JP2021151796A - 複合プリフォームおよびその製造方法ならびに複合容器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリフォーム底部を覆うことができ、かつ複合容器を製造する際のブロー成形により破損することのない熱収縮性プラスチック製部材を備える複合プリフォームの製造方法の提供。【解決手段】複合プリフォーム70の製造方法は、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する工程と、熱圧着するための余白部80aを一端に有し、プリフォーム10aよりも長いチューブ状の熱収縮性プラスチック製部材40aを準備する工程と、プリフォーム10aをプラスチック製部材40aに嵌め込む工程と、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを加熱し、プラスチック製部材40aを熱収縮させる工程と、プラスチック製部材の余白部80aを熱圧着する工程と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、複合プリフォームおよびその製造方法ならびに複合容器およびその製造方法に関する。
近時、飲食品等の内容液を収容するボトルとして、プラスチック製のものが一般化してきており、このようなプラスチックボトルには内容液が収容される。
このような内容液を収容するプラスチックボトルは、金型内にプリフォームを挿入し、2軸延伸ブロー成形することにより製造される。
ところで、従来の2軸延伸ブロー成形法では、例えばPETやPP等の単層材料、多層材料又はブレンド材料等を含むプリフォームを用いて容器形状に成形している。しかしながら、従来の2軸延伸ブロー成形法においては、単にプリフォームを容器形状に成形するだけであるのが一般的である。このため、容器に対して様々な機能や特性(バリア性や保温性等)を持たせる場合、例えばプリフォームを構成する材料を変更する等、その手段は限定されてしまう。とりわけ、容器の部位(例えば胴部や底部)に応じて、異なる機能や特性を持たせることは難しい。
本出願人は、先の出願(特開2015−128858号公報)において、容器に対して様々な機能や特性を付与することが可能な複合容器を提案している。
特開2015−128858号公報
特開2015−128858号公報において開示される複合容器は、容器本体およびプラスチック製部材を備える複合プリフォームをブロー成形することにより得られるものである。この複合プリフォームが備えるプラスチック製部材は、熱収縮性のものであることが、プリフォーム、ひいては容器本体への密着性という観点からは好ましいが、プリフォーム(容器本体)の底部を覆うことが難しく、底部の遮光性を高めたり等、様々な機能を付与することが難しいとの知見を得た。
本発明は係る知見に基づいてなされたものであり、その目的は、プリフォーム底部を覆うことができ、かつ複合容器を製造する際のブロー成形により破損することのない熱収縮性プラスチック製部材を備える複合プリフォームの製造方法を提供することである。
本発明の複合プリフォームの製造方法は、口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部とを有するプラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、熱圧着するための余白部を一端に有し、前記プリフォームの前記胴部および前記底部の長さよりも長いチューブ状の熱収縮性プラスチック製部材を準備する工程と、前記プリフォームを前記プラスチック製部材に嵌め込む工程と、前記プリフォームおよびプラスチック製部材を加熱することにより、前記プラスチック製部材を熱収縮させる工程と、前記プラスチック製部材の余白部を熱圧着する工程と、を備えたことを特徴とする。
上記態様においては、前記余白部には、互いに対向して配置された第1対向面と第2対向面とが形成され、前記第1対向面の一部と前記第2対向面の一部とが互いに圧着されることが好ましい。
上記態様においては、前記第1対向面と前記第2対向面とは、互いに前記プラスチック製部材の軸線方向にずれて圧着されることが好ましい。
上記態様においては、余白部の長さが、3mm以上であることが好ましい。
上記態様においては、前記余白部の熱圧着が、表面が平坦または凹凸形状を有する器具を用いて行われることが好ましい。
上記態様においては、器具の表面温度が、100℃以上、250℃以下であることが好ましい。
上記態様においては、余白部の熱圧着時の圧力が、50N/cm以上、1000N/cm以下であることが好ましい。
上記態様においては、余白部の熱圧着時の熱収縮性プラスチック製部材の温度が、80℃以上、200℃以下であることが好ましい。
本発明の複合容器の製造方法は、上記方法により得られた複合プリフォームを加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、加熱後の前記複合プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、プリフォームおよびプラスチック製部材を一体として膨張させる工程とを備えたことを特徴とする。
本発明の複合プリフォームは、口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部とを有するプリフォームと、前記プリフォームの外側を取り囲むように設けられ、熱圧着するための余白部を一端に有し、前記プリフォームの前記胴部および前記底部の長さよりも長い熱収縮性プラスチック製部材とを備え、前記プラスチック製部材の前記余白部が熱圧着されていることを特徴とする。
上記態様においては、前記余白部には、互いに対向して配置された第1対向面と第2対向面とが形成され、前記第1対向面の一部と前記第2対向面の一部とが互いに圧着されていることが好ましい。
上記態様においては、前記第1対向面と前記第2対向面とは、互いに前記プラスチック製部材の軸線方向にずれて圧着されていることが好ましい。
本発明の複合容器は、上記複合プリフォームのブロー成形品である複合容器であって、口部と、前記口部の下方に設けられた胴部と、前記胴部の下方に設けられた底部と、を有する容器本体と、記容器本体の外側に密着して設けられた熱収縮性プラスチック製部材とを備え、前記プラスチック製部材の前記余白部が熱圧着されていることを特徴とする。
本発明によれば、プリフォーム底部を覆うことができ、かつ複合容器を製造する際のブロー成形により破損することのない熱収縮性プラスチック製部材を備える複合プリフォームの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態による複合プリフォームを示す斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施形態による複合プリフォームを示す部分垂直断面図である。 図3は、本発明の第1の実施形態による複合容器を示す部分垂直断面図である。 図4は、図3に示す複合容器のIV−IV線水平断面図である。 図5は、熱収縮性プラスチック製部材の作製方法の一実施形態を示す概略図である。 図6は、プリフォームを熱収縮性プラスチック製部材に嵌め込んだ状態を表す垂直断面図である。 図7は、熱収縮性プラスチック製部材の正面図である。 図8は、プリフォームの正面図である。 図9(a)−(c)は、熱圧着した余白部の形状を表す図である。 図10は、複合容器の製造方法を示す概略図である。 図11は、本発明の第2の実施形態による複合プリフォームの底部側を示す斜視図である。 図12は、本発明の第2の実施形態による複合プリフォームを示す底面図である。 図13は、本発明の第2の実施形態による複合プリフォームの余白部を熱圧着する工程を示す斜視図である。 図14は、本発明の第2の実施形態による複合プリフォームの余白部を熱圧着する工程を示す正面図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。図1乃至図10は本発明の第1の実施形態を示す図である。
複合プリフォーム70
まず、図1および図2により、本実施形態による複合プリフォームの構成について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態による複合プリフォーム70は、プラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられた略有底円筒状の熱収縮性プラスチック製部材40aとを備えている。
このうちプリフォーム10aは、図1および図2に示すように、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。
この場合、熱収縮性プラスチック製部材40aの長さは、プリフォーム10aの胴部および底部の長さよりも長い。図2の斜線で示すように、プリフォーム10aの底部側のプラスチック製部材40aの端部(一端)40bには、熱圧着するための余白部80aが形成されている。
この余白部80aは、プリフォーム10aの底部30aの形状に沿って形成された曲面部44と、曲面部44からそれぞれ突出する第1対向面46aと第2対向面46bとを有している。このうち第1対向面46aと第2対向面46bとは、互いに熱圧着されて一体化されている。この第1対向面46aおよび第2対向面46bは、それぞれ底面方向から見て、胴部20aの径方向に沿って略一直線状に延びている。この場合、第1対向面46aと第2対向面46bとは、胴部20aの径方向の全域にわたって圧着されている。
複合プリフォーム70に対し、2軸延伸ブロー成形を施し、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させることにより、図3に示す複合容器10Aを得ることができる。
複合容器
次に、本実施形態による複合容器10Aの構成について説明する。図3に示すように、複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。
このうち容器本体10は、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図3)における上方および下方のことをいう。
口部11は、図示しないキャップに螺着されるねじ部14と、ねじ部14下方に設けられたフランジ部17とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良く、打栓式等の口部であっても良い。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置しており、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。
さらに、胴部20は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。また、本実施の形態において、胴部20は、凹凸が形成されておらず、略平坦な表面を有しているが、これに限られるものではない。例えば、胴部20にパネル又は溝等の凹凸が形成されていても良い。
底部30は、中央に位置する凹部31と、この凹部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
また、胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm〜250μm程度に薄くすることができる。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、例えば、容器本体10の内容量が500mlである場合は、10g〜20gとすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
容器本体10は、樹脂材料を射出成形して製作したプリフォーム10aを二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。
容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜等の蒸着膜を形成しても良い。
容器本体10は、例えば満注容量が100mL〜2000mLのボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L〜60Lの大型のボトルであっても良い。
熱収縮性プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。
また、図4に示すように、熱収縮性プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
プラスチック製部材40は、後述するようにプリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられ、プリフォーム10aの外側に密着させた後、プリフォーム10aとともに2軸延伸ブロー成形されることにより得られたものである。
図3に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11および首部13を除く、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けることができる。
このような構成とすることにより、容器本体10の肩部12、胴部20および底部30に対して所望の機能や特性を付与することができる。
また、熱収縮性プラスチック製部材40の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm〜50μm程度とすることができる。
また、熱収縮性プラスチック製部材40は、容器本体10に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体10から分離(剥離)して除去することができる。熱収縮性プラスチック製部材40の容器本体10からの分離(剥離)の方法としては、例えば刃物等を用いて熱収縮性プラスチック製部材40を切除したり、熱収縮性プラスチック製部材40に予め切断線を設け、この切断線に沿って熱収縮性プラスチック製部材40を剥離したりすることができる。上記のような方法により、熱収縮性プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
また、図3に示すように、熱収縮性プラスチック製部材40は、容器本体10の底部30側の一端が圧着され、圧着底部45Aを形成している。図3において、熱収縮性プラスチック製部材40は、容器本体10の底部30を覆う位置で圧着されている。具体的には、上述した複合プリフォーム70の熱収縮性プラスチック製部材40aの第1対向面46aと第2対向面46b(図1)とが重ね合わされるように熱圧着されている。これにより、ブロー成形後に熱収縮性プラスチック製部材40aの開口48d(図6)が塞がれ、熱収縮性プラスチック製部材40によって底部30が完全に覆われる。
複合プリフォームの製造方法
次に、本実施形態による複合プリフォーム70の製造方法について説明する。
プリフォームを準備する工程
プリフォーム10aは、図1および図2に示すように、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
プリフォーム10aは、樹脂材料を従来公知の装置を使用して射出成形することにより製造することができる。樹脂材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)を使用することが好ましい。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。また、プリフォーム10aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の着色剤を含んでいても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、これら着色剤を含まず、無色透明であることが好ましい。
また、射出成形により2層以上の多層プリフォーム10aを作製することにより、容器本体10を2層以上の多層成形ボトルとすることができる。例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性及び遮光性を有する樹脂(中間層)を含んでなる層として、3層以上からなるプリフォーム10aを成形後、ブロー成形することによりガスバリア性及び遮光性などを有する多層成形ボトルを得ることができる。なお、中間層としては、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂などを用いても良い。
また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5〜100μmの発泡セル径を持つ発泡プリフォームを成形し、この発泡プリフォームをブロー成形することによって、容器本体10を作製しても良い。このような容器本体10は、発泡セルを内蔵しているため、容器本体10全体の遮光性を高めることができる。
チューブ状の熱収縮性プラスチック製部材を準備する工程
一実施形態において、チューブ状の熱収縮性プラスチック製部材40aは、押出成形工程を含んでなる方法により作製することができる。
より詳細には、まず、後述する樹脂材料等を、押出装置内で加熱溶融し、溶融した樹脂材料等をリングダイより連続的に押し出し、冷却することにより、未延伸の押出チューブ1に成形する(図5(a)参照)。なお、多層からなるプラスチック製部材40aは、2以上の樹脂材料を共押し出しすることにより、作製することができる。
次いで、この未延伸の押出チューブの一端を溶着または接着することによって、押出チューブの一端を閉鎖する。
さらに、この一端が閉鎖された押出チューブ1を、押出チューブ1の外径よりも大きい内径を有する金型2内に配置する(図5(b)参照)。
次いで、押出チューブ1の他端にブロー装置3を配置(装着)する(図5(c)参照)。このとき、ブロー装置3は、押出チューブ1と、これらの間からエアが漏れないよう密着させることが好ましい。
続いて、押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、この配置のまま加熱炉4に送り込み、加熱炉4の内部で70〜150℃に加熱する(図5(d)参照)。加熱炉4としては、その内部を均一な温度にするために、熱風循環式加熱炉を用いても良い。あるいは押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、加熱した液体中を通過させることにより、これらを加熱しても良い。
次に、押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、加熱炉4から取り出し、ブロー装置3から押出チューブ1内にエアを噴出することにより、押出チューブ1の内面を加圧延伸する。これにより、押出チューブ1は、膨張し、金型2の内面形状に沿って拡径される(図5(e)参照)。
その後、ブロー装置3からエアを噴出した状態のまま、押出チューブ1を冷水中で冷却し、押出チューブを金型2から取り出す(図5(f)参照)。これを所望の大きさにカットすることによりチューブ状の熱収縮性プラスチック製部材40aが得られる(図5(g)参照)。なお、市販されるチューブ状の熱収縮性プラスチック製部材40aを使用してもよい。
プラスチック製部材40aは、樹脂材料として、例えば、PE、PP、PET、PEN、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹旨、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、アイオノマー樹脂、フタル酸ジアリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリブタジエン、ポリブテン−1、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ナイロン6、ナイロン6,6、MXD6、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリナフタレン酸エチレン、Uポリマー、液晶ポリマー、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂などを含んでなることができる。これらの中でも、複合容器10A製造におけるブロー成形の際に後述する熱圧着した部分等からの破損を防止することができるため、PE、PPおよびポリスチレンが好ましい。また、樹脂材料は、上記した樹脂を構成する2以上のモノマー単位が重合した共重合体を含んでいても良い。さらに、樹脂材料は上記した樹脂を2種以上を含んでなるものであってよい。
また、熱収縮性プラスチック製部材40aは、酸素バリア性又は水蒸気バリア性等のガスバリア性を有する材料を含んでいても良い。この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aのガスバリア性を高め、容器内への酸素の侵入を防ぎ、内容液が劣化することを防止し、また、容器内から外部への水蒸気の蒸散を防ぎ、内容量が減少することを防止することができる。このような材料としては、PE、PP、MXD−6、PGA、EVOH、PENまたはこれらの材料に脂肪酸塩等の酸素吸収材を混ぜることも考えられる。なお、熱収縮性プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、ガスバリア性を有する材料からなる層を備えていてもよい。
また、熱収縮性プラスチック製部材40aは、紫外線等の光線バリア性を有する材料を含んでいても良い。この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aの光線バリア性を高め、紫外線等により内容液が劣化することを防止することができる。このような材料としては、上記した樹脂を2種類以上含んでなる樹脂材料、またはPETやPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5〜100μmの発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。なお、熱収縮性プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、光線バリア性を有する材料からなる層を備えていてもよい。
また、熱収縮性プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを構成するプラスチック材料よりも保温性又は保冷性の高い材料(熱伝導性の低い材料)を含んでいても良い。この場合、容器本体10そのものの厚みを厚くすることなく、内容液の温度が複合容器10Aの表面まで伝達しにくくすることが可能となる。これにより、複合容器10Aの保温性又は保冷性が高められる。このような材料としては、発泡化したポリウレタン、ポリスチレン、PE、PP、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などが考えられる。なお、熱収縮性プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、保温性又は保冷性の高い材料(熱伝導性の低い材料)からなる層を備えていてもよい。また、これら樹脂を含んでなる樹脂材料に、中空粒子を混合することが好ましい。中空粒子の平均粒子径は、1〜200μmであることが好ましく、5〜80μmであることがより好ましい。また、中空粒子としては、樹脂などから構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラスなどから構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。有機系中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂などのスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂などの(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂などを挙げることができる。また、ローペイクHP−1055、ローペイクHP−91、ローペイクOP−84J、ローペイクウルトラ、ローペイクSE、ローペイクST(ロームアンドハース(株)製)、ニポールMH−5055(日本ゼオン(株)製)、SX8782、SX866(JSR(株)製)などの市販される中空粒子を用いることも出来る。中空粒子の含有量としては、熱収縮性プラスチック製部材40aが単層からなる場合、熱収縮性プラスチック製部材40aに含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。また、熱収縮性プラスチック製部材40aが多層からなる場合、中空粒子が含まれる熱収縮性プラスチック製部材40aの層に含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。
また、熱収縮性プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを構成するプラスチック材料よりも滑りにくい材料を含んでいても良い。この場合、容器本体10の材料を変更することなく、使用者が複合容器10Aを把持しやすくすることができるなお、熱収縮性プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、プリフォーム10aを構成するプラスチック材料よりも滑りにくい材料からなる層を備えていてもよい。この場合、該層は、熱収縮性プラスチック製部材40aの最外の層であることが好ましい。
熱収縮性プラスチック製部材40aの長さは、プリフォーム10aの胴部20aおよび底部30aの合計長さよりも長く、図6に表されるように、その端部(一端)40bに余白部80aを有する。余白部80aの長さは、3mm以上であることが好ましく、5mm以上、20mm以下であることがより好ましい。余白部80aの長さを上記数値範囲とすることにより、熱圧着工程をより容易に行うことができると共に、使用する材料を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
なお、熱収縮性プラスチック製部材40aの長さとは、図7に示されるように、余白部80aを含む熱収縮前の熱収縮性プラスチック製部材40aの長さであって、熱収縮性プラスチック製部材40aの軸線方向に沿う長さXをいう。また、プリフォーム10aの長さとは、図8に示されるように、口部11aを除くプリフォーム10aの胴部20aおよび底部30aの長さであって、プリフォーム10aの軸線方向に沿って首部13aから底部30aまでを測定した長さYをいう。
さらに、熱収縮性プラスチック製部材40aには、デザイン又は印字が施されていても良い。この場合、ブロー成形後に容器本体10に対して別途ラベル等を付与することなく、複合容器10Aに画像や文字を表示することが可能となる。印刷は、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法により行うことができる。例えば、インクジェット法を用いる場合、熱収縮性プラスチック製部材40a(40)にUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化することにより印刷層を形成させることができる。この印刷は、プリフォーム10aに嵌め込む前の熱収縮性プラスチック製部材40aに対して施されても良く、プリフォーム10aの外側に熱収縮性プラスチック製部材40aを設けた状態で施されても良い。さらに、ブロー成形後の複合容器10Aの熱収縮性プラスチック製部材40に印刷が施されても良い。
嵌め込み工程
このようにして作製された、両端が開口した熱収縮性プラスチック製部材40aは、その一端側からプリフォーム10aに嵌め込まれる。このとき、熱収縮性プラスチック製部材40aは、口部11aを除くプリフォーム10aの胴部20aおよび底部30aの周囲を覆う。このように、図6に示すように、熱収縮性プラスチック製部材40aの余白部80aを設けた側とは反対の側からプリフォーム10aが嵌め込まれる。
熱収縮工程
次に、プリフォーム10aおよび熱収縮性プラスチック製部材40aは加熱され、これにより熱収縮性プラスチック製部材40aが熱収縮してプリフォーム10aの外面に密着する。
プリフォーム10aおよび熱収縮性プラスチック製部材40aの加熱方法は特に限定されず、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができる。加熱温度は、60℃以上、250℃以下であることが好ましく、80℃以上、150℃以下であることがより好ましい。
なお、加熱温度とは加熱時の熱収縮性プラスチック製部材40aの表面温度のことであり、赤外線や、温風等の照射温度のことではない。
熱圧着工程
次に、プラスチック製部材40aの、プリフォーム10aの嵌め込みを行った端部(口部11a側の端部)とは反対の端部(一端)40bに形成された余白部80aを熱圧着する。この熱圧着は、赤外線や、温風等により圧着部を加熱した後、図示しない一対の圧着器具によりプラスチック製部材40aの上記端部40bを水平方向に挟み込むことにより行うことができる。これにより、プラスチック製部材40aの円筒状の端部40bに形成された開口48d(図6)が塞がれ、第1対向面46aと第2対向面46bとを熱圧着することができる。この圧着器具の材質は特に限定されず、金属製や耐熱性の樹脂製のものを使用することができる。余白部80aを熱圧着する方法は、上記に限定されず、赤外線や、温風等により加熱された余白部を挟み込む等して、圧着することができるものであれば特に限定されず、例えば、金属製や耐熱性の樹脂製の器具(以下、場合により「圧着器具」という)を利用することができ、それらを組み合わせても良い。
また、熱圧着後の余白部80aの形状も特に限定されるものではなく、図9(a)−(c)に示されるように任意の形状とすることができる。
すなわち図9(a)に示すように、プラスチック製部材40aの端部40bに形成された第1対向面46aと第2対向面46bとが、底面方向から見て、胴部20aの径方向に沿って略一直線状に圧着されていても良い。また、プラスチック製部材40aの端部40bは、底面方向から見て十字状に圧着されていても良く(図9(b))、端部40bの圧着部が、底面方向から見て約120°ずつ等配となるように配置されていても良い(図9(c))。
圧着器具の表面は、平坦なものであってもよく、一部または全体に凹凸形状を有するものであっても良い。
圧着器具は、その表面に加熱機構を有していてもよい。これにより、余白部80aの圧着強度をより高めることができる。圧着器具表面の加熱温度は、例えば、100℃以上、250℃以下とすることが好ましい。
圧着時の圧力は、50N/cm以上、1000N/cm以下が好ましく、100N/cm以上、500N/cm以下がより好ましい。
圧着時の熱収縮性プラスチック製部材40aの温度は、材質にもよるが80℃以上、200℃以下が好ましい。
また、熱圧着後の余白部80aは、所望により適当な長さにカットしてもよい。余白部を適当な長さ(例えば、2mm程度)にカットすることにより、複合容器とした際の底部の外観が良好となる。
熱収縮後の熱収縮性プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外面に接着されることなく、かつプリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。
また、図2に示すように、プラスチック製部材40aは、有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有している。この場合、プラスチック製部材40aの底部42がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対しても様々な機能や特性を付与することができる。
複合容器の製造方法
本実施形態に係る複合容器の製造方法は、上記のようにして製造した複合プリフォーム70を加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、加熱後の複合プリフォーム70に対してブロー成形を施すことにより、プリフォーム10aおよび熱収縮性プラスチック製部材40aを一体として膨張させる工程とを含んでなる。
図10(a)〜(d)により、本発明の複合容器10Aの製造方法についてより詳しく説明する。
まず、上述した複合プリフォーム70を準備する。この複合プリフォーム70は、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられた略有底円筒状の熱収縮性プラスチック製部材40aとを備えており、プラスチック製部材40aは、余白部80aにおいて熱圧着されている。続いて複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図10(a)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。
この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
続いて、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる(図10(b)参照)。
複合容器10Aは、このブロー成形金型50を用いて成形される。この場合、ブロー成形金型50は、互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる(図10(b)参照)。図10(b)において、一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で一対の胴部金型50a、50b間に、複合プリフォーム70が挿入される。
次に、図10(c)に示すように、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。次にプリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
このことにより、ブロー成形金型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる。この間、胴部金型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部金型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。この際、ブロー成形金型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形される。
このようにして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる。
次に、図10(d)に示すように、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内から複合容器10Aが取出される。
[実施例]
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
(プリフォーム10aを準備する工程)
射出成形機を使用して、図8に示すPET製のプリフォーム10aを作製した。このプリフォーム10aの重量は、23.8gであり、その長さYは、90mmであった。
(熱収縮性プラスチック製部材40aを準備する工程)
ポリオレフィン樹脂を溶融し、リング状のダイから押出した。次いで、押出されたチューブ内面を加圧、またはチューブ外面を内面より陰圧とし拡径を行い、熱収縮性プラスチック製部材40a作製した。作製した熱収縮性プラスチック製部材40aの長さXは、100mmであり、余白部80aの長さは、10mmであった。
(嵌め込み工程)
次いで、手作業により、プリフォーム10aを、熱収縮性プラスチック製部材40aの余白部80aとは反対の端から嵌め込みを行った。
(熱収縮および熱圧着工程)
嵌め込み後、赤外線ヒーターを用いて、プリフォーム10aおよび熱収縮性プラスチック製部材40aを100℃まで加熱し、熱収縮性プラスチック製部材40aを熱収縮させた。次いで、100℃に加熱した金属板を用いて余白部80aを300N/cmの圧力で挟み込み熱圧着し、複合プリフォーム70を得た。
(複合容器の製造)
上記のようにして得られた複合プリフォーム70を赤外線ヒーターを用いて、100℃まで加熱し、図10bに表されるブロー成形金型に搬送した。このブロー成形金型内において、複合プリフォーム70をブロー成形し、満注容量が500mLの複合容器10Aを得た。この複合容器10Aが備えるプラスチック製部材40は、容器本体10の底部まで覆っており、また、圧着部の剥がれや破損は見られなかった。
(第2の実施形態)
次に、図11乃至図14を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。図11乃至図14は本発明の第2の実施形態を示す図である。図11乃至図14に示す第2の実施形態は、余白部80aを圧着する位置が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施形態と略同一である。図11乃至図14において、図1乃至図13に示す第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図11および図12に示すように、本実施形態による複合プリフォーム70において、余白部80aには、互いに対向して配置された第1対向面46aと第2対向面46bとが形成されている。第1対向面46aと第2対向面46bとは、全体として環状に形成されてプラスチック製部材40aの端部40bを構成している。
この場合、第1対向面46aの一部と第2対向面46bの一部とが互いに圧着されている。具体的には、第1対向面46aのうち胴部20aの径方向略中間に位置する第1圧着部分46cと、第2対向面46bのうち胴部20aの径方向略中間に位置する第2圧着部分46dとが互いに熱圧着されている。これにより、第1圧着部分46cと第2圧着部分46dとが互いに連結され、第1対向面46aと第2対向面46bとが一体化されている。第1対向面46aおよび第2対向面46bは、底面方向から見て全体として∞字状(8字状)に形成されている。このため、第1対向面46aと第2対向面46bとの間には、一対の開口48e、48fが形成される。
この場合、第1対向面46aと第2対向面46bとは、互いに上下方向(熱収縮性プラスチック製部材40aの軸線方向)にずれて圧着されている。すなわち、第1圧着部分46cと第2圧着部分46dとが圧着された状態で、第1対向面46aの端縁46eと第2対向面46bの端縁46fとが互いにずれている。この場合、第2対向面46bの端縁46fは、第1対向面46aの端縁46eよりも外方(胴部20aから遠い側)に位置している。
このような複合プリフォーム70を作製する場合、熱収縮性プラスチック製部材40aを熱収縮させる工程の後、複合プリフォーム70を加熱装置51によって加熱する工程(図10(a))の前に、第1対向面46aの一部と第2対向面46bの一部とを互いに圧着する工程が設けられる。具体的には、熱収縮する工程の直後の熱収縮性プラスチック製部材40aが高温の状態で、熱圧着用の工具等を用いて、第1対向面46aの第1圧着部分46cと第2対向面46bの第2圧着部分46dとを内側に向けて挟み込むことにより、第1圧着部分46cと第2圧着部分46dとを圧着する。
すなわち、図13および図14に示すように、一対の圧着器具90D、90Eによりプラスチック製部材40aの端部40bを挟み込むことにより、第1対向面46aと第2対向面46bと圧着することができる。一対の圧着器具90D、90Eは、それぞれ圧着点90Fを有している。また、圧着器具90Dは、圧着器具90Eよりも厚い。この場合、一対の圧着器具90A、90Bをプラスチック製部材40aの軸線方向両側から互いに接近させ、一対の圧着点90Fが第1対向面46aと第2対向面46bとを挟み込むようにする。これにより、プラスチック製部材40aの円筒状の端部40bに形成された開口48d(図13)が部分的に塞がれ、第1対向面46aと第2対向面46bとを熱圧着することができる。第1対向面46aと第2対向面46bとを熱圧着した部分の形状(正面側から見た形状)は、円形、正方形、長方形、菱形、その他任意の形状とすることができる。
または、熱収縮性プラスチック製部材40aが冷えた後に、加熱された工具(図示せず)等を用いて溶融圧着しても良い。更に熱収縮性プラスチック製部材40aが冷えた後に、工具(図示せず)等を超音波振動させて振動による発熱を利用し溶融圧着しても良い。
このように、本実施形態によれば、複合プリフォーム70をブロー成形する際、第1対向面46aと第2対向面46bとが狭まるように余白部80aが変形するので、ブロー成形後に容器本体10の底部30と熱収縮性プラスチック製部材40とが均一に密着し、底部30における外観を良好にすることができる。また、これと同時に、ブロー成形工程で一対の開口48e、48fから空気が排出されるため、容器本体10の底部30と熱収縮性プラスチック製部材40との間に空気が残存することをより効果的に抑制することができる。さらに、第1対向面46aの一部と第2対向面46bの一部とが互いに圧着されていることにより、容器本体10の底部30と熱収縮性プラスチック製部材40との密着をより確実なものとし、外観が良好で遮光性に優れた複合容器10Aを高い品質で製造することができる。
また本実施形態によれば、第1圧着部分46cと第2圧着部分46dとが圧着された状態で、第1対向面46aの端縁46eと第2対向面46bの端縁46fとが互いにずれている。これにより、複合プリフォーム70をブロー成形している間、一対の開口48e、48fが閉じにくくなっているので、一対の開口48e、48fから空気が排出されやすく、容器本体10の底部30と熱収縮性プラスチック製部材40との間にエア溜まりが発生することをより抑えることができる。
10 容器本体
10A 複合容器
10a プリフォーム
11、11a 口部
12 肩部
13 首部
14 ねじ部
17 フランジ部
20、20a 胴部
30、30a 底部
40a 熱収縮性プラスチック製部材
46a 第1対向面
46b 第2対向面
46c 第1圧着部分
46d 第2圧着部分
70 複合プリフォーム
80a 余白部

Claims (13)

  1. 口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部とを有するプラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、
    熱圧着するための余白部を一端に有するチューブ状のプラスチック製部材を準備する工程と、
    前記プリフォームを前記プラスチック製部材に嵌め込む工程と、
    前記プラスチック製部材の余白部を熱圧着する工程と、を備えたことを特徴とする、複合プリフォームの製造方法。
  2. 前記余白部には、互いに対向して配置された第1対向面と第2対向面とが形成され、前記第1対向面の一部と前記第2対向面の一部とが互いに圧着される、請求項1に記載の複合プリフォームの製造方法。
  3. 前記第1対向面と前記第2対向面とは、互いに前記プラスチック製部材の軸線方向にずれて圧着される、請求項2に記載の複合プリフォームの製造方法。
  4. 前記余白部の長さが、3mm以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複合プリフォームの製造方法。
  5. 前記余白部の熱圧着が、表面が平坦または凹凸形状を有する器具を用いて行われる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の複合プリフォームの製造方法。
  6. 前記器具の表面温度が、100℃以上、250℃以下である、請求項5に記載の複合プリフォームの製造方法。
  7. 前記余白部の熱圧着時の圧力が、50N/cm以上、1000N/cm以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の複合プリフォームの製造方法。
  8. 前記余白部の熱圧着時のプラスチック製部材の温度が、80℃以上、200℃以下である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の複合プリフォームの製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法により得られた複合プリフォームを加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、
    加熱後の前記複合プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、プリフォームおよびプラスチック製部材を一体として膨張させる工程とを備えたことを特徴とする、複合容器の製造方法。
  10. 口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部とを有するプリフォームと、
    前記プリフォームの外側を取り囲むように設けられたプラスチック製部材とを備え、
    前記プラスチック製部材は、前記底部側の一端に余白部を有し、前記余白部が熱圧着されていることを特徴とする、複合プリフォーム。
  11. 前記余白部には、互いに対向して配置された第1対向面と第2対向面とが形成され、前記第1対向面の一部と前記第2対向面の一部とが互いに圧着されている、請求項10に記載の複合プリフォーム。
  12. 前記第1対向面と前記第2対向面とは、互いに前記プラスチック製部材の軸線方向にずれて圧着されている、請求項11に記載の複合プリフォーム。
  13. 請求項10乃至12のいずれか一項に記載の複合プリフォームのブロー成形品である複合容器であって、
    口部と、前記口部の下方に設けられた胴部と、前記胴部の下方に設けられた底部と、を有する容器本体と、
    記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを備え、
    前記プラスチック製部材の前記余白部が熱圧着されていることを特徴とする、複合容器。
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