JP6913113B2 - 精製された穀物系飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、ビールを生成するために使用されるプロセスを含む、穀物の水性抽出物(例えば、マッシングにより調製される)の発芽及び調製に関する。それ故、本発明は、オオムギ粒からビールを調製するための低動力で迅速で連続的なプロセスを提供する。その方法は単一の施設で実施され得る。本発明は、イネ、モロコシ、トウモロコシ、キビ及びコムギを含む他の穀物粒の水性抽出物の発芽及び調製ならびに補助剤を含む醸造プロセスに等しく適用可能である。
商業的な麦芽化プロセスでは、オオムギ粒は、4〜6日の期間にわたってデンプン性胚乳のデンプン及びプロテイン貯蔵物の部分的な可動化を可能とする制御された条件下で発芽、すなわち麦芽化される。その麦芽化プロセスは、典型的には、乾燥オオムギ粒を水に浸漬することによって開始される。このプロセスは浸麦として知られており、その目的は、粒を清浄することだけでなく、その後の胚乳可動化工程がより迅速に生じるように約40%(w/w)までその水分含有量を高めることである。浸麦中、水は、粒の再通気を可能とするために一度排水される。この工程は「エアレスト」として知られており、主に、沈められた粒が約16時間後に酸素不足になるため必要と考えられている。約8時間の「エアレスト」の後、粒を水中に再浸漬して、更に8時間の期間にわたって(または一連の再浸麦工程で)浸麦処理を完了する。乾燥粒の水分含有量を40%以上に増加させる2段階の浸麦プロセスは、全体で約32時間要する。いくつかの麦芽製造所では、スプレー浸麦技術が使用されている。
浸麦した粒は発芽のために広がり、その間にアリューロン及び胚盤上皮細胞から分泌された酵素が(デンプン性胚乳細胞に予め存在するいくつかと一緒に)細胞壁、デンプン及びタンパク質を分解する。通常の発芽条件下では、植物ホルモンのジベレリン酸(GA)は、節領域、または胚の他の場所で合成されると考えられており、そこからそれは水勾配に沿って拡散する(Fincher,2011)。
麦芽製造業者は通常、粒中のデンプン分解酵素の可能な限り多くの合成を迅速に誘導することを目的としている。多くの商業的麦芽化プログラムでは、アリューロン層からの酵素分泌のプロセスを加速するためにGAが添加される。α−及びβ−アミラーゼ、デンプン枝切り酵素及びα−グルコシダーゼを含むデンプン分解酵素は、粒のデンプン貯蔵物を単糖、オリゴ糖、及びグルコースに部分的に解重合する(Smith et al.,2005;前記β−アミラーゼに関して、これらが粒成長の間にデンプン性胚乳内に堆積することは注目に値する)。デンプンの解重合生成物は、その後、炭素源として酵母細胞によって使用され、発酵してビールのエタノールとなる。糖化力は、多くのデンプン分解酵素の活性レベルを指す麦芽化品質パラメータであり、醸造のためには高い値が望ましい。
オオムギ粒の他の主要成分には、死滅デンプン性胚乳細胞にも見られ且つホルデインを含む貯蔵タンパク質、ならびに水及び塩可溶性タンパク質が含まれる。これらの解重合はまた、麦芽化プロセスにおいて自然に始まるが、醸造者は、十分なペプチド及びアミノ酸が放出されて、醸造所におけるその後の発芽工程中に酵母の増殖をサポートするように、これらのタンパク質の分解の程度を管理し得る。しかしながら、貯蔵タンパク質の分解が過度に進行した場合、放出されたタンパク質が醸造プロセスにおいて困難性を引き起こす場合がある。特に、高レベルの放出された可溶性タンパク質が堆積し、最終的なビール製品中に望ましくない濁りを形成し得るか、またはビールの貯蔵中にストレッカーアルデヒド形成の潜在性を増大させ得る。麦芽化品質の仕様では、発酵中の酵母の増殖には、適切なレベルの遊離アミノ窒素(FAN)が望ましい。コルバッハ指数は、可溶性:総タンパク質比の指標であり、適切なコルバッハ指数を生じさせる麦芽が一般に好ましい。そのため、タンパク質分解の程度は、麦芽製造業者にとって進行中の課題である。過剰な抽出タンパク質に関連し得るビール沈殿の問題に加えて、非常に高いFANレベルはまた、異臭形成の潜在性により、困難性をもたらす場合がある。
麦芽製造業者はまた、オオムギ粒中の細胞壁多糖、特に(1,3;1,4)−β−グルカン及びアラビノキシランを分解する酵素の高レベルを誘導しようと試みている。不完全に分解された(1,3;1,4)−β−グルカンは、醸造者にとって特に厄介であり得るが、その理由は、これらは、醸造所での濾過プロセスを遅くし且つ最終的なビール中の望ましくない濁りに寄与する高粘度の水溶液を形成する可溶性形態の麦芽から抽出され得るからである。それ故、低レベルの可溶性(1,3;1,4)−β−グルカンは重要な麦芽化品質パラメータを表す一方で、高レベルの(1,3;1,4)−β−グルカナーゼ酵素は、麦芽品質の重要な指標のままである。
上記のように、麦芽化プロセスは、典型的には、約4〜5日かかる。制御された発芽工程の後、湿った麦芽は約40%の水分含有量から4〜5%まで乾燥される。キルニングと名付けられたこの乾燥プロセスは、非常にエネルギーを消費し、その産業にとって主要な費用を占める。
キルン乾燥は、複数の理由からビール生成の重要な部分と考えられてきた。1つの重要な理由は、発芽中に根茎(「稈」とも称される)が形成されることである。根茎はビールの後味に影響を与える苦い味を有し、更に、根茎はビールに望ましくない色を加える場合がある(Shokuhin Sangyo Shimbunにより発行されたBeer Brewing Technology(1999):183及びUS9,326,542を参照されたい)。緑麦芽がキルン乾燥されると、根茎は、例えば、脱稈器を使用して容易に除去され得る。D.E.Briggsによる「Malts and Malting」の一般教科書によれば、「稈は除去されなければならない[...]その理由は、それらが極端に含水性であり、可溶性窒素物質に富み、風味に劣る苦い物質を含有し、二酸化硫黄及び/またはニトロソアミンに富む場合があるからである。麦芽をキルンから取り除いてその冷却を補助する直後で、且つ根茎が空気から水分を吸収して、緩んでしなやかになり(脆さがより低くなり)、そのため、破断及び分離することがより困難になる前に脱稈を行うべきである」(D.E.Briggs,Malts and Malting;p695 First Edition,1998 Published by Blackie & Professionals,London,ISBN0 412 29800)。
キルン乾燥麦芽は一般に4.5〜5.0%の水分レベルを有する。キルン乾燥麦芽は、その後、麦芽製造所から醸造所に道路、鉄道または海路で輸送される。これは、麦芽化及び醸造のプロセスが伝統的に異なる場所で、また、しばしば異なる企業体によって行われてきたという事実に関連する。
醸造所では、キルン乾燥麦芽を粉砕して粒を破砕して開き、得られた内容物は、マッシングとして知られているプロセスにおいて温水で抽出される。抽出された材料には、上述したように部分的に分解したデンプン、タンパク質及び細胞壁分子が含まれ、これらは、麦芽から抽出された内因性粒酵素によって更に分解される。この段階で、いくつかの醸造者は、その後の酵母発酵プロセスをサポートするため及び麦芽のより高い費用を相殺するため、追加の(及び一般により安価な炭素源(補助剤))を添加する。前記補助剤は、発芽していない粒からのオオムギ、コメ、コムギまたは他の穀物粉であり得るが、それらの添加は、補助剤の成分を分解するのに不十分な内因性酵素が麦芽中に存在するため、加水分解酵素の付随添加を必要とし得る。添加される酵素は、通常、真菌及び/または細菌培養物の未精製及び比較的安価な抽出物からのものである。いくつかの国、特に厳しい規制状況下でビールを生成しなければならないところでは、外因性酵素の添加は合法ではない。
デンプン、及び温水中で抽出された他の胚乳成分の更なる分解は、糖化として知られるプロセスで進行する。マッシング後、抽出物を、しばしばロータータンで濾過し、冷却する。抽出物は、ホップまたはホップ抽出物の存在下で沸騰することができ、冷却すると、放出された糖のエタノールへの発酵のために酵母培養物が添加される。このようにして生成されたビールは、通常、ボトリングする前に熟成及び濾過される。ビールはまた、ボトリングの前に炭酸化され得る。
米国特許第9,326,542号明細書
Fincher GB(2011)Biochemistry,Physiology and Genetics of Endosperm Mobilization in Germinated Barley Grain.In:Barley:Production,Improvements and Uses.Ed.Ullrich SE,Wiley−Blackwell,Chapter14,pp449−477. Smith AM,Zeeman S.C,Smith SM(2005)Starch Degradation.Annual Review of Plant Biology 56:73−98. Shokuhin Sangyo Shimbunにより発行されたBeer Brewing Technology(1999):183 D.E.Briggs,Malts and Malting;p695 First Edition,1998 Published by Blackie & Professionals,London,ISBN0 412 29800
本発明は、穀物の水性抽出物の迅速な発芽及び調製のための方法を提供する。その方法は、高レベルの発酵性糖、好ましくは低レベルのβ−グルカン及びキシランを有する麦汁を調製するための潜在性を維持しつつ、穀物系飲料の生成のための前記麦汁を調製するプロセスを大幅に加速する。特に、前記麦汁から調製された飲料は、低いレベルの渋味を特徴とし得る。
本発明は、乾燥オオムギ粒からビールに達する連続的かつ一体的な醸造プロセスが単一の場所で行われ得ることを実証する。その点で、本発明は、一定の通気により、例えば>30%、好ましくは>35%の水分含有量とする穀物粒の組み合わされた浸麦及び発芽のための方法を提供する。それにより、本発明は、麦芽の乾燥の排除による大幅な水の節約、及び例えば、キルン乾燥工程の省略による大幅なエネルギーの節約を提供し得る。
本発明では、粒は、Oが供給される水溶液(典型的には水)中に沈められ、インキュベートされる。典型的には、例えば20〜72時間の範囲の間であり得、且つ一般に粒が適切な水分含有量に達することを可能にするだけでなく制御された様式で発芽することを可能にするインキュベートを通して前記Oが連続的に供給される。発芽の工程はまた、典型的には通気下での水溶液中でのインキュベート工程の後に1つ以上のエアレストを含み得る。この制御された発芽プロセスは、発芽を促進することが可能な1種以上の化合物の添加によって短縮され得る。例えば、植物ホルモンのジベレリン酸(GA)は、開始からまたはインキュベート中のいずれかで水性液体に添加され得る。GAは、その標的細胞、すなわちデンプン、貯蔵タンパク質及び細胞壁多糖の加水分解に必要な内因性酵素をコードする遺伝子を含む、オオムギ粒のアリューロン及び胚盤上皮における遺伝子発現を「活性化する」。それ故、浸麦及び発芽に必要とされる合計時間は、従来の醸造プロセスにおける5日超から本発明を使用して約2日以下に減少し得る。
組み合わされた浸麦及び発芽プロセスの後、本発明の方法は、発芽した穀物粒を微細に分割する行程を含む。本発明の特に興味深い態様は、本発明の方法が、発芽直後に、発芽した穀物粒を微細に分割する進行を可能にすることである。したがって、その方法は、一般に、発芽した穀物粒を乾燥させる工程を含まない。特に、その方法は、発芽した穀物粒をキルン乾燥させる工程を含まない。上述したように、キルン乾燥の1つの重要な態様は、根茎の容易な除去を可能にすることである。乾燥の前に、根茎の除去を達成することは困難である。しかしながら、本発明の方法に従って調製された発芽した穀物粒は、根茎を大幅に減少させ(典型的には、発芽したオオムギ(乾燥重量)100g当たり4g未満)、本発明によって示されるように、キルン乾燥の工程は、本発明の方法に従って発芽した穀物に関しては必要とされない。
発芽した穀物粒は、例えば発芽した穀物粒を湿式粉砕に供することによって微細に分割することができ、その後、例えば、本明細書において節「水性抽出物の調製」で以下に記載されるように任意の好適な時間、既定の温度でマッシングすることによって水性抽出物を調製する工程が続く。放出された糖、例えば、多糖、及びタンパク質の転化は、デンプン、貯蔵タンパク質及び細胞壁多糖の分解を触媒する外因性酵素の混合物の添加によってマッシング中に促進され得る。その酵素は、オオムギ自体から、麦芽から、または他の供給源から、あるいは、商業的供給源から購入され得る真菌及び/または細菌の酵素混合物から部分的に精製され得る。
上述した利点とは別に、本発明は、麦芽のキルン乾燥の必要性だけでなく、乾燥した粒を麦芽製造所から醸造所に輸送する必要性を取り除く。この組み合わされた浸麦及び発芽の発明により、最大で50%のエネルギー費用の節約を達成することができ、これはその産業のカーボンフットプリントを大幅に削減し得る。これは、麦芽化及び醸造産業のカーボンフットプリントを削減するために、ほとんどの国で世界的に増加する立法及び課税の圧力のために重要である。
更に、持続可能性の文脈において、本発明は、既存の醸造機器において実施されるビールの生成全体を可能にするので、追加の資本支出がほとんど必要とされない。
本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲において更に定義されている。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
穀物の水性抽出物を生成するための方法であって、前記方法が:
a. 穀物の粒を提供する工程;
b. 前記穀物粒を発芽の工程に供し、それにより発芽した粒を得る工程であって、前記発芽の工程が、前記粒が少なくとも30%の水含有量を有するまで、水溶液中で前記粒をインキュベートすることを含み、1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも2LのO を前記水溶液に通過させる、前記工程;
c. 前記発芽した粒が少なくとも20%の水含有量を有する間に、前記発芽した粒を微細に分割する工程であって、但し、前記穀物粒は、工程b)とc)との間のどの時点でも20未満の水含有量を有しない、前記工程;
d. 前記粉砕された発芽した粒の水性抽出物を調製する工程、
を含み、それにより前記穀物の水性抽出物を生成する、前記方法。
(項目2)
前記穀物の前記粒が、前記発芽の工程全体の間で前記水溶液中に沈められる、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記発芽の工程が、
i.水溶液中で前記粒をインキュベートする少なくとも1つの工程であって、1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも2LのO を前記水溶液に通過させる、前記工程;及び
ii.前記穀物粒を空気中でインキュベートする少なくとも1つの工程、
を含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
1時間当たり穀物粒の乾燥重量1kg当たり少なくとも3L、より好ましくは少なくとも4L、またより好ましくは少なくとも5L、更により好ましくは少なくとも6LのO を前記水溶液に通過させる、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
前記O がガス混合物中に含まれ、前記ガス混合物が大気である、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
前記発芽の工程全体が、72時間を超えず、より好ましくは60時間を超えず、更により好ましくは54時間を超えない、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記穀物が、殻あり穀物であり、前記方法が、前記粒を水溶液中でインキュベートする前に前記殻の少なくとも一部を除去する工程を含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記発芽した粒が、発芽した穀物粒(乾燥物)100g当たり最大で4gの根茎(乾燥物)を含有する、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
穀物の水性抽出物を生成するための方法であって、前記方法が:
A.少なくとも20%の水含有量を有する穀物の発芽した粒を提供する工程であって、但し、前記穀物粒が、発芽の後のどの時点でも20%未満の水含有量を有していない、前記工程;
B.前記発芽した粒が少なくとも20%の水含有量を有する間に、前記発芽した粒を微細に分割する工程;
C.前記粉砕された発芽した粒の水性抽出物を調製する工程、
を含み、それにより前記穀物の水性抽出物を生成する、前記方法。
(項目10)
前記穀物が、オオムギである、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記発芽した粒が、乾燥重量基準で少なくとも4U/g穀物粒のα−アミラーゼ活性を有する、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記発芽した粒が、乾燥重量基準で少なくとも5U/g穀物粒のβ−アミラーゼ活性を有する、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記発芽した粒が、乾燥重量基準で少なくとも5mU/g粒の限界デキストリナーゼ活性を有する、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記発芽した粒が、発芽した穀物粒(乾燥物)100g当たり最大で4gの根茎(乾燥物)を含有する、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記水性抽出物が、1L当たり少なくとも10g、例えば少なくとも15gのマルトースを含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記水性抽出物が、少なくとも60mg/Lのバリンを含む、先行項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
飲料を生成するための方法であって、前記方法が:
i.先行項目のいずれか1項に記載の方法によって水性抽出物を調製する工程;
ii.前記抽出物を飲料に加工する工程、
を含む、前記方法。
(項目18)
工程iiが:
a.前記水性抽出物を任意にホップまたはホップ抽出物の存在下で加熱する工程;
b.前記水性抽出物を冷却する工程;
c.前記水性抽出物を酵母で発酵させ、それにより発酵した飲料を生成する工程、
を含む、項目17に記載の方法。
粒が水溶液に浸漬され、連続的に通気され得る、本発明の方法を実施するのに有用な機器の例を示している。その機器は、穀物粒用入口(1)、タンク、例えば、浸麦タンク(2);ガス用入口、例えば、焼結石(3);ポンプ、例えば、空気ポンプ(4);穀物粒用出口(5);粒ポンプ(6);穀物粒を微細に分割するための機器、例えば、ミル(7);入口(8);容器、例えば、マッシング容器(9)、及び;出口(10)を含む。 図2は、示された空気流下で24時間または48時間のいずれかで15℃または25℃での水中でのインキュベート後の殻なしオオムギ粒を示している。Aでは、粒の集合が示されている一方で、Bは個々の代表的な粒を示している。15℃で24時間後に既に粒が発芽を開始し(30L/時の空気流だけでも視認可能な小芽を有する)、いくつかの小さな根茎が48時間後に視認可能であったことは注目に値する。25℃では24時間後に粒は発芽を開始し、30L/時の空気流だけでも視認可能な小芽(chit)を含有していた。より高い空気流を用いると、または48時間後に、いくつかの小さな根茎が視認可能であった。 図2は、示された空気流下で24時間または48時間のいずれかで15℃または25℃での水中でのインキュベート後の殻なしオオムギ粒を示している。Aでは、粒の集合が示されている一方で、Bは個々の代表的な粒を示している。15℃で24時間後に既に粒が発芽を開始し(30L/時の空気流だけでも視認可能な小芽を有する)、いくつかの小さな根茎が48時間後に視認可能であったことは注目に値する。25℃では24時間後に粒は発芽を開始し、30L/時の空気流だけでも視認可能な小芽(chit)を含有していた。より高い空気流を用いると、または48時間後に、いくつかの小さな根茎が視認可能であった。 図3は、示された空気流下で24時間または48時間のいずれかで15℃または25℃での水中でのインキュベート後の殻ありオオムギ粒を示している。Aは、粒の集合を示している一方で、Bは個々の代表的な粒を示している。 図3は、示された空気流下で24時間または48時間のいずれかで15℃または25℃での水中でのインキュベート後の殻ありオオムギ粒を示している。Aは、粒の集合を示している一方で、Bは個々の代表的な粒を示している。 図4は、通気下で水中で様々な量のGAの存在下で発芽した粒におけるα−アミラーゼ(パネルA)、β−アミラーゼ(パネルB)及び限界デキストリナーゼ(パネルC)の活性に関する図を示している。 図4は、通気下で水中で様々な量のGAの存在下で発芽した粒におけるα−アミラーゼ(パネルA)、β−アミラーゼ(パネルB)及び限界デキストリナーゼ(パネルC)の活性に関する図を示している。 浸麦され、発芽し、湿式粉砕された粒でのマッシングプロセスの例を示している。 醸造酵素混合物Ultraflo Max(UFM)の存在下または非存在下で様々な通気下で発芽した粒から調製された麦汁の濾過性の図を示している。 様々な通気条件下で25℃で48時間で発芽した粒から調製された麦汁中の発酵性糖のレベルについての図を示している。醸造酵素混合物Ultraflo Maxで補充されたサンプルは、UFMが記されている。 粒が水溶液に浸漬され、連続的に通気され得る本発明の工程を実施するのに有用な機器の例を示している。その機器は:穀物粒用入口(1);タンク、例えば、FlexTank(2);グリッドまたはメッシュ、例えば、メタメッシュ(3);ガス用入口、例えば、焼結石(4)及び;ポンプ、例えば、空気ポンプ(5)を含む。 記載なし 通気下での発芽後の8つのオオムギ品種(1−Alexis、2−Chief、3−Chill、4−Paustian、5−Planet、6−Prestige、7−Quench、8−Tipple)におけるα−アミラーゼを示している。 外皮を除去するために剥かれ、その後通気下で発芽した殻ありオオムギにおけるα−アミラーゼ、β−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼ活性を示している。 図12は、オオムギの殻なし01(図11A)及びオオムギの殻あり02(図11B)において示された時間、エアレスト(複数可)(A)を伴ってまたは伴わずに通気下で水溶液中で(WA)発芽したオオムギにおけるα−アミラーゼ、β−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼ活性を示している。 図12は、オオムギの殻なし01(図11A)及びオオムギの殻あり02(図11B)において示された時間、エアレスト(複数可)(A)を伴ってまたは伴わずに通気下で水溶液中で(WA)発芽したオオムギにおけるα−アミラーゼ、β−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼ活性を示している。 48時間の通気下での水溶液中でのインキュベートによって発芽した殻あり及び殻なしオオムギ(48時間WA)及び96時間の標準的な浸麦条件によって発芽した殻あり及び殻なしオオムギ(麦芽化96時間)における根茎除去後の重量減少%を示している。 発芽していないオオムギにおける、本発明の方法によって発芽したオオムギ(麦芽1a)における、及び3つの異なる従来の麦芽(麦芽1b、麦芽2及び麦芽3)におけるNDMA含有量を示している。
定義
「およそ」という用語は、本明細書において数値に関して使用される場合、好ましくは±10%、より好ましくは±5%、更により好ましくは±1%を意味する。
本明細書で使用される「補助剤」という用語は、ビールの調製中に添加される炭素に富む原料源を指す。補助剤は、発芽していない穀物粒であり得、これは本発明に従って調製された発芽した粒と一緒に粉砕され得る。補助剤はまた、シロップ、砂糖などであり得る。
本明細書で使用される「小芽」という用語は、穀物粒の発芽段階中に視認可能な胚の成長中の芽を指す。
本明細書で使用される粒の「水含有量」という用語は、前記粒中の水のw/wの%を意味する。
本明細書で使用される「発芽した粒」という用語は、視認可能な小芽、好ましくは少なくとも1mm、例えば少なくとも2mmの小芽を成長させた粒を指す。
本明細書で使用される「β−グルカン」という用語は、他に特定されない限り、穀物細胞壁ポリマー「(1,3;1,4)−β−グルカン」を指す。
同様に、本明細書で使用される「キシラン」という用語は、他に特定されない限り、穀物細胞壁ポリマー「アラビノキシラン」を指す。
本明細書で使用される「キルン乾燥麦芽」及び「キルン麦芽」という用語は、キルン乾燥によって乾燥された発芽した穀物粒を指す。
本明細書で使用される「芽を出した粒」という用語は、視認可能な小芽及び視認可能な茎を成長させた粒を指す。
本明細書で使用される「浸麦」という用語は、穀物の実の水含有量を増加させるプロセスを指す。
本明細書で使用される「β−グルカナーゼ」という用語は、穀物β−グルカンを解重合する潜在性を有する酵素を指す。したがって、他に特定されない限り、「β−グルカナーゼ」という用語は、(1,3;1,4)−β−及び/または(1,4)−β−グルカナーゼ活性を特徴とするエンド−またはエキソ−酵素またはそれらの混合物を指す。
本明細書で使用される「キシラナーゼ」という用語は、キシラン及びアラビノキシランの主鎖及び側鎖を分解する潜在性を有する酵素を指す。したがって、他に特定されない限り、「キシラナーゼ」という用語は、以下の酵素クラスの1つ以上に由来する酵素活性を特徴とする酵素または酵素混合物を指す:エンド−1,4−キシラナーゼ;エキソ−1,4−キシラナーゼ;アラビノフラノシダーゼ;フェルラ酸エステラーゼ。
本明細書で使用される穀物粒の酵素活性は、特定の粒種から調製された粉で測定された活性を指す。例えば、穀物粒1グラム当たりのα−アミラーゼ活性10U/gは、前記穀物由来の粉(乾燥物)1gに由来する水性抽出物中で測定された前記α−アミラーゼ活性(10U)を指す。α−アミラーゼ活性は、K−CERA01/12(Megazyme,Irelandから入手可能なプロトコル及びキット)によって決定される。β−アミラーゼ活性は、K−BETA3(Megazyme,Irelandから入手可能なプロトコル及びキット)によって決定される。限界デキストリナーゼ活性は、T−LDZ1000(Megazyme,Irelandから入手可能なプロトコル及びキット)によって決定される。
本明細書で示されるガスの体積は、1気圧及び20℃における前記ガスの体積を指す。
本明細書で示されるOの体積は、1気圧及び20℃におけるOの体積を指す。Oガスがガスの混合物に含まれる本発明の実施形態では、次いでガス混合物の総体積が決定され得、Oの体積は、Oによって構成される総体積の百分率として計算され得る。例として、その場合、大気は21%のOを含む。それ故、本明細書で使用される大気中のOの体積は、大気の総体積の21%である。
(発明を実施するための形態)
穀物粒
本発明の方法は、穀物粒を水溶液中でインキュベートすることを含む、発芽の工程を含む。水溶液と穀物粒との混合物は懸濁液とみなされ得ることが留意されるべきである。
穀物粒は、任意の穀物の粒、例えば、オオムギ、コメ、モロコシ、トウモロコシ、キビ、ライコムギ、ライムギ、オートムギ及びコムギからなる群から選択される穀物であり得る。本発明の好ましい実施形態では、穀物粒はオオムギ粒である。
前記粒は、任意のオオムギ品種、例えば本明細書において節「オオムギ」で以下に記載されたオオムギ品種のいずれかの粒であり得る。
穀物粒は、前記水溶液中でのインキュベートの前に比較的低い水含有量を有し得る。例えば、穀物粒は、最大で30%、好ましくは最大で20%、例えば最大で15%、例えば5〜15%の範囲の水含有量を有し得る。
前記水溶液中でのインキュベートの前に、穀物粒は、抗微生物処理の1つ以上の工程に供されていてもよい。前記抗微生物処理は、粒が発芽の潜在性を損なわない任意の有用な抗微生物処理であり得る。抗微生物処理は、例えば、1種以上の抗微生物剤での処理であり得る。前記抗微生物剤は、使用される濃度で穀物粒に対して毒性ではない任意の抗微生物剤であり得る。例えば、抗微生物剤は、塩素含有化合物、例えば次亜塩素酸塩であり得る。抗微生物剤はまた、過酸化物、例えば過酸化水素及び/または過酢酸であり得る。有用な市販の抗微生物剤の非限定的な例には、P3−ハイポクロラン(登録商標)、P3−ペロキシサン(登録商標)またはP3−オキソニアアクティブ150(登録商標)が含まれ得る。穀物粒は、0.1〜10%の範囲、例えば0.5〜5%の範囲、例えばおよそ1%、例えば1%の濃度のハイポクロランで処理され得る。穀物粒は、15分〜10時間の範囲の間、例えば1〜5時間の範囲の間、例えば2〜4時間の範囲の間、前記ハイポクロランで処理され得る。処理後、穀物粒は1回以上洗浄され得る。
本発明のいくつかの実施形態では、抗微生物処理は、抗微生物剤を含む水溶液中で穀物粒をインキュベートすることによって実施される。前記インキュベートの直後に、発芽の工程は、例えば、通気を開始することによって開始され得る。それ故、そのような実施形態では、水溶液を変える必要はなく、抗微生物処理のために、及び少なくとも後続の発芽工程の開始時に同じ水溶液が使用され得る。これは、特に、抗微生物剤が過酸化物、例えば過酸化水素である場合であり得る。
前記穀物粒は、本発明による水溶液中でのインキュベートの前に発芽に供されていないことが好ましい場合がある。したがって、穀物粒は、予備発芽の工程に供されていないことが好ましい場合がある。
上述したように、穀物粒は任意の穀物粒であり得る。いくつかの穀物粒は殻を含む一方で、他の穀物粒は殻なしである。殻あり穀物粒は、発芽の工程の前に殻の少なくとも一部を除去するために処理され得る。一般に、殻なし穀物粒が使用される場合には殻を除去する処理は必要ではない。殻なし穀物には、例えば、殻なしオオムギ品種及びコムギが含まれる。
殻あり穀物粒は、殻を除去する物理的処理に穀物粒を供することによって殻を除去するために処理され得る。前記物理的処理は、例えば、研磨、サンディング、剥離及び平滑化からなる群から選択され得る。好ましくは、その物理的処理は殻の減少をもたらす。殻の減少は、全体の重量減少として決定され得る。それ故、物理的処理は、好ましくは、穀物粒の総重量の1〜4%の範囲の減少、例えば1.5〜3.0%の範囲の減少をもたらす。
発芽
本発明の方法は、穀物粒の発芽の工程を含む。発芽の工程は、穀物粒を、典型的には通気下で水溶液中でインキュベートする工程を含む。
通気下での水溶液中でのインキュベート
穀物粒は、本明細書において節「穀物粒」で上記で記載した穀物粒のいずれかであり得、水溶液は、本明細書において節「水溶液」で以下に記載された水溶液のいずれかであり得る。
水溶液中での前記インキュベートの間、次いで穀物粒は、インキュベート全体の間に前記水溶液によって完全に覆われることが好ましい場合がある。それ故、穀物粒は、例えば、穀物粒(乾燥重量)1kg当たり少なくとも1、好ましくは少なくとも1.5、より好ましくは少なくとも2、例えば1〜10の範囲、例えば1〜5の範囲、例えば1.5〜3Lの範囲の水溶液中でインキュベートされ得る。
それ故、いくつかの実施形態では、穀物粒は、インキュベート全体の間に水溶液中に沈められる。
他の実施形態では、前記水溶液中でのインキュベートの終了時に、前記水溶液の全てが穀物粒によって吸収されるように穀物粒は水溶液を吸収する。
他の実施形態では、通気下でのインキュベート後に残存する水溶液は、穀物粒から排水され得る。
いくつかの実施形態では、前記水溶液中での穀物粒のインキュベートの後、次いで穀物粒の大部分、例えば少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、例えば本質的に全てが、少なくとも1mmの視認可能な小芽を含有することが好ましい。
いくつかの実施形態では、前記水溶液中での穀物粒のインキュベートの後、次いで穀物粒の大部分、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば本質的に全てが、1つ以上の視認可能な根茎を含有する。
いくつかの実施形態では、前記水溶液中での穀物粒のインキュベートの後、次いで穀物粒の大部分、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば本質的に全てが、1つ以上の視認可能な根茎及び視認可能な茎を含有する。
いくつかの実施形態では、前記水溶液中での穀物粒のインキュベートの後、次いで穀物粒は、少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、より好ましくは少なくとも37%、例えば35〜60%の範囲、例えば35〜50%の範囲、例えば37〜60%の範囲、例えば37〜50%の範囲の水含有量を有する。
穀物粒の水含有量は、穀物粒の重量を決定し、続いて前記穀物粒を乾燥させ、乾燥した穀物粒の重量を決定することによって決定され得る。湿った穀物粒と乾燥した穀物粒の重量の差は水であるとみなされ、水含有量は、水の重量を穀物粒(湿った穀物粒)の総重量で除したものとして提供される。それ故、%で提供される水含有量はw/w%である。
穀物粒は、上述のように前記穀物粒の大部分の発芽を可能にするのに十分な時間、前記水溶液中でインキュベートされ得る。穀物粒はまた、前述の水含有量を得るために十分な時間、前記水溶液中でインキュベートされ得る。本発明のいくつかの実施形態では、発芽の工程は、水溶液中でのインキュベートに続いてエアレストを含む。そのような実施形態では、水溶液中でのインキュベートは、エアレスト後に、発芽した穀物粒における十分な酵素活性を可能にするのに十分な時間実施される。酵素活性は、好ましくは、本明細書において節「発芽した穀物粒」で以下に記載されている通りである。
典型的には、穀物粒は、水溶液中で少なくとも20時間、例えば少なくとも24時間インキュベートされる。典型的には、粒は、前記水溶液中で最大で72時間、例えば最大で60時間、例えば最大でも48時間インキュベートされる。それ故、いくつかの実施形態では、穀物粒は、20〜72時間の範囲の間、例えば20〜60時間の範囲の間、例えば20〜48時間の範囲の間、例えば20〜30時間の範囲の間、例えば22〜26時間の範囲の間、前記水溶液中でインキュベートされる。
いくつかの実施形態では、穀物粒は、水溶液中で通気下で24〜60時間の範囲の間、好ましくは40〜55時間の範囲の間、より好ましくは45〜50時間の範囲の間インキュベートされる。これは、特に、発芽がエアレストの工程を含まない本発明の実施形態、例えば、穀物粒が、水溶液中でのインキュベートの直後に本質的に微細に分割されている実施形態における場合であり得る。
いくつかの実施形態では、穀物粒は、水溶液中で通気下で24〜70時間の範囲の間、好ましくは40〜60時間の範囲の間、より好ましくは45〜55時間の範囲の間インキュベートされる。これは、特に、発芽がエアレストの工程を含まない本発明の実施形態、例えば、穀物粒が、水溶液中でのインキュベートの直後に本質的に微細に分割されている実施形態における場合であり得る。
いくつかの実施形態では、穀物粒は、水溶液中で通気下で16〜40時間の範囲の間、好ましくは16〜30時間の範囲の間、例えば20〜30時間の範囲の間、より好ましくは22〜26時間の範囲の間インキュベートされる。これは、特に、発芽がエアレストの工程を更に含む本発明の実施形態の場合であり得る。
穀物粒は、任意の有用な温度でインキュベートされ得るが、水分含有量の迅速な増加を可能にするのに十分に高い温度でインキュベートが実施されることが好ましい場合がある。本明細書で以下の実施例1で示されるように、そのときは温度の上昇が水含有量の増加を大幅に促進し得る。それ故、穀物粒は、少なくとも15℃、例えば少なくとも20℃、例えば少なくとも25℃の温度で前記水溶液中でインキュベートされることが好ましい場合がある。特に、穀物粒は、10〜35℃の範囲、好ましくは15〜30℃の範囲、例えば20〜30℃の範囲、例えば25〜30℃の範囲でインキュベートされ得る。
特に、穀物粒が20〜30℃の範囲の温度でインキュベートされる本発明の実施形態では、次いで前記穀物粒は、20〜48時間の範囲の間インキュベートされ得る。
本明細書で上述したように、次いで前記穀物粒はしばしば、Oが水溶液を通過する間に前記水溶液中でインキュベートされる。これはまた、前記穀物粒が通気下で水溶液中でインキュベートされているとも称される。好ましくは、Oは、インキュベート全体の間、水溶液に連続的に通過させる。前記Oは、任意の有用な手法で水溶液中に通過され得るが、しばしば、Oを含有するガスは、穀物粒を有する水溶液を含む容器の底部及び/または下部で導入される。典型的には、ガスは水溶液/穀物粒の混合物を通って拡散し、水溶液の上部から水溶液/穀物粒の混合物を離れる。特に、インキュベートは、本明細書において節「装置」で以下に記載されているような装置内で実施され得る。また、容器の底部から重いガス、特にCOが引き出され、これにより新鮮な空気/Oが容器の上部から提供され得ることも可能である。
前記Oは、純粋なOとして前記水溶液に添加され得る。しかしながら、しばしば、前記Oはガス混合物中に含まれる。一実施形態では、前記Oは大気中に含まれる。それ故、本発明の方法は、大気を前記水溶液に通過させることを含み得る。
一般に、1時間当たり穀物粒1kg当たり少なくとも2L、好ましくは少なくとも3L、より好ましくは少なくとも4L、またより好ましくは少なくとも5L、更により好ましくは少なくとも6LのOを前記水溶液に通過させる。前記穀物粒の重量は乾燥重量である。例えば、1時間当たり穀物粒(乾燥重量)1kg当たり2〜100Lの範囲、例えば2〜75Lの範囲、例えば2〜50Lの範囲、例えば4〜100Lの範囲、例えば4〜75Lの範囲、例えば4〜50Lの範囲、例えば6〜100Lの範囲、例えば6〜75Lの範囲、例えば6〜50Lの範囲のOを前記水溶液/穀物粒の混合物に通過させる。
一実施形態では、1時間当たり穀物粒1kg当たり少なくとも20gのO、より好ましくは穀物粒1kg当たり少なくとも30gのO、またより好ましくは穀物粒1kg当たり少なくとも40gのO、例えば穀物粒1kg当たり40〜100gの範囲のO、例えば穀物粒1kg当たり40〜80gの範囲のO、例えば穀物粒1kg当たり60gの範囲のOを前記水溶液/穀物粒の混合物に通過させることが好ましい。穀物粒の重量は、乾燥重量として提供される。インキュベートの間、穀物粒は、典型的には、水溶液の少なくとも一部を吸収し、したがって、水溶液中のOの濃度は、典型的にはインキュベート中に変化する。典型的には、1時間当たり水溶液1L当たりで供給されるOの量は、40〜200gの範囲、好ましくは50〜150gの範囲にある。
上記のように、それはしばしば、水溶液に通過される大気である。それ故、その方法は、1時間当たり穀物粒1kg当たり少なくとも10L、好ましくは少なくとも15L、より好ましくは少なくとも20L、またより好ましくは少なくとも25L、更により好ましくは少なくとも30Lの大気を前記水溶液に通過させることを含み得る。前記穀物粒の重量は乾燥重量である。例えば、1時間当たり穀物粒(乾燥重量)1kg当たり10〜500Lの範囲、例えば10〜375Lの範囲、例えば10〜250Lの範囲、例えば20〜500Lの範囲、例えば20〜375Lの範囲、例えば20〜250Lの範囲、例えば30〜500Lの範囲、例えば30〜375Lの範囲、例えば30〜250Lの範囲の大気を前記水溶液に通過させる。一実施形態では、1時間当たり穀物粒(乾燥重量)1kg当たり50〜110L、好ましくは80〜100Lの範囲の大気を前記水溶液に通過させる。
エアレスト
通気下での水溶液中での前記インキュベートに加えて、穀物粒はまた、空気中(例えば、水溶液の非存在下)でインキュベートされ得る。空気中でのインキュベートの工程は、「エアレスト」とも称される。それ故、通気下での水溶液中でのインキュベートの後、残存する水溶液は排水され得、穀物粒は空気中でインキュベートされ得る。あるいは、通気下での水溶液中でのインキュベートの後、全ての水溶液が穀物粒によって吸収され、これが次いで空気中でインキュベートされ得る。空気中での前記インキュベートは、好ましくは通気下で実施され、例えば、Oは、穀物粒を含む容器に通過され得る。好ましくは、Oは、エアレスト全体の間、前記容器に通過されている。穀物粒を含む容器に通過されているOの量は、上述したように水溶液に通過されているものと同じ量のOであり得る。Oは大気の形態で提供され得る。
エアレストは、任意の好適な時間、好ましくは18〜50時間の範囲の間、より好ましくは18〜38時間の範囲の間、例えば22〜35時間の範囲の間実施され得る。
エアレスト中に、追加の水または水溶液が、例えば、灌漑または散水によって穀物粒に添加され得る。しかしながら、エアレストの間、穀物粒は水溶液中に沈められるべきではない。
発芽方法
発芽はまた、水溶液中でのインキュベートのいくつかの工程及び/またはエアレストのいくつかの工程を含み得る。一般に、最初の工程は、上述したように通気下での水溶液中での穀物粒のインキュベートの工程である。それ故、発芽は、以下の工程を含み得るかまたはそれらからなり得る:
・節「通気下での水溶液中でのインキュベート」で上述したように通気下での水溶液中での穀物粒のインキュベート
・節「エアレスト」で上述したように空気中での穀物粒のインキュベート
この実施形態では、通気下での水溶液中での穀物粒のインキュベートは、例えば16〜30時間の範囲、例えば20〜30時間の範囲、例えば22〜26時間の範囲の間、実施され得る一方で、エアレストは、18〜38時間の範囲、例えば22〜35時間の範囲の間、実施され得る。
発芽はまた、以下の工程を含み得るかまたはそれらからなり得る:
・節「通気下での水溶液中でのインキュベート」で上述したように通気下での水溶液中での穀物粒のインキュベート
・節「エアレスト」で上述したように空気中での穀物粒のインキュベート
・節「通気下での水溶液中でのインキュベート」で上述したように通気下での水溶液中での穀物粒のインキュベート
発芽はまた、以下の工程を含み得るかまたはそれらからなり得る:
・節「通気下での水溶液中でのインキュベート」で上述したように通気下での水溶液中での穀物粒のインキュベート
・節「エアレスト」で上述したように空気中での穀物粒のインキュベート
・節「通気下での水溶液中でのインキュベート」で上述したように通気下での水溶液中での穀物粒のインキュベート
・節「エアレスト」で上述したように空気中での穀物粒のインキュベート
発芽はまた、以下の工程を含み得るかまたはそれらからなり得る:
・節「通気下での水溶液中でのインキュベート」で上述したように通気下での水溶液中での穀物粒のインキュベート
・節「エアレスト」で上述したように空気中での穀物粒のインキュベート
・節「通気下での水溶液中でのインキュベート」で上述したように通気下での水溶液中での穀物粒のインキュベート
・節「エアレスト」で上述したように空気中での穀物粒のインキュベート
・節「通気下での水溶液中でのインキュベート」で上述したように通気下での水溶液中での穀物粒のインキュベート
各インキュベートの時間は変わり得るが、典型的には、発芽の工程全体、すなわち、水溶液中での全てのインキュベート及び全てのエアレストの合計時間は、72時間を超えず、より好ましくは60時間を超えず、更により好ましくは54時間を超えない。それ故、発芽の工程全体は、20〜72時間の範囲の間、例えば24〜60時間の範囲の間、例えば24〜48時間の範囲の間、実施されることが好ましい場合がある。したがって、発芽が水溶液中でのインキュベート及び/またはエアレストのいくつかの工程を含む場合、次いで各インキュベート工程は一般により短い。
発芽の全ての工程が同じ容器内で実施されることが好ましい。前記容器は、特にタンク、例えば本明細書において節「装置」で以下に記載されているタンクのいずれかであり得る。
いくつかの実施形態では、1種以上の外因性酵素が添加され得る。例えば、1種以上の酵素は、例えば、WO2016/071463に記載されているように、発芽の工程中に添加され得る。
穀物粒は、好ましくは、発芽直後に本質的に微細に分割される。したがって、本発明の方法は、好ましくは、発芽と穀物粒を微細に分割する工程の間に乾燥の工程を含まない。
発芽した穀物粒
本発明は、発芽した穀物粒を生成する工程を含む方法に関する。
発芽した穀物粒は、好ましくは、例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、デンプン枝切り酵素(限界デキストリナーゼなど)、α−グルコシダーゼ及びプロテアーゼによって提供される、1つ以上の加水分解酵素活性を含む。
しばしば、加水分解酵素活性の開始が時期良く協調した様式で起こり得るので、いくつかの加水分解酵素の活性は、他の加水分解酵素活性のマーカーとして使用され得る。
したがって、発芽した穀物粒は、適切なレベルの測定可能なα−アミラーゼ活性を有することが好ましい。好ましくは、発芽した穀物粒は、少なくとも4U/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも10U/g穀物粒(乾燥重量)の測定可能なα−アミラーゼ活性を有する。それ故、好ましくは、発芽した穀物粒は、少なくとも20U/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも30U/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも40U/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも50U/g穀物粒(乾燥重量)の測定可能なα−アミラーゼ活性を有し得る。穀物粒がコムギである本発明の実施形態では、α−アミラーゼ活性は少なくとも30U/gであり得る。本発明のいくつかの実施形態では、穀物粒は、少なくとも50U/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも60U/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも70U/g穀物粒(乾燥重量)のα−アミラーゼ活性を有し得る。これは、特に、穀物粒が通気下で水溶液中でインキュベートされ、それにエアレストが続く実施形態における場合であり得る。
α−アミラーゼ活性は、好ましくは、標準的な方法、例えば、Megazyme,IrelandからのCeralphaキット(K−CERA)を使用することによって決定される。特に、α−アミラーゼ活性は、以下の実施例2に記載されているように決定され得る。
また、発芽した穀物粒は、適切なレベルの測定可能なβ−アミラーゼ活性を有することが好ましい場合がある。好ましくは、発芽した穀物粒は、少なくとも5U/g穀物粒(乾燥重量)の測定可能なβ−アミラーゼ活性を有する。それ故、好ましくは、発芽した穀物粒は、少なくとも10U/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも15U/g穀物粒(乾燥重量)の測定可能なβ−アミラーゼ活性を有し得る。
好ましくは、β−アミラーゼ活性は、標準的な方法、例えば、Megazyme,IrelandからのBetamylキット(K−BETA3)を使用することによって決定される。特に、β−アミラーゼ活性は、以下の実施例2に記載されているように決定され得る。
また、発芽した穀物粒は、適切なレベルの限界デキストリナーゼ活性を有することが好ましい。好ましくは、発芽した穀物粒は、少なくとも5mU/g穀物粒(乾燥重量)の限界デキストリナーゼ活性を有する。それ故、好ましくは、発芽した穀物粒は、少なくとも10mU/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも15mU/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも20mU/g穀物粒(乾燥重量)の限界デキストリナーゼ活性を有し得る。穀物粒がコムギである本発明の実施形態では、限界デキストリナーゼ活性は少なくとも8U/gであり得る。本発明のいくつかの実施形態では、穀物粒は、少なくとも20U/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも22U/g穀物粒(乾燥重量)、例えば少なくとも25U/g穀物粒(乾燥重量)の限界デキストリナーゼ活性を有し得る。これは、特に、穀物粒が通気下で水溶液中でインキュベートされ、それにエアレストが続く実施形態における場合であり得る。
好ましくは、限界デキストリナーゼ活性は、標準的な方法、例えば、Megazyme,IrelandからのLimit DextrizymeキットT−LDZ1000を使用することによって決定される。特に、限界デキストリナーゼ活性は、以下の実施例2に記載されているように決定され得る。
興味深いことに、本発明による発芽した穀物粒は、従来の緑麦芽と比較して著しく減少した根茎を有する。それ故、本発明による発芽した穀物粒は、好ましくは、発芽したオオムギ100g当たり最大で4gの根茎、好ましくは発芽したオオムギ100g当たり最大で3gの根茎、更により好ましくは発芽したオオムギ100g当たり最大で2gの根茎、例えば発芽したオオムギ100g当たり最大で1.1の根茎を含有し、根茎の質量及び発芽したオオムギの質量の両方が乾燥重量として提供される。根茎の質量は、好ましくは、以下の実施例10に記載されているように決定される。
ニトロソアミン(NDMA)は、化学構造RN(−R)−N=O、すなわち、アミンに結合したニトロソ基の化学化合物である。ほとんどのニトロソアミンは発がん性である。現代の麦芽中のニトロソアミンのレベルが低い場合であっても、本発明による発芽したオオムギの実はそれでも更に、従来の麦芽と比較して大幅に減少したNDMA含有量を有する。一実施形態では、本発明による発芽したオオムギの実は、最大で0.15μg/kgのNDMA、好ましくは最大で0.12μg/kgのNDMA、例えば最大で0.10μg/kgのNDMAを含む。
水溶液
水溶液は任意の水溶液であり得る。水溶液と穀物粒との混合物が懸濁液と考えられ得る場合であっても水溶液は溶液とみなされ得る。しばしば、水溶液は、水道水などの水である。1種以上の追加の薬剤が前記水に添加され得、それ故、水溶液は、1種以上の追加の薬剤を含む水道水などの水であり得る。前記追加の薬剤は、開始から水溶液中に含まれ得るか、またはそれらはインキュベート中に添加され得る。
前記追加の薬剤は、例えば、穀物粒の発芽を促進することが可能な化合物であり得る。それ故、水溶液は、ジベレリン酸(GA)を含み得、例えば、水溶液は、少なくとも100nMの濃度、例えば少なくとも1000nMの濃度、例えば100〜100,000nMの範囲の濃度、例えば500〜2000nMの範囲の濃度でGAを含み得る。前記GAは、インキュベートの開始から水溶液中に存在し得るか、またはそれはインキュベート中に添加され得る。前記GAは、任意のGA、例えば、GAまたはGAであり得る。一実施形態では、前記GAはGAである。
追加の薬剤はまた、消泡剤であり得る。前記消泡剤は、例えば、任意の食品グレードの消泡剤、例えばFoamzol FCD511(AB Vickers,UK)であり得る。
装置
本発明の方法は、方法を実施するのに好適な1つ以上の装置を使用して実施され得る。
例えば、穀物粒を水溶液中でインキュベートする工程は、1つ以上の空気ポンプを備えた容器内で実施され得る。容器は、穀物粒が水溶液中でインキュベートされ得る任意の容器であり得る。いくつかの実施形態では、容器は、タンク、例えば、以下に記載されるタンクであり得る。
穀物粒をインキュベートするのに有用な装置の一例が図8に示されている。その装置はタンク(2)を含み、これは穀物粒及び水溶液を含むのに十分な容積を有すべきである。図8に示されているタンクは円筒状であるが、本発明で使用されるタンクは、任意の好適な形状を有し得、例えばそれは円筒状のタンク、例えば円錐状の底部を有する円筒状のタンクであり得る。タンクは、任意の好適な材料、例えば、プラスチック(Plexiglasなど)または金属(例えば、ステンレス鋼または銅)から調製され得る。
タンクは、穀物粒をタンクに添加するために使用され得る少なくとも1つの穀物粒用入口(1)を含む。入口はまた、他の化合物をタンクに添加するのに使用され得、例えば、入口は、水溶液、例えば、水を添加するのに使用され得る。入口は、タンク内の任意の有用な位置に配置され得、いくつかの実施形態では、入口は、タンクの上部、例えば、タンクの頂部に配置される。入口は、穀物粒の添加を可能にするのに十分なサイズのものであるべきである。必要ではない場合であっても、タンクは、穀物粒用入口に加えて、追加の入口を含み得る。
タンクは、タンク内に本質的に水平に配置されたグリッドまたはメッシュ(3)を任意に含み得る。存在する場合、グリッドまたはメッシュなどは、典型的には、タンクの下方1/3、例えば下方1/5に配置される。グリッドまたはメッシュは、好ましくは、穀物粒よりも小さな開口部のみを含有する。グリッドまたはメッシュは、任意の好適な材料、例えばプラスチックまたは金属から作製され得、例えば、金属メッシュであり得る。それ故、グリッドまたはメッシュは、タンクの底部から穀物粒を分離するために使用され得る。しかしながら、タンクはしばしばメッシュを含まない。特に、タンクが、底部または底部に近い穀物粒用出口を含む場合、次いで前記タンクは一般に、メッシュのグリッドを含まない。
更に、タンクは、1つ以上のガス用入口(4)を含む。前記入口は、Oを含むガスをタンクに通過させ得る任意の入口であり得る。ガス用入口は、水溶液を通るガスの拡散を確実にする高速でガスが水溶液に入ることを可能にする形状を有し得る。それ故、例えば、ガス用入口は、ノズル、ジェット、拡散石または焼結石であり得る。一実施形態では、ガス用入口は焼結石である。ガス用入口は、一般に、前記入口を介してガスをタンクに圧送するポンプ(5)に接続されている。ポンプは、ガス用入口を介してガス、例えば、空気を圧送することが可能な任意のポンプであり得る。タンクは、複数のガス用入口、例えば、少なくとも2個、例えば少なくとも3個、例えば3〜20個の範囲のガス用入口を含むことが好ましい。ガス用入口は、タンク内の任意の位置に配置され得るが、通常、それらはタンクの底部1/3、例えば底部1/5に配置される。これにより、ガスは、底部から水溶液に入ることが可能となり、水溶液を通って上方に拡散することが可能となる。過剰なガスはタンク内の任意の開口部を通って、例えば、穀物を添加するための入口を通ってタンクを出ることができる。一実施形態では、前記入口(3)は、例えば、図1に示されるように、タンク(2)の側壁に、好ましくは側壁の下部に直接配置されることが好ましい場合がある。
本発明の方法のいくつかの工程を実施するのに有用な装置の例が図1に示されている。その装置は、穀物粒用入口(1)、タンク(2)、ガス用入口(複数可)(3)及びポンプ(4)を含み、これらは、図8に関連して本明細書で上述した穀物粒用入口、タンク、ガス用入口及びポンプのいずれかであり得る。タンク(2)は、タンクの下方1/3、例えば下方1/5に配置された、例えば、タンクの底部に配置された穀物粒用出口(5)を含み得る。前記出口は、穀物粒を除去するため及びタンクに保持された他の成分、例えば、水溶液の除去のための両方に使用され得る。前記出口は、例えば、配管を介して穀物ポンプ(6)に接続され得る。前記穀物ポンプ(6)は、穀物粒を微細に分割するための機器(7)及び任意に更にマッシング容器(9)にタンク(2)から粒を圧送することが可能な任意のポンプであり得る。
その装置は、穀物粒を微細に分割するための機器(7)を含む。前記機器は、20%を超える、例えば35%を超える水含有量を有する穀物粒を微細に分割することが可能な任意の機器であり得る。その機器は、特にすり潰し機またはミル、例えば湿式ミルであり得る。機器(7)は、配管(複数可)によってタンク(2)及び容器(9)に接続され得る。タンク(2)から機器(7)への、更に容器(9)への粒の移動は、ポンプ(6)によって確保され得る。
装置はまた、容器(9)を含み得る。容器(9)は、水性抽出物を含み得、且つマッシングに使用される温度、例えば、最大で90℃、例えば最大で85℃、例えば最大で80℃の温度に耐え得る任意の容器であり得る。それ故、その容器は、そのような温度に耐容する任意の材料、例えば金属、例えばステンレス鋼または銅から作製され得る。容器は、任意の有用な形状を有し得、例えば、それは本質的に円筒状であり得る。容器は、温度制御のための機器と関連していてもよい。その容器は、本明細書において節「水性抽出物の調製」に記載されているように1つ以上の予め規定された温度でのインキュベートを含むプロセスにより、微細に分割された穀物粒の水性抽出物を調製するために使用され得る。温度制御のための前記機器は、容器内の液体を既定の温度に、例えば、本明細書において節「水性抽出物の調製」に記載されている温度のいずれかに加熱することができることを含む、容器内の液体の温度を制御することができる。容器(9)はまた、前記容器に含有される任意の液体を撹拌または回転させるための機器を含み得る。特に、容器(9)はマッシング容器であり得る。マッシング容器は当該技術分野においてよく知られており、容器(9)は任意の従来のマッシング容器であり得る。
容器(9)は、一般に、入口(8)を含有し、それを介して微細に分割された発芽した穀物粒が容器に入ることができる。前記入口(8)は、典型的には、容器の上側半分、例えば、容器の上方1/3、例えば上方1/5、例えば容器の頂部に配置される。微細に分割された穀物粒は、穀物粒を微細に分割するための機器(7)から容器(9)の入口(8)に配管を介して導かれ得る。
一般に、容器(9)はまた出口(10)を含有し、それを介して水性抽出物は、水性抽出物の調製後に容器から出ることができる(本明細書において以下の節「水性抽出物」及び「水性抽出物の調製」の水性抽出部に関する詳細を参照されたい)。出口は、典型的には、容器の下側半分、例えば下方1/3、例えば下方1/5、例えば容器の底部に配置される。
発芽した穀物粒の微細な分割
本発明の方法は、通気下での水溶液中でのインキュベートによって発芽した穀物粒を微細に分割する工程を含む。
前記穀物粒が微細に分割される時点で、それらは好ましくは高い水含有量を依然として有し、好ましくは前記穀物粒は、少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%、更により好ましくは少なくとも30%、またより好ましくは少なくとも35%の水含有量を有する。例えば、発芽した穀物粒は、前記水溶液中でのインキュベートから、穀物粒を微細に分割するための機器に直接移してもよい。したがって、発芽した穀物粒は、水溶液中での穀物粒のインキュベート直後に、例えば、本明細書において節「発芽」で上述した水含有量を穀物粒が有するのと同じ水含有量を微細に分割されている時点で有し得る。特に、方法は、一般に、高温に供することによって発芽した穀物粒を乾燥させる工程を含まない。好ましくは、発芽した穀物粒は、発芽後の任意の時点及び前記穀物粒を微細に分割する前に、20%未満の水含有量を有さず、好ましくは25%以上、更により好ましくは30%以上、またより好ましくは35%以上である。それ故、方法は、好ましくは、発芽した穀物粒をキルン乾燥させる工程を含まない。
発芽した穀物粒は、20%を超える、例えば25%を超える、例えば30%を超える、例えば35%を超える水含有量を有する穀物粒を微細に分割するのに好適な任意の機器を使用して微細に分割され得る。例えば、発芽した穀物粒は、粉砕、例えば湿式粉砕に供され得る。発芽した穀物粒を粉砕するのに有用な粉砕機には、Millstar,USAから入手可能な粉砕機が含まれる。発芽した穀物粒はまたすり潰しに供され得る。
穀物粒は、一般に、穀物粒の発酵性糖の水性抽出物が作製され得る程度まで微細に分割される。それ故、穀物粒は、1kgの前記微細に分割された穀物粒の7Lの水性抽出物が少なくとも8°プラトーの比重を有するように十分に分割される。
水性抽出物が発芽した穀物粒及び1種以上の補助剤から作製される本発明の実施形態では、前記補助剤もまた微細に分割され得る。特に、これは、前記補助剤が発芽していない穀物粒を含む場合であり得る。前記補助剤は、微細に分割され得、例えば、別々の手順で粉砕され得る。しかしながら、補助剤が発芽した穀物粒と共に微細に分割されることも本発明の範囲内に含まれる。同様に、水性抽出物が発芽した穀物粒及びキルン乾燥麦芽から作製される場合、次いで前記キルン乾燥麦芽は、微細に分割され得、例えば、別々の手順で粉砕され得る。しかしながら、キルン乾燥麦芽が発芽した穀物粒と共に微細に分割されることも本発明の範囲内に含まれる。
水性抽出物の調製
本発明の方法はまた、微細に分割された発芽した穀物粒の水性抽出物を調製する工程を含む。前記工程は、例えば、マッシングの工程であり得る。
上記の水性抽出物は、一般に、微細に分割された穀物粒を水中または水溶液中でインキュベートすることによって調製され得る。水性抽出物を調製するための水溶液は、一般に、発芽の間に穀物粒のインキュベートに使用される水溶液と比較して、異なる水溶液である。
区別するために、水性抽出物を調製するための水溶液は、「マッシング溶液」と称され得る。マッシング溶液は、任意の水溶液であり得るが、それは、典型的には、1種以上の追加の薬剤が添加され得る水道水などの水からなる。発芽の間に添加される追加の薬剤との間で区別するために、これらの追加の薬剤は、「追加のマッシング剤」と称され得る。それ故、マッシング溶液は、1種以上の追加のマッシング剤が添加された水(例えば、水道水)からなり得る。マッシング剤は、開始からマッシング溶液中に存在し得るか、またはそれらは水性抽出物を調製するプロセスの間に添加され得る。
前記追加のマッシング剤は酵素であり得る。それ故、マッシング溶液は1種以上の酵素を含み得る。前記酵素は、プロセス中に、開始から、またはその後にマッシング溶液に添加され得る。
前記酵素は、例えば、1種以上の加水分解酵素であり得る。好適な酵素には、リパーゼ、デンプン分解酵素(例えば、アミラーゼ)、グルカナーゼ[好ましくは(1−4)−及び/または(1,3;1,4)−β−グルカナーゼ]、及び/またはキシラナーゼ(アラビノキシラナーゼなど)、及び/またはプロテアーゼ、または前述の酵素の1つ以上を含む酵素混合物、例えば、Cereflo、Ultraflo、またはOndea Pro(Novozymes)が含まれる。例えば、マッシング溶液は1種以上の加水分解酵素を含み得、少なくとも1種の加水分解酵素は、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、限界デキストリナーゼ、プルラナーゼ、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、グルコアミラーゼ及びプロテアーゼからなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、マッシング溶液は、以下の酵素の1つ以上を含む:
− β−グルカナーゼ、例えばエンド−(1,3;1,4)−β−グルカナーゼまたはエンド−1,4−β−グルカナーゼ。
− キシラナーゼ、例えばエンド−またはエキソ−1,4−キシラナーゼ、アラビノフラノシダーゼまたはフェルラ酸エステラーゼ
− α−アミラーゼ
− プルラナーゼまたは限界デキストリナーゼ
− グルコアミラーゼ。
マッシング溶液に酵素を添加するかどうかにかかわらず、どの酵素を添加するかの決定は、使用される穀物粒に依存し得る。それ故、穀物が低レベルのβ−グルカンを有するオオムギ植物である本発明の実施形態では(例えば、本明細書において節「オオムギ」で以下に記載されているように)、次いでマッシング溶液にはほとんどまたは全くβ−グルカナーゼが添加されない場合がある。
一実施形態では、外因性プロテアーゼはマッシング中に添加されないことが好ましい。プロテアーゼの添加は、プロテアーゼが酵素活性に影響を及ぼし得るため、あまり好ましくない場合がある。一実施形態では、外因性リパーゼはマッシング中に添加されないことが好ましい。
一実施形態では、発芽した穀物粒(乾燥物)1g当たり最大で700U、好ましくは最大で350Uの外因性グルコアミラーゼが水性抽出物の調製中に使用されることが好ましい。
一実施形態では、発芽した穀物粒(乾燥物)1kg当たり最大で400AGU、好ましくは最大で200AGUの外因性グルコアミラーゼが水性抽出物の調製中に使用されることが好ましい。AGUの決定は、US7060468に記載されているように実施され得る。
別の実施形態では、水性抽出物の調製中に使用される組み合わされた外因性グルコアミラーゼ及びα−アミラーゼは、発芽した穀物粒(乾燥物)1g当たり700Uを超えず、好ましくは350Uを超えないことが好ましい。組み合わされたグルコアミラーゼ及びα−アミラーゼ活性は、例えば、K−CERA01/12(Megazyme,Irelandから入手可能なプロトコル及びキット)を使用して決定され得る。
一実施形態では、発芽した穀物粒(乾燥物)1kg当たり最大で20Uの外因性プルラナーゼまたは限界デキストリナーゼが水性抽出物の調製中に使用されることが好ましい。
一実施形態では、発芽した穀物粒(乾燥物)1kg当たり最大で100PUNのプルラナーゼが水性抽出物の調製中に使用されることが好ましい。PUNの決定は、US7060468に記載されているように実施され得る。
前記追加のマッシング剤はまた、補助剤、例えば、発芽していない穀物粒、シロップまたは糖であり得る。補助剤が添加される場合、これらはまた、例えば、粉砕またはすり潰しによって微細に分割されていてもよい。補助剤が、穀物粒、例えば、発芽に供されていない穀物粒である場合、次いでそれは典型的には微細に分割され得るかまたは粉砕され得る。補助剤がシロップ、糖などである場合、これらは一般に粉砕されない。糖またはシロップなどの補助剤は、プロセスにおける任意の時点でマッシング溶液に添加され得る;しかしながら、そのような補助剤はまた、以下に記載するように飲料を調製するためのプロセスの間またはその後に水性抽出物に添加され得る。一般に、補助剤は、発芽した穀物粒よりも少量で添加される。それ故、水性抽出物の炭水化物の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、例えば少なくとも90%が発芽した穀物粒に由来する一方で、補助剤は好ましくは炭水化物の少ない部分のみを占める。補助剤が発芽していない穀物粒である場合、そのときは、発芽した穀物粒は、乾燥重量当たりで決定される全穀物粒の少なくとも50%(w/w)、好ましくは少なくとも70%(w/w)、より好ましくは少なくとも90%(w/w)を構成することが好ましい。
追加のマッシング剤はまた、キルン乾燥麦芽であり得る。キルン乾燥麦芽が添加される場合、それはまた、例えば、粉砕またはすり潰しによって微細に分割されていてもよい。一般に、キルン乾燥麦芽は、発芽した穀物粒よりも少量で添加される。それ故、発芽した穀物粒は、乾燥重量当たりで決定された全穀物粒及び麦芽の少なくとも80%(w/w)、好ましくは少なくとも90%(w/w)、より好ましくは少なくとも95%(w/w)を構成する。好ましい実施形態では、キルン乾燥麦芽は添加されない。
前記追加のマッシング剤、好ましくは食品グレードの品質のものは、塩、例えばCaClであり得る。
前記追加のマッシング剤はまた、酸、好ましくは食品グレードの酸、例えばHPOであり得る。
水性抽出物は、一般に、1つ以上の既定の温度(複数可)でのマッシング溶液中での微細に分割された発芽した穀物粒のインキュベートによって調製される。前記既定の温度は、本明細書において「マッシング温度」とも称され得る。前記マッシング温度は、例えば、マッシングに使用される従来の温度であり得る。
マッシング温度は一般に、一定に維持される(等温マッシング)かまたは徐々に上昇、例えば連続的な様式で上昇される。いずれの場合でも、微細に分割された発芽した穀物粒中の可溶性物質が前記マッシング溶液中に遊離し、それにより水性抽出物を形成する。
マッシング温度(複数可)は、典型的には、30〜90℃の範囲内、例えば40〜85℃の範囲内、例えば50〜85℃の範囲内の温度(複数可)である。マッシング温度は、使用される穀物の種類に応じて選択され得る。したがって、穀物粒が、リポキシゲナーゼ(LOX)活性及び/またはメチルメチオニントランスフェラーゼ(MMT)活性が低レベルであるかまたは存在しないオオムギである本発明の実施形態では(本明細書において以下の節「オオムギ」における詳細を参照されたい)、マッシング温度は、より低く、例えば35〜69℃の範囲であり得る。
マッシング溶液中でのインキュベートは、任意の好適な時間実施され得る。マッシング容器におけるマッシング溶液中でのインキュベートの時間は、例えば、60〜300分の範囲、例えば60〜240分の範囲、例えば90〜300分の範囲、例えば90〜240分の範囲、例えば90〜270分の範囲の間であり得る。例えば、マッシング溶液中でのインキュベートの前記時間は、従来のマッシングで使用される任意の時間であり得る。好適なマッシングの1つの非限定的な例は:
(1)50〜60℃の範囲の温度、例えばおよそ55℃で、10〜30分の範囲、例えばおよそ15分でマッシングを開始する。
(2) 60〜70℃の範囲、好ましくは60〜65℃の範囲の温度に、例えばおよそ62℃に、30〜90分の範囲、例えばおよそ60分加熱する。
(3)70〜75℃の範囲の温度に、例えばおよそ72℃に、5〜30分の範囲、例えばおよそ15分加熱する。
(4) 75〜80℃の範囲、好ましくは75〜78℃の範囲の温度に、例えばおよそ78℃に、5〜15分の範囲、例えばおよそ10分加熱する。
マッシング容器中のマッシング溶液中でのインキュベートの後、マッシング溶液中の微細に分割された発芽した穀物粒は、別の容器、例えば、ロータータンに移され得、30〜120分の範囲の間、高温、例えば、70〜78℃の範囲で追加の時間インキュベートされ得る。
それ故、マッシング溶液中でのインキュベートは、前述の工程に加えて、以下の工程(5)も含み得る:
(5)70〜78℃の範囲、好ましくは75〜78℃の範囲の温度に、例えばおよそ78℃に、30〜120分の範囲、例えばおよそ60分加熱する。
有用なマッシング温度及び時間の1つの非限定的な例が、本明細書で図5に示されている。最初のおよそ120分間のインキュベートは、例えばマッシング容器内で実施され得る一方で、インキュベートの残りは、例えば別の容器内で実施され得る。他の非限定的な例は、醸造の文献、例えば、Briggs et al.(上記参照)及びHough et al.(上記参照)で見られ得る。
マッシング溶液中でのインキュベートの後、水性抽出物は、典型的には、例えば、濾過により水性抽出物及び残留非溶解固体粒子に分離することができ、後者はまた「使用済粒」と示される。濾過は、例えば、ロータータンにおいて実施され得る。あるいは、濾過は、マッシングフィルターを介した濾過であり得る。このようにして得られた水性抽出物は、「第1の麦汁」とも示され得る。
追加の液体、例えば水が、散布とも示されるプロセスの間に使用済粒に添加され得る。散布及び濾過の後、「第2の麦汁」を得ることができる。その手順を繰り返すことによって更なる麦汁が調製され得る。
それ故、水性抽出物は、麦汁、例えば、第1の麦汁、第2の麦汁、更なる麦汁またはそれらの組み合わせであり得る。
水性抽出物
本発明の方法によって調製された水性抽出物は、この節に記載される特性を含むがこれに限定されない多くの有用な特性を有し得る。
上記のように、水性抽出物は濾過の工程に供され得る。したがって、麦汁が良好な濾過性を有することが好ましい場合がある。例えば、高い粘性の液体を濾過することは技術的に困難である場合がある(水性抽出物が低い粘度を有することが好ましい場合がある理由)。
濾過性は多くの方法で決定され得る。一実施形態では、濾過性は、濾紙を備えた濾過漏斗により1時間濾過した後に得られる液体の量として決定される。好ましくは、100gの微細に分割された穀物粒を含む400mLのマッシング溶液が前記濾過漏斗に添加される場合、水性抽出物は少なくとも250mLの濾過性を有する。濾過性はまた、前記漏斗に添加された水性抽出物の液体の体積と比較した、上述のように60分間の濾過の後に得られた液体の体積の百分率として決定され得る。それ故、濾過性は少なくとも50%、例えば少なくとも60%(v/v)であり得る。特に、濾過性は、本明細書において以下に実施例3で記載されているように決定され得る。
濾過性は、しばしば、β−グルカンのレベルに依存し得る。したがって、β−グルカンのレベルが高すぎないことが好ましい場合がある。例えば、水性抽出物は、最大で200mg/L、好ましくは最大で150mg/Lのβ−グルカンを含み得る。
水性抽出物が適切なレベルの発酵性糖を含むことも好ましい。特に、水性抽出物が、1L当たり少なくとも10g、例えば少なくとも15gのマルトースを含むことが好ましい場合がある。例えば、水性抽出物が1°プラトー当たり少なくとも1g/Lのマルトースを含むことが好ましい場合がある。前記水性抽出物が1L当たり少なくとも1g、例えば少なくとも2gのグルコースを含むことも好ましい場合もある。
麦汁は、良好な酵母生存能力を得るのに十分に高いレベルで遊離アミノ窒素(FAN)を含有することが一般に望ましい一方で、非常に高いレベルは望ましくない場合がある。したがって、水性抽出物は、150〜400mg/Lの範囲、例えば150〜300mg/Lの範囲、例えば150〜250mg/Lの範囲のFANを含むことが好ましい場合がある。
麦汁は、高レベルのアミノ酸バリンを含有することが一般に望ましいが、その理由は、それが望ましくないジアセチル形成の可能性を低下させ得るからである。したがって、水性抽出物は、少なくとも55mg/L、例えば、少なくとも60mg/Lのバリンを含むことが好ましい場合がある。一実施形態では、水性抽出物は、少なくとも65mg/Lのバリンを含む。
前述した糖、FAN及びアミノ酸のレベルは、好ましくは、任意の発酵前の水性抽出物中のレベルである。
飲料の調製
いくつかの実施形態では、本発明の方法はまた、本発明の方法によって調製された水性抽出物を飲料に加工する工程を含む。
水性抽出物は、ホップの有無にかかわらず沸騰させることができ、その後それは沸騰した麦汁と称され得る。
第1、第2及びそれ以上の麦汁が組み合わされ得、その後加熱または沸騰に供され得る。水性抽出物は、任意の好適な時間、例えば、60分〜120分の範囲で加熱または沸騰され得る。加熱または沸騰中、水性抽出物の体積は、蒸発により減少し得る。水性抽出物の体積が8%未満、好ましくは5%未満減少することが好ましい場合がある。これは、エネルギー消費を大幅に減少させ得る。
飲料は、水性抽出物の発酵によって、例えば、麦汁の発酵によって調製され得る。それ故、飲料は、酵母での水性抽出物の発酵によって調製され得る。
一実施形態では、飲料はアルコール性飲料、例えばビールであり得る。他の実施形態では、飲料は、発芽した穀物粒に基づく非アルコール性飲料であり得る。非アルコール性飲料は、例えば、非アルコール性ビールまたは他の種類の非アルコール性飲料、例えばマルティナであり得る。
1つの好ましい実施形態では、飲料はビールであり、例えばビールはラガービールまたはエールであり得る。それ故、ビールは、例えば、Altbier、Amber ale、Barley wine、Berliner weisse、Biere de Garde、Bitter、Blonde Ale、Bock、Brown ale、California Common、Cream Ale、Dortmunder Export、Doppelbock、Dunkel、Dunkelweizen、Eisbock、Fruit lambic、Golden Ale、Gose、Gueuze、Hefeweizen、Helles、India pale ale、Kolsch、Lambic、Light ale、Maibock、Malt liquor、Mild、Marzenbier、Old ale、Oud bruin、Pale ale、Pilsener、Porter、Red ale、Roggenbier、Saison、Scotch ale、Steam beer、Stout、Schwarzbier、lager、Witbier、Weissbier及びWeizenbockからなる群から選択され得る。本発明による水性抽出物は、キルン乾燥に供されていない発芽した穀物粒から調製される。キルン乾燥されていない発芽した穀物粒は、一般に、より明るい色を有し、したがって、本発明の方法は、より明るいビールの調製、特にラガービールの調製に特に有用である。より暗いビールはまた、本発明の方法によって、例えば、節「飲料の調製」に記載されているようにマッシング中に1つ以上キルン乾燥麦芽を添加することによって調製され得る。
それ故、本発明はまた、飲料を生成する方法であって:
− 本発明による方法によって水性抽出物を調製する工程;
− 前記抽出物を飲料に加工する工程、
を含む、方法に関する。
ビールなどのアルコール性飲料は、本発明の方法によれば、発芽した穀物粒から製造され得る。発芽した穀物粒は、ホップ及び酵母に加えて、ビールの風味及び色に寄与する。
水性抽出物が調製されると、それは従来の醸造方法を含む任意の方法によってビールに加工され得る。醸造に好適な方法の例の非限定的な説明は、例えば、Briggs et al.(1981)及びHough et al.(1982)による公表物で見ることができる。オオムギ及びビール生成物の分析のための多数の定期的に更新される方法、例えば、限定されないが、American Association of Cereal Chemists(1995)、American Society of Brewing Chemists(1992)、European Brewery Convention(1998)、及びInstitute of Brewing(1997)が利用可能である。所与の醸造所には多くの特定の手順が用いられており、最も重要なバリエーションは地元の消費者の嗜好に関連することが認識されている。そのようなビールを生成する方法はいずれも本発明と共に使用され得る。
水性抽出物からビールを生成する第1の工程は、好ましくは、本明細書で上述したように前記水性抽出物を加熱し、続いて冷却及び任意に渦巻休止の段階を含む。1種以上の追加の化合物、例えば、節「追加の化合物」で以下に記載されている追加の化合物の1種以上が水性抽出物に添加され得る。冷却後、水性抽出物は、酵母、例えば、醸造酵母、例えば、S.pastorianusまたはS.cerevisiaeを含有する発酵タンクに移され得る。水性抽出物は、任意の好適な期間、一般に1〜20日、例えば1〜10日の範囲で発酵され得る。発酵は、任意の有用な温度、例えば、10〜20℃の範囲の温度で実施される。その方法はまた、1種以上の酵素の添加を含み得、例えば、発酵の前または間に1種以上の酵素が麦汁に添加され得る。特に、前記酵素はプロリン特異的エンドプロテアーゼであり得る。プロリン特異的エンドプロテアーゼの非限定的な例は、DSMから入手可能な「Brewer’s Clarex」である。他の実施形態では、その方法の間に外因性酵素は添加されない。
数日間の発酵プロセス中に、糖はいくつかの風味物質の発達に付随してアルコール及びCOに転化される。発酵は、任意の所望の時点、例えば、%Pの更なる低下が観察されなくなると終結し得る。
その後、ビールは更に処理、例えば冷却され得る。それはまた、濾過及び/またはラガー化(心地よい香り及びより少ない酵母様風味を発達させるプロセス)され得る。添加剤も添加され得る。更に、COが添加され得る。最後に、ビールは、パッケージングされる(例えば、容器または樽に移され、ボトリングされまたは缶詰めされる)前に低温殺菌及び/または濾過され得る。ビールはまた、標準的な方法によって低温殺菌され得る。
本発明の方法によって生成されたビールは、典型的には、心地よい味を有し、渋味がないかまたはほとんどない。味は、例えば、専門家のビールテイストパネルによって分析され得る。
オオムギ
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法で使用される穀物粒はオオムギ粒である。
前記粒は、任意のオオムギ植物の粒であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、オオムギ植物は、1つ以上の特定の特徴、例えば、本明細書で以下に記載される特徴の1つ以上を含み得る。本明細書において以下で様々な特徴が個々に論述されているが、本発明のオオムギ植物は、これらの特徴の組み合わせを有し得る。
本発明の一実施形態では、オオムギは、殻なしオオムギ品種(var.)であり得る。オオムギは、天然の薄い外皮を有するオオムギvar.、例えば、var.Admiralであることも本発明に含まれる。例えば、外皮は、穀物及び殻の総重量の7%未満を構成し得る。
上記のように、マッシング中に得られる水性抽出物は、マッシング混合物の良好な濾過性を可能にするのに十分低い粘度を有することが好ましい。上記で詳細に記載されてもいるように、可溶性β−グルカンは、水性抽出物の高粘度に寄与し得る。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、穀物植物、特に低レベルのβ−グルカンを有する、例えばβ−グルカンを有しない、例えば検出レベル未満のβ−グルカンのレベルを有するオオムギ植物を使用することが好ましい場合がある。これらのオオムギ植物は、当該技術分野で知られており、例えば、β−グルカンシンターゼをコードする遺伝子に変異を有するオオムギ植物を含む。前記遺伝子は、US2012/0030784に記載されている配列番号2のポリペプチドをコードする遺伝子であり得る。例えば、オオムギ植物は、US2012/0030784の配列番号1または配列番号18に記載されているβ−グルカン欠乏遺伝子を含むオオムギであり得る。オオムギ植物はまた、(Taketa et al.,2011によって記載されているように)非常に低いレベルの(1,3;1,4)−β−グルカンを有するオオムギ粒をもたらす、サイレンシングされたCslF6遺伝子を含有するものであり得る。
オオムギ植物はまた、低レベルのLOX活性を有するオオムギ植物であり得る。そのようなオオムギ植物は、当該技術分野で知られており、例えば、LOX−1をコードする遺伝子に変異を有するオオムギ植物を含む。例えば、オオムギ植物は、WO02/053721、WO2005/087934及びWO2004/085652に記載されているLOX−1遺伝子における変異のいずれかを有するオオムギ植物であり得る。
オオムギ植物はまた、リポキシゲナーゼ1(LOX−1)をコードする遺伝子及び/またはLOX−2をコードする遺伝子に変異を有するオオムギ植物であり得る。例えば、オオムギ植物は、WO2010/075860に記載されているLOX−1及びLOX−2遺伝子における変異のいずれかを有するオオムギ植物であり得る。
オオムギ植物はまた、低レベルのMMT活性を有するオオムギ植物であり得る。そのようなオオムギ植物は、当該技術分野で知られており、例えば、MMTをコードする遺伝子に変異を有するオオムギ植物を含む。具体的には、オオムギ植物は、WO2010/063288に記載されているMMT遺伝子における変異のいずれかを有するオオムギ植物であり得る。オオムギ植物はまた、WO2011/150933に記載されているオオムギ植物のいずれかであり得る。
オオムギ植物はまた、増大したGAシグナリングを特徴とするオオムギ植物であり得る。特に、オオムギ植物は、DELLAタンパク質をコードするSlender1遺伝子に変異を有するオオムギ植物であり得る。例えば、オオムギ植物は、Chandler et al.,Journal of Experimental Botany,Vol.64,No.6,pp.1603−1613,2013,doi:10.1093/jxb/ert022によって、例えば、その表1に記載されている変異のいずれかを有するオオムギ植物であり得る。例えば、オオムギ植物は、変異DELLAタンパク質をコードする変異Slender1遺伝子をもたらすSlender1遺伝子における変異を有し得、前記変異DELLAタンパク質は、アミノ酸番号46、490、280、268、271、277、231、481、282、277、227、485または237の1つ以上における変異、例えば、G46E、S490F、R268H、G271D、A277T、V231M、R481H、V282F、A277T、G227E、S485F及びC237Yからなる群から選択される変異を有する。アミノ酸番号付けは、Genbankアクセッション番号AK372064またはAF035820(2013年2月4日現在のバージョン)で入手可能なDELLAタンパク質の配列に関連して提供される。
飲料
本発明の方法による水性抽出物を飲料に加工することによって調製された飲料は、この節に記載される特性を含むがこれに限定されない多くの有用な特性を有し得る。
本発明による飲料は、可能な限り少ないジアセチルを含有することが一般に望ましい。したがって、飲料は、ラガービール中の異臭とみなされる閾値未満のレベルでジアセチルを含むことが好ましい場合がある。好ましくは、飲料は、最大で30ppbのジアセチル、より好ましくは最大で25ppbのジアセチル、更により好ましくは最大で20ppbのジアセチルを含む。これは特に、飲料がビール、例えばラガービールである場合である。
本発明による飲料は、例えば、任意に発酵された本明細書に記載の水性抽出物であり得る。それ故、飲料は、前記水性抽出物または発酵した水性抽出物及び任意に1種以上の追加の化合物を含み得るかまたはそれらからなり得る。前記追加の化合物は、例えば、本明細書において節「追加の化合物」で以下に記載されている追加の化合物のいずれかであり得る。
追加の化合物
本発明の方法は、1種以上の追加の化合物を添加する工程を含み得る。前記追加の化合物は、例えば、風味化合物、防腐剤、機能性成分、着色剤、甘味料、pH調節剤または塩であり得る。pH調節剤は、例えば、緩衝剤または酸、例えばリン酸であり得る。
機能性成分は、所与の機能を得るために添加される任意の成分であり得る。好ましくは、機能性成分は飲料をより健康なものとする。機能性成分の非限定的な例には、ビタミンまたはミネラルが含まれる。
防腐剤は、任意の食品グレードの防腐剤であり得、例えばそれは、安息香酸、ソルビン酸、ソルベート(例えば、ソルビン酸カリウム)、亜硫酸塩及び/またはそれらの塩であり得る。
追加の化合物はまた、COであり得る。特に炭酸飲料を得るためにCOが添加され得る。
本発明で使用される風味化合物は、任意の有用な風味化合物であり得る。風味化合物は、例えば、芳香、植物抽出物、植物濃縮物、植物部分及びハーブ浸出液からなる群から選択され得る。特に風味化合物はホップであり得る。
項目
本発明は、以下の項目によって更に説明され得る:
1.穀物の水性抽出物を生成するための方法であって、前記方法が:
a. 穀物の粒を提供する工程;
b. 前記粒が少なくとも35%の水含有量を有するまで前記粒を水溶液中でインキュベートする工程であって、1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも2LのOを前記水溶液に通過させ、それにより発芽した粒を生成する、前記工程;
c. 前記発芽した粒が少なくとも35%の水含有量を有する間に、前記発芽した粒を微細に分割する工程;
d. 前記粉砕された発芽した粒の水性抽出物を調製する工程、
を含み、それにより前記穀物の水性抽出物を生成する、前記方法。
2.穀物の水性抽出物を生成するための方法であって、前記方法が:
a. 穀物の粒を提供する工程;
b. 前記穀物粒を発芽の工程に供し、それにより発芽した粒を得る工程であって、前記発芽の工程が、前記粒が少なくとも30%の水含有量を有するまで前記粒を水溶液中でインキュベートすることを含み、1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも2LのOを前記水溶液に通過させる、前記工程;
c. 前記発芽した粒が少なくとも20%の水含有量を有する間に、前記発芽した粒を微細に分割する工程であって、但し、前記穀物粒は、工程b)とc)との間のどの時点でも20%未満の水含有量を有しない、前記工程;
d. 前記粉砕された発芽した粒の水性抽出物を調製する工程、
を含み、それにより前記穀物の水性抽出物を生成する、前記方法。
3. 前記粒が、20〜72時間の範囲の間、前記水溶液中でインキュベートされる、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
4. 前記穀物の前記粒が、前記発芽の工程全体の間で前記水溶液中に沈められる、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
5. 前記穀物の前記粒が水溶液中に沈められ、24〜60時間の範囲の間、好ましくは40〜55時間の範囲の間、1時間当たり乾燥重量の穀物の粒1kg当たり少なくとも2LのOを前記水溶液に通過させる、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
6. 前記発芽の工程が、
i.前記粒を水溶液中でインキュベートする少なくとも1つの工程であって、1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも2LのOを前記水溶液に通過させる、前記工程;及び
ii.前記穀物粒を空気中でインキュベートする少なくとも1つの工程、
を含む、項目1〜3のいずれか1つに記載の方法。
7. 前記粒を水溶液中でインキュベートする前記少なくとも1つの工程が、16〜40時間の範囲の間、好ましくは20〜30時間の範囲の間実施される、項目6に記載の方法。
8. 前記穀物粒を空気中でインキュベートする工程が、通気下で実施される、項目6〜7のいずれか1つに記載の方法。
9. 前記穀物粒を空気中でインキュベートする工程が、18〜50時間の範囲の間、より好ましくは18〜38時間の範囲の間、例えば22〜35時間の範囲の間実施される、項目6〜8のいずれか1つに記載の方法。
10.前記発芽の工程全体が、72時間を超えず、より好ましくは60時間を超えず、更により好ましくは54時間を超えない、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
11.前記水溶液が、水である、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
12.前記方法が、ジベレリン酸(GA)を水溶液に添加することを更に含む、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
13.前記GAが、少なくとも100nM、例えば少なくとも1000nMの濃度で水溶液に添加される、項目12に記載の方法。
14.1時間当たり穀物粒の乾燥重量1kg当たり少なくとも3L、より好ましくは少なくとも4L、またより好ましくは少なくとも5L、更により好ましくは少なくとも6LのOを前記水溶液に通過させる、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
15.1時間当たり穀物粒1kg当たり少なくとも20gのO、より好ましくは穀物粒1kg当たり少なくとも30gのO、またより好ましくは穀物粒1kg当たり少なくとも40gのO、例えば穀物粒1kg当たり40〜100gの範囲のO、例えば穀物粒1kg当たり40〜80gの範囲のO、例えば穀物粒(乾燥物)1kg当たり60gの範囲のOを前記水溶液/穀物粒の混合物に通過させる、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
16.前記Oが、ガス混合物中に含まれる、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
17.前記ガス混合物が、大気である、項目16に記載の方法。
18.1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも10L、好ましくは少なくとも15L、より好ましくは少なくとも20L、またより好ましくは少なくとも25L、更により好ましくは少なくとも30Lの大気を前記水溶液に通過させる、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
19.前記水溶液が、消泡剤を更に含む、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
20.前記インキュベートが、15〜30℃の範囲の温度で、好ましくはおよそ25℃で実施される、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
21.前記粒が、工程b中で同じ容器に保持される、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
22.前記穀物粒が、少なくとも35%、例えば少なくとも37%の水含有量を有するまで、前記水溶液中でインキュベートされる、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
23.前記粒が、工程a.で提供され、抗微生物剤で処理されている、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
24.前記抗微生物剤が、過酸化水素などの過酸化物である、項目23に記載の方法。
25.前記方法が、根茎除去の工程を含まない、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
26.前記穀物が、殻あり穀物、例えば殻ありオオムギである、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
27.前記方法が、前記粒を水溶液中でインキュベートする前に前記殻の少なくとも一部を除去する工程を含む、項目26に記載の方法。
28.前記殻の除去が、前記穀物粒の総重量の1〜4%の範囲の減少、例えば1.5〜3.0%の範囲の減少をもたらす、項目27に記載の方法。
29.穀物の水性抽出物を生成するための方法であって、前記方法が:
A.少なくとも35%の水含有量を有する穀物の発芽した粒を提供する工程;
B.前記発芽した粒が少なくとも35%の水含有量を有する間に、前記発芽した粒を微細に分割する工程;
C.前記粉砕された発芽した粒の水性抽出物を調製する工程、
を含み、それにより前記穀物の水性抽出物を生成する、前記方法。
30.穀物の水性抽出物を生成するための方法であって、前記方法が:
A.少なくとも20%の水含有量を有する穀物の発芽した粒を提供する工程であって、但し、前記穀物粒が、発芽の後のどの時点でも20%未満の水含有量を有していない、前記工程;
B.前記発芽した粒が少なくとも20%の水含有量を有する間に、前記発芽した粒を微細に分割する工程;
C.前記粉砕された発芽した粒の水性抽出物を調製する工程、
を含み、それにより前記穀物の水性抽出物を生成する、前記方法。
31.前記発芽した穀物粒が、前記穀物粒を微細に分割する時点で少なくとも25%、更により好ましくは少なくとも30%、またより好ましくは少なくとも35%の水含有量を有する、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
32.前記発芽した穀物粒が、前記発芽の工程の完了と前記穀物粒を微細に分割する時点との間のどの時点でも25%未満、更により好ましくは30%未満、またより好ましくは35%未満の水含有量を有していない、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
33.前記穀物が、オオムギである、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
34.前記オオムギが、殻なしオオムギまたは薄い外皮を有するオオムギ品種である、項目33に記載の方法。
35.前記穀物が、殻なし穀物、例えばコムギまたは殻なしオオムギである、項目1〜32のいずれか1つに記載の方法。
36.前記穀物が、殻ありオオムギなどの殻あり穀物である、項目1〜33のいずれか1つに記載の方法。
37.前記穀物が、以下の1つ以上を特徴とするオオムギである、先行項目のいずれか1つに記載の方法:
A.β−グルカンシンターゼをコードする遺伝子に変異を有する
B.LOX−1をコードする遺伝子に変異を有する
C.LOX−2をコードする遺伝子に変異を有する
D.MMTをコードする遺伝子に変異を有する;及び/または
E.DELLAをコードする遺伝子に変異を有する
38.前記発芽した粒が、乾燥重量基準で少なくとも4U/g穀物粒、好ましくは少なくとも30U/g穀物粒のα−アミラーゼ活性を有する、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
39.前記発芽した粒が、乾燥重量基準で少なくとも100U/g穀物粒のα−アミラーゼ活性を有する、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
40.前記発芽した粒が、乾燥重量基準で少なくとも5U/g穀物粒のβ−アミラーゼ活性を有する、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
41.前記発芽した粒が、乾燥重量基準で少なくとも5mU/g粒の限界デキストリナーゼ活性を有する、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
42.前記発芽した粒が、発芽した穀物粒(乾燥物)100g当たり最大で4gの根茎(乾燥物)を含有する、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
43.前記発芽した粒が、発芽した穀物粒(乾燥物)100g当たり最大で2gの根茎(乾燥物)を含有する、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
44.前記発芽した粒が、それらを微細に分割する工程の直前に、最大で0.15μg/kg穀物粒(乾燥物)、好ましくは最大で0.12μg/kg穀物粒(乾燥物)、例えば最大で0.10μg/kg穀物粒(乾燥物)のニトロアミンの含有量を有する、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
45.工程C.が、前記粉砕された発芽した粒をマッシング溶液で50〜80℃の範囲の温度でマッシングすることを含む、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
46.前記マッシングが、1種以上の加水分解酵素(複数可)の存在下で実施される、項目45に記載の方法。
47.少なくとも1種の加水分解酵素が、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、限界デキストリナーゼ、プルラナーゼ、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、グルコアミラーゼ及びプロテアーゼを含むがこれらに限定されない細胞壁及びデンプン分解酵素からなる群から選択される、項目46に記載の方法。
48.前記マッシングが、少なくとも1種のβ−グルカナーゼ及び少なくとも1種のキシラナーゼの存在下で実施される、項目45に記載の方法。
49.発芽した穀物粒(乾燥重量)1g当たり最大で700U、好ましくは最大で350Uの外因性グルコアミラーゼ及び/またはα−アミラーゼが前記マッシング中に添加される、項目45〜48のいずれか1つに記載の方法。
50.発芽した穀物粒(乾燥重量)1g当たり最大で100PUNの外因性プルラナーゼが前記マッシング中に添加される、項目45〜49のいずれか1つに記載の方法。
51.前記穀物が、粒中の低いβ−グルカンレベルを特徴とし、マッシング中にβ−グルカナーゼが添加されない、項目45〜46及び49〜50のいずれか1つに記載の方法。
52.前記方法が、前記水性抽出物を濾過する工程を更に含む、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
53.前記水性抽出物が、少なくとも50%、例えば少なくとも60%の濾過性を有する、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
54.前記水性抽出物が、最大で200mg/Lのβ−グルカンを含む、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
55.前記水性抽出物が、1L当たり少なくとも10g、例えば少なくとも15gのマルトースを含む、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
56.前記水性抽出物が、150〜400mg/Lの範囲でFANを含む、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
57.前記水性抽出物が、少なくとも60mg/L、好ましくは少なくとも65mg/Lのバリンを含む、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
58.前記方法が、キルン乾燥の工程を含まない、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
59.飲料を生成するための方法であって、前記方法が:
i.先行項目のいずれか1つに記載の方法によって水性抽出物を調製する工程;
ii.前記抽出物を飲料に加工する工程、
を含む、前記方法。
60.工程iiが:
a.前記水性抽出物を任意にホップまたはホップ抽出物の存在下で加熱する工程;
b.前記水性抽出物を冷却する工程;
c.前記水性抽出物を酵母で発酵させ、それにより発酵した飲料を生成する工程、
を含む、項目59に記載の方法。
61.前記方法が、工程a.または工程b.の後に実施される沈降工程を更に含む、項目60に記載の方法。
62.前記方法全体が、1つの場所で実施される、先行項目のいずれか1つに記載の方法。
63.前記飲料が、最大で25ppb、例えば最大で20ppbのジアセチルを含む、項目59〜62のいずれか1つに記載の方法。
本発明は、以下の実施例によって更に説明される。しかしながら、これらは本発明を限定するものとみなされるべきではない。本明細書の以下の実施例で使用されたオオムギサンプルは全て以下のように分析された:
−発芽試験
実施例で使用された全てのオオムギサンプルを、発芽指数、発芽エネルギー及び水感受性のパラメータについて評価した。データは、Analytica−EBC Method 3.6.2 Germinative Energy of Barley(BRF Method)に従って4mLの発芽試験の場合は100個のオオムギ粒のサンプルサイズ及び8mLの発芽試験の場合は100個のオオムギ粒のサンプルサイズに基づいていた。
−オオムギサンプルの特性化
・千個の実の重量は、Data Count JR器具を使用して自動的にカウントすることによって決定したが、サイズ分別は、Pfeuffer Sortimat K3を利用して、(X):X>2.8 mm;2.8<X>2.5mm;2.5<X>2.2mm;X<2.2 mmを有する4つのクラスの異なる粒に調節した。サイズ分別データは、100gの粒サンプルに基づいて計算した。
・オオムギサンプルのタンパク質、水及びデンプン含有量は、オオムギ較正(FOSS BY213271;Foss,DKにより提供)を使用して、Foss1241NIT器具を使用して決定した。水溶液中でのインキュベートの前(例えば、24時間)に、オオムギ較正Foss BY303300(Foss,Denmark)を使用してFoss1241NIT器具を使用して100gの粒サンプルの水含有量を再決定した。
・粒の水含有量は、まず、対応するオオムギサンプルの重量を測定し、続いて前記サンプルを乾燥させ、乾燥したサンプルの重量を決定することによって決定した。湿ったサンプルと乾燥したサンプルの重量の差は水であるとみなされ、水含有量は、水の重量をサンプル(湿ったサンプル)の総重量で除したものに等しい。
−発芽した粒の分析
発芽した粒のサンプルを以下のパラメータ(w/w)について試験した:水含有量、タンパク質含有量、可溶性タンパク質及び麦芽サンプルの抽出物。Foss(DK;較正MA000010)によって提供されたデータに従って較正されたFoss1241NIT器具を使用して値を決定した。
実施例1.単工程浸麦及び発芽
実験室規模の実験では、1kgの乾燥オオムギ粒をPlexiglassシリンダーに入れ、粒のカラムの下からの大気で一定に通気させた。使用された機器の概略図が本明細書において図8に示されている。粒を、異なる期間、様々なレベルの大気を用いて下から通気し、その間に表1に示すように粒の水分含有量が上昇し、発芽が開始した。図の凡例に示されているように、異なるオオムギ品種をこの分析で使用した。空気流は、SmartTrak(登録商標)50質量流量計及び制御器(Sierra,CA,USA)を使用して設定し、温度は、Testo735精密温度計(Testo,Germany)を使用して測定した。
このシステムには、空気流、温度、pH、導電率、酸化還元電位及び浸麦水のO含有量を測定するためのセンサーが組み込まれていた。センサーは、プロセスをリアルタイムでモニターすることができるだけでなく、プロセス中の浸麦及び発芽状態を調節することもできる;このレベルの制御は、現在の麦芽化及び醸造のプロトコルに従うことによっては可能ではない。
殻なしオオムギ系統の粒をPlexiglasシリンダーに移し、1nMのジベレリン酸(GA)及び0.01%のFoamazol FCD511(AB Vickers,Burton Trent,UK)に調節された水中での45時間のインキュベート後にまず1%のP3−ハイポクロラン(Ecolab,Switzerland)中で3時間インキュベートした。インキュベートは15または25℃のいずれかあり、粒には、30、60、90または120L/時のいずれかの大気が通気された。サンプルを24時間及び48時間後に収集した。結果を図2に要約する。示されているように、空気のアクセスはオオムギの発芽を強く促進した。通気されていないサンプル(0L/時)と比較した場合、空気流に供された全てのサンプルは、粒発達の顕著な差によって特徴付けられた。特に、粒は、15℃及び30L/時の空気流で、24時間後でさえも1mmを超える視認可能な小芽を有していた。空気流を増加させると、15℃で24時間後に追加の小芽の発達を引き起こした。25℃では、いくつかの粒は、視認可能な根茎を発達させることさえした(60、90または120L/時)。インキュベート時間を増加させることにより、発芽及び48時間後の視認可能な根茎の成長を特徴とする空気流に供された全ての粒での成長における前進がもたらされる。インキュベート温度の上昇に伴い、小芽及び根茎の成長が促進された。90L/時の空気流は1時間当たり51gのOに相当する。1LのHO当たりのOとして計算される場合、その量は時間と共に変化するが、その理由は、穀物粒がインキュベート中に水を吸収するためである。典型的には、90L/時の空気流は、1時間当たり1LのHO当たり64〜121gのOに相当する。
同じ実験を殻ありオオムギ系統の粒を使用して実施し、結果を図3に要約する。殻ありオオムギ系統の粒はまた、24時間、25℃及び30L/時の空気流でのインキュベート後に1mmを超える視認可能な小芽を有していた。インキュベート時間を増加させることにより、発芽及び48時間後の視認可能な根茎の成長を特徴とする、60L/時の空気流に供された全ての粒での成長における前進がもたらされる。
粒中の水吸収量は、上述したように15℃及び25℃において、殻なしオオムギ系統及び殻ありオオムギ系統における水含有量を%(w/w)として決定することによって確立された。結果は以下の表1(殻なしオオムギ)及び表2(殻ありオオムギ)に要約されている。空気流が少なくとも30L/時である場合、水含有量は空気流に大きく依存しないようである。対照的に、25℃で24時間後の水含有量は15℃よりもはるかに高かった。
表1.水吸収量(%)、殻なしオオムギ粒
Figure 0006913113
表2.水吸収量(%)、殻ありオオムギ粒
Figure 0006913113
したがって、本発明の結果は、25℃の温度が、粒による速い速度の水吸収にとって、したがって発芽の全体の速度においてより好ましい場合があることを示している。
実施例2.酵素活性
発芽中、オオムギ粒は、α−アミラーゼ、限界デキストリナーゼ及び(1,3;1,4)−β−グルカナーゼなどの様々な加水分解酵素を分泌し始める。典型的には、これらの酵素活性は、加水分解酵素の活性の一般的なマーカーとして有用なα−アミラーゼ、β−アミラーゼ及び/または限界デキストリナーゼの活性を用いて時期良く協調した様式で検出される。それ故、本発明の方法に従って実施された発芽の後、α−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼの活性を決定した。
GAは、発芽するオオムギにおけるアリューロン層を活性化する植物ホルモンである。多くの麦芽製造業者は、麦芽化プロセス中にGAを低濃度で添加する。ここで、GAの様々な濃度が、プロセスの開始時に粒のインキュベートのために水に補充された。GA溶液を無水エタノール中のジベレリン酸(G7645,Sigma−Aldrich,St.Louis,MO,USA)から調製し、水に添加した。酵素活性は、粒抽出物中の加水分解酵素活性を24時間及び48時間で測定することによってモニターした。
サンプル調製
酵素活性の分析の前に、炭化タングステンすり潰しリング(Foss10004463)、ニッケルメッキインペラー(Foss1000 2666)及び1mmの出口スクリーン(Foss10001989)を備えた標準Foss Cyclotechミル(Foss,Denmark)を使用して発芽した粒サンプルを粉砕した。発芽したオオムギ粒における酵素活性の全ての測定は、サンプルの粉砕後48時間以内に行った。
α−アミラーゼ活性
発芽した粒のα−アミラーゼ活性は、節「サンプル調製」で上述したように調製した粉に基づいていた。α−アミラーゼ活性の決定のためのアッセイは、標準的な実験機器を使用してMegazymeからのCeralphaキットキットを利用した。アッセイは、α−アミラーゼ活性の計算を含む、製造者のプロトコル(K−CERA01/12)に従って行った。
β−アミラーゼ活性
発芽した粒のベータ−アミラーゼ活性を測定する場合、節「サンプル調製」で上述したように粉を作製した。β−アミラーゼ活性アッセイは、MegazymeからのBetamylキット(K−BETA3)で提供された推奨に従った。
限界デキストリナーゼ活性:
発芽した粒における限界デキストリナーゼ活性の測定の場合、節「サンプル調製」で上述したように粉を作製した。限界デキストリナーゼ活性は、MegazymeからのLimit DextrizymeキットT−LDZ1000を使用して決定した。活性測定を含むアッセイは、製造者のプロトコル(T−LDZ1000 07/9)に従って行った。
α−アミラーゼ、β−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼ活性を殻なしオオムギ系統で決定した。オオムギ粒を、0.01%のFCD511Foamzol及び様々な量のGAの存在下で通気下での水中でのインキュベートによって本質的に実施例1に記載したように発芽させた。空気流は、25℃(Testo735精密温度計、Testo,Germanyを使用して測定される)で消毒をせずにSmartTrak(登録商標)50質量流量計及び制御器(Sierra,CA,USA)を使用して90L/時に設定した。発芽した粒における酵素活性を、吸水後24及び48時間において測定し、その結果を図4に示す。
また、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼ活性を、殻なしオオムギ系統及び殻ありオオムギ系統の両方で決定した。オオムギ粒は、通気下で0.01%のFCD511 Foamzol及び1000nMのGAの存在下での水中でのインキュベートによって本質的に実施例1に記載したように発芽させた。25℃(Testo735精密温度計、Testo,Germanyを使用して測定される)で消毒をせずにSmartTrak(登録商標)50質量流量計及び制御器(Sierra,CA,USA)を使用して、表3及び4に示されるように様々な空気流を使用した。発芽した粒中の酵素活性を24時間及び48時間で測定し、その結果を表3(殻なしオオムギ)及び表4(殻ありオオムギ)に示している。
表3.殻なしオオムギの粒における酵素活性。
Figure 0006913113
)α−アミラーゼ活性(U/g);
**)β−アミラーゼ活性(U/g);
***)遊離限界デキストリナーゼの活性(mU/g)
表4.殻ありオオムギの粒における酵素活性)。
Figure 0006913113

)略語は表3の凡例のものと同じである;n.d.=未決定。
図4に示されているように、α−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼの両方のレベルがGAの添加後に有意に上昇した。
実施例3.マッシング
オオムギ粒を本明細書において実施例1で上述したように発芽させた。2日の連続的な浸麦及び発芽の後、液相を粒から排水し、粒を実験室規模のホモジナイザー(Omega Juicer8226,Omega,USA)で湿式粉砕した。水中での粉砕された粒の抽出は、図5に概略を示したマッシングスケジュールを使用して行った。このプロセスは「マッシング」とも称される。マッシング中に糖化も一般に生じる。マッシング中、CaCl及びHPOが典型的には水に添加される。
工業的マッシングのプロセスの間、部分的に分解されたデンプン、貯蔵タンパク質及び細胞壁多糖の発酵性糖及びアミノ酸(後に発酵中に酵母の増殖をサポートする)への転化を継続するために外因性酵素調製物が添加され得る。Ultraflo Max醸造酵素混合物(Novozymes,Denmark)の存在下及び非存在下でのマッシング特徴を比較した。Ultraflo Maxは、β−グルカナーゼ及びキシラナーゼ活性を含む酵素混合物である。マッシング後、抽出物を標準的なマッシングフィルターを使用して濾過した。
外因性酵素混合物の有効性は、マッシングプロセスの後に残存したマッシング混合物の濾過性を測定することによって試験した。濾過性は、MN 614 φ 320mm REF527032(Macherey Nagel Duren Germany)を備えた140−mm TOP IDフィルター漏斗(Urbanti Pequannock,N.J.USA)を使用して決定した。サンプルの重量は、標準天秤(MPB1502L、Mettler Toledo,Switzerland)を使用して記録した。濾過性は、100gの粉砕された発芽したオオムギで事前に補充された400mLのマッシング溶液を含むマッシング混合物の60分の濾過の後に得られた液体の総量として決定された。
実施例1で詳述された実験について記載したもののように通気して25℃で48時間で発芽させた殻なしオオムギ系統の粒についての実験結果が図6に要約されている。
実施例4.麦汁
実施例1に記載したように調製した発芽したオオムギ粒を使用して、実施例3の実験で詳述したように麦汁を調製した。殻なし系統のオオムギ粒を45L/時または90L/時のいずれかで大気での通気下で、実施例1に記載したように、GAの存在下で25℃で48時間インキュベートした。発芽したオオムギ粒を、Ultraflo Max酵素混合物(Novozymes,Denmark)の存在下または非存在下のいずれかで、実施例3に記載されているように湿式粉砕し、マッシングした。
発酵性糖−フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース及びマルトトリオース−のレベルは次の手法で決定した。麦汁の沸騰後、それをミリQ水で1:2000に希釈し、その後0.2μmのナイロン膜フィルター(Titan3 30mm,Thermo Scientific,CA,USA)で濾過した。10μLのアリコートをまずCarboPac SA10−4μmカラムに適用し、その後CarboPac SA10−4μmガードカラム(4×50mm)を備えたDionex ICS5000+試薬非含有HPLCシステムで分析した。分離された分子の溶離は、20分かけて実行されるアイソクラチックの25mMのKOHを用いた。ベースライン減算及び参照標準[D−(+)−グルコース、D−フルクトース、D−(+)−マルトースマルトトリオース]としてHPLCグレードの純粋な炭水化物を用いた後、ピーク面積の積分によって炭水化物を定量化した。結果を表7に示す。
実施例5.
発酵
実施例3に記載されているように調製した麦汁をホップまたはホップ抽出物の存在下で沸騰させ、適切な醸造酵母株を用いた抽出物の従来の植菌により醗酵プロセスを開始する。発酵、ビールの濾過及びボトリングは、伝統的なプロトコルに従って実施される。
小規模醸造
本実施例は、本明細書に記載の方法に従って処理された、2つの品種のオオムギから調製されたビールを、商業的に利用可能な醸造酵素混合物で処理された非麦芽化オオムギから調製したビールと比較する。可能な場合には、麦汁及び最終的なビールを分析し、市販の参照ラガービール(本明細書では「参照」と示される)と比較した。参照ラガービールについてのデータは他の源とは別に入手した。
材料
他に記述されていない限り、材料はそのまま使用した。
Figure 0006913113
粉砕
Figure 0006913113
醸造
醸造は、1〜4の粗びき/水比を使用して標準条件下で行った。
Figure 0006913113
発芽したオオムギ、未処理の材料及び/または麦芽を、示された酵素の存在下で2段階糖化を伴う標準的なマッシングプログラムを使用してマッシングを行った。
Ultraflo(登録商標)Max,Attenuzyme(登録商標)Flex,Attenuzyme(登録商標)Core及びOndeaPro(登録商標)はNovozymes,Denmarkから入手可能である。製造者によれば:
・Ultraflo(登録商標)Maxは、β−グルカナーゼ(700EGU/g)及びキシラナーゼ(250FXU/g)を含む
・Attenuzyme(登録商標)Flexは、製造者からの製品シートによればグルコアミラーゼ(400AGU/g)及びプルラナーゼ(80PUN/g)を含む
・Attenuzyme(登録商標)コアは、グルコアミラーゼ(1600AGU/g)を含む
・OndeaPro(登録商標)は、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、α−アミラーゼ、プルラナーゼ(637PUN/g)、プロテアーゼ及びリパーゼを含む。
実施例2に記載されているようにAttenuzyme(登録商標)Flexの活性を決定したところ、酵素溶液1g当たり16243mUのオオムギの限界デキストリナーゼ活性に相当する量のAttenuzyme(登録商標)Flexが使用されたことが判明した。更に、組み合わされたグルコアミラーゼ及びα−アミラーゼの活性は酵素溶液1g当たり628,863Uであることが判明した。
低温麦汁を、標準的な麦汁濾過及び沸騰の開始時に添加されたホップを伴う麦汁沸騰の後に収集した。
元の抽出物を水道水で調整して、沸騰及び蒸発後に11.5の最終プラトー(%P)を達成し、麦汁の色を調整して参照ビールの色と同様の色を達成した。
発酵
・Brewers Clarex(登録商標)(DSMから入手可能)を低温麦汁に0.1g/kgのDMで添加した
・麦汁に8E6細胞/mlのラガー酵母(S.pastorianus)を投入した
・投入された麦汁に空気を30分間通気した
・低圧力発酵タンク内で発酵終了まで15℃で発酵を行った
・発酵が終了したビールをタンクに移すまで4℃に維持した
タンクへの移し
・懸濁液中5E5細胞/ml未満のビールをタンクに移した
・充填の前後にタンクをCOで0.5バールまでフラッシュした
・COを0.5バールの過圧に加え、ビールを濾過するまで4℃に維持した
濾過
・ビールを3層の深フィルターシートを通して濾過した
・濾過後、タンク内のビールに1.2バールのCO圧を加えた
・ビールをパッケージングまで4℃で維持した
パッケージング
ビールを33clのボトルにパッケージングし、最終試験及び官能評価のために4℃で維持した。分析結果
発酵前の麦汁中の糖
総発酵性糖の濃度を本質的に実施例4に記載したように決定し、その結果が表5に示されている。グルコースレベルは、非麦芽化オオムギから調製された醸造物と比較して、本発明の方法に従って調製された両方の醸造物において顕著に高い。
表5
Figure 0006913113
遊離アミノ窒素及びβ−グルカン
発酵前の麦汁中及び最終的なビール中の遊離アミノ窒素(FAN)の濃度を、FANのためのThermoFischer,Gallary Beermaster標準プロトコル、比色法に従って決定した。麦汁中の遊離アミノ窒素(FAN)の典型的な値は、200mg/Lである。FANは、発酵中の良好な酵母生存能力のために重要である。一般に、良好な酵母生存能力を得るのに十分高いFANレベルが望ましい。発酵前の麦汁中のFANの結果を表6aに示し、ビール中のそれを表6bに示している。
β−グルカンは、通常、従来の麦芽化中に分解される。高すぎるレベルのβ−グルカンは、問題のある濾過を引き起こし得るので望ましくない。発酵前の麦汁中及びビール中のβ−グルカンのレベルを、製造者の指示書に従ってThermo Scientific製の「Beta−Glucan(High MW)」キットを使用して決定し、その結果を表6a(発酵前の麦汁)及び表6b(ビール)に示している。
表6a 発酵前の麦汁
Figure 0006913113
表6b−ビール
Figure 0006913113
発酵前の麦汁中のアミノ酸
発酵前の麦汁中の全ての標準アミノ酸の濃度を、Waters AccQ・Tag Ultraキットを使用してそれに記載された手順に従って決定した。発酵前の麦汁中のアミノ酸についての結果が表7に示されている。
特に、発酵前のバリンの濃度は重要である。麦汁中に存在するバリンが多いほど、発酵中の「望ましくないジアセチル」の形成の可能性が低くなり、それによりDAの休止時間が長くなる。バリンの濃度は、試行3と比較して、本発明に従って調製された麦汁中で5倍(試行1)及び2倍(試行2)高い。
表7
Figure 0006913113
Figure 0006913113
様々な醸造及び発酵重要数を決定し、参照と比較した。結果を表8に示す。本発明の方法によって調製されたビールは、大幅に低いジアセチルレベルを有していたことが注目に値する。ジアセチルレベルが可能な限り低いことが一般に好ましい。
表8
Figure 0006913113
官能パネル評価
この実施例に記載したように調製したビールの全てを官能パネルによる評価に供した。それらの全てについての合計風味スコアが許容可能であった。異なるビール間の1つの相違は、試行3からのビールが風味「石鹸様、脂肪様、ジアセチル、油様悪臭」についてスコア「顕著」であったのに対し、(本発明に従って調製された)試行2からのビールは、この風味についてスコア「わずか」でしかなかった。
実施例6
コムギの浸麦:
4つの商業的に利用可能なコムギ品種(1−Benchmark、2−Creator、3−Pistoria、4−Sheriff)を0.1%のハイポクロラン中で1時間消毒し、次いで1000nMのGA3及び0.01%の消泡剤(Sigma204)を含有する水道水中で24時間または48時間のタンク内でのインキュベートによって浸麦及び発芽させた。インキュベートは25℃で実施し、インキュベート全体の間にタンクの底から水を介して90l/時の空気を流した。
インキュベート後、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼ活性を本質的に実施例2に記載したように決定した。結果を図9に示す。48時間のインキュベート後、α−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼ活性は大幅に増加する。
実施例7
殻ありオオムギの浸麦:
8つの商業的に利用可能なオオムギ品種(1−Alexis、2−Chief、3−Chill、4−Paustian、5−Planet、6−Prestige、7−Quench、8−Tipple)を0.1%のハイポクロラン中で1時間消毒し、次いで1000nMのGA3及び0.01%の消泡剤(Sigma204)を含有する水道水中で24時間または48時間タンク内でインキュベートすることによって浸麦及び発芽させた。インキュベートは25℃で実施し、インキュベート全体の間、タンクの底から水を介して90l/時の空気を流した。
インキュベート後、α−アミラーゼ活性を本質的に実施例2に記載したように決定した。結果を図10に示す。48時間のインキュベート後、α−アミラーゼ活性は大幅に増加する。
実施例8
殻ありオオムギの剥離:
殻ありオオムギ(殻あり02)を、外皮を部分的に除去するために、1、2、4または16分間の機械的サンドペーパー処理によって剥離した。その処理は1、2、3または5%の重量減少をもたらした。剥離されたオオムギの実を0.1%のハイポクロランで1時間消毒し、1000nMのGA3及び0.01%の消泡剤(Sigma204)を含有する水道水中で24時間または48時間タンク内でインキュベートすることによって浸麦及び発芽させた。インキュベートは25℃で実施し、インキュベート全体の間にタンクの底から水を介して90l/時の空気を流した。
インキュベート後、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼ活性を本質的に実施例2に記載したように決定した。結果を表11に示す。2%の重量減少までオオムギの実を剥くと、α−アミラーゼ及び限界デキストリナーゼ活性が大幅に誘導される。
実施例9
殻なし及び殻ありオオムギに対するエアレスト:
殻なし(殻なし01)及び殻あり(殻あり02)オオムギを0.1%のハイポクロラン中で1時間消毒し、異なる浸麦レジームに従って浸麦及び発芽させた。
WA=水/空気:
25℃で1000nMのGA3及び0.01%の消泡剤(Sigma204)を含有する水道水中でタンク内でインキュベートする一方で、インキュベート全体の間、タンクの底から水を介して90l/時の空気を流す。
A=空気
タンク内での湿った穀物粒のインキュベート。インキュベート全体の間、タンクの底から湿った穀物粒を介して90l/時の空気を流す。インキュベートは25℃で実施される。
穀物粒をWAまたはWA及びAで図13に示される時間、インキュベートし、その結果を図13に示している。図12Aは殻なし01の結果を示し、図12Bは殻あり02の結果を示している。通気下で水中で24時間インキュベートし、続いて水を用いないが依然として通気下で24〜32時間インキュベートすると、非常に高い酵素活性を有する穀物粒となる。
実施例10
発芽したオオムギは、本質的に実施例1に記載したように調製した。より具体的には、品種殻なし01及び殻あり02のオオムギの実を、0.1%のハイポクロラン洗浄液で1時間消毒し、次いで1000nMのGA及び0.01%の消泡剤を含有する水道水中で48時間のインキュベートによって浸麦して発芽させた。インキュベートは25℃で実施し、インキュベート全体の間にタンクの底から水を介して90l/時の空気を流した。発芽したオオムギを凍結乾燥し、計量した。形成した根茎をミュンヘン機器を使用して除去し、発芽したオオムギを再度計量した。根茎の除去前後の質量の差は根茎の質量とみなされた。4つの異なるサンプルの重量を決定したが、最初の3つのサンプルのみを含めた。その理由は、最後のサンプルはほこりを含有していたからである。結果を表9に示す。
表9
Figure 0006913113
殻なし01及び殻あり02の同じバッチからのオオムギの実も、標準的な方法によって96時間浸麦し、発芽させた。発芽したオオムギを凍結乾燥し、計量し、根茎を古いミュンヘン機器を使用して除去した。根茎の除去後、オオムギを再度計量し、根茎の除去の前後の質量の差を根茎の質量とみなした。結果を表10に示す。
表10
Figure 0006913113
Figure 0006913113
表11は、本発明の方法(48時間のWA)によって発芽したオオムギの根茎の質量(g)と、従来の方法(96時間の麦芽化)によって浸麦されたオオムギとの間の比較を示している。本発明の方法によって発芽したオオムギは、大幅に減少した根茎形成を有することが明らかである。図13は、根茎除去後の重量減少を%で示している。
表11
Figure 0006913113
実施例11
ニトロソアミンNDMAは、麦芽のキルニング中に特に根の中で形成される(Wainwright(1986)J Inst Brew 92 73−80)。)。実施例10で上述したように、本発明の方法によって調製された発芽した穀物粒の利点は、それらが通常の緑麦芽と比較してより少ない根を含むことである。現代の麦芽中のNDMA含有量は低いが、そのレベルを更に低下させることが有利であり得る。
NDMA含有量は、オオムギにおいて、本発明の方法に従って調製された発芽したオオムギ粒(この実施例では「麦芽1a」と示される)において、及び3つの工業的に生成された麦芽において分析した。工業的に生成された麦芽は全て、標準的な方法によって根茎を除去するために処理されていた。
オオムギ−1、麦芽−1a及び麦芽−1bは全て、同じバッチの殻ありオオムギ品種(殻あり02)から調製されたが、他の2つの麦芽サンプルの麦芽−2及び麦芽−3はいずれも、他のバッチのオオムギに由来する。麦芽−1aは、本質的に実施例1に記載したように生成した。それ故、オオムギの実を、0.1%のハイポクロラン洗浄液で1時間消毒し、次いで1000nMのGA及び0.01%の消泡剤を含有する水道水中で48時間のインキュベートによって浸麦及び発芽させた。インキュベートは25℃で実施し、インキュベート全体の間にタンクの底から水を介して90l/時の空気を流した。
発芽したオオムギを凍結乾燥させてから、NDMA含有量をGC−MSによって分析した。結果を表14に示す。分析は、標準が脱稈に供されていた場合であっても、キルニングを含む標準的な麦芽化によって生成された麦芽と比較してより少ないNDMAが麦芽−1aに存在することを明確に示している。
概要
将来の水及びエネルギーの不足の課題は、社会的、経済的及び環境的に責任ある手法で対処しなければならない。その点で、本発明は、水及びエネルギーの使用量の削減の観点から、ビール生成の長期的な持続可能性に寄与する。醸造プロセスへの浸麦及び発芽の直接的統合と組み合わされたキルン乾燥プロセスの排除により、本発明の方法の適用は、ビール製造の動力及びランニングコストを大きく削減する。
本発明は、以下を含む多くの方法で麦芽化及び醸造工業に対して動力費の低減及び環境圧力の減少に寄与し得る:
− 現在完了までに数日かかる浸麦及び発芽のプロセスがはるかに迅速に完了され得る
− 浸麦及び発芽のプロセスが単一の場所で単一の容器内で行われ得る
− 麦芽化プロセスの伝統的なエアレスト及び第2の浸麦工程が排除され得る
− そのプロセスは、水の消費量を、例えば最大で40%削減し得る
− 麦芽をキルン乾燥するための高価な加熱費が排除され得る
− 麦芽製造所から醸造所に麦芽を移すための高価な輸送費が排除され得る
− 本発明の方法を実施するのに必要とされる機器及びプラントは、醸造所における既存設備と互換性があり得、そのため、多大な新たな資本支出を必要としない。
引用された文献
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Claims (27)

  1. 穀物の水性抽出物を生成するための方法であって、前記方法が:
    a. 穀物の粒を提供する工程;
    b. 前記穀物粒を発芽の工程に供し、それにより発芽した粒を得る工程であって、前記発芽の工程が、前記粒が少なくとも30%の水含有量を有するまで、1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも2LのO を水溶液に通過させながら、前記水溶液中で前記粒を浸漬してインキュベートすることを含、前記工程;
    c. 前記発芽した粒が少なくとも20%の水含有量を有する間に、前記発芽した粒を微細に分割する工程であって、但し、前記穀物粒は、工程b)とc)との間のどの時点でも20未満の水含有量を有しない、前記工程;
    d. 前記微細に分割された発芽した粒の水性抽出物を調製する工程、
    を含み、それにより前記穀物の水性抽出物を生成する、前記方法。
  2. 前記穀物の前記粒が、前記発芽の工程全体の間で前記水溶液中に沈められる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記発芽の工程が、
    i.1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも2LのO を水溶液に通過させながら、前記水溶液中で前記粒を浸漬してインキュベートする少なくとも1つの工程;及び
    ii.前記穀物粒を空気中でインキュベートする少なくとも1つの工程、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記発芽の工程が、
    a)1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも2LのO を水溶液に通過させながら、前記水溶液中で前記粒を浸漬してインキュベートする1つの工程;
    b)エアレストの1つの工程であって、前記穀物粒を空気中でインキュベートする、前記工程;
    c)1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも2LのO を水溶液に通過させながら、前記水溶液中で前記粒を浸漬してインキュベートする1つの工程;
    d)エアレストの1つの工程であって、前記穀物粒を空気中でインキュベートする、前記工程、
    を含む、またはこれらからなる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記穀物粒を空気中でインキュベートする前記工程が、水溶液の非存在下におけるものである、請求項3から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 1時間当たり穀物粒の乾燥重量1kg当たり少なくとも3Lのを前記水溶液に通過させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記Oがガス混合物中に含まれ、前記ガス混合物が大気である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記発芽の工程全体が、72時間を超えない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記穀物が、殻あり穀物であり、前記方法が、前記粒を水溶液中でインキュベートする前に前記殻の少なくとも一部を除去する工程を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記発芽した粒が、発芽した穀物粒(乾燥物)100g当たり最大で4gの根茎(乾燥物)を含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 穀物の水性抽出物を生成するための方法であって、前記方法が:
    A.少なくとも20%の水含有量を有する穀物の発芽した粒を提供する工程であって、但し、前記穀物粒が、発芽の後のどの時点でも20%未満の水含有量を有しておらず、前記発芽した粒が、発芽した穀物粒(乾燥物)100g当たり最大で4gの根茎(乾燥物)を含有する、前記工程;
    B.前記発芽した粒が少なくとも20%の水含有量を有する間に、前記発芽した粒を微細に分割する工程;
    C.前記微細に分割された発芽した粒の水性抽出物を調製する工程、
    を含み、それにより前記穀物の水性抽出物を生成する、前記方法。
  12. 前記穀物が、オオムギである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記発芽した粒が、乾燥重量基準で少なくとも4U/g穀物粒のα−アミラーゼ活性を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記発芽した粒が、乾燥重量基準で少なくとも5U/g穀物粒のβ−アミラーゼ活性を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記発芽した粒が、乾燥重量基準で少なくとも5mU/g粒の限界デキストリナーゼ活性を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記水性抽出物が、1L当たり少なくとも10gのマルトースを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記水性抽出物が、少なくとも60mg/Lのバリンを含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 飲料を生成するための方法であって、前記方法が:
    i.請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法によって水性抽出物を調製する工程;
    ii.前記抽出物を飲料に加工する工程、
    を含む、前記方法。
  19. 工程iiが:
    a.前記水性抽出物を任意にホップまたはホップ抽出物の存在下で加熱する工程;
    b.前記水性抽出物を冷却する工程;
    c.前記水性抽出物を酵母で発酵させ、それにより発酵した飲料を生成する工程、
    を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 少なくとも20%の水含有量で、微細に分割された発芽した粒を生成する方法であって、前記方法が:
    a.穀物の粒を提供する工程;
    b.前記穀物粒を発芽の工程に供し、それにより発芽した粒を得る工程であって、前記発芽の工程が、前記粒が少なくとも30%の水含有量を有するまで、1時間当たり乾燥重量の穀物粒1kg当たり少なくとも2LのO を水溶液に通過させながら、前記水溶液中で前記粒を浸漬してインキュベートすることを含、前記工程、及び少なくとも1つのエアレストの工程であって、前記穀物粒を空気中でインキュベートする、前記工程;
    c.前記発芽した粒が少なくとも20%の水含有量を有する間に、前記発芽した粒を微細に分割する工程であって、但し、前記穀物粒は、工程b)とc)との間のどの時点でも20未満の水含有量を有しない、前記工程;
    を含む、前記方法。
  21. 前記方法が、請求項2から10のいずれか1項にしたがって実行される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記穀物が、リポキシゲナーゼ(LOX)活性及び/またはメチルメチオニントランスフェラーゼ(MMT)活性が低レベルであるかまたは存在しないオオムギである、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記穀物が、以下:
    A.β−グルカンシンターゼをコードする遺伝子に変異を有する
    B.LOX−1をコードする遺伝子に変異を有する
    C.LOX−2をコードする遺伝子に変異を有する;及び/または
    D.MMTをコードする遺伝子に変異を有する
    のうち1つ以上によって特徴づけられるオオムギである、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記穀物が、コムギおよび殻なしオオムギからなる群から選択される殻なし穀物である、請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 請求項1から17のいずれか1項に記載の方法によって調製される穀物の水性抽出物。
  26. 請求項18及び19のいずれか1項に記載の方法によって調製される飲料。
  27. 組成物であって、請求項20から21のいずれか1項に記載の方法によって調製される、微細に分割された発芽した粒を含む、前記組成物。
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