JP2008051944A - 防眩性フィルム及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】防眩性を発揮しつつ、優れた表示、なかでも、明るい表示と高コントラスト表示とが可能である防眩性フィルム、及び、防眩性フィルムを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】防眩層を有する防眩性フィルムであって、上記防眩層は、透明部及び内部散乱部を有し、上記内部散乱部は、透明樹脂と、透明樹脂中に分散され、かつ透明樹脂と異なる屈折率を有する透明微粒子とを含み、更に、上記内部散乱部は、防眩層の平面内に島状に分布した防眩性フィルムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、防眩性フィルム及び表示装置に関する。より詳しくは、防眩性フィルム及び防眩性フィルムを備えた表示装置に関するものである。
表示装置(特に液晶表示装置)において、明るい環境で視聴するとき、視聴者自身、周囲に置かれている物体の反射像、ランプ等の発光体等が画面上に映りこみ、映像を干渉され、その結果表示品位が損なわれていた。これを防止するため、表示装置は、画面表面に防眩性を持たせているものが多い。そのための主な手段としては、画面表面に微小な凹凸部を形成し、反射像の輪郭をぼかすものが挙げられる。ところが、この凹凸部と画素との配置形態が一定の関係になると、凸部と凹部との間における透過光の強度差が極端に大きくなり、透過光がぎらつく、つまり、画面にきらきら光る輝きが発生し、画像がぎらついて見えていた。
ここで、ぎらつきが発生する原因について、図8を用いて説明する。図8は、防眩性を発現するために画面表面に凸部が形成された従来の表示装置の模式図であり、(a)は、正面模式図であり、(b)は、凸部の断面を示す拡大模式図である。なお、ここでは、内部散乱が無い場合を例にとる。また、図8(a)中、模式的に白丸(○)で囲まれた領域が凸部16であり、一例として、長方形の赤(R)画素61R、緑(G)画素61G、青(B)画素61Bが繰り返しで並んでいるとする。図8(b)に示すように、凸部16の下側から光21が入射すると、凸部16がレンズとして機能するために、光21が集まり、凸部16の輝度が高くなる。ここで、赤(R)画素61Rに注目すると、赤(R)画素61R及び凸部16が重複する領域(図8(a)中、斜線で塗られた領域)が、隣り合うR画素間で面積が同じであるとすると、例え凸部16の輝度が高くなったとしても、画素あたりの輝度が同じになるためぎらつきは発生しない。しかしながら通常は、図8(a)に示すように、隣り合うR画素間で、赤(R)画素61R及び凸部16が重複する領域の面積は異なる。したがって、赤単色の画面になった場合、隣り合うR画素間で輝度が異なることとなり、その結果ぎらつきが発生してしまう。
それに対して、透光性樹脂中に透光性樹脂と異なる屈折率を有する透光性微粒子を分散する等して内部散乱(内部ヘイズ)が付与された防眩性フィルムが開示されている(例えば、特許文献1〜8参照。)。また、防眩層上に、低屈折率の樹脂層が形成された防眩性フィルムであって、防眩層は、ポリマーと硬化性樹脂前駆体と溶媒とを含む液状組成物を、透明プラスチックフィルムに塗布又は流延し、溶媒を蒸発させ、スピノーダル分解により層分離構造を形成し、硬化性樹脂前駆体を光照射等により硬化させることによって形成され、その結果、その表面に凹凸構造を有する防眩性フィルムが開示されている(例えば、特許文献9参照。)。これらのフィルムによれば、映りこみを抑制しつつ、ぎらつきを低下させることができるが、表示品位、なかでも表示の明るさ及びコントラストは満足できるものではなかった。
特開2000−180611号公報 特開平11−305010号公報 特開2003−302506号公報 特開2002−214413号公報 特開2002−267818号公報 特開2003−156605号公報 特開2003−202416号公報 特開2004−94191号公報 特開2004−306328号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、防眩性を発揮しつつ、優れた表示が可能である防眩性フィルム及び防眩性フィルムを備えた表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、防眩性を発揮しつつ、優れた表示が可能である防眩性フィルムについて種々検討したところ、内部散乱を生じる防眩層を有する防眩性フィルムに着目した。そして、従来においては、防眩層、すなわち防眩性フィルムの面内に略均一に内部散乱が付与されていたため、表示装置においてコントラスト及び明るさの低下が発生し、表示が悪化することを見いだした。すなわち、従来は、フィルムを透過する光(透過光)は、フィルム全面で略均一に散乱され広がることになり、例えば、このフィルムを液晶表示装置に適用すると、黒表示のときには、偏光板の漏れ光が散乱されるためコントラストが低下していた。また、白表示のときには、フィルムを透過する直進光がフィルム全面で略均一に散乱されるために明るさの低下が発生していた。更に、斜めから見たときには、やはり透過光がフィルム全面で略均一に散乱されて拡がるため、明るさの低下が極端に発生していた。
そこで、更に検討した結果、内部散乱を実質的に示さない透明部と内部散乱を示す内部散乱部とを防眩層に設け、更に、この内部散乱部を防眩層の平面内で分布して配置することにより、防眩性を発揮しつつ、明るい表示と高コントラスト表示とが可能であることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、防眩層を有する防眩性フィルムであって、上記防眩層は、透明部と、防眩層の平面内に分布した内部散乱部とを有する防眩性フィルムである。これにより、防眩性を発揮しつつ、優れた表示、なかでも明るい表示と高コントラスト表示とが可能である。
本発明の防眩性フィルムの構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。
本発明の防眩性フィルムにおける好ましい形態について以下に詳しく説明する。
上記内部散乱部は、透明樹脂と、透明樹脂中に分散され、かつ透明樹脂と異なる屈折率を有する透明微粒子とを含む形態(以下、「第1形態」ともいう。)が好ましい。これにより、内部散乱を示す内部散乱部を容易に実現することができる。
上記第1形態においては、上記内部散乱部は、透明微粒子と透明樹脂との屈折率差が0.03以上、0.50以下であることが好ましい。これにより、所望の防眩性を発揮することができる。
上記防眩性フィルムは、防眩層上に凹凸層を有し、上記凹凸層は、フィルムを平面視したときに、その凸部が内部散乱部に重複して配置される形態(以下、「第2形態」ともいう。)が好ましい。これにより、映りこみを防止できるとともに、明るさを低下させることなくぎらつきの発生を効果的に抑制することができる。
上記第2形態においては、(1)上記凸部は、フィルムの平面内で略最密充填状に配置される形態、(2)上記凸部は、フィルムを平面視したときに、内部散乱部が形成された領域内に、及び/又は、内部散乱部が形成された領域と略一致して、配置される形態、及び、(3)上記凹凸層は、その屈折率が1.48以上、1.60以下である形態が好ましい。上記(1)の形態によれば、凸部の形成を容易に実施することができる。また、上記(2)の形態によれば、ぎらつきをより効果的に抑制することができる。更に、上記(3)の形態によれば、反射光の色つきを効果的に抑制することができる。
上記防眩性フィルムは、透明基材フィルムを有し、上記防眩層は、透明基材フィルム上に配置される形態(以下、「第3形態」ともいう。)が好ましい。このように、防眩層を透明基材フィルム上に配置することによって、フィルムの利便性を向上することかできる。
上記第3形態においては、(4)上記透明基材フィルムは、透明部と略同一の屈折率である形態、及び、(5)上記透明基材フィルムは、その屈折率が1.48以上、1.60以下であり、上記透明部は、その屈折率が1.48以上、1.60以下である形態が好ましい。上記(4)の形態によれば、より明るい表示が可能となる。上記(5)の形態によれば、偏光板の保護フィルムとして好適なTAC(トリアセチルセルロース、屈折率1.49)、ノルボルネン樹脂(屈折率1.52)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の汎用性の高いフィルムを利用することができるので、製造コストを安くすることができる。なお、上記(4)の形態における「略同一」とは、より明るい表示が可能となる程度に同一であればよいが、より具体的には、透明基材フィルムと透明部との屈折率差が0.12以下であることが好ましい。
上記防眩性フィルムは、最上層に反射防止層を有する形態(以下、「第4形態」ともいう。)が好ましい。これにより、フィルムの防眩性を向上できるとともに、反射像、発光体等の映りこみの発生を抑制することができる。なお、最上層とは、最も観察者に近い層を意味する。したがって、上記防眩性フィルムは、通常、防眩層又は凹凸層上に配置される。
上記反射防止層としては、製造コストを安くする観点からは、単層構造が好ましく、一方、優れた反射防止機能を発揮するという観点からは、多層構造が好ましい。すなわち、上記第4形態においては、(6)上記反射防止層は、その下層よりも屈折率が小さい低屈折率層の単層からなる形態、又は、(7)上記反射防止層は、下層側に配置された高屈折率層と、上層側に配置された高屈折率層よりも屈折率が小さい低屈折率層とが積層された構造を有する形態がより好ましい。
上記(6)の形態においては、上記低屈折率層は、その屈折率が1.22以上、1.45以下であることが好ましい。これにより、映りこみの発生を効果的に抑制することができる。なお、屈折率が1.22未満、又は、1.45を超えると、反射率が増加し、映りこみの強度が許容レベルを超えることがある。
また、上記(6)の形態においては、上記防眩性フィルムは、低屈折率層とその下層との屈折率差が0.03以上、0.38以下であることが好ましい。これにより、映りこみの発生を効果的に抑制することができる。
上記(7)の形態においては、上記低屈折率層は、その屈折率が1.30以上、1.50以下であり、上記高屈折率層は、その屈折率が1.55以上、2.50以下であること好ましい。これにより、映りこみの発生を効果的に抑制することができる。
本発明はまた、本発明の防眩性フィルムを備える表示装置でもある。これにより、防眩性を発揮しつつ、優れた表示が可能である表示装置を実現することができる。本発明の表示装置としては特に限定されないが、液晶表示装置、プラズマパネルディスプレイ(PDP;Plasma Display Panel)及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機ELディスプレイ)が好適である。
本発明の防眩性フィルムによれば、防眩性を発揮しつつ、優れた表示、なかでも明るい表示と高コントラスト表示とが可能である。
以下に実施形態を掲げ、本発明を図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の防眩性フィルムを示す模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は、(a)のXY線における断面図である。
本実施形態の防眩性フィルム10(以下、「フィルム10」ともいう。)は、図1に示すように、透明基材フィルム11上に、防眩層12、凹凸層15及び反射防止層18が積層された構造を有する。
透明基材フィルム11は、透明樹脂であり、防眩層12を支持する基材として機能する。なお、透明基材フィルムは、ベースフィルムとも呼ばれ、シートと呼ばれるものであってもよい。透明基材フィルム11の材質としては、TAC等のセルロースアセテート樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、環状ポリレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂等が挙げられるが、なかでも、TAC、ノルボルネン樹脂及びPETが好ましい。TAC、ノルボルネン樹脂及びPETは、汎用性が高いことから、フィルム10の製造コストを安くすることができる。また、特にTACは、偏光板の保護フィルムとして好適であることから、フィルム10を偏光板とともに利用することができる。透明基材フィルム11の厚みとしては、通常、40〜125μmである。
防眩層12は、透明部13と、透明樹脂14a中に透明樹脂14aと異なる屈折率を有する透明微粒子14bが分散された内部散乱部14とを有する。また、内部散乱部14は、防眩層12の平面内で分布される。言い換えると、内部散乱部14は、フィルム10の平面内で島状に分布される。すなわち、防眩層12は、透明部13及び内部散乱部14による海島構造を有し、透明部13が海に相当し、内部散乱部14が島に相当する形態を有する。なお、防眩層12の厚みとしては、通常、1〜15μmである。また、フィルム10を平面視したときの防眩層12に対する内部散乱部14の面積の比率としては、略同一であることが好ましい。
透明部13は、光を透過する透明な部分であり、通常、透明樹脂からなる。したがって、透明部13は、内部散乱を実質的に示さない部分である。なお、本明細書において、透明樹脂とは、可視光域(波長380〜780nm)において透過率90%以上、内部ヘイズ0.5%以下であることが好ましい。なお、透明部の透過率(%)は、透過顕微鏡で透明部を拡大し、入射光と透過光の光強度をセンサーで計測すれば、(透過光強度)/(入射光強度)×100から算出することができる。内部散乱部14は、透明樹脂14a中に透明樹脂14aと異なる屈折率を有する透明微粒子14bが分散された部分である。したがって、内部散乱部14は、内部散乱を示し、内部散乱部14を透過する光は散乱されることになる。これにより、フィルム10の後方(図1(a)中、紙面下方)から光が入射すると、内部散乱部14においては、透過光は散乱されるため、防眩性を発揮することができる。一方、透明部13においては、透過光は直進することから、明るさ及びコントラストの低下を抑制することができる。なお、内部散乱部14の内部ヘイズとしては、13.0%以上であることが好ましい。また、内部散乱部14のような微小な領域の内部へイズは、直接的に測定することは困難であるが、同等の内部へイズを発生する構造を数cm角領域に形成することは容易であり、その内部ヘイズは測定可能である。したがって、このように形成した数cm角領域の内部へイズ値を微小な領域の内部へイズ、すなわち内部散乱部14の内部ヘイズとして置き換えることが可能である。
透明部13の材質としては、後述する製造方法における材料が挙げられる。なお、透明部13は、複数の材料を含んでいてもよく、この場合、透明部13においてより確実に実質的に内部散乱を示さないためには、透明部13の複数の材料における屈折率差は、0.05以下であることが好ましく、0.03以下であることがより好ましい。
透明樹脂14aの材質としては、製造の容易性の観点から、透明部13と同一の材質であることが好ましい。また、透明微粒子14bの材質としては、後述する製造方法における材料が挙げられる。なお、透明樹脂14a及び透明微粒子14bはそれぞれ、複数の材料を含んでいてもよい。透明微粒子14bの形状としては、通常、略球形、偏平した略球形等が挙げられる。また、本発明において、内部散乱部14は、透明樹脂14a中に透明微粒子14bを分散することによって形成されたものであってもよいが、後述の製造方法で説明するように、通常、透明樹脂14aの材料中で透明微粒子14aの材料(モノマー)が微粒子状に硬化することによって形成されたものである。
防眩層12の内部散乱度は、透明樹脂14aと透明微粒子14bとなる樹脂との配合比、その屈折率差Δn、透明微粒子14bの平均粒径φにより制御可能である。所望の防眩性を発揮する観点から、屈折率差Δnは、0.03≦Δn≦0.50であることが好ましく、また、平均粒径φは、0.1≦φ≦5.0μmであることが好ましい。屈折率差Δnが0.03未満であると、防眩層において充分な光拡散性を発現することができない。また、屈折率差Δnが0.5を超えると、光拡散性が高すぎてフィルム10全体が白化してしまう。一方、平均粒径φが0.1μm未満であると、拡散性能が不充分になる。また、平均粒径φが5.0μmよりも大きい場合は、屈折率の違う樹脂領域が小さいため拡散性能が充分には得られない。
なお、屈折率nは、アッベ屈折率計(商品名、アタゴ社製)で測定できる。また、平均粒径φは、フィルムの断面を研磨し、電子顕微鏡によって測定できる。
透明部13の屈折率については、透明基材フィルム11と略同一であることが好ましい。これにより、透過光は、透明基材フィルム11から透明部13へとほぼ直進することができるので、より明るい表示が可能となる。また、透明基材フィルム11としては、汎用性が高く、かつ偏光板用の保護フィルムとして好適であるTAC(屈折率1.49)、ノルボルネン樹脂(屈折率1.52)及びPET(屈折率1.60)が好ましいことから、透明部13の屈折率としては、透明基材フィルム11と同様に、1.48以上、1.60以下であることが好ましい。
凹凸層15は、凸部16及び凹部17を有し、かつ光を透過する透明な層であり、通常、透明樹脂からなる。また、凹凸層15は、フィルム10を平面視したときに、その凸部16が内部散乱部に重複して配置される。言い換えると、凹凸層15は、フィルム10を平面視したときに、内部散乱部14と重複する位置に形成された凸部16と、透明部13と重複する位置に形成された凹部17とを有する。これにより、映りこみを防止できるとともに、明るさを低下させることなくぎらつきの発生を効果的に抑制することができる。
ここで、図2を用いて、フィルム10におけるぎらつきの抑制機構について説明する。図2は、ぎらつきの抑制機構を説明するための実施形態1の防眩性フィルムの断面模式図である。図2に示すように、フィルム10の後方(図2中、紙面下方)から入射した光21は、内部散乱部14で散乱されるため、その後、凸部16で集光されても、集光される効果はなくなる。すなわち、凸部16と凸部16以外(凹部17)とにおける透過光強度を略一定にすることができる。その結果、凸部16における輝度と、凸部16以外における輝度とを略同一にすることができる。したがって、図8で示したように、画素と凸部16とが重複する領域の面積が隣り合う画素間で異なるようにフィルム10が表示装置の画面上に配置されたとしても、各画素内において輝度を平坦化することができるため、ぎらつきの発生を効果的に抑制することができる。また、フィルム10の全面に内部散乱を持たせる必要はなく、凸部16と重複する内部散乱部14においてのみ光を内部散乱させて、凸部16の無い部分における透過光の強度と同じになるように凸部16における透過光の強度を低下させればよい。したがって、フィルム10全面に内部散乱がある場合より、内部散乱を減らすことができるので、透過率の低下とコントラストの大幅な低下とを防ぐことができる。また、斜めから見た画像の明るさの低下も防ぐことができるので、表示品位の低下を効果的に防止できる。
なお、凸部16は、少なくともその一部が内部散乱部14に重複すればよいが、ぎらつきをより効果的に抑制する観点からは、実質的に全ての部分が内部散乱部14に重複するように配置されることが好ましい。すなわち、フィルム10を平面視したときに、図1(a)に示すように、内部散乱部14の配置領域内に、及び/又は、内部散乱部14の配置領域とほぼ一致して、凸部16が配置される形態が好ましい。これにより、凸部16内における輝度を略一定にすることができるので、ぎらつきをより効果的に抑制することができる。また、凸部16は、通常、フィルム10内に多数配置されるが、その大多数の、好ましくは実質的に全ての凸部16が内部散乱部14に重複して配置されることが好ましい。
凸部16の平面形状としては、通常、略円形、略楕円形である。凹凸層15の材質としては、後述する製造方法における材料が挙げられる。なお、凹凸層15は、複数の材料を含んでもよい。また、凹凸層15は、複数の材料が不均一に混ざり合っていてもよく、例えば、凸部16を構成する主成分と凹部17を構成する主成分とが異なる形態であってもよい。凸部16の厚みは、1μm以下であることが好ましく、凹部17の厚みは、1μm以下であることが好ましい。
凹凸層15の屈折率については、透明部13及び透明基材フィルム11と略同一であることが好ましい。これにより、透過率の損失を効果的に抑制することができる。また、透明基材フィルム11としては、TAC(屈折率1.49)、ノルボルネン樹脂(屈折率1.52)及びPET(屈折率1.60)が好ましいことから、凹凸層15の屈折率としては、1.48以上、1.60以下であることが好ましい。
凸部16の配置形態としては、後述する製造方法を用いた場合には、略最密充填状に形成されやすい。したがって、凸部16は、図1(a)に示したように、フィルム10を平面視したときに、略最密充填状に配置されることが好ましい。言い換えると、凸部16は、フィルム10を平面視したときに、略正六角形が各辺を共有して組み合わされた形状における略正六角形の頂点及び中心に配置される形態、すなわち、略正三角形が各辺を共有して組み合わされた形状における略正三角形の頂点に配置される形態が好ましい。
反射防止層18は、光を透過する透明な層であり、反射率を低減する機能を有する。これにより、フィルム10の防眩性を向上できるとともに、反射像、発光体等の映りこみの発生を抑制することができる。また、反射防止層18は、通常、低屈折率層の単層構造からなる形態、又は、高屈折率層及び低屈折率層の多層構造からなる形態である。単層構造の場合には、多層構成と比べて、コストが低く済み、また、斜めからの入射光についても最適低反射条件からはずれる割合が小さいので反射防止効果が充分に発揮され、更に、光干渉による色つきが発生しにくい。一方、多層構造の場合には、単層構造と比べて、より優れた反射防止効果を発揮することができる。
まず以下に、反射防止層18が単層構造である場合について説明する。
単層構造の場合は、反射防止層18は、少なくとも下層(本実施形態では凹凸層15)の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層からなる。したがって、反射防止層18の材質としては、凹凸層15の屈折率よりも低い屈折率を有する材料(低屈折率材料)である必要がある。
また、反射防止層18は、低反射のための光学条件(いわゆる1/4λ条件)を満たすように形成されていることが好ましい。これにより、反射防止層18の表面で反射する光の位相に対して、反射防止層18の裏面で反射する光の位相を反射防止層18の厚さの往復分、つまり波長の1/2だけ遅らせて、互いの光を干渉させることができる。その結果、これらの光は互いに打ち消しあうため反射光をほとんどなくすことができる。
以下に、フィルム10を液晶表示装置に適用した場合における反射防止層18、凹凸層15及び透明基材フィルム11の好適な屈折率について説明する。ここで、反射防止層18、凹凸層15及び透明基材フィルム11の屈折率をそれぞれn、n及びnとする。なお、透明基材フィルム11としては、偏光板の保護層として好適なTAC(屈折率1.49)を用いる場合を説明する。したがって、nは下記式(1)を満たす。
=1.49 (1)
まず、低反射のためには、上述のように、n及びnは、下記式(2)を満たすことが必要条件である。
<n (2)
次に、n及びnは、下記式(3)を満たすことが好ましく、下記式(4)を満たすことがより好ましい。
−n≦0.2 (3)
=n (4)
上記式(3)は、nとnとの差が0.2を超えると、反射光の干渉による色つきが許容レベルよりも大きくなる点に基づく。
そして、nは、下記式(5)を満たすことが好ましい。
1.22≦n≦1.45 (5)
式(5)の下限は、式(1)及び式(4)から凹凸層15の屈折率nは約1.50となり、光学干渉理論によれば、屈折率が1.49である層(凹凸層)の上層の屈折率が1.22の場合に反射率が最低となり、1.22より低くなると反射率が上がる点に基づく。
更に詳細に説明すると、以下のとおりである。フィルム10に反射防止層18側から光が垂直入射した場合の反射防止層18の反射率Rは、n×d=1/4×λとすると、下記式(6)で与えられる。
R=((n×n−n)/(n×n+n)) (6)
なお、nは空気の屈折率であり、dは反射防止層18の厚さであり、λは真空中の光の波長である。
上記式(6)において、n、n及びnが下記式(7)を満たすとき、反射率Rは0(最小)となる。
<n<n、n×n−n=0 (7)
ここで、空気の屈折率層n=1、凹凸層15の屈折率n=1.49(式(1)と式(4)とを参照)、及び、上記式(7)から、n=√(1.49)=1.22となり、上記式(5)の下限が導かれる。
他方、上記式(5)の上限値1.45については、式(1)及び式(4)の観点に加え、nが1.45を超えると、反射率が高くなり、映りこみの強度が許容レベルを超える点に基づく。
また、凹凸層15の屈折率としては、1.48以上、1.60以下が好適であることを既に述べた。したがって、凹凸層15及び反射防止層18の屈折率差Δnは、0.03≦Δn≦0.38を満たすことが好ましい。これにより、映りこみの発生を効果的に抑制することができる。なお、凹凸層15と反射防止層18の屈折率差0.03については、凹凸層15の屈折率1.48と反射防止層18の屈折率差1.45との組み合わせから、凹凸層15と反射防止層18の屈折率差0.38については、凹凸層15の屈折率1.60と反射防止層18の屈折率差1.22の組み合わせから算出できる。
なお、単層構造の反射防止層18は、所望の屈折率を発現する低屈折率成分を含有する溶液を凹凸層15上に塗布した後、乾燥及び硬化することによって形成することができる。
次に、反射防止層18が多層構造である場合について説明する。多層構造の場合は、反射防止層18は、低屈折率材料からなる層(低屈折率層)と高屈折率材料からなる層(高屈折率層)とが積層された構造からなる。高屈折率層は、低屈折率層と同様に光を透過する透明な層であるが、その屈折率は、低屈折率層よりも大きい。具体的には、低屈折率層の屈折率は、1.30以上、1.45以下であり、高屈折率層の屈折率は、1.55以上、2.50以下であること好ましい。これにより、映りこみの発生を効果的に抑制することができる。
なお、多層構造の反射防止層18は、例えば、フッ化マグネシウム(屈折率1.38)等の低屈折率の無機材料を凹凸層15上に蒸着した後、酸化チタン(屈折率2.30)等の高屈折率の無機材料を蒸着することによって形成することができる。
また、多層構造の場合は、最表面側に低屈折率層が配置されればその層の数は限定されない。すなわち、高屈折率層及び低屈折率層のn数回(n;自然数)の組み合わせであればよい。
以下に、図3及び4を用いて、フィルム10の製造方法1及び2について説明する。図3(a)〜(e)は、製造方法1における実施形態1のフィルムの断面模式図である。図4(a)〜(d)は、製造方法2における実施形態1のフィルムの断面模式図である。
(製造方法1)
まず、図3(a)に示すように、透明基材フィルム11の片側主面上に、2種類以上の光硬化性材料(モノマー)と光開始剤とを含む液状組成物を塗布し、第一層19とする。この第一層19が防眩層12となる。すなわち、2種類以上の光硬化性材料(モノマー)は、透明部13、透明樹脂14a又は透明微粒子14bのいずれかになる。
光硬化性材料(モノマー)としては、重合性基(例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等)、感光性基(例えば、シンナモイル基等)等の光硬化性基を有する材料が挙げられるが、なかでも、重合性基を有する材料が好ましい。重合性基を有する光硬化性材料としては、単官能性単量体、少なくとも2つの重合性不飽和結合を有する多官能性単量体等が挙げられる。より具体的には、単官能性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系単量体、例えば、アルキル(メタ)アクリレート(メチル(メタ)アクリレート等のC1−6アルキル(メタ)アクリレート等)、シクロアルキル(メタ)アクリレート、橋架環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート(イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等)、グリシジル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル等のビニルエステル、ビニルピロリドン等のビニル系単量体等が挙げられる。また少なくとも2つの重合性不飽和結合を有する多官能性単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレート等の橋架環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の3〜6程度の重合性不飽和結合を有する多官能性単量体等が挙げられる。なお、これらの光硬化性材料は、単独で、又は、二種以上組み合わせて使用できる。
また、光開始剤としては、アセトフェノン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキシド類等が挙げられる。
次に、図3(b)に示すように、第一層19上に、ポリマーと硬化性樹脂前駆体と溶媒とを含む液状組成物を塗布し、第二層20とする。このとき、スピノーダル分解により第二層20には相分離構造が形成され、ポリマーの凝集部分20aが形成される。
ポリマーとしては、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(脂環式オレフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キシレノールの重合体等)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類等)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等)、ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレン等のジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等)等が挙げられる。なお、これらの熱可塑性樹脂は、単独で、又は、二種以上組み合わせて使用できる。
硬化性樹脂前駆体としては、熱硬化性化合物、熱硬化性樹脂、紫外線等の活性光線により硬化可能な光硬化性化合物が挙げられる。熱硬化性化合物としては、エポキシ基、イソシアネート基、アルコキシシリル基、シラノール基、重合性基(ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等)等を有する低分子量化合物が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ基、イソシアネート基、アルコキシシリル基、シラノール基、重合性基(ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等)等を有するプレポリマー(例えば、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂等の低分子量樹脂等)が挙げられる。光硬化性化合物としては、光硬化性モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の紫外線硬化性化合物等が挙げられる。なお、光硬化性化合物は、EB(電子線)硬化性化合物であってもよい。なお、硬化性樹脂前駆体は、これらの材料を単独、で又は、二種以上組み合わせて使用できる。
溶媒としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が挙げられる。なお、溶媒は混合溶媒であってもよい。
次に、第二層20の溶媒を蒸発させることによって、図3(c)に示すように、凹凸層15を形成する。次に、図3(d)に示すように、凹凸層15側から平行に近い紫外線等の光21を照射する。このとき、光の強度分布は、図3(d)に示すように、凸部の強度が強くなる。第一層19の光硬化性材料(モノマー)として硬化速度の大きい樹脂を選んでおけば、図3(e)に示すように、析出した樹脂は、透明微粒子14bとなり、光強度の強い部分に析出する。次に、全体に光照射をすると全体の硬化が進み、凹凸層15と防眩層12とが形成される。最後に、反射防止層を上述の方法により形成してフィルム10を完成する。
(製造方法2)
まず、図4(a)に示すように、透明基材フィルム11に数種類のモノマーと開始剤とを含む液状組成物(第1組成物)を塗布し、第一層19とする。モノマー及び開始剤の材質としては、製造方法1における光硬化性材料(モノマー)と同様の材料が挙げられる。
次に、図4(b)に示すように、数種類のモノマーと開始剤を含む液状組成物(第2組成物)を塗布し、第二層20とする。ここでのモノマーとしては、製造方法1における光硬化性材料(モノマー)と同様の材料が挙げられるが、反応速度の遅いモノマーを選ぶ。より具体的には、第2組成物としては、樹脂が大きな領域で析出するように、反応速度の遅いモノマーを選ぶ。一方、第1組成物としては、樹脂が微小な領域で析出するように、反応速度の速いモノマーを選ぶ。すなわち、(第1組成物の硬化速度)>(第2組成物の硬化速度)となるようなモノマーを選択する。
次に、図4(c)に示すように、遮光部22をパターン化したフォトマスク越しに平行に近い光21を照射する。これにより、第二層20にポリマーの凝集部分20aと第一層18に透明微粒子14bとを一体的に形成することができる。次に、図4(d)に示すように、フォトマスクを外し、全体に光照射をすると全体の硬化が進み、凹凸層15と防眩層12とが形成される。最後に、反射防止層を上述の方法により形成してフィルム10を完成する。
以上説明したように、フィルム10によれば、防眩性に優れ、また、ぎらつきが効果的に抑制され、更に、明るい表示と高コントラスト表示とが可能である。
なお、フィルム10としては、少なくとも防眩層12を有していればよく、透明基材フィルム11、凹凸層15及び反射防止層18は形成されなくてもよい。なお、透明基材フィルム11を有さない形態は、例えば、剥離性の透明基材フィルム上に防眩層と、凹凸層、反射防止層等とを形成した後、防眩層を透明基材フィルムから剥離することによって形成することができる。また、凹凸層15を有さない形態は、上述の製造方法2と同様に、第一層を塗布した後、フォトマスクを用いて光照射を行うことによって形成することができる。
(実施形態2)
本実施形態の偏光板は、実施形態1のフィルムに偏光層が加えられた形態を有する。したがって、実施形態1と本実施形態とで重複する内容については説明を省略するとともに、同様の構成部材については同一の符号を付した。図5は、実施形態2の偏光板を示す断面模式図である。
本実施形態の偏光板30は、図5に示すように、透明基材フィルム11、偏光層31、保護層32、防眩層12、凹凸層15及び反射防止層18が積層された構造を有する。
偏光層31は、自然光及び部分偏光(以下、「無偏光」ともいう。)から所望の直線偏光を得るための最小限の素子である。具体例的には、偏光層31としては、ポリビニルアルコールフィルム(PVAフィルム)に、2色性を持つヨウ素錯体又は染料を含む染色液を吸着させ、ある一定方向に延伸して得られる偏光膜が挙げられる。
保護層32は、偏光層31を保護するために積層された光を透過する透明な層である。保護層32の材質としては、TAC(トリアセチルセルロース)等のセルロースアセテート樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、環状ポリレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂等が挙げられるが、なかでも、TAC及びノルボルネン樹脂が好ましく、また、透湿性の観点からは、特にTACが好ましい。
このように、偏光板30によれば、防眩層12、凹凸層15及び反射防止層18を有することから、防眩性に優れ、また、ぎらつきが効果的に抑制され、更に、明るい表示と高コントラスト表示とが可能である。
なお、偏光板30は、一般的な方法により透明基材フィルム11、偏光層31及び保護層32の積層体を形成した後、実施形態1で説明した方法により製造することができる。
また、偏光板30は、透明基材フィルム11が位相差を発生するフィルムであってもよい。すなわち、透明基材フィルム11は、位相差フィルムであってもよい。これにより、液晶表示のコントラスト、視野角特性等を改善することができる。
なお、透明基材フィルム11を位相差フィルムとする場合には、上記透明基材フィルム11を所望の方向に延伸したものを用いればよい。
(実施形態3)
本実施形態の表示装置は、実施形態2の偏光板が設置された液晶表示装置である。したがって、実施形態2と本実施形態とで重複する内容については説明を省略するとともに、同様の構成部材については同一の符号を付した。図6は、実施形態3の表示装置を示す断面模式図である。
本実施形態の液晶表示装置40は、図6に示すように、液晶表示パネル41と、液晶表示パネル41の表示面側に配置された偏光板30aと、液晶表示パネル41の後方側に配置された偏光板30bと、偏光板30bの後方側に配置されたバックライトユニット42と、液晶表示パネル41に接続された駆動回路(図示せず)とを備える。なお、偏光板30a、30bと液晶表示パネル41とは、通常、粘着剤により貼り合わされている。
液晶表示パネル41の構成としては特に限定されず、例えば、一般的な構成を有するアクティブマトリクス型の液晶表示パネル等を用いればよい。
バックライトユニット42の構成としては特に限定されず、例えば、一般的な構成を有する直下型又はエッジライト型のバックライト等を用いればよい。
偏光板30aは、実施形態1の偏光板30と同様の構造を有する。一方、偏光板30bは、液晶表示パネル41側から順に透明基材フィルム11、偏光層31及び保護層32が積層された構造を有する。
なお、透明基材フィルム11、実施形態2と同様に、位相差フィルムであってもよい。
このように、液晶表示装置40によれば、偏光板30を有することから、映りこみ、ぎらつき等の発生を抑制しつつ、明るい表示と高コントラスト表示とが可能である。
(実施形態4)
本実施形態の表示装置は、実施形態3と表示装置の種類が異なるだけである。したがって、実施形態3と本実施形態とで重複する内容については説明を省略するとともに、同様の構成部材については同一の符号を付した。図7は、実施形態4の表示装置を示す断面模式図である。
本実施形態の表示装置50は、図7に示すように、PDP(プラズマディスプレイパネル)、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ51と、フラットパネルディスプレイ51の表示面側に配置されたフィルム10とを備える。なお、フィルム10とフラットパネルディスプレイ51とは、通常、粘着剤により貼り合わされている。
フィルム10は、実施形態1における防眩性フィルムと同様の構成を有する。ただし、透明基材フィルム11としては、機械強度を強くするという観点から、PET(ポリエチレンテレフタレート)を用いることが好ましい。
このように、表示装置50によれば、フィルム10を有することから、映りこみ、ぎらつき等の発生を抑制しつつ、表示品位の高い表示装置を得ることができる。
なお、本実施形態において、透明基材フィルム11には、電磁波カットのためのフィルタ(図示せず)と赤外線吸収のためのフィルタ(図示せず)とが設置されることが好ましい。
実施形態1の防眩性フィルムを示す模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は、(a)のXY線における断面図である。 ぎらつきの抑制機構を説明するための実施形態1のフィルムの断面模式図である。 (a)〜(e)は、製造方法1における実施形態1のフィルムの断面模式図である。 (a)〜(e)は、製造方法2における実施形態1のフィルムの断面模式図である。 実施形態2の偏光板を示す断面模式図である。 実施形態3の表示装置を示す断面模式図である。 実施形態4の表示装置を示す断面模式図である。 防眩性を発現するために画面表面に凸部が形成された従来の表示装置の模式図であり、(a)は、正面模式図であり、(b)は、凸部の断面を示す拡大模式図である。
符号の説明
10:防眩性フィルム(フィルム)
11:透明基材フィルム
12:防眩層
13:透明部
14:内部散乱部
14a:透明樹脂
14b:透明微粒子
15:凹凸層
16:凸部
17:凹部
18:反射防止層
19:第一層
20:第二層
20a:ポリマーの凝集部分
21:光
22:遮光部
30、30a、30b:偏光板
31:偏光層
32:保護層
40:液晶表示装置
41:液晶表示パネル
42:バックライトユニット
50:表示装置
51:フラットパネルディスプレイ
61R:赤(R)画素
61G:緑(G)画素
61B:青(B)画素

Claims (17)

  1. 防眩層を有する防眩性フィルムであって、
    該防眩層は、透明部と、防眩層の平面内に分布した内部散乱部とを有することを特徴とする防眩性フィルム。
  2. 前記内部散乱部は、透明樹脂と、透明樹脂中に分散され、かつ透明樹脂と異なる屈折率を有する透明微粒子とを含むことを特徴とする請求項1記載の防眩性フィルム。
  3. 前記内部散乱部は、透明微粒子と透明樹脂との屈折率差が0.03以上、0.50以下であることを特徴とする請求項2記載の防眩性フィルム。
  4. 前記防眩性フィルムは、防眩層上に凹凸層を有し、
    該凹凸層は、フィルムを平面視したときに、その凸部が内部散乱部に重複して配置されることを特徴とする請求項1記載の防眩性フィルム。
  5. 前記凸部は、フィルムの平面内で略最密充填状に配置されることを特徴とする請求項4記載の防眩性フィルム。
  6. 前記凸部は、フィルムを平面視したときに、内部散乱部が形成された領域内に、及び/又は、内部散乱部が形成された領域と略一致して、配置されることを特徴とする請求項4記載の防眩性フィルム。
  7. 前記凹凸層は、その屈折率が1.48以上、1.60以下であることを特徴とする請求項4記載の防眩性フィルム。
  8. 前記防眩性フィルムは、透明基材フィルムを有し、
    前記防眩層は、透明基材フィルム上に配置されることを特徴とする請求項1記載の防眩性フィルム。
  9. 前記透明基材フィルムは、透明部と略同一の屈折率であることを特徴とする請求項8記載の防眩性フィルム。
  10. 前記透明基材フィルムは、その屈折率が1.48以上、1.60以下であり、
    前記透明部は、その屈折率が1.48以上、1.60以下であることを特徴とする請求項8記載の防眩性フィルム。
  11. 前記防眩性フィルムは、最上層に反射防止層を有することを特徴とする請求項1記載の防眩性フィルム。
  12. 前記反射防止層は、その下層よりも屈折率が小さい低屈折率層の単層からなることを特徴とする請求項11記載の防眩性フィルム。
  13. 前記低屈折率層は、その屈折率が1.22以上、1.45以下であることを特徴とする請求項12記載の防眩性フィルム。
  14. 前記防眩性フィルムは、低屈折率層とその下層との屈折率差が0.03以上、0.38以下であることを特徴とする請求項12記載の防眩性フィルム。
  15. 前記反射防止層は、下層側に配置された高屈折率層と、上層側に配置された高屈折率層よりも屈折率が小さい低屈折率層とが積層された構造を有することを特徴とする請求項11記載の防眩性フィルム。
  16. 前記低屈折率層は、その屈折率が1.30以上、1.45以下であり、
    前記高屈折率層は、その屈折率が1.55以上、2.50以下であることを特徴とする請求項15記載の防眩性フィルム。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の防眩性フィルムを備えることを特徴とする表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018084052A1 (ja) * 2016-11-01 2019-06-27 アルプスアルパイン株式会社 光学パネルおよびその製造方法ならびに機器

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