JP6911616B2 - 断熱シート - Google Patents
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Description
[1]再生セルロース繊維10〜100質量%と木材パルプ0〜90質量%とを含有する不織布と、前記不織布に積層された樹脂層とを含む断熱シート。
[2]厚さ方向の熱伝導率が4.9×10-2W/m・K以下である[1]に記載の断熱シート。
[3]前記不織布の坪量が30g/m2〜80g/m2、かつ前記断熱シートの密度が0.1g/cm3〜0.3g/cm3である[1]又は[2]に記載の断熱シート。
[4]前記再生セルロース繊維がレーヨン繊維である[1]〜[3]のいずれかに記載の断熱シート。
[5]包装用シートである[1]〜[4]のいずれかに記載の断熱シート。
[6]前記不織布が紙力剤及びサイズ剤を含有しない[1]〜[5]のいずれかに記載の断熱シート。
本発明の断熱シートの不織布に用いられる再生セルロース繊維としては、木材化学パルプ、コットンリンター等のセルロースをビスコースの形で溶液とした後、酸の中でセルロースを再生及び紡糸したビスコースレーヨン、セルロースを銅アンモニア溶液中に溶解した後、酸の中で再生及び紡糸した銅アンモニアレーヨン、N−メチルモルフォリン−N−オキサイドのような非水系セルロース溶媒にセルロースを溶解した後、紡糸して得られる再生セルロース繊維等を挙げることができる。
(不織布の製造方法)
本発明における不織布は、再生セルロース繊維と木材パルプとからなる原料から、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等の公知のウェブ形成方法により、再生セルロース繊維と木材パルプとからなるウェブを形成し、その後、水流交絡法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法等の公知のウェブの繊維結合方法により再生セルロースと木材パルプの繊維同士を結合、一体化することにより製造される。
(樹脂層)
本発明の断熱シートを形成するための樹脂層は、断熱シートに、耐水性及び耐油性等のバリア性を付与する。樹脂層は、樹脂組成物を不織布に塗工したものであってもよいし、樹脂組成物を不織布に押出しラミネート加工により積層させたものであってもよいし、樹脂組成物からなる樹脂フィルムを接着剤等の接着手段を介して不織布に積層させたものであってもよい。
(断熱シートの製造方法)
樹脂組成物を不織布に塗工することで断熱シートを製造する場合、樹脂組成物の塗工方法としては、例えばフレキソ印刷、グラビア印刷、ブレード塗工、ロッド塗工、エアナイフ塗工、カーテン塗工等が挙げられる。
(断熱シートの特性)
本発明の断熱シートは、上記不織布の上に樹脂層が形成されるものであり、断熱シートに耐水性及び耐油性等のバリア性を付与する。
実施例1
繊維度1.1デニール、繊維長7mmのレーヨン繊維20%と、CSFが700mlの針葉樹晒クラフトパルプ80%を原料として、傾斜ワイヤー型抄紙機を用いてレーヨン/パルプ混抄紙を抄紙後、孔径0.1mmのノズル孔を1.0mm間隔で配列した高圧水柱流処理装置を用いて、50kg/cm2の水圧で高圧ジェット流を上記混抄紙へ噴出させた後、乾燥して坪量43g/m2の実施例1の不織布を作成した。この処理による混抄紙に付与された付加比エネルギーは、0.18kWh/kgであった。
不織布の坪量を60g/m2としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリエチレンラミネート断熱シートを作成した。
実施例1のポリエチレン樹脂層の上に、延伸したポリプロピレン樹脂層を厚さ10μmラミネートしたこと以外は実施例1と同様にして、断熱シートを作成した。
CSFが350mlになるように叩解したパルプ(広葉樹晒クラフトパルプに針葉樹晒クラフトパルプを20%混合したもの)に、チタン3%、湿潤紙力剤0.35%、歩留り向上剤を0.012%含有させ、角型手抄き機で手抄きを行い、坪量30g/m2のシートを作成した。
CSFが250mlになるように叩解したパルプ(広葉樹晒クラフトパルプ)に、剥離剤0.03%、サイズ剤を0.3%含有させ、角型手抄き機で手抄きを行い、坪量21g/m2の断熱シートを得た。
実施例1と同様に乾燥して坪量43g/m2の実施例1の不織布を作成した。但し、不織布の片面にポリエチレン樹脂を塗布せず、不織布のみの断熱シートを得た。
(1)熱伝導率の測定
厚さがおよそ1mmになるように実施例1〜3及び比較例1〜3の各シート試料を重ねて、サーモラボテスター(KES−F7−II、カトーテック(株))の下台の上に置き、上台を載せた後(試料にかかる圧力は6gf/cm2)、上台と下台から熱をかけて、60秒間に流れた熱流量(W)を測定した。
厚さは、厚さ計(TOYO SEIKI製 THICKNESS METER B−2)を使用し、JIS L1096に準じて、23.5KPaで測定した。
各断熱シート試料(長さ21cm×幅29cm)を、試験者の片手の掌の上に保持し、もう一方の手の掌をシートの表面に接触させて移動させたときの、シートのしなやかさを評価した。
(評価基準)
○シートがしなやかで手に馴染む
×シートがしならず手に馴染まない
(評価基準)
(3)印刷適性の評価
各断熱シート(長さ16cm×幅16cm)の不織布の面に、市販の凹版印刷機を用いてグラビアインクで印刷を行い、得られた印刷物の印刷面を目視で評価した。
(評価基準)
○印刷可能であった
×印刷不可であった
(4)バリア性の評価
各断熱シート試料(長さ16cm×幅16cm×厚さ0.2mm)に合計10mlの水を滴下し、断熱シートからの浸み出しを手で触って観察した。
(評価基準)
○浸み出しはなかった
×浸み出しがあった
表1は、各断熱シートの密度及び熱伝導率を示す。実施例1〜3の断熱シートは比較例1,2の断熱シートに比べて密度が極めて低かった。また、実施例1〜3の断熱シートの熱伝導率は、比較例1,2の断熱シートの熱伝導率と同程度かそれより低いことが判明した。つまり、実施例1〜3の断熱シートは比較例1,2の断熱シートに比べて軽量で断熱性に優れている。
Claims (7)
- 再生セルロース繊維10〜100質量%と木材パルプ0〜90質量%とを含有する不織布と、前記不織布に積層された樹脂層とを含む包装用の断熱シートであって、前記不織布の坪量が30g/m 2 〜80g/m 2 (但し、30g/m 2 である場合を除く)、かつ前記断熱シートの密度が0.1g/cm 3 〜0.3g/cm 3 である断熱シート。
- 再生セルロース繊維10〜100質量%と木材パルプ0〜90質量%とを含有する不織布と、前記不織布に積層された樹脂層とを含む包装用の断熱シート(但し、紙質層(a)と樹脂混合体層(bt)を少なくとも1層とする多層樹脂層(b)とから形成された積層体であって、樹脂混合体層(bt)が2種以上の樹脂の混在相であって、混在相を形成する樹脂の一方が極性樹脂であると共に他方が非極性樹脂であって、個々の樹脂が他樹脂との相溶性に乏しく、形成された樹脂混合体層(bt)中で各樹脂相がそれぞれ略同一の方向に走る無数の細帯状で共存する多層樹脂層(b)と紙質層(a)とからなる定向引き裂け性に優れた積層包装用袋状物、を除く。)
- 厚さ方向の熱伝導率が4.9×10-2W/m・K以下である請求項1又は2に記載の断熱シート。
- 前記再生セルロース繊維がレーヨン繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の断熱シート。
- 前記樹脂層の厚みが1μm〜30μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の断熱シート。
- 前記不織布が紙力剤及びサイズ剤を含有しない請求項1〜5のいずれかに記載の断熱シート。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装用の断熱シートを製造する方法であって、
(A)再生セルロース繊維と木材パルプとからなる原料から、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、またはエアレイド法によりウェブを形成する工程と、
(B)前記ウェブに対して水流交絡法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、またはニードルパンチ法を施すことにより、再生セルロースと木材パルプの繊維同士を一体化し、不織布を得る工程と、
(C)前記不織布に樹脂層を積層し、断熱シートを得る工程と、
を含む方法。
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