JP6924202B2 - 光学パネルおよびその製造方法、機器ならびに転写体およびその製造方法 - Google Patents

光学パネルおよびその製造方法、機器ならびに転写体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学パネルおよびその製造方法ならびに上記の光学パネルを備える機器に関する。
特許文献1には、透明基材上に積層される反射防止膜であって、前記反射防止膜が、透明樹脂と該透明樹脂中に分散された微粒子とからなり、前記微粒子の最近接粒子同士の中心間の平均距離が50〜800nmの範囲にあり、前記反射防止膜中の前記微粒子の配列構造がアモルファス構造であり、且つ、前記反射防止膜の表面に凸部の平均高さが40〜500nmの範囲にある凹凸形状が形成されていること、を特徴とする反射防止膜が開示されている。
特開2009−139796号公報
特許文献1に記載される反射防止膜は、膜中に分散された微粒子が反射防止膜の面に凹凸を作り、この凹凸によって外光を散乱して反射防止が行われている。そして、この凹凸を形成するために、微粒子が分散するマトリックス材料を選択的に除去する加工が行われている。すなわち、特許文献1に記載される反射防止膜は、マトリックス材料とこの材料とは除去加工性が十分に異なる微粒子との存在が不可欠である。このため、反射防止膜中に微粒子を存在させることを望まない場合には、特許文献1に記載される反射防止膜を用いることができない。また、反射防止膜中に微粒子を存在させることを望む場合であっても、このマトリックス材料とは除去加工性が十分に異なる微粒子の存在が必須となるため、微粒子の選択自由度が著しく低くなる。
本発明は、反射防止機能を果たすために微粒子の存在を必須としない光学パネルを提供することを目的とする。本発明は、かかる光学パネルの製造方法および上記の光学パネルを備える機器を提供することも目的とする。
上記の課題を解決するために提供される本発明は、一態様において、透光性を備えた基材と、前記基材の上に位置する外観層とを備える光学パネルであって、前記外観層は、前記光学パネルの前記外観層側からの入射光の反射率が相対的に低い第1領域および前記反射率が相対的に高い第2領域を備え、前記外観層は、第1樹脂系材料および第2樹脂系材料を含み、前記第1領域の面は、前記第1樹脂系材料からなり前記外観層の厚さ方向に突出して外光を散乱する突出点群を備えることを特徴とする光学パネルである。
上記の本発明に係る光学パネルは、樹脂系材料からなる突出点群によって外光を散乱させる反射防止機能を実現している。したがって、外観層が微粒子を含有することは、反射防止機能の発現と切り離されている。それゆえ、外観層の組成の設計自由度を高めることが可能である。
上記の光学パネルにおいて、前記第1領域は前記外観層の厚さ方向に組成が相違していてもよい。この場合において、前記基材に対向する側とは反対側における前記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比は、前記基材に対向する側における前記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比よりも高くてもよい。
上記の光学パネルにおいて、前記突出点群は、前記第2領域の面よりも突出していてもよい。
上記の光学パネルにおいて、前記第1領域と前記第2領域とは、全体組成が等しく、前記外観層の厚さ方向の組成分布が相違していてもよい。この場合には、第1領域と第2領域とで外観層を形成するための材料を共通なものとしておいて、異なったプロセスを実施することによって第1領域と第2領域とを作り分けることができる。
本発明は、他の一態様として、透光性を備えた基材と、前記基材の上に位置する外観層とを備える光学パネルを提供する。かかる光学パネルにおいては、前記外観層は、第1樹脂系材料および第2樹脂系材料を含み、前記外観層の面は、少なくとも一部の領域において、前記第1樹脂系材料からなり前記外観層の厚さ方向に突出して外光を散乱する突出点群を備える。
かかる光学パネルも、上記の第1領域および第2領域を備える光学パネルと同様に、外観層の組成の設計自由度を高めることが可能である。
上記の光学パネルにおいて、前記突出点群を備える領域は前記外観層の厚さ方向に組成が相違していてもよい。この場合において、前記基材に対向する側とは反対側における前記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比は、前記基材に対向する側における前記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比よりも高くてもよい。
上記の光学パネルにおいて、前記外観層はフィラー成分をさらに含んでもよいし、前記外観層はフィラー成分を含まなくてもよい。
上記の光学パネルにおいて、前記第1樹脂系材料は電離放射線重合性の第1物質の重合体を含んでいてもよく、前記第2樹脂系材料は、前記第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質の重合体を含んでいてもよい。この場合において、前記外観層は重合開始剤をさらに含んでいてもよい。また、前記第1物質に対する相溶性を有する第3物質を含んでいてもよい。第3物質はフェノール系化合物が好ましく、融点が100℃以下のフェノール系化合物がさらに好ましく、ヒンダードフェノール系化合物が特に好ましい。第3物質を含むことにより、第2領域の平滑性や光学特性が高まることもある。
本発明は、他の一態様として、透光性を有する基材と、前記基材の上に位置して外光を散乱する突出点群を備える面を有する外観層とを備える光学パネルの製造方法を提供する。かかる製造方法は、電離放射線重合性の第1物質と、前記第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質と、前記第2物質よりも前記第1物質を溶解しやすい第1溶媒と、前記第1物質よりも前記第2物質を溶解しやすく前記第1溶媒よりも沸点が高い第2溶媒と、を含有する液状体を、前記基材の一方の面に塗布して前記基材上に塗膜を形成する第1ステップ;前記塗膜に含有される前記第1溶媒を揮発させることにより、前記第1物質を含む析出体を前記塗膜の表面に位置させて析出塗膜を得る第2ステップ;および前記析出塗膜の少なくとも一部の領域に電離放射線を照射することにより、前記電離放射線が照射された領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させる第3ステップを備え、前記第3ステップにより、前記外観層の前記突出点群を備える面が形成されることを特徴とする。
このような製造方法により外観層を形成することにより、反射防止機能を有する外観層を、組成上の制約少なく、特にフィラー成分の含有を必須とすることなく製造することができる。
上記の製造方法において、前記第3ステップでは、前記析出塗膜の全体に前記電離放射線を照射することにより、前記突出点群を全面に備える前記外観層を前記析出塗膜から形成してもよい。かかる製造方法を採用することにより、全面に反射防止機能を有する外観層を製造することができる。
上記の製造方法において、前記外観層は、前記突出点群を備える面を有する第1領域と、前記突出点群を備えない面を有する第2領域とからなり、前記第3ステップでは、前記析出塗膜の一部の領域である第1塗膜領域について前記電離放射線を照射することにより、前記第1塗膜領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させて、前記第1領域を形成し、前記第3ステップに続いて、前記析出塗膜における前記電離放射線が照射されていない第2塗膜領域を加熱して、前記第2塗膜領域の面平滑性を高める第4ステップ;および前記面平滑性が高められた第2塗膜領域に電離放射線を照射することにより、前記第2塗膜領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させて、前記第2領域を形成する第5ステップを備えてもよい。かかる製造方法を採用することにより、反射防止機能を有する第1領域と反射防止機能を有しない第2領域とを備える外観層を製造することができる。
上記の製造方法において、前記液状体はフィラー成分をさらに含んでいてもよい。この場合には、外観層はフィラー成分を含有するものとなる。上記の製造方法において、前記液状体はフィラー成分を含まなくてもよい。この場合には、外観層はフィラー成分を含有しないものとなる。このように、液状体の組成を変化させることによって、外観層がフィラー成分を含有するか否かを設定することができる。
上記の製造方法において、前記液状体は重合開始剤を含んでいてもよい。この場合には、前記第1物質および前記第2物質の重合を、可視光や紫外光などの電磁波の照射により行うことができる。
上記の製造方法において、前記第4ステップでは、前記析出塗膜における前記第1物質の析出体が溶融するように加熱を行ってもよい。析出塗膜では第1物質の析出体により析出塗膜の表面が粗面化していることから、この第1物質の析出体を溶解することにより、表面の平滑性を高めることができる。
前記液状体は前記第1物質に対する相溶性を有する第3物質を含有していてもよい。この場合において、前記第2ステップで形成される前記第1物質を含む析出体は前記第3物質を含み、前記第1物質を含む析出体は前記第1物質からなる析出体よりも融点が低いことが好ましい。第3物質はフェノール系化合物が好ましく、融点が100℃以下のフェノール系化合物がさらに好ましく、ヒンダードフェノール系化合物が特に好ましい。第3物質を含むことにより、第2領域の平滑性や光学特性が高まることもある。
本発明は、別の一態様として、上記の本発明の一態様に係る光学パネルを備える機器を提供する。
本発明は、また別の一態様として、転写元面を有する転写層を備える転写体を提供する。かかる転写体において、前記転写層は、電離放射線重合性の第1物質の重合体を含む第1樹脂系材料、および前記第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質の重合体を含む第2樹脂系材料を含み、前記転写元面は、前記第1樹脂系材料からなり前記転写層の厚さ方向に突出して外光を散乱する突出点群を備え、前記転写層における前記転写元面を含む領域は、前記転写層の厚さ方向に組成が相違し、前記転写元面側における前記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比は、前記転写元面側とは反対側における前記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比よりも高い。このように、上記の本発明に係る光学パネルの外観層を、被転写物に転写面を形成するための転写元面を有する転写層として用いることが可能である。上記の転写体において、前記第1物質に対する相溶性を有する第3物質を含んでいてもよい。第3物質はフェノール系化合物が好ましく、融点が100℃以下のフェノール系化合物がさらに好ましく、ヒンダードフェノール系化合物が特に好ましい。
本発明は、また別の一態様として、外光を散乱する突出点群を備える転写元面を有する転写層を備える転写体の製造方法を提供する。かかる製造方法は、電離放射線重合性の第1物質と、前記第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質と、前記第2物質よりも前記第1物質を溶解しやすい第1溶媒と、前記第1物質よりも前記第2物質を溶解しやすく前記第1溶媒よりも沸点が高い第2溶媒と、を含有する液状体を、基材の一方の面に塗布して前記基材上に塗膜を形成する第1ステップ;前記塗膜に含有される前記第1溶媒を揮発させることにより、前記第1物質を含む析出体を前記塗膜の表面に位置させて析出塗膜を得る第2ステップ;および前記析出塗膜の少なくとも一部の領域に電離放射線を照射することにより、前記電離放射線が照射された領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させる第3ステップを備え、前記第3ステップにより、前記突出点群を備える前記転写元面が形成される。
上記の転写体の製造方法において、前記転写層は、前記突出点群を備える面を有する第1領域と、前記突出点群を備えない面を有する第2領域とからなり、前記第3ステップでは、前記析出塗膜の一部の領域である第1塗膜領域について前記電離放射線を照射することにより、前記第1塗膜領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させて、前記第1領域を形成し、前記第3ステップに続いて、前記析出塗膜における前記電離放射線が照射されていない第2塗膜領域を加熱して、前記第2塗膜領域の面平滑性を高める第4ステップ;および前記面平滑性が高められた第2塗膜領域に電離放射線を照射することにより、前記第2塗膜領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させて、前記第2領域を形成する第5ステップを備えていてもよい。かかる製造方法によれば、転写層の転写元面が位置する面に平滑性に優れる面を設けることができる。
上記の転写体の製造方法において、前記第4ステップでは、前記析出塗膜における前記第1物質を含む析出体が溶融するように加熱を行ってもよい。この場合において、前記液状体は前記第1物質に対する相溶性を有する第3物質を含有し、前記第2ステップで形成される前記第1物質を含む析出体は前記第3物質を含み、前記第1物質を含む析出体は前記第1物質からなる析出体よりも融点が低いことが好ましい。第3物質はフェノール系化合物が好ましく、融点が100℃以下のフェノール系化合物がさらに好ましく、ヒンダードフェノール系化合物が特に好ましい。
本発明によれば、反射防止機能を果たすために微粒子の存在を必須としない光学パネル、かかる光学パネルの製造方法および上記の光学パネルを備える機器が提供される。
本発明の一実施形態に係る光学パネルの構造を模式的に示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第1ステップ)を模式的に示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第2ステップ)を模式的に示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第3ステップ)を模式的に示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第3ステップ後)を模式的に示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第4ステップ)を模式的に示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第5ステップ)を模式的に示す部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学パネルを模式的に示す部分断面図である。
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る光学パネル100は、透光性を備えた基材10と、基材10の上に位置する外観層20とを備える。
基材10を構成する材料は適切な透光性を有する限り、限定されない。かかる材料として、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ガラスなどが例示される。基材は、複数の部材の積層構造体から構成されていてもよい。
外観層20は、図1に示されるように、基材10に直接的に接するように設けられていてもよいし、基材10と外観層20との間に介在層が存在していてもよい。かかる介在層は、基材10と同様に、適切な透光性を有するべきである。
外観層20は、光学パネル100の外観層20側からの入射光の反射率が相対的に低い第1領域R1および反射率が相対的に高い第2領域R2を備える。外観層20は、第1樹脂系材料および第2樹脂系材料を含む。第1領域R1の面R1Aは、第1樹脂系材料からなり外観層20の厚さ方向に突出して外光を散乱する突出点群21を備える。
第1樹脂系材料および第2樹脂系材料の具体的な組成は限定されない。アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂など電離放射線重合性の物質の重合体を含有していてもよい。本明細書において、「電離放射線」とは、光(赤外線、可視光、および紫外線を含む。)、X線等の電磁波および電子など、原子・分子を直接的または間接的に電離させることが可能な放射線を意味する。
第1樹脂系材料と第2樹脂系材料とは組成が異なっていてもよいし、共通であってもよい。一具体例として、第1樹脂系材料は電離放射線重合性の第1物質の重合体を含み、第2樹脂系材料は、第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質の重合体を含む。この場合において、外観層20は、重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤の具体例として、α‐ヒドロキシアルキルフェノン、ビス(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイドなどの光重合開始剤が挙げられる。
図1に示される外観層20の第2領域R2は、外観層20の厚さ方向の全体が第1樹脂系材料と第2樹脂系材料との混合材料からなる層24からなる。
外観層20の厚さは限定されない。例示的に示せば、外観層20の厚さは、0.001μm以上200μm以下であり、1μm以上20μm以下であることが好ましい場合がある。
外観層20の第1領域R1は、突出点群21を備えるため、光学パネル100の外観層20側からの入射光の反射率が、第2領域R2における同様の反射率よりも低い。具体的には、外観層20の第1領域R1は、JIS K7375:2008に規定される全光線反射率が、10%以下であって、5%以下であることが好ましい場合がある。
後述するように、外観層20において、フィラー成分は任意的な含有成分である。
第1領域R1の外観層20全体における大きさの割合および配置、ならびに第2領域R2の外観層20全体における大きさの割合および配置は、用途に応じて適宜設定されるべきものである。図1に示される光学パネル100では、第1領域R1は、平面視で外観層20の中央部に位置し、第1領域R1を平面視で囲むように第2領域R2が位置しているが、これに限定されない。第1領域R1および第2領域R2以外の領域を外観層20が有していてもよい。
第1領域R1は突出点群21において外光を散乱させることから、突出点群21を備える面(第1領域面)R1Aは第2領域R2の面よりも粗な面となる。具体的には、第1領域面R1Aは、JIS B0601:2001において規定される表面粗さの最大高さRzが、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、1.5μm以上であることが特に好ましい。第1領域面R1Aの表面粗さの上限は限定されないが、第1領域面R1Aの表面粗さが過度に大きい場合には、光学パネル100の透光性が低下してしまう場合がある。光学パネル100は、基材10がプラスチックからなる場合を例とすると、JIS 7375:2008に規定される全光線透過率が50%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上)となる程度の透光性を有するように、第1領域面R1Aの表面粗さは設定されるべきである。
図1に示されるように、第1領域面R1Aに位置する突出点群21は、第2領域R2の面(第2領域面)R2Aよりも突出している。このように突出点群21が配置されることにより、外観層20の突出点群21以外の部分における組成の自由度を高めることが可能となる場合がある。例えば、特許文献1に記載される反射防止膜は、透明樹脂中に微粒子が分散された構造を有し、透明樹脂が選択的に除去されることにより、表面に凹凸を形成して、反射防止機能を有する面が形成されている。したがって、凹凸(外観層20の突出点群21に相当する。)が形成されている領域の表面は、凹凸を有しない領域の表面をよりも必然的に窪んでしまう。
第1領域R1と第2領域R2とは、全体組成が等しく、外観層20の厚さ方向の組成分布が相違していてもよい。この場合には、後述するように、共通の部材からプロセスを調整することにより第1領域R1および第2領域R2を形成することが可能な場合があり、この場合には光学パネル100は生産性に優れ、それゆえ、品質安定性にも優れる。
図1に示される光学パネル100が備える外観層20では、第1領域R1は外観層20の厚さ方向に組成が相違する。具体的には、外観層20の厚さ方向において、表面側の上層部分22(突出点群21を含む。以下同じ。)と、基材10側の下層部分23との少なくとも2層構造を有する。上層部分22は第1樹脂系材料からなり、下層部分23は第2樹脂系材料からなる。上層部分22と下層部分23との界面領域では、図1に示されるように両部分(上層部分22、下層部分23)が明確に分離していてもよいし、第1樹脂系材料および第2樹脂系材料を含む層(この層は外観層20の厚さ方向に組成が変化していてもよい。)を有していてもよい。上層部分22は第1樹脂系材料を主成分とし第2樹脂系材料をある程度含有していてもよいし、下層部分23は第2樹脂系材料を主成分とし第1樹脂系材料をある程度含有していてもよい。すなわち第1領域R1では、上層部分22(基材10に対向する側とは反対側)における第1樹脂系材料の含有量の第2樹脂系材料の含有量に対する比は、下層部分23(基材10に対向する側)における記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比よりも高い。
本発明の一実施形態に係る光学パネル100の外観層20は、フィラー成分をさらに含んでいてもよいし、フィラー成分を含まなくてもよい。外観層20がフィラー成分を含有する場合には、フィラー成分とマトリックス成分(樹脂成分)との間の密着性が経時的に変化するなどの理由により、外観層20に白化現象が生じる場合がある。したがって、外観層20はフィラー成分を含有しないことが好ましい場合もある。外観層20がフィラー成分を含有する場合において、フィラー成分の種類は特に限定されない。フィラー成分はシリカ、ジルコニア、チタニアのような無機系材料から構成されていてもよいし、メラミン樹脂のような有機系材料から構成されていてもよい。フィラー成分は有機系材料と無機系材料との双方を含有していてもよい。また、フィラー成分の粒径分布も任意である。これに対し、特許文献1に記載される外観層に相当する層は、前述のように、フィラー成分の粒径分布を精密に制御する必要がある。
以上説明した本発明の一実施形態に係る光学パネルが備える外観層20は、突出点群21を備える第1領域R1と突出点群を備えない第2領域R2とから構成されるが、これに限定されない。例えば、外観層20の全面が突出点群21を備えていてもよいし、第1領域R1および第2領域R2とは光学的な特性が異なる他の領域を備えていてもよい。
本発明の一実施形態に係る外観層を備える光学パネルの製造方法は限定されない。次に説明する製造方法を採用すれば、本発明の一実施形態に係る光学パネルを効率的に製造することができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法を示すフローチャートである。本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法は、次に説明する第1ステップから第3ステップを備え、さらに、第4ステップおよび第5ステップを備える。第1ステップから第3ステップを実施することにより、全面に突出点群を有する外観層を備える光学パネルを製造することが可能である。第1ステップから第5ステップを実施することにより、図1に示されるような第1領域R1および第2領域R2から構成される外観層20を備える光学パネル100を製造することができる。以下の説明では、図2に示されるように第1ステップから第5ステップを実施して、図1に示される光学パネル100を製造する場合を具体例とする。
図3は、本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第1ステップ)を模式的に示す部分断面図である。図4は、本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第2ステップ)を模式的に示す部分断面図である。図5は、本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第3ステップ)を模式的に示す部分断面図である。図6は、本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第3ステップ後)を模式的に示す部分断面図である。図7は、本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第4ステップ)を模式的に示す部分断面図である。図8は、本発明の一実施形態に係る光学パネルの製造方法(第5ステップ)を模式的に示す部分断面図である。
まず、電離放射線重合性の第1物質と、第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質と、第2物質よりも第1物質を溶解しやすい第1溶媒と、第1物質よりも前記第2物質を溶解しやすく1溶媒よりも沸点が高い第2溶媒と、を含有する液状体を用意する。この液状体の組成の具体例は次のとおりである。液状体は液体のみから構成されていなくてもよく、フィラー成分を含有していてもよい。
第1物質:多官能アクリレート樹脂
第1溶媒:メチルイソブチルケトン
第2物質:ポリエーテル系アクリレート樹脂
第2溶媒:1−プロパノール
第1物質、第1溶媒、第2物質および第2溶媒のそれぞれは、一種類の物質から構成されていてもよいし、複数種類の物質の混合体から構成されていてもよい。第1物質のSP値と第1溶媒のSP値とが近くなるように設定することにより、第1物質を第1溶媒に溶解しやすくすることができる。第2物質のSP値と第2溶媒のSP値とが近くなるように設定することにより、第2物質を第2溶媒に溶解しやすくすることができる。例えば、第1物質および第2物質が、いずれもアクリレート樹脂やメタクリレート樹脂のようなアクリル系樹脂であっても、内部構造を変化させること(内部構造の具体例として、エーテル構造、ポリエステル構造、ウレタン構造、フェノール構造などが挙げられる。)により、SP値を変化させることができる。同じような構造を有する材料であっても、分子量を変化させることによってSP値を変化させることができる場合もある。
上記のように各成分のSP値を設定するとともに、さらに、第1溶媒のSP値と第2溶媒のSP値とが大きく異ならないように設定すれば、第1溶媒と第2溶媒とが混和してなる混合溶媒に第1物質および第2物質を溶解させることにより液状体を得ることができる。あるいは、第1溶媒に第1物質を溶解させて第1溶液を得て、第2溶媒に第2物質を溶解させて第2溶液を得て、第1溶液と第2溶液とを混合することによって液状体を得てもよい。液状体がフィラー成分を含有する場合には、フィラー成分を添加するタイミングは任意である。
第1ステップでは、図3に示されるように、基材10の一方の面に液状体を塗布して基材10上に塗膜30を形成する(S101)。なお、図3では、以降の説明を容易にするために、第1溶媒および第2溶媒からなる混合溶媒31に、第1物質41および第2物質42が溶解している状態を、第1物質41および第2物質42を破線で示すことにより表現している。実際には、第1物質41および第2物質42は、塗膜30において混合溶媒31内に溶解し、個別に識別できる状態ではない。
第2ステップでは、塗膜30に含有される第1溶媒32を揮発させることにより、第1物質41を塗膜の表面に析出させて析出塗膜34を得る(S102,図4)。第1溶媒32の揮発方法は限定されない。前述のように、第1溶媒32は第2溶媒33よりも沸点が低いため、基材10上の塗膜30を放置する、あるいは緩やかに乾燥すると、塗膜30内の混合溶媒31から第1溶媒32が第2溶媒33よりも優先的に揮発して、塗膜30内の第1溶媒32の含有量が低下する。第1物質41は主として第1溶媒32に溶解しているため、塗膜30内の第1溶媒32の量が少なくなると、塗膜30に溶解しうる第1物質41の量が少なくなる。その結果、図4に示されるように、第1物質40は析出体41cとなって塗膜30上に位置し、基材10上には析出塗膜34が形成されることになる。
図4では、塗膜30の混合溶媒31に含まれていた全ての第1溶媒32が揮発して、析出塗膜34における溶媒は全て第2溶媒33から構成されているが、これに限定されない。析出塗膜34に含まれる溶媒に第1溶媒32がある程度残留していてもよい。また、図4では、塗膜30に含有されていた第1物質41の全てが析出体41cとなっているが、これに限定されない。析出塗膜34の溶媒内にある程度の第1物質41が溶解していてもよい。また、後述するように、析出体41cは第1物質40以外の物質(第3物質)を積極的に含有する場合もある。
第3ステップでは、析出塗膜34の少なくとも一部の領域に電離放射線を照射することにより、電離放射線が照射された領域に位置する第1物質41および第2物質42を重合させる(S103,図5,図6)。図5では、第1領域R1および第2領域R2を有する外観層20を備える光学パネル100を製造するために、第1領域R1に対応する領域に開口部を有するマスクMSKが用いられている。マスクMSKの開口部に位置する、析出塗膜34の一部の領域である第1塗膜領域R11に、光源LRDからの電離放射線(この場合は紫外光)UVLが照射される。その結果、図6に示されるように、第1塗膜領域R11に位置する第1物質41(少なくとも一部は析出体41cとなっている。)および第2物質42が重合して、その全体が第1樹脂系材料および第2樹脂系材料からなる第1領域R1が形成される。なお光源LRDおよびマスクMSKを基材10の裏側(基材10の析出塗膜34が設けられている側とは反対側)に配置して、基材10の裏側から電離放射線(図5の場合は紫外光)UVLを照射して、基材10を透過した電離放射線UVLを析出塗膜34に照射して第1物質41および第2物質42を重合させることもできる。
図6に示される第1領域R1は、析出塗膜34の厚さ方向に異なる組成分布を有する。具体的には、基材10側には、第2物質42から形成された第2樹脂系材料からなる部分(下層部分)23が位置する。突出点群21を含む基材10から遠位な側には、第1物質41の析出体41cから形成された第1樹脂系材料からなる突出点群21を含んで、第1物質41から形成された第1樹脂系材料からなる部分(上層部分)22が位置する。
このように、第3ステップを実施することにより、外観層20の突出点群21を備える面R1Aが形成される。なお、第3ステップにおいて、マスクMSKを用いず、析出塗膜34の全体に電離放射線UVLを照射すれば、突出点群21を全面に備える外観層20を析出塗膜34から形成することができる。
第4ステップでは、析出塗膜34における電離放射線UVLが照射されていない領域である第2塗膜領域R12を加熱して、第2塗膜領域R12の面平滑性を高める(S104,図7)。加熱手段は限定されない。図7では、外観層20全体を加熱可能な加熱装置HDにより第2塗膜領域R12を加熱する。この加熱装置HDにより第1領域R1も加熱されるが、第1領域R1はすでに重合反応が完了しているため、加熱装置HDからの熱によって、突出点群21の形状が大きく変化することはない。第1物質41の析出体41cの融点、第1物質41から形成された突出点群21の軟化点、および加熱装置HDの加熱温度を適切に設定することにより、析出体41cは適切に溶融して析出塗膜34内に拡散して析出塗膜34の第2塗膜領域R12の面平滑性を高めることができ、その一方で突出点群21によりもたらされる第1領域R1が粗面化された状態を維持することが可能である。
第2塗膜領域R12において析出体41cが溶融して析出塗膜34内に拡散することを促進する観点から、液状体は、第1物質41に対して相溶性を有し、析出体41cの第2溶媒33への溶解を促進する第3物質を含有していることが好ましい。液状体が第3物質を含有する場合には、第2ステップにおいて形成される析出体41cは、第1物質41と第3物質とを含む。この析出体41cの融点が第1物質の析出体の融点よりも低くなるように、第3物質は選定される。この観点から、第3物質の融点は低いことが好ましい。具体的には、第3物質の融点は、第1物質41の融点の2倍の温度以下であることが好ましく、第1物質41の融点の1.5倍の温度以下であることがより好ましい。
析出体41cの析出塗膜34内への拡散が促進されることにより、第2塗膜領域R12に位置する析出塗膜34の面平滑性を高めることがより安定的に実現される。したがって、液状体に第3物質を含有させることにより、第2塗膜領域R12に位置する析出塗膜34から形成される外観層20の第2領域R2の面平滑性を高めることが可能である。また、液状体に第3物質を含有させることにより析出体41cが析出塗膜34内により安定的に溶解するため、第2塗膜領域R12に位置する析出塗膜34の均一性が高まる。このため、第2塗膜領域R12に位置する析出塗膜34から形成される外観層20の第2領域R2は、曇りやギラツキといった外観層20の不均一性に起因する外観不良が生じにくい。なお、曇りはヘイズ(ヘーズ)により定量的に評価することができる(JIS K7136:2000)。このように液状体に含有させた第3物質は、外観層20においても残存する。したがって、外観層20が第3物質を含有する場合には、外観層20の第2領域R2は高い面平滑性を有しやすく、また、曇りやギラツキといった外観層20の不均一性に起因する外観不良が生じにくい。
第3物質は第1物質41が有する官能基と共通する官能基を有していることにより、第1物質41への相溶性を実現できる場合がある。例えば、第1物質41が水酸基を有している場合には、第3物質も水酸基を有することにより、第1物質41への相溶性を実現することができる。また、取扱い性を高めるとともに塗膜30や外観層20の均一性を高める観点から、第3物質は混合溶媒31や第1溶媒32に溶解しうることが好ましい。第3物質の第1物質41の質量および第2物質42の質量の総和を基準とした添加量は限定されない。塗膜30や外観層20の均一性を確保できる限り、第3物質の添加量は高ければ高いほど析出体41cの融点を効率的に降下させるため、好ましい。
上記の水酸基を有する第3物質の例として、フェノール系化合物(芳香環に水酸基が結合した部位を有する化合物)を挙げることができ、融点が100℃以下のフェノール系化合物を好ましい例、ヒンダードフェノール系化合物をより好ましい例、融点が100℃以下のヒンダードフェノール化合物を特に好ましい例として挙げることができる。そのような、融点が100℃以下のヒンダードフェノール系化合物の具体例として、後述する実施例において使用された、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、および4−tert−ブチルフェノールが挙げられる。
第5ステップでは、第4ステップの実施により面平滑性が高められた状態にある第2塗膜領域R12に光源LRDからの電離放射線UVLを照射することにより、第2塗膜領域R12に位置する第1物質41および第2物質42を重合させて、第1樹脂系材料および第2樹脂系材料からなる第2領域R2を形成する(S105,図8)。第1ステップから第5ステップまでを実施することにより、第1領域R1および第2領域R2を有する外観層20を備える光学パネル100が製造される。
第2ステップおよび第5ステップにおいて行われる光源LRDからの電離放射線UVLの照射の条件は、照射領域の大きさ、第1物質41および第2物質42の種類、析出塗膜34の厚さなどを考慮して適宜設定されるべきものである。
このような製造方法によれば、反射防止機能を直接的に果たす突出点群21は樹脂系材料から構成されるため、液状体がフィラー成分を含有するか否かと外観層20が反射防止機能を有するか否かとを独立して設定することができる。したがって、液状体は、フィラー成分をさらに含んでいてもよいし、フィラー成分を含まなくてもよい。
液状体は重合開始剤を含んでいてもよい。この場合には、第1物質41および第2物質42の重合を、紫外光などの電磁波の照射により行うことができる。重合開始剤の具体例は前述のとおりである。
上記の製造方法では、第4ステップにおいて、析出塗膜34において析出している第1物質41の析出体41cが溶融するように加熱が行われているが、これに限定されない。例えば、析出塗膜34が加熱されることにより、第1物質41の析出体41cの第2溶媒33に対する溶解度が高まって、第2溶媒33内に第1物質41が溶解することにより、析出体41cが消失して、析出塗膜34の面平滑度が高まってもよい。
本発明の一実施形態に係る機器は、上記の本発明の一実施形態に係る光学パネル100を備える。そのような機器の具体例として、スマートフォン、携帯電話、ノートパソコン等の携帯情報端末;テレビ、カーナビゲーション等の画像表示機器;自動車、飛行機などの移動体のインパネ(計器板)、コンソールパネルなどが挙げられる。本発明の一実施形態に係る機器は、反射防止機能を有する光学パネル100を備えるため、表示画像の視認性に優れる。
以上説明した本発明の一実施形態に係る光学パネル100の外観層20は、被転写物に転写面を形成するための転写元面を有する転写層として用いることができる。そのような転写層を備える転写体の転写元面を被転写物に押し付けることにより、転写元面の反転面となる転写面を被転写物に形成することができる。具体的には、転写層は、電離放射線重合性の第1物質の重合体を含む第1樹脂系材料、および第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質の重合体を含む第2樹脂系材料を含み、転写元面は、第1樹脂系材料からなり転写層の厚さ方向に突出して外光を散乱する突出点群を備え、転写層における転写元面を含む領域は、転写層の厚さ方向に組成が相違し、転写元面側における第1樹脂系材料の含有量の第2樹脂系材料の含有量に対する比は、転写元面側とは反対側における第1樹脂系材料の含有量の第2樹脂系材料の含有量に対する比よりも高い。上記の転写体において、第1物質に対する相溶性を有する第3物質を含んでいてもよい。転写層の他の特徴は外観層20と同様であるから、説明を省略する。
上記の転写体は、光学パネル100の製造方法と同様の製造方法により製造することができる。かかる製造方法は、電離放射線重合性の第1物質と、第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質と、第2物質よりも第1物質を溶解しやすい第1溶媒と、第1物質よりも第2物質を溶解しやすく第1溶媒よりも沸点が高い第2溶媒と、を含有する液状体を、基材の一方の面に塗布して基材上に塗膜を形成する第1ステップ;塗膜に含有される第1溶媒を揮発させることにより、第1物質を含む析出体を塗膜の表面に位置させて析出塗膜を得る第2ステップ;および析出塗膜の少なくとも一部の領域に電離放射線を照射することにより、電離放射線が照射された領域に位置する第1物質および第2物質を重合させる第3ステップを備え、第3ステップにより、突出点群を備える転写元面が形成される。この製造方法において、基材は光学パネル100の基材とは異なり、透光性を有している必要はない。また、基材における液状体が塗布される面は平面である必要はないが、平面であることが塗膜の厚さの均一性を高める観点などから好ましい。基材は、転写体の構成要素でなくてもよい。すなわち、第3ステップ後に転写元面を備える転写層が形成されたら、この転写層を基材から剥離して、転写層単独で、あるいは転写元面が位置する面とは反対側の面を別の部材に対向配置して、その部材と転写層とを備える転写体を得てもよい。
上記の転写体の製造方法において、転写層は、突出点群を備える面を有する第1領域と、突出点群を備えない面を有する第2領域とからなり、第3ステップでは、析出塗膜の一部の領域である第1塗膜領域について電離放射線を照射することにより、第1塗膜領域に位置する第1物質および第2物質を重合させて、第1領域を形成し、第3ステップに続いて、析出塗膜における電離放射線が照射されていない第2塗膜領域を加熱して、第2塗膜領域の面平滑性を高める第4ステップ;および面平滑性が高められた第2塗膜領域に電離放射線を照射することにより、第2塗膜領域に位置する第1物質および第2物質を重合させて、第2領域を形成する第5ステップを備えていてもよい。かかる製造方法によれば、転写層の転写元面が位置する面に、平滑性に優れる面を設けることができる。
上記の転写層が第1領域および第2領域を有する転写体の製造方法において、第4ステップでは、析出塗膜における第1物質を含む析出体が溶融するように加熱を行ってもよい。この場合において、液状体は第1物質に対する相溶性を有する第3物質を含有し、第2ステップで形成される第1物質を含む析出体は第3物質を含み、第1物質を含む析出体は第1物質からなる析出体よりも融点が低いことが好ましい。このような製造方法を採用することにより、第2領域の面平滑性を向上させることがより安定的に実現される。転写体の製造方法における他の特徴は、光学パネル100の製造方法と同様であるから、説明を省略する。
上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
(実施例1から実施例5および比較例1から比較例3)
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
第1物質、第1溶媒、第2物質、第2溶媒として次の材料を用意した。第1物質および第2物質は、アクリル系樹脂であり、その内部に有する構造(エーテル構造、ポリエステル構造、ウレタン構造、フェノール構造など)を変化させることにより、物質としてのSP値を互いに異なるように設定したものである。なお、第1物質の融点は48℃であった。
第1物質:多官能アクリレート樹脂(ペンタエリスリトールトリアクリレート)
第1溶媒:メチルイソブチルケトン
第2物質:ポリエーテル系アクリレート樹脂(フェニル基を有するウレタンプレポリマーであって、多官能アクリレート樹脂のSP値に対して1.2倍のSP値を有する。)
第2溶媒:1−プロパノール(メチルイソブチルケトンのSP値に対して1.37倍のSP値を有する。)
第1物質15gを第1溶媒50mLに溶解して第1溶液を得て、第2物質15gを第2溶媒50mLに溶解して第2溶液を得た。第1溶液50mLと第2溶液50mLとを混合して、さらに重合開始剤を添加(添加量:固形分に対して2質量%)して、混合溶液を得た。用いた重合開始剤は、次の2種類のいずれかであった(表1参照)。
重合開始剤1:ケトン系重合開始剤(BASF社製「Irgacure 184」)
重合開始剤2:フォスフィンオキサイド系重合開始剤(BASF社製「Irgacure 819」)
Figure 0006924202
得られた混合溶液からなる液状体をポリカーボネートからなる基材上に塗布して、塗膜を得た(第1ステップ)。塗布直後の塗膜の厚さは約10μmであった。
基材上の塗膜を大気中(室温25℃)に放置したところ、1分間程度の放置により、第1溶媒がおおむね揮発して、塗膜内の第1物質が析出し、基材上に析出塗膜が得られた(第2ステップ)。
ビューエリアに相当する領域に開口部を有するマスクを用意し、析出塗膜の上に配置し、開口部により露出する第1塗膜領域に光源から紫外光を照射し、第1塗膜領域から第1領域を形成した(第3ステップ)。用いた光源の種類、照度(単位:mW/cm)および積算照射量(単位:mJ/cm)は表1に示したとおりであった。
マスクを除去して、全域を照射可能な赤外線ランプを用いて、部分的に重合した領域(第1領域)を有する析出塗膜を加熱(80℃、10分間)して、未重合の領域である第2塗膜領域に存在する第1物質の析出体を溶融して、第2塗膜領域の面平滑度を高めた(第4ステップ)。
続いて、光源から紫外光を全域に照射して、第2塗膜領域から第2領域を形成し、基材上に外観層を得た(第5ステップ)。用いた光源の種類、照度(単位:mW/cm)および積算照射量(単位:mJ/cm)は表1に示したとおりであった。
得られた外観層の第1領域および第2領域の粗さ(JIS B0601:2001において規定される表面粗さの最大高さRz)を測定した。その結果を表2に示す。また、第1領域の粗さと第2領域の粗さとの相違に基づいて、反射防止機能を部分的に有する外観層を作ることができたか否かの評価を行った。評価結果を表2に示す。具体的には、第1領域における上記の表面粗さの最大高さRzが第2領域の粗さにおける上記の表面粗さの最大高さRzよりも0.5μm以上大きい場合に、反射防止機能を部分的に有する外観層を作ることができた(表2中「A」)と判断し、上記の差が0.5μm未満の場合には反射防止機能を部分的に有する外観層を作ることができなかった(表2中「B」)と判断した。
Figure 0006924202
表2に示されるように、第1塗膜領域への電離放射線の積算照射量を適切に設定することにより、突出点群が適切に形成され、その後の加熱によっても突出点群が維持されることが確認された。また、第2塗膜領域に形成された第1物質の析出体を加熱により適切に溶解することによって、第2塗膜領域から形成された第2領域を平滑な面とすることができることも確認された。すなわち、本発明の一実施形態に係る製造方法を実施することにより、反射防止機能を有する領域と反射性の高い領域とを有する外観層を製造することができることが確認された。
(実施例6から実施例13)
実施例1で用いた第1物質25gを第1溶媒50mLに溶解して第1溶液を得て、第2物質25gを第2溶媒50mLに溶解して第2溶液を得た。第1溶液50mLと第2溶液50mLとを混合して、さらに重合開始剤としてケトン系重合開始剤(BASF社製「Irgacure 184」)を固形分に対して2質量%添加して、混合溶液を得た。
この混合溶液に、第1物質の質量および第2物質の質量の総和を基準とした表3に示される添加量(単位:質量%)で、第3物質を添加した。各実施例に係る第3物質の物質名および融点は表3に示したとおりである。第3物質はいずれも水酸基を有し、水酸基を有する点で第1物質と共通するため、第3物質は第1物質に相溶性を有する。それゆえ、第3物質が添加された液状体を用いて形成される析出体は、第1物質および第3物質を含む。#12バーコーターを用いて塗布直後の塗膜の厚さを14μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、第1領域および第2領域を有する外観層を基材上に形成した。
Figure 0006924202
得られた外観層の第1領域および第2領域について、次の評価を行った。
(1)JIS B0601:2001において規定される表面粗さの最大高さRz(単位:μm)
(2)JIS K7375:2008において規定される全光線透過率(単位:%)
(3)JIS K7136:2000において規定されるヘーズ(ヘイズ、単位:%)
第2領域については、ギラツキの程度についてさらに評価した。
(4)ギラツキ
一般的な外観検査用の蛍光灯が照射された外観層を目視して、次の3水準で評価した。
(A)ギラツキなし
(B)軽度のギラツキあり
(C)明確なギラツキあり
評価結果を表4に示す。
Figure 0006924202
表4に示されるように、第3物質を添加した場合(実施例6から実施例12)には、第3物質を添加しない場合(実施例13)に比べて、第2領域の最大高さRzが小さくなり、面平滑性が向上した。また、第3物質を添加することにより、ヘイズが低減される傾向があることおよびギラツキが生じにくくなる傾向があることが確認された。この傾向は、添加した第3物質の融点が低く、第3物質の添加量が多いほど顕著であった。なお、第1領域および第2領域のいずれについても、第3物質を添加したことによる透過率の変化はほとんど認められなかった。第1領域において、第3物質を添加したことにより最大高さRzおよびヘイズが低減する傾向がみられたが、その程度は、いずれも第3物質を添加しない場合(実施例13)に対する変化率で10%以下であった。
100 光学パネル
10 基材
20 外観層
R1 第1領域
R2 第2領域
R1A 第1領域R1の面(第1領域面)
R2A 第2領域R2の面(第2領域面)
21 突出点群
22 上層部分
23 下層部分
24 混合樹脂系材料からなる層
S101 第1ステップ
S102 第2ステップ
S103 第3ステップ
S104 第4ステップ
S105 第5ステップ
30 塗膜
31 混合溶媒
41 第1物質
42 第2物質
32 第1溶媒
33 第2溶媒
34 析出塗膜
41c 析出体
LRD 光源
UVL 電離放射線(紫外光)
MSK マスク
HD 加熱装置
R11 第1塗膜領域
R12 第2塗膜領域

Claims (22)

  1. 透光性を備えた基材と、前記基材の上に位置する外観層とを備える光学パネルであって、
    前記外観層は、前記光学パネルの前記外観層側からの入射光の反射率が相対的に低い第1領域および前記反射率が相対的に高く前記第1領域と連続的に形成された第2領域を備え、
    前記外観層は、第1樹脂系材料および第2樹脂系材料を含み、
    前記第1樹脂系材料は電離放射線重合性の第1物質の重合体を含み、前記第2樹脂系材料は、前記第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質の重合体を含み、
    前記外観層は、前記第1物質に対する相溶性を有する第3物質を含み、
    前記第1領域の面は、前記第1樹脂系材料からなり前記外観層の厚さ方向に突出して外光を散乱する突出点群を備え、
    前記第1領域は前記外観層の厚さ方向に組成が相違し、前記基材に対向する側とは反対側における前記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比は、前記基材に対向する側における前記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比よりも高く、
    前記突出点群は熱硬化性であり、電離放射線重合性の物質を含む析出体が重合してなること(前記突出点群が透光性粒子からなる場合を除く。)
    を特徴とする光学パネル。
  2. 前記突出点群は、前記第2領域の面よりも突出している、請求項1に記載の光学パネル。
  3. 前記第1領域と前記第2領域とは、全体組成が等しく、前記外観層の厚さ方向の組成分布が相違する、請求項1または請求項2に記載の光学パネル。
  4. 前記外観層はフィラー成分をさらに含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学パネル。
  5. 前記外観層はフィラー成分を含まない、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学パネル。
  6. 前記外観層は重合開始剤を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学パネル。
  7. 前記第3物質がフェノール系化合物である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学パネル。
  8. 前記第3物質の融点は100℃以下である、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学パネル。
  9. 透光性を有する基材と、前記基材の上に位置して外光を散乱する突出点群を備える面を有する外観層とを備える光学パネルの製造方法であって、
    電離放射線重合性の第1物質と、前記第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質と、前記第2物質よりも前記第1物質を溶解しやすい第1溶媒と、前記第1物質よりも前記第2物質を溶解しやすく前記第1溶媒よりも沸点が高い第2溶媒と、を含有する液状体を、前記基材の一方の面に塗布して前記基材上に塗膜を形成する第1ステップ;
    前記塗膜に含有される前記第1溶媒を揮発させることにより、前記第1物質を含む析出体を前記塗膜の表面に位置させて析出塗膜を得る第2ステップ;および
    前記析出塗膜の少なくとも一部の領域に電離放射線を照射することにより、前記電離放射線が照射された領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させる第3ステップ
    を備え、
    前記第3ステップにより、前記外観層の前記突出点群を備える面が形成され、
    前記外観層は、前記突出点群を備える面を有する第1領域と、前記突出点群を備えない面を有する第2領域とからなり、
    前記第3ステップでは、前記析出塗膜の一部の領域である第1塗膜領域について前記電離放射線を照射することにより、前記第1塗膜領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させて、前記第1領域を形成し、
    前記第3ステップに続いて、
    前記析出塗膜における前記電離放射線が照射されていない第2塗膜領域を加熱して、前記第2塗膜領域の面平滑性を高める第4ステップ;および
    前記面平滑性が高められた第2塗膜領域に電離放射線を照射することにより、前記第2塗膜領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させて、前記第2領域を形成する第5ステップ
    を備えること
    を特徴とする光学パネルの製造方法。
  10. 前記液状体はフィラー成分をさらに含む、請求項9に記載の光学パネルの製造方法。
  11. 前記液状体はフィラー成分を含まない、請求項9に記載の光学パネルの製造方法。
  12. 前記液状体は重合開始剤を含み、前記第1物質および前記第2物質の重合は、電磁波の照射により行う、請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の光学パネルの製造方法。
  13. 前記第4ステップでは、前記析出塗膜における前記第1物質を含む析出体が溶融するように加熱を行う、請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の光学パネルの製造方法。
  14. 前記液状体は前記第1物質に対する相溶性を有する第3物質を含有し、前記第2ステップで形成される前記第1物質を含む析出体は前記第3物質を含み、前記第1物質を含む析出体は前記第1物質からなる析出体よりも融点が低い、請求項13に記載の光学パネルの製造方法。
  15. 前記第3物質がフェノール系化合物である、請求項14に記載の光学パネルの製造方法。
  16. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載される光学パネルを備える機器。
  17. 転写元面を有する転写層を備える転写体であって、
    前記転写層は、電離放射線重合性の第1物質の重合体を含む第1樹脂系材料、および前記第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質の重合体を含む第2樹脂系材料を含み、
    前記転写元面は、前記転写体の前記転写層側からの入射光の反射率が相対的に低い第1領域および前記反射率が相対的に高く前記第1領域と連続的に形成された第2領域を備え、
    前記転写層は、前記第1物質に対する相溶性を有する第3物質を含み、
    前記第1領域の面は、前記第1樹脂系材料からなり前記転写層の厚さ方向に突出して外光を散乱する突出点群を備え、
    前記第1領域は、前記第1領域の厚さ方向に組成が相違し、前記転写元面側における前記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比は、前記転写元面側とは反対側における前記第1樹脂系材料の含有量の前記第2樹脂系材料の含有量に対する比よりも高く、
    前記突出点群は熱硬化性であり、電離放射線重合性の物質を含む析出体が重合してなること(前記突出点群が透光性粒子からなる場合を除く。)
    を特徴とする転写体。
  18. 前記第3物質がフェノール系化合物である、請求項17に記載の転写体。
  19. 前記第3物質の融点は100℃以下である、請求項17または請求項18に記載の転写体。
  20. 外光を散乱する突出点群を備える転写元面を有する転写層を備える転写体の製造方法であって、
    電離放射線重合性の第1物質と、前記第1物質とは異なる電離放射線重合性の第2物質と、前記第2物質よりも前記第1物質を溶解しやすい第1溶媒と、前記第1物質よりも前記第2物質を溶解しやすく前記第1溶媒よりも沸点が高い第2溶媒と、を含有する液状体を、基材の一方の面に塗布して前記基材上に塗膜を形成する第1ステップ;
    前記塗膜に含有される前記第1溶媒を揮発させることにより、前記第1物質を含む析出体を前記塗膜の表面に位置させて析出塗膜を得る第2ステップ;および
    前記析出塗膜の少なくとも一部の領域に電離放射線を照射することにより、前記電離放射線が照射された領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させる第3ステップ
    を備え、
    前記第3ステップにより、前記突出点群を備える前記転写元面が形成され、
    前記転写層は、前記突出点群を備える面を有する第1領域と、前記突出点群を備えない面を有する第2領域とからなり、
    前記第3ステップでは、前記析出塗膜の一部の領域である第1塗膜領域について前記電離放射線を照射することにより、前記第1塗膜領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させて、前記第1領域を形成し、
    前記第3ステップに続いて、
    前記析出塗膜における前記電離放射線が照射されていない第2塗膜領域を加熱して、前記第2塗膜領域の面平滑性を高める第4ステップ;および
    前記面平滑性が高められた第2塗膜領域に電離放射線を照射することにより、前記第2塗膜領域に位置する前記第1物質および前記第2物質を重合させて、前記第2領域を形成する第5ステップ
    を備えること
    を特徴とする転写体の製造方法。
  21. 前記第4ステップでは、前記析出塗膜における前記第1物質を含む析出体が溶融するように加熱を行い、
    前記液状体は前記第1物質に対する相溶性を有する第3物質を含有し、前記第2ステップで形成される前記第1物質を含む析出体は前記第3物質を含み、前記第1物質を含む析出体は前記第1物質からなる析出体よりも融点が低い、請求項20に記載の転写体の製造方法。
  22. 前記第3物質がフェノール系化合物である、請求項19に記載の転写体の製造方法。
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