JP4238936B2 - 防眩性フィルム、光学フィルム、防眩性偏光子、および表示装置 - Google Patents

防眩性フィルム、光学フィルム、防眩性偏光子、および表示装置 Download PDF

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この発明は、防眩性フィルム、光学フィルム、防眩性偏光子、および表示装置に関する。詳しくは、液晶表示装置などの表示装置の表示面に用いられる防眩性フィルムに関する。
液晶表示装置などの表示装置(ディスプレイ)では、表示面側に防眩性フィルムを設け、このフィルムにより光を拡散することにより、防眩性を付与したり、表面反射による映りこみを低減したりする技術が採用されている。従来の防眩性フィルムは、表面に設けられた微細凹凸形状により、防眩性を付与するものである。
図8に、従来の防眩性フィルム101の構成を示す。この防眩性フィルム101は、基材111と、この基材111上に設けられた防眩層112とを有する。防眩層112は、不定形のシリカや樹脂ビーズからなる微粒子113を含む樹脂で構成され、この微粒子113を防眩層112の表面から突出させることにより、表面に微細凹凸形状が形成されている。この防眩性フィルム101は、微粒子112、樹脂、溶剤などを含有する塗料を基材111上に塗工し、この塗料を乾燥させることにより形成される。
このように、微粒子113を添加した塗料を基材に塗布する手法は安価で生産性が良いため、広く採用されている製法である。しかし、この防眩性フィルム1は防眩性はあるものの、一個一個の微粒子113の突起形状によって表面に凹凸を形成しているので、これら微粒子113の突起によって曇価(ヘイズ値)が上昇して画像が白っぽくなり、コントラストが低下し、また画像鮮明度も低下してしまうという問題を抱えている。
また防眩性フィルムは液晶表示装置の表示面側の最表面に位置するため、ハードコートとしての硬さも必要である。そのため、基材111の影響を受けないように、数μm〜数十μm程度の厚みが必要である。この厚みを有する防眩層112表面に微粒子113の突起を形成するには、膜厚と同程度の粒径の大きな微粒子を添加しなければならない。その結果、防眩層112の表面にぎらつき感(シンチレーション)の上昇を招き、表示面の視認性が低下するという問題を抱えている。
そこで、図9に示すように、防眩層112における微粒子113の充填率を減らし、防眩層112表面の凹凸の周期を長くすることにより、コントラストを高めることができる。しかしながら、このように防眩層112表面の凹凸の周期を長くしてなだらかな凹凸形状にしようとすると、微粒子113の突起と突起との間に平坦な部分ができるため、防眩性が低下してしまう。
このように、防眩性とコントラストとは相反する特性であり、両者の特性を同時に満たすことは困難である。そのため、これまでも、防眩性とコントラストとを両立し、シンチレーションを改善するために、賦型転写によって防眩層表面の凹凸形状を制御する方法が提案されている。
例えば下記特許文献1には、エキシマレーザ加工装置を用いて所望の凹凸形状を有する賦型フィルムを作成する方法が記載されている。また、下記特許文献2には、マット化したポリエチレンテレフタラート(PET)に樹脂をコーティングし、表面に所望の凹凸形状を有する賦型フィルムの作成方法が記載されている。防眩性フィルムは、このようにして作成された賦型フィルムを使って、基材上に塗布された紫外線硬化樹脂に所望の凹凸を賦型転写し、賦型フィルムを剥離した後、紫外線硬化することによって作製される。
特開2003−107205号公報
特開2006−154838号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようにレーザー加工により賦型フィルムを作成する方法では、特にテレビのような大面積の加工には装置コストがかかり、また全面積で加工精度を保つのも困難である。さらに賦型転写工程により防眩性フィルムを製造すること自体、紫外線硬化樹脂を型に入れ、硬化してから剥離するという工程であるため、ライン速度を上げにくく、量産性に劣る方法である。
一方、微粒子を添加した塗料を基材に塗布する方法は、上述のように安価で生産性が良い方法であるが、防眩性とコントラストとの両特性を満たす防眩性フィルムを得ることが困難である。コントラストやぎらつきの問題を解決するには、微粒子の突起を樹脂で覆い、防眩層表面を平坦化すればよいが、今度は映りこみを防止できなくなり、防眩性が低下してしまう。すなわち、防眩層表面の微細凹凸形状を制御することにより、防眩性とコントラストとを両立させることは困難であった。
したがって、この発明の目的は、防眩性とコントラストとを両立することができる防眩性フィルム、光学フィルム、防眩性偏光子、および表示装置を提供することにある。
本発明者らは、微粒子を添加した塗料を基材に塗布する方法で、防眩性とコントラストとの両特性を有する防眩性フィルムを製造する方法を鋭意研究した結果、防眩層表面に突出した一個一個の微粒子の突起による光散乱ではなく、塗料に含まれる溶剤の揮発時に発生する表面張力の不均一分布(表面張力ムラ)によるマランゴニー対流を利用し、塗料内に生じる対流によってベナードセル構造を形成させ、ベナードセル内にできる液状の樹脂のメニスカスによって防眩層表面になだらかなうねりの凹凸形状を形成させることにより、防眩性とコントラストとを両立する防眩性フィルムが得られることを見出した。
上述の課題を解決するために、第1の発明は、
基材と、
基材上に設けられた、少なくとも1層の防眩層と
を備え、
防眩層は、樹脂と、溶剤と、微粒子とを少なくとも含む塗料を基材上に塗工、基材上に塗工された塗料を乾燥し、溶剤の揮発時に発生する対流により塗工層表面にベナードセル構造を形成、ベナードセル構造の形成された塗料に含まれる樹脂を硬化することにより、微粒子の平均粒径以上、微粒子の平均粒径の3倍以下の膜厚に形成される防眩性フィルムである。
第2の発明は、
偏光子と、
偏光子上に設けられた防眩性フィルムと
を備え、
防眩性フィルムは、基材と、基材上に設けられた、少なくとも1層の防眩層と
を有し、
防眩層は、樹脂と、溶剤と、微粒子とを少なくとも含む塗料を基材上に塗工し、基材上に塗工された塗料を乾燥し、溶剤の揮発時に発生する対流により塗工層表面にベナードセル構造を形成し、ベナードセル構造の形成された塗料に含まれる樹脂を硬化することにより、微粒子の平均粒径以上、微粒子の平均粒径の3倍以下の膜厚に形成されている防眩性偏光子である。
第3の発明は、
画像を表示する表示部と、
表示部の表示面側に設けられた防眩性フィルムと
を備え、
防眩性フィルムは、基材と、基材上に設けられた、少なくとも1層の防眩層と
を有し、
防眩層は、樹脂と、溶剤と、微粒子とを少なくとも含む塗料を基材上に塗工し、基材上に塗工された塗料を乾燥し、溶剤の揮発時に発生する対流により塗工層表面にベナードセル構造を形成し、ベナードセル構造の形成された塗料に含まれる樹脂を硬化することにより、微粒子の平均粒径以上、微粒子の平均粒径の3倍以下の膜厚に形成されている表示装置である。
第4の発明は、
基材と、
基材上に設けられた、少なくとも1層の光学層と
を備え、
光学層は、樹脂と、溶剤と、微粒子とを少なくとも含む塗料を基材上に塗工し、基材上に塗工された塗料を乾燥し、溶剤の揮発時に発生する対流により塗工層表面にベナードセル構造を形成し、ベナードセル構造の形成された塗料に含まれる樹脂を硬化することにより、微粒子の平均粒径以上、微粒子の平均粒径の3倍以下の膜厚に形成される光学フィルムである。
この発明では、平面状に集合した微粒子によってベナードセルを形成することにより防眩層表面をなだらかなうねりの微細凹凸形状とすることにより、光を拡散しつつ、白濁感を抑えることができる。
微粒子表面エネルギーと溶剤表面張力の差が小さいと、乾燥時に微粒子が激しく、立体的に凝集し、凹凸の大きな表面になり、ぎらつきのある高防眩、低コントラストなフィルムになる。その差が大きくなってくると、乾燥後も平面状に並んだ微粒子によるベナードセルができはじめる。なだらかなうねりを形成し低防眩、高コントラストのフィルムを作製することができる。更にその差が大きくなると、乾燥後の表面にベナードセルは形成されにくく、平坦部分の多い防眩性の低いフィルムとなる。この関係で防眩性を発現するには、粒子径よりも薄く塗布し、また平坦部を無くすために微粒子も多く添加しなければならないため、白濁の大きなコントラストの低いフィルムになる。このように微粒子表面エネルギーと溶剤表面張力の差をある範囲となるように微粒子種類、溶剤種類を組み合わせることによって微粒子を平面状に適度に凝集させ、なだらかなうねりを形成することができる。
この発明によれば、防眩層表面にベナードセルを形成させることにより、防眩性を有しつつ、コントラストの優れた防眩性フィルムを製造することができる。また、この発明によれば、塗料を基材に塗布する方法により防眩性とコントラストとを両立した防眩性フィルムを製造することができるので、生産性よく、かつ安価に、高品質な防眩性フィルムを得ることができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
(1)第1の実施形態
(1−1)液晶表示装置の構成
図1は、この発明の第1の実施形態による液晶表示装置の構成の一例を示す。この液晶表示装置は、図1に示すように、液晶パネル2と、この液晶パネル2の直下に設けられた光源3とを備え、液晶パネル2はその表示面側に防眩性フィルム1を備える。
光源3は、液晶パネル4に対して光を供給するためのものであり、例えば、蛍光ランプ(FL)、EL(Electro Luminescence)またはLED(Light Emitting Diode)などを備える。液晶パネル2は、光源3から供給された光を時間的空間的に変調して情報を表示するためのものである。この液晶パネル2の両面には、偏光板2a、2bが設けられる。偏光板2aおよび偏光板2bは、入射する光のうち直交する偏光成分の一方のみを通過させ、他方を吸収により遮へいするものである。偏光板2aと偏光板2bとは、例えば、透過軸が互いに直交するように設けられる。
(1−2)防眩性フィルムの構成
図2は、この発明の第1の実施形態による防眩性フィルム1の構成の一例を示す。この防眩性フィルム1は、図2に示すように、基材11と、この基材11上に設けられた防眩層12とを備える。防眩層12は微粒子13を含み、その表面には塗料の乾燥過程で塗料内に生じる対流によりベナードセルが形成され、微粒子13の適度な凝集によって形成された微細凹凸形状が設けられている。
この防眩性フィルム1において、防眩性フィルム1の裏面に黒色ガラスを貼り合わせ、防眩層12表面に拡散光を照射し、拡散反射成分を定量化して求められる白濁度は2.0以下である。白濁度が2.0以下であるとコントラストの低下を抑制することができるからである。
微粒子13として、スチレンを主成分とする非極性のスチレン微粒子を用いる場合、溶剤として表面張力23mN/m以下のものを使用することが好ましい。防眩性を維持しつつ白濁度の小さな表面性を得ることができるからである。また、スチレンにアクリル成分を添加したアクリル・スチレン共重合体を主成分とするアクリル・スチレン微粒子を用いる場合、上記表面張力(23mN/m)よりも更に表面張力の高い、一般的に使用される芳香族系、ケトン系、エステル系の溶剤を使用しても、目的とする上記表面性を得ることができる。
この防眩性フィルム1において、防眩性フィルム1の裏面に黒色アクリル板を貼り合わせ、防眩層12表面に拡散光を照射し、拡散反射成分を定量化して求められる白濁度は1.7以下である。白濁度が1.7以下であるとコントラストの低下を抑制することができるからである。
なお、白濁感は、防眩層表面で拡散された反射光を検出することにより感じる。ここでは、例えば積分球型分光測色計SP64(エックスライト社製)等の市販の分光測色計を使用し、上記現象を模擬的に再現し、定量化した値を白濁度とした。
(基材)
基材11の材料としては、例えば透明性を有するプラスチックフィルムを用いることができる。透明プラスチックフィルムとしては、例えば、公知の高分子フィルムを用いることができる。公知の高分子フィルムとしては、具体的には例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ジアセチルセルロース、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられ、これらの公知の高分子フィルムの中から適宜選択して用いることができる。基材11の厚さは、生産性の点から38μmから100μmであることが好ましいが、この範囲に特に限定されるものではない。
(防眩層)
防眩層12の平均膜厚は、微粒子13の平均粒径以上、微粒子13の平均粒径の3倍以下であることが好ましい。具体的には、防眩層12の平均膜厚は、微粒子13の平均粒径以上30μm以下であることが好ましく、より好ましくは微粒子13の平均粒径以上15μm以下である。平均膜厚が微粒子13の平均粒径未満である場合、白濁度が上昇し、平均膜厚が微粒子13の平均粒径の3倍を越える場合、製造時に樹脂を硬化させる過程でカールする場合があるからである。
防眩層12の表面には微細凹凸形状が形成されている。この微細凹凸形状は、従来のように微粒子13が防眩層12から突起することにより形成された凹凸とは異なり、微粒子13を含有する塗料を基材11上に塗工後、乾燥させる過程で、塗料内に生じる対流によって塗工膜表面にベナードセルを形成することにより設けられたものである。この凹凸形状は周期の長いなだらかな凹凸形状であることが好ましく、例えば塗料内に生じる対流によって複数の微粒子13が面内方向に適度に衝突し、乾燥が進むとともに主として面内方向に凝集して防眩層表面の凸部を形成することが好ましい。また、微粒子13が防眩層12から突出して微粒子13の表面が露出していないことが好ましい。微粒子13の表面が露出すると、微粒子13の急峻な勾配部により急峻な角度成分を含む微細凹凸形状が形成されてしまい、光が広角にわたり拡散するため、表示画面が白濁化してしまうからである。
図3は、二乗平均平方根傾斜を説明するための概略図である。表面粗さを示すパラメータである粗さ曲線の二乗平均平方根粗さRΔqは、微小範囲における傾斜を平均化して求められるパラメータであり、以下の式(1)により表される。
RΔq(またはRdq):粗さ曲線の二乗平均平方根傾斜
基準長さにおける局部傾斜dz/dxの二乗平均平方根
この防眩層12の、表面粗さを示すパラメータである二乗平均平方根粗さRΔqは、好ましくは0.003〜0.05μmである。RΔqが0.003μmより小さくなると防眩性が得られなくなり、RΔqが0.05μmより大きくなると、白濁感が強くなり、コントラストが低下するからである。二乗平均平方根粗さRΔqの測定条件は、JIS B0601:2001に準拠して求められる。このように、二乗平均平方根傾斜RΔqと光学特性(コントラスト(白濁感)および防眩性)とは相関していることから、二乗平均平方根傾斜RΔqが上記範囲を満たすことにより、コントラストと防眩性とを両立することができる。
微粒子13は、例えば、無機微粒子または有機微粒子などの球形または扁平の微粒子である。微粒子13の平均粒径は、好ましくは5nm程度〜15μm程度である。5nmよりも小さくなると防眩層12表面の粗さが細かくなりすぎて防眩性に劣り、15μmよりも大きくなると、防眩層12の膜厚が厚くなることから、製造時に樹脂を硬化させる過程でカールする場合があるからである。なお、微粒子13の平均粒径は、例えば、コールターマルチサイザーにより粒子径を測定し、得られたデータを平均して求めることができる。
有機微粒子としては、例えば、スチレン(PS)、アクリル−スチレン共重合体などを主成分とする微粒子を用いることができる。有機微粒子は、架橋や未架橋などには特に限定されるものではなく、プラスチックなどからなるものであれば用いることができる。微粒子13として例えばアクリル樹脂などの若干極性のある微粒子13を用いた場合、製造時に生じる塗料内の対流、および微粒子13の凝集がやや小さくなる。それを改善するためには表面張力の高い溶剤を使わなければならないが、そのような溶剤は沸点が高く塗膜が乾燥しにくくなるため製造上扱いづらい。そのため例えばスチレンなどの非極性の微粒子13を用いることがより好ましい。更にアクリル・スチレン共重合体からなる微粒子13は、合成する際のアクリル、スチレンの組成比率を変えることによって表面エネルギーを変えることができ、使用できる溶剤の選択の幅が広がるので特に好ましい。
アクリル・スチレン共重合体は、60質量%以上90質量%以下のスチレン成分と、10質量%以上40質量%以下のアクリル成分とからなるものが好ましい。アクリル成分が10質量%未満であると、後述する乾燥工程において微粒子13が立体的に凝集し、防眩性フィルム1の白濁度が大きくなり、従来の防眩性フィルムのようにコントラストと防眩性とを両立できなくなる傾向がある。アクリル成分が40質量%を超えると、後述する乾燥工程においてベナードセルが形成されず、防眩性が低下し、従来の防眩性フィルムのようにコントラストと防眩性とを両立できなくなる傾向がある。
無機微粒子としては、例えば定形のシリカ、アルミナなどを使用できる。これら無機微粒子を有機物処理により表面の極性を非極性側に変えることが好ましい。非極性の程度を調整することによって微粒子13の対流、凝集が適度に生じて所望のベナードセルが形成されるからである。
微粒子13の充填率が4%以上10%以下であることが好ましい。充填率が4%未満であると、防眩層表面において平坦部が多くなり防眩性を発現しなくなる傾向があり、充填率が10%を超えると、塗布厚による防眩度依存性が減少し、塗布厚の調整による防眩性のコントロールが困難となる傾向がある。なお、充填率は、防眩性に含まれる樹脂の含有量Aに対する微粒子の含有量Bの割合(B/A×100)である。
この第1の実施形態による防眩性フィルム1は、ベナードセル構造により防眩層12の表面に連続的でなだらかなうねりの微細凹凸形状を有するので、防眩性を維持しつつ、光が広角にわたり拡散することを抑えて表示画面が白濁化することを低減できる。
(1−2)防眩性フィルムの製造方法
次に、上述の構成を有する防眩性フィルム1の製造方法の一例について説明する。この防眩性フィルム1の製造方法は、基材11上に、微粒子13と、樹脂と、溶剤とを含む塗料を塗工し、溶剤を乾燥する過程で対流を生じさせ、塗工膜表面にベナードセルを形成した後、硬化させるものである。
(塗料調製)
まず、例えば樹脂と、微粒子13と、溶剤とをディスパーなどの攪拌機やビーズミル等の分散機で混合し、微粒子13が分散した塗料を得る。この際、必要に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、酸化防止剤などをさらに添加するようにしてもよい。また、粘度調整剤として、シリカ微粒子などをさらに添加するようにしてもよい。
溶剤としては、例えば使用する樹脂原料を溶解し、微粒子13との濡れ性が良好で、基材を白化させない有機溶剤などが使用できる。上述したように平面状に並んだ微粒子13によりベナードセルを形成するために、使用する微粒子13の表面エネルギーと合った表面張力を有する溶剤を選択する。有機微粒子の表面エネルギーと溶剤の表面張力の差が8mN/m以上13mN/m以下であることが好ましい。表面張力の差が8mN/m未満であると、微粒子13が3次元的に激しく凝集し、ぎらついた白濁のおおきな表面となる傾向があり、表面張力の差が13mN/mを超えると、微粒子13が凝集せず、防眩性の小さな表面となる傾向があるからである。例えば有機微粒子としてスチレン微粒子を使用した場合、表面張力が、塗布温度で23mN/m以下のものを使用することが好ましい。塗料乾燥時にベナードセルをほどよく形成し、防眩層12表面に滑らかなうねりを得ることができるからである。表面張力が上記範囲を超えると微粒子13の凝集が激しく、防眩層12表面に形成される凹凸が大きくなるため、防眩性には優れるものの、白濁し、ぎらついた表面になってしまう。このような有機溶剤としては、例えば環境温度20℃において表面張力20.0mN/mの第3級ブタノール、22℃の環境条件において22.1mN/mの酢酸イソプロピルなどが挙げられるが、スチレン微粒子よりも表面エネルギーの大きなアクリル・スチレン共重合体からなる微粒子を使用すれば、表面張力がより高い酢酸ブチル(表面張力24.8mN/m)等のエステル系溶剤、メチルイソブチルケトン(表面張力25.4mN/m)等のケトン系溶剤、トルエン(表面張力27.9mN/m)等の芳香族系溶剤などの一般的に使用される多くの有機溶剤が使用できるようになる。なお、上述の用件を満たせば、これらの材料に特に限定されるものではない。
溶剤の表面張力は、例えばwilhelmy法により、wilhelmy板と液体試料とを接触させて歪みを与え、wilhelmy板を液中に引っ張ろうとする力を測定することにより算出できる。測定装置は、例えば株式会社ユービーエム製の動的表面張力測定装置であるレオサーフを用いることができる。
樹脂としては、製造の容易性の点から、例えば紫外線、もしくは電子線により硬化する電離放射線硬化型樹脂、または熱により硬化する熱硬化型樹脂が好ましく、紫外線で硬化できる感光性樹脂が最も好ましい。このような感光性樹脂として、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。硬化後の特性として、画像透過性の点から透光性に優れるもの、また耐傷性の点から高硬度を有するものが特に好ましく、適宜選択することが可能である。なお、電離放射線硬化型樹脂は紫外線硬化型樹脂に特に限定されるものではなく、透光性を有するものであれば用いることができるが、着色、ヘイズにより透過光の色相、透過光量が顕著に変化しないものが好ましい。なお、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂は単独のみならず、これらを混合して用いてもよい。
このような感光性樹脂は、樹脂を形成しうるモノマーやオリゴマーやポリマーなどの有機材料に光重合開始剤を配合して得られる。例えば、ウレタンアクリレート樹脂は、ポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、あるいはプレポリマーを反応させ、得られた生成物に、水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレート系のモノマーを反応させることによって得られる。
この発明の第1の実施形態において、樹脂を形成しうるモノマー、オリゴマー、およびポリマーは、乾燥させても液体であるモノマー、オリゴマー、およびポリマーのうちの少なくとも1種を用いることが好ましい。乾燥させても液体であるモノマー、オリゴマー、およびポリマーとは、乾燥後も塗料の表面にベナードセル構造を維持し、ベナードセル内に、樹脂の液体によるメニスカスを形成することが可能な、比較的粘度の高い性質のものが好ましい。塗工膜を乾燥させた後も表面になだらかな凹凸形状を保つことができるからである。
感光性樹脂に含まれる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン誘導体、アントラキノン誘導体などを単独で、あるいは併用して用いることができる。この感光性樹脂には、皮膜形成をより良くさせる成分、例えばアクリル系樹脂などをさらに適宜選択配合してもよい。
(塗工)
次に、上述のようにして得られた塗料を、平均粒径×2倍程度の細孔を有するフィルターで濾過し、基材11上に塗工する。塗料は、乾燥後の平均膜厚が好ましくは3〜30μm、より好ましくは4〜15μmとなるように塗工される。膜厚がこの数値範囲よりも薄い場合は、所望の硬さを得ることが困難となり、この数値範囲よりも厚い場合は、樹脂の硬化時に大きくカールする場合がある。塗工方法は、特に限定されるものではなく、公知の塗工方法を用いることができる。公知の塗工方法としては、例えば、グラビアコーター、バーコーター、ダイコーター、ナイフコーター、コンマコーター、スプレーコーター、カーテンコーターなどが挙げられる。なお、塗工方法はこれらに限定されることは無く、所定量の厚みを均一に塗布できる方法であればよい。
(乾燥・ベナードセルの形成)
塗料の塗工後、乾燥させることにより溶剤を揮発させる。この発明の第1の実施形態では、溶剤の揮発時に発生する表面張力の不均一分布によるマランゴニー対流を利用し、塗料内の対流により微粒子13の衝突および凝集を適度に生じさせ、塗工層表面にベナードセル構造を形成させる。そして、ベナードセル内に形成される液状の樹脂のメニスカスによって、塗工膜表面になだらかなうねりの微細凹凸を形成させる。
塗料の乾燥時には、微粒子13を主として防眩層12の面内方向に凝集させ、2次元的な凝集体を形成すると共に、この凝集体を、防眩層表面において寄り集まることなく存在させることが好ましい。このようにすることで、防眩層表面に連続的でなだらかなうねりの微細凹凸形状を形成し、防眩性とコントラストとを両立することができる。ここで、「微粒子13が主として防眩層12の面内方向に凝集させる」とは、(1)すべての微粒子13が防眩層12の厚さ方向に重ならず面内方向にのみに凝集させること、もしくは、(2)ほとんどの微粒子13を面内方向に凝集させる共に、それ以外の残りの微粒子13を白濁度の増大を招く(黒色アクリル板を防眩性フィルム1の裏面に貼り合わせて測定される白濁度が1.7を超える)ことのない範囲で厚さ方向に重なり合わせることをいう。また、すべての微粒子13が2次元的な凝集体を形成していることが理想的であるが、白濁度の増大を招くことがない範囲で、一部の微粒子13が凝集体とならず孤立して存在していてもよい。
また、防眩層12の表面において、微粒子13からなる凝集体を塗料により覆うことが好ましい。このように凝集体を覆うことにより、微粒子13が防眩層12から突出し、微粒子自体の曲率からなる高角度成分が表面に形成され、白濁度が増大することを抑制できる。ここで、「凝集体を塗料により覆う」とは、(1)凝集体を塗料により完全に覆うこと、もしくは、(2)白濁度の増大を招く(黒色アクリル板を防眩性フィルム1の裏面に貼り合わせて測定される白濁度が1.7を超える)ことがない範囲で、凝集体を形成する微粒子13の一部のみを塗料により覆わず露出させることをいう。
ベナードセル構造の形成には、微粒子13の表面エネルギーと溶剤の表面張力との関係が影響を及ぼすと考えられる。そこで、ベナードセル構造を制御するためには、微粒子13の表面エネルギーに応じて溶剤の表面張力を調整することが好ましい。例えば表面が非極性のスチレン微粒子13を適当量添加した場合、溶剤の表面張力を23mN/m以下に調整することが好ましい。表面張力が23mN/mより大きいと微粒子13の凝集が激しくなり、防眩層12の表面に大きい凹凸が形成されてしまうため、白濁し、ぎらついた表面になるからである。ただし、スチレン微粒子13を用いた場合、使用できる溶剤が限定されてしまい、ケトン系溶剤やトルエン等の芳香族系溶剤が使用できない。そのためスチレンにアクリル成分を加えて合成し表面エネルギーを上げたアクリル・スチレン共重合体微粒子を使用することによって、トルエン等の溶剤も使用できるようになる。具体的には、60質量%以上90質量%以下のスチレン成分と、10質量%以上40質量%以下のアクリル成分とからアクリル・スチレン共重合体を主成分とするアクリル・スチレン共重合体微粒子を用いた場合には、溶剤の表面張力を27.9mN/m以下に調整することが好ましい。このような表面張力を有する溶剤としては、例えば、第3級ブタノール、酢酸イソプロピル、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸ブチル、酢酸ジメチルなどを挙げることができる。なお、これらの溶剤は単独のみならず、混合して用いてもよい。
また、ベナードセル構造およびベナードセル内に形成されたメニスカスを乾燥後にも維持するために、乾燥工程を経ても硬化させるまでは液状である樹脂を用いることが好ましい。これにより、乾燥させても表面のなだらかなうねりを保つことができるからである。乾燥させた後に固体となる乾燥硬化樹脂を含む場合は、基材11が平坦であることから、基材11の上に形成される防眩層12の表面が初期乾燥により平坦になり、乾燥工程を経て内部まで完全に乾燥させた後も、基材11にならい平坦になってしまうと考えられる。
乾燥条件は特に限定されるものではなく、自然乾燥でも、乾燥温度および乾燥時間などを調整して人工的に乾燥させてもよい。ただし、例えば乾燥時に風を当てた場合は、塗工層表面に風紋が生じないよう注意する必要がある。防眩層12の表面に所望のなだらかなうねりの凹凸形状が得られなくなり、防眩性とコントラストとを両立することができなくなるからである。乾燥温度および乾燥時間は、塗料中に含まれる溶剤の沸点によって適宜決定することが可能である。その場合、乾燥温度および乾燥時間は、基材11の耐熱性に配慮し、熱収縮により基材の変形が起きない範囲で選定することが好ましい。
(硬化)
乾燥後、電離放射線硬化型樹脂を硬化することにより防眩層12を形成する。硬化エネルギー源としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線、ガンマ線などがあるが、生産設備の点から紫外線が好ましい。さらに、紫外線源としては特に限定は無く、高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプなどが適宜用いられる。積算照射量は用いる樹脂の硬化、および樹脂と基板11の黄変が起きない程度の積算照射量を適宜選択できる。照射の雰囲気としては樹脂硬化の具合に応じて適宜選択でき、空気中もしくは窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気中で行うことができる。また、樹脂として、熱硬化型樹脂を用いた場合には、熱硬化型樹脂を加熱することにより防眩層12を形成する。
この硬化工程により、ベナードセルが形成された状態で樹脂が固体となり、表面になだらかな凹凸形状を有する防眩層12が形成される。
以上により、目的とする防眩性フィルム1が得られる。
この第1の実施形態によれば、塗料中に含まれる溶剤の揮発時に、微粒子13の対流と凝集によってベナードセルを形成させることにより、防眩層12の表面はなだらかなうねりの微細凹凸形状となる。したがって、高コントラストかつ優れた防眩性を有する防眩性フィルム1を実現できる。この防眩性フィルム1を液晶表示装置に用いることにより、液晶表示装置に表示される画像の視認性を向上させることができる。
(2)第2の実施形態
(2−1)防眩性フィルムの構成
図4は、この発明の第2の実施形態による防眩性フィルム10の構成の一例を示す。この防眩性フィルム10は、基板11上に設けられた微粒子13を有する防眩層12が設けられ、防眩層12上にさらに乾燥硬化する透明樹脂を含む透明樹脂層14が設けられたものである。基材11、防眩層12、および微粒子13は上述の第1の実施形態と同様のもので、防眩層12の表面には微粒子13の対流と凝集によって形成された微細凹凸形状が設けられている。
透明樹脂層14の表面には、微細凹凸形状が形成されている。乾燥硬化する樹脂を含む透明樹脂層14によって、下層の防眩層12表面の凹凸形状はそのままで、防眩層12中の微粒子近傍の傾斜のみがなだらかになり、第1の実施形態の防眩性フィルム1と同等以上に白濁感が抑制され、優れたコントラストを実現できる。
(2−2)防眩性フィルムの製造方法
次に、第2の実施形態による防眩性フィルム10の製造方法の一例について説明する。この防眩性フィルム10の製造方法は、第1の実施形態の防眩性フィルム1の防眩層12上に、樹脂と、溶剤とを含む塗料を塗工し、乾燥、硬化させて透明樹脂層14を形成させるものである。以下、透明樹脂層14の形成方法について具体的に説明する。
(塗料調製)
まず、例えば樹脂と、溶剤とを混合した塗料を得る。この際、必要に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、酸化防止剤などをさらに添加するようにしてもよい。
溶剤としては、使用する樹脂原料を溶解し、下地となる防眩層12を溶解しないものであれば、特に限定せずに用いられる。このような溶剤として、例えば第3級ブタノール、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等の有機溶剤を用いることができる。
樹脂としては、例えば、乾燥によって固体となる樹脂を少なくとも用いることが好ましい。乾燥によって固体となる樹脂とは、乾燥によって硬化する樹脂(以下、乾燥によって固体となる樹脂を、乾燥硬化樹脂と適宜称する)で、例えば分子量3万以上のモノマー、オリゴマー、ポリマーのうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。塗料中に乾燥硬化樹脂を含むことにより、防眩層表面に塗料を塗布し、乾燥した際に、防眩層表面の凹部に塗料が流れ込みにくくなり、凹部が塗料により埋まるのを防ぎ、表面が平坦化するのを抑えることができるからである。このような乾燥硬化樹脂として、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、セルロース系樹脂が挙げられる。また、電離放射線硬化型、または熱硬化型の樹脂を形成するモノマー、オリゴマー、およびポリマーを用いることができるが、これらに限定されるものではない。電離放射線硬化型樹脂としては、例えばアクリル二重結合のような感応基を持つものを用いることが好ましい。また、熱硬化型樹脂としては、水酸基などの熱硬化性基を持つものを用いることが好ましい。電離放射線硬化処理または熱硬化処理を行うときに、反応性が上がるからである。
上記の樹脂材料に、第1の実施形態で用いた電離放射線硬化型または熱硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマーのうちの少なくとも1種を上述の乾燥硬化樹脂に添加し、混合して用いることができる。好ましくは乾燥硬化樹脂として用いられる材料と硬化反応するものを使用する。
(塗工)
次に、上述のようにして得られた塗料を、防眩層12上に塗工する。塗料は、乾燥後の平均膜厚が好ましくは防眩層中の微粒子13の粒径の1/2〜2倍となるように塗工し、塗料は防眩層12表面の凸部を覆うことが好ましい。塗工方法は、特に限定されるものではなく、第1の実施形態と同様の公知の塗工方法が用いられる。防眩層12上に所定量の厚みを均一に塗布することにより、塗工層の表面に防眩層12表面の微細凹凸形状と同等以上のなだらかなうねりの微細凹凸を形成することができる。
(乾燥・硬化)
塗料の塗工後、乾燥および硬化することで、表面になだらかな微細凹凸形状を有する透明樹脂層14を得る。透明樹脂層14の表面になだらかなうねりの微細凹凸を形成するためには、上述のように、塗料中には少なくとも乾燥硬化樹脂が含まれることが好ましい。乾燥硬化する樹脂材料まったく含まない、すなわち乾燥後も液体状態であるモノマー、オリゴマー、ポリマー等の樹脂材料のみからなる塗料を防眩層12上に塗布すると、塗布後に乾燥、硬化させるまでの間にこれら樹脂材料がレベリングして、防眩層12表面の凹部を埋めて平坦化させてしまい、防眩性が低下してしまう。また、防眩層12表面の凸部は突出した突起として残るので、ざらついた表面となってしまう。そこで、塗料中に乾燥硬化樹脂を含むことによって、初期乾燥でできる乾燥表面が防眩層12表面のなだらかなうねりを覆うので、レベリングが抑制され、更になだらかなうねり成分を形成するものと考えられる。
樹脂として電離放射線硬化型樹脂を含む場合は電離放射線の照射により樹脂を硬化し、透明樹脂層を形成する。また、熱硬化型樹脂を含む場合は加熱により樹脂を硬化し、透明樹脂層14を形成する。
以上により、目的とする防眩性フィルムが得られる。
この第2の実施形態によれば、透明樹脂層14表面に、防眩層12表面に形成されたなだらかなうねりの微細凹凸と同等以上になだらかなうねりの微細凹凸形状を形成することができる。したがって、この防眩性フィルム10を例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの各種表示装置などに用いることにより、防眩性を維持しつつ、第1の実施形態以上に優れたコントラストを実現でき、視認性をさらに向上させることができる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
以下のようにしてグラビアコーターで連続塗布して、長尺の防眩性フィルムを100m作製した。
まず、粒径5〜7μmで、平均粒径6μmのスチレン微粒子200gと、樹脂材料として紫外線硬化型の液状の4官能ウレタンアクリルオリゴマー4000gと、光反応開始剤としてイルガキュア184(チバガイギー製)200gとを、溶剤として表面張力が20.0mN/mである第3級ブタノール6000gに加えて攪拌し、塗料を調製後、10μmのメッシュのフィルターで濾過した。
次に、濾過した塗料を厚み80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、グラビアコーターで塗布速度20m/分で塗布した。塗布後のフィルムは乾燥温度80℃に設定した30m長の乾燥炉で乾燥させた。この際に、溶剤の揮発時に発生する表面張力の不均一分布によるマランゴニー対流を利用し、塗料内の対流により微粒子の衝突および凝集を適度に生じさせ、塗工層表面にベナードセル構造を形成させた。そして、ベナードセル内に形成される液状の樹脂のメニスカスによって、塗工膜表面になだらかなうねりの微細凹凸を形成させた。その後フィルムは連続して紫外線硬化炉に入り、160W、積算光量300mJ/cm2の条件で紫外線を照射して、乾燥後の平均膜厚6μmの防眩層を形成し、巻き取り防眩性フィルムを得た。
(実施例2)
乾燥後の膜厚を8μmとした以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例3)
乾燥後の膜厚を12μmとした以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例4)
乾燥後の膜厚を15μmとした以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例5)
乾燥後の膜厚を18μmとした以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例6)
溶剤として表面張力が22.1mN/mの酢酸イソプロピルを使用した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例7)
樹脂材料として分子量5万の乾燥硬化するアクリルポリマー1000gを、溶剤として表面張力が25.4mN/mのメチルイソブチルケトン(MIBK)5000gに溶解した塗料を調整後、実施例1の防眩性フィルムの防眩層上に、グラビアコーターで塗布し、80℃の乾燥炉にて乾燥させることにより硬化させ、乾燥後の平均膜厚6μmの透明樹脂層を形成した。以上により、防眩性フィルムを得た。
(実施例8)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル10質量%、スチレン90質量%)、溶剤としてトルエンに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例9)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル30質量%、スチレン70質量%)、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)に変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例10)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル30質量%、スチレン70質量%)、溶剤として酢酸ブチルに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例11)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル30質量%、スチレン70質量%)、溶剤としてMIBKに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例12)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル30質量%、スチレン70質量%)、溶剤として表面張力27.9mN/mのトルエンに変更した以外は、実施例1と同様にして防眩性フィルムを得た。
(実施例13)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル30質量%、スチレン70質量%)、溶剤として炭酸ジメチルに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例14)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル30質量%、スチレン70質量%)、溶剤としてトルエン40重量部、炭酸ジメチル60重量部の混合溶剤に変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例15)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル30質量%、スチレン70質量%)、溶剤としてトルエン60重量部、炭酸ジメチル40重量部の混合溶剤に変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例16)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル30質量%、スチレン70質量%)、溶剤としてトルエン80重量部、MEK20重量部の混合溶剤に変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例17)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル30質量%、スチレン70質量%)、溶剤として酢酸ブチル60重量部、炭酸ジメチル40重量部の混合溶剤に変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例18)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル30質量%、スチレン70質量%)、溶剤としてMIBK60重量部、炭酸ジメチル40重量部の混合溶剤に変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例19)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル40質量%、スチレン60質量%)、溶剤としてMIBKに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例20)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル40質量%、スチレン60質量%)、溶剤として表面張力27.9mN/mのトルエンに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例21)
スチレン微粒子の添加量を160gに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例22)
スチレン微粒子の添加量を400gに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例23)
スチレン微粒子の添加量を600gに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例24)
平均粒径4μmのスチレン微粒子を使用し、乾燥後の平均膜厚が4μmとなるように塗布した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例25)
平均粒径8μmのスチレン微粒子を使用し、乾燥後の平均膜厚が8μmとなるように塗布した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例26)
平均粒径10μmのスチレン微粒子を使用し、乾燥後の平均膜厚が10μmとなるように塗布した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例1)
乾燥後の膜厚を4μmとした以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例2)
スチレン微粒子の添加量を120gに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例3)
乾燥後の膜厚を5μmとした以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例4)
溶剤としてMIBKを使用した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例5)
溶剤としてトルエンを使用した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例6)
微粒子として平均粒径6μmのアクリル微粒子を使用した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例7)
微粒子をアクリルに、溶剤をトルエンに変更した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例8)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル75質量%、スチレン25質量%)に変更した以外は実施例6と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例9)
微粒子としてアクリル・スチレン共重合体(アクリル55質量%、スチレン45質量%)に変更した以外は実施例6と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例10)
膜厚を4μmに変更した以外は比較例5と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例11)
微粒子の添加量を800g、膜厚を4μmに変更した以外は比較例5と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例12)
樹脂材料として分子量5万の乾燥硬化するアクリルポリマーを使用し、80℃で乾燥した以外は実施例1と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(比較例13)
樹脂材料として液状の4官能ウレタンアクリルオリゴマー1000gを溶剤であるメチルイソブチルケトン(MIBK)5000gに溶解した塗料を調整後、実施例1の防眩性フィルムの防眩層上にグラビアコーターで塗布し、80℃の乾燥炉で溶剤を揮発させた後、紫外線硬化炉で160W、積算光量300mJ/cm2の条件で紫外線を照射され、乾燥後の平均膜厚6μmの透明樹脂層を形成した。以上により、防眩性フィルムを得た。
(粗さ評価)
上述のようにして得られた実施例1〜26および比較例1〜13の防眩性フィルムについて、表面粗さを測定し、2次元断面曲線から粗さ曲線を取得し、粗さパラメータとして粗さ曲線の二乗平均平方根粗さRΔqを算出した。その結果を表1に示す。なお、測定条件はJIS B0601:2001に準拠した。以下に測定装置および測定条件を示す。
測定装置:全自動微細形状測定機 サーフコーダーET4000A(株式会社小坂研究所) λc=0.8mm、評価長さ4mm、カットオフ×5倍
(防眩性)
実施例1〜26および比較例1〜13の防眩性フィルムについて、防眩性の評価を行った。具体的には、防眩性フィルムにむき出しの蛍光灯を写し、反射像のぼやけ方を下記の基準で評価した。その結果を表1に示す。
◎:蛍光灯の輪郭が分からない(2本の蛍光灯が1本に見える)
○:蛍光灯がある程度認識できるが、輪郭がぼやけている
×:蛍光灯がそのまま写りこむ
(白濁度)
また、実施例1〜26および比較例1〜13の防眩性フィルムについて、白濁度の測定を行った。白濁度の具体的な測定法を以下に示す。まず、裏面反射の影響を抑え防眩性フィルム自体の拡散反射を評価するため、得られた防眩性フィルムの裏面に粘着剤を介して黒色ガラスに貼合した。次に、エックスライト社製の積分球型分光測色計SP64を用い、拡散光を試料表面に照射して試料法線方向から8°方向に傾いた位置に存在する検出器で反射光を測定するd/8°光学系にて測定を行った。測定値は正反射成分を除き拡散反射成分のみ検出するSPEXモードを採用し、検出視野角2°にて行った。なお、本測定の白濁度は、視覚的に感じる白濁感と相関があることを実験により確認している。その結果を表1に示す。
また、実施例1〜26、および比較例1〜13の各防眩性フィルムの裏面に粘着剤を介して黒色アクリル板(三菱レイヨン株式会社製 アクリライトL 502)を貼合した場合の白濁度を以下の式(2)により算出した。その結果を表1に示す。なお、防眩性フィルムを貼らない状態で黒色アクリル板を測定した白濁度の値は、0.2であった。
y=1.1039x−0.4735 ・・・ (2)
上述したように、本測定の白濁度は視覚的に感じる白濁感と相関があり、上述のようにして算出した値(Y値)が1.7%を超えると、白濁していると感じ、1.7%以下で値が小さくなる程白濁感が弱くなり、0.8%以下では白濁感をほぼ感じられないことを確認している。なお、上記式(2)の導出方法については後述する。
(面内方向の凝集)
光学顕微鏡の観察によって、有機微粒子の凝集状態を観察した。面内方向で凝集している場合を「○」、凝集していないか、立体的に凝集している場合を「×」とした。また、実施例1〜26、比較例1〜13のうち、実施例1、比較例5の防眩性フィルムの表面写真を代表して図5、図6に示す。
(メニスカスの形成)
光学顕微鏡で微分干渉をかけて表面形状を観察し、セル間が平坦になっているか、傾斜になっているかを観察した。もしくは、レーザー顕微鏡(レーザーテック社製)で、共焦点画像を取り込み、表面観察し、セル間が平坦になっているか、傾斜になっているかを観察した。
表1において白濁度A、Bはそれぞれ、以下のようにして測定した白濁度を示す。
白濁度A:防眩性フィルムの裏面に対して黒色ガラスを貼り合わせて測定した白濁度
白濁度B:防眩性フィルムの裏面に対して黒色アクリル板を貼り合わせて測定した白濁度
また、表1において、樹脂の乾燥硬化の「×」とは乾燥工程後に塗布膜が硬化せずに液状であったものを示し、「○」とは乾燥工程後に塗布膜が硬化したものを示し、「−」とは透明樹脂層を有していないものを示している。
また、表1において、充填率は、防眩性に含まれる樹脂の含有量Aに対する微粒子の含有量Bの割合(B/A×100)である。
なお、実施例1〜26および比較例1〜13におかける各数値は以下のようにして求めた。
(防眩層の平均膜厚)
防眩層の平均膜厚は、接触式厚み測定器(TESA株式会社製)を用いて測定した。
(微粒子の平均粒径)
微粒子の平均粒径は、コールターマルチサイザーにより粒子径を測定し、得られたデータを平均して求めた。
(溶剤の表面張力)
溶剤の表面張力は、例えばwilhelmy法により、wilhelmy板と液体試料とを接触させて歪みを与え、wilhelmy板を液中に引っ張ろうとする力を測定することにより算出した。測定装置は、株式会社ユービーエム製の動的表面張力測定装置であるレオサーフを用いた。なお、測定は、溶剤の液温と室温とを一定にした後行った。具体的には、室温25℃の環境下に溶剤を放置し、溶剤の液温が25℃なった時点で、溶剤の液温を測定した。
(微粒子の表面エネルギー)
微粒子をプレス機にて圧密し、板状にした後、その表面に各種液体を垂らし、臨界表面張力を算出し、その算出値を微粒子の表面エネルギーとした。なお、測定は、上記溶剤の表面張力の測定と同様に、25℃の環境下にて行った。
表1から以下のことが分かる。
防眩層の微粒子としてスチレンを用い、表面張力が23mN/m以下の溶剤を用いた実施例1〜実施例7、21〜26や、アクリル(10質量%)・スチレン(90質量%)やアクリル(30質量%)・スチレン(70質量%)やアクリル(40質量%)・スチレン(60質量%)共重合体を用いた実施例8〜20の防眩性フィルムでは、二乗平均平方根傾斜RΔqが0.003〜0.05の範囲であり、防眩性および白濁度が共に良好である。また、比較例1および比較例3のように乾燥膜厚が微粒子の平均粒径よりも小さい場合や、比較例4、5のように相対的に微粒子表面エネルギーが溶剤表面張力よりも小さい場合はRΔqの値が大きくなり、防眩性には優れるものの、白濁度が大きく、コントラストが低下した。一方、比較例6から比較例10のように相対的に微粒子表面エネルギーが溶剤表面張力よりも大きい場合はRΔqの値が小さくなり、白濁度は小さいものの、防眩性が劣るものであった。また比較例11で行ったように微粒子添加量を増やし、乾燥膜厚を微粒子の平均粒径未満とすると防眩性は発現するものの、白濁が大きい、従来通りの防眩フィルムとなってしまう。また、乾燥硬化する樹脂を用いた比較例12ではRΔqの値が小さくなり、白濁度は小さいものの、防眩性が劣るものであった。また比較例2から微粒子添加量が3質量%であると、平坦部が多くなり白濁が小さいものの防眩性を発現しなくなることから、実施例21〜23に示したように微粒子添加量は4質量%以上であることが好ましい。
表面エネルギーが33mN/mのスチレン微粒子、表面エネルギーが40mN/mのアクリル微粒子を用いた場合、微粒子表面エネルギーと溶剤表面張力の差が小さく、比較例4に示すように、微粒子表面エネルギーと溶剤表面張力との差が8mN/m未満であると、乾燥時に微粒子が激しく、立体的に凝集し、凹凸の大きな表面になり、ぎらつきのある高防眩、低コントラストなフィルムになる。
その差が大きくなり、実施例1、6に示すように、微粒子表面エネルギーと溶剤表面張力との差が8〜13mN/mの範囲内であると、乾燥後も平面状に並んだ微粒子によるベナードセルができはじめる。なだらかなうねりを形成し低防眩、高コントラストのフィルムを作製することができる。
更にその差が大きくなり、比較例6、10に示すように、微粒子表面エネルギーと溶剤表面張力との差が13mN/mを超えると、乾燥後の表面にベナードセルは形成されにくく、平坦部分の多い防眩性の低いフィルムとなる。この関係で防眩性を発現するには、粒子径よりも薄く塗布し、また平坦部を無くすために微粒子も多く添加しなければならないため、白濁の大きなコントラストの低いフィルムになる。
以上の結果から、微粒子の表面エネルギーと溶剤の表面張力との関係を適切に選択するとともに、乾燥後に硬化しない樹脂を用いることにより、防眩層表面のベナードセルの形成を制御して所望の粗さとすることができ、防眩性を保ちつつ白濁度を抑えた防眩性フィルムが得ることができる。
また、実施例7より、乾燥硬化樹脂を含む透明樹脂層を設けることで白濁度をさらに低下させることができることがわかった。透明樹脂層に乾燥硬化しない樹脂を用いた比較例13では、RΔqが小さくなり、防眩性が低下した。これより、乾燥硬化する樹脂を用いて透明樹脂層を設けることにより、防眩性を維持しつつ、透明樹脂層を有しない防眩性フィルム以上にコントラストに優れた防眩性フィルムが得ることができる。
(実施例27〜31)
スチレン微粒子の添加量を400gに変更した以外は実施例1〜5と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(実施例32〜35)
スチレン微粒子の添加量を480gに変更した以外は実施例1〜5と同様にして、防眩性フィルムを得た。
(防眩性)
上述のようにして得られた実施例1〜5、実施例27〜35の防眩性フィルムについて、防眩性を以下のようにして評価した。
2本の蛍光灯を防眩層表面に映しこみ蛍光灯の視認性を以下の5段階で評価した。
レベル5:蛍光灯が2本に分離して見えず、形状の判別もできない。
レベル4:蛍光灯が2本あることが視認できるが、形状の判別はできない。
レベル3:蛍光灯が2本に分離して見え、輪郭がぼんやりと見え、蛍光灯の形状が判別できる。
レベル2:蛍光灯がはっきりと2本に分離して見え、輪郭が見える。
レベル1:蛍光灯がはっきりと2本に分離して見え、輪郭が直線状に明瞭に視認できる。
表2から、充填率が10%を超えると、塗布厚による防眩度依存性が減少し、塗布厚の調整による防眩性のコントロールが困難となる傾向があることが分かる。
次に、表3および図7を参照して、黒色ガラスを貼合して測定したときの白濁度と、黒色アクリル板を貼合して測定したときの白濁度との相関について説明する。
表3に、実施例1において、膜厚および粒径を適宜調整することによって白濁度を制御して得られる試験例1〜試験例14の防眩性フィルムについて、黒色ガラスおよび黒色アクリル板をそれぞれ貼合して測定した白濁度の測定結果を示す。また、これらの相関によって得られる回帰直線を用いて、アクリル板での白濁度を計算によって求めた値を表3に示す。表3より、計算によって測定値に近い値が求められることが分かる。
黒色ガラスおよび黒色アクリル板の相関によって得られる回帰直線は、図7に示すように、横軸に黒色ガラス板を貼合したときの白濁度、縦軸に黒色アクリル板を貼合したときの白濁度をプロットして得られる。図7より、ガラス板を貼合したときの白濁度をx、アクリル板を貼合したときの白濁度をyとしたときに、
y=1.1039x−0.4735 ・・・ (2)
の回帰直線が得られ、決定係数R2は0.9909である。以上より、黒色ガラス板を用いて測定した白濁度と、黒色アクリル板を用いて測定した白濁度には、高い相関があることが分かる。
以上、この発明の実施形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の第1の実施形態では、防眩性フィルムを液晶表示装置に適用する場合について説明したが、防眩性フィルムの適用例をこれに限定されるものではない。例えば、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの各表示装置に適用することができる。
この発明の第1の実施形態による液晶表示装置の構成の一例を示す概略断面図である。 この発明の第1の実施形態による防眩性フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。 二乗平均平方根傾斜を説明するための概略図である。 この発明の第2の実施形態による防眩性フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。 実施例1の防眩性フィルムの表面写真である。 比較例5の防眩性フィルムの表面写真である。 黒色ガラスを用いて測定したときの白濁度と、黒色アクリル板を用いて測定したときの白濁度との相関について説明するためのグラフである。 従来の防眩性フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。 従来の防眩性フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1、10 防眩性フィルム
11 基材
12 防眩層
13 微粒子
14 透明樹脂層

Claims (16)

  1. 基材と、
    上記基材上に設けられた、少なくとも1層の防眩層と
    を備え、
    上記防眩層は、樹脂と、溶剤と、微粒子とを少なくとも含む塗料を基材上に塗工、上記基材上に塗工された上記塗料を乾燥し、溶剤の揮発時に発生する対流により塗工層表面にベナードセル構造を形成、上記ベナードセル構造の形成された上記塗料に含まれる樹脂を硬化することにより、上記微粒子の平均粒径以上、上記微粒子の平均粒径の3倍以下の膜厚に形成される防眩性フィルム
  2. 上記防眩層表面に拡散光を照射し、拡散反射成分を定量化して求められる白濁度が1.7以下である請求項1記載の防眩性フィルム
  3. 上記微粒子は有機微粒子であり、
    上記有機微粒子の表面エネルギーと上記溶剤の表面張力の差が8mN/m以上13mN/m以下である請求項1の防眩性フィルム
  4. 上記微粒子は、スチレンを主成分とし、
    上記溶剤の表面張力は、23mN/m以下である請求項1記載の防眩性フィルム
  5. 上記微粒子は、アクリル・スチレン共重合体を主成分とする請求項1記載の防眩性フィルム
  6. 上記アクリル・スチレン共重合体は、60質量%以上90質量%以下のスチレン成分と、10質量%以上40質量%以下のアクリル成分とからなる請求項5記載の防眩性フィルム
  7. 上記微粒子の充填率は、4%以上10%以下である請求項1記載の防眩性フィルム
  8. 上記溶剤の揮発時に発生する対流により、上記微粒子を主として面内方向に凝集させる請求項1記載の防眩性フィルム
  9. 上記防眩層表面において、上記凝集した微粒子を上記樹脂により覆う請求項8記載の防眩性フィルム
  10. 上記樹脂は、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、またはそれらの混合樹脂であり、上記塗料を乾燥させた後も液状であるモノマー、オリゴマー、およびポリマーのうちの少なくとも1種を含む請求項1記載の防眩性フィルム
  11. 電離放射線の照射、または加熱によって、表面にベナードセル構造が形成された状態で上記樹脂を硬化する請求項1記載の防眩性フィルム
  12. 上記防眩層表面における二乗平均平方根傾斜RΔqは、0.003〜0.05μmである請求項1記載の防眩性フィルム
  13. 上記微粒子は樹脂で覆われ、上記防眩層表面から上記微粒子が突出しない請求項1記載の防眩性フィルム
  14. 偏光子と、
    上記偏光子上に設けられた防眩性フィルムと
    を備え、
    上記防眩性フィルムは、基材と、基材上に設けられた、少なくとも1層の防眩層と
    を有し、
    上記防眩層は、樹脂と、溶剤と、微粒子とを少なくとも含む塗料を基材上に塗工し、上記基材上に塗工された上記塗料を乾燥し、溶剤の揮発時に発生する対流により塗工層表面にベナードセル構造を形成し、上記ベナードセル構造の形成された上記塗料に含まれる樹脂を硬化することにより、上記微粒子の平均粒径以上、上記微粒子の平均粒径の3倍以下の膜厚に形成されている防眩性偏光子。
  15. 画像を表示する表示部と、
    上記表示部の表示面側に設けられた防眩性フィルムと
    を備え、
    上記防眩性フィルムは、基材と、基材上に設けられた、少なくとも1層の防眩層と
    を有し、
    上記防眩層は、樹脂と、溶剤と、微粒子とを少なくとも含む塗料を基材上に塗工し、上記基材上に塗工された上記塗料を乾燥し、溶剤の揮発時に発生する対流により塗工層表面にベナードセル構造を形成し、上記ベナードセル構造の形成された上記塗料に含まれる樹脂を硬化することにより、上記微粒子の平均粒径以上、上記微粒子の平均粒径の3倍以下の膜厚に形成されている表示装置。
  16. 基材と、
    上記基材上に設けられた、少なくとも1層の光学層と
    を備え、
    上記光学層は、樹脂と、溶剤と、微粒子とを少なくとも含む塗料を基材上に塗工し、上記基材上に塗工された上記塗料を乾燥し、溶剤の揮発時に発生する対流により塗工層表面にベナードセル構造を形成し、上記ベナードセル構造の形成された上記塗料に含まれる樹脂を硬化することにより、上記微粒子の平均粒径以上、上記微粒子の平均粒径の3倍以下の膜厚に形成される光学フィルム。
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