JP6912942B2 - スリット装置およびスリット方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スリット装置およびスリット方法に関する。
半導体装置に使用されるリードフレーム、各種電子部品の端子およびコネクタなどは、長尺で幅広な金属からなる帯板材を長手方向に切断(スリット)してスリット材とし、このスリット材に打ち抜き加工や曲げ加工を施すことにより作製される。
この金属からなる帯板材の切断にスリット装置が使用されている。スリット装置は、例えば一対の回転刃を周縁部側面が重なるようにかみ合わせ、これら回転刃の間に帯板材を通過させることで、帯板材を回転刃のせん断により長手方向に切断するものである(例えば特許文献1,2を参照)。
スリット装置では、帯板材の切断により得られるスリット材の幅の寸法精度を高めるために、帯板材の長手方向への切断と同時に、幅方向の両端縁部を長手方向に沿って切断してトリミングすることがある(例えば特許文献3,4を参照)。そして、特許文献3,4では、帯板材の幅方向での切断位置とトリミング幅とを調整することで、スリット材の幅を調整している。
特開2013−119145号公報 特開2010−149261号公報 特開平11−320243号公報 特開2000−254814号公報
ところで、帯板材にはリードフレームやコネク等の形状に打ち抜く加工の前に、予め所定パターンのめっき層を設ける場合があり、このめっき層の位置に対応して、切断する箇所が決められている。この切断予定箇所に沿って帯板材を切断することにより、めっき層が所定位置に設けられた複数のスリット材を作製することができる。
しかし、特許文献3,4のように実際に両端縁部をトリミングしつつ帯板材を切断する場合、スリット材の幅の寸法精度はスリット刃の間隔である程度確保できるものの、切断する位置が切断予定位置からずれてしまうことがある。これは、スリット装置において、帯板材に幅方向のガイド装置(例えばガイドレールなど)を設けたとしても多少蛇行して搬送されてくること、帯板材が回転刃によりせん断されて切断されるときに反ったり捩じれたり変形すること等で、帯板材が幅方向へ位置変動してしまうためである。帯板材が切断予定位置からずれて切断される結果、スリット材においては、めっき層が所定位置から外れた状態となってしまう。このようなスリット材にプレス加工を施してリードフレームやコネクタ等を作製すると、めっき領域が所定の位置からずれるといったような不具合が発生するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、長尺状の帯板材を幅方向への位置の変動を抑制しつつ切断する技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、スリット装置において回転刃の切断による帯板材の位置変動を抑制する観点から検討を行い、回転刃が取り付けられる回転軸に、帯板材の位置変動を抑制するガイド部材を設けるとよいことに想到した。本発明はこのような新規な知見に基づいて成されたものである。
すなわち、本発明の第1の態様は、
円形状の回転刃が設けられた一対の回転軸が、互いに平行に、かつ各回転刃の周縁部側面が互いに重なり合うように配置され、前記回転軸とともに回転する前記回転刃により、両回転軸の間を通過する帯板材をその長手方向に沿って連続的に切断するスリット装置であって、
前記回転軸は互いに異なる軸方向に所定の距離を置いて配置される一対の円形状のガイド部材を備え、
前記ガイド部材は、前記帯板材を幅方向の両側から保持して切断時における前記帯板材の幅方向への位置変動を抑制するように構成されている、スリット装置である。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、
前記ガイド部材は、前記回転刃よりも大きな径を有する。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、
前記ガイド部材は、前記帯板材が通過する側の面が前記ガイド部材の直径よりも小径となるテーパ形状を有する。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれかにおいて、
前記ガイド部材は、前記帯板材が通過する側の面の角部が丸められた形状を有する。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれかにおいて、
ギャングスリット方式である。
本発明の第6の態様は、第1〜第5の態様のいずれかにおいて、
前記一対のガイド部材を、前記一対の回転軸にそれぞれ取り付けられた前記回転刃から互いに異なる軸方向に所定の距離を置いて備える。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の態様のいずれかにおいて、
前記ガイド部材は、前記回転刃と同一の材質で形成されている。
本発明の第8の態様は、第1〜第7の態様のいずれかにおいて、
前記一対のガイド部材の間隔は、前記帯板材の幅をWとしたとき、W+0.5mm以下である。
本発明の第9の態様は、
円形状の回転刃が設けられた一対の回転軸が、互いに平行に、かつ各回転刃の周縁部側面が互いに重なり合うように配置されるスリット装置を用いて、前記回転軸とともに前記回転刃を回転させながら両回転軸の間に帯板材を通過させることで、帯板材を長手方向に沿って連続的に切断するスリット方法であって、
前記回転軸の互いに異なる軸方向に所定の距離を置いて前記回転軸に一対の円形状のガイド部材を配置し、
前記一対のガイド部材により、切断時における前記帯板材の幅方向への位置変動を抑制するように前記帯板材を幅方向の両側から保持しつつ、前記帯板材を長手方向に切断する、スリット方法である。
本発明の第10の態様は、第9の態様において、
前記帯板材は、幅方向の両側を打ち抜き加工により成形されている。
本発明によれば、長尺状の帯板材を幅方向への変動を抑制しつつ切断することができる。
本発明の一実施形態にかかるスリット装置の概略図である。 本発明の一実施形態にかかるスリット装置の軸方向の側面図である。 本発明の一実施形態にかかる帯板材の概略構成図である。 スリット装置を用いて帯板材を切断する工程の概略図である。 従来のスリット装置の概略図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるスリット装置の概略図であり、帯板材の搬送方向から見たときの正面図である。図2は、本発明の一実施形態にかかるスリット装置の軸方向の側面図であり、図1の紙面左の軸方向から見たときの図である。図3は、本発明の一実施形態にかかる帯板材の概略構成図である。なお、図1および図2では、説明を簡易にするため、帯板材、回転軸、回転刃、押圧部材、バックアップロールおよびガイド部材のみを図示している。
まず、切断対象である帯板材について説明する。帯板材としては、長尺状の金属板であって、その表面に所定パターンのめっき層が設けられたものを用いることができる。例えばリードフレームやコネクタ製造用のめっき付きの銅または銅合金からなる帯板材、電池用のシート状電極などからなる帯板材を用いることができる。
例えば図3に示すように、帯板材20としてリードフレームやコネクタ製造用のめっき付き銅帯板材は、幅方向の両端側には複数の位置決め穴23が長手方向に沿って一列に形成されていることが好ましい。また、帯板材20としては、幅方向の両端縁部が金型を用いた打ち抜き加工により形成(帯板材の幅方向端部を長手方向にわたって切除)されたものを用いることが好ましい。金型により帯板材20を長手方向に沿って打ち抜くと、回転刃12などによる切断と比べて精度の高い加工が可能であり、打ち抜き加工により形成される帯板材20によれば、寸法精度に優れた所望の切断幅を得ることができる。
この位置決め穴23を位置の基準として、所定のめっきを形成する。例えば、図3のように全面に下地めっき層24(例えばNiめっき層など)が設けられ、幅方向の中央部分に矩形の部分めっき層(部分めっき領域)22(例えば金めっき層など)が長手方向に沿って2列形成され、幅方向の両側の端縁部に端縁部めっき層21(例えばSnめっき層など)が形成されている。
この帯板材20では、図中の点線が切断予定位置であり、この位置に沿って以下のスリット装置で切断することにより、2本のスリット材を得ることができる。
続いて、本実施形態にかかるスリット装置について説明する。
本実施形態にかかるスリット装置10は、長尺で幅広な帯板材20を長手方向に切断し、複数のスリット材を作製する装置である。具体的には、図1に示すように、スリット装置10は、互いに平行配置される一対の円柱状の回転軸11として、紙面上側に位置する第1の回転軸11a、紙面下側に位置する第2の回転軸11bを備え、各回転軸11a,11bには、円形状(円環状)の回転刃12として第1および第2の回転刃12a,12b、押圧部材13として第1および第2の押圧部材13a,13b、円形状(円環状)のガイド部材14として第1および第2のガイド部材14a,14bが取り付けられて構成されている。図1、図2の回転刃12はギャング刃であって、ギャングスリット方式のスリット装置10を示している。スリット装置10によれば、図2に示すように、第1および第2の回転刃12a,12bの重なる部分に帯板材20を導入して連続的に搬送することで、帯板材20を長手方向に切断することができる。
第1および第2の回転軸11a,11bは、図1および図2に示すように、帯板材20の搬送ライン(搬送路)を挟んで平行に配置されている。各回転軸11a,11bは、回転駆動装置(図示略)に連結されており、帯板材20の搬送方向に回転するようになっている。
第1の回転軸11aには第1の回転刃12aが、第2の回転軸11bには第2の回転刃12bが(図面では2枚ずつ)取り付けられている。第1および第2の回転刃12a,12bは、ともにギャング刃であり、断面が略直角な形状を有している。図1の中央部の対向する第1および第2の円形の回転刃12a,12bは、その周縁部側面が互いに重なり合うように配置される。具体的には、対向する一対の回転刃12は、上下方向で一部が重なり、かつ軸方向で所定の隙間(クリアランス)を空けて、帯板材20をせん断できるように配置される。このように一対の回転刃12が搬送される帯板材20と接する箇所が切断箇所Cとなる。なお、上下方向での重なり量(ラップ量)や幅方向のクリアランスは、特に限定されず、切断する帯板材の材質や厚さなどに応じて適宜変更すればよい。
押圧部材13は、各回転軸11の回転刃12に隣接して設けられるとともに、搬送される帯板材20を挟み込んで押圧するように対向して配置される。具体的には、第1の回転軸11aには、2枚の第1の回転刃12aの間と、第1の回転刃12aおよび第1のガイド部材14aの間のそれぞれに第1の押圧部材13aが設けられている。第2の回転軸11bには、2枚の第2の回転刃12bの間と、第2の回転刃12bおよび第2のガイド部材14bの間のそれぞれに第2の押圧部材13bが設けられている。第1および第2の押圧部材13a,13bは、帯板材20を挟み込んで押圧するように配置されている。
押圧部材13は、回転軸11に対して偏心して回転可能なように支持される構造を有している。例えば図2に示すように、押圧部材13は、リング状の部材であって、回転軸11には固定されずに、一対のバックアップローラ15と帯板材20との3点接触により、回転軸11に対して偏心して回転するように支持される。押圧部材13は、帯板材20の表面および裏面より所定の圧力で押圧、挟み込むことで、帯板材20の変形や動きを抑制する。なお、押圧部材13は、隣接する2枚の回転刃12の間および回転刃12とガイド部材14との間のそれぞれの間隔を規定するスペーサー(図示略)を回転軸11上に設けた後に、そのスペーサーを取り囲むようにして設けられることが好ましい。
ガイド部材14a,14bは、円形状(円環状)の部材であって、一対の回転軸11a,11bのそれぞれに、回転刃12から互いに異なる軸方向にスペーサーや押圧部材13を介して所定の距離を置いて配置されている。具体的には、第1のガイド部材14aは、帯板材20の幅方向の一方の端縁部(図1の紙面右側)に接するように第1の回転軸11aに取り付けられ、第2のガイド部材14bは、帯板材20の幅方向のもう一方の端縁部(図1の紙面左側)に接するように第2の回転軸11bに取り付けられる。すなわち、ガイド部材14a,14bは、帯板材20を幅方向の両側から保持し、帯板材20の幅方向への位置変動を抑制することができる。
図5に示すように、従来のスリット装置100は、互いに平行配置される一対の円柱状の回転軸111を備え、各回転軸111には円形状(円環状)の回転刃112とバックアップローラ115で支持される押圧部材113とにより構成され、各回転刃の重なる部分に帯板材20を導入して連続的に搬送することで、帯板材20を長手方向に切断しつつ、帯板材20の幅方向の両端縁部を切断によりトリミングしている。
図5では、2枚の回転刃112の間の距離を、つまり切断箇所Cとトリミング箇所Tとの間隔を設定することで、所定の切断幅としている。しかし、従来のスリット装置100では、切断およびトリミングの際、帯板材20が変形し、あるいは帯板材20が斜めに導入される等により、切断箇所Cおよびトリミング箇所Tがそれぞれ変動し、帯板材20の切断予定位置がずれてしまうことがある。その結果、得られるスリット材では、所定の切断幅は得られるものの、例えばスリット材においてめっき層が所定位置からずれて配置されてしまうため、精密な寸法を必要とするリードフレームやコネクタ用の材料としては使用できない。
具体的には、図3に示すように、切断予定位置(図中の点線)からずれて切断してしまうと、切断で得られるスリット材のそれぞれにおいて、部分めっき層(部分めっき領域)22が所定の位置からずれてしまう。なお従来でも、帯板材20の搬送ラインにおいて、スリット装置100よりも上流(前工程)に、搬送する帯板材20の位置合わせを目的として、帯板材ガイド装置(ガイドレールなど)を設けることはあった。しかし、このような帯板材ガイド装置では、スリット装置100での切断による帯板材20の位置変動までは十分に抑制できず、実際の切断位置が予定位置からずれてしまうことがある。すなわち、従来のスリット装置100では、高い寸法精度を必要とするリードフレームやコネクタ用の材料として、一本の帯板材20を分割して複数本の前記材料を製造することはできなかった。
これに対して、本実施形態では、一対の回転軸11a,11bのそれぞれにガイド部材14a,14bを配置することで、帯板材20を幅方向への位置変動を抑制した状態で切断することができる。また、トリミングにより幅方向の端縁部を切断することがないため、せん断による位置変動をより低減することができる。したがって、帯板材20を切断予定位置に沿って切断することができ、部分めっき層22などの位置ずれの少ないスリット材を得ることができる。
両ガイド部材14a,14b間の距離(間隔)は、帯板材20の幅に応じて適宜変更すればよいが、帯板材20の幅(設計値)をWとしたとき、W+0.5mm以下、さらにはW+0.1mm以下、W+0.05mm以下とすることが好ましい。ガイド部材14a,14b間の距離と帯板材20の幅との差はクリアランスとなるが、帯板材20の幅方向への位置変動を低減する観点からはクリアランスを0.03mm以下とするのがより好ましい。
ガイド部材14は、回転刃12よりも大きな径を有することが好ましい。このようなガイド部材14を用いることで、帯板材20の切断による位置変動をより低減することができる。
また、帯板材20は切断(せん断)により押し切られるときに、その力(帯板材)が外側へ逃げようとするため、ガイド部材14は、それを防止できる程度の適度な剛性を有するとよく、例えば回転刃12と同一の材質で形成してもよい。ガイド部材14の形成材料としては、例えばダイス鋼を用いることができる。
また、ガイド部材14は、帯板材20が通過する側の面がガイド部材の直径よりも小径となるテーパ形状を有することが好ましい。また、ガイド部材14は、帯板材20が通過する面側の角部が丸められた形状を有することが好ましい。このような形状を有するガイド部材14によれば、帯板材20がスリット装置10に搬送される際、ガイド部材14の縁と接触したときに帯板材20を損傷させることなく、回転刃12のある箇所へ帯板材20をスムーズに導入することができる。
なお、図1では、各回転軸11に2枚ずつ配置される回転刃12のうち、帯板材20を挟んで対向して周縁部側面が互いに重なり合うように配置される一対の回転刃12のみが帯板材20を切断する一方、残りの回転刃12は、帯板材20の幅方向の両端縁部に当接するだけであり、切断に寄与していない。
続いて、上述したスリット装置10を用いて帯板材20を長手方向に切断するスリット方法について説明する。
まず、切断対象である帯板材20を準備する。帯板材20としては、上述した長尺状の金属板を用いることができる。
続いて、図4に示すように、コイル状の長尺の帯板材20を巻出機31で送り出し、ガイドレールなどを備えた帯板材ガイド装置32で帯板材20をガイドしながら搬送し、スリット装置10へ導入する。
スリット装置10にて、帯板材20をガイド部材14により両側を保持しながら、一対の回転刃12により長手方向に切断する。本実施形態では、ガイド部材14により、切断による帯板材20の幅方向への位置変動を低減できるので、所望の切断幅から寸法のずれが少なく、かつ長手方向での寸法のバラつきが小さなスリット材を作製することができる。また、帯板材20の両端縁部を切断せずに残したまま、中央部を長手方向に切断するので、打ち抜き加工による寸法精度を損なうことがない。つまり、打ち抜き加工により得られた帯板材20を切断することで、より寸法精度に優れたスリット材を作製することができる。
切断されたスリット材はそれぞれ、図4に示すように、スリット材ガイド装置33でガイドされつつ、巻取機34で巻き取られる。
巻取機34でコイル状に巻き取られたスリット材は、リードフレームやコネクタ用の材料として使用される。スリット材には、所定形状のリードフレームやコネクタ等を製造するために、プレス加工による打ち抜き、曲げ加工等が施されるが、このとき位置決め穴23を基準に加工が施される。本実施形態のスリット装置10で作製されたスリット材は、スリット材の幅の寸法精度に優れることに加え、スリット材の幅方向端部から位置決め穴23までの距離、位置決め穴23から特に部分めっき層(部分めっき領域)22までの距離が正確であるので、当該材料として十分に適用することができ、またリードフレームやコネクタ用の材料としての複数のスリット材を低コストで製造することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
上述の実施形態では、帯板材を長手方向に2分割する場合について説明したが、本発明はそれに限定されない。例えば、2対の回転刃を回転軸の取り付け、長手方向に3分割するように切断してもよく、また押し出し部材がスペーサーを兼ねてもよい。
また、上述の実施形態では、回転刃12がギャングスリット方式の場合について説明したが、本発明はそれに限定されない。例えば、一対の回転刃12のうち、一方の回転刃12を鋭利な鋭角刃とし、もう一方の回転刃を略直角な断面を有するシャースリット方式に変更することもできる。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例)
本実施例では、図1に示すスリット装置を用いて、図4に示す工程により帯板材を切断し、スリット材を作製した。
本実施例のスリット装置は、従来のスリット装置の回転軸の端部にガイド部材を設けるように改良し、図1のように構成したものである。具体的には、回転刃12はそれぞれ直径150mm、厚さ8mmの円環状を呈している。上下一対の回転刃12のクリアランス(間隔)は0.05mmとした。回転刃12とそれに対向する回転軸11に取り付けられるガイド部材14との距離(間隔)をそれぞれ26.05mmとした(ガイド部材14aの内側(帯板材が搬送される側)の面とガイド部材14bの内側の面との間隔が52.05mm)。なお、これらの間隔は各回転軸に装着された円筒形のスペーサ(図示略)で調整した。ガイド部材14は回転刃12より径が大きく、それぞれ直径167mm、厚さ4mmの円環状を呈している。円環状のガイド部材14の外周端部の軸方向内側に、外周端から1mmの傾斜45度のテーパが形成されている。さらに、そのテーパと円環の主面および側面にはR1のアールが形成されている。押圧部材13は、バックアップローラ15により支持され、帯板材20を適度な圧力で押さえて切断時の変形を抑制するように構成した。
本実施例では、帯板材20として、図3に示すようなリードフレーム製造用のめっき付き銅帯板材を準備した。この作製方法は以下のとおりである。
まず、幅54.0mm(−0.1mm〜+0mm)、厚さ0.2mmの長尺の帯板状の銅(Cu)からなる圧延板を用意した。
続いて、順送金型を使用したプレス(打ち抜き)加工により、この圧延板の長手方向に延びる幅方向両側の周縁部の一方の周縁部の側面から離間した位置に、それぞれ一列に且つその側面と平行に配置されるように、直径1.5mmの複数の位置決め穴23を長手方向のピッチ8mmで等間隔に打ち抜いた。なお、圧延板の長手方向に延びる幅方向両側の周縁部の一方の周縁部の位置決め穴23は、それぞれの中心がその周縁部の側面から約2.1mm離間するように形成し、他方の周縁部の位置決め穴23は、一方の周縁部の位置決め穴のそれぞれの中心から49mm離間した位置に形成した。
続いて、上記の順送金型を使用したプレス加工により、圧延板のそれぞれの位置決め穴23の中心と長手方向に延びる各々の側面との間隔がそれぞれ1.5mmになるように、圧延板の長手方向に延びる幅方向両側の周縁部の一部を長手方向に沿って切断することにより、幅52.0mm(±0.02mm)の帯板状の圧延板(1次プレス品)を被めっき材として用意した。
続いて、リール・ツー・リール方式の連続めっきラインにおいて、被めっき材を搬送しながら、前処理として、アルカリ脱脂し、電解脱脂し、水洗し、硫酸で酸洗した後、被めっき材上に下地めっき層24、部分めっき層22および端縁部めっき層21の形成をこの順で1ライン、1パスで行った。
下地めっき層24の形成では、電流密度9A/dmで電気めっきを行うことにより、被めっき材の全面に下地めっき層としてNiめっき皮膜を形成した。
部分めっき層22(スポット状のAuめっき皮膜)の形成では、円筒形(ドラム型)の部分めっき装置を使用し、マスク部材として、マスク部材の円周方向の長さ2.0mm×幅方向の長さ2.5mmの大きさの略矩形の各々の開口部が幅方向の中心が被めっき材のそれぞれの周縁部の側面から20mm離間した位置に互いに離間して形成された略円筒形のPVCからなるマスク部材を使用して、電流密度25A/dmで電気めっきを行うことにより、被めっき材の一方の面の各々の開口部に対向する部分に部分めっき層22としてAuめっき皮膜を形成した後、前記と同様の部分めっき装置を被めっき材の他方の面側に配置させ、マスク部材として、マスク部材の円周方向の長さ1.0mm×幅方向の長さ2.0mmの大きさの略矩形の各々の開口部幅方向の中心が被めっき材のそれぞれの周縁部の側面から15mm離間した位置に互いにが離間して形成された略円筒形のPVCからなるマスク部材を使用して、電流密度20A/dmとした以外は、上記と同様の方法により、被めっき材の他方の面の各々の開口部に対向する部分にAuめっき皮膜を形成した。
端縁部めっき層21の形成では、被めっき材の一方の側面(下側に配置した側面)から10mmの幅の部分(一方の側面側の周縁部)をSnめっき液に浸漬して、電流密度12A/dmで電気めっきを行うことによってSnめっき皮膜を形成した後、被めっき材を反転させて他方の側面を下側に配置させ、その他方の側面から10mmの幅の部分(他方の側面側の周縁部)をSnめっき液に浸漬して、電流密度12A/dmで電気めっきを行うことによってSnめっき皮膜を形成した。
以上により、帯板材20として、リードフレーム製造用のめっき付き銅帯板材を準備した。
次に、帯板材20の両側面を基準として、帯板材20の両側面から等距離で長手方向に延びる直線に沿って、上述のスリット装置により帯板材20を切断した。図4に示すように、巻出機31に帯板材20のコイルを取り付け、帯板材20を搬送して帯板材ガイド装置32を経てスリット装置10で帯板材20の幅方向の中央を長手方向に切断し、その後スリット材ガイド装置33を経て巻取機34でコイル状に巻き取った。
切断された2つのスリット材の幅を測定したところ、26.0mm±0.02mmであり、寸法精度の誤差がいずれも±0.02mmであった。このことから、2つのスリット材を非常に精度良く切断して分離することができるとともに、2つのスリット材のそれぞれに幅方向に精度良くAuめっき皮膜を形成されたスリット材を得られることが確認された。なお、本実施例では、帯板材の端面(側面)をトリミングしていないため、スリット材の端面からスポットAuめっき領域および位置決め穴までの距離は切断前と変わらず十分な寸法精度(±0.02mm以下)を維持している。
(比較例)
一方、図1に示すスリッタ装置でガイド部材を配置することなく、実施例と同様にスリット材を作製したところ、得られるスリット材では、幅の寸法精度のずれが少なくとも±0.5mmあった。このことから、ガイド部材を設けずに切断する場合、切断予定位置がずれ、スリット材の幅方向の寸法精度が低くなることが確認された。
10 スリット装置
11 回転軸
12 回転刃
13 押圧部材
14 ガイド部材

Claims (9)

  1. 円形状の回転刃が設けられた一対の回転軸が、互いに平行に、かつ各回転刃の周縁部側面が互いに重なり合うように配置され、前記回転軸とともに回転する前記回転刃により、両回転軸の間を通過する帯板材をその長手方向に沿って連続的に切断するスリット装置であって、
    前記一対の回転軸のそれぞれに1つの円形状のガイド部材を備え、
    前記ガイド部材は、前記一対の回転軸にそれぞれ取り付けられた前記回転刃から互いに異なる軸方向に所定の距離を置いて配置されることで、一対のガイド部材を構成し、
    前記一対のガイド部材は、前記帯板材を幅方向の両側から保持して切断時における前記帯板材の幅方向への位置変動を抑制するように構成されている、スリット装置。
  2. 前記ガイド部材は、前記回転刃よりも大きな径を有する、請求項1に記載のスリット装置。
  3. 前記ガイド部材は、前記帯板材が通過する側の面が前記ガイド部材の直径よりも小径となるテーパ形状を有する、請求項1又は2に記載のスリット装置。
  4. 前記ガイド部材は、前記帯板材が通過する側の面の角部が丸められた形状を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のスリット装置。
  5. ギャングスリット方式である、請求項1〜4のいずれかに記載のスリット装置。
  6. 前記ガイド部材は、前記回転刃と同一の材質で形成されている、請求項1〜のいずれかに記載のスリット装置。
  7. 前記一対のガイド部材の間隔は、前記帯板材の幅をWとしたとき、W+0.5mm以下である、請求項1〜のいずれかに記載のスリット装置。
  8. 円形状の回転刃が設けられた一対の回転軸が、互いに平行に、かつ各回転刃の周縁部側面が互いに重なり合うように配置されるスリット装置を用いて、前記回転軸とともに前記回転刃を回転させながら両回転軸の間に帯板材を通過させることで、帯板材を長手方向に沿って連続的に切断するスリット方法であって、
    前記一対の回転軸のそれぞれに1つの円形状のガイド部材を、前記一対の回転軸にそれぞれ取り付けられた前記回転刃から互いに異なる軸方向に所定の距離を置いて配置して、一対のガイド部材を構成し、
    前記一対のガイド部材により、切断時における前記帯板材の幅方向への位置変動を抑制するように前記帯板材を幅方向の両側から保持しつつ、前記帯板材を長手方向に切断する、スリット方法。
  9. 前記帯板材は、幅方向の両側を打ち抜き加工により成形されている、請求項8に記載のスリット方法。
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