JP2020152421A - 複合容器 - Google Patents

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Wakako Sento
和佳子 仙頭
量哉 広瀬
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量哉 広瀬
章智 関根
Akitomo Sekine
章智 関根
琢磨 宮脇
Takuma Miyawaki
琢磨 宮脇
勇介 須賀
Yusuke Suga
勇介 須賀
潮美 中川
Shiomi Nakagawa
潮美 中川
峻 石川
Shun ISHIKAWA
峻 石川
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Abstract

【課題】 本発明の複合容器10Aは安定に内容物を吐出することができると共に、プラスチック容器本体を容易に減容化して廃棄することができる。【解決手段】 複合容器10Aにおいて、内部に内容物が充填されるプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外面に非接着状態で密着され、容器本体10からの分離が可能なプラスチック製部材40と、容器本体10の口部に装着されたディスペンサ80とを備え、容器本体10の胴部20に蛇腹形状21を有することを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、複合容器に関する。
近時、飲食品などの内容液を収容する容器として、プラスチック製のものが一般化してきている。
プラスチック容器は、金型内にプリフォームを挿入し、2軸延伸ブロー成形することにより製造される。
ところで、従来の2軸延伸ブロー成形法においては、例えばPETやPPなどの樹脂材料を含むプリフォームを成形し、容器を製造している。しかしながら、従来の2軸延伸ブロー成形法においては、単にプリフォームを容器形状に成形するだけであるのが一般的である。このため、容器に対して様々な機能や特性(バリア性や保温性など)を持たせる場合、例えばプリフォームを構成する材料を変更するなど、その手段は限定されてしまう。とりわけ、容器の部位(例えば胴部や底部)に応じて、異なる機能や特性を持たせることは難しい。
本出願人は、上記問題に鑑み、先の出願(特開2015−128858号公報)において、容器に対して様々な機能や特性を付与することが可能な複合容器を提案している。
特開2015−128858号公報において開示される複合容器は、プリフォームと、プリフォームの外側を取り囲むように設けられた熱収縮性プラスチック製部材と備える複合プリフォームを近赤外線により加熱した後、ブロー成形することにより製造される。そして、上記した複合容器が備えるプラスチック製部材の表面には、印刷により、様々な模様や文字情報等の画像を形成することができる。
しかしながら、近年、日常生活から出される廃棄物の中に占めるプラスチック容器の割合が大きくなり、その処理について社会的にも環境汚染などを引き起こすとして問題となっている。
特開2015−128858号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、安定に内容物を吐出することができると共に、プラスチック容器本体を容易に減容化して廃棄することのできる複合容器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の複合容器は、内部に内容物が充填されるプラスチック材料製の容器本体と、前記容器本体の外面に非接着状態で密着され、前記容器本体からの分離が可能なプラスチック製部材と、前記容器本体の口部に装着されたディスペンサとを備え、前記容器本体の胴部に蛇腹形状を有することを特徴とする。
本発明に複合容器によれば、安定に内容物を吐出することができると共に、プラスチック容器本体を容易に減容化して廃棄することができる。
図1(a)は、本発明に係る複合容器を示す伸縮前の部分垂直断面図、(b)は伸縮後の正面図である。 図2(a)は、本発明に係る複合容器を示す伸縮前の部分垂直断面図、(b)は伸縮後の正面図である。 図3は、図2に示す複合容器のIII−III線水平断面図である。 図4は、プラスチック製部材の作製方法の一実施形態を示す概略図である。 図5は、複合容器の製造方法を示す概略図である。 図6は、本発明に係る複合容器の変形例を示す正面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図6は本発明の一実施の形態を示す図である。
一実施形態において、図1に示すように、複合プリフォーム70は、プラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられた、プラスチック製部材40aとを備える。
この複合プリフォーム70に対し、2軸延伸ブロー成形を施し、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよび熱収縮性プラスチック製部材40aを一体として膨張させることにより、複合容器10Aを得ることができる。
図2に示すように、複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。
このうち容器本体10は、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図2)における上方および下方のことをいう。
口部11は、ディスペンサに螺着されるねじ部と、ねじ部下方に設けられたフランジ部とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。
ここで、複合容器10Aの口部11には、内容物の吸込管84を備えたポンプ式のディスペンサ80を取り付けて使用される。
ディスペンサ80は、ポンプハウジング81内に形成されたポンプ室を、ピストンで拡縮させることにより、吸込管84からの液の吸い込み及び吸入した液のノズル83aからの吐出を行うポンプ式の吐出機構を備えている。
より詳細に説明すると、ディスペンサ80は、内周面に螺条を有し、容器本体10の口部のねじ部に螺合させることにより、ディスペンサ80を容器本体10に固定可能な固定用キャップ部82と、ポンプハウジング81と、吸込管84とを備える。そして、ポンプ式の吐出機構を構成する要素として、ポンプハウジング81と、ポンプハウジング81に往復運動可能に収容され、ポンプハウジング81内に画成されるポンプ室を拡縮可能とするピストンと、ピストンによって圧縮状態にあるポンプ室と連通可能になる吐出通路を備えるステムと、ポンプハウジング81の外部に突出するステムの端部に固定され、ステムの吐出通路に連通するノズル83aを備えたノズルヘッド83(押圧操作部)とを備えている。このディスペンサが備える吐出機構においては、ノズルヘッド83を押し下げることにより、ステムが往動してピストンが下降すると、そのピストンによって圧縮されたポンプ室内の内容物が、ステム内の吐出通路を経てノズル83aから吐出される。他方、吐出後に、バネ等の付勢力等によりステムが復動すると、容器本体10内に収容された内容物が、吸込管84を介して、ポンプハウジング81内の減圧されたポンプ室に吸い込まれる。なお、ポンプハウジング81は、吸込管84との境界部付近にボール弁を内蔵している。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置しており、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。
さらに、胴部20は、全体として円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や図6に示す八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。
胴部20の壁面には、蛇腹形状を有する凹凸を備えることが必要である。なお、図6に示すように、蛇腹形状は、凹状部を周方向に位相をずらして配置してもよい。蛇腹形状21とすることにより、容器本体10の上下方向に伸縮可能となり、容器内の内容物を吐出する際、複合容器10A全体の変形を吸収することができる。
また、内容物を使用して、容器本体10が空になったら、プラスチック製部材40aを取り外し、容器本体10を胴部に上下方向に圧縮力を作用させると、蛇腹形状21の伸縮部を縮めることで、減容化することができる。
底部30は、中央に位置する凹部31と、この凹部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
また、胴部20における容器本体10の厚みは、例えば50μm〜800μm程度が好ましく、100μm〜700μm程度に薄くすることがより好ましい。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、例えば、容器本体10の内容量が500mlである場合は、10g〜25gとすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
容器本体10は、樹脂材料を射出成形して製作したプリフォーム10aを二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。
容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜等の蒸着膜を形成しても良い。
容器本体10は、例えば満注容量が100mL〜2000mLのボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L〜60Lの大型のボトルであっても良い。
プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。また、図3に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
プラスチック製部材40は、熱収縮性を有することにより、ブロー成形の際、プリフォーム10aに対するずれであったり、容器本体10とプラスチック製部材40との間に気泡が生じてしまうことを防止することができ、外観が良好な複合容器10Aを得ることができる。
プラスチック製部材40は、後述するようにプリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられ、プリフォーム10aの外側に密着させた後、プリフォーム10aとともに2軸延伸ブロー成形されることにより得られたものである。
図2に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11および首部13を除く、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けることができる。このような構成とすることにより、容器本体10の肩部12、胴部20および底部30に対して所望の機能や特性を付与することができる。
また、プラスチック製部材40の厚みは、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm〜100μm程度が好ましく、5μm〜50μmがより好ましい。
プラスチック製部材の厚みは、前記容器本体の胴部の平均肉厚の0.05倍〜0.5倍であることが好ましく、0.1倍〜0.3倍であることがより好ましい。上記の範囲内であると、内容物を取り出しやすく、かつ廃棄時に容器本体の容積を減容化することができる。
また、プラスチック製部材40は、容器本体10に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体10から分離(剥離)して除去することができる。
プラスチック製部材40の容器本体10からの分離(剥離)の方法としては、例えば刃物等を用いてプラスチック製部材40を切除したり、プラスチック製部材40に予め切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40を剥離したりすることができる。上記のような方法により、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
プリフォーム10aは、図1に示すように、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
プリフォーム10aは、樹脂材料を従来公知の装置を使用して射出成形することにより製造することができる。
樹脂材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)を使用することが好ましい。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。
また、プリフォーム10aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の着色剤を含んでいても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、これら着色剤を含まず、無色透明であることが好ましい。
また、射出成形により2層以上の多層プリフォームを作製することにより、容器本体10を2層以上の多層成形ボトルとすることができる。
例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性及び遮光性を有する樹脂(中間層)を含んでなる層として、3層以上からなるプリフォーム10aを成形後、ブロー成形することによりガスバリア性及び遮光性などを有する多層成形ボトルを得ることができる。なお、中間層としては、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂などを用いても良い。
次にチューブ状のプラスチック製部材を準備する工程について説明する。
一実施形態において、チューブ状のプラスチック製部材40aは、押出成形工程を含んでなる方法により作製することができる。
より詳細には、まず、後述する樹脂材料等を、押出装置内で加熱溶融し、溶融した樹脂材料等をリングダイより連続的に押し出し、冷却することにより、未延伸の押出チューブ1に成形する(図4(a)参照)。なお、多層からなるプラスチック製部材40aは、2以上の樹脂材料を共押し出しすることにより、作製することができる。
次いで、この未延伸の押出チューブの一端を溶着または接着することによって、押出チューブの一端を閉鎖する。
さらに、この一端が閉鎖された押出チューブ1を、押出チューブ1の外径よりも大きい内径を有する金型2内に配置する(図4(b)参照)。
次いで、押出チューブ1の他端にブロー装置3を配置(装着)する(図4(c)参照)。このとき、ブロー装置3は、押出チューブ1と、これらの間からエアが漏れないよう密着させることが好ましい。
続いて、押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、この配置のまま加熱炉4に送り込み、加熱炉4の内部で70〜150℃に加熱する(図4(d)参照)。加熱炉4としては、その内部を均一な温度にするために、熱風循環式加熱炉を用いても良い。あるいは押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、加熱した液体中を通過させることにより、これらを加熱しても良い。
次に、押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、加熱炉4から取り出し、ブロー装置3から押出チューブ1内にエアを噴出することにより、押出チューブ1の内面を加圧延伸する。これにより、押出チューブ1は、膨張し、金型2の内面形状に沿って拡径される(図4(e)参照)。
その後、ブロー装置3からエアを噴出した状態のまま、押出チューブ1を冷水中で冷却し、押出チューブを金型2から取り出す(図4(f)参照)。これを所望の大きさにカットすることによりチューブ状のプラスチック製部材40aが得られる(図4(g)参照)。
プラスチック製部材40aは、樹脂材料として、例えば、PE、PP、PET、PEN、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹旨、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、アイオノマー樹脂、フタル酸ジアリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリブタジエン、ポリブテン−1、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ナイロン6、ナイロン6,6、MXD6、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリナフタレン酸エチレン、Uポリマー、液晶ポリマー、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂などを含んでなることができる。
これらの中でも、複合容器10A製造におけるブロー成形の際に後述する熱圧着した部分等からの破損を防止することができるため、PE、PPおよびポリスチレンが好ましい。
また、樹脂材料は、上記した樹脂を構成する2以上のモノマー単位が重合した共重合体を含んでいても良い。さらに、樹脂材料は上記した樹脂を2種以上含んでなるものであってよい。
また、プラスチック製部材40aは、酸素バリア性又は水蒸気バリア性等のガスバリア性を有する材料を含んでいても良い。
この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aのガスバリア性を高め、容器内への酸素の侵入を防ぎ、内容液が劣化することを防止し、また、容器内から外部への水蒸気の蒸散を防ぎ、内容量が減少することを防止することができる。
このような材料としては、PE、PP、MXD−6、PGA、EVOH、PENまたはこれらの材料に脂肪酸塩等の酸素吸収材を混ぜることも考えられる。
なお、プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、ガスバリア性を有する材料からなる層を備えていてもよい。
また、プラスチック製部材40aは、紫外線等の光線バリア性を有する材料を含んでいても良い。
この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aの光線バリア性を高め、紫外線等により内容液が劣化することを防止することができる。
このような材料としては、上記した樹脂を2種類以上含んでなる樹脂材料、またはPETやPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5〜100μmの発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。
なお、プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、光線バリア性を有する材料からなる層を備えていてもよい。
さらに、プラスチック製部材40aには、デザイン又は印字が施されていても良い。この場合、ブロー成形後に容器本体10に対して別途ラベル等を付与することなく、複合容器10Aに画像や文字を表示することが可能となる。
印刷は、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法により行うことができる。例えば、インクジェット法を用いる場合、プラスチック製部材40a(40)にUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化することにより印刷層を形成させることができる。
この印刷は、プリフォーム10aに嵌め込む前のプラスチック製部材40aに対して施されても良く、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた状態で施されても良い。さらに、ブロー成形後の複合容器10Aのプラスチック製部材40に印刷が施されても良い。
プラスチック製部材40aは、比重が1未満であることが好ましく、0.97未満であることがより好ましい。
プラスチック製部材40aの比重を上記のようにすることで、複合容器10Aを粉砕後、水中に投入した際に、プラスチック製部材40を容器本体10から容易に分離することができる。
また、このとき、容器本体10の比重は、1超であることが好ましく、1.2超であることがより好ましい。
プラスチック製部材40aは、容器本体10からの分離(剥離)の方法として、例えば刃物等を用いてプラスチック製部材40aを切除したり、プラスチック製部材40aに予め切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40aを剥離したりすることができる。これにより、印刷が施されたプラスチック製部材40aを容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを嵌め込み、加熱することでプリフォーム10aに対して密着されている。プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱方法は特に限定されず、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができる。加熱温度は、60℃以上、250℃以下であることが好ましく、80℃以上、150℃以下であることがより好ましい。なお、加熱温度とは加熱時のプラスチック製部材40aの表面温度のことであり、赤外線や、温風等の照射温度のことではない。
また、図1に示すように、プラスチック製部材40aは、有底円筒形状からなり、円筒状の胴部と、胴部に連結された底部とを有している。この場合、プラスチック製部材40aの底部がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対しても様々な機能や特性を付与することができる。
次に複合容器の製造方法について説明する。
本発明に係る複合容器の製造方法は、上記のようにして製造した複合プリフォーム70を加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、加熱後の複合プリフォーム70に対してブロー成形を施すことにより、プリフォーム10aおよび熱収縮性プラスチック製部材40aを一体として膨張させる工程とを含んでなる。
図5(a)〜(d)により、本発明の複合容器10Aの製造方法についてより詳しく説明する。
まず、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図5(a)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
続いて、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる(図5(b)参照)。
複合容器10Aは、このブロー成形金型50を用いて成形される。この場合、ブロー成形金型50は、互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる(図5(b)参照)。図5(b)において、一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で一対の胴部金型50a、50b間に、複合プリフォーム70が挿入される。
次に、図5(c)に示すように、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。次にプリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
このことにより、ブロー成形金型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる。この間、胴部金型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部金型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。この際、ブロー成形金型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形される。
このようにして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる。
次に、図5(d)に示すように、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内から複合容器10Aが取出される。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
射出成形機を使用して、図1に示すPET製のプリフォーム10aを作製した。このプリフォーム10aの重量は、18.3gであり、その長さYは、90mmであった。
ポリオレフィン樹脂を溶融し、リング状のダイから押出した。次いで、押出されたチューブ内面を加圧、またはチューブ外面を内面より陰圧とし拡径を行い、その内径が27mmである熱収縮性プラスチック製部材40a作製した。
準備したプリフォーム10aを赤外線ヒーターで、プリフォーム10aの表面が90℃となるまで加熱した。加熱時間は25秒であった。
手作業により、プリフォーム10aのプラスチック製部材40aへの嵌め込みを行った。
嵌め込み後、プラスチック製部材40aを温風ドライヤーを用いて、プラスチック製部材40aの表面が110℃となるまで加熱し、プラスチック製部材40aを熱収縮させ、プリフォーム10aに密着させた。加熱時間は8秒であった。
上記のようにして得られた複合プリフォーム70を赤外線ヒーターで、100℃まで加熱し、図5(b)に表されるブロー成形金型に搬送した。このブロー成形金型内において、複合プリフォーム70をブロー成形し、満注容量が500mLの複合容器10Aを得た。複合容器10Aの表面は、気泡などの欠陥が全く見られず、その外観は良好であった。なお、加熱時間は5秒であった。また、プリフォーム10aを加熱する工程から本工程までに要した時間は30秒であった。
続いて、充填機の充填ノズルから、複合容器10Aの口部11を介して、容器本体10内へ内容物が充填される。その後、容器本体10の口部11にディスペンサ80が装着される。
このようにして、 HYPERLINK "javascript:fnImgAnchor(%22anImg000003%22)" 図1に示すディスペンサ付き複合容器10Aが得られる。得られた複合容器Aは、胴部に蛇腹状の伸縮部を有し、容器本体の胴部の厚みが187μm、プラスチック製部材40aの厚みが34μmであり、プラスチック製部材40aの厚みが、容器本体10の胴部の平均肉厚の0.18倍であった。これにより、複合容器10Aの上下方向に伸縮可能となり、容器内の内容物を吐出する際、複合容器10A全体の変形を吸収することができる。また、内容物を使用して、容器本体10が空になったら、プラスチック製部材40aを取り外し、容器本体10を胴部に上下方向に圧縮力を作用させると、蛇腹形状21の伸縮部を縮めることで、減容化することができる。
10 容器本体
10A 複合容器
10a プリフォーム
11 口部
11a 口部
12 肩部
13 首部
20 胴部
20a 胴部
21 蛇腹形状
30 底部
30a 底部
40 プラスチック製部材
40a プラスチック製部材
50 ブロー成形金型
70 複合プリフォーム
80 ディスペンサ
81 ポンプハウジング
82 固定用キャップ部
83 ノズルヘッド
83a ノズル
84 吸込管

Claims (4)

  1. 複合容器において、
    内部に内容物が充填されるプラスチック材料製の容器本体と、
    前記容器本体の外面に非接着状態で密着され、前記容器本体からの分離が可能なプラスチック製部材と、
    前記容器本体の口部に装着されたディスペンサとを備え、
    前記容器本体の胴部に蛇腹形状を有することを特徴とする複合容器。
  2. 前記プラスチック製部材の厚みが、前記容器本体の胴部の平均肉厚の0.05〜0.5倍であることを特徴とする請求項1に記載の複合容器。
  3. 前記容器本体および前記プラスチック製部材は、ブロー成形により一体として膨張されていることを特徴とする請求項1または2に記載の複合容器。
  4. 前記プラスチック製部材が、熱収縮性を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複合容器。
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