JP6867111B2 - 二重構造容器成形用プリフォーム及び二重構造容器 - Google Patents
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しかるに、ダイレクトブロー成形によりデラミボトルを製造する場合には、溶融押出からボトルの成形までの工程が一挙に行われることから、多数個取りが難しく、生産性が低いため、コストが高いという問題がある。また、ダイレクトブロー成形ではオレフィン系樹脂が使用されることが多く、透明性が低いため内容物の視認性に難がある。
例えば、特許文献1〜3に開示されている延伸ブロー成形による二重構造容器の製造法は、デラミボトルを製造する方法である。
前記固定領域は、前記外筒プリフォームの内面と前記内筒プリフォームの外面とが密着している嵌合部と、該嵌合部の下側において、該外筒プリフォームの内面と該内筒プリフォームの外面との間に形成されている空隙部とを含んでおり、該空隙部は、該固定領域の全周にわたって且つ該固定領域の少なくとも下端にまで延びていると共に、
前記固定領域における外筒プリフォームの壁部には、前記空隙部に通じている空気導入口が設けられていること、
を特徴とするデラミボトル成形用プリフォームが提供される。
なお、以下の説明において、二重構造容器は、全てデラミボトルを意味する。
(1)前記固定領域内に位置する前記内筒プリフォームの上部外面には、キャップ固定用突起と、外筒プリフォームの上端の位置を規制するための周状突部とが形成されており、該周状突部は、該キャップ固定突起の下側に位置していること、
(2)前記固定領域内に位置する前記内筒プリフォームの上部外面には、キャップを嵌合固定し且つ外筒プリフォームの上端の位置を規制するための大径突部が形成されていること、
(3)前記固定領域内に位置する前記外筒プリフォームの上部外面には、サポートリングが形成されていること、
(4)前記外筒プリフォームの前記空気導入口よりも下側から、前記サポートリングとの間の位置で、逆止弁付キャップの下方部分が密着し、これにより、前記空気導入口への空気流路が規制されること、
が好適である。
前記上部領域は、前記外筒体の内面と前記内袋の外面とが密着している嵌合部と、該嵌合部の下側において、該外筒体の内面と該内袋の外面との間に形成されている空隙部とを含んでおり、該空隙部は、該上部領域の全周にわたって且つ上部領域の少なくとも下端にまで延びていると共に、
前記上部領域における外筒体の壁部には、前記空隙部に通じている空気導入口が設けられており、
前記内袋は、前記内容物が充填されていない状態にあること、
を特徴とするデラミボトルが提供される。
このデラミボトルは、内袋に内容物が充填されていないことから理解されるように、成形直後の空ボトルであり、これに内容物が充填されて使用に供される。
即ち、本発明の二重構造容器成形用プリフォームにおいては、外筒プリフォームに空気導入口が必要であることを除けば、これを形成する外筒プリフォーム及び内筒プリフォームが何れもシンプルな形態を有しており、通常の延伸ブロー容器のプリフォームの大きさ(内径や外径)が適宜変更されているに過ぎず、容易に成形される外筒プリフォームと内筒プリフォームとを使用し、内筒プリフォームを外筒プリフォームの内部に挿入して嵌合固定するという単純な作業によって容易に製造される。加えて、形態がシンプルであることから金型構造が単純でよくコストの低減にも寄与する。
この外筒プリフォーム1は、後述する二重構造容器の外筒体に相当するものであり、内筒プリフォーム3は、二重構造容器の内袋に相当し、この内袋の内部に容器内容物が充填される。
また、上記の固定領域X内には、外筒プリフォーム1の内面と内筒プリフォーム3の外面とが密着している嵌合部Aが存在する。
また、この周状突部11は、空気導入口7への空気導入路を確保するため、外筒プリフォーム1のサポートリング5よりも小さく、サポートリング5が周状突部11よりも大径となっている。
この空隙13は、周方向の全体にわたって形成されており、かかる空隙13は、空気導入口7に通じている。即ち、この空隙13は、大気中から空気導入口7を通して外筒プリフォーム1の内面と内筒プリフォーム3の外面との間、具体的には、この多重プリフォーム20をブロー成形して得られる二重構造容器における外筒体と内袋との間の空間に空気を導入するための空気導入路として機能する。
従って、延伸成形領域Yに形成される空隙13は、ベントが有効に行われる程度の微小な間隙でよい。
即ち、外筒プリフォーム1及び内筒プリフォーム3が上記のような形態を有しているため、内筒プリフォーム3を外筒プリフォーム3の内部にスムーズに挿入し、図1(a)に示すように、外筒プリフォーム1と内筒プリフォーム3とが安定に保持された多重プリフォーム20を組み合立てることが可能となる。
また、嵌合部Aの嵌合の程度は、外筒プリフォーム1及び内筒プリフォーム3の芯の位置が定まる程度からしまりばめ状に完全に固定された状態まで、目的や成形上の都合に応じて適宜設定すればよい。
従って、本発明は、生産性、量産性、コストダウンの点で、極めて有利である。
即ち、全体として50で示されている逆止弁付キャップは、従来公知の構造を有しているものでよく、例えば、ノズル部31に被せられているキャップ本体51と、ノズル部31の上端の開口部に嵌め込まれている中栓53とを備えている。
尚、図4では省略されているが、キャップ本体51には、通常、上蓋はヒンジ連結されており、この上蓋を開放した状態で内容物の排出が行われる。
頂板部55には、中央部に内容物注出用の開口59が形成されており、この開口59の周縁から、注ぎ出される内容物の案内となる注出筒61が上方に延びている。また、この頂板部55には、注出筒61の外側となる位置に、空気導入用の開口63が形成されている。
さらに、筒状側壁57の内面には、二重結合容器30のノズル部31(内筒用プリフォーム3の固定領域X)の外面に設けられている螺条9と係合する螺子突起65が形成されており、螺条9と螺子突起65との螺子係合により、このキャップ本体51は、ノズル部31に被せられた状態で安定に保持される。
尚、螺条9および螺子突起65はそのどちらか、あるいは両側が断続的に切りかかれており、互いが係合している状態であっても、切り欠かれた部分を空気が流れるようになっている。また、筒状側壁55の下方部分は、その内面がノズル部31(外筒プリフォーム1の固定領域)のサポートリング5の上面から周縁部分にかけて密着しており、この部分から空気が漏洩しないようにされている。勿論、筒状側壁55の下方部分は、空気導入口7よりも下側の部分でノズル部31の外面(外筒プリフォーム1の固定領域)に密着していればよく、例えば外筒プリフォーム1の空気導入口7よりも下側かつサポートリングより上方に空気流路規制用の周状突起を設置し、ここで筒状側壁55の下方部分と密着していてもよい。
また、第1の栓体71の上方部分には、外方に延びているフランジ71bが設けられており、このフランジ71bの下端がノズル部31の上端面にしっかりと密着することにより、第1の栓体71がノズル部31にしっかりと保持される。
また、内袋43をある程度の弾性を有するような厚みに設定し、外筒体と41と内袋43の間に一定の空気層を設けることで二重構造容器30を断熱ボトルとして利用することも可能である。
このような形態の二重構造容器形成用プリフォームでは、図5に示されているように、内筒プリフォーム3の上端部に大径突部80が形成されており、キャップを嵌め込んだ時、この大径突部80の外面にキャップのスカート内面が密着する構造となっている。この場合、外筒プリフォーム1の上端は、上記の大径突部80の下面に当接することにより、その上端位置が規制される。即ち、大径突部80は、キャップを嵌合固定する機能と外筒プリフォーム1の上端を規制する機能とを兼用している。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、以下のものを例示することができる。
オレフィン系樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体、環状オレフィン共重合体など;
エチレン・ビニル系共重合体、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等;
スチレン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等;
ビニル系樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等;
ポリアミド樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等;
ポリエステル樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びこれらの共重合ポリエステル等;
ポリカーボネート樹脂;
ポリフエニレンオキサイド樹脂;
生分解性樹脂、例えば、ポリ乳酸など;
勿論、成形性が損なわれない限り、これらの熱可塑性樹脂のブレンド物を、下地樹脂として使用することもできる。
本発明において、特に好適に使用される熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂であり、さらに、用途上外筒体41と内袋43の間には空気が流入するため、外筒体41を形成する外筒プリフォーム1には水分及びガスバリア性は必ずしも必要ではなく、水分及びガスバリア性の低いポリ乳酸も好適に使用することができる。
例えば、前述したポリエステル系樹脂やオレフィン系樹脂(或いはポリ乳酸)等から形成された内外層の間に中間層として、エチレンビニルアルコール共重合体(エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物)や芳香族ポリアミドなどのガスバリア性樹脂を用いて形成されるガスバリア層を設けることが好ましく、特にエチレンビニルアルコール共重合体によるガスバリア層を設けることが最も好適である。即ち、中間層としてガスバリア層を設けることにより酸素バリア性を付与することができ、特にエチレンビニルアルコール共重合体は、特に優れた酸素バリア性を示すため、酸素透過による内容物の酸化劣化をも有効に抑制することができ、優れた内容物保存性を確保することができる。
3:内筒プリフォーム
5:サポートリング
7:空気導入口
9:螺条
11:周状突部
13:空隙
20:多重プリフォーム(本発明の二重構造プリフォーム)
X:固定領域
Y:延伸成形領域
A:嵌合部
Claims (6)
- 何れもが試験管形状を有している外筒プリフォームと内筒プリフォームとからなり、該内筒プリフォームが外筒プリフォームの内部に挿入された二重構造を有していると共に、上部の固定領域と、下部の延伸成形領域とに区画されるデラミボトル成形用プリフォームにおいて、
前記固定領域は、前記外筒プリフォームの内面と前記内筒プリフォームの外面とが密着している嵌合部と、該嵌合部の下側において、該外筒プリフォームの内面と該内筒プリフォームの外面との間に形成されている空隙部とを含んでおり、該空隙部は、該固定領域の全周にわたって且つ該固定領域の少なくとも下端にまで延びていると共に、
前記固定領域における外筒プリフォームの壁部には、前記空隙部に通じている空気導入口が設けられていること、
を特徴とするデラミボトル成形用プリフォーム。 - 前記固定領域内に位置する前記内筒プリフォームの上部外面には、キャップ固定用突起と、外筒プリフォームの上端の位置を規制するための周状突部とが形成されており、該周状突部は、該キャップ固定突起の下側に位置している請求項1に記載のデラミボトル成形用プリフォーム。
- 前記固定領域内に位置する前記内筒プリフォームの上部外面には、キャップを嵌合固定し且つ外筒プリフォームの上端の位置を規制するための大径突部が形成されている請求項1に記載のデラミボトル成形用プリフォーム。
- 前記固定領域内に位置する前記外筒プリフォームの上部外面には、サポートリングが形成されている請求項2又は3に記載のデラミボトル成形用プリフォーム。
- 前記外筒プリフォームの前記空気導入口よりも下側から、前記サポートリングとの間の位置で、逆止弁付キャップの下方部分が密着し、これにより、前記空気導入口への空気流路が規制される請求項4に記載のデラミボトル成形用プリフォーム。
- 外筒体と、内容物が充填される内袋とからなり、該内袋が該外筒体の内部に挿入された二重構造を有していると共に、延伸成形されていない上部領域と、延伸成形により形成された下部領域とに区画され、該上部領域はノズル部から成り、該下部領域は、肩部、胴部および底部から成っているデラミボトルにおいて、
前記上部領域は、前記外筒体の内面と前記内袋の外面とが密着している嵌合部と、該嵌合部の下側において、該外筒体の内面と該内袋の外面との間に形成されている空隙部とを含んでおり、該空隙部は、該上部領域の全周にわたって且つ上部領域の少なくとも下端にまで延びていると共に、
前記上部領域における外筒体の壁部には、前記空隙部に通じている空気導入口が設けられており、
前記内袋は、前記内容物が充填されていない状態にあること、
を特徴とするデラミボトル。
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