平面図である。(D)はスライディングゲートと注入管を組み合わせた正面図である。(E)は(D)のE−E矢視図、(F)は(A)のF−F矢視断面図である。 従来のスライディングゲートを示す図であり、(A)は(D)のA−A矢視図、(B)は(D)のB−B矢視図、(C)は(D)のC−C矢視図、(D)はスライディングゲートと注入管を組み合わせた正面図、(E)は(D)のE−E矢視図である。
図1〜図11に基づいて本発明の実施形態及びその変形例について説明する。なお、以下の説明において、従来技術と本実施形態及びその変形例との対応関係を明確に説明するために、同一の参照符号を用いている。しかし、参照番号が同一であっても、図10及び図11に関する説明は従来技術を示し、図1〜図9に関する説明は本発明の実施形態及びその変形例を示す。
鋼等の溶融金属の連続鋳造におけるレードル14からタンディッシュ15、あるいはタンディッシュ15から鋳型16への溶融金属21の注入過程において、溶融金属21の流量を調整する目的でスライディングゲート1が用いられる。2枚もしくは3枚のプレート2を重ねて構成されたスライディングゲート1において、各プレート2には流路孔6がそれぞれ設けられている。スライディングゲート1を構成する複数枚のプレートのうちのスライド板4を摺動させ、各プレート2の流路孔6間の重なりによってスライディングゲート1が「開」となっているとき、流路孔6の上流側から下流側に向けて溶融金属21が流通する。プレート2の摺動面30に垂直で下流方向に向かう方向(以下、摺動面垂直下流方向32と称する)は、通常は、上から下に向かって鉛直下方に向いている。一方、水平連続鋳造の場合には、摺動面垂直下流方向32は水平方向を向いている。以下では、基本的に、摺動面30が水平であり、摺動面垂直下流方向32が鉛直下方である場合を例にとって説明することとする。
プレート2の流路孔6は、従来構成の場合、図10、図11に示したように、通常はその内周形状が円筒形であり、円筒の軸線方向は摺動面垂直下流方向32に平行に構成されている。これに対し、本実施形態では、図2〜図9に示すように、流路孔6の中心軸線の向く方向を、摺動面垂直下流方向32からある角度を持った斜孔としている。さらに、本実施形態では、摺動面30に投影した斜孔の方向を2枚ないしは3枚のプレート間で互いに異なった方向にしたものを適宜組み合わせている。この構成によって、スライディングゲート1及びその下流側の注入管11内部の溶融金属流について、下流側に向かう流れのみでなく、周方向流速を付加して旋回流を形成する。
流路孔6の断面形状として、通常は軸線方向に垂直な断面が真円の円筒形状が用いられる。本実施形態のスライディングゲート1において、プレート2に形成される流路孔6は、円筒形状のみに限られるものではなく、また流路孔6の軸線方向についても、プレート2内において変化するものであってもかまわない。そこでまず、プレート2に形成された流路孔6の軸線を定義することとする。
まず先に、図10によって、従来のスライディングゲート1の流路孔6について説明する。図10のスライディングゲート1は、3枚のプレート2を有し、上流側から上固定板3、スライド板4、下固定板5からなる。各プレート2には、断面が真円の円筒形状であって、円筒の軸線方向が摺動面30に対し垂直下流方向(以下、摺動面垂直下流方向32と称する)に向いた流路孔6が形成されている。各プレート2の上流側表面を上流面7u、下流側表面を下流面7dと呼ぶ。上流面7uにおいて流路孔6の内周面が形成する図形(上流側表面開孔)を上流開孔8uと呼ぶ。また、下流面7dにおいて流路孔6の内周面が形成する図形(下流側表面開孔)を下流開孔8dと呼ぶ。図10に示す例では流路孔6の円筒形状の軸線が摺動面30に対して垂直であるため、図10の(A)〜(C)に示す平面視においては、上流開孔8uと下流開孔8dとが重なっている。上流開孔8u、下流開孔8dの形状をそれぞれ図形として見なすと、これら図形の重心を定義することができる。それぞれ、上流側表面開孔図形重心を上流開孔重心9u、下流側表面開孔図形重心を下流開孔重心9dと呼ぶこととする。図10に示す例では、上流開孔8u、下流開孔8dともに図形形状が真円であるため、上流開孔重心9u、下流開孔重心9dは真円図形の中心と一致している。次に、上流開孔重心9uと下流開孔重心9dを通過し、下流側に向く方向を、流路軸線方向10と定義する。図10に示す例では、流路軸線方向10が摺動面垂直下流方向32と同じ方向となる。図10の(F)おいて、一点鎖線で描写した線が流路軸線方向10である。
次に、図2によって、本実施形態のスライディングゲート1の流路孔6について説明する。図2のスライディングゲート1は、3枚のプレート2を有し、上流側から上固定板3、スライド板4、下固定板5からなる。各プレート2には、軸線方向断面が真円の円筒形状であって、円筒の軸線方向が摺動面垂直下流方向32から傾いた方向となる流路孔6が形成されている。図2の(A)及び(F)により、上固定板3を例にとって説明する。図2の(F)は、図2の(A)のF−F矢視断面図である。流路孔6がなす円筒形状の軸線方向が摺動面垂直下流方向32に対して傾いているため、図2の(A)の平面視において上流開孔8uと、下流開孔8dとが異なった位置に描かれている。軸線方向断面が真円で、軸線方向が摺動面垂直下流方向32から傾いた円筒形状であるため、上流開孔8uと下流開孔8dとはそれぞれ僅かに真円から外れた長円を形成している。ただし、図面上は便宜上、真円として描画している。上流開孔8uと下流開孔8dそれぞれの図形の重心を上流開孔重心9u、下流開孔重心9dとして定めることができる。さらに、上流開孔重心9uと下流開孔重心9dとを通過して下流側に向くように、流路軸線方向10を定めることができる。図2の(F)おいて、一点鎖線で描写した線が流路軸線方向10である。図2に示す例では、流路軸線方向10は、流路孔6を形成する、軸線方向断面が真円の円筒形状の軸線方向と一致している。ここにおいて、プレート2の摺動面30に垂直な下流方向(摺動面垂直下流方向32)と流路軸線方向10とがなす角度を流路軸線傾斜角度αとおく。ここで、流路軸線方向を定めるのに円の中心ではなく開孔重心を用いているのは、開孔形状が真円でない場合にも普遍的に流路軸線方向を定義するためである。
図10に示した従来技術の例では、上固定板3の下流開孔8dとスライド板4の上流開孔8u、スライド板4の下流開孔8dと下固定板5の上流開孔8uが、それぞれ一致するように、スライド板4の摺動位置が定まっており、即ちスライディングゲート1は全開の状態である(図10の(D)参照)。図10に示すスライディングゲート1は、スライド板4を図の左方向に移動させることにより、スライディングゲート1の開度を全開状態から小さくすることができる。図11は、図10と同じスライディングゲート1について、開度を1/2とした状態を示している。スライド板4の位置をさらに図の左側に移動させることにより、スライディングゲート1を全閉とすることができる。
図2、図3に示す例でも同様である。図2は、スライディングゲート1が全開であり、上固定板3の下流開孔8dとスライド板4の上流開孔8u、スライド板4の下流開孔8dと下固定板5の上流開孔8uが、それぞれ互いに一致するように、スライド板4の摺動位置が定まっている。図3は図2と同じスライディングゲート1について、スライディングゲート1の開度が1/2の状態を示している。スライディングゲート1を閉とするときにスライド板4を摺動する方向を、以下「摺動閉方向33」と呼ぶ。
図2に示す本実施形態では、流路軸線方向10が摺動面垂直下流方向32に対して流路軸線傾斜角度αで傾いている。そのため、流路軸線方向10を摺動面30に投影した方向を摺動面流路軸線方向31としたとき、摺動面流路軸線方向31を定めることができる。図2の(A)〜(C)、(F)のそれぞれにおいて、摺動面流路軸線方向31を細線矢印で示している。なお、図2の(A)〜(C)では、摺動面流路軸線方向31が流路軸線方向10と重なっている。また、図10に示す例では、流路軸線方向10が摺動面垂直下流方向32を向いているため、図10の(A)〜(C)に示す平面視では、摺動面流路軸線方向31が現れない。
次に、摺動面流路軸線方向31と摺動閉方向33との間の角度関係について定義する。摺動閉方向33に対し、摺動面流路軸線方向31が、摺動面垂直下流方向32に見て時計回りになす角度を流路軸線回転角度θと呼ぶ。流路軸線回転角度θは、±180°の範囲内の角度として定義する。即ち、摺動面流路軸線方向31が、摺動面垂直下流方向32に見て時計回りに+180°を超える角度(θ’)となったときには、「θ=θ’−360°」として、角度θをマイナスの値として定める。角度θの下添え字として、最も上流側のプレート2のθをθ1、その一つ下流側のプレート2のθをθ2、さらに一つ下流側のプレート2のθをθ3と順に番号を付ける。代表してθNと表現するとき、Nは1以上の整数でスライディングゲート1のプレート枚数までの数値を意味する。図2に示す例では、上固定板3は角度θ1=−45°、スライド板4は角度θ2=+90°、下固定板5は角度θ3=−135°となる。
さらに、スライディングゲート1において、相互に接する2枚のプレート2間の流路軸線回転角度θの関係について以下のように定義する。即ち、複数枚のプレート2の枚数を、1以上の整数Nを用いて合計でN枚とする。そして、最も上流側にあるプレート2から数えてN枚目の前記プレートにかけて、複数枚のプレート2の流路軸線回転角度θを順に、θ1、θ2、・・・θNとする。そして、角度Δθn=θN−θN+1(nは1以上の整数でプレート枚数−1まで)としてΔθnを定める。Δθnは、上記θNと同様、±180度の範囲の角度として定義する。即ち、Δθnが+180°を超える角度(Δθn’)となったときには、「Δθn=Δθn’−360°」として、Δθnをマイナスの値として定める。また、Δθnが−180°未満の角度(Δθn’)となったときには、「Δθn=Δθn’+360°」として、Δθnをプラスの値として定める。これにより、Δθnは±180°の範囲内の数字となる。ここで、Δθnが0°超+180°未満の場合には、上流から下流に向けて、流路軸線回転角度θNが反時計回りに変化していることを示す。逆に、Δθnが−180°超0°未満の場合には、上流から下流に向けて、流路軸線回転角度θNが時計回りに変化していることを示す。図2に示す例では、Δθ1=θ1−θ2=−135°、Δθ2’=θ2−θ3=225°であるからΔθ2=Δθ2’−360°=−135°となる。Δθ1、Δθ2いずれも−180〜0°の範囲内にあるので、流路軸線回転角度θが時計回りに変化していることを示す。
以上のような準備のもと、本実施形態のスライディングゲート1が具備すべき条件とその理由について説明する。
従来のスライディングゲート1においては、図10、図11に示したように、流路軸線方向10が摺動面30に垂直であり、即ち流路軸線傾斜角度αが0°であり、傾きを有していなかった。それに対して本実施形態は、流路軸線方向10が摺動面垂直下流方向32に対して傾いており、流路軸線傾斜角度αが0°ではないことを第1の特徴とする。流路軸線が摺動面垂直下流方向32に対して傾いていることから、プレート内を流れる溶融金属は、摺動面垂直下流方向32の速度成分のみならず、摺動面垂直下流方向32に対して直角の速度成分(通常の連続鋳造であれば水平方向の速度成分)を有することとなる。本実施形態においては、流路軸線傾斜角度αが5°以上75°以下である。角度αを5°以上とすることにより、溶融金属21は十分な水平方向の速度成分を持つこととなり、下記に示すように注入管11内における旋回流の形成を可能とする。角度αは、好ましくは10°以上、より好ましくは15°以上である。一方、角度αが大きすぎると流路孔6を形成する耐火物の強度確保や損耗抑制の観点から好ましくないので、角度αを75°以下とする。角度αは、好ましくは65°以下、より好ましくは55°以下である。
連続鋳造中のスライディングゲート1の開口状況について、タンディッシュ15内の湯面レベルが一定で、一定鋳造速度で鋳造を行っている定常状態においては、レードル14の底部のスライディングゲート1、タンディッシュ15の底部のスライディングゲート1のいずれも、スライディングゲート1の開口を全開(図10参照)とするのではなく、開度を絞った状態(図11参照)で鋳造が行えるよう、スライディングゲート1の開度選択が行われている。図11はスライディングゲート1の開度が1/2である。この場合、スライディングゲート1の開口面積は、真円である流路孔6の開口面積の0.31倍と計算される。定常の連続鋳造中において、このように絞られた小面積が開口面積となる結果、スライディングゲート1のスライド板4よりも下流側については、流路内を最大流速が大きな流れが流れていく状況となる。
図3は、図2に示す形状の本実施形態のスライディングゲート1(開度全開)の開度を変更し、開度を1/2としたときのスライディングゲート1を示している。図3の(A)は(D)のA−A矢視図であり、上固定板3の下流開孔8dが一部実線、一部破線で描かれており、スライド板4については上流開孔8u(4)のみが同じく一部実線、一部破線で描かれている。図3の(B)は(D)のB−B矢視図であり、スライド板4の上流開孔8uが全部実線、下流開孔8dが一部実線、一部破線で描かれており、下固定板5の上流開孔8uが同じく一部実線、一部破線で、下流開孔8dが全部破線で描かれている。図3の(C)は(D)のC−C矢視図であり、下固定板5の上流開孔8uが全部実線、下流開孔8dが一部実線、一部破線で描かれている。
図3に示すように開度を1/2としたときの、スライディングゲート1の流路孔6内及び注入管11内の溶融金属21の流れについて、図4に基づいて説明を行う。図4において、図4の(A)は(D)のA−A矢視図であり、上固定板3の下流開孔8dが一部実線、一部破線で描かれており、スライド板4については上流開孔8uのみが同じく一部実線、一部破線で描かれている。図4の(B)は(D)のB−B矢視図であり、上固定板3の下流開孔8d(3)の位置が2点鎖線で示され、スライド板4の上流開孔8uが全部実線、下流開孔8dが一部実線、一部破線で描かれており、下固定板5の上流開孔8uが同じく一部実線、一部破線で、下流開孔8dが全部破線で描かれている。図4の(C)は(D)のC−C矢視図であり、スライド板4の下流開孔8d(4)の位置が2点鎖線で示され、下固定板5の上流開孔8uが全部実線、下流開孔8dが一部実線、一部破線で描かれている。また、溶融金属の流線18が、図4の(A)〜(C)には太線矢印で、(D)及び(E)には太破線矢印で示されている。
図2、図3のスライディングゲート1については、前述のように、隣接する流路軸線回転角度θNの差Δθnは、Δθ1=Δθ2=−135°であって、いずれもΔθnが−180°超0°未満であるから、上流から下流に向けて、流路軸線回転角度θNが時計回りに変化していることを示す。上固定板3の流路孔6内を流れる溶融金属流は、図4の(A)に示すように、上固定板3の流路軸線方向10に沿って流れる。上固定板3とスライド板4の接触面では、上固定板3の下流開孔8d(図4の(B)の2点鎖線)とスライド板4の上流開孔8u(図4(B)の実線)との重なり部(開口部)の小断面内を下流側に流下する。スライド板4の流路孔6内においては、上固定板3の下流開孔8d(図4の(B)の2点鎖線)とスライド板4の上流開孔8u(図4の(B)の実線)との重なり部(開口部)の小断面から流出した溶融金属流は、図4(B)に流線18を示すように、スライド板4の流路孔6の内側壁面(円筒面)に沿った旋回流を形成し、下流側の、スライド板4の下流開孔8d(図4の(C)の2点鎖線)と下固定板5の上流開孔8u(図4の(C)の実線)との重なり部(開口部)の小断面から、さらに下固定板5の流路孔6内に流出する。下固定板5の流路孔6内では、図4の(C)に流線18を示すように、下固定板5の流路孔6の内側壁面(円筒面)に沿った旋回流を形成し、そのまま、下流側の注入管11内に流出し、図4の(D),(E)に示すように、流路17内で流線18は旋回流を維持したまま、注入管11内を下流側に移動していく。
図11に示すような従来のスライディングゲート1を用いた場合、スライディングゲート1の開口部から流出する際に溶融金属流が有している運動エネルギーのすべてが下流方向に向かう流速に費やされている。それに対して、図3に示すような本実施形態のスライディングゲート1を用いた場合、スライディングゲート1から流出する際に、溶融金属流の運動エネルギーは下流方向に向かう流速と旋回して注入管11の内周面を旋回する旋回速度とに分散されるので、図11に示す従来のスライディングゲート1と比較して、下流方向に向かう最大流速を抑制することが可能となる。その結果、注入管11がロングノズル12である場合、注入管11の下端から溶融金属21がタンディッシュ15内の溶融金属21に流出するに際しても、注入管11内の旋回流に起因して、注入管11の下端から半径方向に向かう流速成分が存在する結果、注入管11の下端から下方向に向かう最大流速を抑制することができる。
スライディングゲート1の流路孔6内に旋回流を形成し、スライディングゲート1の下流側の注入管内においても旋回流を形成するための、互いに隣接するプレート2の流路軸線回転角度θN相互間の差である角度Δθnの条件について説明する。前述のように、Δθnは±180°の範囲内の角度として定義されている。ここにおいて、Δθn=−10°超かつ+10°未満の場合には、流路軸線回転角度θNとθN+1の差異が小さすぎ、旋回流を形成できない。一方、Δθnが+170°以上又は−170°以下の場合、Δθnの絶対値が大きすぎ、かえって旋回流の形成を阻害することとなる。スライディングゲート1が2枚のプレートを有する場合、Δθ1のみが定義され、このΔθ1が上記条件を満たしていればいい。スライディングゲート1が3枚以上のプレートを有する場合、Δθ1に加え、Δθ2、さらにはそれ以上のΔθnが定義される。そして、Δθnがいずれも10°以上かつ170°未満、又は角度Δθnがいずれも−170°超かつ−10°以下であることが必要である。これにより、プレート2の1枚目と2枚目の流路軸線方向10が時計回りに変化するときには3枚目以降についても同じように時計回りに変化し、プレート2の1枚目と2枚目の流路軸線方向10が反時計回りに変化するときには3枚目以降についても同じように反時計回りに変化するので、スライディングゲート1内で旋回流を有効に形成することが可能となる。Δθnのより好ましい範囲は、30°以上、165°未満、又は−165°超、−30°以下である。
スライディングゲート1を形成するプレート2の枚数は、2枚もしくは3枚であると好ましい。図2〜図4に示す例は、上述のとおり、プレート2の数が3枚の場合である。図5、図6は、プレート2の数が2枚であり、上流側から1枚目が上固定板3を構成し、2枚目がスライド板4を構成している。図5は開度が全開、図6は開度が1/2の場合である。α=51.95°、θ1=−26.57°、θ2=+26.57°であり、Δθ1=−53.14°であって、時計回りの旋回流を形成することができる。スライディングゲート1を形成するプレート2の枚数が2枚もしくは3枚であると好ましい理由は、スライディングゲート1の絞り機構発現には最低2枚のプレート2が必要であり、4枚以上のプレート2は流量調整に不要で、プレート2の枚数の増加に伴いコストが上昇するからである。
プレート2に形成する流路孔6については、図7に示すような形状の流路孔6とすることもできる。図7は上固定板3の一例を示す。プレート2の上流面7uから厚みの途中までは、流路孔6の形状は、断面真円の円筒形状であって、円筒の軸線が摺動面垂直下流方向32に向いている。プレート2の下流面7dから厚みの途中までは、流路孔6の形状は、断面真円の円筒形状であって、円筒の軸線が摺動面垂直下流方向32から傾斜して形成されている。プレート2の厚み途中において、上流面7uからの流路孔6と下流面7dからの流路孔6とが段差なく接続されている。このような形状の流路孔6を有するプレート2においても、図7の(D)に示すように、上流側表面開孔図形の重心(上流開孔重心9u)から下流側表面開孔図形の重心(下流開孔重心9d)に向く方向を流路軸線方向10として定義することができる。
なお、以下に示す実施例および比較例では、スライディングゲート1を構成するプレート2の厚みは同一としたが、スライド板4が最も薄いなど、プレート2毎に厚みが異なっていても構わない。また、これらの実施例および比較例では、スライディングゲート1の各プレート2の入口および出口の流路孔形状は同じ大きさの円である例を示したが、これが楕円もしくは長円であっても、本発明の規定を満たす限りにおいては、旋回流を得ることが可能である。あるいはその開孔面積が各プレート2の入口および出口間で異なっていても構わない。
角度αについては、上固定板3の上部では0°、下部では30°といった具合に、途中から角度を付与しても構わない。また、徐々に角度を変更することも可能である。角度αは、全てのプレート2で同一であっても異なっていても構わない。
以下に、実施例を示して本実施形態の内容を具体的に説明する。
図1は、溶融金属の連続鋳造機のレードル14(取鍋)から鋳型16(モールド)までの構成を示す。実施例では溶融金属21として溶鋼を想定している。本実施形態は、例えばレードル14のスライディングゲート1に適用すると、スライディングゲート1の下流側に接続した注入管11(ロングノズル12)内に旋回流を形成し、注入管11の下端からタンディッシュ15内の溶鋼中に吐出する吐出流の最大流速を低減し、タンディッシュ15内の流動を整流化し非金属介在物の浮上除去を促進するなどの効果が期待できる。本実施例のスライディングゲート1の形状を以下に例示する。
ここで、3枚のプレート2を有するスライディングゲート1のプレート2を上から順に、上固定板3、スライド板4、下固定板5と呼ぶ。2枚のプレート2を有するスライディングゲート1の場合は、上から順に、上固定板3、スライド板4、と呼ぶ。
プレート2の摺動面30に垂直な下流方向(摺動面垂直下流方向32)と流路軸線方向10とがなす流路軸線傾斜角度α、摺動面流路軸線方向31が摺動面垂直下流方向32に見て時計回りになす角度である流路軸線回転角度θ(±180度の範囲)について、最も上流側のプレート2から潤に、下添え字1、2(、3)を付している。流路軸線傾斜角度αについては、最も上流側のプレート2のαをα1、その一つ下流側のプレート2のαをα2、さらに一つ下流側のプレート2のαをα3と順に番号を付ける。流路軸線回転角度θについては、最も上流側のプレート2のθをθ1、その一つ下流側のプレートのθをθ2、さらに一つ下流側のプレートのθをθ3と順に番号を付ける。
レードル14とタンディッシュ15について、実機の1/1の水モデル実験機を用い、本発明の効果を確認した。スライディングゲート1の各プレート2の厚さは35mm、プレート2に形成された流路孔6の形状は直径80mmの真円形状で流路軸線傾斜角度αと流路軸線回転角度θを所定の角度としたものを用いている。スライディングゲート1の下方に設ける注入管11としてのロングノズル12は、内径を100mmとし、ロングノズル12の下端はタンディッシュ15内の水浴中に浸漬している。レードル14内の水面からスライディングゲート1位置までの高さは3m、レードル14底部のスライディングゲート1からタンディッシュ15内の水面までの高さは1m、スライディングゲート1のスライド板4の位置を調整して開度を30mm(全開から50mm閉)とし、タンディッシュ15内の水面位置を一定高さに保持しつつ、スライディングゲート1から定常状態で水を流出させた。
ロングノズル12の下端位置において、ロングノズル12の下端からタンディッシュ15内に流出する水の流れ方向別の流速を、レーザードップラー法によって計測した。ロングノズル12の下端位置において、水平方向の流速が存在する場合には「旋回流評価結果」を「GOOD」に、水平方向の流速が存在しない場合には「BAD」に表示した。
Figure 0006927420
本発明例A(表1および図2〜図4参照)では、3枚プレート式のスライディングゲート1の上固定板3にはθ1=−45°の斜孔、スライド板4にはθ2=90°の斜孔、下固定板5にはθ3=−135°の斜孔を穿っている。流路軸線傾斜角度α1〜α3は表1に示す。その組み合わせによって、スライディングゲート1が全開であっても絞られていても、溶融金属流に周方向流速を付与し、スライディングゲート1の下方に取り付けた注入管11の流路17内部に旋回流を形成することができる。旋回流評価結果はGOODであった。
なお、本発明例Aでは、上固定板3入口(上流開孔8u)の真下に下固定板5出口(下流開孔8d)が位置する。この場合、スライディングゲート1の3枚のプレート2を、図10、図11に示す従来例から、図2、図3に示す本発明例に交換するだけで、本発明の適用が可能である。
本発明例B(表1および図5、図6参照)では、2枚プレート式のスライディングゲート1の上固定板3にはθ1=−26.57°の斜孔、スライド板4にはθ2=26.57°の斜孔を穿っている。流路軸線傾斜角度α1〜α2は表1に示す。その組み合わせによって、スライディングゲート1が全開であっても絞っていても、溶融金属流に周方向流速を付与し、スライディングゲート1下方に取り付けた注入管11の流路17内部に旋回流を形成することができる。なお、本発明例Bでは、上固定板3入口(上流開孔8u)の摺動軌跡の真下にスライド板4出口(下流開孔8d)の摺動軌跡があるので、スライディングゲート金物の改造が最小限で済む。旋回流評価結果はGOODであった。
比較例C(表1および図8、図9参照)は、本発明例Bに似た構成ではあるが、θ1とθ2との差が180°あるので、旋回が得られない例である。旋回流評価結果はBADであった。
比較例D(表1および図10、図11参照)は、流路軸線傾斜角度αが全て0°である通常のスライディングゲート1である。旋回流評価結果はBADであった。
本発明のスライディングゲートによれば、従来技術の問題点を解消し、溶融金属を注入する注入管内において十分な強さの旋回流を、コンパクトかつ平易な機構で、流路の閉塞リスクを増すことなく付与することができる。
1 スライディングゲート
2 プレート
3 上固定板
4 スライド板
5 下固定板
6 流路孔
7u 上流面(上流側表面)
7d 下流面(下流側表面)
8u 上流開孔(上流側表面開孔)
8d 下流開孔(下流側表面開孔)
9u 上流開孔重心(上流側表面開孔図形重心)
9d 下流開孔重心(下流側表面海溝図面重心)
10 流路軸線方向
11 注入管
12 ロングノズル
13 浸漬ノズル
14 レードル
15 タンディッシュ
16 鋳型
17 流路
18 流線
21 溶融金属
30 摺動面
31 摺動面流路軸線方向
32 摺動面垂直下流方向
33 摺動閉方向
α 流路軸線傾斜角度
θ 流路軸線回転角度

Claims (2)

  1. 溶融金属が通過する流路孔が形成された複数枚のプレートを有し、前記複数枚のプレートのうちの少なくとも1枚のプレートが摺動可能なスライド板であり、前記溶融金属の流量調整に用いられるスライディングゲートであって、
    前記複数枚のプレートのそれぞれにおける前記流路孔は、前記プレートの表面のうち、通過する前記溶融金属の上流側に位置する上流側表面に上流側表面開孔を形成し、下流側に位置する下流側表面に下流側表面開孔を形成し、前記上流側表面開孔の図形の重心から前記下流側表面開孔の図形の重心に向く方向を流路軸線方向としたとき、
    前記複数枚のプレートの摺動面に垂直な下流方向である摺動面垂直下流方向と前記流路軸線方向との間の流路軸線傾斜角度αが5°以上75°以下であり、
    前記流路軸線方向を前記摺動面に投影した方向を摺動面流路軸線方向と呼び、前記スライディングゲートを閉とする際の前記スライド板の摺動方向を摺動閉方向と呼び、前記摺動閉方向に対し、前記摺動面流路軸線方向が、前記摺動面垂直下流方向に見て時計回りになす角度を±180度の範囲内である流路軸線回転角度θと呼び、前記流路軸線回転角度θが、互いに隣接する前記複数枚のプレート間で異なっており、前記複数枚のプレートの枚数を、1以上の整数Nを用いて合計でN枚とし、最も上流側にある前記プレートから数えてN枚目の前記プレートにかけて、前記複数枚のプレートの前記流路軸線回転角度θを順にθ1、θ2、・・・θNとし、角度Δθn=θN−θN+1(nは1以上の整数でプレート枚数−1まで)としたとき、前記角度Δθnがいずれも10°以上かつ170°未満、又は、前記角度Δθnがいずれも−170°超かつ−10°以下である
    ことを特徴とする、スライディングゲート。
  2. 前記複数枚のプレートの合計枚数が2枚もしくは3枚であり、前記スライド板の枚数が1枚であることを特徴とする、請求項1に記載のスライディングゲート。
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