JP6818409B2 - ファイブラスケーシング用紙素材 - Google Patents

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Description

本発明は、ファイブラスケーシング用紙素材に関する。
従来、ハム、ソーセージ等の畜肉加工品を包装するためのファイブラスケーシングが知られている。このようなファイブラスケーシングとしては、パルプを主成分とする内層と、この内層の外面側に積層される外層とを備えるものが公知である。このような内層及び外層を有するファイブラスケーシングは、くん液、調味料、色素、保存剤等の食品改質剤を内層に含有させ、加熱調理時等にこれらの成分を内容物に転写することができる。
かかる層構造を有するファイブラスケーシングとしては、紙と、ヒートシール可能な不織布とを積層させたものや、繊維等からなる内層と、ガスバリア性を有するフィルムからなる外層とを有するものが開発されている(特開平6−312494号公報及び特開2000−116365号公報参照)。また、剥離性を高めたファイブラスケーシングとして、原紙の内面側に、シリコーン系樹脂を含有する塗工液により形成される剥離層を有する燻煙処理用包装紙が提案されており、この包装紙における原紙には片艶紙も使用されている(特開2015−001037号公報参照)。
ここで、ファイブラスケーシングには、内層において十分な量の食品改質剤を保持することができ、包装された食品に対して、この食品改質剤を効率的に放出する機能が要求される。しかし、内層として一般的な紙等が用いられる従来のファイブラスケーシングは、内層のこの吸液性及び放出性が十分では無い。さらに、上記燻煙処理用剥離紙のように内面に剥離層を設けた場合、上記吸液性はより低下する。これに対し、吸液性を高めるために内層を厚くすることも考えられる。しかし、単に内層を厚くした場合、ファイブラスケーシングの折り加工がし難くなるという不都合を有する。
特開平6−312494号公報 特開2000−116365号公報 特開2015−001037号公報
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、本発明の目的は、食品改質剤等の保液性及び放出性、並びに折り加工適性に優れるファイブラスケーシングを得ることができるファイブラスケーシング用紙素材を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明は、食品の加熱処理の際の食品包装材として用いられるファイブラスケーシング用の紙素材であって、主成分である天然パルプ繊維と、レーヨン繊維とを含み、一方の面が艶面、他方の面が非艶面であることを特徴とする。
当該ファイブラスケーシング用紙素材(以下、単に「紙素材」ともいう。)は、例えば非艶面が内面(食品と接する面)となるようにファイブラスケーシングの最内層として用いられる。レーヨン繊維を含む片艶紙である当該紙素材をこのように用いることで、ファイブラスケーシングの食品改質剤等の保液性及び放出性を高めることができる。また、当該紙素材は、嵩高で剛性が低いレーヨン繊維を含むため、当該紙素材は柔軟性が高く、得られるファイブラスケーシングの折り加工適性を高めることができる。
当該ファイブラスケーシング用紙素材におけるブリストー法による50.0mm/sの速度設定、接触時間20秒間での上記艶面からの吸水量としては20ml/m以上70ml/m以下、上記非艶面からの吸水量としては10ml/m以上60ml/m以下が好ましい。これにより、食品改質剤等をより十分に含浸させ、この食品改質剤等を好適に放出することができる。
上記艶面の算術平均粗さRaとしては0.5μm以上4μm未満、上記非艶面の算術平均粗さRaとしては4μm以上8μm以下であるとよい。これにより、食品改質剤等の保液性及び放出性をより高めることができる。
上記艶面の繊維配向角の絶対値としては0°以上3°以下、上記非艶面の繊維配向角の絶対値としては0.5°以上4°以下であり、上記艶面の繊維配向角の絶対値が上記非艶面の繊維配向角の絶対値よりも小さいとよい。これにより、艶面における繊維の配向が緻密かつ均一化され、食品改質剤等の非艶面側への放出性をより高めることができる。また、非艶面における比較的ランダムな繊維配向により、非艶面を内面とした場合の保液性及び放出性をより高めることができる。
上記レーヨン繊維の全繊維成分に対する含有量としては、5質量%以上45質量%以下が好ましい。これにより、十分な剥離性を維持しつつ、保液性、放出性、折り加工適性等を高めることができる。
なお、「ファイブラスケーシング」とは、畜肉加工品等の食品を包装した状態で燻煙処理等の加熱処理が行われることで、この紙素材に含浸される勲液剤、調味料、色素、保存剤等の食品改質剤を食品に転写可能なケーシングを意味する。主成分とは、各成分の中で最も多い成分をいう。「艶面」とは、光沢を有し、かつ算術平均粗さRaが4μm未満である面をいう。「非艶面」とは、光沢性を有さず、かつ算術平均粗さRaが4μm以上である面をいう。
以上説明したように、本発明のファイブラスケーシング用紙素材は、食品改質剤等の保液性及び放出性、並びに折り加工適性に優れるファイブラスケーシングを得ることができる。
(ファイブラスケーシング用紙素材)
本発明の一実施形態に係るファイブラスケーシング用紙素材は、主成分である天然パルプ繊維と、レーヨン繊維とを含み、一方の面が艶面、他方の面が非艶面である。当該紙素材は、通常、食品の加熱処理の際の食品包装材として用いられるファイブラスケーシングの最内層を形成する素材として用いられる。このファイブラスケーシングにおいては、一般的に、内層としての当該紙素材(紙層)の艶面側に、外層としての合成樹脂層が積層される。
このように当該紙素材を用いた場合、ファイブラスケーシングの内層の内面が非艶面となるため表面積が広くなり、保液性及び放出性を高めることができる。すなわち、ファイブラスケーシングにおいて、当該紙素材から形成される紙層(内層)が、十分な量の食品改質剤を吸収することができ、加熱調理の際には、この食品改質剤を食品へ効率的に放出(転写)することができる。一方、内層の外面は艶面となり、この艶面においてはパルプ繊維同士が接着し、空隙が少ない。このため、内面側から含浸した食品改質剤は、内層中の外面近傍にまで含浸することができず、加熱調理時において、内面側への食品改質剤の放出性が高まる。さらに、艶面を外面とすることで、例えば押出ラミネートにより当該紙素材の外面に合成樹脂層を積層した際に、合成樹脂層を形成する樹脂は紙素材に含浸しにくい。従って、当該紙素材によれば、合成樹脂層との積層状態においても十分な空隙を有する内層の厚みを確保することができ、保液性を高めることができる。さらに、当該紙素材は、親水性が高いレーヨン繊維を含有することからも、保液性等を高めることができる。また、レーヨン繊維は、嵩高で剛性が低いため、当該紙素材は柔軟性が高く、得られるファイブラスケーシングの折り加工適性を高めることができる。
当該紙素材中の繊維成分(天然パルプ繊維、レーヨン繊維及びその他の繊維成分の合計量)の含有量の下限としては、通常50質量%であり、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。繊維成分の含有量を上記下限以上とすることで、保液性、放出性、柔軟性等をより十分に発揮することができる。
当該紙素材は、通常、天然パルプ(天然パルプ繊維)及びレーヨンパルプ(レーヨン繊維)を含むパルプスラリーを抄紙して得られる。
上記天然パルプとしては、特に限定されず、例えば古紙パルプ、化学パルプ、機械パルプや、サイザル麻、マニラ麻、サトウキビ、コットン、シルク、竹、ケナフから得られるパルプ等が挙げられる。なかでも上記天然パルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)が好ましい。上記天然パルプとして針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を用いることによって、強度が高められる。加えて、NBKPは繊維径が大きく、かつ長繊維のため、当該紙素材の空隙が大きくなり、食品改質剤等がより含浸しやすくなる。
上記天然パルプ繊維は、当該紙素材の主成分である。当該紙素材を形成する全繊維成分に対する天然パルプ繊維の含有量の下限としては、50質量%が好ましく、55質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましく、70質量%が特に好ましい。一方、この含有量の上限としては、95質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。天然パルプ繊維の含有量を上記範囲とすることにより、より良好な保液性、放出性等を発揮することができる。
上記天然パルプのフリーネスの下限としては、350mlが好ましく、400mlがより好ましく、430mlがさらに好ましい。一方、上記天然パルプのフリーネスの上限としては、550mlが好ましく、500mlがより好ましく、460mlがさらに好ましい。上記天然パルプのフリーネスが上記下限未満の場合、密度が高くなり過ぎて保液性、放出性等が低下するおそれがある。逆に、上記天然パルプのフリーネスが上記上限を超える場合、透気度が低下して保温性及び断熱性が低下するおそれがある。なお、「フリーネス」とは、JIS−P−8121(2012)に準拠した値である。
上記レーヨン繊維は、パルプ等のセルロースを原料として製造される再生繊維の一種であり、高い親水性を有する繊維である。また、上記レーヨン繊維は、製造工程において、通常、表面に繊維軸方向に沿った線状の複数の突起が形成されるため、広い表面積を有し、嵩高で、柔軟な繊維となっている。従って、天然パルプ繊維と共にレーヨン繊維を混抄することにより、保液性、放出性及び折り加工適性を高めることができる。
上記レーヨン繊維は、市販品等、公知のものを用いることができる。このレーヨン繊維の繊度としては、折り加工適性を十分に発揮させることなどの観点から、例えば0.1dtex以上10dtex以下とすることができる。また、上記レーヨン繊維の平均繊維長としては、例えば1mm以上10mm以下とすることができる。なお、繊度とは、JIS−L−1095(2010)「一般紡績糸試験方法」に準拠して測定される値をいう。平均繊維長とは、JIS−P−8226(2006)「パルプ−光学的自動分析法による平均繊維長測定方法−第1部:偏光法」に準じて測定される数平均繊維長をいう。
当該紙素材を形成する全繊維成分に対するレーヨン繊維の含有量の下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましい。一方、この含有量の上限としては、45質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。レーヨン繊維の含有量を上記下限以上とすることで、保液性、放出性、折り加工適性等をより高めることができる。一方、レーヨン繊維の含有量が上記上限を超える場合、多量のレーヨン繊維が内容物である食品に貼りつきやすくなり、剥離性が低下するおそれなどがある。
当該紙素材においては、上記天然パルプ繊維及びレーヨン繊維以外の繊維成分を含有することができる。その他の繊維成分としては、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、その他の合成樹脂繊維等を挙げることができる。これらは、一種又は二種以上を混合して用いることができる。
当該紙素材は、添加剤として、紙力増強剤が含有されるのが好ましい。上記紙力増強剤としては、湿潤紙力増強剤及び乾燥紙力増強剤が挙げられる。
上記湿潤紙力増強剤としては、例えばポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性付与PAM等が挙げられる。当該紙素材における全繊維成分100質量部に対する上記湿潤紙力増強剤の含有量(固形分換算)の下限としては、0.5質量部が好ましく、1.5質量部がより好ましく、2質量部がさらに好ましい。一方、全繊維成分100質量部に対する上記湿潤紙力増強剤の含有量(固形分換算)の上限としては、6質量部が好ましく、5.5質量部がより好ましく、5質量部がさらに好ましい。上記湿潤紙力剤の含有量を上記下限以上とすることで、食品(内容物)との剥離性を十分に向上させることができる。なお、上記湿潤紙力剤の含有量が上記上限を超える場合、保液性が低下するおそれがある。
上記乾燥紙力増強剤としては、例えばカチオン澱粉、両性澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。当該紙素材における全繊維成分100質量部に対する上記乾燥紙力増強剤の含有量(固形分換算)の下限としては、0.2質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。一方、全繊維成分100質量部に対する上記乾燥紙力増強剤の含有量(固形分換算)の上限としては、5.5質量部が好ましく、5質量部がより好ましく、4.5質量部がさらに好ましい。上記乾燥紙力増強剤の含有量を上記下限以上とすることで、食品(内容物)との剥離性を十分に向上させることができる。なお、上記乾燥紙力増強剤の含有量が上記上限を超える場合、保液性が低下するおそれがある。
当該紙素材は、添加剤として、サイズ剤が含有されているのが好ましい。当該紙素材は、サイズ剤が含有されることで、保温性、断熱性、艶面の平滑性等を向上することができる。上記サイズ剤としては、例えばロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)、各種エマルジョンサイズ剤、澱粉等が挙げられる。これらの中でも、耐水性の付与効果が大きく、当該紙素材の一方の面を艶面に形成する場合の艶面の平滑性を十分に向上することができるロジン系サイズ剤が好ましい。
上記ロジン系サイズ剤としては、例えば変性ロジン、強化ロジン、鹸化型ロジン、乳化型ロジン等が挙げられる。これらの中でも、十分なサイズ効果を有し、パルプスラリーへの希釈性が良好な鹸化型ロジンがより好ましい。
当該紙素材における全繊維成分100質量部に対する上記サイズ剤の含有量(固形分換算)の下限としては、1質量部が好ましく、1.5質量部がより好ましく、1.7質量部がさらに好ましい。一方、全繊維成分100質量部に対する上記サイズ剤の含有量(固形分換算)の上限としては、3質量部が好ましく、2.5質量部がより好ましく、2.3質量部がさらに好ましい。上記サイズ剤の含有量が上記下限未満の場合、保温性、断熱性が十分に向上されないおそれがある。逆に、上記サイズ剤の含有量が上記上限を超える場合、当該紙素材の表面性が低下して操業性が低下するおそれがある。
当該紙素材は、本発明の目的を損なわない範囲で他の添加剤を含有してもよい。このような他の添加剤としては、例えば上記以外の紙力剤;タルク、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、水和ケイ素、水和ケイ酸(ホワイトカーボン)、尿素−ホルマリンポリマー微粒子、再生粒子、シリカ複合再生粒子等の填料;硫酸バンド、ポリエチレンイミン等の凝結剤;ポリアクリルアミドやその共重合体等の凝集剤;電荷調整剤;消泡剤;分散剤等が挙げられる。
当該紙素材は、一方の面が艶面とされ、かつ他方の面が非艶面とされた片艶紙として形成される。
艶面の算術平均粗さRaの下限としては、0.1μmとすることができるが、0.5μmが好ましく、1μmがより好ましく、1.5μmがさらに好ましい。一方、上記艶面の算術平均粗さRaは、4μm未満であり、3.8μm以下が好ましく、3.5μm以下であってもよく、3μm以下であってもよい。艶面の算術平均粗さRaを上記範囲とすることで、艶面を外面とした場合、内面側への食品改質剤等の放出性や、保液性等を高めることができる。艶面の算術平均粗さRaが上記上限を超える粗い面である場合は、内面側から含浸した食品改質剤等の内面側への放出性が低下する。また、外面となる艶面の算術平均粗さRaが上記上限を超える粗い面である場合は、外面側に合成樹脂層を積層する際、樹脂の外面側からの含浸量が増え、保液性(保持可能な液量)が低下する。
非艶面の算術平均粗さRaの下限としては、4μmであり、4.5μmが好ましく、5μmであってもよい。一方、上記非艶面の算術平均粗さRaの上限としては、10μmであってよいが、8μmが好ましく、7μmがより好ましい。非艶面の算術平均粗さRaを上記範囲とすることによって、非艶面を内面とした場合、食品改質剤等の放出性及び保液性を好適に高められる。内面となる非艶面の算術平均粗さRaが上記下限未満の平滑な面である場合は、表面積が小さくなり食品改質剤等の放出性や保液性が低下する。逆に、内面となる非艶面の算術平均粗さRaが上記上限を超える場合は、紙素材が食品に貼りつきやすくなり、食品に対する剥離性が低下する。
当該紙素材の剛性の下限としては、40mmが好ましく、45mmがより好ましい。一方、この上限としては、80mmが好ましい。当該紙素材の剛性を上記範囲とすることで、折り加工適性をより高めることができる。この剛性は、当該紙素材における天然パルプ繊維の含有量、レーヨン繊維の含有量、坪量、密度、種々の添加する薬品種類や添加量等によって調整することができる。剛性が40mmを下回ると、剛性が高すぎてファイブラスケーシング用紙素材の製袋加工適性が悪化し、80mmを超えても剛性が弱すぎて、製袋加工適性が悪化して使用できなくなる場合がある。なお、当該紙素材の剛性とは、実施例に記載の測定方法により測定された数値を指す。
ブリストー法による速度設定50.0mm/s、接触時間20秒間での上記艶面からの吸水量の下限としては、20ml/mが好ましく、30ml/mがより好ましく、40ml/mがさらに好ましい。一方、ブリストー法による速度設定50.0mm/s、接触時間20秒間での上記艶面からの吸水量の上限としては、70ml/mが好ましく、68ml/mがより好ましく、65ml/mがさらに好ましい。また、ブリストー法による速度設定50.0mm/s、接触時間20秒間での上記非艶面からの吸水量の下限としては、10ml/mが好ましく、20ml/mがより好ましく、30ml/mがさらに好ましく、40ml/mが特に好ましい。一方、ブリストー法による速度設定50.0mm/s、接触時間20秒間での上記非艶面からの吸水量の上限としては、65ml/mが好ましく、63ml/mがより好ましく、60ml/mがさらに好ましい。さらに、ブリストー法による速度設定50.0mm/s、接触時間20秒間での艶面からの吸水量が非艶面からの吸水量よりも大きいことが好ましい。上記紙素材は、ブリストー法による速度設定50.0mm/s、接触時間20秒間での上記艶面及び非艶面からの吸水量が上記範囲であることによって、食品改質剤等を十分に含浸させ、この食品改質剤等を好適に放出することができる。
上記艶面の繊維配向角の絶対値の下限としては0°が好ましい。一方、上記艶面の繊維配向角の絶対値の上限としては、3°が好ましく、2.5°がより好ましく、2°がさらに好ましい。また、上記非艶面の繊維配向角の絶対値の下限としては、0.5°が好ましく、1°がより好ましく、1.5°がさらに好ましい。一方、上記非艶面の繊維配向角の絶対値の上限としては、4°が好ましい。さらに、上記艶面の繊維配向角の絶対値が上記非艶面の繊維配向角の絶対値よりも小さいことが好ましい。当該紙素材は、上記艶面(外面)の繊維配向角及び上記非艶面(内面)の繊維配向角が上記範囲であることによって、上記艶面における繊維の配向が緻密かつ均一化され、保液性、及び非艶面からの食品改質剤等の放出性を高めることなどができる。
当該紙素材の坪量の下限としては、14g/mが好ましく、15g/mがより好ましく、16g/mがさらに好ましい。一方、当該紙素材の坪量の上限としては、30g/mが好ましく、28g/mがより好ましく、25g/mがさらに好ましい。上記坪量が上記下限未満の場合、当該紙素材の強度が低下して破れやすくなるおそれや、保液性が低下するおそれなどがある。逆に、上記坪量が上記上限を超える場合、当該紙素材の剛度が高くなるため、折り加工適性が低下し、内容物の形状に沿って変形しにくくなるおそれがある。なお、「坪量」とは、JIS−P−8124(2011)に準拠した値である。
当該紙素材の密度の下限としては、0.15g/cmが好ましく、0.2g/cmがより好ましい。一方、当該紙素材の密度の上限としては、0.6g/cmが好ましく、0.55g/cmがより好ましい。上記密度が上記下限未満の場合、当該紙素材の強度が低下して破れやすくなると共に、保温性及び断熱性が低下するおそれがある。逆に、上記密度が上記上限を超える場合、上記紙素材の剛度が高くなるため、折り加工適性が低下し、内容物の形状に沿って変形しにくくなるおそれがある。また、上記密度が上記上限を超える場合、繊維間の空隙が小さく又は少なくなり、保液性が低下するおそれがある。なお、「密度」とは、JIS−P−8118(2012)に準拠した値である。
当該紙素材の縦方向の湿潤引張強度の下限としては、0.20kN/mが好ましく、0.25kN/mがより好ましく、0.30kN/mがさらに好ましい。上記縦方向の湿潤引張強度が上記下限未満の場合、内容物との剥離性が低下するおそれがある。
当該紙素材の紙厚の下限としては、30μmが好ましく、35μmがより好ましく、38μmがさらに好ましい。一方、当該紙素材の紙厚の上限としては、100μmが好ましく、90μm、80μm、70μm及び60μmがこの順により好ましく、50μmが特に好ましい。上記紙厚が上記下限未満の場合、保液性及び保液性が低下するおそれがある。逆に、上記紙厚が上記上限を超える場合、折り加工適性等性が低下するおそれがある。
(ファイブラスケーシング用紙素材の製造方法)
当該紙素材の製造方法は、パルプスラリーを抄紙する工程と、抄紙したパルプの一方の面側をヤンキードライヤーによって乾燥する工程とを備える。上記紙素材の製造方法によって得られる紙素材は、上記ヤンキードライヤーとの接触面が艶面として形成され、上記ヤンキードライヤーとの非接触面が非艶面として形成される。上記製造方法によれば、当該紙素材を好適に製造することができる。
詳細には、上記紙素材の製造方法としては、天然パルプ繊維及びレーヨン繊維を含むパルプスラリーに、必要に応じて各種添加剤を添加したスラリーを、ワイヤーパート、プレスパート、ヤンキードライヤー、カレンダーパート等を備えた通常の抄紙機で抄紙する方法が挙げられる。また、上記抄紙機としては、例えば長網式抄紙機、オントップ式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の通常の湿式抄紙機を使用することができる。なかでも、繊維配向角の調整が容易で縦方向の紙力強度を高めることができる円網抄紙機が好ましい。円網抄紙機を用いた場合、非艶面がワイヤーでの脱水面となり、微細繊維が強制脱水されるため、非艶面の放出性をより高めることができる。
(ファイブラスケーシング用紙素材の使用方法)
当該紙素材は、内層と外層との層構造を有するファイブラスケーシングの内層を形成する素材として好適に用いられる。この際、通常、当該紙素材の艶面側に外層としての合成樹脂層が積層される。以下、このように、内層と外層との層構造を有し、上記内層が当該紙素材から形成され、上記外層が合成樹脂層であるファイブラスケーシングについて説明する。
上記内層は、当該紙素材から形成される紙層である。この内層(紙層)は、当該紙素材に含浸している食品改質剤を含む。上記食品改質剤は、食品に色、香り、風味等を付与する。上記食品改質剤としては、色素、香料、保存剤、調味料等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いることができる。上記色素としては、カラメル、クチナシ等を挙げることができる。上記香料としては、くん液などを挙げることができる。
上記合成樹脂層は、例えば酸素バリア性樹脂層、この酸素バリア性樹脂層の内面に積層される第1の水蒸気バリア性樹脂層、及び上記酸素バリア性樹脂層の外面に積層される第2の水蒸気バリア性樹脂層を有する三層構造とすることができる。上記合成樹脂層が、酸素バリア性樹脂層を有することにより、食品の加熱調理や、この際の食品への食品改質剤の転写を効果的に行うことができる。また、上記合成樹脂層が、第1の水蒸気バリア性樹脂層及び第2の水蒸気バリア性樹脂層を有することにより、食品の加熱調理や、この際の食品への食品改質剤の転写を効果的に行うことができる。また、これらの層を備えることで、食品の保存性等も高まる。
上記酸素バリア性樹脂層を形成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン(6−ナイロン、6,6−ナイロン等)などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらの中でも良好な酸素バリア性を発揮すること、良好な熱収縮性等を発揮することができることなどの点からナイロンが好ましい。ナイロンの融点としては特に制限されないが、215℃以上225℃以下のものを好適に用いることができる。
上記酸素バリア性樹脂層の20℃、90%RHにおける酸素透過度の上限としては、100cc/m・24hr・atmが好ましく、50cc/m・24hr・atmがより好ましい。一方、この下限としては、限りなく0cc/m・24hr・atmに近似した数値にするのが良く、例えば1.0cc/m・24hr・atmとすることができる。酸素バリア性樹脂層の酸素透過度が上記範囲内であることで、良好な食品保存性、加熱調理性等を発揮することができる。
上記酸素バリア性樹脂層は、通常、上記樹脂から形成されたフィルムを延伸してなる熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム)が用いられる。この酸素バリア性樹脂層(シュリンクフィルム)の熱収縮温度としては、特に限定されないが、例えば70℃以上90℃以下である。熱収縮温度が上記範囲であることで、加熱調理する際に良好な収縮を生じさせることができる。
上記酸素バリア性樹脂層の平均厚さとしては特に限定されないが、例えば15μm以上50μm以下が好ましい。このような平均厚さとすることにより、酸素バリア性等と加工適性等との両立を図ることができる。
上記第1の水蒸気バリア性樹脂層及び第2の水蒸気バリア性樹脂層を形成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらの中でも、良好な水蒸気バリア性を発揮することができること、及び加工性などの点から、ポリオレフィンが好ましく、ポリエチレンがより好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を挙げることができる。ポリエチレンの融点としては特に制限されないが、105℃以上115℃以下のものを好適に用いることができる。第1の水蒸気バリア性樹脂層を形成する樹脂と、第2の水蒸気バリア性樹脂層を形成する樹脂とは、同一種であってもよいし、異なる種類であってもよい。
上記各水蒸気バリア性樹脂層の20℃、90%RHにおける水蒸気透過度の上限としては、100cc/m・24hr・atmが好ましく、50cc/m・24hr・atmがより好ましい。一方、この下限としては、限りなく0cc/m・24hr・atmに近似した数値にするのが良く、例えば1.0cc/m・24hr・atmとすることができる。水蒸気バリア性樹脂層の水蒸気透過度が上記範囲内であることで、良好な食品保存性、加熱調理性等を発揮することができる。
上記第1の水蒸気バリア性樹脂層及び第2の水蒸気バリア性樹脂層の平均厚さとしては、特に限定されないが、例えばそれぞれ15μm以上50μm以下が好ましい。このような平均厚さとすることにより、水蒸気バリア性等と加工適性等との両立を図ることができる。
上記第1の水蒸気バリア性樹脂層及び第2の水蒸気バリア性樹脂層の形成方法としては特に限定されない。例えば酸素バリア性樹脂層への塗工により形成してもよいし、単層の水蒸気バリア性樹脂からなるフィルムとして、水蒸気バリア性樹脂層を酸素バリア性樹脂層に貼り合わせてもよい。また、後述するように、内層(紙素材)と接する第1の水蒸気バリア性樹脂層は、押出ラミネートの際に形成されていてもよい。
上記合成樹脂層の平均厚みとしては、特に限定されないが、例えば30μm以上300μm以下とすることができる。
上記ファイブラスケーシングの製造方法としては、特に限定されないが、ドライラミネートや押出ラミネート等のラミネート加工により効率的に製造することができる。ドライラミネートにより製造する場合、内層(紙層)となる当該紙素材と、合成樹脂層となる三層構造のフィルムとを重ね合わせてドライラミネートすることにより行うことができる。押出ラミネートにより製造する場合、内層(紙層)となる紙素材と、酸素バリア性樹脂層及び外側の第2の水蒸気バリア性樹脂層とからなる2層構造のフィルムとを用意し、溶融したポリエチレン等の熱可塑性樹脂(水蒸気バリア性樹脂)を用いた押出ラミネートにより、上記紙素材と上記フィルムとを積層させることができる。この場合、押出ラミネートに用いたポリエチレン等が、合成樹脂層の最内層である第1の水蒸気バリア性樹脂層となる。押出ラミネートにより製造することで、印刷適性、製袋適性等の加工適性に優れるファイブラスケーシングを得ることができる。また、押出ラミネートの場合、ドライラミネートと比べて、樹脂成分等の溶出が低減できる。
ラミネート加工の前に、紙素材における合成樹脂層を積層させる面に対してコロナ処理を行うことが好ましい。コロナ処理を行うことにより、表面の濡れ性が高まり、内層と合成樹脂層との接着性を高めることができる。
ラミネート加工後、内層を形成する当該紙素材に食品改質剤を含浸させることにより、ファイブラスケーシングを得ることができる。食品改質剤の含浸方法としては特に限定されず、塗布や浸漬等により行えばよい。
(他の実施形態)
本発明のファイブラスケーシング用紙素材は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば非艶面側を外面、艶面側を内面として、当該紙素材をファイブラスケーシングの内層に使用してもよい。この場合、内面が艶面であることで、内容物である食品に対する剥離性を高めることができる。また、外面が非艶面であることで、アンカー効果等により合成樹脂層との密着性を高めることができる。また、当該紙素材を用いたファイブラスケーシングにおいて、外層として備わる合成樹脂層は、上記3層構造に限定されるものでは無い。合成樹脂層が酸素バリア性樹脂層又は水蒸気バリア性樹脂層からなる単層であってもよいし、2層又は4層以上の層構造であってもよい。また、合成樹脂層が、複数の酸素バリア性樹脂層又は水蒸気バリア性樹脂層を有する場合、各層の積層順は特に限定されない。但し、酸素バリア機能及び水蒸気バリア機能を共に良好に発揮させるためには、合計で3層以上の酸素バリア性樹脂層及び水蒸気バリア性樹脂層を交互に積層させることが好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本実施例における各測定値は、以下の方法にて測定した値である。
<坪量>
坪量(g/m)は、JIS−P−8124(2011)「紙及び板紙−坪量の測定方法」に準拠して測定した。
<紙厚>
紙厚(μm)は、JIS−P−8118(1998)「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
<剛性>
剛性は、ファイブラスケーシング用紙素材を幅方向30mm、流れ方向100mmにカットした試験片を水平上の試験台の縁から垂らし、試験片の上端を試験台の表面に沿って引くことにより、試験片を徐々に引き上げた。試験片と試験台(表面)との角度を分度器にて測定し、45度になった時の試験片の引き上げた長さを定規で測定した。
<吸水量(ブリストー法)>
吸水量(ml/m)は、ブリストー法に準拠し、50.0mm/sの速度設定にて、接触時間20秒間での値を測定した。艶面からの吸水量及び非艶面からの吸水量のそれぞれを測定した。
<算術平均粗さRa>
算術平均粗さRa(μm)は、JIS−B−0601(2001)に準拠して、カットオフλc2.5mm、評価長さ12.5mmで測定した。
<繊維配向角>
繊維配向角(°)は、株式会社東洋精機製作所製の光学式配向性試験機にて繊維配向角を測定し、得られた値の絶対値を繊維配向角とした。
[実施例1]
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)80質量%及びレーヨン繊維20質量%のパルプに、湿潤紙力剤をパルプ(絶乾量)に対して固形分換算で3質量部を添加してパルプスラリーを調製した。
次いで、このパルプスラリーを、ヤンキードライヤーを備える円網抄紙機で抄紙し、実施例1のファイブラスケーシング用紙素材を得た。なお、ファイブラスケーシング用紙素材の坪量は17.0g/m、紙厚は38μm、剛性は50mm、吸水量(艶面)は50ml/m、吸水量(非艶面)は47ml/m、算術平均粗さRa(艶面)は3.4μm、算術平均粗さ(非艶面)は3.6μm、繊維配向角(艶面)は2.7°、繊維配向角(非艶面)は3.6°であった。
[実施例2〜4、比較例1〜5]
パルプ繊維種の配合比を表1の通りとし、抄紙及び乾燥条件を調整したこと以外は実施例1と同様の条件にて、表1に記載の実施例2〜4及び比較例1〜3の紙素材を得た。また、両面を艶面とした比較例4及び両面を非艶面とした比較例5の各紙素材を得た。
各紙素材の艶面(比較例4、5は一方の面)をコロナ処理し、この被処理面側に第1の水蒸気バリア性樹脂層としてのポリエチレン層(15μm)、酸素バリア性樹脂層としてのナイロン層(15μm)及び第2の水蒸気バリア性樹脂層としてのポリエチレン層(20μm)の3層構造の合成樹脂層を積層させた。この積層は、第1の水蒸気バリア性樹脂層となるポリエチレンの押出ラミネートにより行いファイブラスケーシングとした。
得られた各ファイブラスケーシングに対して、以下の方法により、食品改質剤の保液性(保液量)、放出性及び折り加工適性を評価した。評価方法は以下の通りである。評価結果を表1に示す。
(1)保液量(保液性)
ファイブラスケーシング(折径135mm)に、くん液(Kerry社の「Super Smoke330」)を所望量投入し、巻き取り機器で、絞り圧2bar、30m/minの速度で巻き取った。ファイブラスケーシングの単位面積当たりの質量変化から保液量を算出し、以下の基準で評価した。
◎:保液量が13.0g/m以上
○:保液量が11.0g/m以上13.0g/m未満
×:保液量が11.0g/m未満
(2)食品改質剤の放出性(食品への転写性)
くん液(Kerry社の「Super Smoke330」)を紙層に11〜13g/m(実測値)含浸させたファイブラスケーシング中で畜肉加工品を80℃水浴中で、1時間ボイリングして加熱調理し、その後、ファイブラスケーシングを剥離した。くん液含浸前のファイブラスケーシングの質量(M1)、くん液含浸後のファイブラスケーシングの質量(M2)、及びくん液転写(放出)後のファイブラスケーシングの質量(M3)を量り、これらの値から、下記式によりくん液(食品改質剤)の放出率を算出した。以下の基準で、放出性を評価した。
放出率(%)=100×(M2−M3)/(M2−M1)
◎:放出率が90%以上
○:放出率が50%以上90%未満
×:放出率が50%未満
(3)折り加工適性
ファイブラスケーシング用紙素材を熱傾斜試験機で温度160℃、圧力3kg/cm、シール時間2秒の条件で3方シールした100mm×100mmの製袋サンプルを作成した。その際の製袋サンプル破れの有無を目視にて確認した。
◎:製袋サンプル50個中、破れたサンプルがなく、折り加工適性が良好であった。
○:製袋サンプル50個中、破れたサンプルが1〜2個で、折り加工適性があった。
×:製袋サンプル50個中、破れたサンプルが3個以上あり、折り加工適性がなかった。
Figure 0006818409
上記表1に示されるように、実施例1〜4の各ファイブラスケーシングは、食品改質剤の吸液性に優れ、食品改質剤の放出性や、折り加工適性も良好であった。
一方、レーヨン繊維を用いなかった比較例1は、剛性が高すぎ、保液性及び折り加工適性が低かった。また、NBKPを主成分としていない比較例2、3は、剛性が低すぎ、保液性、放出性及び折り加工適性のいずれも低かった。比較例4は、両面が艶面であり、食品改質剤の保液性、放出性及び折り加工適性が低かった。両面を艶面とすることで、紙厚が薄くなり保液量が低下し、内面が艶面であることで保液性、放出性及び折り加工適性が低下したものと推察される。両面が非艶面である比較例5も、食品改質剤の保液性及び放出性が低かった。紙層の外面が非艶面である場合、外側の合成樹脂層が紙層に含浸するため、紙層における保液可能な厚さが低下することが原因であると推察される。
以上のように、本発明のファイブラスケーシング用紙素材は、ハム、ソーセージ、チーズ等の畜肉、食品加工品に転写するファイブラスケーシング(加熱調理用包装シート)の内層用素材として用いることができる。

Claims (2)

  1. 食品の加熱処理の際の食品包装材として用いられるファイブラスケーシング用の紙素材であって、
    主成分である天然パルプ繊維と、レーヨン繊維とを含み、
    一方の面が艶面、他方の面が非艶面であり、
    最内層が食品と接する状態で食品の加熱処理の際の食品包装材として用いられ、
    上記最内層が上記非艶面であることを特徴とするファイブラスケーシング用紙素材。
  2. ブリストー法による50.0mm/sの速度設定、接触時間20秒間での上記艶面からの吸水量が20ml/m以上70ml/m以下、上記非艶面からの吸水量が10ml/m以上60ml/m以下であり、
    上記艶面の算術平均粗さRaが0.5μm以上4μm未満、上記非艶面の算術平均粗さRaが4μm以上8μm以下であり、
    上記艶面の繊維配向角の絶対値が0°以上3°以下、上記非艶面の繊維配向角の絶対値が0.5°以上4°以下であり、上記艶面の繊維配向角の絶対値が上記非艶面の繊維配向角の絶対値よりも小さく、
    上記レーヨン繊維の全繊維成分に対する含有量が5質量%以上45質量%以下である請求項1に記載のファイブラスケーシング用紙素材。
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