JP3615437B2 - スライドバルブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドバルブ装置に関し、さらに詳しくは、溶融金属容器出湯口の流量制御を行うべく耐火れんがにて形成された固定プレートおよび摺動プレートを具備するスライドバルブ装置であり、特に、連続鋳造用タンデッシュ等に使用されるスライドバルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶融金属容器の出湯口用の流量制御手段として、例えば、流量制御用3層式あるいは2層式のスライドバルブ装置を備えた注湯装置がある。この注湯装置は、連続鋳造用の手段として用いられ、通常、スライドバルブ装置に連続して浸漬ノズルが設けられている。
この連続鋳造において、モールドに供給される溶鋼は、タンデッシュからスライドバルブ装置により溶鋼量が制御されながら鋳造ノズルを介して行われる。
【0003】
ここで使用される通常の2層式または3層式のスライドバルブ装置から鋳造ノズルを介して溶鋼の流量制御を行う場合に流れを絞った場合は、浸漬ノズル孔内の流速分布が不均一になるため偏流が発生し吐出流に変動が生じる。
そのためモールド中の溶鋼流にも偏流が生じて鋳片にスラグ、モールドパウダ等の不純物の巻き込みが起こり、鋳造品の品質低下を招くことがあった。
【0004】
このような問題を解決するために、従来はこれらの対策として、例えば▲1▼特開平11−123509号公報、▲2▼特開平11−47896号公報、▲3▼特開平10−58098号公報、▲4▼実開昭59−20958号公報などに開示されているような技術が提案されていた。
【0005】
上記▲1▼の特開平11−123509号公報では、ノズル内孔に一段あるいは複数の段差構造を有する連続鋳造ノズルにいて、溶鋼通過量に対してノズル内孔部の段差構造のない部位の最小半径、あるいは最小断面積を特定の関係にした連続鋳造用浸漬ノズルが記載されている。
【0006】
上記▲2▼の特開平11−47896号公報では、内壁に螺旋状突起を設けた連続鋳造用の浸漬ノズルにより、ノズル内の溶鋼を旋回撹拌させると共に鋳型内の偏流を防止させる連続鋳造用浸漬ノズルが記載されている。
【0007】
上記▲3▼の特開平10−58098号公報では、浸漬ノズルの湯面上に位置する外周部に、浸漬ノズルを鋳型長辺方向に貫通する静磁場ないしは低周波交流磁場を発生する磁石を配し、スライドバルブ装置の開閉やノズル自体の内壁への付着物によって生じるノズル内偏流を低減した連続鋳造用注湯装置が記載されている。
【0008】
また、上記▲4▼の実開昭59−20958号公報では、固定プレートおよび摺動プレートの溶湯ノズル孔の一方または両方に、摺動プレートの溶湯ノズル孔の絞りのための傾斜角を、摺動プレートの水平方向に向けて設けた負圧防止用傾斜孔を持つスライディングノズルが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとしている課題】
前掲の広報に記載された技術においては、下記するような問題が残されていた。すなわち、
上記▲1▼の特開平11−123509号公報に記載された技術では、溶鋼の撹拌効果は充分あるものの、ノズル内孔郡に複数の段差構造を形成させることが比較的難かしく製造コストが高くなる傾向にある。
【0010】
上記▲2▼の特開平11−47896号公報に記載された技術では、ノズル内壁に螺旋状突起を形成させることが難しく(特に2重の螺旋状突起)製造コストが高くなってしまう。
【0011】
上記▲3▼の特開平10−58098号公報に記載された技術では、静磁場ないしは低周波交流磁場を発生する磁石を配置するために、その設備コストが高くなり、加えて設備が大きいためスペースの制約を受ける等の問題があった。
【0012】
上記▲4▼の実開昭59−20958号公報に記載された技術では、ノズル孔内の局所的な負圧を低減できるが、溶鋼に旋回流を付与することができず、十分な偏流防止効果が得られていない。
【0013】
このように、浸漬ノズルからの吐出流を、偏流の無い均一な速度分布を持った流れとするために、特に浸漬ノズルの形状面での改善が進められてきたが、溶鋼流の偏流の起点となるスライドバルブ装置部分で旋回流を付与することができれば最も効果的に偏流防止効果が得られるはずである。
しかし、従来の解決技術は、溶鋼流の偏流の起点となるスライドバルブ装置部分での形状の改善がさほど進んでいないのが現状であった。
【0014】
一方、水を用いたモデル実験では、旋回羽根を設置することが可能だが、1500℃以上の高温の溶鋼流に耐えうる旋回羽根を設置することは、多大なコストが掛かり、商業ベース的には極めて困難な技術である。
また、ノズル孔内の局所的な負圧の発生を防止する目的で、溶鋼流を傾斜させるような傾斜孔を持つスライディングノズル(実開昭59−20958号公報)が提案され一部で実用化されているが、旋回流を付与することができず、十分な偏流防止効果が得られるには至っていない。
【0015】
また、溶鋼流の流速に対応した電磁力を発生させてノズル内偏流を低減し、吐出流を均一に制御する方法についても、商業規模のスラブ連続鋳造機においては設備スペースの問題があり、浸漬ノズルそのものに磁場を掛けることは実用化していない。モールド内の溶湯流に電磁力を発生させてモールド内の溶湯流をコントロールすることはすでに実施されているが、この方法でも多大なコストがかかっているのが現状である。
【0016】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、溶鋼の流量制御を行うときに該溶鋼の流れを絞った場合にも、浸漬ノズル孔内の流速分布が均一になり偏流の発生がなく吐出流に変動が生じることがなく、もってモールド中の溶鋼流にも偏流が生じなく鋳片にスラグ、モールドパウダ等の不純物の巻き込みが起こらない高品質の鋳造を可能とするスライドバルブ装置を提供することにある。
【0017】
【問題を解決するための手段】
本発明に係るスライドバルブ装置は、溶融金属容器出湯口の流量制御を行うべく耐火 れんがにて形成された固定プレートおよび摺動プレートを具備するスライドバルブ装置 において、前記固定プレートの通湯孔の上縁部および/または前記摺動プレートの通湯 孔の上縁部に、該通湯孔に連通し且つ該通湯孔の下方および内方に向かって傾斜する部 分的な傾斜切り欠き部が設けられ、前記切り欠き部は、その向きが前記通湯孔の中心軸 線からずれた方向に向くように構成されたことを特徴とし(請求項1)、これにより上 記目的を達成することができる。
【0018】
また、本発明に係る上記スライドバルブ装置において、
・前記傾斜切り欠き部は、その向きを規定する切欠き向き中心線と前記通湯孔の中心軸線との距離が、前記通湯孔の径の1/8以上3/8以下の範囲に構成されたこと(請求項2)、
・前記傾斜切り欠き部は、前記切欠き向き中心線に対して直交する方向の幅が前記通湯孔の径の1/4以上2/3以下であり、かつ該中心線方向の長さが該通湯孔の径の0.7倍以上1.5倍以下に構成され、さらに前記中心線方向に沿った前記傾斜が、プレート摺動面に対して20度以上から60度以下の角度で傾斜していること(請求項3)、
・前記固定プレートと前記摺動プレートとに形成された前記傾斜切り欠き部は、前記通湯孔の内方に向かってほぼ反対側に傾斜するように構成されたこと(請求項4)、
を特徴とする。
【0019】
さらに、本発明に係る連続鋳造用注湯装置は、上記の何れかに記載のスライドバルブ装置と該スライドバルブ装置に連続して、ノズル内部に一段あるいは複数の段差構造を有する連続鋳造用浸漬ノズルを併用したことを特徴とする。(請求項5)
【0020】
(作用)
本発明に係るスライドバルブ装置によれば、固定プレートの通湯孔の上縁部および/または前記摺動プレートの通湯孔の上縁部に、該通湯孔に連通し且つ該通湯孔の下方および内方に向かって傾斜する傾斜切り欠き部が設けられ、この切り欠き部の向きが通湯孔の中心軸線からずれた方向に向くように構成されたことにより、溶鋼の流量制御を行う場合に流れを絞った場合であっても、溶鋼に対して旋回流を効果的に発生させることができる。(請求項1)
【0021】
また、本発明に係るスライドバルブ装置において、傾斜切り欠き部が、その向きを規定する切欠き向き中心線と通湯孔の中心軸線との距離が、通湯孔の径の1/8以上3/8以下の範囲に構成されたば場合には、溶湯が流出するときに、効果的な旋回流を得ることができる。(請求項2)
【0022】
本発明に係るスライドバルブ装置において、傾斜切り欠き部は、切欠き向き中心線に対して直交する方向の幅が通湯孔の径の1/4以上2/3以下とされ、かつ該中心線方向の長さが該通湯孔の径の0.7倍以上1.5倍以下に構成され、さらに切欠き向き中心線方向に沿った前記傾斜が、プレート摺動面に対して20度以上から60度以下の角度で傾斜するように構成されたことにより、効果的に旋回流を得ることができる。(請求項3)
【0023】
さらに、本発明に係るスライドバルブ装置において、固定プレートと摺動プレートとに形成された傾斜切り欠き部が、通湯孔の内方に向かってほぼ反対側に傾斜するように構成されたことにより、溶湯が流出するときに、該溶湯に対して旋回力を交互に付与することができる。(請求項4)
【0024】
本発明に係る連続鋳造用注湯装置よれば、本発明に係るスライドバルブ装置とこのスライドバルブ装置に連続して、ノズル内部に一段あるいは複数の段差構造を有する連続鋳造用浸漬ノズルを併用したことにより、溶鋼の流量制御を行う場合に流れを絞った場合にも、浸漬ノズル孔内の流速分布が均一になり偏流の発生がなく吐出流に変動が生じることがなく、モールド中の溶鋼流にも偏流が生じることがなく、鋳片にスラグ、モールドパウダ等の不純物の巻き込みを防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスライドバルブ装置の好ましい実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施形態であって、3層式スライドバルブ装置の要部断面図である。図2は、図1のA−A面に沿った断面図、図3は図1のB−B面に沿った断面図、図4は図1のC−C面に沿った断面図を示す。図5は通湯孔付近の詳細図であり、図6は図5のF−F面に沿った部分の断面図である。
図7は、本発明に係る第2の実施形態であり、2層式スライドバルブ装置の断面図である。図8は図7のD−D面に沿った断面図、図9は図7のE−E面に沿った断面図を示す。
【0026】
(第1の実施形態)
図1に示すように、第1の実施形態におけるスライドバルブ装置10は、固定プレートである上部プレート1と下部プレート3との間に挟まれて矢印G方向に摺動可能な摺動プレート2の3枚のプレートにて構成されている。そして、上部プレート1および下部プレート3の通湯孔5A,5Cの各上部縁部および摺動プレート2の通湯孔5Bの上部縁部には、各通湯孔5A,5B,5Cに連通し摺動方向(摺動プレート2が摺動する方向であって、図中におけるG方向)の中心線Hから若干ズレた位置に傾斜切り欠き部6,7,8が設けられている。
【0027】
また、本実施形態においては、固定プレート(上部プレート1と下部プレート3)に形成された傾斜切り欠き部6及び8と摺動プレート2に形成された傾斜切り欠き部7とは、通湯孔5A,5B,5Cの内方に向かってほぼ反対側に傾斜する(溶湯の流れる方向において、交互に反対向きになる)ように構成されている。
【0028】
上述の傾斜切り欠き部6,7,8は、各通湯孔5A,5B,5Cに対し、その下方および内方に向かって適宜傾斜する傾斜面を備えており、その向き(図5に示す「切り欠き向き中心線MC(F−F線と同一線)」を参照)が後述するように通湯孔5A,5B,5Cの中心軸線S1,S2,S3からずれた方向に向くように構成されている。
【0029】
また、図5および図6に拡大して示すように、傾斜切り欠き部6,8(傾斜切り欠き部7については左右の向きが反対である以外は、傾斜切り欠き部6,8と同様な構成であるので拡大図を省略する。)は、本実施形態においては、プレート摺動面9に対して傾斜角αをもって傾斜するとともに、適宜湾曲面した面の一部分の形状で切り欠いた構造であり、その切り欠き向き中心線MCが通湯孔5A,5Cの中心軸線S1,S3から適宜距離Xだけ離れた(ずれた)方向に向くように構成されている。
【0030】
なお、本明細書において切り欠き向き中心線MCとは、傾斜切り欠き部6,8の向きを規定する中心線であり、本実施形態においては、切り欠き幅Cを上下に二分するの中央線であり、溶湯が流れるときに、切り欠き部6,8内を通る溶湯の流れる方向に沿った線である。
【0031】
また、図5及び図6において、Aはプレート1,3に設けられた通湯孔6,8の直径を、Bは傾斜切り欠き部6,8の長さを、Cは傾斜切り欠き部6,8の幅を、Dは傾斜切り欠き部6,8の底面までの深さを、αは傾斜切り欠き部のプレート摺動面9に対する角度を、Xは通湯孔5A,5Cの中心S1,S3から傾斜切り欠き部6,8の中心線までの偏芯間隔(偏芯距離)を示す。
【0032】
本実施形態において、偏芯間隔Xは、通湯孔5A,5Cの直径Aの1/8以上3/8以下が好ましい。これは、本発明者らの研究の結果、通湯孔5A,5Cの直径Aの1/8未満では、流出する溶湯に対して十分な旋回流を付与することが難しく、一方、通湯孔5A,5Cの直径Aの3/8を超えると旋回流を付与する力が小さくなり十分な旋回流が得られない。
【0033】
また、偏芯した傾斜切り欠き部6,8の幅Cは、通湯孔5A,5Cの1/4以上2/3以下が好ましい。これは、偏芯した傾斜切り欠き部6,8の幅Cが通湯孔5A,5Cの1/4未満では、ノズル内に全体的な旋回流を作り出すことが出来ず不十分であり、一方、傾斜切り欠き部6,8の幅Cが通湯孔5A,5Cの2/3を越えると旋回流を付与する効果が不十分である。
【0034】
また、傾斜切り欠き部6,8の長さBは、一般的な通湯流量制御時のスライドプレートのノズル孔の開度(通湯孔の開孔面積/通湯孔断面積)が30%ないし70%であり、傾斜切り欠き部6,8の長さBは該通湯孔径の0.7倍以上1.5倍以下の範囲が望ましい。
【0035】
傾斜切り欠き部6,8のプレート摺動面9に対する角度αは、20度以上から60度以下の角度で傾斜していることが好ましい。
これは、傾斜切り欠き部6,8の角度が20度未満になるとプレート摺動面9への地金が差込みやすくなり、プレートの面開きトラブルを引き起こす可能性が高くなる。一方、傾斜切り欠き部6,8のプレート摺動面9に対する角度が60度を越えると旋回流を付与する効果がなく、十分な偏流防止効果は得られない。
【0036】
図1に示す第1の実施形態による3層式スライドバルブ装置においては、前述したように、上部プレート1と摺動プレート2および下部プレート3の傾斜切り欠き部6,7,8が、上から順に相反する方向に位置するように設けられている。このように傾斜切り欠き部6,7,8が溶湯の流れる方向において、交互に相反する方向に設けられた構成であると、旋回流の流れに沿う位置で流れを付勢できるので、溶鋼に旋回流を付与する効果は大きい。
【0037】
(第2の実施形態)
また、図7、図8及び図9に示すように、本発明に係る第2の実施形態のスライドバルブ装置20は、2層式スライドバルブ装置であって、上部プレート21の傾斜切り欠き部26と摺動プレート22の傾斜切り欠き部27孔が同一方向(図7中において左側)に設けられた構成である。なお、図7、図8及び図9において、S4,S5は通湯孔5D,5Eの中心軸線である。また、図8及び図9は、図7におけるD−D線及びE−E線の沿った部分の断面図である。
【0038】
本第2の実施形態においても、固定プレートである上部プレート21の傾斜切り欠き部26と摺動プレート22とに形成された傾斜切り欠き部27とは、通湯孔5D,5Eの内方に向かって同方向にほぼ同じ形状で傾斜している構造である。このように同方向に向いて形成された傾斜切り欠き部であっても溶湯に旋回力を付与することができる。
【0039】
(第3の実施形態)
本発明に係る第3の実施形態のスライドバルブ装置において、その要部のプレート31を図10に示す。
本第3の実施形態において、プレート31の通湯孔35に連通した傾斜切り欠き部36は、その形状が、円柱の外面の一部となるように構成されている。
【0040】
(第4の実施形態)
本発明に係る第4の実施形態のスライドバルブ装置において、その要部のプレート41を図11に示す。
本第4の実施形態において、プレート41の通湯孔45に連通した傾斜切り欠き部46は、その形状が、四角柱の一部(傾斜面が平面)となるように構成されている。
【0041】
(第5の実施形態)
本発明に係る第5の実施形態のスライドバルブ装置において、その要部のプレート51を図12に示す。
本第5の実施形態において、プレート51の通湯孔55に連通した傾斜切り欠き部56は、その形状が、三角柱の一部(傾斜面が2平面)となるように構成されている。
【0042】
このように、本発明においては、上記したように、傾斜切り欠き部の形状は、適宜な湾曲面、円柱、四角柱、三角柱の一部の形状に切り欠いたものとすることができるほか、例えば球の一部の形状に切り欠いたもの等いずれでもよいが、円柱の一部の形状に切り欠いたものが局所的な集中応力が無くキレツ抑制の点で有利である。
【0043】
(第6の実施形態)
さらに、本発明に係るスライドバルブ装置は図13に示すような連続鋳造用注湯装置に用いることができる。
本第6の実施形態における装置は、図13に示すように、スライドバルブ装置10(図1に示したもの)と、ノズル60がその内径において小径d1の部分と大径Dの部分との段差構造を有するもの(特開平11−123509号公報等のノズル内孔に一段あるいは複数の段差構造を有する連続鋳造ノズル)を併用した構造の連続鋳造用注湯装置70である。
このように構成された連続鋳造用注湯装置70は、溶湯の排出時において、溶湯に対して効果的旋回力を付与することができ、スライドバルブ装置10とノズル60との相乗効果によりさらに均一なモールド内での溶鋼の旋回流が得られる。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るスライドバルブ装置は、固定プレートの通湯孔の上縁部および/または前記摺動プレートの通湯孔の上縁部に、該通湯孔に連通し且つ該通湯孔の下方および内方に向かって傾斜する傾斜切り欠き部が設けられ、この切り欠き部の向きが通湯孔の中心軸線からずれた方向に向くように構成されたので、溶鋼の流量制御を行う場合に流れを絞った場合にも、旋回流を効果的に発生させることができ、浸漬ノズル孔内の流速分布が均一になり偏流の発生がなく吐出し流に変動が生じない、もってモールド中の溶鋼流にも偏流が生じなく鋳片にスラグ、モールドパウダ等の不純物の巻き込みが起こらない高品質の鋳造を可能とする低コストのスライドバルブ装置を提供することができる。(請求項1)
【0045】
また、本発明に係るスライドバルブ装置において、傾斜切り欠き部は、その向きを規定する切欠き向き中心線と通湯孔の中心軸線との距離が、通湯孔の径の1/8以上3/8以下の範囲に構成されたことにより、溶湯が流出するときに、より効果的に旋回流を得られるスライドバルブ装置を提供することができる。(請求項2)
【0046】
本発明に係るスライドバルブ装置において、傾斜切り欠き部は、切欠き向き中心線に対して直交する方向の幅が通湯孔の径の1/4以上2/3以下になされ、かつ該中心線方向の長さが該通湯孔の径の0.7倍以上1.5倍以下に構成され、さらに切欠き向き中心線方向に沿った前記傾斜が、プレート摺動面に対して20度以上から60度以下の角度で傾斜するように構成されていることにより、効果的に旋回流を得ることができるスライドバルブ装置を提供することができる。(請求項3)
【0047】
さらに、本発明に係るスライドバルブ装置において、固定プレートと前記摺動プレートとに形成された傾斜切り欠き部が、通湯孔の内方に向かってほぼ反対側に傾斜するように構成されたので、溶湯が流出するときに、より効果的な旋回流が得られるスライドバルブ装置を提供することができる。(請求項4)
【0048】
本発明に係る連続鋳造用注湯装置は、本発明のスライドバルブ装置とこのスライドバルブ装置に連続して、ノズル内部に一段あるいは複数の段差構造を有する連続鋳造用浸漬ノズルを併用したことにより、溶鋼の流量制御を行う場合に流れを絞った場合にも、浸漬ノズル孔内の流速分布が均一になり偏流の発生がなく吐出し流に変動が生じることがなく、モールド中の溶鋼流にも偏流が生じることがなく、鋳片にスラグ、モールドパウダ等の不純物の巻き込みが起こらない高品質の鋳造を可能とする連続鋳造用注湯装置を提供することができる。(請求項5)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態であって、3層式スライドバルブ装置の要部断面図である。
【図2】図1におけるA−A面に沿った部分の断面図である。
【図3】図1におけるB−B面に沿った部分の断面図である。
【図4】図1におけるC−C面に沿った部分の断面図である。
【図5】本発明に係る第1の実施形態の通湯孔付近の拡大平面図である。
【図6】図5におけるF−F面に沿った部分の断面図である。
【図7】本発明に係る第2の実施形態であって、2層式スライドバルブ装置の要部断面図である。
【図8】図7におけるD−D面に沿った部分の断面図である。
【図9】図7におけるE−E面に沿った部分の断面図である。
【図10】本発明に係る第3の実施形態におけるプレートの斜視図である。
【図11】本発明に係る第4の実施形態におけるプレートの斜視図である。
【図12】本発明に係る第5の実施形態におけるプレートの斜視図である。
【図13】本発明に係る第6の実施形態であって、連続鋳造用注湯装置の要部断面図である。
【符号の説明】
1 上部プレート
2 摺動プレート
3 下部プレート
5A,5B,5C,5D,5E,35,45,55 通湯孔
6,7,8,26,27,36,46,56 傾斜切り欠き部
9 プレート摺動面
10,20 スライドバルブ装置
60 ノズル
70 連続鋳造用注湯装置
Claims (5)
- 溶融金属容器出湯口の流量制御を行うべく耐火れんがにて形成された固定プレートおよび摺動プレートを具備するスライドバルブ装置において、前記固定プレートの通湯孔の上縁部および/または前記摺動プレートの通湯孔の上縁部に、該通湯孔に連通し且つ該通湯孔の下方および内方に向かって傾斜する部分的な傾斜切り欠き部が設けられ、前記切り欠き部は、その向きが前記通湯孔の中心軸線からずれた方向に向くように構成されたことを特徴とするスライドバルブ装置。
- 前記傾斜切り欠き部は、その向きを規定する切欠き向き中心線と前記通湯孔の中心軸線との距離が、前記通湯孔の径の1/8以上3/8以下の範囲に構成されたことを特徴とする請求項1記載のスライドバルブ装置。
- 前記傾斜切り欠き部は、前記切欠き向き中心線に対して直交する方向の幅が前記通湯孔の径の1/4以上2/3以下であり、かつ該中心線方向の長さが該通湯孔の径の0.7倍以上1.5倍以下に構成され、さらに前記切欠き向き中心線方向に沿った前記傾斜が、プレート摺動面に対して20度以上から60度以下の角度で傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の何れかに記載のスライドバルブ装置。
- 前記固定プレートと前記摺動プレートとに形成された前記傾斜切り欠き部が、前記通湯孔の内方に向かってほぼ反対側に傾斜するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3記載のスライドバルブ装置。
- 前記請求項1から4の何れかに記載のスライドバルブ装置と該スライドバルブ装置に連続して、ノズル内部に一段あるいは複数の段差構造を有する連続鋳造用浸漬ノズルを併用したことを特徴とする連続鋳造用注湯装置。
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