JP6923447B2 - タペンタドールの非経口投与のための安定な製剤 - Google Patents

タペンタドールの非経口投与のための安定な製剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6923447B2
JP6923447B2 JP2017550592A JP2017550592A JP6923447B2 JP 6923447 B2 JP6923447 B2 JP 6923447B2 JP 2017550592 A JP2017550592 A JP 2017550592A JP 2017550592 A JP2017550592 A JP 2017550592A JP 6923447 B2 JP6923447 B2 JP 6923447B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
weight
tapentadol
acid
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017550592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018509462A (ja
Inventor
シラー・マルク
ファン・ヘーメルレイック・カルロス
シュトラーウプ・シュテファニー
ヴュルステン・エーファ・コルネリア
ベルトラウム・ウルリケ
ラインホルト・ウルリヒ
Original Assignee
グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=55661386&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP6923447(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング filed Critical グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
Publication of JP2018509462A publication Critical patent/JP2018509462A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6923447B2 publication Critical patent/JP6923447B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/13Amines
    • A61K31/135Amines having aromatic rings, e.g. ketamine, nortriptyline
    • A61K31/137Arylalkylamines, e.g. amphetamine, epinephrine, salbutamol, ephedrine or methadone
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/06Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
    • A61K47/08Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
    • A61K47/12Carboxylic acids; Salts or anhydrides thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/08Solutions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

本発明は、タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩を含む、非経口投与のための水性医薬組成物であって、タペンタドールの濃度が、タペンタドール遊離塩基の重量を基準としかつ該組成物の全体積を基準として、0.10〜8.00mg/mLの範囲内であり、上記組成物のpH値が緩衝されておりかつ4.0〜6.0の範囲内である、医薬組成物に関する。本発明はまた、上記医薬組成物を含む容器、およびそれらの製造方法に関する。本発明はまた、包装に本発明の含有物を含むキットに関する。本発明の医薬組成物は、特に、疼痛、特に急性疼痛、好ましくは小児患者における疼痛、特に急性疼痛の治療に有用である。
非経口投与用の種々の製剤が従来技術から公知である。
WO01/22998(特許文献1)は、溶液の抗酸化成分の変色を引き起こすことなく、医薬バイアル内へパッケージングするのに適した治療用カルシトリオール溶液を開示している。
WO01/93830(特許文献2)は、長期間にわたって安定な、容易に酸化可能な活性成分、特にフェノール類を有する水性製剤を得るための方法に関し、該方法は、それらを不活性ガスでバブリングすることおよび/または真空下に置くことによる徹底的な脱酸素化に付すこと、不活性ガスの送入によって予め空気を除去したボトルに不活性ガス下で充填することによりそれらを不活性ガス雰囲気下に保持することによって、それらを起こり得る酸素の再吸収から保護すること、その後、栓をしながらそれらを、該ボトルにおいて得られるような最大65,000Paの低圧に付すことからなり、そのようにして、溶液中残留酸素濃度が2ppm未満、好ましくは1ppmおよびさらには0.5ppmのオーダーである水溶液が得られる。
WO02/072080(特許文献3)は、非経口的に投与可能な、特に注入可能な、保管に安定で、粒子不含でかつ変色がないパラセタモール水溶液に関する。上記溶液は以下の混合物を含む:a)1リットルあたり1〜17グラムのパラセタモール、およびb)1リットルあたり0.01〜0.17グラムの、アスコルビン酸、N−アセチル−L−システインおよびN−アセチル−L−システインとは異なるSH基含有安定剤化合物を含む群から選択される、少なくとも1種の生理学的に相容性の酸化防止剤。上記水溶液は有機溶媒を含まず、5.5〜6.5のpH値および0.5ミリグラム/リットル未満の酸素含有量を有する。
WO03/041687(特許文献4)は、フェノール系物質をベースとする安定化された酸化防止剤不含溶液を製造する方法に関し、これは、低温および3.0超かつ5.0未満に調節されたpHにおける、不活性ガスを用いた該溶液の脱酸素化、および容器のガスホールドアップの、製造パイプの脱酸素化、およびアルゴンのような高密度不活性希ガスでの溶質を含有するアンプルおよびフラスコの不活性化によって、溶液に0.02ppm以下の酸素を含むフェノール系物質の安定性溶液を得て、それを二重の滅菌ろ過によりろ過することからなる。
WO2004/062689(特許文献5)は、可溶化剤、酸化防止剤およびバッファーを含む、組織因子経路阻害剤(TFPI)またはTFPIバリアントの、安定化された水性組成物を開示している。可溶化剤および酸化防止剤の組み合わせは、TFPIまたはTFPIバリアント組成物の保管寿命に大幅な改善をもたらすことができる。可溶化剤および酸化防止剤は、凝集および酸化によるTFPIまたはTFPIバリアントの分解の効果を実質的に相殺する。
WO2008/135601(特許文献6)は、水性溶媒における、酸化の影響を受けやすいフェノール系の活性成分、例えばパラセタモールをベースとする、酸化に対して安定な液体製剤、ならびにそのような製剤を製造するための方法に関する。当該製剤および方法は、活性成分を、60℃〜105℃の間の温度、5.0〜6.0の間のpHおよび0.0002%未満の酸素濃度を有する水性溶媒において混合することを特徴とする。
WO2009/124586(特許文献7)は、水溶性のメタンスルホン酸塩の形態の5−[(2RS)−2−シクロプロピル−7,8−ジメトキシ−2H−1−ベンゾピラン−5−イルメチル]−ピリミジン−2,4−ジアミン、生理塩化ナトリウム溶液、エタノールおよびPovidone12PFを含む安定な水性医薬組成物であって、液体が4.8を超えるが5.2以下のpHを有し、酸素量が0.8ppm以下に制御され;ろ過によりおよび/または加熱処理により滅菌が可能であり、長期間にわたって保管でき、ボーラス注入法に使用でき、または静脈内注入のために希釈できる水性医薬組成物に関する。
WO2011/071400(特許文献8)は、医薬用途のためのパラセタモールの安定な液体製剤、および安定なパラセタモール溶液の調製方法に関する。
WO2013/144814(特許文献9)は、ペメトレキセドまたはその薬学的に許容可能な塩を含む安定なready−to−use医薬組成物であって、酸化防止剤、アミノ酸およびキレート剤を含まない組成物を開示している。また、以下のステップ:i)溶媒の溶解した酸素含有量が7mg/L未満、好ましくは3mg/L未満になるまで、非経口的に許容可能な水性溶媒に不活性ガスをパージすること;ii)撹拌下でペメトレキセド二ナトリウムを添加すること;iii)得られた溶液のpHを4〜9の間に調節すること;iv)任意選択的に追加的な水性溶媒を添加することを含み、組成物が全プロセス中にわたって不活性ガスでパージされる、安定なready−to−use医薬組成物を製造する方法も提供される。
タペンタドールの医薬製剤は、先行技術、例えばWO02/67651(特許文献10)、WO03/035053(特許文献11)、WO2006/002886(特許文献12)、WO2007/128412(特許文献13)、WO2007/128413(特許文献14)、WO2008/110323(特許文献15)、WO2009/067703(特許文献16)、WO2009/092601(特許文献17)、US2010/272815(特許文献18)および、T.M.Tzschentke et al.,Drugs of the future,31(12),2006,1053−1061(非特許文献1)からも知られている。
WO2012/119727(特許文献19)は、タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩を含み、経口投与に適合されている水性の医薬組成物に関する。当該組成物は、高量の保存剤の存在に依拠することなく、優れた保管安定性を有する。
WO2012/119728(特許文献20)は、タペンタドールの投与用の非経口製剤を開示している。これらの製剤におけるタペンタドールの濃度は、好ましくは、100mg/mL未満である。WO2012/119728の例示された製剤におけるタペンタドールの濃度はそれぞれ、15mg/mLおよび20mg/mLである。WO2012/119728によると、タペンタドールは、抗菌特性を示す。これらの抗菌特性は、より高いpH値においてより顕著である。結果として、保存剤を省略し得るか、または製剤におけるそれらの含有量を少なくとも減少させ得る。タペンタドールの含有量が、その保存特性により所望の有効期間または使用時安定性をタペンタドール自身の存在によって達成できるように、十分に高い場合には、保存剤の完全な不在が好ましい。そのような目的のためには、タペンタドールの濃度は、好ましくは、組成物の全体積を基準として少なくとも10mg/mLである。
しかしながら、希釈された溶液では、溶解したタペンタドールが分解する傾向があり、これは、タペンタドールのそのような低濃度における非経口製剤の保管安定性に負の影響を有することが見出された。
WO01/22998 WO01/93830 WO02/072080 WO03/041687 WO2004/062689 WO2008/135601 WO2009/124586 WO2011/071400 WO2013/144814 WO02/67651 WO03/035053 WO2006/002886 WO2007/128412 WO2007/128413 WO2008/110323 WO2009/067703 WO2009/092601 US2010/272815 WO2012/119727 WO2012/119728
T.M.Tzschentke et al.,Drugs of the future,31(12),2006,1053−1061
本発明の目的は、従来技術のタペンタドールの非経口製剤と比較して利点を有するタペンタドールの非経口製剤を提供することである。当該非経口製剤は、タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩を比較的低濃度で含有すべきであるが、同時に、良好な保管安定性および有効期間を有すべきである。
この目的は、特許請求の範囲の主題によって実現された。
驚くべきことに、6〜7.5の範囲のpH値にある希釈溶液においては、別の状況では化学的に非常に安定な薬理活性成分であるタペンタドールが、許容できない化学分解に付されることが見出された。本発明者等は予想外に、pHを低下させることにより、および調節され確実に維持されたpH値を提供するために緩衝能を増加させることにより、化学安定性を大幅に改善できることを見出した。タペンタドールの従来の希釈溶液は不安定で、オートクレーブおよび長期保管後にpH値の連続的な上昇を示すのに対し、本発明の組成物のpH値は実質的に変わらずに維持される。
従って、驚くべきことに、8.0mg/mL未満、特に5.0mg/mL未満、特に約1.0mg/mLの濃度の比較的低いタペンタドールの濃度で、非経口投与用の医薬組成物のpH値を低下させると、安定化効果を奏し、その結果、繰り返しのオートクレーブ後のストレス条件下でもタペンタドールの分解(decomposition、degradation)を大幅に減少するか、またはさらには抑制できることが見出された。従って、特定の条件下では、一方ではタペンタドールの抗菌効果(WO2012/119728参照)、そして他方ではタペンタドールの化学的安定性は、両方ともpH値の関数であるが、相対する方向にあると考えられる。
さらに、驚くべきことに、4.0〜6.0の範囲内の組成物のpH値においてさえも、およびタペンタドールの上記のような比較的低濃度においてさえも、保存剤も酸化防止剤も必要なく、それにもかかわらず長期間にわたって保管安定性である、非経口投与のための安定な医薬組成物を提供できることが見出された。このことは特に驚くべきことであり、なぜならタペンタドール自身の抗菌効果はその濃度とpH値の関数であって、その結果、タペンタドールの抗菌効果はその濃度およびpH値が比較的低い場合には大抵は減少するはずだからである。
またさらに、驚くべきことに、上記組成物はオートクレーブの過酷な条件下で、例えば2barおよび121℃で少なくとも20分間、化学的に安定なままであることが見出された。従って、本発明の組成物の保管安定性は、タペンタドール単独の抗菌効果に依拠する必要がない。オートクレーブは、保存剤の必要性なしで、抗菌汚染除去に対して十分な保管安定性を達成する。
さらに、タペンタドールは、それぞれ脱気し、組成物を不活性ガス雰囲気下に供することにより(例えば窒素パージでの脱気により)、化学的な分解に対して十分に安定化できることが、驚くべきことに見出された。従って、酸化防止剤の使用を避けることができる。
本発明の第1の態様は、タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩を含む、安定な非経口投与用水性医薬組成物であって、タペンタドールの濃度は、タペンタドール遊離塩基の重量を基準とし、かつ組成物の全体積を基準として、0.10〜8.00mg/mLの範囲内、好ましくは0.10〜5.00mg/mLの範囲内、より好ましくは0.50〜1.50mg/mLの範囲内であり;上記組成物のpH値は、好ましくはクエン酸塩バッファーにより、緩衝されており、該pH値は、特にオートクレーブの前および後で、4.0〜6.0の範囲内、好ましくは4.5〜5.5の範囲内である、組成物に関する。従って、好ましくは、本発明の組成物は、好ましくは少なくとも20分間少なくとも2barおよび少なくとも121℃で、オートクレーブされており、オートクレーブ前のpH値およびオートクレーブ後のpH値は独立して4.0〜6.0の範囲内、好ましくは4.5〜5.5の範囲内である。
語句「医薬組成物」は、ヒトまたは動物に投与されるためにカスタマイズされている任意の薬学的調製物または製剤を含む。好ましくは、上記組成物は水溶液である。
明示的に別段の記載がない限り、パーセントは全て、本発明の医薬組成物の全重量に対する重量パーセントである。
明示的に別段の記載がない限り、mLの全ての値は、本発明の医薬組成物の全体積を参照する。
明示的に別段の記載がない限り、パラメーターおよび条件(例えば温度、圧力、相対湿度、体積、重量、濃度、pH値、滴定酸度、緩衝能、容量オスモル濃度、分子状酸素の含有量、保管安定性、色等)は、欧州薬局方(Ph.Eur.)に記述されている要件および推奨に従って決定および測定される。明示的に別段の記載がない限り、欧州薬局方に関する全ての参照は、2015年3月に公式に有効な版を参照する。一般条件は、典型的には周囲条件である。
本明細書の目的に関して、語句「タペンタドール」には、遊離塩基((1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)−フェノール)、ならびにその任意の生理学的に許容可能な塩、特に塩酸塩((1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)−フェノール塩酸塩)が含まれる。
従って、明示的に別段の記載がない限り、語句「タペンタドール」は遊離塩基を表すだけでなく、任意の生理学的に許容可能な塩も表す。さらに、明示的に別段の記載がない限り、全ての量、含有量および濃度は、タペンタドール遊離塩基に関する等量である。
好ましくは、タペンタドールは、本発明の組成物において、タペンタドール塩酸塩として存在する。好ましい実施態様において、タペンタドールは、可溶化タペンタドール塩酸塩形態Aとして存在する。タペンタドール塩酸塩の形態Aは、従来技術から公知である。これに関して、例えばUS2007/0213405を参照することができる。好ましくは、形態Aは、Cu Kα線を用いて測定した場合に、粉末回折パターンにおいて、15.1±0.2、16.0±0.2、18.9±0.2、20.4±0.2、22.5±0.2、27.3±0.2、29.3±0.2および30.4±0.2を含むリストから選択される少なくとも1つまたは複数のX線の線(2θ値)を示すことを特徴とする。
タペンタドールの濃度は、タペンタドール遊離塩基の重量を基準として、かつ組成物の全体積を基準として、0.10〜8.00mg/mLの範囲内、好ましくは0.10〜5.00mg/mLの範囲内、より好ましくは0.50〜1.50mg/mLの範囲内である。好ましい実施態様において、上記濃度は1.0±0.8mg/mL、または1.0±0.7mg/mL、または1.0±0.6mg/mL、または1.0±0.5mg/mL、または1.0±0.4mg/mL、または1.0±0.3mg/mL、または1.0±0.2mg/mL、または1.0±0.1mg/mLの範囲内である。
本発明の組成物は水性であり、すなわち当該組成物は、典型的には注射目的のための水である水、すなわち高純度かつ無菌の水を含む。
好ましくは、含水率は、組成物の全重量を基準として、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、より一層好ましくは少なくとも70重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも85重量%、特に少なくとも90重量%である。
好ましくは、含水率は、組成物の全重量を基準として、少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも96重量%、より一層好ましくは少なくとも97重量%、さらにより好ましくは少なくとも98重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%、特に少なくとも99.5重量%である。
好ましい実施態様において、含水率は、組成物の全重量を基準として、99.020±0.970重量%、または99.020±0.900重量%、または99.020±0.800重量%、または99.020±0.700重量%、または99.020±0.600重量%、または99.020±0.500重量%、または99.020±0.400重量%、または99.020±0.300重量%の範囲内にある。
水の他に、本発明の組成物はさらなる溶媒を含んでいてもよい。
適切なさらなる溶媒には、好ましくはエタノール、グリセロール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールおよびマクロゴール300からなる群から選択される、全てのタイプの生理学的に許容可能な親水性溶媒が含まれる。
しかしながら、好ましくは、本発明の組成物は、水の他にさらなる溶媒を含まない。
本発明の組成物のpH値は緩衝されており、すなわち当該組成物はバッファー(すなわち共役酸および共役塩基の対)を含む。
好ましいバッファーは、以下の酸に由来する:有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、マロン酸、リンゴ酸、マンデル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸;または無機酸、例えばリン酸。バッファーが上記酸の何れかに由来する場合、バッファーは、前記酸およびその共役塩基(単数または複数)から構成される。酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸またはリン酸に由来するバッファーが特に好ましい。
多プロトン酸 共役酸と共役塩基の2以上のペアを形成できることを当業者は十分に認識している。例えば、クエン酸は、以下の共役酸および共役塩基のペアを形成するような三プロトン酸である:(i)クエン酸−クエン酸二水素塩、(ii)クエン酸二水素塩−クエン酸水素塩、(iii)クエン酸水素塩−クエン酸塩。すなわち、クエン酸、クエン酸二水素塩およびクエン酸水素塩のいずれもが、共役塩基を有するバッファーの酸であることができる。当業者はまた、共役酸および共役塩基は互いに平衡にあり、クエン酸塩、クエン酸水素塩、クエン酸二水素塩およびクエン酸の混合物に存在する優勢種は組成物のpK値およびpH値に基づいて決定できることを十分に認識している。
本明細書の目的に関して、「バッファー」という語句は、共役酸および共役塩基の全量を表す。例えば、バッファーがクエン酸に由来する、すなわちクエン酸塩バッファーである場合、「バッファー」という語句は、クエン酸塩、クエン酸水素塩、クエン酸二水素塩およびクエン酸の全量を表す。さらに、バッファー、例えば共役酸としてのクエン酸および共役塩基としてのクエン酸二水素ナトリウムは、クエン酸および適当な量の水酸化ナトリウムを、またはクエン酸ナトリウムおよび適当な量の塩酸を、またはクエン酸およびクエン酸二水素ナトリウム自体を添加することにより作ることができることを当業者は十分に認識している。明示的に別段の記載がない限り、「クエン酸ナトリウム」は「クエン酸三ナトリウム」と同義である。クエン酸ナトリウム二水和物(=クエン酸三ナトリウム二水和物)は従って、線形の式HOC(COONa)(CHCOONa)・2HOおよび294.10g/molの相対分子量を有する。
従って、上記組成物が適量のタペンタドールをその塩酸塩の形態で含む場合、クエン酸ナトリウム、例えばクエン酸ナトリウム二水和物の形態のクエン酸ナトリウムを添加することにより、バッファーを確立できる。それにもかかわらず、タペンタドールおよびその生理学的に許容可能な塩は、バッファーの共役酸または共役塩基とみなされるべきではない。
好ましくは、バッファー、好ましくはクエン酸ナトリウムまたはその二水和物の濃度は、十分な緩衝能を提供するために調節される。
驚くべきことに、医薬組成物におけるバッファーの含有量を調節することにより、有効期間、特に上記組成物におけるその比較的低い濃度でのタペンタドールの化学安定性(特にまたオートクレーブの条件下での)を大幅に改善できることが見出された。一方では組成物の十分な安定性を付与するが、他方では処置すべき生物に著しい量の物質を取り込ませず、処置すべき生物の体液のpH値を著しく変化させない最適なバッファー濃度を見出されることが見出された。
好ましくは、本発明の組成物は、クエン酸塩、クエン酸水素塩、クエン酸二水素塩およびクエン酸からなる群から選択される1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含むバッファーを含む。
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準とし、かつ組成物の全重量を基準として、少なくとも0.015重量%、より好ましくは少なくとも0.020重量%、さらに一層好ましくは少なくとも0.025重量%、最も好ましくは少なくとも0.030重量%の濃度を有するバッファーを含む。
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準とし、かつ組成物の全重量を基準として、濃度が0.055重量%以下、より好ましくは0.050重量%以下、さらに一層好ましくは0.045重量%以下、より一層好ましくは0.040重量%以下、最も好ましくは0.035重量%以下であるバッファーを含む。
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準とし、かつ組成物の全重量を基準として、0.015〜0.055重量%の範囲内、より好ましくは0.020〜0.050重量%の範囲内、さらに一層好ましくは0.025〜0.045重量%の範囲内、最も好ましくは0.030〜0.045重量%の範囲内の濃度を有するバッファーを含む。
好ましい実施態様において、バッファー、好ましくはクエン酸ナトリウムまたはその二水和物の含有量は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準とし、かつ組成物の全重量を基準として、0.020±0.018重量%、または0.020±0.016重量%、または0.020±0.014重量%、または0.020±0.012重量%、または0.020±0.010重量%、または0.020±0.008重量%、または0.020±0.006重量%、または0.020±0.004重量%の範囲内にある。
別の好ましい実施態様において、バッファー、好ましくはクエン酸ナトリウムまたはその二水和物の含有量は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準とし、かつ組成物の全重量を基準として、0.030±0.018重量%、または0.030±0.016重量%、または0.030±0.014重量%、または0.030±0.012重量%、または0.030±0.010重量%、または0.030±0.008重量%、または0.030±0.006重量%、または0.030±0.004重量%の範囲内にある。
さらに別の好ましい実施態様において、バッファー、好ましくはクエン酸ナトリウムまたはその二水和物の含有量は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準とし、かつ組成物の全重量を基準として、0.040±0.035重量%、または0.040±0.030重量%、または0.040±0.025重量%、または0.040±0.020重量%、または0.040±0.015重量%、または0.040±0.010重量%、または0.040±0.005重量%の範囲内にある。
さらに別の好ましい実施態様において、バッファー、好ましくはクエン酸ナトリウムまたはその二水和物の含有量は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準とし、かつ組成物の全重量を基準として、0.060±0.035重量%、または0.060±0.030重量%、または0.060±0.025重量%、または0.060±0.020重量%、または0.060±0.015重量%、または0.060±0.010重量%、または0.060±0.005重量%の範囲内にある。
さらに別の好ましい実施態様において、バッファー、好ましくはクエン酸ナトリウムまたはその二水和物の含有量は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準とし、かつ組成物の全重量を基準として、0.080±0.035重量%、または0.080±0.030重量%、または0.080±0.025重量%、または0.080±0.020重量%、または0.080±0.015重量%、または0.080±0.010重量%、または0.080±0.005重量%の範囲内にある。
特に好ましい実施態様において、バッファー、好ましくはクエン酸ナトリウムまたはその二水和物の含有量は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準とし、かつ組成物の全重量を基準として、0.032±0.030重量%、0.032±0.026重量%、0.032±0.024重量%、0.032±0.020重量%、0.032±0.016重量%、0.032±0.012重量%、0.032±0.008重量%、0.032±0.004重量%の範囲内にある。
バッファーがクエン酸ナトリウムでもその二水和物でもなく、異なるバッファーである場合、上記の異なるバッファーの含有量は、好ましくは、まるで当該バッファーが上記含有量(重量%)のクエン酸ナトリウムまたはその二水和物であるかのように、所定のpHで同一の緩衝能を達成するために必要な等価含有量になる。
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全含有量を基準とし、かつ組成物の全体積を基準として、少なくとも0.5mmol/L、より好ましくは少なくとも0.6mmol/L、さらに一層好ましくは少なくとも0.7mmol/L、より一層好ましくは少なくとも0.8mmol/L、最も好ましくは少なくとも0.9mmol/Lの濃度を有するバッファーを含む。
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全含有量を基準とし、かつ組成物の全体積を基準として、濃度が1.5mmol/L以下、より好ましくは1.4mmol/L以下、さらに一層好ましくは1.3mmol/L以下、最も好ましくは1.2mmol/L以下であるバッファーを含む。
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全含有量を基準とし、かつ組成物の全体積を基準として、0.5〜1.5mmol/Lの範囲内、より好ましくは0.6〜1.4mmol/Lの範囲内、さらに一層好ましくは0.7〜1.3mmol/Lの範囲内、最も好ましくは0.8〜1.2mmol/Lの範囲内の濃度を有するバッファーを含む。
本発明の組成物の緩衝されたpH値は、4.0〜6.0の範囲内、好ましくは4.5〜5.5の範囲内である。
好ましい実施態様において、上記組成物は、4.5±0.5、より好ましくは4.5±0.4、さらに一層好ましくは4.5±0.3、より一層好ましくは4.5±0.2、特に4.5±0.1の範囲内の緩衝されたpH値を有する。
別の好ましい実施態様において、上記組成物は、5.0±1.0、より好ましくは5.0±0.9、さらに一層好ましくは5.0±0.8、より一層好ましくは5.0±0.7、さらにより好ましくは5.0±0.6または5.0±0.5、最も好ましくは5.0±0.4または5.0±0.3、特に5.0±0.2または5.0±0.1の範囲内の緩衝されたpH値を有する。
さらに別の好ましい実施態様において、上記組成物は、5.5±0.5、より好ましくは5.5±0.4、さらに一層好ましくは5.5±0.3、より一層好ましくは5.5±0.2、特に5.5±0.1の範囲内の緩衝されたpH値を有する。
好ましくは、上記組成物の分子状酸素の含有量、すなわち溶解した分子状酸素の含有量は、組成物の全体積を基準として、9.0mg/L以下、より好ましくは7.0mg/L以下、より一層好ましくは5.0mg/L以下、さらに一層好ましくは3.0mg/L以下、最も好ましくは1.0mg/L以下である。
好ましくは、上記組成物における分子状酸素の含有量は、組成物の全体積を基準として、0.2mg/L以下、より好ましくは0.1mg/L、より一層好ましくは0.05mg/L以下である。
好ましい実施態様において、組成物における分子状酸素の含有量は、0.20mg/L以下または0.18mg/Lまたは0.16mg/Lまたは0.14mg/Lまたは0.12mg/Lまたは0.10mg/Lまたは0.09mg/Lまたは0.08mg/Lまたは0.07mg/Lまたは0.006mg/Lまたは0.05mg/Lまたは0.04mg/Lまたは0.03mg/Lまたは0.02mg/L以下である。
好ましい実施態様において、組成物における分子状酸素の含有量は、0.048mg/L以下または0.046mg/Lまたは0.044mg/Lまたは0.042mg/Lまたは0.040mg/Lまたは0.038mg/Lまたは0.036mg/Lまたは0.034mg/Lまたは0.032mg/Lまたは0.030mg/Lまたは0.028mg/Lまたは0.026mg/Lまたは0.024mg/Lまたは0.022mg/Lまたは0.020mg/Lまたは0.018mg/Lまたは0.016mg/Lまたは0.014mg/Lまたは0.012mg/Lまたは0.010mg/L以下である。
本発明の組成物は、好ましくは、容器中に、例えばガラスアンプル中に包装される。容器の内部空間は典型的には、少なくとも2つの相、すなわち液相および気相(ヘッドスペース)を含む。分子状酸素の含有量に関する限り、液相における酸素含有量とヘッドスペースにおける酸素含有量は典型的には平衡にある。従って、ヘッドスペースの気相における分子状酸素の含有量の測定により、液相、すなわち水性組成物自体の溶解分子状酸素含有量に関しても結論を導くことができる。
好ましい実施態様において−3.0mlの内容量を有し、純窒素ガスを含有する閉じたガラスアンプルに、充填されたアンプルが液相としての該組成物と液相の上のヘッドスペースにおける気相とを含むように2.0mlの上記組成物を充填し、液相に溶解した気体と気相における気体で平衡させた場合−上記気相の分子状酸素含有量は、2.5%Vbar以下、より好ましくは2.4%Vbar以下、さらに一層好ましくは2.3%Vbar以下、より一層好ましくは2.2%Vbar、さらにより好ましくは2.1%Vbar以下、最も好ましくは2.0%Vbar以下である。好ましい実施態様において、所定の条件下で、気相の分子状酸素の含有量は、好ましくは、1.8%Vbar以下、より好ましくは1.6%Vbar以下、より一層好ましくは1.4%Vbar以下、さらに一層好ましくは1.2%Vbar以下、さらにより好ましくは1.0%Vbar以下、最も好ましくは0.8%Vbar以下である。
水性医薬組成物の酸素含有量を調節および決定する適切な方法は当業者に公知であり、適切な測定デバイスが市販されている。酸素含有量は、不活性ガス、例えば窒素で組成物をバージすることによりおよび/または組成物を減圧に付すことによりおよび/または組成物のヘッドスペースを不活性ガス、例えば窒素でパージすることにより、減少させることができる。好ましくは、ヘッドスペースにおける酸素含有量は、電気化学的酸素センサー、例えばHead Space Analyzer Orbisphere 510、Hach Langeにより測定される。
驚くべきことに、医薬組成物の酸素含有量を減少させることにより、有効期間、特にその比較的低い濃度での上記組成物におけるタペンタドールの化学安定性を大幅に改善できることが見出された。
上記組成物の容量オスモル濃度は、その成分の含有量に依存し、好ましくは、適切な量の等張化剤、好ましくは塩化ナトリウムの添加により組成物の製造の間に調節される。他の等張化剤、例えばマンニトールまたはソルビトールも、代替的にまたは追加的に添加することができる。イオン性の等張化剤が好ましい。
従って、好ましくは、本発明の組成物は、等張化剤、より好ましくは塩化ナトリウムを含む。
好ましくは、塩化ナトリウムの含有量は、組成物の全重量を基準として、1.0重量%以下、より好ましくも0.8重量%以下、より一層好ましくは0.6重量%以下、さらにより好ましくは0.4重量%以下、最も好ましくは0.2重量%以下、特に0.1重量%以下である。
好ましい実施態様において、塩化ナトリウムの含有量は、組成物の全重量を基準として、0.848±0.800重量%、または0.848±0.700重量%、または0.848±0.600重量%、または0.848±0.500重量%、または0.848±0.400重量%、または0.848±0.300重量%、または0.848±0.200重量%、または0.848±0.100重量%の範囲内にある。
好ましくは、本発明の組成物は、保存剤を含まない。本明細書の目的に関して、「保存剤」は、好ましくは、医薬組成物を微生物分解または微生物増殖から保存するために、通常それらに添加される任意の物質を表す。これに関して、微生物増殖が、典型的には重要な役割を果たし、すなわち保存剤は、微生物汚染を回避するという主目的に役立つ。副次的な態様として、それはまた、それぞれ活性成分および添加剤における微生物のいずれの影響も避けるために、すなわち微生物分解を避けるために望ましくてもよい。
保存剤の代表的な例には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロルブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミドウレア(imidurea)、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、プロピオン酸ナトリウム、チメロサール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ベンジルパラベン、ソルビン酸およびソルビン酸カリウムが含まれる。
好ましくは、本発明の組成物は、キレート剤、例えばEDTAまたはそのナトリウムもしくはカルシウム塩を含まない。しかしながら、本発明の組成物は、クエン酸塩バッファーを含んでいてもよく、クエン酸およびその塩はある程度のキレート能も有することが知られているが、これらの状況下では、クエン酸およびその塩はバッファーと見なされるべきであり、キレート剤と見なされるべきではない。
好ましくは、本発明の組成物は、酸化防止剤を含まない。本発明の組成物に好ましくは含まれない酸化防止剤の例には以下が含まれるがこれらに限定はされない
−没食子酸のプロピル、オクチルおよびドデシルエステル、
−ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、
−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、
−モノチオグリセロール、
−メタ重亜硫酸カリウムもしくはナトリウム、
−プロピオン酸、
−没食子酸プロピル、
−重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、および
−トコフェロール類またはビタミンE。
好ましくは、本発明の組成物は、保存剤も酸化防止剤も含まない。
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、タペンタドール、バッファー、等張化剤および水から本質的になる。
本発明の組成物の特に好ましい実施態様A〜Aをここで以下の表にまとめる:
Figure 0006923447
好ましくは、本発明の組成物の滴定酸度は、1.8mmol/L以下、より好ましくは1.7mmol/L、より一層好ましくは1.6mmol/L以下、さらに一層好ましくは1.5mmol/L以下、最も好ましくは1.4mmol/L以下である。
好ましくは、本発明の組成物の滴定酸度は、1.0〜1.8mmol/L、より好ましくは1.4〜1.8mmol/Lの範囲内である。特に小児患者において、滴定酸度は、より低い血液量を考慮すると重要なパラメーターである。
好ましくは、滴定酸度は、37℃におけるアルゴン下で0mmHgのCO分圧で決定される。本発明の組成物を滴定する場合、これらの条件下でpH7.4のエンドポイントまで0.01M NaOHを用いる。
好ましい実施態様において、特に上記組成物が5.0±0.5の範囲内のpH値を有する場合、滴定酸度は、好ましくは1.20±0.20mmol/L、より好ましくは1.20±0.10mmol/Lの範囲内である。
別の好ましい実施態様において、特に上記組成物が4.5±0.5の範囲内のpH値を有する場合、滴定酸度は、好ましくは1.60±0.20mmol/L、より好ましくは1.60±0.10mmol/Lの範囲内である。
それぞれ注入および注射溶液のための高い品質要求を満たすためには、上記組成物は、生理学的に許容可能な容量オスモル濃度および生理学的に許容可能なpHを示さなければならない。
等張塩化ナトリウム溶液(生理食塩水)は、例えば、0.9重量%の塩化ナトリウムを含み、0.308osmol/Lの容量オスモル濃度を示し、これは血液の容量オスモル濃度に近い。
好ましくは、上記組成物は、少なくとも0.20または少なくとも0.22osmol/L、より好ましくは少なくとも0.23osmol/L、より一層好ましくは少なくとも0.24osmol/L、さらに一層好ましくは少なくとも0.25osmol/L、最も好ましくは少なくとも0.26osmol/L、特に少なくとも0.27osmol/Lの容量オスモル濃度を有する。
好ましくは、上記組成物の容量オスモル濃度は、0.36osmol/L以下、より好ましくは0.34osmol/L以下、より一層好ましくは0.32osmol/L以下、さらに一層好ましくは0.31osmol/L以下、最も好ましくは0.30osmol/L以下、特に0.29osmol/L以下である。
好ましい実施態様において、上記組成物は、0.28±0.08osmol/L、より好ましくは0.28±0.06osmol/L、より一層好ましくは0.28±0.04osmol/L、さらに一層好ましくは0.28±0.03osmol/L、最も好ましくは0.28±0.02osmol/L、特に0.28±0.01osmol/Lの容量オスモル濃度を有する。
本発明の他の態様は、本発明の医薬組成物を含む容器に関し、当該容器は好ましくは閉じた容器および密閉容器である。本発明の組成物に関連して上記で定義された全ての好ましい実施態様は同様に、本発明の容器にも当てはまる。
本発明の容器は、患者への非経口投与に適合されている個別の体積の本発明の組成物を含む。本発明の水性組成物は典型的には液体なので、それは好ましくは容器において提供される。非経口投与に先立って、本発明の組成物はその後、容器から完全に(単回投与)または部分的に(複数回投与)取られる。
好ましくは、上記容器はガラスアンプルである。好ましくは、上記溶液は、非経口製剤のための欧州薬局方の要件を満たすクォーリティータイプIのガラスから製造される。
好ましくは、上記容器は液相としての上記組成物と液相の上のヘッドスペースにおける気相を含み、ここで上記気相の分子状酸素の含有量は、2.5%Vbar以下、より好ましくは2.4%Vbar以下、より一層好ましくは2.3%Vbar以下、さらに一層好ましくは2.2%Vbar以下、さらにより好ましくは2.1%Vbar以下、最も好ましくは2.0%Vbar以下である。好ましい実施態様において、所定の条件下で、気相の分子状酸素の含有量は、好ましくは、1.8%Vbar以下、より好ましくは1.6%Vbar以下、より一層好ましくは1.4%Vbar以下、さらに一層好ましくは1.2%Vbar以下、さらにより好ましくは1.0%Vbar以下、最も好ましくは0.8%Vbar以下である。
本発明の容器は、単回用量のタペンタドールを含んでいてよく、または多回用量用であってもよい。本明細書の目的に関して、「多回用量用」は、好ましくは、容器が単回より多い投薬単位を含むことを意味する。
好ましい実施態様において、上記容器は、単回投与用量(投薬単位)を超える量で本発明の組成物を含む。これらの状況下で、上記容器は、多回投薬単位を含み、すなわち単回を超える投与、好ましくは注射による投与用にカスタマイズされている。
例えば、上記容器が多回投与用注射剤溶液を含む場合、その全体の体積は、典型的には1回で投与されるべき体積よりも大きい。代わりに、多回投与用注射剤溶液は、典型的には数日を含む治療期間にわたって投与されるべき多数の投薬単位に分割されるためにカスタマイズされている。個々の投薬単位は、好ましくは、注射器によって多回投薬単位から分離されてもよい。多回投薬単位を含む本発明の容器の典型的な例は、好ましくは、セプタムで密封された滅菌ガラス製容器である。上記ガラス製容器は、患者への1回での投与のために意図される個々の投薬単位の個々の体積を十分に超える医薬組成物の体積を含む。例えば、上記容器が250mLの全体積を有し、処方された投薬単位が1日1回25mLである場合、治療期間の1日目に患者は25mLを摂取し、その結果225mLが容器に残り;治療期間の2日目に患者はさらに25mLを摂取し、その結果200mLが容器に残り;等々、10日目まで全量が患者に摂取される。
好ましくは上記容器は、少なくとも2、より好ましくは少なくとも3、より一層好ましくは少なくとも5、さらにより好ましくは少なくとも10、最も好ましくは少なくとも12、特に少なくとも15の個別の投薬単位を含む。
別の好ましい実施態様において、上記容器は、単一の投薬単位を、すなわち1つの個別の投薬単位のみを含む。これらの状況下で、上記容器は、好ましくは、1.0〜3.0mLの上記組成物を含む。
好ましくは、個別の投薬単位は、0.25mL〜3.0mL、より好ましくは0.5mL〜2.75mL、より一層好ましくは0.75mL〜2.5mL、最も好ましくは1.0mL〜2.0mLの体積を有する。
好ましい実施態様において、個別の投薬単位は、1.0±0.9mL、より好ましくは1.0±0.75mL、より一層好ましくは1.0±0.5mL、さらに一層好ましくは1.0±0.4mL、さらにより好ましくは1.0±0.2mL、最も好ましくは1.0±0.15mL、特に1.0±0.1mLの体積を有する。
別の好ましい実施態様において、個別の投薬単位は、2.0±0.9mL、より好ましくは2.0±0.75mL、より一層好ましくは2.0±0.5mL、さらに一層好ましくは2.0±0.4mL、さらにより好ましくは2.0±0.2mL、最も好ましくは2.0±0.15mL、特に2.0±0.1mLの体積を有する。
さらに別の好ましい実施態様において、個別の投薬単位は、3.0±0.9mL、より好ましくは3.0±0.75mL、より一層好ましくは3.0±0.5mL、さらに一層好ましくは3.0±0.4mL、さらにより好ましくは3.0±0.2mL、最も好ましくは3.0±0.15mL、特に3.0±0.1mLの体積を有する。
容器に含まれる1つまたは複数の個々の投薬単位は、任意選択的に通常の時間間隔での、1回、2回、3回、4回、5回、6回またはさらにより頻繁な投与用にカスタマイズされていてもよい。
容器に含まれる組成物はまた、継続的な投与、好ましくは注入による継続的な投与用にカスタマイズされてもよい。好ましくは、容器に含まれる組成物は、少なくとも30分間もしくは45分間、より好ましくは少なくとも1時間もしくは2時間、より一層好ましくは少なくとも3時間もしくは4時間、さらに一層好ましくは少なくとも6時間もしくは8時間、最も好ましくは10時間、特に少なくとも12時間の継続的な投与に適合されている。
タペンタドールは、治療有効量で投与される。治療有効量を構成する量は、治療される状態、上記状態の重症度および治療される患者により変動する。
好ましくは、個々の投薬単位に含まれるタペンタドールの量は、好ましくは、体重1kgあたり0.2〜0.6mgの範囲内である。
好ましい実施態様において、個々の投薬単位に含まれるタペンタドールの量は、好ましくは、10mg〜250mgの範囲内、より好ましくは15mg〜200mgの範囲内、より一層好ましくは20mg〜150mgの範囲内、さらに一層好ましくは30mg〜130mgの範囲内、最も好ましくは40mg〜115mgの範囲内、特に50mg〜100mgの範囲内である。
別の好ましい実施態様において、個々の投薬単位に含まれるタペンタドールの量は、好ましくは0.1mg〜60mgの範囲内、より好ましくは0.1mg〜55mgの範囲内、さらに一層好ましくは0.2mg〜50mgの範囲内である。
好ましくは、本発明における容器は、タペンタドール遊離塩基の重量を基準として、1.00mg〜3.00mgの範囲内の量でタペンタドールを含む。
好ましくは、タペンタドールの1日用量は、250mg以下、より好ましくは225mg以下、より一層好ましくは200mg以下、さらに一層好ましくは175mg以下、特に150mg以下である。
好ましくは、タペンタドールの1日用量は、少なくとも15mg、より好ましくは少なくとも20mg、より一層好ましくは少なくとも25mg、さらに一層好ましくは少なくとも30mg、最も好ましくは少なくとも35mg、特に少なくとも40mgである。
本発明の化合物は、特にそれが本発明による容器に含まれる場合に、優れた有効期間および保管安定性を有する。従って、好ましくは、本発明の組成物は保管時に安定である。
好ましくは、本発明の組成物は、40℃および75%相対湿度で少なくとも3ヶ月間、より好ましくは少なくとも6ヶ月間、加速保管条件下での保管時に安定である。好ましくは、安定性基準はそれぞれ、欧州薬局方およびEMEAガイドラインに従う(好ましくは2015年3月において有効な版)。
好ましい実施態様において、40℃および75%相対湿度での加速保管条件下での少なくとも3ヶ月、より好ましくは少なくとも6ヶ月の保管後の上記組成物のpH値は、保管前の組成物の最初のpH値から、相対的に±0.4pH単位より異ならず、より好ましくは±0.3pH単位より異ならず、より好ましくは±0.2pH単位より異ならない。
好ましくは、上記組成物は、保管前ならびに40℃および75%相対湿度で少なくとも3ヶ月間、より好ましくは少なくとも6ヶ月間、加速保管条件下での保管の後に、無色である。好ましくは、上記組成物は、保管前および保管の間/後に、特に3ヶ月を超える、好ましくは6ヶ月を超える、より好ましくは12ヶ月を超える、最も好ましくは少なくとも24月間の保管時間の間/後に、無色である。
好ましい実施態様において、上記組成物の、40℃および75%相対湿度での加速保管条件下での少なくとも3ヶ月間、より好ましくは少なくとも6ヶ月間の保管後のタペンタドールの分解生成物の含有量は、保管前の組成物に元々含まれていたタペンタドールの全含有量に対して、かつタペンタドール遊離塩基の重量を基準として、1.0重量%以下、より好ましくは0.9重量%以下、より一層好ましくは0.8重量%以下、さらに一層好ましくは0.7重量%以下、さらにより好ましくは0.6重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下である。タペンタドールの分解生成物は、好ましくは、HPLCにより分析される。
本明細書の目的に関して、有効期間と使用時安定性の間はさらに区別されてもよい。有効期間は、好ましくは、閉じた容器の保管安定性を表す。使用時安定性は、好ましくは、始めて使用された多回用投薬単位調製物を含む保管容器を参照する。典型的には、多回投薬単位調製物の有効期間はその使用時安定性よりもはるかに長い。好ましくは、安定性基準はそれぞれ、欧州薬局方およびEMEAガイドラインに従う(好ましくは2015年3月において有効な版)。
好ましくは、本発明の組成物は、特に本発明の容器に含まれる場合に、周囲条件下で少なくとも6ヶ月、より好ましくは少なくとも12ヶ月、より一層好ましくは少なくとも15ヶ月、さらに一層好ましくは少なくとも18ヶ月、最も好ましくは少なくとも21ヶ月、特に少なくとも24ヶ月の有効期間を示す。
好ましくは、本発明の組成物は、特に本発明の容器に含まれる場合に、周囲条件下で少なくとも1週、より好ましくは少なくとも2週、より一層好ましくは少なくとも3週、さらに一層好ましくは少なくとも4週、最も好ましくは少なくとも5週、特に少なくとも6週の使用時安定性を示す、多回投薬単位調製物として提供される。
驚くべきことに、タペンタドールの比較的低濃度であっても、pH値および分子状酸素の含有量を制御でき、その結果タペンタドールの望ましくない分解反応を減少できることが見出された。安定化のために追加的な添加剤は不要である。
好ましくは、本発明の組成物は、欧州薬局方、好ましくはその2010年版における要件を満たす抗微生物堅牢性(antimicrobial robustness)を示す。好ましくは、抗微生物堅牢性がS.アウレウス(S.aureus)、Ps.アエルギノーサ(Ps.Aeruginosa)、S.spp.、C.アルビカンス(C.albicans)および/またはA.ニガー(A.niger)に対して達成され、好ましくは、7日後に1、好ましくは3の対数減少、および28日後に増加なしの要件を満たす。特に好ましい実施態様において、細菌に対して14日後に3の対数減少の要件を満たし、かびおよび酵母に対して14日後に1の対数減少の要件を満たす抗微生物堅牢性が達成される。
本発明の組成物は、特に本発明の容器に含まれる場合に、優れたオートクレーブ性を示し、すなわちそれは適切な条件下で適切な時間、オートクレーブの典型的には過激な条件下でタペンタドールの著しい分解を引き起こすことなく、オートクレーブに付すことができる。好ましくは、上記組成物は、オートクレーブ時に安定であり、好ましくはオートクレーブ時に不変のpH値を示す。
好ましくは、121℃および2barで20分間のオートクレーブにおいて安定である。好ましくは、上記組成物は、121℃および2barで20分間のオートクレーブにおいて安定であり、好ましくはこれらの条件下でのオートクレーブ時に不変のpH値を示す。
好ましくは、安定性基準はそれぞれ、欧州薬局方およびEMEAガイドラインに従う(好ましくは2015年3月において有効な版)。
好ましい実施態様において、本発明の組成物のオートクレーブ後のタペンタドールの分解生成物含有量は、特に本発明の容器に含まれる場合に、オートクレーブ前の組成物に元々含まれていたタペンタドールの全含有量に対して、かつタペンタドール遊離塩基の重量を基準として、0.05重量%以下、より好ましくは0.04重量%以下、最も好ましくは0.03重量%以下である。
好ましくは、本発明の医薬組成物は、疼痛の治療に使用するためのものである。
従って、本発明のさらなる態様は、上記のような本発明の容器に提供し得る上記のような本発明の医薬組成物の治療的有効量の、それを必要とする対象への非経口投与を含む、疼痛の治療方法に関する。
さらに、本発明は、タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩の、疼痛の治療のための、上記のような本発明の医薬組成物または上記のような本発明の医薬組成物を含有する容器の製造のための使用に関する。好ましくは、タペンタドールは、タペンタドール塩酸塩多形形態Aとして使用される。タペンタドール塩酸塩の形態Aは、従来技術から公知である。これに関して、例えばUS2007/0213405を参照することができる。形態Aは、好ましくは、CuKα線を用いて測定した場合に、粉末回折パターンにおいて、15.1±0.2、16.0±0.2、18.9±0.2、20.4±0.2、22.5±0.2、27.3±0.2、29.3±0.2および30.4±0.2を含むリストから選択される少なくとも1つまたは複数のX線の線(2θ値)を示すことを特徴とする。
上記疼痛は、慢性疼痛または急性疼痛のいずれかであってもよい。急性疼痛が好ましい。
好ましくは、上記疼痛は、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、内臓痛、陣痛、癌性疼痛、周術期疼痛および術後疼痛からなる群から選択される。
好ましい実施態様において、上記疼痛は、癌性疼痛、好ましくは、癌により誘発される神経障害性疼痛であり、末梢神経上における癌の直接的な結果としての、または化学療法、手術または放射線障害の副作用としての神経障害性疼痛を含む。
別の好ましい実施形態において、疼痛は、術後(手術後の)疼痛である。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による医薬組成物は、救急の疼痛管理における使用のためのものである。
好ましくは、本発明の組成物は、哺乳動物における疼痛の治療に使用するためのものである。好ましくは、上記哺乳動物はヒトである。好ましくは、ヒトは小児患者である。
本明細書の目的に関して、小児患者は、好ましくは、早産児、新生児、幼児、2歳までの子供、子供および青年を包含する。好ましくは、小児患者の年齢上限は1、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16または17である。好ましくは、小児患者の体重下限は、30kgまたは25kg、より好ましくは20kgまたは15kg、より一層好ましくは10kgまたは7.5kg、さらに一層好ましくは5kgまたは3kg、最も好ましくは2kgまたは1kg、特に500gである。
好ましい実施態様において、上記組成物は、10〜15kg、16〜20kg、21〜25kg、26〜30kg、31〜35kg、36〜40kgおよび/または41〜45kgの体重を有する子供への非経口投与に適合されている。別の好ましい実施態様において、上記組成物は、0.5kg未満、0.6kg〜0.9kg、1.0kg〜1.9kg、2.0kg〜2.9kg、3.0kg〜3.9kg、4.0kg〜4.9kg、5.0kg〜5.9kg、6.0kg〜8.0kgおよび/または8.1kg〜9.9kgの体重を有する幼児または子供への非経口投与に適合されている。
好ましい実施態様において、小児患者は新生児である。好ましくは、本発明の医薬組成物は、新生児における急性疼痛の治療に使用するためのものである。
別の好ましい実施態様において、小児患者は早産児である。好ましくは、本発明の医薬組成物は、早産児における急性疼痛の治療に使用するためのものである。
好ましくは、本発明の組成物は、特に本発明の容器に含まれる場合に、注射剤溶液、注射剤懸濁液、注入溶液、注入懸濁液およびデポ製剤、例えばデポ注射剤溶液、デポ注射剤懸濁液、埋め込み剤および注入ポンプからなる群から選択される非経口製剤である。
特に患者が幼いかまたは飲み込むことに問題を有する場合に、経口製剤と比較して、非経口製剤はいくつかの利点を有する。それらは、例えば患者の体重に従って、正確な用量で投与することができる(これは特に小児患者において特に重要であり得る)。さらに、それらは、注入により長時間(例えば24時間)にわたって連続的に、例えば注入ポンプによって、投与することができる。
好ましい実施態様において、本発明の非経口製剤は、注入溶液または注入懸濁液である。
別の好ましい実施態様において、上記非経口製剤は、注射剤溶液または注射剤懸濁液であり、これらは好ましくは単一の投薬単位形態または多回用投薬単位形態である。多回用投薬単位注射剤溶液は、好ましくは、注射剤バイアル中に含まれており、単一投薬単位形態は、好ましくは、使い捨て注射器中に含まれる。
さらに別の好ましい実施態様において、非経口製剤は、埋め込み可能なデバイス、例えば埋め込み可能な注入ポンプである。
好ましい実施態様において、本発明の非経口製剤は、デポ製剤(徐放製剤(retard formulation))である。
好ましくは、上記デポ製剤は、注入溶液または注入懸濁液、好ましくは筋肉内または皮下投与のためにカスタマイズされた注入溶液または注入懸濁液である。
好ましくは、上記デポ製剤はさらに、粘度増強性添加剤、例えばメチルセルロース、ゼラチン、および好ましくは40,000g/mol以下の分子量を有するポリビドン(ポリビニルピロリドン)を含む。粘度増強性添加剤の適切な種類および適切な量を選択することによって、デポ製剤のデポ効果は影響を受け得る。
好ましくは、デポ製剤は、少なくとも12時間もしくは14時間、より好ましくは少なくとも16時間もしくは18時間、より一層好ましくは少なくとも20時間、さらに一層好ましくは少なくとも24時間、最も好ましくは少なくとも36時間、特に少なくとも48時間の時間にわたって薬物を放出することができる。
好ましくは、上記デポ製剤は、急性疼痛および/または術後疼痛の治療における使用のために投与される。
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、特に本発明の容器に含まれる場合に、局所投与のために適合されている。これに関して、局所投与には、障害の部位と同一の部位および/または近くに位置する部位への組成物の全ての投与が含まれる。特に、局所投与は、作用の所望の部位に直接タペンタドールを送達し、それにより全身的な副作用を回避する目的を有する。これらの状況下において、タペンタドールの全身濃度は、好ましくは治療濃度未満で維持され;すなわち、治療の間にタペンタドールの全身濃度は、薬物が全身投与されただけの場合に治療効果を示すために必要なレベルに決して達しない。
別の好ましい実施態様において、本発明の組成物は、特に本発明の容器に含まれる場合に、全身投与のために適合されている。この実施態様において、上記組成物の投与は、好ましくは、タペンタドールの全身作用を誘導する目的を有する。
本発明の組成物は、非経口投与、好ましくは注射または注入による非経口投与に適合されている。
本発明の組成物は、タペンタドールの非経口投与に適合されている。非経口投与は、注入または注射により進めてもよい。
注入溶液もしくは懸濁液は、連続的に、断続的にまたは患者自己管理的に投与してもよい。投与のために、注入デバイス、例えば埋め込み可能な注入ポンプ、非埋め込み型注入ポンプおよび脊髄ポンプを使用してもよい。
組成物の投与は、筋肉内、静脈内、皮下、硬膜外、髄腔内、脊椎内および/または脳室内で進めてもよい。静脈内投与が特に好ましい。
好ましい実施態様において、上記投与は、脊椎内に、髄腔内または硬膜外のいずれかに、好ましくは注入により、進められる。脊椎内投与は特に、周術期疼痛、術後疼痛、陣痛および癌性疼痛から選択される疼痛の治療に適切である。脊椎内投与の投与量は、注入ポンプにより、患者によるかまたは適切な一定のもしくは断続的な注入速度の選択によるかのいずれかにより、制御することができる。
他の好ましい実施態様において、投与は筋肉内、静脈内または皮下で進められる。このタイプの投与は、肢遠位部における疼痛の局所および局部治療のために特に好ましい。
デポ製剤は好ましくは、筋肉内投与または皮下投与される。
本発明の他の態様は、それぞれ本発明の医薬組成物のまたは本発明の容器の製造のための方法に関し、当該方法は以下のステップを含む:
(a)タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩、水およびバッファーを含む混合物を用意すること。
好ましい実施態様において、タペンタドールはタペンタドール塩酸塩多形形態Aとして使用され、これは好ましくは、CuKα線を用いて測定した場合に、粉末回折パターンにおいて、15.1±0.2、16.0±0.2、18.9±0.2、20.4±0.2、22.5±0.2、27.3±0.2、29.3±0.2および30.4±0.2を含むリストから選択される少なくとも1つまたは複数のX線の線(2θ値)を示すことを特徴とする。
好ましくは、それぞれ本発明の組成物および本発明の容器の製造過程において、上記プロセスステップの後に得られる中間体混合物を、溶解した酸素を排出するため、および組成物の上の気体雰囲気からの酸素の取り込みを防ぐために、不活性ガス、好ましくは窒素でパージする。
好ましくは、本発明の方法のステップ(a)は、組成物への全ての構成成分の添加に関するサブステップを含み、当該サブステップは、添加、溶解/混合および不活性ガス、好ましくは窒素でのパージを含む。
従って、本発明の方法のステップ(a)は好ましくは、以下を含む:
−注射剤用の水を提供し、不活性ガスでパージするサブステップ(a);
−バッファー、好ましくはクエン酸ナトリウム二水和物を添加し、溶解し、不活性ガスでパージするサブステップ(a);
−タペンタドール、好ましくはタペンタドール塩酸塩を添加し、溶解し、不活性ガスでパージするサブステップ(a);
−等張化剤、塩化ナトリウムを添加し、溶解し、不活性ガスでパージするサブステップ(a);
−酸、好ましくは塩酸を添加し、混合し、不活性ガスでパージするサブステップ(a);および
−注射剤用のさらなる水を添加し、混合し、不活性ガスでパージするサブステップ(a)。
サブステップ(a)〜(a)は、番号順に行っても、または他の任意の順序で行ってもよい。
好ましくは、本発明の方法は、以下からなる群から選択される1つまたは複数の追加的ステップを含む:
(b)上記混合物を不活性ガスでパージすること;および/または
(c)上記混合物をフィルター、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下、より一層好ましくは0.2μm以下の平均孔径のフィルターを通してろ過すること;および/または
(d)適切な容器、好ましくはガラスアンプルに上記混合物を充填すること;および/または
(e)上昇させた温度および上昇させた圧力、好ましくは121℃および2barで少なくとも20分間、上記混合物をオートクレーブにかけること。
好ましくは、ステップ(b)、(c)、(d)および/または(e)は、アルファベット順に行われる。
本発明はまた、上記のような本発明の方法により得ることができる組成物または容器に関する。
本発明の他の態様は、上記のような本発明の容器および包装を含むキットであって、上記容器が上記包装によって包装されているキットに関する。上記容器は、組成物の一次包装とみなしてもよい一方で、上記包装は上記の一次包装の二次包装とみなしてもよい。
従って、本発明の組成物が容器、例えばガラスアンプルに含まれる場合、上記容器は好ましくは、包装によりさらに包装される。好ましくは、上記包装は印刷された情報を含み、および/または光に対するバリアーを付与する。
好ましくは、上記包装は、可視光に対して不透明な材料から作られる。
好ましくは、上記包装は、使い捨てである。適切な包装材料は当業者に公知であり、紙、ボール紙、プラスチック類および金属箔を含むがそれらに限定はされない。好ましくは、上記包装はボール紙を含むかまたは実質的にボール紙からなる。
好ましくは、上記容器に含まれ、上記包装によって包装されている組成物は光安定性である。
好ましい実施態様において、上記キットを540Wh/mでのUV照射線および1320kLxhの照度に24時間付した後の組成物におけるタペンタドールの分解生成物の含有量は、UV照射線に組成物を付す前の組成物に元々含まれていたタペンタドールの全含有量に対して、かつタペンタドール遊離塩基の重量を基準として、0.05重量%以下、より好ましくは0.04重量%以下、最も好ましくは0.03重量%以下である。
本発明の別の態様は、タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩の、上記のような本発明の医薬組成物の製造または上記のような本発明の容器の製造のための使用に関する。好ましくは、タペンタドールはタペンタドール塩酸塩多形形態Aとして使用され、これは好ましくは、CuKα線を用いて測定した場合に、粉末回折パターンにおいて、15.1±0.2、16.0±0.2、18.9±0.2、20.4±0.2、22.5±0.2、27.3±0.2、29.3±0.2および30.4±0.2を含むリストから選択される少なくとも1つまたは複数のX線の線(2θ値)を示すことを特徴とする。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩を含む、非経口投与のための水性医薬組成物であって、タペンタドールの濃度が、タペンタドール遊離塩基の重量を基準としかつ組成物の全体積を基準として、0.10〜8.00mg/mLの範囲内であり、上記組成物のpH値が緩衝されておりかつ4.0〜6.0の範囲内である、医薬組成物。
2.保管時に安定である、上記1に記載の組成物。
3.40℃および75%相対湿度で少なくとも3ヶ月間、加速保管条件下での保管時に安定である、上記2に記載の組成物。
4.保管後の組成物のpH値が、保管前の組成物の最初のpH値から相対的に0.4pH単位を超えて異ならない、上記3に記載の組成物。
5.保管前および保管の間/後に、特に3ヶ月を超える、好ましくは6ヶ月を超える、より好ましくは12ヶ月を超える、最も好ましくは少なくとも24ヶ月間の保管時間の間/後に、無色である、上記3または4に記載の組成物。
6.保管前の組成物に元々含まれていたタペンタドールの全含有量に対してかつタペンタドール遊離塩基の重量を基準として、保管後のタペンタドールの分解生成物含有量が1.0重量%以下である、上記3〜5のいずれか1つに記載の組成物。
7.オートクレーブ時に安定であり、好ましくはオートクレーブ時に不変のpH値を示す、上記1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
8.121℃および2barで20分間のオートクレーブ時に安定であり、好ましくはこれらの条件下でのオートクレーブ時に不変のpH値を示す、上記7に記載の組成物。
9.オートクレーブ前の組成物に元々含まれていたタペンタドールの全含有量に対してかつタペンタドール遊離塩基の重量を基準として、オートクレーブ後のタペンタドールの分解生成物含有量が0.05重量%以下である、上記8に記載の組成物。
10.組成物における分子状酸素の含有量が、組成物の全体積を基準として、9.0mg/L以下である、上記1〜9のいずれか1つに記載の組成物。
11.組成物における分子状酸素の含有量が、組成物の全体積を基準として、0.2mg/L以下である、上記10に記載の組成物。
12.−3.0mlの内容量を有し、純窒素ガスを含有する閉じたガラスアンプルに、充填されたアンプルが液相としての組成物と液相の上のヘッドスペースにおける気相とを含むように2.0mlの上記組成物を充填し、液相に溶解した気体と気相における気体で平衡させた場合に−上記気相の分子状酸素含有量が2.5%Vbar以下である、上記1〜11のいずれか1つに記載の組成物。
13.pH値が、特にオートクレーブの前および後で、4.5〜5.5の範囲内である、上記1〜12のいずれか1つに記載の組成物。
14.クエン酸塩、クエン酸水素塩、クエン酸二水素塩およびクエン酸からなる群から選択される1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含むバッファーを含む、上記1〜13のいずれか1つに記載の組成物。
15.1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準としかつ組成物の全重量を基準として少なくとも0.015重量%の濃度を有するバッファーを含む、上記1〜14のいずれか1つに記載の組成物。
16.1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準としかつ組成物の全重量を基準として0.055重量%以下の濃度を有するバッファーを含む、上記1〜15のいずれか1つに記載の組成物。
17.1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準としかつ組成物の全重量を基準として0.015〜0.055重量%の範囲内の濃度を有するバッファーを含む、上記1〜16のいずれか1つに記載の組成物。
18.1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全含有量を基準としかつ組成物の全体積を基準として少なくとも0.5mmol/Lの濃度を有するバッファーを含む、上記1〜17のいずれか1つに記載の組成物。
19.1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全含有量を基準としかつ組成物の全体積を基準として1.5mmol/L以下の濃度を有するバッファーを含む、上記1〜18のいずれか1つに記載の組成物。
20.1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全含有量を基準としかつ組成物の全体積を基準として0.5〜1.5mmol/Lの範囲内の濃度を有するバッファーを含む、上記1〜19のいずれか1つに記載の組成物。
21.タペンタドールがタペンタドール塩酸塩として存在する、上記1〜20のいずれか一つに記載の組成物。
22.タペンタドールが、CuKα線を用いて測定した場合に、粉末回折パターンにおいて、15.1±0.2、16.0±0.2、18.9±0.2、20.4±0.2、22.5±0.2、27.3±0.2、29.3±0.2および30.4±0.2を含むリストから選択される少なくとも1つまたは複数のX線の線(2θ値)を示すことを特徴とする可溶化タペンタドール塩酸塩形態Aとして存在する、上記1〜21のいずれか一つに記載の組成物。
23.タペンタドールの濃度が、タペンタドール遊離塩基の重量を基準としかつ上記組成物の全体積を基準として1.0±0.5mg/mLの範囲内である、上記1〜22のいずれか一つに記載の組成物。
24.等張化剤を含む、上記1〜23のいずれか一つに記載の組成物。
25.等張化剤が塩化ナトリウムである、上記1〜24のいずれか一つに記載の組成物。
26.少なくとも0.20osmol/Lの容量オスモル濃度を有する、上記1〜25のいずれか一つに記載の組成物。
27.0.36osmol/L以下の容量オスモル濃度を有する、上記1〜26のいずれか一つに記載の組成物。
28.0.28±0.08osmol/Lの範囲内の容量オスモル濃度を有する、上記1〜27のいずれか一つに記載の組成物。
29.1.8mmol/L以下の滴定酸度を有する、上記1〜28のいずれか一つに記載の組成物。
30.1.0〜1.8mmol/Lの範囲内の滴定酸度を有する、上記1〜29のいずれか一つに記載の組成物。
31.酸化防止剤および/またはキレート剤を含まない、上記1〜30のいずれか一つに記載の組成物。
32.保存剤を含まない、上記1〜31のいずれか一つに記載の組成物。
33.1.0〜3.0mLの範囲内の体積を有する、上記1〜32のいずれか一つに記載の組成物。
34.タペンタドール遊離塩基の重量を基準として、1.00mg〜3.00mgの範囲内の量でタペンタドールを含む、上記1〜33のいずれか一つに記載の組成物。
35.疼痛の治療において使用するための、上記1〜34のいずれか一つに記載の組成物。
36.疼痛が哺乳動物において治療される、上記35に記載の使用のための組成物。
37.哺乳動物がヒトである、上記36に記載の使用のための組成物。
38.ヒトが小児患者である、上記37に記載の使用のための組成物。
39.小児患者が新生児である、上記38に記載の使用のための組成物。
40.小児患者が早産児である、上記39に記載の使用のための組成物。
41.疼痛が急性疼痛である、上記35〜40のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
42.組成物が注射または注入により投与される、上記35〜41のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
43.組成物が静脈内に投与される、上記35〜42のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
44.上記1〜43のいずれか一つに記載の医薬組成物を含む容器。
45.ガラスアンプルである、上記44に記載の容器。
46.ガラスが欧州薬局方に従うガラスタイプIである、上記45に記載の容器。
47.1.0〜3.0mLの上記組成物を含む、上記44〜46のいずれか一つに記載の容器。
48.液相としての上記組成物と液相の上のヘッドスペースにおける気相とを含み、上記気相の分子状酸素含有量が2.5%Vbar以下である、上記44〜47のいずれか一つに記載の容器。
49.タペンタドール遊離塩基の重量を基準として、1.00mg〜3.00mgの範囲内の量でタペンタドールを含む、上記44〜48のいずれか一つに記載の容器。
50.以下のステップ:
(a)タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩、水およびバッファーを含む混合物を用意すること、
を含む、上記1〜43のいずれか1つに記載の医薬組成物の、または上記44〜49のいずれか1つに記載の容器の製造方法。
51.タペンタドールが、CuKα線を用いて測定した場合に、粉末回折パターンにおいて、15.1±0.2、16.0±0.2、18.9±0.2、20.4±0.2、22.5±0.2、27.3±0.2、29.3±0.2および30.4±0.2を含むリストから選択される少なくとも1つまたは複数のX線の線(2θ値)を示すことを特徴とするタペンタドール塩酸塩多形形態Aとして使用される、上記50に記載の方法。
52.以下からなる群から選択される1つまたは複数の追加的ステップを含む、上記50または51に記載の方法:
(b)上記混合物を不活性ガスでパージすること;
(c)上記混合物をフィルターを通してろ過すること;
(d)適切な容器に上記混合物を充填すること;および
(e)上昇した温度および上昇した圧力で上記混合物をオートクレーブにかけること。
53.上記50〜52のいずれか1つに記載の方法により得ることができる、医薬組成物または容器。
54.上記1〜43のいずれか1つに記載の医薬組成物の、または上記44〜49のいずれか1つに記載の容器の製造のための、タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩の使用。
55.タペンタドールがタペンタドール塩酸塩多形形態Aとして使用される、上記54に記載の使用。
56.上記44〜49のいずれか1つに記載の容器と包装とを含むキットであって、上記容器が上記包装によって包装されているキット。
57.上記包装が可視光に対して不透明な材料から作られる、上記56に記載のキット。
58.上記包装がボール紙を含む、上記56または55に記載のキット。
59.上記容器に含まれ、上記包装によって包装されている組成物が光安定性である、上記56〜58のいずれか1つに記載のキット。
60.キットを540Wh/m でのUV照射線および1320kLxhの照度に24時間付した後の組成物におけるタペンタドールの分解生成物の含有量が、キットをUV照射線に付す前の組成物に元々含まれていたタペンタドールの全含有量に対してかつタペンタドール遊離塩基の重量を基準として、0.05重量%以下である、上記59に記載のキット。
以下の例は、さらに本発明を説明するが、その範囲を制限するものと解釈すべきではない。
例1−組成物および容器の製造:
以下の医薬組成物(50L)を製造し、続いてガラスアンプルに充填した(2.00mL):
Figure 0006923447
注射剤用の水をステンレス鋼製の容器に秤量し、窒素でパージした。クエン酸ナトリウム二水和物を適切な容器に秤量し、ついで上記の注射剤用の水にパージしながら添加した。非経口使用のためのタペンタドール塩酸塩を適切な容器に秤量し、ついで上記のクエン酸ナトリウム溶液に窒素でパージしながら添加した。塩化ナトリウムを適切な容器に秤量し、ついで上記溶液に窒素でパージしながら添加した。
pHを測定し、1N塩酸を用いることにより5.0に調節した。必要に応じて、1N水酸化ナトリウム溶液を、pHを目標値に再調節するために添加した。窒素でパージしながら、残りの水を上記溶液に添加した。pH値を再度測定した。
当該溶液を0.2μm孔を有するフィルター(Fluorodyne(登録商標)KA3DFLP1、フッ化ポリビニリデン、Pall)を用いてろ過した。窒素ガスを供給しながら、洗浄し(Washing machine AWU 8000、Bausch & Stroebel)、滅菌した(Sterilization tunnel DST 8000, Bausch & Stroebel)typeIの透明なガラスアンプルに、ろ過溶液を充填した(Fill and seal−machine AFV 6015, Bausch & Stroebel)。溶接・溶断プロセスによりアンプルを閉じた(Fill and seal−machine AFV 6015, Bausch & Stroebel)。
アンプルの充填重量を測定し、アンプルを121℃、2barで20分間オートクレーブにかけた(Belimed autoclave IV,Belimed)。アンプルを外側から洗浄し(Washing machine DAR150,Seidenader)、視覚的に管理し(EISAI AIM 287,Eisai)、高電圧でのリーク検査に付した(Densok HDB II, Nikka−Densok)。
このようにして得られた容器内の組成物は、オートクレーブ時に安定であり、優れた有効期間を有した。
例2−保管安定性(pH、色、タペンタドールの分解):
本発明の医薬組成物および比較組成物を例1に従って製造した。上記2つの組成物に関する関連情報を以下にまとめる:
Figure 0006923447
保管安定性を調べた。ここで、結果を以下の表にまとめる:
Figure 0006923447
Figure 0006923447
溶液の色に関して、コードBG7、GG4、GG6およびGG7はマンセル・ブック・オブ・カラー(Munsell Color Macbeth Division of Kollmorgan Instruments Corporation)を参照する。
例3−保管安定性(光安定性):
2mlの透明ガラスアンプル(ガラスtypeI)(一次包装)における例1の本発明組成物を、色、透明性および分解を調べるICH Q1Bに従う光安定試験に付した(250W/mでの照度)。照射を、540Wh/m2および1320kLxhに対応する24時間まで行った(ICH Q1B要件:200Wh/m2以上および1200kLxh以上)。平行して、上記一次包装を、二次包装としてのボール箱内に置いた。
ここで、実験結果を以下の表にまとめる:
Figure 0006923447
上記データによって示されるように、色は24時間にわたって変化しなかった。分解生成物は増加した。8時間の照射後、分解生成物はなおも規格内であったが、24時間後に制限を満たさなかった。二次包装のボール箱における24時間照射は、最初の試験と比較して変化をもたらさなかった。
さらに、人工照射と通常の日光との間の比較可能性を評価するために、アンプル中に包装したタペンタドール1mg/mL注射用溶液を、4日間にわたって窓の敷居上での24時間日光照射に付した。分解の程度は6時間の人工照射(UV:135Wh/m、照度:330kLxh)に類似している。しかしながら、上記の二次包装により十分な光保護が得られた。

Claims (14)

  1. タペンタドールまたはその生理学的に許容可能な塩を含む、非経口投与のための水性医薬組成物であって、タペンタドールの濃度が、タペンタドール遊離塩基の重量を基準としかつ組成物の全体積を基準として、0.10〜8.00mg/mLの範囲内であり、
    上記組成物のpH値が緩衝されておりかつオートクレーブの前および後で、4.5〜5.5の範囲内であり、
    上記組成物が、注射剤溶液、注射剤懸濁液、注入溶液、注入懸濁液およびデポ製剤からなる群から選択され、さらに
    バッファーが、(i)有機酸として、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、マロン酸、リンゴ酸、マンデル酸、クエン酸、酒石酸またはコハク酸;あるいは(ii)無機酸として、リン酸に由来する、上記医薬組成物。
  2. 組成物における分子状酸素の含有量が、組成物の全体積を基準として、9.0mg/L以下である、請求項1に記載の組成物。
  3. 組成物における分子状酸素の含有量が、組成物の全体積を基準として、0.2mg/L以下である、請求項2に記載の組成物。
  4. 3.0mlの内容量を有し、純窒素ガスを含有する閉じたガラスアンプルに、充填されたアンプルが液相としての組成物と液相の上のヘッドスペースにおける気相とを含むように2.0mlの上記組成物を充填し、液相に溶解した気体と気相における気体で平衡させた場合に、上記気相の分子状酸素含有量が2.5%Vbar以下である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
  5. クエン酸塩、クエン酸水素塩、クエン酸二水素塩およびクエン酸からなる群から選択される1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含むバッファーを含む、請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
  6. 1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全重量を基準としかつ組成物の全重量を基準として0.015〜0.055重量%の範囲内の濃度を有するバッファーを含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
  7. 1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸を含み、1つまたは複数の共役塩基および1つまたは複数の共役酸の全含有量を基準としかつ組成物の全体積を基準として0.5〜1.5mmol/Lの範囲内の濃度を有するバッファーを含む、請求項1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
  8. タペンタドールの濃度が、タペンタドール遊離塩基の重量を基準としかつ上記組成物の全体積を基準として1.0±0.5mg/mLの範囲内である、請求項1〜7のいずれか一つに記載の組成物。
  9. 1.0〜1.8mmol/Lの範囲内の滴定酸度を有する、請求項1〜8のいずれか一つに記載の組成物。
  10. 酸化防止剤および/またはキレート剤を含まない、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
  11. 保存剤を含まない、請求項1〜10のいずれか一つに記載の組成物。
  12. 疼痛の治療において使用するための、請求項1〜11のいずれか一つに記載の組成物。
  13. 疼痛が小児ヒト患者において治療される、請求項12に記載の使用のための組成物。
  14. 小児ヒト患者が新生児または早産児である、請求項13に記載の使用のための組成物。
JP2017550592A 2015-03-27 2016-03-23 タペンタドールの非経口投与のための安定な製剤 Active JP6923447B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP15161487.2 2015-03-27
EP15161487 2015-03-27
EP15169730 2015-05-28
EP15169730.7 2015-05-28
PCT/EP2016/056376 WO2016156147A1 (en) 2015-03-27 2016-03-23 Stable formulation for parenteral administration of tapentadol

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018509462A JP2018509462A (ja) 2018-04-05
JP6923447B2 true JP6923447B2 (ja) 2021-08-18

Family

ID=55661386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017550592A Active JP6923447B2 (ja) 2015-03-27 2016-03-23 タペンタドールの非経口投与のための安定な製剤

Country Status (28)

Country Link
US (2) US20160279078A1 (ja)
EP (2) EP3273953B1 (ja)
JP (1) JP6923447B2 (ja)
KR (1) KR20170132282A (ja)
CN (1) CN107847471A (ja)
AU (1) AU2016239772B2 (ja)
BR (1) BR112017018569A2 (ja)
CA (1) CA2979034A1 (ja)
CL (1) CL2017002306A1 (ja)
CO (1) CO2017009400A2 (ja)
CY (1) CY1121371T1 (ja)
DK (1) DK3273953T3 (ja)
EA (1) EA036258B1 (ja)
EC (1) ECSP17064188A (ja)
ES (2) ES2822113T3 (ja)
HK (1) HK1252705A1 (ja)
HR (1) HRP20190231T1 (ja)
HU (1) HUE042612T2 (ja)
IL (1) IL254136A0 (ja)
LT (1) LT3273953T (ja)
MX (1) MX2017012312A (ja)
PE (1) PE20171651A1 (ja)
PL (1) PL3273953T3 (ja)
PT (2) PT3479823T (ja)
RS (1) RS58301B1 (ja)
SI (1) SI3273953T1 (ja)
TW (1) TW201642843A (ja)
WO (1) WO2016156147A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PT2680832T (pt) 2011-03-04 2019-10-28 Gruenenthal Gmbh Formulação farmacêutica aquosa de tapentadol para administração oral
PT3479823T (pt) 2015-03-27 2020-09-29 Gruenenthal Gmbh Formulação estável para administração parentérica de tapentadol
MX2019003257A (es) 2016-09-23 2019-06-10 Gruenenthal Gmbh Formulacion estable para la administracion parenteral de tapentadol.
EP3585370A1 (en) 2017-02-23 2020-01-01 Grünenthal GmbH Tapentadol as local anesthetic

Family Cites Families (65)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8334422D0 (en) 1983-12-23 1984-02-01 Sterwin Ag Composition
GB8334423D0 (en) 1983-12-23 1984-02-01 Sterwin Ag Composition
US4775678A (en) 1984-10-01 1988-10-04 Schering Corporation Clotrimazole cream
AU614465B2 (en) 1989-04-05 1991-08-29 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Medicinal emulsions
DE4426245A1 (de) 1994-07-23 1996-02-22 Gruenenthal Gmbh 1-Phenyl-3-dimethylamino-propanverbindungen mit pharmakologischer Wirkung
US6183758B1 (en) 1998-01-29 2001-02-06 Highland Laboratories, Inc. Phytochemicals, nutrients & medication absorption &/or treatment
US6211169B1 (en) 1999-09-29 2001-04-03 Aesgen, Inc. Stable calcitriol solution for packaging into vials
FR2809619B1 (fr) * 2000-06-06 2004-09-24 Pharmatop Nouvelles formulations aqueuses de principes actifs sensibles a l'oxydation et leur procede d'obtention
US6399087B1 (en) 2000-12-20 2002-06-04 Amphastar Pharmaceuticals, Inc. Propofol formulation with enhanced microbial inhibition
DE10109763A1 (de) 2001-02-28 2002-09-05 Gruenenthal Gmbh Pharmazeutische Salze
US20050176790A1 (en) 2001-02-28 2005-08-11 Johannes Bartholomaus Pharmaceutical salts
DE10112325A1 (de) 2001-03-13 2002-10-02 Fresenius Kabi De Gmbh Lagerstabile Fertiginfusionslösungen des Paracetamols
JP4905616B2 (ja) 2001-04-19 2012-03-28 ライオン株式会社 ソフトコンタクトレンズ用点眼剤
US6638981B2 (en) 2001-08-17 2003-10-28 Epicept Corporation Topical compositions and methods for treating pain
PE20030527A1 (es) 2001-10-24 2003-07-26 Gruenenthal Chemie Formulacion farmaceutica con liberacion retardada que contiene 3-(3-dimetilamino-1-etil-2-metil-propil) fenol o una sal farmaceuticamente aceptable del mismo y tabletas para administracion oral que la contienen
FR2832063B1 (fr) 2001-11-15 2004-08-27 Aguettant Lab Procede de production de solutions stables de substances phenoliques et les solutions en resultant
US20030203055A1 (en) 2002-03-15 2003-10-30 Cypress Bioscience, Inc. Methods of treating visceral pain syndromes
US20030191187A1 (en) 2002-04-01 2003-10-09 Lee Fang Yu Injectable pharmaceutical composition containing a non-steroidal anti-inflammatory drug and method for preparing the same
US20040101563A1 (en) 2002-07-18 2004-05-27 Kundu Subhas C. Storage stable antihistaminic syrup formulations
KR20050046776A (ko) 2002-09-13 2005-05-18 사이덱스 인크 유도체화된 사이클로덱스트린으로 안정화한 수성 충전조성물을 포함하는 캅셀
US6888993B2 (en) 2002-11-27 2005-05-03 Corning Incorporated Dispersion compensating optical fiber for SMF and transmission link including same
ITMI20022748A1 (it) 2002-12-23 2004-06-24 Eurand Int Dispersioni solide stabilizzate di farmaco in un carrier organico e procedimento per la loro preparazione.
SI1599222T1 (sl) 2003-01-08 2009-08-31 Novartis Vaccines & Diagnostic Stabilizirani vodni sestavki, ki obsegajo inhibitor poti tkivnega faktorja (TFPI) ali varianto inhibitorja poti tkivnega faktorja
US20040180915A1 (en) 2003-03-14 2004-09-16 Xanodyne Pharmacal, Inc. Methadone-containing compositions for parenteral administration and method of use thereof
WO2005112926A1 (en) 2004-05-17 2005-12-01 Pharmacofore, Inc. Compositions and methods for treating or preventing pain
DK1612203T3 (da) 2004-06-28 2007-12-03 Gruenenthal Gmbh Krystallinske former af (-)-(1R,2R)-3-(3-dimethylamino-1-ethyl-2-methylpropyl)-phenolhydrochlorid
CA2572352A1 (en) 2004-07-01 2006-01-12 Gruenenthal Gmbh Oral dosage form safeguarded against abuse containing (1r,2r)-3-(3-dimethylamino-1-ethyl-2-methyl-propyl)phenol
DE102004032103A1 (de) 2004-07-01 2006-01-19 Grünenthal GmbH Gegen Missbrauch gesicherte, orale Darreichungsform
MX2007013583A (es) 2005-04-28 2008-03-13 Theraquest Biosciences Llc Metodos y composiciones para tratar el dolor.
JP2009504634A (ja) * 2005-08-12 2009-02-05 ブハラット セルムズ アンド ヴァクシンズ リミテッド プロポフォールを含む水性麻酔剤組成物
TWI329334B (en) 2005-12-02 2010-08-21 Chung Shan Inst Of Science Manufacture method of electromagnetic interference layer for the plasma display panel
US8176534B2 (en) 2005-12-30 2012-05-08 General Instrument Corporation Method and apparatus for provisioning a device to access digital rights management (DRM) services in a universal plug and play (UPnP) network
WO2007127158A2 (en) 2006-04-25 2007-11-08 Croda, Inc Modification of percutaneous absorption of topically active materials
ES2358763T3 (es) 2006-04-28 2011-05-13 Grünenthal GmbH Combinación farmacéutica que comprende 3-(3-dimetilamino-1-etil-2-metilpropil)fenol y un nsaid.
PT2012764E (pt) 2006-04-28 2011-02-02 Gruenenthal Gmbh Combinação farmacêutica que compreende 3-(3-dimetilamino-1- etil-2-metilpropil)fenol e paracetamol
DK2046726T3 (da) 2006-07-24 2010-05-10 Janssen Pharmaceutica Nv Fremstilling af (2R,3R)-3-3-methoxyphenyl)-N,N, 2-trimethylpentanamin
EP1905440A1 (de) 2006-09-06 2008-04-02 Boehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG Verwendung einer pharmazeutischen Zusammensetzung enthaltend ein Anticholinergikum zur Abtötung von Mikroorganismen und zur Behandlung von Atemwegsinfektionen
TWI394564B (zh) 2006-09-21 2013-05-01 Alcon Res Ltd 自行保存型水性藥學組成物
DE102007012165A1 (de) 2007-03-12 2008-09-18 Grünenthal GmbH Verwendung von 1-Phenyl-3-dimethylamino-propanverbindungen zur Therapie des Neuropathieschmerzes
JP2008266168A (ja) 2007-04-18 2008-11-06 Teika Seiyaku Kk 眼科用剤
EP1985292A1 (en) 2007-04-23 2008-10-29 Grünenthal GmbH Titration of tapentadol
EP1992334A1 (en) 2007-05-08 2008-11-19 Docpharma NV/SA Storage-stable formulation of oxidation-sensitive phenolic drug, especially paracetamol, comprises aqueous drug solution deoxygenated by a temperature-controlled manufacturing process of the formulation
LT2596784T (lt) 2007-11-23 2017-03-27 Grünenthal GmbH Tapentadolio kompozicijos
US9339463B2 (en) 2007-12-06 2016-05-17 Michael Zamloot Micronized opioid compositions having a specific particle size distribution
EP2249811A1 (en) 2008-01-25 2010-11-17 Grünenthal GmbH Pharmaceutical dosage form
CN102112108A (zh) 2008-04-08 2011-06-29 阿西诺药品有限公司 水性医药剂型
HUE047438T2 (hu) 2008-10-30 2020-04-28 Gruenenthal Gmbh Új és potens tapentadol dózisformák
US20110268808A1 (en) 2009-01-09 2011-11-03 Panacea Biotec Ltd. Dual-release pharmaceutical suspension
WO2010100477A2 (en) 2009-03-03 2010-09-10 Shire Llc Amino acid and peptide carbamate prodrugs of tapentadol and uses thereof
EP2246044A1 (en) 2009-04-21 2010-11-03 Pierre Fabre Dermo-Cosmétique Paediatric solutions comprising a beta-blocker
US20100272815A1 (en) 2009-04-28 2010-10-28 Actavis Group Ptc Ehf Amorphous form of tapentadol hydrochloride
WO2011016487A1 (ja) 2009-08-05 2011-02-10 ナガセ医薬品株式会社 インジゴカルミン製剤
CN102711726A (zh) * 2009-12-10 2012-10-03 特克尼梅德医疗技术股份公司 用于制备扑热息痛稳定液体制剂的方法和组合物
WO2011083304A1 (en) 2010-01-05 2011-07-14 Shire Llc Prodrugs of opioids and uses thereof
RU2553350C2 (ru) 2010-03-30 2015-06-10 Фосфейдженикс Лимитед Трансдермальные пластыри
GB201006200D0 (en) 2010-04-14 2010-06-02 Ayanda As Composition
US20120270848A1 (en) 2010-10-22 2012-10-25 Galleon Pharmaceuticals, Inc. Novel Compositions and Therapeutic Methods Using Same
HUE027514T2 (en) * 2011-03-04 2016-10-28 Gruenenthal Gmbh Parenteral administration of tapentadol
RS56692B1 (sr) 2011-03-04 2018-03-30 Gruenenthal Gmbh Polučvrsta vodena farmaceutska kompozicija koja sadrži tapentadol
PT2680832T (pt) * 2011-03-04 2019-10-28 Gruenenthal Gmbh Formulação farmacêutica aquosa de tapentadol para administração oral
US20150073000A1 (en) 2012-03-27 2015-03-12 Fresenius Kabi Oncology Limited Stable ready-to-use pharmaceutical composition of pemetrexed
CN103159633B (zh) 2012-07-06 2015-08-12 江苏恩华药业股份有限公司 他喷他多的制备方法及用于制备他喷他多的化合物
GB201309654D0 (en) 2013-05-30 2013-07-17 Euro Celtique Sa Method
CN103735500B (zh) 2014-01-28 2016-01-20 江苏华泽医药科技有限公司 盐酸他喷他多注射液及其制备方法
PT3479823T (pt) 2015-03-27 2020-09-29 Gruenenthal Gmbh Formulação estável para administração parentérica de tapentadol

Also Published As

Publication number Publication date
BR112017018569A2 (pt) 2018-04-24
SI3273953T1 (sl) 2019-03-29
ES2710299T3 (es) 2019-04-24
PT3273953T (pt) 2019-04-01
CL2017002306A1 (es) 2018-03-23
DK3273953T3 (en) 2019-03-11
LT3273953T (lt) 2019-02-25
EA201792144A1 (ru) 2018-03-30
PE20171651A1 (es) 2017-11-13
AU2016239772B2 (en) 2021-05-13
EP3273953B1 (en) 2019-01-02
ECSP17064188A (es) 2018-03-31
KR20170132282A (ko) 2017-12-01
EA036258B1 (ru) 2020-10-20
AU2016239772A1 (en) 2017-09-14
EP3479823B1 (en) 2020-09-09
CY1121371T1 (el) 2020-05-29
US11013701B2 (en) 2021-05-25
ES2822113T3 (es) 2021-04-29
EP3273953A1 (en) 2018-01-31
WO2016156147A1 (en) 2016-10-06
MX2017012312A (es) 2018-01-18
RS58301B1 (sr) 2019-03-29
EP3479823A1 (en) 2019-05-08
PL3273953T3 (pl) 2019-07-31
HUE042612T2 (hu) 2019-07-29
JP2018509462A (ja) 2018-04-05
CA2979034A1 (en) 2016-10-06
US20160279078A1 (en) 2016-09-29
IL254136A0 (en) 2017-10-31
PT3479823T (pt) 2020-09-29
CO2017009400A2 (es) 2018-01-05
HK1252705A1 (zh) 2019-05-31
TW201642843A (zh) 2016-12-16
HRP20190231T1 (hr) 2019-04-05
CN107847471A (zh) 2018-03-27
US20180125800A1 (en) 2018-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6923447B2 (ja) タペンタドールの非経口投与のための安定な製剤
JP2022033863A (ja) タペンタドールの非経口的投与
EA035750B1 (ru) Водная фармацевтическая композиция тапентадола для перорального введения
TW201620499A (zh) 用於製造穩定低濃度之可注射的去甲腎上腺素溶液之方法
JP2023054064A (ja) クロルヘキシジンを含有する医薬組成物
US20150005376A1 (en) Concentrate esmolol
JP2023093601A (ja) 眼科用製品
CZ20023825A3 (cs) Formulace esmololu
US20230181495A1 (en) Packaged, sealed container system for stable storage of an oxygen sensitive pharmaceutical formulation
WO2005077376A1 (en) A stable parental formulation of levomepromazine and a method for stabilizing said formulation
JP7160799B2 (ja) タペンタドールの非経口投与用安定製剤
JP6950966B2 (ja) スガマデクス又はその薬理学的に許容される塩含有液剤及びその製造方法
US11331266B1 (en) Antioxidant free, norepinephrine bitartrate injection in amber glass vials
JP2011126856A (ja) スマトリプタン含有内用液剤
US20220233473A1 (en) Injectable solution of norepinephrine
BG1841U1 (bg) Парентерална лекарствена форма

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200819

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201019

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210317

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210609

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210609

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210617

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6923447

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150