JP2909110B2 - スライディングゲート用プレートの上固定盤 - Google Patents

スライディングゲート用プレートの上固定盤

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JP2909110B2
JP2909110B2 JP1301919A JP30191989A JP2909110B2 JP 2909110 B2 JP2909110 B2 JP 2909110B2 JP 1301919 A JP1301919 A JP 1301919A JP 30191989 A JP30191989 A JP 30191989A JP 2909110 B2 JP2909110 B2 JP 2909110B2
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内匠 西尾
悦弘 長谷部
俊幸 吉川
弘 引間
啓造 林田
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Coorstek KK
Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
Toshiba Ceramics Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、スライディングゲート用プレートの上固定
盤に関し、特に溶鋼流出孔の形状を改良したスライディ
ングゲート用プレートの上固定盤に係わる。
[従来の技術と課題] 従来、スライディングゲート用プレートの上固定盤と
しては、例えば第2図に示すものが知られている。
図中の1は、中央部が上下方向に開口したプレート本
体である。このプレート本体1の内壁面には、ガス導入
路2に連通した環状スリット部3が設けられている。こ
のプレート本体1の内側には、ガスチャンネル4が一体
化されている。このガスチャンネル4の側壁には、放射
状のガス吹き孔5が前記スリット部3と連通して設けら
れている。前記プレート本体1とガスチャンネル4によ
りストレートな溶鋼流出孔6が構成されている。
しかしながら、第2図図示の従来のプレートの上固定
盤においては、溶鋼流出孔6がストレートな形状となっ
ているため、タンディッシュからモールドに鋳造する時
に溶鋼流出孔6の壁面に薄皮が形成され、溶鋼金属(溶
鋼)がスムーズに鋳造されない。そのため、鋳造後に酸
素で吹かす作業を行なう必要が生じ、スラブの品質に悪
影響を及ぼしていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、溶鋼流
出孔の形状を改良して湯溜り部の体積を大きくすること
によって、溶鋼の流れが攪拌を促進するように作用し、
従来と比べて酸素による開孔率を向上し、もってスラブ
の品質を向上させることを可能にしたスライディングゲ
ート用プレートの上固定盤を提供しようとするものであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、タンディッシュからモールドに鋳造される
ときに使用されるスライディングゲート用プレートの上
固定盤において、 突出部が形成されたプレート本体と、このプレート本
体に嵌装されて開口部及び突出部の少なくとも一部を形
成するガスチャンネルと、前記ガスチャンネルを囲繞す
るように前記プレート本体に形成された環状スリット
と、前記ガスチャンネルの側壁に一端が前記開口部に、
他端が前記環状スリットにそれぞれ連通するように放射
状に設けられた複数のガス吹き孔と、前記環状スリット
に連通したガス導入路を有し、 前記開口部が上部方向に向かって突出部上端にいたる
まで径が広がっている第1開口部及びこの第1開口部に
連通した円筒状の第2開口部からなる溶鋼流出孔を形成
し、かつ前記第1開口部の最大直径をD1、第2開口部の
直径をD2及び第1開口部の傾斜角度をαとしたとき下記
式を満たすことを特徴とするスライディングゲート用プ
レート上の上固定盤。
D2<D1≦D2×5 …(1) 10mm≦D2≦100mm …(2) 5度≦α≦80度 …(3) 本発明において前記式(1)を規定した理由は、D1
D2×5を超えると、溶鋼流出孔の体積が大きくなりす
ぎ、ガスの供給量が増し、効率の良いガス吹き出しがで
きなくなるからである。一方、D1がD2と同等もしくはそ
れより小さくなると溶鋼流出孔内に溶鋼を十分に流すこ
とが困難になる。
本発明において前記式(2)を規定した理由は、D2
10mm未満にすると溶鋼流出孔内での溶鋼の通りが悪化し
て、開孔し難しくなるからである。一方、D2が100mmを
超えると、溶鋼流出孔の溶損が大きくなる恐れがある。
本発明において前記式(3)を規定した理由は、αを
5度未満にすると、溶鋼流出孔が殆ど垂直になり溶鋼の
流れによる攪拌効果を高めることができなくなるからで
ある。一方、αが80度を超えると、前記ガス導入路から
前記環状スリットおよび複数のガス吹き孔を通して溶鋼
流出孔に供給されたガスが殆ど上部側に流れて攪拌効果
を高めることができなくなる。
[作用] 本発明によれば、溶鋼流出孔の上部側の第1開口部と
この開口部に連通した下部側の第2開口部との径の関
係、並びに前記第2開口部の直径および前記第1開口部
の傾斜角度を前述した式(1)〜(3)を満たすように
することによって、従来と比べて溶鋼流出孔内での溶鋼
の流れが攪拌を促進するように作用し、溶鋼をスムーズ
に流すことができるため、スラブの品質を向上すること
が可能なスライディング用プレートの上固定盤を提供で
きる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例について第1図を参照して説
明する。
図中の11は、中央部が上下方向に開口したプレート本
体である。このプレート本体11の開口面には、例えばAr
ガス用のガス導入路12に連通した環状のスリット部13が
設けられている。このプレート本体11の開口には、開口
部および突出部を形成するガスチャンネル14が一体化さ
れている。前記ガスチャンネル14の側壁には、複数のガ
ス吹き孔15がそれらの一端を前記開口部に連通するとと
もにそれらの他端を前記環状のスリット部13に連通する
ように放射状に設けられている。前記プレート本体11と
ガスチャンネル14により溶鋼流出孔16が構成されてい
る。ここで、溶鋼流出孔16は上部方向に向かって径が広
がっている第1開口部16aとこの第1開口部16aに連通し
た円筒状の第2開口部16bとからなり、前記第1開口部1
6aの最大直径をD1、第2開口部の直径をD2及び第1開口
部の傾斜角度をαとしたとき下記式が満たす構成になっ
ている。
D2<D1≦D2×5、 10mm≦D2≦100mm、 5度≦α≦80度 このような構成のスライディングゲート用プレートの
上固定盤によれば、溶鋼流出孔16においてその上部側の
第1開口部16aと下部側の第2開口部16bとの径の関係、
並びに前記第2開口部の直径および前記第1開口部の傾
斜角度を前述した式(1)〜(3)を満たすようにする
ことによって、従来に比べて溶鋼流出孔16、特に傾斜し
た第1開口部16aにおける溶鋼の流れが攪拌を促進する
ように作用し、溶鋼をスムーズに流すことができるた
め、スラブの品質を向上させることができる。
事実、従来のプレートの上固定盤(第2図図示)およ
び本発明に係わるプレートの上固定盤(第1図図示)を
用いた場合のO2開孔指数(全数100に対してO2洗浄を行
なった数)を調べたところ、それぞれ第3図、第4図に
示すような結果が得られた。なお、第3図および第4図
の実線(イ)は1チャージ目であり、点線(ロ)は2チ
ャージ目である。
これらの第3図および第4図から明らかなように、本
発明の上固定盤(第4図図示)は従来の上固定盤(第3
図図示)に比べて開孔指数(開孔率)が向上し、酸素洗
浄による開孔が減少したことによって、スラブの品質が
向上することが確認された。
また、開孔指数が向上したことにより、スラブのトッ
プ材(最初に鋳造されたスラブ片)は勿論のこと、従来
品に比べて溶鋼の流れが良好になり、製品格落(品質の
規格から外れたもの)等も減少した。下記第1表は従来
および本発明による要注意発生状況を示し、第2表は製
品格落を示す。
ただし、下記第1表および第2表において、全枚数は
100枚である。また、下記第1表中の「トライトップ」
とは鋳込み初期、1枚目の鋳片であり、下記第1表およ
び第2表中の「その他」とは内質(介在部)以外の原因
で規格外となったものである。
さらに、従来のプレートの上固定盤および本発明に係
わるプレートの上固定盤を用いて多数連続鋳造を行なっ
た時の連々数とO2洗浄指数との関係を求めた。その結果
を第5図に示す。なお、多数連続鋳造の条件は200〜300
トンの溶鋼をレードルから20〜80トンのタンディッシュ
に供給し、この溶鋼全量をスライディングゲートの浸漬
ノズルを通してモールドに鋳込む操作を1チャージとし
た。また、O2洗浄は前記各チャージ毎に上固定盤の溶鋼
流出孔の閉塞状況に応じて実行した。さらに、第5図の
縦軸のO2洗浄指数とは100個のタンディッシュを用いて
行なったうちの洗浄実行数を示す。
第5図から明らかなように、本発明の上固定盤は従来
の上固定盤に比べて多数連続鋳造時のO2洗浄指数も減少
し、品質の向上および連々数が延びてコストを低減でき
ることが確認できた。
[発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば溶鋼流出孔の形状
を改良して湯溜り部の体積を大きくすることによって、
溶鋼の流れが攪拌を促進するように作用し、溶鋼をスム
ーズに流すことができるため、従来に比べて酸素の開孔
率を向上でき、ひいてはスラブの品質を向上することが
可能なスライディングゲート用プレートの上固定盤を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係わるスライディングゲ
ート用プレートの上固定盤を示す断面図、第2図は従来
のスライディングゲート用プレートの上固定盤を示す断
面図、第3図は従来のスライディングゲート用プレート
の上固定盤によるO2開孔指数を示す特性図、第4図は本
発明のスライディングゲート用プレートの上固定盤によ
るO2開孔指数を示す特性図、第5図は従来及び本発明の
スライディングゲート用プレートの上固定盤の連々数と
O2洗浄指数との関係を示す特性図である。 11……プレート本体、12……ガス導入路、13……環状の
スリット部、14……ガスチャンネル、15……ガス吹き
孔、16……溶鋼流出孔、16a……第1開口部、16b……第
2開口部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷部 悦弘 東京都新宿区西新宿1丁目26番2号 東 芝セラミックス株式会社内 (72)発明者 吉川 俊幸 東京都新宿区西新宿1丁目26番2号 東 芝セラミックス株式会社内 (72)発明者 引間 弘 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住友 金属工業株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 林田 啓造 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住友 金属工業株式会社鹿島製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭58−141845(JP,A) 特開 昭46−7857(JP,A) 特開 昭62−168660(JP,A) 特開 昭61−20659(JP,A) 特開 平1−284473(JP,A) 実開 昭63−163248(JP,U) 実開 昭49−139325(JP,U) 特公 昭54−20938(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンディッシュからモールドに鋳造される
    ときに使用されるスライディングゲート用プレートの上
    固定盤において、 突出部が形成されたプレート本体と、このプレート本体
    に嵌装されて開口部及び突出部の少なくとも一部を形成
    するガスチャンネルと、前記ガスチャンネルを囲繞する
    ように前記プレート本体に形成された環状スリットと、
    前記ガスチャンネルの側壁に一端が前記開口部に、他端
    が前記環状スリットにそれぞれ連通するように放射状に
    設けられた複数のガス吹き孔と、前記環状スリットに連
    通したガス導入路を有し、 前記開口部が上部方向に向かって突出部上端にいたるま
    で径が広がっている第1開口部及びこの第1開口部に連
    通した円筒状の第2開口部からなる溶鋼流出孔を形成
    し、かつ前記第1開口部の最大直径をD1、第2開口部の
    直径をD2及び第1開口部の傾斜角度をαとしたとき下記
    式を満たすことを特徴とするスライディングゲート用プ
    レートの上固定盤。 D2<D1≦D2×5、 10mm≦D2≦100mm、 5度≦α≦80度
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