JPH11292076A - 内側層が剥離可能な積層容器とその成形方法 - Google Patents

内側層が剥離可能な積層容器とその成形方法

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JPH11292076A
JPH11292076A JP11626398A JP11626398A JPH11292076A JP H11292076 A JPH11292076 A JP H11292076A JP 11626398 A JP11626398 A JP 11626398A JP 11626398 A JP11626398 A JP 11626398A JP H11292076 A JPH11292076 A JP H11292076A
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hollow container
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JP11626398A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Yokoyama
敏之 横山
Shinsaku Nakazato
槙作 中里
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Yoshino Kogyosho Co Ltd
Original Assignee
Yoshino Kogyosho Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器の内部が減圧状態になっても、内側層が
外側層から剥離して収縮、変形することにより容器の外
形は変形することがなくて、自立可能な密封容器を、少
なくとも内外の2層構造で密封積層容器を形成する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を射出成形して外側層部分
2aと内側層部分3aとを別々に成形したしたものを積
層一体化してプリフォーム1Aを形成して、該プリフォ
ームを2軸延伸ブロー成形して2層構造からなる積層中
空容器1を成形することにより、前記外側層と内側層前
記外側層と内側層との間には接着剤等による接着部を設
けることなしに、且つ、前記外層壁に大気導入孔4が設
けておいて、容器の内部が減圧状態になった場合に、該
中空容器の外側層から内側層が容易に剥離して収縮可能
な積層壁から構成された密封積層中空容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本願発明は、内側の層と外側
の層とが容易に剥離可能な密封積層容器に関わり、特
に、容器の内部が減圧状態になった場合に、容器の外形
を維持する外側層と、外側層から剥離して収縮、変形す
る内側層との少なくとも2層を積層した複層壁で構成さ
れた自立可能な密封積層容器とその成形方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から使用されている合成樹脂からな
る密封積層容器としては、保存時に容器内の気体が蒸散
したり、また逆に、大気中の酸素が容器内に浸透したり
して、容器に収容した内容物が変質することがないよう
に、内側層には気体を遮断する機能を有するガスバリヤ
ー性の樹脂を用いて、外側層には耐衝撃や機械的強度に
優れていて、容器の外形を維持する機能を有する樹脂を
用いて構成したものや、内側層に人体に有害な可塑剤等
を含有しない樹脂を用いて積層した密封容器が知られて
いる。そして、これら従来の積層容器は、内層と外層と
を積層するのに、押出し溶着や接着剤等により接着した
積層体で構成された長期保存に耐えれるような構造をし
たものであった。
【0003】しかし、このような従来の密封積層容器
は、内外層が互いに接着した状態にある積層体から構成
されたものであるから、使用により内容物が減少するの
に伴って容器内が減圧状態となると、外気圧により圧迫
されて容器の外観が変形して見栄えが損なわれるように
なるので製品価値が低く評価されるし、また、内容物を
最後まで使用するには、容器を外側から強い力で押し潰
すようにして変形させて注出しなくてはならず、変形し
た容器はその内壁面が凹凸状になって内容物が付着して
残留し易くなるので、無駄なく最後まで内容物を使い切
ることは非常に困難であった。
【0004】そこで、上記のような特質を備えた積層容
器に於いて、容器の外形が変形しないような構造に改良
したものとして、従来から特開平4−339759号公
報や特開平6−345069号公報等に記載されている
ような容器が一般に知られている。これらの積層容器
は、容器の口頸部分で内側層と外側層との一部を接着す
ると共に、胴部では内側層と外側層とは剥離自在になる
ようにして積層容器を成形して、使用や蒸散に伴って内
容物が減少して容器内が減圧状態になった場合には、内
側層が外側層から剥離して収縮するようにして、容器の
外形は変形しないような構造をしたものである。
【0005】しかし、上記特開平4−339759号公
報記載のものは、容器の口頸部または胴部に於いて、内
側層と外側層が接する一部分を接着せしめたものである
から、内圧の減少により内側層が剥離して収縮する際に
外側層も一部が引っ張られて変形する場合があるので、
外側層がそれに耐え得るような構造にしておかなければ
ならない。
【0006】また、特開平6−345069号公報記載
の容器を成形するには、ブロー成形金型と共にブロー装
置のマンドレル部の形状を口頸部の形状に合わせた特別
な構造をしたものでなければならないので、容器の種類
や大きさごとにその係合部の形状に合わせたマンドレル
等を準備しなければならず、通常の押し出しブロー成形
機では間に合わないので、生産コストが高くなることは
避けられない。
【0007】更に、上記したような従来の積層容器に於
いては、内側層のみが収縮変形して外層から容易に剥離
できるようにするための外気の導入孔を設けるのに、押
出し成形または射出成形により多層状に成形した筒状の
パリソンまたはプリフォームをブロー成形して中空容器
に成形した後で、該中空容器の外側層の一部に外気導入
用の開口部を穿孔しなければならないが、このような一
度成形した積層中空容器の外側層に後加工を施して穿孔
するには、細心の注意が必要であり、非常に面倒な作業
を行わなければならないので、生産性を上げることが困
難である。
【0008】更に、上記したいずれの積層中空容器も、
内側層と外側層とを同時に押し出して一体に成形する共
押し出し成形により成形したパリソンを直接ブロー成形
したものであり(所謂、ダイレクトブロー法)、また、
ブロー成形した後で容器の口部を仕上げ加工する必要が
あるから、容器を構成する内側層の材質と外側層の材質
とを組み合わせる条件や共押し出し成形するための条件
等により種々の制限を受けたものである。また、このよ
うなダイレクトブロー法により成形された中空容器は、
容器の円周方向の延伸加工は充分に行われているが、軸
方向の延伸加工はほとんど行うことができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来から知られている
積層容器を成形するには、外側層と内側層とを積層する
のに接着剤等の接着手段を施さなければならないので、
中空容器に成形するのに手間が掛かり、また、外側層の
部分に大気導入孔を形成するのに後加工を施す必要であ
るので、成形工程が複雑になり、生産性が悪い等の問題
がある。また、積層容器を成形する積層状のプリフォー
ムまたはパリソンの外側層及び内側層を形成する合成樹
脂の材質を、共押し出し成形による積層パリソンが成形
可能なものに選択しなければならないので、内側層と外
側層との材質を組み合わせる点で色々と制限を受ける。
【0010】本願発明は、積層容器に於ける上記したよ
うな従来の欠点を解決しようとするものであって、積層
容器を、内側層と外側層とが接着剤等により接着される
こともなく、内側層を形成する材質と外側層を形成する
材質とを組み合わせる点で、従来のように制限を受ける
ことなく、もっと幅広い材料の選択ができて、剥離可能
に積層したプリフォームから成形することができて、成
形された積層容器は、内部が減圧状態になった時には、
外形が変形するのを確実に防ぐことができて、且つ、生
産性も高くて、外側層と内側層とが簡単に剥離すること
ができる積層中空容器を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】積層容器の外側層となる
プリフォーム片と内側層となるプリフォーム片とを、互
いに剥離し易い熱可塑性合成樹脂あるいは同類の熱可塑
性合成樹脂を射出成形により別々に成形したものを、接
着剤を用いることなしに積層せしめて形成してなる積層
プリフォームを、2軸延伸ブロー成形装置により、ブロ
ー成形が可能な温度に加熱した後、2軸延伸ブロー成形
して、外側層と内側層とが簡単に剥離可能な積層中空容
器に成形する。
【0012】
【発明の実施の形態】積層容器の内側層を形成するプリ
フォーム片を、無毒性あるいはガス遮断性等の性質を有
する熱可塑性樹脂を用いて射出成形により所定形状に成
形して、また一方で、前記プリフォーム片に重ね合わせ
られるように所定形状をして、且つ、外気導入用の小孔
を形成した積層容器の外側層を形成するプリフォーム片
を、耐衝撃性や機械的強度を有すると共に内側層に対し
て剥離を有する熱可塑性樹脂を用いて射出成形により別
体に成形しておいたものを、プリフォーム成形装置によ
り前記外側層プリフォーム片に内側層プリフォーム片を
重ね合わせるように嵌合、圧着して一体に積層してなる
2軸延伸ブロー成形が可能な積層プリフォームを準備す
る。
【0013】続いて、前記積層プリフォームを2軸延伸
ブロー成形装置に供給して、該積層層プリフォームをブ
ロー成形が可能な温度に加熱してから、該プリフォーム
をブロー成形金型内に保持して2軸延伸ブロー成形操作
を行って所定形状をした積層中空容器に成形することに
より、容器の口頸部が密着すると共に内側層と外側層と
が容易に剥離することができる2軸延伸された積層中空
容器を成形する。そして、このようにして形成された積
層中空容器には、所定の内容物が充填されて蓋体等によ
り密封されて注出使用が可能な製品となる。
【0014】
【実施例】以下、本願発明の積層中空容器について、最
適ないくつかの実施例に基づいて図面を参照しつつ説明
する。図1に示す中空容器は、本願発明の第1の実施例
を示す壜形状をした密封用の積層中空容器1である。前
記中空容器は、射出成形により形成したプリフォーム片
を積層して形成してなる積層プリフォームを2軸延伸ブ
ロー成形した外側層2と剥離可能な内側層3とから構成
されていて、口頸部にはネジ蓋を螺合するためのねじ部
5が形成されており、該容器の底部は、外側層2に大気
導入孔4が設けられた中央部分がやや内側へ窪んで、内
側層3が損傷するのを防止して、自立可能な底面に形成
されて、中空容器内に密封状態に収容されている内容物
が、蒸散したり、使用に供されたりして減少して、容器
の内部が減圧状態になった場合には、外側層2から内側
層3が簡単に剥離できるような層構成をしている。
【0015】図1に示すような積層容器1を成形するに
は、図9に示すような積層プリフォーム1Aを用いるの
が適している。図に示す積層プリフォーム1Aは、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)樹脂を射出成形し
て、最終製品に合わせて所定形状をした筒状に成形する
と共に口頸部にねじ部3bやネックリングを形成した内
側層となるプリフォーム片3aを成形して、また、別途
ポリアクリレート樹脂(Uポリマー)を射出成形して、
前記内側層プリフォーム片3aに嵌合、積層可能な形状
に成形すると共に底部に小孔を形成した外側層となるプ
リフォーム片2aをして、両プリフォーム片を重ね合わ
さるよう嵌合、圧着して一体に積層せしめて形成したも
のである。
【0016】このようにして成形した積層プリフォーム
1Aを、一般的に知られている2軸延伸ブロー成形装置
により延伸可能な温度に加熱してから、通常行っている
2軸延伸ブロー成形操作を施すことにより容易に剥離可
能な積層中空容器に成形することができる。
【0017】然して、上記のような構成をした積層中空
容器1は、その内部に化粧料その他の内容液を充填して
から、図2に示したように、内部に注出ポンプ7をセッ
トして口頸部のネジ部5に蓋部分7cを螺合せしめて完
全に密封されて製品となるが、使用に際して注出ポンプ
7のヘッド7aを押圧操作して吸上げパイプ7bを通し
て内容液を注出せしめると、容器の内部が次第に減圧状
態となって内側層3が簡単に剥離して収縮すると同時に
大気導入孔4から空気が流入するので、容器の内側層3
は変形するが、外側層2は変形しないので、容器の外形
は損なわれることがない。
【0018】図3に示す中空容器は、本願発明の第2の
実施例として広口壜の形状に成形した積層中空容器21
である。前記中空容器21は、射出成形したプリフォー
ム片を積層した積層プリフォームからブロー成形してな
るもので、外側層22と内側層23との間に中間層25
が設けられており、容器の開口端はフランジ状に平坦に
形成され、また、該容器の底部は、中央部分がやや内側
に湾曲されて、外側層22に大気導入孔24が設けられ
て自立可能な形状に成形されていて、容器の開口部は合
成樹脂フィルムやシート等からなる密封蓋体を接着した
り、あるいは栓形状をした密封蓋体を嵌合したりして密
封可能な形状をしている。
【0019】このような広口壜の形状をした積層中空容
器21を成形するには、図10に示すような、最終製品
に合わせた大きさのお碗形をした内側層となるプリフォ
ーム片23aと、これに嵌合可能な外側層となるプリフ
ォーム片22aとを、それぞれ熱可塑性樹脂の射出成形
により成形したものを重ね合わせて圧着せしめて積層一
体化して、縁部22cを平坦なフランジ状に形成すると
共に外側層プリフォーム片の底部に大気導入用の小孔2
2bが形成された構造にした積層プリフォーム21Aを
用いてブロー成形するのが適している。
【0020】上記のような構成をした積層中空容器21
は、その内部に化粧料その他の内容液を充填してから、
図4に示したように、注出ノズル27をセットして口頸
部に栓体部分27cを嵌合して完全に密封せしめて製品
となした後、使用に際して容器の側壁面を矢印で示すよ
うに押圧すると、吸上げパイプ27b通して内容液がノ
ズル27aから注出されるので、容器21の内部は次第
に減圧状態となって、内側層23が中間層25から簡単
に剥離して収縮すると同時に大気導入孔24から空気が
流入して、容器の内側層23は変形するが、容器の外形
は変形しないので、容器の見栄えが損なわれることはな
い。
【0021】図5に示した中空容器は、本願発明の第3
の実施例としてコップ状に成形した広口の積層中空容器
31である。この中空容器31は、射出プリフォーム片
からなる積層プリフォームをブロー成形して、開口端部
に係合段部35aを形成した剥離可能な内側層33と外
側層32とを嵌合、積層した構造をしたコップ状に形成
されていて、前記容器の開口端部には、フィルムやシー
ト片36を溶着して密封可能な平坦面35bが成形され
ており、また、前記開口端の係合段部には、板状の蓋体
を嵌合して密封することも可能であり、そして、容器の
底部は、内側に湾曲して自立可能な形状をしていて、外
側層32部分には大気導入孔34が設けられている。
【0022】このように形成された中空容器31の内部
に密封状態に収容されている内容物が、蒸散したり、あ
るいは、使用に供されたりして減少して、容器の内部が
減圧状態になった場合には、内側層33のみが収縮、変
形すると同時に、大気導入孔34から積層間に空気が侵
入して内側層33が外側層32から容易に剥離できるよ
うな層構成をしている。
【0023】このようなコップ形状をした積層中空容器
31を成形するには、図11示すような、お皿形状をし
た内側層プリフォーム片33aと、該内側層プリフォー
ム片33aに嵌合可能な外側層プリフォーム片32aと
を、それぞれ熱可塑性樹脂の射出成形により成形したも
のを、重ね合わせて圧着、積層して、縁部にフランジ部
33cを設けると共に、外側層プリフォーム片に大気導
入孔となる小孔32bを設けた構造をした積層プリフォ
ーム31Aを用いてブロー成形するのが適している。
【0024】上記のような構成をした積層中空容器31
に、飲料液体その他の内容物を充填して、開口部にフィ
ルム等36を溶着して密封したものを、図6に示したよ
うに、吸引ストロー37をセットして吸引して飲用に供
すると、容器21の内部は次第に減圧状態となって、内
側層33が外側層32から簡単に剥離して収縮すると同
時に大気導入孔34から空気が流入して、容器の内側層
33は収縮変形して吸引ストロー37の先端部は常に内
容物の中にあって、容器の外形は変形しないので、容器
の内容物を完全に吸い出すことができる。
【0025】上記した実施例は、いずれも密封状態にし
て使用する注出容器に関するものであったが、本願発明
の容器は、このような注出容器として使用するものに限
らず、加熱充填容器として使用することも可能である。
従来から用いられているジュース等を高温下で充填する
加熱充填容器としては、主にポリエチレンテレフタレー
ト(PET)樹脂からなる容器が使用されているが、こ
れら加熱充填容器は、加熱充填した後で冷却されると内
容積が収縮するので、容器が変形するのを防止しなけれ
ばならない、そのために従来の容器の胴壁部には減圧吸
収パネル部が設けて防止する方法が採られている。
【0026】しかし、上記した減圧吸収パネルを設けた
PET樹脂製の加熱充填容器としては、現在のところ容
量が500cc 以上の大型容器に限られており、500cc 以下
の小型の容器は見当たらない。それは、容器の胴壁部に
減圧吸収パネルを設けるには、パネル部分の面積は容器
の大きさや表面積に対する割合等の条件から決定される
ので、500cc 以下の小型容器は表面積が小さいので、パ
ネル部を設けるには、容器壁が複雑なものとなり非常に
困難であったが、本願発明の積層容器にすれば、500cc
以下の小形容器であっても加熱充填容器として使用する
ことが可能なものができる。
【0027】また、耐熱性を持たせるためには、PET
樹脂容器はブロー成形した後でヒートセットを施さなく
てはならないので、成形方法が複雑であるが、本願発明
の積層容器に於いては、内外側層に耐熱性を有する樹脂
を自由に選択することができるので(例えば、加熱充填
用では内層に耐熱性樹脂を用いる)、成形方法が簡単で
ある。
【0028】そこで、本願発明の積層容器を加熱充填容
器として用いる場合について、実施例に基づいて説明す
る。図7に示したものは、500cc 以下のねじ45付きの
壜形の積層容器41にドリンク剤やジュースを加熱充填
して蓋46により密封したもので、充填後に容器が冷却
されると内容積が縮小するので、それに伴って内側層4
3が外側層42から剥離すると同時に、大気導入孔44
から空気が内外層間に流入して内側層43のみが収縮変
形するが、容器の外形は変形することはない。
【0029】図8に示したものは、コップ状をした積層
容器51にジャム等の食品や乳飲料等を密封充填したも
ので、充填した後で加熱殺菌処理を施してから容器が冷
却されると、内容積が縮小するので、外側層52から内
側層53が剥離すると同時に大気導入孔54から空気が
流入して内側層53のみが収縮変形するが、容器の外形
は変形することがない。
【0030】本願発明の積層中空容器に於いて各層を構
成する合成樹脂材料としては、2層構造とする場合に
は、外側層として、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(P
S)、ポリプロピレン(PP)、再生ポリエチレンテレ
フタレート(R−PET)等を採用して、また、内側層
として、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリア
リレート(PA)、PET、PP、高密度ポリエチレン
(HDPE)等を採用して、射出成形によりそれぞれを
外側層プリフォーム片と内側層プリフォーム片とに成形
するが、その際、一般的に外側層は肉厚に成形して剛性
を付与して、内側層は肉薄に成形して柔軟性を付与して
おくのが望ましい。
【0031】そして、これらプリフォーム片を、PET
(外側)/PEN(内側)となるように組み合わせて積
層プリフォームを形成したものを、2軸延伸ブロー成形
装置により中空容器にブロー成形した。同様に、PET
(外側)/PA(内側)、PC/PEN、PC/PE
T、PS/PP、PP/HDPE、PS/HDPE、R
−PET/PEN、R−PET/PA、R−PET/P
ET等の組み合わせによる積層プリフォームを形成した
ものを、2軸延伸ブロー成形装置により中空容器にブロ
ー成形した。その結果、上記のいずれの積層プリフォー
ムから成形した中空容器も外側層と内側層との間の剥が
れ具合が良好であった。
【0032】また、内側層プリフォーム片を成形するの
に共射出成形法を用いて成形することにより、以下のよ
うな内側層プリフォーム片を得ることができる。 (1) (内側)PET/接着層/EV0H/接着層/P
ET(外側) (2) (内側)PET/接着層/EV0H/接着層/R
−PET(外側) (3) (内側)PP/接着層/EV0H/接着層/PP
(外側) (4) (内側)PET/接着層/EV0H/接着層/P
A(外側) そして、上記のような構成をした内側層プリフォーム片
に外側層プリフォーム片を積層することにより、 (1)/
PC、 (2)/PC、 (3)/PS、 (4)/PET、 (4)/
R−PET 等の層構成をした積層プリフォームを成形
した後、該プリフォームを2軸延伸ブロー成形して得ら
れた中空容器は、その中間部にEV0H(ポリエチレン
ビニールアルコール)層を有するので非常にガスバリア
ー性に優れたものとなる。
【0033】尚、上記した図1に示した壜形の積層中空
容器1は、ネジ蓋等を螺合して密封するので口頸部にね
じ部5が形成されているが、容器を密封するのにネジ蓋
等を用いる代わりに、口頸部に栓体を嵌合したり蓋体を
溶着したりして容器を密封する場合には、口頸部にねじ
部が設けていない積層プリフォームを用いてブロー成形
すれば、口頸部にねじ部のない積層中空容器を得ること
ができる。
【0034】また、これとは逆に、図3に示す広口瓶形
の積層中空容器や図5に示すコップ形の積層容器には、
口頸部の外周にねじ部が設けられていないが、図1に示
す容器と同様に、内側層となるプリフォーム片を射出成
形する際に、口頸部となる部分の外周面にねじ部を形成
したプリフォームを2軸延伸ブロー成形することにより
容易にねじ付きの中空容器を得ることが可能である。
【0035】上記した積層中空容器に於いて、積層容器
に設けた大気導入孔は、外側層となるプリフォーム片を
射出成形により成形する際に、外側層プリフォーム片の
底部に小孔を設けおいて成形したものであるが、本願発
明に於ける大気導入用の小孔は、このように構成したも
のに限られるものではなくて、内側層と外側層とが係合
する端部に小さな溝状に形成しておいても良いし、ま
た、外側層プリフォーム片を成形した後で、外側層プリ
フォーム片の適当な部分に小孔を形成しても良いが、外
側層プリフォーム片の成形と同時の方が、安全で、且
つ、容易に穿孔することができる。また、容器の大気導
入孔となる小孔を設ける位置は、容器の底部に限られる
ものではなく、側壁部分であってもよいし、また、内側
層と外側層とが係合している開口端部に細い溝を設けて
おいてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本願の発明は、内
側層プリフォーム片と外側層プリフォーム片とを射出成
形により別々に成形したものを嵌合、積層した積層プリ
フォームからブロー成形した積層中空容器であるから、
内側層と外側層とを構成する材料を組み合わせる選択幅
が広くて、同類の合成樹脂を組み合わせて構成すること
も可能であり、成形温度差が少ない合成樹脂であれば、
色々な材料を組み合わせて成形することができて、生産
コストを低く抑えることができ、且つ、生産性を高める
ことができる。
【0037】本願発明の積層容器は、内側層と外側層と
の間に接着層を用いていないので、使用後に廃棄した容
器を回収して再使用する場合に、内側層と外側層とを容
易に分離することができて、分離した原料に異なる材質
のもが混入することかないので、資源の再利用を容易に
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の積層容器を示す第1の実施例の縦断
面図である。
【図2】図1に示した積層容器の使用形態を示す縦断面
図である。
【図3】本願発明の積層容器を示す第2の実施例の縦断
面図である。
【図4】図3に示した積層容器の使用形態を示す縦断面
図である。
【図5】本願発明の積層容器を示す第3の実施例の縦断
面図である。
【図6】図5に示した積層容器の使用形態を示す縦断面
図である。
【図7】本願発明の第1の実施例の容器を加熱充填容器
に用いた縦断面図である。
【図8】本願発明の第3の実施例の容器を加熱充填容器
に用いた縦断面図である。
【図9】本願発明の第1実施例の容器を成形するプリフ
ォームの縦断面図である。
【図10】本願発明の第2実施例の容器を成形するプリ
フォームの縦断面図である。
【図11】本願発明の第3実施例の容器を成形するプリ
フォームの縦断面図である。
【符号の説明】
1. 積層容器 2. 外側層 3. 内側層 4. 大気導入孔 5. ネジ部 7. 注出ポンプ 7a. ヘッド 7b. 吸上げ管 7c. 蓋部 21. 積層容器 22. 外側層 23. 内側層 24. 大気導入孔 25. 中間層 27 注出ノズル 27a.ノズル 27b.吸上げ管 37 吸引ストロー 1A,21A,31A.積層プリフォーム 2b,22b,32b.小孔

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を射出成形して別々に成形
    した外側層と内側層とを積層一体化したプリフォームか
    ら2軸延伸ブロー成形されてなる少なくとも2層構造を
    した積層中空容器であって、該中空容器の胴部は外側層
    とこれに接する内側層とが容易に剥離可能な積層壁で構
    成されていて、前記外側層と内側層前記外側層と内側層
    との間には接着剤による接着部や樹脂溶着部等が設けら
    れておらず、且つ、前記積層壁には大気導入孔が設けら
    れていることを特徴とする内側層が剥離可能な積層中空
    容器。
  2. 【請求項2】 前記積層中空容器は、底部の中央部分が
    内側へ湾曲して自立可能に成形されていることを特徴と
    する請求項1に記載する積層中空容器。
  3. 【請求項3】 前記積層中空容器は、壜形状に成形され
    てなることを特徴とする請求項1乃至2に記載する積層
    中空容器。
  4. 【請求項4】 前記積層中空容器は、広口壜の形状に成
    形されてなることを特徴とする請求項1乃至2に記載す
    る積層中空容器。
  5. 【請求項5】 前記積層中空容器は、コップの形状に成
    形されてなることを特徴とする請求項1乃至2に記載す
    る積層中空容器。
  6. 【請求項6】 前記積層中空容器は、内側層の先端部が
    外側層の端部よりも突出して口頸部を形成し、該口頸部
    の外周部に蓋体を螺合するネジ山が形成されていること
    を特徴とする請求項1乃至5に記載する積層中空容器。
  7. 【請求項7】 前記大気導入孔は、積層容器の底部の外
    側層に穿孔されていることを特徴とする請求項1乃至6
    に記載する積層中空容器。
  8. 【請求項8】 前記大気導入孔は、積層容器の底壁部分
    の外側層に穿孔されていることを特徴とする請求項1乃
    至6に記載する積層中空容器。
  9. 【請求項9】 前記大気導入孔は、積層容器の開口端部
    の嵌合積層面に細溝状に形成されていることを特徴とす
    る請求項1乃至6に記載する積層中空容器。
  10. 【請求項10】 熱可塑性樹脂を射出成形して別々に成
    形した、容器の形状に適合した所定形状の内側層となる
    プリフォーム片と、前記プリフォーム片に嵌合可能な形
    状の外側層となるプリフォーム片とを嵌合して積層一体
    化すると共に、大気導入孔となる小孔を形成してなる積
    層プリフォームを、2軸延伸ブロー成形装置によりブロ
    ー可能な温度に加熱した後、2軸延伸ブロー成形操作を
    行って、外側層から内側層が剥離可能な積層中空容器を
    成形する方法。
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