JP6914634B2 - スタック型二重構造容器成形用プリフォーム - Google Patents

スタック型二重構造容器成形用プリフォーム Download PDF

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本発明は、スタック型の二重構造容器成形用プリフォームに関するものであり、より詳細には、それぞれ別個に成形された外筒プリフォームと内筒プリフォームとを重ねた形態のスタック型二重構造容器成形用プリフォーム及びこのプリフォームから得られる二重構造容器に関する。
従来、内袋と外筒とからなる二重構造を有している二重構造容器は、例えばデラミボトル(エアレスボトルと呼ばれることもある)として、醤油等の調味液が収容される容器として実用されている。即ち、かかるデラミボトルは、逆止弁付のキャップと組み合わせで使用されるものであり、ボトルの胴部壁を外部から押圧して凹ませることにより、内袋に充填されている内容物がキャップに形成されている注出路から排出され、ボトルの胴部壁の押圧を停止することにより内容物の排出を終了させると、逆止弁の作用により、空気は内袋には導入されず、キャップの注出路とは異なる流路を通って、内袋と外筒との間の空間に導入されることとなる。これにより、内袋は、内容物が排出された分だけ収縮することとなり、内容物を排出する毎に、内袋が収縮していく。このような方法により内容物が排出されるデラミボトルでは、内容物を小出しできると共に、内容物が充填されている内袋への空気の侵入が有効に防止されるため、内容物の酸化劣化を有効に回避でき、内容物の鮮度を長期間にわたって保持できるという利点がある。
このような二重構造容器は、一般に、ダイレクトブロー成形により製造されている。即ち、溶融押出しにより、二重構造のパイプを形成し、このパイプの下端部をピンチオフし、次いでブロー流体を吹き込むことによりボトルの形態に賦形することにより製造される。
しかるに、ダイレクトブロー成形により二重構造容器を製造する場合には、溶融押出からボトルの成形までの工程が一挙に行われることから、多数個取りが難しく、生産性が低いため、コストが高いという問題がある。また、ダイレクトブロー成形ではオレフィン系樹脂が使用されることが多く、透明性が低いため内容物の視認性に難がある。
このため、延伸ブロー成形による二重構造容器の製造方法が検討されている。即ち、延伸ブロー成形法は、射出成形等により、一旦、試験管形状の容器用プリフォームを成形しておき、このプリフォームを延伸成形温度(ガラス転移点以上融点未満)に加熱し、この状態でブロー流体を吹き込んで容器の形状に賦形するという方法であり、容器用プリフォームの量産が可能であり、生産性が高く、また、容器重量や内容積のバラつきも少なく、安定した品質の容器を製造できるという利点があり、特にコストの低減が可能となるからである。更に、延伸ブロー成形においては透明性の高いPET等の樹脂を使用できるため内容物の視認性を向上することも可能となる。
例えば、特許文献1〜3には、このような延伸ブロー成形により二重構造容器を製造する方法が開示されている。
延伸ブロー成形により二重構造容器を形成する場合には、外筒形成用プリフォームの内部に内袋形成用プリフォームが挿入されて固定された状態で、内袋形成用プリフォームの内部にブロー流体が吹き込まれて成形が行われるため、成形された内袋の外面と外筒の内面との間に、如何にして空気を導入するための導入路を確保するかが問題となる。例えば、上述した公知の技術は、空気導入路を形成するために、プリフォームに溝や突条を形成したり或いはプリフォーム底部に空気導入口を形成するという手段を採用しているため、金型が複雑な構造となったり(特許文献1,2)、空気の導入が困難となってしまっており(特許文献3)、実用化に向けて、さらなる改善が必要となっている。
ところで、本出願人は、先に、上記の問題が解決された二重構造容器形成用のプリフォームを提案した(特願2016−090177号)。このプリフォームは、予め別個に成形された外筒プリフォームと内筒プリフォーム(内袋形成用プリフォーム)とが重ねられたスタック構造を有するものであり、各プリフォームの成形に使用される金型はシンプルなものであり、その成形に特殊な構造の金型が必要でないという利点を有している。また、容器の口部となる部分の外筒プリフォームの壁部に空気導入孔が形成されているため、この二重構造プリフォームから得られる二重構造容器は、逆止弁付キャップを利用することができ、容器の胴部をスクイズすることによる内袋に収容されている内容物の排出、スクイズ動作停止時(内容物排出停止時)の外筒体と内袋との空隙部分への空気の選択的導入が速やかに行われ、内容物の排出操作(スクイズ)を繰り返し、何ら支障なく行うことができる。
しかしながら、本出願人が提案した上記のスタック型二重構造容器用プリフォームにも改善の余地が残されている。即ち、かかるプリフォームを延伸ブロー成形して得られる二重構造容器では、容器胴部のスクイズにより内袋に収容されている内容物を排出していくと、内容物量の減少により内袋の底部が外筒体の底部から浮き上がった状態で収縮してしまうため、内袋内の内容物の排出流路が塞がれてしまい、内容物の排出が困難となってしまうことがある。
上記のような問題を解決するための手段として、例えば特許文献4及び5には、内袋用のプリフォーム(内筒プリフォーム)の底部に突出部を設け、この突出部を外筒プリフォームの底部に設けられている係止用の空孔に固定することが提案されている。
しかしながら、特許文献4で提案されている手段では、内袋用プリフォーム底部の突部に係合用の爪を設け、この爪を外筒プリフォーム底部の空孔に挿入しての係合により内袋用プリフォームを外筒プリフォームに連結しておくというものであり、これらプリフォームから形成される二重容器の底部において、内袋と外筒体との間に空気孔が形成されることとなる。即ち、底部に空気孔が形成されるため、キャップを用いての逆止弁機構を利用することができない。つまり、外筒体の胴部をスクイズして内袋に収容されている内容物を排出させると、外筒体と内袋との間に存在する空気が排出されてしまうこととなり、内容物が排出されて内袋が収縮するにつれて外筒体を大きく凹ませないと内容物を排出することが困難となってしまう。
また、底部に空気孔を設けているため、ブロー成形等に際して用いる金型形状が複雑なものとなってしまう。
また、特許文献5に開示されている手段では、予め成形された外筒用プリフォームを型内に配置した状態で、外筒用プリフォームの底部から樹脂を射出充填することにより、内袋用プリフォームを成形するという成形手段(オーバーモールド法)を採用しているため、外筒用プリフォームと内袋用プリフォームとの間に空気を導入するための空気孔を形成することが非常に困難であり、しかも、特殊な射出成形機を使用しなければならないという問題がある。
特許第3796595号 特許第4281454号 特許第3745897号 特開2014−69875号 特許第4037578号
従って、本発明の目的は、極めてシンプルな形状を有しており、複雑な形状の金型を使用せずに成形されるプリフォームの組み合わせからなり、しかも、キャップとの組み合わせで逆止弁を利用し得る位置に空気孔が形成されているばかりか、内容物の排出により、内袋が大きく収縮した場合においても、内袋が安定に外筒体の底部に保持されている二重構造容器を形成することが可能な二重構造プリフォームを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の二重構造プリフォームから得られる二重構造容器を提供することにある。
本発明によれば、何れもが試験管形状を有しており且つ別個に成形された外筒プリフォームと内筒プリフォームとからなり、該内筒プリフォームが外筒プリフォームの内部に挿入された二重構造を有していると共に、上部の固定領域と、下部の延伸成形領域とに区画される二重構造容器成形用プリフォームにおいて、前記外筒プリフォームの延伸成形領域の下端部中心位置には、内筒プリフォーム固定用孔が設けられており、前記内筒プリフォームの延伸成形領域の下端部中心位置には、前記内筒プリフォーム固定用孔に侵入可能な該固定用孔よりも小径の突出部が設けられていると共に、前記固定領域には、空隙部と該空隙部に通じている空気導入口が設けられていること、を特徴とする二重構造容器成形用プリフォームが提供される。
本発明の二重構造容器成形用プリフォームにおいては、
(1)前記突出部は、前記内筒プリフォーム固定用孔に嵌合した状態にあること、
(2)前記突出部と前記内筒プリフォーム固定用孔とは離れて位置していること、
(3)前記固定領域は、前記外筒プリフォームの内面と前記内筒プリフォームの外面とが密着している嵌合部と、該嵌合部の下側において、該外筒プリフォームの内面と該内筒プリフォームの外面との間に形成されている前記空隙部とを含んでおり、該空隙部は、該固定領域の全周にわたって該固定領域の少なくとも下端にまで延びており、前記固定領域に位置する前記外筒プリフォームの壁部に、前記空隙部に通じている前記空気導入口が設けられていること、
という手段を採用することができる。
本発明の二重構造容器成形用プリフォームは、内袋を形成するための内筒プリフォームを外筒プリフォームの内部に挿入して重ねたスタック型構造を有するものであるが、外筒プリフォームの内面と該内筒プリフォームの外面との間に形成されている空隙部が外筒プリフォームに形成されている空気導入口に連通している。この空隙部は、最終的に成形される二重構造容器において、その内袋と外筒との間に空気を挿入するための導入路として機能するのであるが、このような空隙部は、固定領域(延伸成形されない容器の首部に相当)の全周に延びている。このため、かかる空隙部は、外筒プリフォームの内径を内筒プリフォームの外径よりも大きく設定するという単純な手段で形成することができる。
しかも、上記の外筒プリフォームと内筒プリフォームとのスタック構造においては、外筒プリフォームの延伸成形領域の下端部中心位置に内筒プリフォーム固定用の孔が設けられており、前記内筒プリフォームの延伸成形領域の下端部中心位置には、前記内筒プリフォーム固定用孔(以下、単に固定用孔と呼ぶことがある)に侵入可能な突出部が設けられている。即ち、この内筒プリフォームの突出部を外筒プリフォームの前記固定用孔内に侵入させてブロー成形を行うことにより、内袋が外筒体にしっかりと固定された状態で二重構造容器が得られる。
即ち、係る二重構造容器では、内容物の排出に従い、内袋が大きく収縮した場合にも内袋の底部が外筒体の底部にしっかりと保持されているため、内袋内の内容物の排出流路が塞がれるという不都合が有効に回避され、内容物の排出を安定に行うことができる。
このようなスタック構造を有する本発明の二重構造容器成形用プリフォームにおいては、外筒プリフォームに空気導入口及び固定用孔を設け、且つ内筒プリフォームに所定の突部を設けることを除けば、これを形成する外筒プリフォーム及び内筒プリフォームが何れもシンプルな形態を有しており、通常の延伸ブロー容器のプリフォームの大きさ(内径や外径)が適宜変更されているに過ぎず、容易に成形される外筒プリフォームと内筒プリフォームとを使用し、内筒プリフォームを外筒プリフォームの内部に挿入して嵌合固定するという単純な作業によって容易に製造される。加えて、形態がシンプルであることから金型構造が単純でよくコストの低減にも寄与する。
また、かかる二重構造容器成形用プリフォームでは、この固定領域を固定した状態で、内筒プリフォームに、適宜ストレッチロッドを挿入して一軸方向に延伸した後、ブロー流体を吹き込んで延伸ブロー成形を行うことにより、最終目的物である二重構造容器を得ることができる。
本発明の二重構造容器成形用プリフォーム、及びこれを構成する外筒用プリフォームと内筒プリフォームを示す側断面図。 図1の二重構造容器成形用プリフォームの要部拡大断面図。 本発明の二重構造容器成形用プリフォームの他の例を示す側断面図。 本発明の二重構造容器成形用プリフォームの更に他の例の要部を拡大して示す断面図。 本発明の二重構造容器成形用プリフォームから得られる二重構造容器の側断面図。 図5の二重構造容器の口部に逆止弁付キャップが装着された状態を示す側断面図。
図1を参照して、全体として20で示されている本発明の二重構造容器成形用のプリフォーム(以下、多重プリフォームと呼ぶことがある)は、何れも試験管形状を有している外筒プリフォーム1と内筒プリフォーム3とからなっており、内筒プリフォーム3が外筒プリフォーム1の内部に嵌め込まれたスタック構造を有している(図1(a)参照)。
この外筒プリフォーム1は、後述する二重構造容器の外筒体に相当するものであり、内筒プリフォーム3は、二重構造容器の内袋に相当し、この内袋の内部に容器内容物が充填される。
このようなスタック構造を有する多重プリフォーム20では、その上部が延伸成形されない固定領域Xとなっており、固定領域Xの下側がブロー延伸される延伸成形領域Yとなっている。即ち、この多重プリフォーム20をブロー延伸して得られる多重容器において、固定領域Xは、逆止弁付キャップとの係合部を備えたノズル部に相当し、延伸成形領域Yは、ノズル部の下端に連なる肩部、胴部及び底部に相当する。
また、上記の固定領域X内には、外筒プリフォーム1の内面と内筒プリフォーム3の外面とが密着している嵌合部Aが存在する。
このような多重プリフォーム20において、外筒プリフォーム1の上端部分が嵌合部Aとなっており、この嵌合部Aの下方部分の外面には、サポートリング5が形成されており、このサポートリング5を把持部として外筒プリフォーム1の搬送などが行われる(図1(b)参照)。
かかる外筒プリフォーム1の嵌合部Aの下側でサポートリング5の上方部分には、図2に示されているように、空気導入口7が設けられている。即ち、このサポートリング5は、後述する逆止弁付キャップと協同して、空気導入口7への空気流路を規制する部材としての機能も有している。
一方、外筒プリフォーム1内に挿入される内筒プリフォーム3は、外筒プリフォーム1から突出した状態にあり、この突出している部分の外面には、キャップ固定用突起として機能する螺条9が設けられており、この螺条9の下側には、周状突部11が設けられている(図1(a)及び(c)参照)。
この周状突部11は、サポートリングに相当するものであり、この内筒プリフォーム3の搬送などの際の把持部材として使用されるが、多重プリフォーム20における外筒プリフォーム1の上端位置を規制する規制部材として機能する。即ち、図1(a)から理解されるように、多重プリフォーム20において、外筒プリフォーム1の上端は、内筒プリフォーム3の周状突部11の下端に当接するものであり、これにより、外筒プリフォーム1に挿入された内筒プリフォーム3が一定位置に位置決めされることとなる。
また、この周状突部11は、後述するキャップを装着したときに、空気導入口7への空気導入路を確保するため、外筒プリフォーム1のサポートリング5よりも小さく、サポートリング5が周状突部11よりも大径となっている。
上記のような多重プリフォーム20では、図2に示されているように、固定領域X中の嵌合部Aにおいて、外筒プリフォーム1の内面が内筒プリフォーム3の外面と密着し、これにより、外筒プリフォーム1と内筒プリフォーム3とがガタツキなく安定に保持されると共に、両者の間に確実なシールが形成され、以下に述べる空気導入路を確保することが可能となる。
即ち、図2から理解されるように、外筒プリフォーム1と内筒プリフォーム3とが密着している嵌合部Aの下側には、外筒プリフォーム3に空気導入口7が形成されていると共に、この嵌合部Aの下側において、外筒プリフォーム1の内面と内筒プリフォーム3の外面との間に空隙13が設けられている。
この空隙13は、周方向の全体にわたって形成されており、かかる空隙13は、空気導入口7に通じている。即ち、この空隙13は、大気中から空気導入口7を通して外筒プリフォーム1の内面と内筒プリフォーム3の外面と間、具体的には、この多重プリフォーム20をブロー成形して得られる二重構造容器における外筒体と内袋との間の空間に空気を導入するための空気導入路として機能する。
尚、上記のような空気導入路として機能する空隙13は、少なくとも固定領域Xの下端(固定領域Xと延伸成形領域Yとの境界部)まで延びていればよいが、一般的には、延伸成形領域Yの下端もしくはその近傍にまで延びていることが望ましい。即ち、延伸成形領域Yに形成されている空隙13は、容器に賦形するためのブロー成形によって閉塞してしまうのであるが、空隙13が延伸成形領域Yにまで延びていないと、内筒プリフォーム3を外筒プリフォーム1内に挿入する際、ベントが有効に行われず、この結果、図1(a)に示されているように、内筒プリフォーム3を外筒プリフォーム1内に深く挿入することができず、嵌合部A等の形成が困難となってしまうおそれがある。
従って、延伸成形領域Yに形成される空隙13は、ベントが有効に行われる程度の微小な間隙でよい。
なお、特許文献5で採用されているようなオーバーモールド法や共射出法等により、多重プリフォーム20を形成する場合には、このような空隙13は形成することができず、係る空隙13は、予め別個に成形された外筒プリフォーム1と内筒プリフォーム3とが重ねられたスタック構造を有する多重プリフォーム20に特有の形態である。
再び図1に戻って、上記のように内筒プリフォーム3が外筒プリフォーム1内に挿入し、嵌合部Aで固定する作業がスムーズに行われるようにするために、外筒プリフォーム1の外面は、サポートリング5が形成されている部分を除き、実質上ストレートな形態を有しているが、その内面は、固定領域Xから延伸成形領域Yにかけて、上方から下方にいくにしたがって縮径しているテーパー面1aとなっており(図1(b)参照)、一方、これのテーパー面1aに対応して、内筒プリフォーム3の外面は,固定領域Xから延伸成形領域Yにかけて、上方から下方にいくにしたがって縮径しているテーパー面3aとなっており、このテーパー面3aを除く部分が、実質上ストレートな形態を有している(図1(c)参照)。
即ち、外筒プリフォーム1及び内筒プリフォーム3が上記のような形態を有しているため、内筒プリフォーム3を外筒プリフォーム3の内部にスムーズに挿入し、図1(a)に示すように、外筒プリフォーム1と内筒プリフォーム3とが安定に保持された多重プリフォーム20を組み合立てることが可能となる。
上述した多重プリフォーム20において、本発明では、外筒プリフォーム1の延伸成形領域Yの下端部(底部)の中心に固定用孔15が設けられており、一方、内筒プリフォーム3の延伸成形領域Yの下端(底部)の中心に突出部17が設けられており、図1(a)に示されている態様では、突出部17が固定用孔15を貫通して延びている。即ち、ブロー成形に先立って、或いはブロー成形と同時に若しくはブロー成形後に、この固定用孔15から突出している突出部17をかしめ加工することにより、突出部17と固定用孔15との間をしっかりとシールした状態で、内筒プリフォーム3(二重容器における内袋)の底部を外筒プリフォーム1(二重容器における外筒体)の底部にしっかりと固定することができる。これにより、内袋に収容された内容物が排出され、内袋が大きく収縮した場合にも内袋が外筒体の底部から浮き上がってしまうという不都合が有効に回避され、内袋の収縮により内容物の排出流路が制限されることがなく、安定して内容物の排出を行うことができる。
上述した本発明においては、上記のような多重プリフォーム20を組み立てるために使用される外筒プリフォーム1及び内筒プリフォーム3は、何れも、熱可塑性樹脂の射出成形によって形成されるが、これらのプリフォーム1,3を成形するためには、両者が重なる部分での内径或いは外径を、嵌合部Aや空隙13が形成されるように、適宜の大きさに設定するのみでよく、例えば空気導入路として機能するような溝を形成するものではないため、各プリフォーム1,3を形成するための金型が、二重構造を有していない通常のブロー容器の成形に用いるものと同様、シンプルな形態とすることができ、割型の数を多くしたり、金型表面に凸凹加工を施すなどした複雑な金型を用いたりする必要はない。
また、嵌合部Aの嵌合の程度は、外筒プリフォーム1及び内筒プリフォーム3の芯の位置が定まる程度からしまりばめ状に完全に固定された状態まで、目的や成形上の都合に応じて適宜設定すればよい。
更に、内筒プリフォーム3の底部に形成されている突出部17は、射出成形に際してのゲート部を残存させることにより、格別の成形手段を用いることなく容易に形成することができ、突出部17が侵入する外筒プリフォーム1の底部の固定用孔15は、後加工により容易に形成することができる。
従って、本発明は、生産性、量産性、コストダウンの点で、極めて有利である。
上述した本発明において、空気導入路として機能する空隙13に連なる空気導入口7は、外筒プリフォーム1の壁部を穿孔して形成された孔であってもよいし(図1では孔として示されている)、外筒プリフォーム1の上端から密封部Aの下側(空隙13が形成されている部分)まで延びている切欠きであってもよい。要するに、外部から空隙13にまで空気が流れるように空気導入口7が形成されていればよい。
なお、図1に示されている例では、内筒プリフォーム3の突出部17が外筒プリフォーム1の固定用孔15内を貫通しているが、この突出部17は、最終的に二重構造容器に成形された状態で固定用孔15内を貫通してかしめ加工されていればよい。例えば、図3に示されているように、内筒プリフォーム3を短くし、外筒プリフォーム1に重ねた状態で突出部17が固定用孔15内に侵入しておらず、固定用孔15から離れた状態に保持されていてもよい。
更に、上述した図1から図3の例では、内筒プリフォーム3の上部外面に螺条9(キャップ固定用突起)が形成されており、螺子係合によりキャップが装着されるような構造となっているが、本発明では、もちろんキャップを嵌合固定する構造を採用することもできる。
このような形態の二重構造容器形成用プリフォームでは、図4に示されているように、内筒プリフォーム3の上端部に大径突部19が形成されており、キャップを嵌め込んだ時、この大径突部19の外面にキャップのスカート内面が密着する構造となっている。この場合、外筒プリフォーム1の上端は、上記の大径突部19の下面に当接することにより、その上端位置が規制される。即ち、大径突部19は、キャップを嵌合固定する機能と外筒プリフォーム1の上端を規制する機能とを兼用している。
上述した外筒プリフォーム1と内筒プリフォーム3とから形成されている多重プリフォーム20は、それ自体公知の延伸ブロー成形に供され、例えば、図5に示す二重構造容器が得られる。
図5において、この二重構造容器は、全体として30で示されており、前述した外筒プリフォーム1から成形された外筒体30aと、外筒体30aの内部に保持されている内袋30bとからなる二重構造を有しており、ノズル部(非延伸部)31と、ノズル部31の下端から外方に広がった肩部33、肩部33から下方に降下している胴部35及び胴部の下端を閉じている底部37とからなっており、ノズル部31が、前述した多重プリフォーム20の固定領域Xに相当し(固定領域Xと全く同じである)、ノズル部31よりも下方に位置している肩部33、胴部35及び底部37が延伸成形領域Yをブロー成形して得られる部分となる。
また、図5の二重構造容器30において、内袋30bは、前述した外筒プリフォーム1の底部に形成されている固定用孔15を貫通している内筒プリフォーム3の突出部17をかしめ加工して形成されている固定部39によりしっかりと固定されており、この固定部39から空気が流入しないようにシールされている。
さらに、図5の例では、外筒体30aと内袋30bとの間に、前述した多重プリフォーム20に対応して空隙13が形成されているが、ブロー成形直後では、通常、内袋30bの外面は、外筒体30aの内面に密着した状態にある。
上記のような二重構造容器30を形成するためのブロー成形は、次のようにして行われる。
即ち、図1〜図3に示す構造の多重プリフォーム20において、その固定領域Xをしっかりと固定し、その延伸成形領域Yを該プリフォーム20(外筒プリフォーム1及び内筒プリフォーム3)を形成している樹脂のガラス転移温度(Tg)以上、融点未満の温度に加熱し、次いで、該プリフォーム20の延伸成形領域Yをブロー型内に配置し、このプリフォーム20(内筒プリフォーム3)内にストレッチロッドを挿入して軸方向に延伸させ、同時に、ブロー流体(例えばエア)を吹き込んで周方向に膨張延伸させて、ブロー型による容器形状に賦形することにより、内袋30bが外筒体30aに密着した形態の二重構造容器30が得られる。
従って、この二重構造容器30は、多重プリフォーム20の固定領域Xと全く同じノズル部(非延伸部)31を有しており、その上部外面に内筒プリフォーム3(内袋30b)に由来する螺条9と周状突部11(或いは大径突部19)を有しており、周状突部11(或いは大径突部19)の下側には外筒プリフォーム1(外筒体30a)に由来する空気導入口7とサポートリング5とを備えている。また、ノズル部31では、多重プリフォーム20の固定領域Xに形成されている空隙13が、そのまま内部に存在している。
尚、固定部39は、ブロー成形前或いはブロー成形後に、かしめ加工によって形成されるが、このかしめ加工は、固定部39を通して外筒体30aと内袋30bとの間に空気が流入しないようなシール構造が形成される限りにおいて、それ自体公知の手段、例えば、ダボカシメ(リベットカシメ)やVカシメ(加圧による肉寄せ)等により行うことができる。
例えば、図1(a)に示されているような形態の多重プリフォーム20では、この状態で固定用孔15から突出している突出部17を該突出部を形成している熱可塑性樹脂の融点以上に選択的に加熱した状態でパンチ等により加圧してのかしめ加工により固定部39を形成することができる。また、ストレッチロッドによる一軸延伸に際して、プレスロッドとストレッチロッドで挟持しながら一軸延伸或いはその後のブロー成形を行うことにより、かしめ加工による固定部39を形成することもできる。もちろん、ブロー成形後にこのようなかしめ加工を行うこともできる。
また、図3に示されているように、内筒プリフォーム3の突出部17が外筒プリフォーム1の固定用孔15から離れている形態の多重プリフォーム20では、ストレッチロッドを挿入して内筒プリフォーム3を一軸方向に引き伸ばして突出部17を固定用孔15内に貫通せしめ、この突出部17をストレッチロッドとプレスロッドにより挟持しながら一軸延伸及びその後のブロー成形を行うことにより、かしめ加工による固定部39を形成することができる。
上記のような構造を有する二重構造容器30は、内袋30bに内容物を収容した後、このノズル部31に逆止弁付キャップを装着して使用に供される。
図6には、このような逆止弁付キャップが装着された上記容器30のノズル部31の状態が示されている。
即ち、全体として50で示されている逆止弁付キャップは、従来公知の構造を有しているものでよく、例えば、ノズル部31に被せられているキャップ本体51と、ノズル部31の上端の開口部に嵌め込まれている中栓53とを備えている。
尚、図6では省略されているが、キャップ本体51には、通常、上蓋はヒンジ連結されており、この上蓋を開放した状態で内容物の排出が行われる。
キャップ本体51は、頂板部55と、頂板部55の周縁から降下している筒状側壁57とから形成されている。
頂板部55には、中央部に内容物注出用の開口59が形成されており、この開口59の周縁から、注ぎ出される内容物の案内となる注出筒61が上方に延びている。また、この頂板部55には、注出筒61の外側となる位置に、空気導入用の開口63が形成されている。
さらに、筒状側壁57の内面には、二重結合容器30のノズル部31(内筒用プリフォーム3の固定領域X)の外面に設けられている螺条9と係合する螺子突起65が形成されており、螺条9と螺子突起65との螺子係合により、このキャップ本体51は、ノズル部31に被せられた状態で安定に保持される。
尚、螺条9および螺子突起65はそのどちらか、あるいは両側が断続的に切りかかれており、互いが係合している状態であっても、切り欠かれた部分を空気が流れるようになっている。また、筒状側壁57の下方部分は、その内面がノズル部31(外筒プリフォーム1の固定領域)のサポートリング5の上面から周縁部分にかけて密着しており、この部分から空気が漏洩しないようにされている。勿論、筒状側壁57の下方部分は、空気導入口7よりも下側の部分でノズル部31の外面(外筒プリフォーム1の固定領域)に密着していればよく、例えば外筒プリフォーム1の空気導入口7よりも下側かつサポートリングより上方に空気流路規制用の周状突起を設置し、ここで筒状側壁57の下方部分と密着していてもよい。
なお、図4に示すように、ノズル部31がキャップ本体51を嵌合固定するような形態を有している場合には、上記の螺条9及び螺条突起65は必要ない。
一方、中栓53は、ノズル部31の開口部に嵌め込まれる筒状形状を有する第1の栓体71と、この第1の栓体71に嵌め込まれた第2の栓体73とから構成されている。
第1の栓体71は、その下端部(底部)が第1の弁71aにより閉じられており、内容物の排出に際しては、容器内圧によって、この弁71aは上方に開き、開いた部分を内容物が通るようになっている。
また、第1の栓体71の上方部分には、外方に延びているフランジ71bが設けられており、このフランジ71bの下端がノズル部31の上端面にしっかりと密着することにより、第1の栓体71がノズル部31にしっかりと保持される。
第2の栓体73は、この第1の栓体71の上部開口に嵌め込まれるため、第1の栓体1と同様、筒状形状を有しているが、その上端には、外方に延びている環状形状の第2の弁73aが設けられている。この第2の弁73aは、常態では、キャップ本体51の頂板部55に形成されている開口63を閉じるように位置しているが、内容物の排出終了後には、垂れ下がって開口63を開放し、この開口63を通って空気が流れるようになっている。
即ち、図6を参照して、内袋30bに内容物が充填されている二重構造容器30から内容物を排出するには、逆止弁付キャップ50に設けられている上蓋を開けた後、この容器30の胴部35(外筒体30a)の外面を押圧し、これを凹ませる。これにより、内袋30bも凹まされ、その押圧力により、内袋30b内の内容物は、第1の弁71aを上方に開け、矢線Pに示されているように、中栓53(第1の栓体71及び第2の栓体73)の内部を通り、さらに開口59及び注出筒61を通って外部に排出されることとなる。このように、内袋30b内に充填された内容物は、内袋30bが凹まされた分だけ排出されることとなる。
一方、容器30の胴部35(外筒体30a)の外面の押圧を停止すると、外筒体30aは、元の形態に弾性復帰するが、内袋30bは元の状態に弾性復帰しないため、内袋30bと外筒体30aとの間に、大気圧よりも低い減圧状態の空隙が生じる。このため、第2の栓体73の第2の弁73aが下方に垂れ下がり、開口63が開放され、この結果、矢印Qに示されているように、空気が開口63を通ってノズル部31の外面とキャップ本体51(筒状側壁57)の内面との間を通り、ノズル部31(外筒体30a、外筒プリフォーム1)に形成されている空気導入口7を通り、さらに空隙13(空気流路)から内袋30bと外筒体30aとの間に形成される空隙に空気が導入されることとなる。この状態が図5に示された二重構造容器30内の内袋30bの形態である。
このように、内袋30bと外筒体30aとの間に形成される空隙に空気が導入された後、再び容器30の胴部(外筒体30a)外面を押圧すると、空隙に導入された空気は、第2の弁73aにより開口63が閉じられるために外部に放出されることがなく、従って、内袋30bは空気層を介して押圧されて凹み、この結果、再び、内袋30b内の内容物は、上記と同様、凹まされた分だけ外部に排出されることとなる。
このようにして、内袋30bに充填された内容物は、押圧された凹んだ分ずつ排出されていくわけであるが、内容物が排出された場合にも内袋30b内に空気が導入されることはなく、従って、内容物の酸化劣化が有効に防止され、この内容物の鮮度が有効に保持されることとなる。
しかも、本発明の二重構造容器では、内袋30bの底部が固定部39で外筒体30aの底部にしっかりと固定され且つシールされている。従って、内容物が排出されるに従い、内袋30bが大きく収縮した場合にも内袋30bが外筒体30aの底部から浮いてしまうことがなく、しっかりと外筒体30aの底部に保持された状態が維持されている。このため、内袋30bの収縮により、内容物の排出流路が阻害されることがなく、安定して内容物の排出を行うことができる。
上述した説明から理解されるように、本発明の多重プリフォーム20から形成される二重構造容器30をデラミボトル(エアレスボトル)として利用する際には、外筒体30aは、とくに、その胴部が外部から押圧されたときに凹むが、押圧が解除されたときには、弾性により元の形態に復帰するような厚みに形成される。一方、内袋30bは、薄肉であり、外部からの圧力により容易に凹み、さらに外部からの圧力が解除されたときにも原形に復帰することはない。従って、外筒体30aを形成するための外筒プリフォーム1の延伸成形領域Yでは、ブロー成形により、そのような厚みとなるように厚く形成され、内袋30bを形成するための内筒プリフォーム3の延伸成形領域Yでは、その厚みは薄く設定される。
また、内袋30bをある程度の弾性を有するような厚みに設定し、外筒体30aと内袋30bの間に一定の空気層を設けることで二重構造容器30を断熱ボトルとして利用することも可能である。
本発明において、外筒体30aを形成するための外筒プリフォーム1や内袋30bを形成するための内筒プリフォーム3は、上記のようにブロー成形が可能であるかぎり、種々の熱可塑性樹脂で形成することができる。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、以下のものを例示することができる。
オレフィン系樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体、環状オレフィン共重合体など;
エチレン・ビニル系共重合体、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等;
スチレン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等;
ビニル系樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等;
ポリアミド樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等;
ポリエステル樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びこれらの共重合ポリエステル等;
ポリカーボネート樹脂;
ポリフエニレンオキサイド樹脂;
生分解性樹脂、例えば、ポリ乳酸など;
勿論、成形性が損なわれない限り、これらの熱可塑性樹脂のブレンド物を、下地樹脂として使用することもできる。
本発明において、特に好適に使用される熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂であり、さらに、用途上、外筒体30aと内袋30bの間には空気が流入するため、外筒体30aを形成する外筒プリフォーム1には水分及びガスバリア性は必ずしも必要ではなく、水分及びガスバリア性の低いポリ乳酸も好適に使用することができる。
また、成形される外筒体30aや内袋30bにガスバリア性を付与するために、これらを形成するための外筒プリフォーム1や内筒プリフォーム3を多層構造とすることもできる。
例えば、前述したポリエステル系樹脂やオレフィン系樹脂(或いはポリ乳酸)等から形成された内外層の間に中間層として、エチレンビニルアルコール共重合体(エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物)や芳香族ポリアミドなどのガスバリア性樹脂を用いて形成されるガスバリア層を設けることが好ましく、特にエチレンビニルアルコール共重合体によるガスバリア層を設けることが最も好適である。即ち、中間層としてガスバリア層を設けることにより酸素バリア性を付与することができ、特にエチレンビニルアルコール共重合体は、特に優れた酸素バリア性を示すため、酸素透過による内容物の酸化劣化をも有効に抑制することができ、優れた内容物保存性を確保することができる。
また、上記のようなガスバリア層を設ける場合には、内外層との接着性を高め、デラミネーションを防止するために、接着剤樹脂層を設けることもでき、これにより、中間層のガスバリア層をしっかりと内外層に接着固定することができる。このような接着樹脂層の形成に用いる接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。
本発明においては、特に内袋30bに高い酸素バリア性も付与することが好ましく、従って、内筒プリフォーム3に、上述した多層構造を採用し、外筒体30aを形成する外筒プリフォーム1にはポリ乳酸のようなバイオプラスチックを用いることで性能、環境面ともに好適である。
上述した本発明の多重プリフォーム20から得られる二重構造容器は、長期間にわたって高い鮮度を保持することができ、しかも、内容物を小出しできることから、醤油等の調味液用の容器として極めて有用である。
1:外筒プリフォーム
3:内筒プリフォーム
5:サポートリング
7:空気導入口
9:螺条
11:周状突部
13:空隙
20:多重プリフォーム(本発明の二重構造プリフォーム)
X:固定領域
Y:延伸成形領域
A:嵌合部

Claims (4)

  1. 何れもが試験管形状を有しており且つ別個に成形された外筒プリフォームと内筒プリフォームとからなり、該内筒プリフォームが外筒プリフォームの内部に挿入された二重構造を有していると共に、上部の固定領域と、下部の延伸成形領域とに区画される二重構造容器成形用プリフォームにおいて、
    前記外筒プリフォームの延伸成形領域の下端部中心位置には、内筒プリフォーム固定用孔が設けられており、
    前記内筒プリフォームの延伸成形領域の下端部中心位置には、前記内筒プリフォーム固定用孔に侵入可能な該固定用孔よりも小径の突出部が設けられていると共に、
    前記固定領域には、空隙部と、外部から該空隙部まで空気が流れるように通じている空気導入口が設けられていること、を特徴とする二重構造容器成形用プリフォーム。
  2. 前記突出部は、前記内筒プリフォーム固定用孔に嵌合した状態にある請求項1に記載の二重構造容器成形用プリフォーム。
  3. 前記突出部と前記内筒プリフォーム固定用孔とは離れて位置している請求項1に記載の二重構造容器成形用プリフォーム。
  4. 前記固定領域は、前記外筒プリフォームの内面と前記内筒プリフォームの外面とが密着している嵌合部と、該嵌合部の下側において、該外筒プリフォームの内面と該内筒プリフォームの外面との間に形成されている前記空隙部とを含んでおり、該空隙部は、該固定領域の全周にわたって該固定領域の少なくとも下端にまで延びており、
    前記固定領域に位置する前記外筒プリフォームの壁部に、前記空隙部に通じている前記空気導入口が設けられている請求項1〜3の何れかに記載の二重構造容器成形用プリフォーム。
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