図1及び図2は、本発明を適用した自脱式のコンバインの側面図及び平面図であり、図3は、操縦部を示した平面図である。図示するコンバインでは、左右一対のクローラ式走行装置1,1によって支持された機体フレーム2の左側半部に脱穀部3を設け、該機体フレーム2の右側半部の前側に操縦部4が配置されたキャビン6を設け、該キャビン6の後側にグレンタンク7を設けることにより走行機体8を構成し、該走行機体8の前方に穀稈の刈取作業を行う前処理部9を昇降駆動可能に連結支持している。
走行機体8の前進走行中、前処理部9で刈取られた穀稈は、前処理部9の搬送装置11によって走行機体8の脱穀部3前部側まで後方搬送され、前後方向のフィードチェーン12に渡される。該フィードチェーン12によって、脱穀部3に沿うように後方搬送される穀稈は、脱穀部3内で回転駆動される扱胴(図示しない)によって扱降ろし処理(脱穀処理)されて排藁となり、該排藁となった穀稈は、走行機8体の後端部から機外に排出される。その一方で、脱穀処理された処理物は、籾等の穀粒と、それ以外の藁屑等の排出物とに選別され、穀粒は前記グレンタンク7に収容され、排出物は走行機体8の後端部から機外へと排出される。
走行機体8の走行停止中、グレンタンク7内に収容された穀粒は、走行機体8の後部の右側に基端部が支持されたオーガ13の先端部側に下方を向いた状態で開口形成された排出口14から機外へと排出される。
前記オーガ13は、走行機体8の後端部右側に、自身の軸回りに回動駆動可能に支持された上下方向の縦筒16と、該縦筒16の上端側に上下揺動可能に支持されて先端側に向かって直線状に延設された排出筒17とによって構成されている。また、該縦筒16の上端側には、該縦筒16を軸に排出筒を左右旋回作動させるオーガ旋回モータ(アクチュエータ)18と、排出筒17を上下揺動作動させるオーガ昇降シリンダ(アクチュエータ)19が設けられている。
すなわち、該オーガ13は、縦筒16を軸に回動することにより排出筒17を水平方向に左右旋回作動させることができるとともに、排出筒17を縦筒16に対して上下揺動作動させることができる。該オーガ13の移動(旋回及び昇降作動)の具体的な操作(制御)については後述する。
また、グレンタンク7内の穀粒は、縦筒16内に支持された上下方向の上昇ラセン(図示しない)によって、排出筒17の基端側まで上昇搬送され、排出筒17の基端側まで搬送された穀粒は、排出筒17内において軸方向に延びる排出ラセン(図示しない)によって、排出筒17の先端側に形成された前記排出口14まで搬送され、該排出口14から機外へと排出される。
さらに、該オーガ13の排出口14側には、オーガ13の排出口14から穀稈が排出される様子を撮影できるオーガ先端カメラ21が設けられており、オーガ先端カメラ21によって撮影された映像を後述する操縦部4側の液晶表示部20から確認できるように構成されている。これにより、作業者はオーガ13の排出口14から任意の排出箇所に穀粒が排出されていることをキャビン6内から確認することができる。具体的な表示態様については後述する。
前記キャビン6内の操縦部4は、オペレータが着座する座席22と、座席22の側方に配置された走行主変速レバー23と、座席22の前方右側に配置されたマルチステアリングレバー(前処理部昇降操作、機体操向操作)24と、座席22の前方正面側に配置された液晶表示部(モニタ)20と、座席22の後方に支持されて前記オーガ13を操作することができる有線リモコン27とを備えている(図3参照)。該有線リモコン27は、無線リモコン26であっても良く、無線リモコン26であれば機外から操作可能となる。また、有線リモコン27と無線リモコン26の両方を備えて、両方使用可能な構成としても良い。さらに、有線リモコン27に代えて座席22の後方や側方の操作パネル部にオーガ操作具を設けても良い。
また、該液晶表示部20は、液晶パネル28に表示される画面を複数パターンに切換えることができるように構成されており、方向指示器、作業灯のON・OFF、エンジン回転数、車速、燃料残量、エンジン負荷率、グレンタンク内の籾量等の基本情報を表示する標準画面と、オーガの左右旋回位置や上下揺動位置を表示するオーガ操作画面と、前記オーガカメラから取得された映像が出力されたカメラ表示画面とに切換えることができる。
さらに、該液晶表示部20は、タッチ操作によって情報入力を行うことができるタッチパネル29が設けられており、所定箇所がタッチ操作されることによって、前記無線リモコン26(有線リモコン27)と同様に前記オーガ13を操作することができるように構成されている。該液晶表示部20を介したオーガ13の左右旋回操作、上下揺動操作の具体的な構成については後述する。
ちなみに、前記液晶表示部20は、操縦部4側の座席22正面側に備え付けられる他、タブレット端末(図示しない)等に設けられた液晶表示部から確認及び操作ができるように構成しても良い。
次に、図4及び図5に基づき、リモコン操作によるオーガ制御について説明する。図4は、制御部のブロック図である。前記制御部50の入力側には、制御部50に設けた通信部30側に接続される前記無線リモコン26と、前記有線リモコン27と、オーガ先端カメラ21と、前記オーガ13の左右旋回位置を検出するオーガ旋回位置検出センサ(位置検出手段)31と、前記オーガ13の上下揺動位置を検出するオーガ昇降位置検出センサ(位置検出手段)32と、前記上昇ラセン及び排出ラセンへ伝動される動力を断続する排出クラッチの状態を検出する排出クラッチ検出センサ33とが接続されている。
その一方で、前記制御部50の出力側には、前記オーガ旋回モータ18と、前記オーガ昇降シリンダ19と、前記排出クラッチの断続を操作する排出クラッチモータ34とが接続されている。
また、前記制御部50には、タッチパネル式の前記液晶表示部20が入出力可能に接続されており、具体的に該液晶表示部20は、各種画面が出力される液晶パネル28と、該液晶パネル28へのタッチ操作等が入力されるタッチパネル29とを備えている。
これにより、該制御部50は、前記無線リモコン26、有線リモコン27、又は液晶表示部20を用いて、前記オーガの旋回作動及び上下揺動(移動)を操作するオーガ制御を実行可能に構成されている。
次に、図5に基づき、オーガ制御の構成について説明する。前記オーガ13の左右旋回作動や、上下揺動作動は、前記無線リモコン26、有線リモコン27、又は液晶表示部20のタッチパネル29の何れかの操作に基づいて実行される。
図5は、オーガ制御のフロー図である。オーガ制御の処理フローが開始されると、ステップS1に進む。ステップS1では、前記無線リモコン26の操作があったか否かが確認され、無線リモコン26の操作が確認された場合には、ステップS2に進む。ステップS2では、無線リモコン26の操作に応じてオーガの左右旋回位置や上下揺動位置が操作される無線リモコン制御が実行され、その後、処理を戻す。
一方、ステップS1において、無線リモコン26の操作が確認されなかった場合には、ステップS3に進む。ステップS3では、有線リモコン27の操作があったか否かが確認され、有線リモコン27の操作が確認された場合には、ステップS4に進む。
ステップS4では、有線リモコン27の操作に応じてオーガの左右旋回位置や上下揺動位置が操作される有線リモコン制御が実行され、その後、処理を戻す。
一方、ステップS3において、有線リモコン27の操作が確認されなかった場合には、ステップS5に進む。ステップS5では、前記液晶表示部30のタッチパネル29が操作されたか否かが確認され、タッチパネル29の操作が確認された場合には、ステップS6に進む。
ステップS6では、液晶表示部20のタッチパネル29のタッチ操作に応じてオーガ13の左右旋回位置や上下揺動位置が操作されるタッチパネル制御が実行され、その後、処理を戻す。該タッチパネル制御の具体例については後述する。
一方、ステップS5において、前記液晶表示部20のタッチパネル29の操作が確認されなかった場合には、ステップS7に進む。ステップS7では、オーガ13の操作制御が停止されて、その後、処理を戻す。
以上より、前記オーガ制御では、前記オーガの左右旋回作動と、上下揺動作動とを無線リモコン、有線リモコン、タッチパネルの何れの操作具からも操作することができる一方で、各操作具が同時に操作された場合には、無線リモコン、有線リモコン、タッチパネルの順番で操作が優先されるように構成されている。
これによれば、比較的に誤って触れやすいタッチパネルよりも、明確にオーガを操作する時以外は使用されない無線リモコン、又は有線リモコンの操作が優先されるため、誤操作によって作業者が意図しない操作がされる事態をより効率的に防止することができる。
次に、図6乃至図8に基づき、タッチパネル制御の具体例について説明する。図6(A)及び(B)は、液晶表示部のオーガ操作画面を示した図であり、図7(A)は、液晶表示部のカメラ画像拡大画面を示した図であり、図7(B)は、液晶表示部の標準画面を示した図であり、図8は、液晶表示部のカメラ小画像表示画面を示した図である。
前記液晶表示部20は、図示されるように、左右一方(図示する例では左)側に、タッチ操作されることによって液晶パネル28に出力される画面を切換えるアイコン(画像)として切換操作ボタン36が常時表示されている。具体的には、液晶パネル28の表示を前記標準画面に切換えるアイコン(画像)である標準表示切換ボタン36Aと、液晶パネル20の表示を前記オーガ操作画面に切換えるオーガ表示切換ボタン36Bと、液晶パネルに前記オーガカメラ21から取得された映像を大きく出力するカメラ拡大表示画面に切換えるカメラ大表示切換ボタン36Dと、オーガカメラ21から取得された映像とオーガの操作位置とを同時に表示するカメラ表示画面に切換えるカメラ小表示切換ボタン36Cとが配置されている。
これにより、前記制御部50は、前記タッチパネル29により各切換ボタン36のタッチ操作が検出された場合には、液晶パネル28に表示される画面を切換ボタン36に対応する表示画面に切換えるとともに、タッチ操作された切換ボタン36を所定の識別し易い色に強調(点灯)表示するように構成されている。以下、各表示画面について説明する。
図6(A)及び(B)に示されるように、前記オーガ操作画面は、前記オーガ13の左右旋回可能な旋回範囲とオーガ13の旋回位置を走行機体の平面視のモデル図で示した旋回位置表示部37と、前記オーガ13の上下揺動可能な揺動範囲とオーガの上下位置を走行機体の背面視のモデル図で示した上下位置表示部38とが、左右に並べて配置されている。また、液晶表示部20の下部側には、後述する手動操作ボタンによるオーガ13の移動量が表示される移動量ゲージ39と、オーガ13によるグレンタンク内の穀粒の機外への排出作業を実行する排出ボタン41とが表示されている(図6(A)及び(B)参照)。
前記上下位置表示部38は、走行機体を背面視からみたモデルである機体モデル画像42と、該機体モデル画像42の後部上端側を軸に上下揺動するオーガ部43の上下揺動範囲を示す上下範囲表示画像44と、該上下範囲表示画像44の外周側に配置されてタッチ操作によりオーガ13を昇降作動させることができる画像である上下手動操作ボタン46とが表示されている。
上記機体モデル画像42は、上下揺動するオーガ部43が前記オーガ昇降位置検出センサ33によって検出された実際の前記オーガ13の上下揺動位置と連動した上下揺動位置に移動されるように構成されており、該オーガ部43の排出口(先端)側の移動範囲は、必ず上下範囲表示画像44上の何れかの位置で収まるように構成されている。
上記上下範囲表示画像44は、オーガ部43の上下位置を示す画像であって、円形の画像で表示された表示部44aを、オーガ部43の移動軌跡に沿って複数(図示する例では5つ)円弧状に配置することにより構成され、オーガ13が上下揺動可能な範囲を示している。
これにより、前記制御部50は、前記オーガ昇降位置検出センサ32によって検出されたオーガ13の上下揺動位置と連動する位置の表示部44aを強調(点灯)させるとともに、前記機体モデル画像42のオーガ部43が強調表示された表示部44aの位置に表示されるように逐次表示位置が更新されるように構成されている。該構成により、作業者は、液晶パネル28から現在のオーガ13の上下位置をスムーズ且つ容易に確認することができる。
なお、該上下範囲表示画像44は、オーガの上下移動可能な範囲のみを表示する構成であって、オーガ13の上下位置は、機体モデル画像42のオーガ部43の位置のみで表示される構成であっても良い。
また、該上下範囲表示画像44は、前記オーガ13の上下揺動位置を操作する自動昇降操作を行う操作部を兼ねており、前記タッチパネル29よって、上下範囲表示部44上のどの位置(表示部44a)がタッチ操作されたかについて検出できるように構成されている。
これにより、前記制御部50は、上下範囲表示画像44のタッチ操作が検出された場合には、前記オーガ昇降シリンダ19により、前記オーガ13を上下範囲表示画像44がタッチ操作された位置(表示部44a)と対応する昇降位置まで自動的に昇降作動させるように構成されている。該構成により、作業者は、前記オーガ13の昇降位置を直感的なワンタッチ操作で上下揺動操作することができる。
さらに、該制御部50は、上下範囲表示画像44のタッチ操作によって、前記オーガ13が昇降作動している最中に、タッチパネル29上の上下範囲表示画像44以外の箇所がタッチ操作されたことが検出された場合には、前記オーガ13の昇降作動を緊急停止できるように構成されている。
上記上下手動操作ボタン46は、逆方向を向いた一対の矢印によって形成され、オーガを上方揺動作動させる上方揺動操作ボタン46Aと、オーガを下方揺動作動させる下方揺動操作ボタン46Bとを有している。また、該上下手動操作ボタン46は、円弧状の上下範囲表示画像44の接線方向に沿って配置されるように表示されており、液晶パネル28内の前記オーガ部43(及び強調表示された表示部44a)と連動して、一対の矢印の上下位置も移動するように構成されている。すなわち、一対の矢印の位置が、常にオーガ部43が位置する表示部44aが円弧状の上下範囲表示部44の接点となるように表示される(図6(A)及び(B)参照)。
これにより、前記制御部50は、上方揺動操作ボタン46Aのタッチ操作が検出された場合には、前記移動量ゲージ39で設定された移動量の分だけ、前記オーガ昇降シリンダ19を介して前記オーガ13を上方揺動作動させ、下方揺動操作ボタン46Bのタッチ操作が検出された場合には、同様に設定された所定の移動量の分だけ、前記オーガ昇降シリンダ19を介して前記オーガ13を下方揺動作動させるように構成された。該上下手動操作ボタン46は、タッチ操作された時間に応じて、上下揺動される移動量を調整できるように構成しても良い。
該構成によれば、作業者が液晶表示部20のタッチ操作で前記オーガ13を昇降操作する場合に、上下手動操作部46の位置が、常に現在のオーガ13の現在位置を表示するオーガ部43が位置する上下範囲表示画像44の表示部44a近傍に配置されるため、上下手動操作ボタン46の位置が視認し易くなるとともに、オーガ13の昇降操作をより直感的に行うことができる。
前記旋回位置表示部37は、走行機体を平面視からみたモデルである機体モデル画像48と、該機体モデル画像48の後部右端を軸に回転するオーガ部49の左右旋回可能な範囲を示す旋回範囲表示画像51と、該旋回範囲表示画像51の外周側に配置されてタッチ操作によりオーガ13を旋回作動させることができる画像である旋回手動操作ボタン52とが表示されている。
上記機体モデル画像48は、左右旋回するオーガ部49が前記オーガ旋回位置検出センサ31によって検出された実際のオーガ13の左右旋回位置と連動した左右旋回位置に移動されるように構成されており、該オーガ部43の排出口(先端)側の移動範囲は、必ず前記旋回範囲表示画像51上の何れかの位置で停止されるように構成されている。
上記旋回範囲表示画像51は、オーガ部49の旋回位置を示す画像であって、円形の画像で表示された表示部51aを、オーガ部49の移動軌跡に沿って複数(図示する例では17つ)円弧状に配置することにより構成され、オーガ13が左右旋回可能な範囲を示している。
具体的には、該旋回範囲表示画像51は、オーガ部49の先端を機体モデル画像48の左前方側に配置した初期位置を示す表示部51a1から時計回りに並べて配置されており、オーガ部49の先端が進行方向に対して左方に略直角となる位置(約300°程度)まで、所定の間隔で表示部51aが配置されている。これにより、前記機体モデル画像48のオーガ部49は、円弧状に表示された旋回範囲表示画像51の範囲内で旋回されるように表示される。
これにより、前記制御部50は、前記オーガ旋回位置検出センサ31によって検出されたオーガ13の左右旋回位置と連動する位置の表示部51aを強調表示(点灯)させるとともに、前記機体モデル画像48のオーガ部49が強調表示された表示部51aの位置に表示されるように逐次表示位置が更新されるように構成されている。このとき、表示部51aの強調表示を行わず、オーガ部49の表示位置で、オーガ13の位置を表示する構成であっても良い。
また、該旋回範囲表示画像51は、前記オーガ13の左右旋回位置を操作する自動旋回操作を行う操作部を兼ねており、前記タッチパネル29によって、旋回範囲表示部51上のどの位置(表示部51a)がタッチ操作されたかについて検出できるように構成されている。
これにより、前記制御部50は、旋回範囲表示画像51のタッチ操作が検出された場合には、前記オーガ13が、前記オーガ旋回モータ18により旋回範囲表示画像51がタッチ操作された位置(点灯部51a)と対応する旋回位置まで自動的に左右旋回作動されるように構成されている。該構成により、作業者は、前記オーガ13の旋回位置を直感的なワンタッチ操作で左右旋回操作することができる。
さらに、該制御部50は、旋回範囲表示画像51のタッチ操作によって、前記オーガ13が旋回作動している最中に、タッチパネル29上の旋回範囲表示画像51以外の箇所がタッチ操作されたことが検出された場合には、前記オーガ13の旋回作動を緊急停止できるように構成されている。
ちなみに、前記オーガ13は、排出口14を走行機体7の前方左側に配置した初期位置の表示部51a1から、オーガ13を時計回りに旋回させる場合、オーガ13とキャビン6とが接触することを防止するため、オーガ13が最上昇位置まで上方揺動された状態で旋回作動が開始されるとともに、平面視でオーガ13とがキャビン6とがラップする位置では、オーガ13の旋回作動を停止させることができないように構成されている。
すなわち、該旋回範囲表示画像51でも同様に、前記オーガ13の旋回作動が停止できない範囲に相当する範囲には、前記表示部51aが表示されておらず、旋回表示画像51をタッチ操作することによる前記オーガ13の自動的な旋回操作をすることができないように構成されている(図6(A)及び(B)参照)。
上記旋回手動ボタン52は、前記上下手動操作ボタン46と同様に、逆方向を向いた一対の矢印によって形成され、オーガ13を左旋回作動させる左旋回操作ボタン52Aと、オーガ13を右旋回作動させる右旋回操作ボタン52Bとを有している。また、該旋回手動操作ボタン52は、円弧状の旋回範囲表示画像51の接線方向に沿って配置されるように表示されており、液晶パネル28内を旋回する前記オーガ部49と連動して、一対の矢印の上下位置も移動するように構成されている。
これにより、前記制御部50は、左旋回操作ボタン52Aのタッチ操作が検出された場合には、前記移動量ゲージで設定される移動量の分だけ、前記オーガ旋回モータ18を介して前記オーガを左旋回作動させ、右旋回操作ボタン52Bのタッチ操作が検出された場合には、同様に設定された移動量の分だけ、前記オーガ旋回モータ18を介して前記オーガ13を右旋回作動させるように構成された。
該構成によれば、作業者が液晶表示部20のタッチ操作で前記オーガ13を旋回操作する場合に、旋回手動操作ボタン52の位置が、常に現在のオーガ13の位置を表示するオーガ部49が位置する表示部51a近傍に配置されるため、旋回手動操作ボタン52の位置が視認し易くなるとともに、オーガ13の旋回操作をより直感的に行うことができる。
前記移動量ゲージ39は、液晶パネル28の下部側に表示される左右方向に延設された長方形状のメーターであって、前記上下手動操作ボタン46、又は旋回手動操作ボタン52の操作によって作動するオーガ13の移動量が表示される。また、該移動量ゲージ29は、前記タッチパネル29によりタッチ操作又はスライド操作が検出されることにより、ゲージの左端の最小(MIN)から右端の最大(MAX)の間でゲージ量を操作することができるように構成されている。
図示する例では、前記制御部50は、ゲージが最大値(右端側)まで操作された場合には、前記上下手動操作ボタン46の一度のタッチ操作によって、前記上下範囲表示画像44の隣接する表示部44a間を移動するように構成されるとともに、前記旋回手動操作ボタン52の一度のタッチ操作によって、前記旋回範囲表示画像51の隣接する表示部51a間を移動するように構成された。
これにより、該制御部50は、移動量ゲージ39のゲージ量を調整することによって、各手動操作ボタン46,52によって移動が操作されるオーガの移動量を細かく設定することができるため、汎用性がより向上する。
すなわち、前記手動操作ボタン46,52は、前記移動量ゲージ39のゲージ量が小さくなるように操作して、各手動操作ボタン46,52の一度のタッチ操作によるオーガ13の作動量を細かく設定することによって、上下範囲表示画像44や、旋回範囲表示画像51のタッチ操作では困難なオーガ13の操作位置の細かい調整操作を行うことができる。
前記排出ボタン41は、前記上下位置表示部38の下側に表示されたアイコン(画像)であって、タッチ操作されることにより、前記オーガ13内の上昇ラセン及び排出ラセン等を駆動させることによって、グレンタンク7内に貯留された穀粒をオーガ14の排出口14から機外へと排出する排出状態と、上昇ラセン及び排出ラセンの駆動を停止する排出停止状態とに切換えることができる。
すなわち、前記制御部50は、排出停止状態で前記排出ボタン41のタッチ操作が検出された場合には、前記排出クラッチモータ34を介して排出クラッチを接続することによって、上昇ラセン及び排出ラセン側に動力を伝動し、排出口14からグレンタンク7内の穀粒を排出する排出状態に切換えられる。また、排出状態で前記排出ボタン41のタッチ操作が検出された場合には、前記排出クラッチモータ34を介して排出クラッチを切断することによって、上昇ラセン及び排出ラセン側への動力伝動を断った排出停止状態に切換えることができる。
図7(B)に示されるように、前記標準画面は、走行中の走行機体の状態や、グレンタンク内の状態等を検出した各種情報を表示することができる。具体的には、方向指示器、作業灯のON・OFF、エンジン回転数、車速、燃料残量、エンジン負荷率、グレンタンク内の籾量等の情報が示される標準情報表示部61が表示される。
図7(A)に示されるように、前記カメラ拡大表示画面は、前記オーガ先端カメラ21で撮影された映像が出力される映像拡大表示部62が表示される。これにより、作業者は、操縦部4側のカメラ拡大表示画面に切換えられた液晶パネル28から、排出口14が所定の排出位置に操作されていることを確認しながら、前記有線リモコン27等によって前記オーガ13を操作することができる。
また、該映像拡大表示部62で出力される映像として、前記オーガ先端カメラ21の他、前記脱穀部3における穀稈の搬送排出状況を確認できる位置に設けた脱穀搬送カメラ(図示しない)の映像や、走行機体8の後端側に設けられて排藁の排出状況を確認できる後部カメラ(図示しない)の映像を出力できるように構成しても良い。
図8に示されるように、前記カメラ小表示画面は、前記液晶パネルの右部に前記オーガ先端カメラで撮影された映像が出力される映像表示部63が表示され、液晶パネルの中央側に簡易旋回位置表示部64と簡易上下位置表示部65とが上下に並べて表示される。
前記簡易旋回位置表示部64は、旋回位置表示部51と同様に、前記オーガ13の旋回位置を表示する一方で、連続した線状で表示された表示部がオーガの操作ボタンを兼用しておらず、タッチ操作してもオーガ13の自動旋回操作はできないように構成されている。また、前記簡易上下位置表示部65についても、上下位置表示部44と同様に、前記オーガ13の上下位置を表示する一方で、線状に表示された表示部のタッチ操作によるオーガ13の自動昇降操作はできないように構成されている。
なお、該簡易旋回位置表示部64と、簡易上下位置表示部65においても、旋回位置表示部51や、上下位置表示部44と同様に、線状に表示された表示部をタッチ操作することによってオーガ13の旋回や上下揺動を操作することができるように構成しても良い。
これにより、カメラ小表示画面に切換えられた液晶パネルによれば、オーガ13の操作位置と、オーガ先端カメラ21で取得された映像とを同時に確認することができるため、前記オーガ13の位置情報と排出箇所とが把握し易くなり、前記有線リモコン27によるオーガの操作をスムーズに実行できる。
次に、図9に基づき、タッチパネル制御の別実施例について、上述の例と異なる点について説明する。図9は、別実施例における液晶表示部のオーガ操作画面を示した図である。
図9に示されるように、別実施例における前記オーガ操作画面は、前記オーガ13の左右旋回可能な旋回範囲とオーガ13の旋回位置を走行機体の平面視のモデル図で示した旋回位置表示部66と、前記オーガ13の上下揺動可能な揺動範囲とオーガの上下位置を走行機体の背面視のモデル図で示した上下位置表示部67とが、左右に並べて配置されている。また、液晶表示部20の下部右側には、オーガ13の左右旋回を操作する手動操作ボタンオーガ13によるグレンタンク7内の穀粒の機外への排出作業を実行する排出ボタン41が表示されている。
前記上下位置表示部67は、走行機体を背面視からみたモデルである機体モデル画像42と、該機体モデル画像42の後部上端側を軸に上下揺動するオーガ部43の上下揺動範囲を示す上下範囲表示画像68とが表示されている。
該上下範囲表示画像68は、オーガ部43の上下揺動可能な範囲を示す連続した線状で表された表示部であって、オーガ部43の移動軌跡に沿った円弧状に表示されており、前記オーガ13の上下揺動可能な範囲を示している。
また、該上下範囲表示画像68は、前記オーガ13の上下揺動位置を操作する自動昇降操作を行う操作部を兼ねており、前記制御部50は、タッチパネル29よって、上下範囲表示画像68上のタッチ操作や、スライド操作を検出し、これに基づいて上下範囲表示画像68上で操作された位置までオーガ13を自動的に昇降作動させることができるように構成されている。
また、上下範囲表示画像68の下方側には、上下手動操作ボタン71A,71Bが表示されている。該上下手動操作ボタン71A,71Bの配置は、オーガ部43の上下位置に関わらず、表示位置が固定されている。
前記旋回位置表示部66は、走行機体を平面視からみたモデルである機体モデル画像48と、該機体モデル画像48の後部側を軸に旋回するオーガ部49の旋回範囲を示す旋回範囲表示画像69とが表示されている。
該旋回範囲表示画像69は、オーガ部49の左右旋回可能な範囲を示す連続した線状で表された表示部であって、オーガ部49の移動軌跡に沿った円弧状に表示されており、オーガ13の左右旋回可能な範囲を表示している。
また、該旋回範囲表示画像69は、前記オーガ13の左右旋回位置を操作する自動旋回操作を行う操作部を兼ねており、前記制御部50は、タッチパネル29よって、旋回範囲表示画像69上のタッチ操作や、スライド操作を検出し、これに基づいて旋回範囲表示画像68上で操作された位置までオーガ13を自動的に旋回作動させるように構成されている。
また、旋回範囲表示画像69の下方側には、旋回手動操作ボタン72A,72Bが表示されている。該旋回手動操作ボタン72A,72Bの配置は、オーガ部43の上下位置に関わらず、表示位置が固定されている。