JP3295488B2 - ハム、ソーセージまたは魚肉練製品等の包装材ならびにその製造法 - Google Patents

ハム、ソーセージまたは魚肉練製品等の包装材ならびにその製造法

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JP3295488B2
JP3295488B2 JP12485693A JP12485693A JP3295488B2 JP 3295488 B2 JP3295488 B2 JP 3295488B2 JP 12485693 A JP12485693 A JP 12485693A JP 12485693 A JP12485693 A JP 12485693A JP 3295488 B2 JP3295488 B2 JP 3295488B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハム、ソーセージまた
は魚肉練製品等の食肉類、魚肉類、チーズ類を包装する
際に利用される積層シートからなる包装材ならびにその
製造法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】一般に、ハム、ソーセージな
どを製造する場合に使用する包装材としては、ファイブ
ラスケーシング、セルロースケーシングなどが存在す
る。それらが他の合成フィルム製ケーシングに較べ、多
用されているのは通気性があり、スモーク時の加工適性
が合成フィルム製に比べて良好だからである。
【0003】通常、ハム、ソーセージ類はスモークをか
けることにより、風味の向上、保存性の向上など品質の
向上がはかられている。もしスモーク工程が短縮され、
またスモークのかかりが短時間で調整できれば、スモー
ク工程の合理化に役立ち、人手不足の今日において大い
に意味がある。
【0004】ところで、ファイブラスケーシングは和紙
を円筒状に形成し、表面にビスコースをコーティングし
た上で再生加工を施して製造しているが、通常、ハム、
ソーセージなどの製造時に必要な加工強度を付与するた
め、換言すれば、紙の強度アップと円筒状に成形する際
の増強剤としての役割を担わせるため、ビスコースの塗
布量を多くして強度を持たせているのが実情である。ビ
スコースの塗布量が多くなるほど強度はあがるが、その
反面スモーク性が損なわれ、塗布量を少なくすれば、ス
モーク性は改良されるが強度は低下するという関係にあ
る。
【0005】従来法においては前記理由から比較的多量
のビスコースを塗るため、再生中におけるガス抜き、水
洗中における酸洗い、柔軟加工、内面ピーリング加工お
よび円筒状にするための加工や乾燥工程などにおいて多
大の手間が必要となり、加工スピードも必然的に遅く、
生産性が極めて悪かった。
【0006】また、ケーシングは円筒状に形成した上で
ビスコ−ス加工を施しているために製品の種類に合わせ
た多種類の巾のケ−シングを製造するラインが必要とな
り、合理性に欠けるので、最近では特開昭54−152
090号公報に見られるように、平板状の和紙または方
向性のある紙を直角に貼り合わせて引裂強度を増やした
上で、さらに紙シ−トの全面にビスコースをコーティン
グする方法が提案されている。そして平板状のまま、再
生、水洗、柔軟、乾燥加工を行い、必要巾に切り出した
後、円筒状に製袋することによって生産性をあげるよう
にしている。しかしながら、ハム、ソーセージなどの製
造時に必要な加工強度を保持させるためには、ケ−シン
グの素材構成が従来と同じであるため、ビスコースの塗
布量を多く必要とする点では、依然として問題が残って
いる。なお、平板状のシートを円筒状のケ−シングに加
工するためには、糊付け、ミシン掛け等により固定化
し、成形しなければならないが、糊付けに当っては、平
板の裏表両面にセルロース層があるため、乾燥時には接
着力を発揮しても、ボイル時、スモーク時においては熱
や水分の影響を受けるため剥がれやすくなり、破袋の原
因となっていた。またミシン掛け時にもミシン掛けのス
ピードが遅く、また針穴が影響してミシン部の強度が落
ちるという問題点もあった。さらにまたミシン目の針穴
から充填した肉が出やすく商品としての美粧性に劣ると
いう不具合もあった。
【0007】
【問題点を解決するための手段】ここにおいて本発明
は、ハム、ソーセージなどに加工する際に必要な充分な
強度を有し、しかもヒートシール性を有する不織布をビ
スコースと親和性のある紙と重ね合わせた上で、紙層及
び紙層に接する不織布の一部にビスコースをしみこませ
て両者を貼り合わせてシート化する。このシートをヒ−
トシ−ル機にかけて不織布面同志をヒートシールして円
筒状に形成する。また、前記シートにおける不織布面を
外側、紙層面を内側にして突き合わせ、かつその突き合
わせ部分にヒートシールできる不織布テ−プを重ね合わ
せて該テ−プと前記シ−トの不織布面とを熱接着させて
円筒状に仕上げることもできる。
【0008】この方法は、従来法に較べ円筒状に加工す
る工程が簡便で、シール部の強度も安定するためハム、
ソーセージなどの製造時における加工時の条件にも充分
に耐え得る。しかも従来のファイブラスケーシングに比
較して、適用するビスコ−スが少量で済むため、スモー
ク適性の向上した製品が得られるのである。
【0009】さらに詳しく述べると、従来のファイブラ
スケーシングや前記公開公報所載の平板加工法では、ハ
ム、ソーセージなどの製造時に必要な強度を有するよう
にするには、ビスコース(αセルロース8%溶液)を6
00g/m2 以上塗布する必要があったが、本発明では
紙面及び紙面に接する不織布の一部にビスコースを染み
込ませて、両者を貼り合わせるのに必要な量として、紙
の厚さ、重量にもよるが100g/m2 〜400g/m
2 のビスコースで足りる。したがってスモークのかかり
が良い、またスモークのかかりの調整のできるシート、
あるいはヒートシールしたケーシングをつくることもで
きるのである。
【0010】本発明で使用する紙は、ビスコースと親和
性のある各種の木材パルプ、マニラ麻、レーヨン、ビニ
ロン等の単品または混合品で作られたものがよく、それ
らはスモーク適性に必要なだけのビスコースを含浸する
性質を有している。
【0011】また、前記不織布としてはハム、ソーセー
ジなどの加工強度に耐えうる強度を持つポリエチレン、
ポロプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の単品また
は混合品で作られた乾式不織布がよく、当該不織布にヒ
−トシ−ル性を付与するためには、少なくとも構成繊維
の3分の1を熱可塑性合成繊維で構成させる必要があ
る。
【0012】しかして本発明においては、前記不織布を
紙シ−トと重ね合わせて積層させた上で、両者を積層面
においてビスコース液により貼り合わせるようにしたも
のであるが、その際、適用するビスコース液の粘度、温
度、浸透時間については、これを適宜調整することによ
り、スモーク適性に最適な紙へのビスコ−ス塗布量およ
び不織布への染み込み量を調節し、それにより不織布の
表層部分がヒートシール性を有する包装材として機能す
るようにしたものである。
【0013】
【作 用】上記のように本発明によれば、紙層および紙
層に接する不織布の一部にビスコースを染み込ませ、両
者を貼り合わせることにより、ヒートシール加工適性を
備えた平板状の包装シートを得、このシ−トを円筒状の
ケーシングとして加工することにより、ハム、ソーセー
ジ製造時に必要な種々の加工強度および充填強度をクリ
アするだけの強度を有し、しかもスモーク時間の短縮に
役立つ有益なケーシングを得るようにしたものである。
【0014】なお、ビスコースの少量使用は、スモーク
適性を向上させるばかりでなく、品質向上にかかせない
充填肉等の乾燥工程時における乾燥効果をも高める作用
を奏する。以下、αセルロ−ズ塗布量を種々変えて、ス
モ−クのかかり方にどのような違いが生ずるかを試験し
た結果を表1に示す。試験条件としては、本発明の包装
材を対象とし温度60〜70度C、相対湿度20〜30
%で20分間クッキングし、冷却して測定した結果であ
る。なお、充填物は、大豆蛋白17部、大豆油9部、水
73部から成る大豆蛋白生地である。
【0015】
【表1】
【0016】上表中、L*、a*およびb*の各値は、
JIS Z 8730で推奨している色差表示方法の一つに基づい
た表記であって、L値が低く、a値、b値が高ければ、
スモ−クのかかりがよいことを示しており、それと併記
した直視法では、+の多い方がスモ−クのかかりがよい
ことを示している。これを要するに、ビスコ−スの塗布
量が少なくなるほどスモ−クがよくかかり、換言すれ
ば。短い時間で必要量のスモ−クがかかることを表して
いる。
【0017】
【表2】 表2を求めるための試験条件としては、縦 115mm、横
200mmに裁断した包装材を対象として円筒状のケ−シ
ングを作成し、その中に74%含水セルロ−スを充填し、
温度90度C、相対湿度20%で、90分間乾燥して測
定した結果である。また、表2はセルロ−ス塗布量の違
いによる乾燥効果の差異を示したもので表1と同様にビ
スコ−ス塗布量が少なくなるほど乾燥減量が早くなり、
短時間で目的とする製品に加工できることを示してい
る。
【0018】また、本発明によれば、平板状のシートを
任意の巾に切り出した上で、ヒートシールを行うことに
より、いろいろなサイズのケーシングを効率よく製造で
きるという利点も発揮する。さらに、ヒートシールをす
ることができる不織布の原料、厚さ、重さ等を変えるこ
とにより、ハム、ソーセージ等の製造に必要な任意のシ
ール強度を得ることが可能となる。
【0019】なお、ファイブラスケーシングと異なり、
本発明の包装材は、最初はシート状に加工されるため、
シートの片面に肉付加工、肉離れ加工等の肉付調整が容
易に出来るほか、着色料、香辛料、調味料等のコーティ
ング加工も有効にできる。
【0020】
【実施態様】先ず、図1に基づいて本発明たる積層シー
トの構成を説明すると、図中、符号21はハム、ソーセ
ージなどの加工強度に耐えうる強度をもち、ヒートシー
ルをすることができるポリチレン、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ナイロン等の単品または混合品で作られた
不織布シートであって、通常10g/m2 〜30g/m
2 の繊維質性乾式シートを用いる。符号22は、不織布
シート21に貼り合わせる紙シ−トであって、素材とし
てはビスコースと親和性のある各種木材パルプ、マニラ
麻、レーヨン、ビニロン等の単品または混合品でつくら
れたシートであって、一般に10g/m2 〜25g/m
2 のシートを用いるのを可とする。
【0021】符号23は、不織布シート21と紙シート
22との積層面において、不織布側に一部がはみだした
状態で浸潤しているビスコ−スの染み込み層で、この層
により前記不織布シート21と紙シート22とが一体化
され、該層に染み込んだビスコース液の凝固層によって
両者が一体に接合されるのである。換言すれば、本発明
にあっては、不織布シートと紙シートとを重ね合わせ、
その重合面をビスコ−ス液の凝固層で接合することを特
徴とし、しかもその際に不織布シ−トの表層部にはビス
コ−ス液が浸潤しないようにして、当該不織布が有する
ヒ−トシ−ル性が損なわれないように構成したものであ
る。
【0022】続いて、本発明の包装材を製造する場合の
一例を、図2〜5に基づいて具体的に説明する。図2に
示すように、素材たるハム、ソーセージ等の加工強度に
耐えうる強度をもち、ヒーシールをすることができる不
織布シート21の巻取1と、ビスコースと親和性のある
紙等のシート22の巻取2とから、それぞれ各シートを
帯状に繰出させ、かつこれらを案内ロール3を介して相
互に重ね合せた後、ビスコース液の貯槽4内に一部が浸
漬している塗工ロール5と圧接ロール5′の間を通すこ
とによってビスコース液を前記シート22に塗工する。
かくしてビスコース液はシート22に浸潤し、同時に前
記シート21の一部にも浸潤して両者を当該ビスコース
液を介して貼り合せる。すなわち、紙シ−ト22に浸潤
したビスコ−ス液は該シ−トを通じて不織布シ−ト21
の積層面にまで浸潤した上で、当該不織布シ−トの側に
一部が染み込む状態で食い込む。
【0023】かゝる状態の下にビスコース液の塗布され
た前記積層シートは、次段に待機する硫酸液の槽6内に
浸漬された後、水洗槽7内に導かれて水洗され、次いで
槽8を介し一例としてグリセリンを用いて柔軟処理が施
されてから、乾燥ロール9を経た上で、製品巻取10と
してロール状に巻き取られる。
【0024】かくして前記のハム、ソーセージなどの加
工強度に耐えうる強度をもち、ヒートシールをすること
ができる不織布シート21と、ビスコースと親和性のあ
る紙シート22とは、前記の再生工程を経ることによ
り、片面に強度とシール適性を保持した不織布面を持
ち、他面にスモーク適性の向上した紙面を持ったまま、
両者が完全に接着、積層されて一体化された包装材シ−
トとなる。
【0025】なお、上記のようにして作成された比較的
広幅の積層シートは、これを図3に示すように、適当な
幅Lにスリットした後、長手方向に添って不織布面を外
側にして端縁部が重ならないように突き合せ(符号11
参照)、図4に示すようにその突き合わせ部に、別途用
意した前記と同材質の不織布をテープ12をあてがっ
て、ヒートシール機13を用いてヒートシールを行なう
ようにして円筒状のケーシングを製造する。
【0026】また、必要に応じ、図5のように包装材F
の紙面に、塗工ロールまたはグラビアロールR等を介し
て離型剤、着色料を塗工したり、或は適宜の香辛料、調
味料等を塗布することもできる。このようにしてから、
前記の図3に示すような加工を施してケーシングに仕上
げてもよい。
【0027】さらにまた、図6に示すように包装材Fを
穿孔ロール14と圧接ロール15との間に通して、一例
として、左右1cm間隔で、0.7mmφの透孔を穿設
しておけば、肉類を充填する際に発生するジュース、空
気等の脱液、脱気作用を前記透孔を介して行わせること
もできる。
【0028】[実施例1]30g/m2 の不織布(ユニ
チカ(株)製エルベスT0303WDO)と、17g/m2 の和
紙とを、10000CPS のビスコース液(αセルロース
8%)を300g/m2 の量で塗工して貼合せ、浸潤
後、酸で再生し、水洗、脱硫、中和した後、柔軟加工を
行い、乾燥して不織布/和紙の広巾の積層シートを得
た。このものは、必要に応じ、自由に針穴またはパンチ
穴加工を施すことができる。
【0029】上記のようにして得た積層シートを、一例
として280mm巾に切出した後、長さ500mmに截
断し、不織布を外面にし両耳を突き合わせ、上記同材質
70g/m2 の不織布を15mm巾のテープ状にしたも
のをオーバーテープとし、長手方向に添って突き合わせ
部にオーバーテープをのせヒートシールを行い筒状体と
し、一端をアルミクリップで結紮袋状に作成した。
【0030】次いで、上記袋に漬け込み肉を1500g
充填した後、開口部をアルミクリップで結紮し、80
℃、120分スチームクッキンし、次いで薫煙加工を2
0分施した後、乾燥して製品とした。こうして得られた
製品は、加工中破袋することもなく、表面状態も良好な
製品が得られた。この製品の包装材を、剥離してハムの
薫煙状態を観察したところ、充分に薫煙がかかってい
て、臭い、色調とも良好であった。
【0031】実施例1に従って作成した包装材Fと、従
来のファイブラスケーシングとの強度物性及び別途薫煙
効果を調べるために、薫煙時間を(スモークのかかり方
が同程度にかかるに必要な時間)測定した結果を下記の
表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】表3の数値からも明らかなように、一般に
使用されているファイブラスケ−シングと同等の強度を
得るために、実施例1で示したように和紙17g/m
2 、エルベス30g/m2 とを本方法にしたがって貼合
わせた。その結果、従来と同様の強度が得られるだけで
なしにビスコ−スの塗布量は従来の半分である24g/
2 で済み、そのためスモ−ク時間が大幅に改善される
のである。
【0034】[実施例2]実施例1にしたがって作成し
た包装材Fとファイブラスケーシングに大豆蛋白の生地
(大豆蛋白17部、大豆油9部、塩1部、水73部)を
充填し、温度60〜70℃、相対湿度20〜35%で2
0分間乾燥し、次いで、薫煙加工を80℃で10分間行
った後、80℃、120分スチームクッキンを行った。
冷却してから包装材料を剥離して蛋白表面の薫煙状態を
観察したところ、従来のファイブラスケーシングよりも
本発明の包装材Fの方があきらかにスモークのかかりが
良く臭い、色調とも良好であった。そのスモークのかか
り方を示す色調変化を表4の色差で示す。
【0035】
【表4】
【0036】表4に示すように、実施例2の包装材の方
が、従来のファイブラスケーシングを使用した場合より
も、L*値(明度)が低く、表面色が濃いことを示し、
さらにa*値(赤味度)、b*値(黄身度)も高く、本
発明の方がスモークのかかり方が大きいことを示してい
る。また、本発明の包装材と従来のファイブラスケーシ
ングとを比較すると、スモ−クをかけないときの表面に
は、ほとんど差は認められないが、スモ−クをかけたと
きには色差計による色の測定値からも明らかなように、
有意差があることを示している。
【0037】[実施例3]前記実施例1と同様にして積
層シートを作成し、この積層シートの和紙面に、天然色
素としてコーリャン種皮から抽出して得られた茶系統の
色素を塗工した。次いでこの巾広シートを前記実施例1
と同様に切出し、ヒートシールを行い筒状とし、一端を
アルミクリップで結紮袋状に作成した。そして、その中
に漬け込み肉を充填して開口部をアルミクリップで結紮
し、80℃、120分間スチームクッキンを施した。そ
の後、乾燥冷却した結果をみると、実施例1と同様に破
袋することなく良好の仕上がり製品となっていた。そし
て、この製品を取出して本発明の包装材を剥離し、茶色
の天然色素の肉に対する転写状態を調べた結果、90%
以上の色素が転写され、肉の表面に前記色素が均一に転
写していることが確認できた。
【0038】[実施例4]前記実施例1に従って作成し
た包装材Fにチーズの生地を約80℃で充填し、クリッ
プした後30℃、8時間の薫煙加工を行った。その後、
包装材を剥離し、スモークのかかり方を調べたところ、
充分にスモークがかかっていた。このスモークにかかり
方は、従来のファイブスケーシングを使用した場合の1
5時間の薫煙加工条件に相当した。
【0039】
【発明の効果】上記のように本発明の包装材は、畜肉を
材料とするハム、ソーセージ等の食品の包装に使用して
適切なものであり、ファイブラスケーシングと同等の強
度を持つばかりでなく、紙層及び紙層に接する不織布の
一部にビスコースを染み込ませ両者を貼り合わせシート
化されている為、ファイブラスケーシングにくらべスモ
ーク適性がすぐれている。換言すれば、ビスコ−ス塗布
量を少なくすることができるだけでなく、その結果、乾
燥工程時における乾燥効率をも高める効果を奏する。し
かも、本発明の包装材はヒートシールが可能なため、任
意の幅、型に加工出来るばかりでなく、ハム、ソーセー
ジ等の食品包装材として不可欠な穴あけ加工をも可能な
点で、有用性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す積層シートの拡大断面
図である。
【図2】本発明たる積層シートの製造工程を示す説明図
である。
【図3】本発明たる包装材の加工状態の一例を示す傾斜
図である。
【図4】前記包装材を断面円筒状のケ−シングに加工す
る際の状態を示す斜視図である。
【図5】同じく包装材の表面に離型剤や着色剤を塗布す
る工程を示す斜視図である。
【図6】前記包装材を対象として穿孔ロ−ルを用いて透
孔を穿設してゆく過程を示した斜視図である。
【符号の説明】
1、2 巻取 3 案内ロール 4 貯槽 5 塗工ロール 5’圧接ロール 6 硫酸液の槽 7 水洗槽 8 薬液槽 9 乾燥ロール 10 積層シート(製品巻取) 11 突き合せ端面 12 テープ 13 ヒートシール機 14 穿孔ロール 15 圧接ロール 21 不織布シート 22 紙シート 23 染み込み層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A22C 13/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙とヒートシール可能な不織布とを積層
    させた上で、両者の積層面にビスコース液を浸み込ませ
    て貼り合わせた後、前記ビスコース液を再生、水洗中和
    及び乾燥処理して成るハム、ソーセージ、チーズ、魚肉
    または魚肉練製品包装用の包装材。
  2. 【請求項2】 少なくとも熱可塑性合成繊維を含む不織
    布と和紙とを重ね合せた上で、紙との積層側における前
    記不織布の一部にビスコース液を浸み込ませて両者貼り
    合わせた後、前記ビスコース液を再生、水洗中和及び乾
    燥処理して成る請求項1記載のハム、ソーセージ、チー
    ズ、魚肉または魚肉練製品包装用の包装材。
  3. 【請求項3】 ビスコースの塗布量を調整することによ
    り、スモークのかかりの調整を行なうようにした請求項
    1または2記載のハム、ソーセージ、チーズ、魚肉また
    は魚肉練製品包装用の包装材。
  4. 【請求項4】 不織布面におけるヒートシール層を介し
    てシ−ト状の包装材を筒状に製袋することを特徴とする
    請求項1〜3の何れかに記載のハム、ソーセージまたは
    魚肉練製品等の包装材。
  5. 【請求項5】 包装材の表面に着色料、香辛料または調
    味料もしくはその混合物を塗布してなる請求項1ないし
    4の何れかに記載のハム、ソーセージ、チーズ、魚肉ま
    たは魚肉練製品包装用の包装材。
  6. 【請求項6】 包装材に対して針穴またはパンチ穴を設
    けることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載
    のハム、ソーセージ、チーズ、魚肉または魚肉練製品包
    装用の包装材。
  7. 【請求項7】 ヒートシール性を有する不織布をビスコ
    ースと親和性のある紙シ−トと重ね合わせた上で、紙層
    及び紙層に接する不織布の一部にビスコースをしみこま
    せて両者を貼り合わせてシート化するようにしたことを
    特徴とするハム、ソーセージ、チーズ、魚肉または魚肉
    練製品包装用の包装材の製造法。
  8. 【請求項8】 ヒートシール性を有する不織布をビスコ
    ースと親和性のある紙シ−トと重ね合わせた上で、紙層
    及び紙層に接する不織布の一部にビスコース液をしみこ
    ませて両者を貼り合わせてシート化し、これをヒ−トシ
    −ル機にかけて不織布面同志をヒートシールして円筒状
    に形成するか、或いは前記シートにおける不織布面を外
    側、紙層面を内側にして突き合わせ、かつその突き合わ
    せ部分にヒートシールできる不織布テ−プを重ね合わせ
    て該テ−プと前記シ−トの不織布面とを熱接着させて円
    筒状に仕上げるようにしたハム、ソーセージ、チーズ、
    魚肉または魚肉練製品包装用の包装材の製造法。
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