JP6924666B2 - タイヤ三次元femモデルの生成方法、装置、及びプログラム - Google Patents

タイヤ三次元femモデルの生成方法、装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本開示は、タイヤ三次元FEMモデルの生成方法、装置、及びプログラムに関する。
空気入りタイヤを、複数の有限要素に分割したFEM(Finite Element Method)モデルを用いて、タイヤの特性を予測することが行われている。タイヤモデルの外表面は、タイヤを加硫する金型の内面形状をそのまま採用することが多い。
実際にタイヤを製造する場合には、加硫金型から取り出された高温状態のタイヤをそのまま冷却するのではなく、タイヤの内面に内圧を負荷しつつ冷却することでタイヤの形状を安定させるポストキュアインフレーション(PCI;Post Cure Inflation)処理が行われる。したがって、タイヤの断面形状は、加硫金型の内面形状だけでなく、PCI処理の影響を受ける。
特許文献1では、PCI処理を考慮するために、タイヤモデルの一部の部材(例えばカーカス)の弾性定数を常温時の設定値よりも低く設定し、ビード部を拘束した状態で内圧を付与してタイヤを変形させ、変形後の形状を採用することが記載されている。ここでは、タイヤ断面形状のみを表現するタイヤ断面FEMモデルを周方向に展開して、タイヤ三次元FEMモデルを生成している。しかし、トレッドパターンは考慮されていないため、トレッドパターンを有さないタイヤ三次元FEMモデルを生成するようである。
PCI処理が施され且つトレッドパターンを有するタイヤ三次元FEMモデルを生成する一つの方法として、加硫金型の内面形状に対応し且つトレッドパターンを有するタイヤ三次元FEMモデルを生成し、トレッドパターンを有するタイヤ三次元FEMモデルに対してPCI処理を実行してモデルを変形させ、変形後の形状を自然状態の形状とするタイヤ三次元FEMモデルを生成することが考えられる。
しかし、この方法では、三次元FEMモデルに対して内圧付与による変形解析を行うため、計算コストが膨大になってしまう。
特開2004−217075号公報
本開示は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、計算コストを低減すると共に、PCI処理による影響を適切に再現した、トレッドパターン付きのタイヤ三次元FEMモデルの生成方法、装置及びプログラムを提供することである。
本開示は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
本開示のタイヤ三次元FEMモデルの生成方法は、コンピュータが実行する方法であって、第1のタイヤ断面FEMモデル及び対応するトレッドパターンを示す平面データを取得するステップと、前記第1のタイヤ断面FEMモデルを内圧付与により変形させ、変形後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルに修正するステップと、前記修正後の第2のタイヤ断面FEMモデルを周方向展開して第1のタイヤ三次元FEMモデルを生成するステップと、前記第1のタイヤ三次元FEMモデルからトレッド部を削除し、ボディ三次元FEMモデルを生成するステップと、前記第1のタイヤ三次元FEMモデルの踏面に合致するように、前記平面データが表すトレッドパターンのタイヤ幅方向及びタイヤ周方向のサイズの少なくとも一方を補正してトレッド三次元FEMモデルを生成するステップと、前記ボディ三次元FEMモデルと前記トレッド三次元FEMモデルとを結合し、パターン付きの第2のタイヤ三次元FEMモデルを生成するステップと、を含む。
このように、初期モデルである第1のタイヤ断面FEMモデルを内圧付与により変形させ、PCI処理による影響を再現しているので、タイヤ三次元FEMモデルに内圧付与する場合に比べて計算コストを低減することが可能となる。
また、トレッド三次元FEMモデルを生成するにあたり、内圧付与による変形後の形状に合致するように、トレッドパターンのタイヤ幅方向及びタイヤ周方向のサイズの少なくとも一方を補正しているので、PCI処理による影響を再現したトレッドパターンを有するタイヤ三次元FEMモデルを得ることができる。
したがって、計算コストを低減すると共に、PCI処理による影響を適切に再現した、トレッドパターン付きのタイヤ三次元FEMモデルが生成可能となる。
第1実施形態に係る装置を示すブロック図。 第1実施形態の装置が実行するモデル生成処理ルーチンを示すフローチャート。 修正前のタイヤ断面FEMモデルを示す図。 修正後のタイヤ断面FEMモデルを示す図。 トレッドパターン及び二次元FEMトレッドパターンを示す図。 第1のタイヤ三次元FEMモデルを示す図。 ボディ三次元FEMモデルの生成に関する説明図。 トレッド三次元FEMモデルの生成に関する説明図。 タイヤ三次元FEMモデルを示す図。 第2実施形態に係る装置を示すブロック図。 第2実施形態の装置が実行するPCI処理ルーチンを示すフローチャート。 修正前のタイヤ断面FEMモデルを示す図。 修正前のモデルの形状と実タイヤの形状を示す比較図。 踏面を拘束し且つ弾性定数を変更して修正した後のモデルの形状と、実タイヤの形状を示す比較図。 踏面を拘束せずに弾性定数を変更して修正した後のモデルの形状と、実タイヤの形状を示す比較図。
<第1実施形態>
以下、本開示の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
[タイヤ三次元FEMモデルの生成装置]
装置は、タイヤ断面FEMモデル及び対応するトレッドパターンを示す平面データから、タイヤ三次元FEMモデルを生成する。具体的に、装置は、モデル取得部10と、PCI処理部11と、周方向展開部12と、ボディ生成部13と、トレッド三次元モデル生成部14と、結合部15と、を有する。これら各部10〜15は、CPU、メモリ、各種インターフェイス等を備えたパソコン等の情報処理装置においてCPUが予め記憶されている図示しない処理ルーチンを実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。
装置は、キーボードやマウス等の既知の操作部を介してユーザからの操作を受け付け、PCI処理対象のタイヤ断面FEMモデルに関するデータ及び対応するトレッドパターンを示す平面データ、PCI処理の条件(内圧、拘束位置)に関するデータの設定を受け付け、これらのデータをメモリに記憶する。
図1に示すモデル取得部10は、図3に示す第1のタイヤ断面FEMモデルM1及び図5に示すトレッドパターンM2を示す平面データを取得する。第1のタイヤ断面FEMモデルM1及びトレッドパターンM2は、互いに寸法が対応している。第1のタイヤ断面FEMモデルM1は、タイヤを複数の要素で表現した有限要素法で用いるタイヤデータであり、タイヤ子午線断面にて表現されている。タイヤを構成する各部材には、部材の弾性定数などの物性値が設定されている。トレッドパターンM2は、タイヤ赤道CLからショルダー部SHまでのトレッド形状であり、平面図で表現されている。トレッドには、主溝及び横溝が形成されている。図5では、繰り返しの最小単位である1ピッチ分のトレッド形状が示されている。
図1に示すPCI処理部11は、図3に示す第1のタイヤ断面FEMモデルM1を内圧付与により変形させる内圧充填処理を実行し、図4に示す変形後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルM1’に修正する。内圧充填処理は、少なくともリムとの接触点(図中にて三角で示す)の拘束を維持したまま所定の内圧を付与し、内圧の付与によりタイヤが変形し、変形により発生する反力と内圧と力の釣り合いが取れる状態までタイヤが変形する処理である。モデルの修正は、モデルM1からの節点移動により簡素に修正可能である。PCI処理については、第1実施形態の観点では、どのような処理でも採用可能である。
図1に示す周方向展開部12は、修正後の第2のタイヤ断面FEMモデルM1’をタイヤ軸を中心として周方向に展開して、図6に示す第1のタイヤ三次元FEMモデルM3を生成する。
図1に示すボディ生成部13は、図7に示すように、第1のタイヤ三次元FEMモデルM3からトレッド部を削除し、ボディ三次元FEMモデルM4を生成する。削除対象となるトレッド部は、溝底よりも径方向外側にある要素である。削除対象となる要素は、主溝の底をタイヤ幅方向に通る要素定義線L1よりも径方向外側に位置する要素である。
図1に示すトレッド三次元モデル生成部14は、第1のタイヤ三次元FEMモデルM3の踏面に合致するように、平面データが表すトレッドパターンM2のタイヤ幅方向WD及びタイヤ周方向CDのサイズを補正したトレッド三次元FEMモデルM5を生成する。この処理を実現するために、トレッド三次元モデル生成部14は、拡大率算出部14aと、FEM化部14bと、補正部14cと、投影部14dと、を有する。
拡大率算出部14aは、第1のタイヤ三次元FEMモデルM3における踏面について、タイヤ幅方向WD及びタイヤ周方向CDの変形前に対する拡大率を取得する。PCI処理によって、踏面が少なくともタイヤ幅方向WDに膨張しており、場合によって踏面が径方向に膨張しているためである。図7に示すように、タイヤ変形後において、タイヤ赤道CLからショルダー部SHまで踏面に沿った曲面の長さがbであり、図3に示すように変形前のタイヤ赤道CLからショルダー部SHまで踏面に沿った曲面の長さがaである場合、タイヤ幅方向WDの拡大率は(b/a)となる。タイヤ周方向CDの拡大率は、変形前のタイヤ径と、変形後のタイヤ径と、平面データが示すトレッドパターンが全周に占める割合で算出される。
図1に示すFEM化部14bは、図5に示すように、平面データが示すトレッドパターンM2を複数の要素で表現した二次元FEMトレッドパターンM2’を生成する。
図1に示す補正部14cは、二次元FEMトレッドパターンM2’を拡大率(b/a)を用いて補正する。補正後の二次元FEMトレッドパターンM2’のタイヤ幅方向WDの長さは、補正前の長さW1×(b/a)となる。
図1に示す投影部14dは、図8に示すように、補正後の二次元FEMトレッドパターンM2’を、ボディ三次元FEMモデルM4の踏面に相当する位置に配置し、二次元FEMトレッドパターンM2’における要素をトレッド厚み方向に沿って投影してトレッド三次元FEMモデルM5を生成する。具体的には、同図に示すように、配置した二次元FEMトレッドパターンM2’と、ボディ三次元FEMモデルM4の間を、所定の分割数で分割する。同図では分割数は3であり、等分であるが、不等分でもよい。次に、二次元FEMトレッドパターンM2’における要素をトレッド厚み方向に沿って垂直に下ろし、要素に材料定義を行うことで、トレッド三次元FEMモデルM5を生成する。材料定義をしない要素が溝となる。
なお、一ピッチ分のトレッド三次元FEMモデルを生成した後に、そのモデルを周方向展開してもよいし、一周分のトレッド三次元FEMモデルを一括で生成してもよい。また、トレッド三次元FEMモデルM5を生成方法は、上記に限定されない。例えば、上記では、曲面である踏面に沿って二次元トレッドパターンを配置してから三次元化しているが、平坦面に沿って二次元トレッドパターンを配置し、三次元化し、その後、ボディ三次元FEMモデルM4に合致するように湾曲させてもよい。
また、上述では、トレッド全体の長さW1に対して拡大率(b/a)を用いて補正しているが、図3〜5に示すように、陸部毎に分けて、各陸部毎に拡大率を算出してトレッドパターンを補正してもよい。例えば、センター側陸部の拡大率が(e/c)であれば、補正後のセンター側陸部のタイヤ幅方向WDの長さは、補正前のセンター側陸部の長さW2×(e/c)となる。また、ショルダー側陸部の拡大率が(f/d)であれば、補正後のショルダー側陸部のタイヤ幅方向WDの長さは、補正前のショルダー側陸部の長さW3×(f/d)となる。
図1に示す結合部15は、図8に示すように、ボディ三次元FEMモデルM4とトレッド三次元FEMモデルM5とを結合し、パターン付きの第2のタイヤ三次元FEMモデルM6を生成する(図9参照)。ここでいう結合は、位置関係の拘束である。
上記パターン付きの第2のタイヤ三次元FEMモデルM6を用いて接地解析装置を実装することも可能である。具体的には、所定の境界条件のもと、第2のタイヤ三次元FEMモデルM6に所定内圧及び所定荷重をかけて仮想路面に接地させ、荷重によるタイヤFEMモデルの変形、接地形状及び接地圧を算出することが挙げられる。
[タイヤFEMモデルの生成方法]
上記装置の動作について図1、2を参照しつつ説明する。
まず、ステップST1において、モデル取得部10は、第1のタイヤ断面FEMモデルM1及び対応するトレッドパターンM2を示す平面データを取得する。
次のステップST2において、PCI処理部11は、PCI処理を実行する。PCI処理は、第1のタイヤ断面FEMモデルM1を内圧付与により変形させ、変形後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルM1’に修正する処理である。
次にステップST3において、周方向展開部12は、修正後の第2のタイヤ断面FEMモデルM1’を周方向展開して第1のタイヤ三次元FEMモデルM3を生成する。
次のステップST4において、ボディ生成部13は、第1のタイヤ三次元FEMモデルM3からトレッド部を削除し、ボディ三次元FEMモデルM4を生成する。
次のステップST5において、拡大率算出部14aは、第1のタイヤ三次元FEMモデルM3における踏面について、タイヤ幅方向WD及びタイヤ周方向CDの変形前に対する拡大率を取得する。
次のステップST6において、FEM化部14bは、平面データが示すトレッドパターンM2を複数の要素で表現した二次元FEMトレッドパターンM2’を生成する。
次のステップST7において、補正部14cは、二次元FEMトレッドパターンM2’を拡大率を用いて補正する。
次のステップST8において、投影部14dは、補正後の二次元FEMトレッドパターンM2’を、ボディ三次元FEMモデルM4の踏面に相当する位置に配置し、二次元FEMトレッドパターンM2’における要素をトレッド厚み方向に沿って投影してトレッド三次元FEMモデルM5を生成する。
すなわち、ステップST5〜8を実行することにより、トレッド三次元モデル生成部14が、第1のタイヤ三次元FEMモデルM3の踏面に合致するように、平面データが表すトレッドパターンM2のタイヤ幅方向WD及びタイヤ周方向CDのサイズを補正してトレッド三次元FEMモデルM5を生成することになる。
次のステップST9において、結合部15は、ボディ三次元FEMモデルM4とトレッド三次元FEMモデルM5とを結合し、パターン付きの第2のタイヤ三次元FEMモデルM6を生成する。
以上のように、第1実施形態のタイヤ三次元FEMモデルの生成方法は、コンピュータが実行する方法であって、
第1のタイヤ断面FEMモデルM1及び対応するトレッドパターンM2を示す平面データを取得するステップ(ST1)と、
第1のタイヤ断面FEMモデルM1を内圧付与により変形させ、変形後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルM1’に修正するステップ(ST2)と、
修正後の第2のタイヤ断面FEMモデルM1’を周方向展開して第1のタイヤ三次元FEMモデルM3を生成するステップ(ST3)と、
第1のタイヤ三次元FEMモデルM3からトレッド部を削除し、ボディ三次元FEMモデルM4を生成するステップ(ST4)と、
第1のタイヤ三次元FEMモデルM3の踏面に合致するように、平面データが表すトレッドパターンM2のタイヤ幅方向WD及びタイヤ周方向CDのサイズの少なくとも一方を補正してトレッド三次元FEMモデルM5を生成するステップ(ST5〜8)と、
ボディ三次元FEMモデルM4とトレッド三次元FEMモデルM5とを結合し、パターン付きの第2のタイヤ三次元FEMモデルM6を生成するステップ(ST9)と、
を含む。
第1実施形態のタイヤ三次元FEMモデルの生成装置は、
第1のタイヤ断面FEMモデルM1及び対応するトレッドパターンM2を示す平面データを取得するモデル取得部10と、
第1のタイヤ断面FEMモデルM1を内圧付与により変形させ、変形後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルM1’に修正するPCI処理部11と、
修正後の第2のタイヤ断面FEMモデルM1’を周方向展開して第1のタイヤ三次元FEMモデルM3を生成する周方向展開部12と、
第1のタイヤ三次元FEMモデルM3からトレッド部を削除し、ボディ三次元FEMモデルM4を生成するボディ生成部13と、
第1のタイヤ三次元FEMモデルM3の踏面に合致するように、平面データが表すトレッドパターンM2のタイヤ幅方向WD及びタイヤ周方向CDのサイズの少なくとも一方を補正してトレッド三次元FEMモデルM5を生成するトレッド三次元モデル生成部14と、
ボディ三次元FEMモデルM4とトレッド三次元FEMモデルM5とを結合し、パターン付きの第2のタイヤ三次元FEMモデルM6を生成する結合部15と、
を備える。
このように、初期モデルである第1のタイヤ断面FEMモデルM1を内圧付与により変形させ、PCI処理による影響を再現しているので、タイヤ三次元FEMモデルに内圧付与する場合に比べて計算コストを低減することが可能となる。
また、トレッド三次元FEMモデルM5を生成するにあたり、内圧付与による変形後の形状に合致するように、トレッドパターンM2のタイヤ幅方向WD及びタイヤ周方向CDのサイズの少なくとも一方を補正しているので、PCI処理による影響を再現したトレッドパターンを有するタイヤ三次元FEMモデルM6を得ることができる。
したがって、計算コストを低減すると共に、PCI処理による影響を適切に再現した、トレッドパターン付きのタイヤ三次元FEMモデルM6が生成可能となる。
第1実施形態の方法において、トレッド三次元FEMモデルM5を生成するステップは、
第1のタイヤ三次元FEMモデルM3における踏面について、タイヤ幅方向WD及びタイヤ周方向CDの変形前に対する拡大率を取得するステップ(ST5)と、
平面データが示すトレッドパターンM2を複数の要素で表現した二次元FEMトレッドパターンM2’を生成するステップ(ST6)と、
二次元FEMトレッドパターンM2’を拡大率を用いて補正するステップ(ST7)と、
補正後の二次元FEMトレッドパターンM2’を、ボディ三次元FEMモデルM4の踏面に相当する位置に配置し、二次元FEMトレッドパターンM2’における要素をトレッド厚み方向に沿って投影してトレッド三次元FEMモデルM5を生成するステップ(ST8)と、
を含む。
第1実施形態の装置において、トレッド三次元モデル生成部14は、
第1のタイヤ三次元FEMモデルM3における踏面について、タイヤ幅方向WD及びタイヤ周方向CDの変形前に対する拡大率を取得する拡大率算出部14aと、
平面データが示すトレッドパターンM2を複数の要素で表現した二次元FEMトレッドパターンM2’を生成するFEM化部14bと、
二次元FEMトレッドパターンM2’を拡大率を用いて補正する補正部14cと、
補正後の二次元FEMトレッドパターンM2’を、ボディ三次元FEMモデルM4の踏面に相当する位置に配置し、二次元FEMトレッドパターンM2’における要素をトレッド厚み方向に沿って投影してトレッド三次元FEMモデルM5を生成する投影部14dと、
を有する。
このように、PCI処理によって変形した後の形状に合致するように二次元トレッドパターンを補正したあとで、三次元化しているので、三次元トレッドパターンを補正する場合に比べて、簡素な処理で実現でき且つ計算コストを低減させることが可能となる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、PCI処理は既知の様々な方法を適用可能である。第2実施形態では、次に述べる課題に対応するために、以下に述べるPCI処理を採用している。
課題として、上記特許文献1に記載の方法では、例えばカーカス等の弾性定数を下げた状態で内圧充填してタイヤを変形させているが、PCI処理による影響が少ない部分まで変形してしまう可能性がある。この場合、実際のタイヤとは異なった形状となるので、タイヤ性能を精度よく予測できない場合があると考えられる。
第2実施形態で使用する第1のタイヤ断面FEMモデルM1は、第1実施形態と同じであるが、図12を用いて説明する。図12に示すように、第1のタイヤ断面FEMモデルM1は、タイヤを複数の要素で表現した有限要素法で用いるタイヤデータであり、トレッド部3からサイドウォール部2を経てビード部1に至り且つ弾性定数が設定されたカーカスプライ4bと、トレッド部3においてカーカスプライ4bの径方向RDの外側に配置される複数の補強部材(ベルト4c、ベルト補強層4d)と、ビード部1に配置されるビードフィラー1aと、トレッド部3において主溝30で区画された陸部31と、を有する。ベルト補強層4dは、省略される場合もある。タイヤを構成する各部材には、部材の弾性定数などの物性値が設定されている。
PCI処理部11は、図10に示すように、弾性定数変更部11aと、拘束条件設定部11bと、内圧充填処理部11cと、モデル修正部11dと、を有する。
弾性定数変更部11aは、カーカスプライ4bの一部の弾性定数(ヤング率)を、元の値よりも低い値に変更する。具体的には、図12に示すように、幅方向WDの最も外側にある補強部材(4d)の幅方向外側端に対応する部位P1から、ビードフィラー1a先端に対応する部位P2までの領域Ar1にあるカーカスプライ4bの少なくとも一部の弾性定数を変更する。
第2実施形態では、図12に示すように、弾性定数変更部11aは、幅方向WDの最も外側にある補強部材(ベルト補強層4d)の幅方向外側端に対応する部位P1から、ビードフィラー1a先端に対応する部位P2までの全領域Ar1のカーカスプライ4bの弾性定数を、元の値よりも低い値に変更しているが、これに限定されない。
例えば、同図に示すように、弾性定数変更部11aは、幅方向WDの最も外側にある補強部材(ベルト補強層4d)の幅方向外側端に対応する部位P1からビードフィラー1a先端に対応する部位P2までのカーカスプライ4bに沿った長さを100%とし、タイヤ幅が最大となる部位Maxを中心として少なくともタイヤ径方向RD外側へ25%の領域Ar2及びタイヤ径方向RD内側へ25%の領域Ar3にあるカーカスプライ4bの弾性定数を、元の値よりも低い値に変更することが好ましい。この領域(Ar2、Ar3)のカーカスプライ4bの弾性定数を下げることがサイドウォール部2を変形させるうえで支配的だからである。一方、カーカスプライ4bのうち、補強部材(ベルト4c又はベルト補強層4d)と重なる部位およびビードフィラー1a先端よりもビード部1側の部位は、変形しにくいため、弾性定数を変更しても効果が少ないためである。
拘束条件設定部11bは、タイヤ赤道CLに陸部31がある場合には、当該陸部31の踏面を構成する全ての節点及びビード部1を拘束する条件を設定する。図12は、タイヤ赤道CLに主溝30がある例を示し、図中にて拘束する節点を三角に接続して示すように、タイヤ赤道CLを通る主溝30に隣接する2つの主溝30の踏面を構成する全ての節点を拘束する。ビード部1の周辺には、リムとの接触点が定義されており、リムとの接触点は、内圧充填処理時に拘束される(図中にて三角に接続されている節点は拘束を意味する)。また、モデルM0では、インナーライナーには内圧が付与される内圧付与点が定義されている。
なお、図示しないが、拘束条件設定部11bは、タイヤ赤道に主溝がある場合には、当該主溝の両側に隣接する2つの陸部の踏面を構成する全ての節点及びビード部1を拘束する条件を設定する。また、上記の例では、タイヤ赤道CL付近の陸部のみを拘束しているが、タイヤ幅方向WDの最も外側になる一対の主溝間にある全ての陸部の踏面を拘束するようにしてもよい。
内圧充填処理部11cは、上記拘束状態を維持したまま所定の内圧を付与し、第1のタイヤ断面FEMモデルM1を変形させる内圧充填処理を実行する。内圧の付与によりタイヤが変形し、変形により発生する反力と内圧と力の釣り合いが取れる状態までタイヤが変形する。
モデル修正部11dは、弾性定数を元の値に戻すと共に、内圧の付与により変形した後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルM1’に修正する。モデルM1からの節点移動により簡素に修正可能である。
図13は、PCI処理をした実際のタイヤTの形状(実線)と、金型内面に基づく第1のタイヤ断面FEMモデルM1の形状(破線)と、を示す図である。図13では、サイドウォール部2において実タイヤTとタイヤ断面FEMモデルM1との差が大きく見られ、トレッド部3におけるショルダー部Shに若干の差が確認できる。
図14は、PCI処理をした実際のタイヤTの形状(実線)と、本開示の手法(領域Ar1の弾性定数を変更し、陸部31を拘束した)により第1のタイヤ断面FEMモデルM1にPCI処理に相当する内圧を付与して変形させた第2のタイヤ断面FEMモデルM1’の形状(破線)と、を示す図である。図14では、ショルダー部Sh及びサイドウォール部2の両方において実タイヤTとモデルM1’との差が小さくなっていることが分かる。
図15は、PCI処理をした実際のタイヤTの形状(実線)と、領域Ar1の弾性定数を変更しているが陸部31を拘束しない特許文献1の方法により得たタイヤFEMモデルM1’’の形状(破線)と、を示す図である。サイドウォール部2において実タイヤTとタイヤFEMモデルM1’’との差が小さくなっていることが分かるが、その反面、トレッド部3、特にショルダー部Shにおいて実タイヤTとタイヤFEMモデルM1’’との差が大きく見られる。陸部31を拘束しなければ、タイヤモデルM1’’、特にショルダー部Shが上(径方向外側)に上がった形状となっている。
第2実施形態の装置の動作について図11を参照しつつ説明する。
まず、ステップST22において、弾性定数変更部11aは、幅方向WDの最も外側にある補強部材(ベルト補強層4d)の幅方向外側端に対応する部位P1からビードフィラー1a先端に対応する部位P2までの領域Ar1にあるカーカスプライ4bの少なくとも一部の弾性定数を、元の値よりも低い値に変更する。
次のステップST23〜25において、拘束条件設定部11bは、タイヤ赤道CLに陸部31がある場合には、陸部31の踏面を構成する全ての節点及びビード部1を拘束する条件を設定し(ステップST24)、タイヤ赤道CLに主溝30がある場合には、主溝30の両側に隣接する2つの陸部31の踏面を構成する全ての節点及びビード部1を拘束する条件を設定する(ステップST25)。
なお、ステップST22の次に、ステップST23〜25を実行しているが、これらの順序はこれに限定されない。ステップST23〜25の後にステップST22を実行することも可能である。
次のステップST26において、内圧充填処理部11cは、拘束状態を維持したまま内圧を付与して第1のタイヤ断面FEMモデルM1を変形させる内圧充填処理を実行する。
次のステップST27において、モデル修正部11dは、弾性定数を元の値に戻すと共に、内圧の付与により変形した後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルM1’に修正する。
以上のように、第2実施形態の方法において、
第1のタイヤ断面FEMモデルM1は、タイヤを複数の要素で表現したモデルであり、トレッド部3からビード部1に至り且つ弾性定数が設定されたカーカスプライ4bと、トレッド部3においてカーカスプライ4bの径方向RD外側に配置されるコードを有する複数の補強部材(ベルト4c、ベルト補強層4d)と、ビード部1に配置されるビードフィラー1aと、トレッド部3において主溝30で区画された陸部31と、を有する。
第2のタイヤ断面FEMモデルM1’に修正するステップ(ST2)は、
幅方向WDの最も外側にある補強部材(ベルト補強層4d)の幅方向外側端に対応する部位P1からビードフィラー1a先端に対応する部位P2までの領域Ar1にあるカーカスプライ4bの少なくとも一部の弾性定数を、元の値よりも低い値に変更するステップ(ST22)と、
タイヤ赤道CLに陸部31がある場合には、陸部31の踏面を構成する全ての節点及びビード部1を拘束する条件を設定し、タイヤ赤道CLに主溝30がある場合には、主溝30の両側に隣接する2つの陸部31の踏面を構成する全ての節点及びビード部1を拘束する条件を設定するステップ(ST23〜25)と、
拘束状態を維持したまま内圧を付与して第1のタイヤ断面FEMモデルM1 を変形させる内圧充填処理を実行するステップ(ST26)と、
弾性定数を元の値に戻すと共に、内圧の付与により変形した後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルM1’に修正するステップ(ST27)と、
を含む。
第2実施形態の装置において、
第1のタイヤ断面FEMモデルM1は、タイヤを複数の要素で表現したモデルであり、トレッド部3からビード部1に至り且つ弾性定数が設定されたカーカスプライ4bと、トレッド部3においてカーカスプライ4bの径方向RD外側に配置されるコードを有する複数の補強部材(ベルト4c、ベルト補強層4d)と、ビード部1に配置されるビードフィラー1aと、トレッド部3において主溝30で区画された陸部31と、を有する。
PCI処理部11は、
幅方向WDの最も外側にある補強部材(ベルト補強層4d)の幅方向外側端に対応する部位P1からビードフィラー1a先端に対応する部位P2までの領域Ar1にあるカーカスプライ4bの少なくとも一部の弾性定数を、元の値よりも低い値に変更する弾性定数変更部11aと、
タイヤ赤道CLに陸部31がある場合には、陸部31の踏面を構成する全ての節点及びビード部1を拘束する条件を設定し、タイヤ赤道CLに主溝30がある場合には、主溝30の両側に隣接する2つの陸部31の踏面を構成する全ての節点及びビード部1を拘束する条件を設定する拘束条件設定部11bと、
拘束状態を維持したまま内圧を付与して第1のタイヤ断面FEMモデルM1 を変形させる内圧充填処理を実行する内圧充填処理部11cと、
弾性定数を元の値に戻すと共に、内圧の付与により変形した後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルM1’に修正するモデル修正部11dと、
を有する。
このように、タイヤ赤道周辺の陸部31を拘束しているので、PCIの影響が少ないタイヤ赤道CL周辺の変形を抑え、ショルダー部Shからサイドウォール部2にかけてのみ変形させることができ、トレッド部3全体が径方向外側へ膨らんでしまうことを回避できる。
さらに、カーカスプライのうち、補強部材の幅方向外側端に対応する部位P1からビードフィラー1a先端に対応する部位P2までの領域Ar1の少なくとも一部の弾性定数(ヤング率)が元の値よりも低い値に設定されるので、サイドウォール部2を変形しやすくしてPCIの影響を適切に再現したタイヤモデルを得ることが可能となる。さらに、拘束対象となる陸部31の踏面を構成する全ての節点を拘束するので、踏面の形状が不連続になることを防止できる。
したがって、タイヤのトレッド部3及びサイドウォール部2の形状を、PCI処理後のタイヤ形状に近づけることができ、PCI処理による影響を適切に再現したタイヤFEMモデルを生成することが可能となる。
第2実施形態において、弾性定数変更部11aは、幅方向WDの最も外側にある補強部材(ベルト補強層4d)の幅方向外側端に対応する部位P1からビードフィラー1a先端に対応する部位P2までのカーカスプライ4bに沿った長さを100%とし、タイヤ幅が最大となる部位Maxを中心として少なくともタイヤ径方向RD外側へ25%の領域Ar2及びタイヤ径方向RD内側へ25%の領域Ar3にあるカーカスプライ4bの弾性定数を、元の値よりも低い値に変更する(ステップST22)。
タイヤ幅が最大となる部位Maxを中心とする±25%の領域Ar2、Ar3の弾性定数がサイドウォール部2を変形させるうえで支配的だからである。
第2実施形態において、弾性定数変更部11aは、幅方向WDの最も外側にある補強部材(ベルト補強層4d)の幅方向外側端に対応する部位P1から、ビードフィラー1a先端に対応する部位P2までの全領域Ar1のカーカスプライ4bの弾性定数を、元の値よりも低い値に変更する(ステップST22)。
このようにすれば、タイヤサイドウォール部を的確に変形させて、PCIの影響を適切に再現できる。
第1及び第2実施形態のプログラムは、上記方法を構成する各ステップをコンピュータに実行させる。
これらプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。言い換えると、上記方法を使用しているとも言える。
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現できる。特許請求の範囲、明細書、および図面中のフローに関して、便宜上「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
例えば、図1及び図10に示す各部10〜15は、所定プログラムをコンピュータのCPUで実行することで実現しているが、各部を専用メモリや専用回路で構成してもよい。
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
M1 第1のタイヤ断面FEMモデル
M1’ 第2のタイヤ断面FEMモデル
M2 トレッドパターン
M2’ 二次元FEMトレッドパターン
M3 第1のタイヤ三次元FEMモデル
M4 ボディ三次元FEMモデル
M5 トレッド三次元FEMモデル
M6 タイヤ三次元FEMモデル
10 モデル取得部
11 PCI処理部
11a 弾性定数変更部
11b 拘束条件設定部
11c 内圧充填処理部
11d モデル修正部
12 周方向展開部
13 ボディ生成部
14 トレッド三次元モデル生成部
14a 拡大率算出部
14b FEM化部
14c 補正部
14d 投影部
15 結合部

Claims (5)

  1. コンピュータが実行する方法であって、
    第1のタイヤ断面FEMモデル及び対応するトレッドパターンを示す平面データを取得するステップと、
    前記第1のタイヤ断面FEMモデルを内圧付与により変形させ、変形後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルに修正するステップと、
    前記修正後の第2のタイヤ断面FEMモデルを周方向展開して第1のタイヤ三次元FEMモデルを生成するステップと、
    前記第1のタイヤ三次元FEMモデルからトレッド部における主溝の底をタイヤ幅方向に通る要素定義線よりもタイヤ径方向外側に位置する要素を削除し、ボディ三次元FEMモデルを生成するステップと、
    前記第1のタイヤ三次元FEMモデルの踏面に合致するように、前記平面データが表すトレッドパターンのタイヤ幅方向及びタイヤ周方向のサイズの少なくとも一方を補正してトレッド三次元FEMモデルを生成するステップと、
    前記ボディ三次元FEMモデルと前記トレッド三次元FEMモデルとを結合し、パターン付きの第2のタイヤ三次元FEMモデルを生成するステップと、
    を含み、
    前記トレッド三次元FEMモデルを生成するステップは、
    前記第1のタイヤ三次元FEMモデルにおける踏面について、タイヤ幅方向及びタイヤ周方向の変形前に対する拡大率を取得するステップと、
    前記平面データが示すトレッドパターンを複数の要素で表現した二次元FEMトレッドパターンを生成するステップと、
    前記二次元FEMトレッドパターンを前記拡大率を用いて補正するステップと、
    前記補正後の二次元FEMトレッドパターンを、前記ボディ三次元FEMモデルの踏面に相当する位置に配置し、前記二次元FEMトレッドパターンにおける要素をトレッド厚み方向に沿って前記要素定義線まで投影して前記トレッド三次元FEMモデルを生成するステップと、
    を含む、タイヤ三次元FEMモデルの生成方法。
  2. 前記第1のタイヤ断面FEMモデルは、タイヤを複数の要素で表現したモデルであり、トレッド部からビード部に至り且つ弾性定数が設定されたカーカスプライと、前記トレッド部において前記カーカスプライの径方向外側に配置されるコードを有する複数の補強部材と、前記ビード部に配置されるビードフィラーと、前記トレッド部において主溝で区画された陸部と、を有しており、
    前記第2のタイヤ断面FEMモデルに修正するステップは、
    幅方向の最も外側にある前記補強部材の幅方向外側端に対応する部位から前記ビードフィラー先端に対応する部位までの領域にある前記カーカスプライの少なくとも一部の弾性定数を、元の値よりも低い値に変更する弾性定数変更部と、
    タイヤ赤道に陸部がある場合には、当該陸部の踏面を構成する全ての節点及び前記ビード部におけるリムとの接触点と定義される節点を拘束する条件を設定し、タイヤ赤道に主溝がある場合には、当該主溝の両側に隣接する2つの陸部の踏面を構成する全ての節点及び前記ビード部におけるリムとの接触点と定義される節点を拘束する条件を設定する拘束条件設定部と、
    前記拘束状態を維持したまま内圧を付与して前記第1のタイヤ断面FEMモデルを変形させる内圧充填処理を実行する内圧充填処理部と、
    前記弾性定数を元の値に戻すと共に、内圧の付与により変形した後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする前記第2のタイヤ断面FEMモデルに修正するモデル修正部と、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 第1のタイヤ断面FEMモデル及び対応するトレッドパターンを示す平面データを取得するモデル取得部と、
    前記第1のタイヤ断面FEMモデルを内圧付与により変形させ、変形後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする第2のタイヤ断面FEMモデルに修正するPCI処理部と、
    前記修正後の第2のタイヤ断面FEMモデルを周方向展開して第1のタイヤ三次元FEMモデルを生成する周方向展開部と、
    前記第1のタイヤ三次元FEMモデルからトレッド部における主溝の底をタイヤ幅方向に通る要素定義線よりもタイヤ径方向外側に位置する要素を削除し、ボディ三次元FEMモデルを生成するボディ生成部と、
    前記第1のタイヤ三次元FEMモデルの踏面に合致するように、前記平面データが表すトレッドパターンのタイヤ幅方向及びタイヤ周方向のサイズの少なくとも一方を補正してトレッド三次元FEMモデルを生成するトレッド三次元モデル生成部と、
    前記ボディ三次元FEMモデルと前記トレッド三次元FEMモデルとを結合し、パターン付きの第2のタイヤ三次元FEMモデルを生成する結合部と、
    を備え
    前記トレッド三次元モデル生成部は、
    前記第1のタイヤ三次元FEMモデルにおける踏面について、タイヤ幅方向及びタイヤ周方向の変形前に対する拡大率を取得する拡大率算出部と、
    前記平面データが示すトレッドパターンを複数の要素で表現した二次元FEMトレッドパターンを生成するFEM化部と、
    前記二次元FEMトレッドパターンを前記拡大率を用いて補正する補正部と、
    前記補正後の二次元FEMトレッドパターンを、前記ボディ三次元FEMモデルの踏面に相当する位置に配置し、前記二次元FEMトレッドパターンにおける要素をトレッド厚み方向に沿って前記要素定義線まで投影して前記トレッド三次元FEMモデルを生成する投影部と、
    を有する、タイヤ三次元FEMモデルの生成装置。
  4. 前記第1のタイヤ断面FEMモデルは、タイヤを複数の要素で表現したモデルであり、トレッド部からビード部に至り且つ弾性定数が設定されたカーカスプライと、前記トレッド部において前記カーカスプライの径方向外側に配置されるコードを有する複数の補強部材と、前記ビード部に配置されるビードフィラーと、前記トレッド部において主溝で区画された陸部と、を有しており、
    前記PCI処理部は、
    幅方向の最も外側にある前記補強部材の幅方向外側端に対応する部位から前記ビードフィラー先端に対応する部位までの領域にある前記カーカスプライの少なくとも一部の弾性定数を、元の値よりも低い値に変更する弾性定数変更部と、
    タイヤ赤道に陸部がある場合には、当該陸部の踏面を構成する全ての節点及び前記ビード部におけるリムとの接触点と定義される節点を拘束する条件を設定し、タイヤ赤道に主溝がある場合には、当該主溝の両側に隣接する2つの陸部の踏面を構成する全ての節点及び前記ビード部におけるリムとの接触点と定義される節点を拘束する条件を設定する拘束条件設定部と、
    前記拘束状態を維持したまま内圧を付与して前記第1のタイヤ断面FEMモデルを変形させる内圧充填処理を実行する内圧充填処理部と、
    前記弾性定数を元の値に戻すと共に、内圧の付与により変形した後の形状を、内圧を付与していない自然状態の形状とする前記第2のタイヤ断面FEMモデルに修正するモデル修正部と、
    を有する、請求項3に記載の装置。
  5. 請求項1又は2に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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