JPH06141761A - ハム・ソーセージ用ケーシング材 - Google Patents

ハム・ソーセージ用ケーシング材

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JPH06141761A
JPH06141761A JP4316432A JP31643292A JPH06141761A JP H06141761 A JPH06141761 A JP H06141761A JP 4316432 A JP4316432 A JP 4316432A JP 31643292 A JP31643292 A JP 31643292A JP H06141761 A JPH06141761 A JP H06141761A
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JP
Japan
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casing
ham
sheet
heat
sheets
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Application number
JP4316432A
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Inventor
Tadashi Motomura
正 元村
Tamiki Otsuka
民樹 大塚
Eiji Masuno
栄二 増野
Yoshikazu Suzuki
嘉一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanaka Industry Co Ltd
Original Assignee
Yamanaka Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】細長い矩形状シートの縁を貼り合わせて筒状に
成型したケーシング材において、燻煙透過性、水滴不透
過性及び収縮性を有し、合成繊維を含む繊維組織からな
るシートを、少なくとも1本の熱融着性を有する紡績
糸、マルチフィラメント、モノフィラメントまたは組紐
を、シートの縁を重ね合わせた間に挿入してシートを熱
融着せしめて成型された、ハム、ソーセージ等のケーシ
ング材及び、そのケーシング材に肉類を充填して製造さ
れたハムまたはソーセージ類である。 【効果】本発明は燻煙透過性、水滴不透過性及び収縮性
を有し、合成繊維を含む繊維組織からなる原料シートを
筒状に成型したハム、ソーセージ等のケーシング材また
は、それを使用して作られたハム及びソーセージであ
る。熱融着性を有する糸を使用して特定の方法でシート
を融着することによって、従来から問題点とされていた
貼り合わせ部分の強度を著しく高めた特徴を有するもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハム、ソーセージ等の
ケーシング材及びそのケーシング材に肉類を充填して製
造されたハムまたはソーセージ等に関するもので、更に
詳しく述べると、燻煙透過性、水滴不透過性及び収縮性
を有する燻煙に適したシートを、熱融着性を有する糸で
特定方法で筒状に融着成型した強度が大きいハム、ソー
セージ等のケーシング材または、ハム及びソーセージ類
である。
【0002】
【従来の技術】従来ハム、ソーセージ等のケーシング材
にはセルローズ系の特殊な紙を筒状に成型した後、表面
にビスコースを塗布しセルローズを再生させてその皮膜
で被覆し、燻煙に適した適度な通気性を付与した素材が
多く使用されていた。しかし、この素材には或る程度以
下の細いケーシングにすることが出来ない欠点があっ
た。
【0003】この様にして得られたケーシングを更に蛇
腹状に折り畳み、充填クリップ機に供給され、肉類が充
填されてハム、ソーセージ等の形状が作られる。この
際、肉類は強く圧縮されてケーシングに充填され、更に
両端をクリップされるため、ケーシングの素材には極め
て高い強度が要求される。
【0004】近年はケーシングの素材として従来からの
セルローズ系材料の他、種々の合成繊維の不織布等のシ
ート或いはプラスチックフィルムが開発されている。こ
れらの素材には最近の高度な分離膜の技術が応用された
ものもあり、ビスコース処理等を必要とせず、燻煙の効
果を高めるための煙の透過性に優れたシートも散見され
る。しかし、ケーシングへの肉類の充填或いはその後の
処理工程では極めて大きな力がかかるが、合成繊維不織
布等新しいシート素材を使用したケーシングは、シート
を筒状に成型するときの貼り合わせ部分の強度が尚不充
分で、この部分の強度を高めることが今後の重要な課題
になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はハムまたはソ
ーセージ等の充填用のケーシングを作るため、燻煙に適
した適度の煙透過性、水滴不透過性及び収縮性を有する
シートを、細長い矩形状のシートの縁を貼り合わせて筒
状に成型した場合、従来から問題点とされていた、貼り
合わせ部分の強度を著しく高めたケーシングを提供しよ
うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は燻煙透過性
及び水滴不透過性を有するシートを貼り合わて、ケーシ
ングの成型方法を検討するに当たって、ケーシングはハ
ム、ソーセージ等食品に関するるものであるから、その
貼り合わせ材料は衛生上無害であること、また燻煙透過
性等シートの機能を阻害することなく、高い貼り合わせ
強度が得られる方法について種々研究した。
【0007】その結果、或る程度の太さを有するポリプ
ロピレン繊維またはポリエステル・ポリプロピレン芯・
鞘繊維等を熱融着させる方法が、この目的に適している
ことを見出し、これに基づいて本発明に到達した。
【0008】すなわち、細長い矩形状シートの縁を貼り
合わせて筒状に成型したケーシング材において、燻煙透
過性、水滴不透過性及び収縮性を有し、合成繊維を含む
繊維組織からなるシートを、少なくとも1本の熱融着性
を有する紡績糸、マルチフィラメント、モノフィラメン
トまたは組紐を、シートの縁を重ね合わせた間に挿入し
てシートを熱融着せしめて成型された、ハム、ソーセー
ジ等のケーシング材及び、そのケーシング材に肉類を充
填して製造されたハムまたはソーセージ類である。
【0009】ここで、ハム、ソーセージ等或いは、ハム
またはソーセージ類とはハム、ソーセージ、ベーコン等
肉類をケーシング材に充填し、燻煙して製造される食品
及びそれらの類似品も広く含まれている。また、ケーシ
ングとは肉類及び肉類から作られた製品と直接に接触す
る包装用資材の総称である。以下本発明について詳しく
説明する。
【0010】ハム類は通常豚肉を塩漬、水浸、燻煙、温
浴中でのクッキング、冷却、包装の諸工程を経て製造さ
れたもので、主な種類としては骨付きハム、ボンレスハ
ム、ロースハム、ショルダーハム、ベリーハム、ラック
スハム等がある。製造工程の中最も特徴的な工程は燻煙
工程であるが、前記の種々な種類のハムの中骨付きハム
以外は、通常それ以前の諸工程で処理された肉類を、燻
煙透過性のケーシングに充填してから燻煙処理される。
【0011】肉類を燻煙するためには以前は綿布で肉を
堅く巻き締めたが、現在はケーシングに堅く充填した後
燻煙室に吊るし燻煙処理される。燻煙条件は原料及び製
品の種類等により、温度は30°〜90℃、燻煙時間は数時
間〜数日間と広範囲にわたるが、例えば、ボンレスハム
の場合、最初は30℃程度の低温で5〜7時間位乾燥した
後、燻煙材としては好ましくはサクラ、カシ、ナラ等の
木材の煙を燻煙発生装置で発生させて燻煙室に吹き込
み、徐々に温度を上げ50〜60℃で6〜10時間位燻煙され
る。この工程ではこれらの木材から発生した煙が肉類の
内部組織に浸透することにより、ハム、ソーセージ等燻
製品特有の好ましい香味と外観を与え、発色をよくし、
肉類の保存性を高める。これは、燻煙により煙の成分で
ある有機酸、アルデヒド類、アルコール、フェノール等
が肉類の組織に浸透すると共に、その表面に樹脂状の膜
を生成し、特有の茶褐色の燻煙色を呈する。
【0012】ケーシング材には幾つかの重要な機能が要
求されるが、その中最も重要な機能は適度な燻煙透過性
と水滴不透過性であるがその他、ケーシングに充填する
時はかなり強い圧力をかけて堅く充填され、更に両端を
クリップされるため、ケーシング材は相当強い圧力に耐
える材質であること、燻煙処理により肉類の体積が収縮
するためそれに伴ってケーシングの体積も収縮する様な
収縮性、食物に混入しても衛生上無害である性質等が要
求される。
【0013】近年合成繊維或いは分離膜関連技術の進歩
により、ケーシング材に要求される重要な機能の中、適
度な燻煙透過性及び水分不透過性、収縮性或いは、食物
に混入しても衛生上無害性等を充足する素材が開発され
ている。しかし、それらのシート状素材を筒状に加工す
る際、シートの縁を熱融着等により貼り合わせて成型さ
れが、熱融着等によりその部分の強度が低下する点が問
題となっている。ケーシング材は肉類の充填時極めて大
きな強度が必要とされるため、融着部分がしばしば破損
する場合がある。本発明のケーシング材は、細長い矩形
状シートの縁を貼り合わせて筒状に成型する時、シート
の接着部分の強度を高めることにより、この問題点を解
決したケーシング材を製造することを目的としてなされ
たものである。
【0014】本発明のケーシング材の原料シートには合
成繊維からなる繊維組織を含むシートを使用する必要が
ある。合成繊維のみからなるシートでもよく、また極一
部合成繊維を含む他、大部分が天然繊維或いは半合成繊
維にからなるシートでもよい。シートの繊維組織は特に
限定せず、織物でも、編み物でも或いはまた不織布でも
よい。また、シートは燻煙透過性、水滴不透過性及び収
縮性を有する必要がある。尚ここで、水滴不透過性とは
水蒸気は透過するが水滴は透過しない性質を言うが、本
発明のケーシング材は必ずしも完全に極微小な水滴の透
過も阻止する性質に限定するものではなく、燻煙してハ
ム、ソーセージ等を製造する場合その品質に影響がない
程度の極微小な水滴が少量透過する場合も許容される。
【0015】本発明のケーシング材は細長い矩形状の原
料シートの縁を貼り合わせて筒状に成型する場合、接着
材として熱融着性を有する繊維からなる少なくとも1本
の紡績糸、マルチフィラメント、モノフィラメントまた
は組紐を使用する必要がある。熱融着性を有する繊維と
しては熱可塑性ポリマーを紡糸して得られた繊維、すな
わち、大部分の合成繊維は熱融着性を有するため使用可
能である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リウレタン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等のポリマーからなる繊維であ
る。
【0016】しかし、最近開発された合成繊維を原料と
した燻煙透過性、水滴不透過性及び収縮性に優れたケー
シング材の組成は、ポリエステル繊維等を主成分とした
ものが多い。例えば、ポリエステル繊維の軟化点は、通
常238 〜240 ℃であり、また融点は255 〜260 ℃であ
る。従って、このシート素材の強度低下を防止するた
め、シートが損傷しない様に他の繊維を熱融着するため
には、融着剤として融点がそれよりかなり低い繊維を使
用することが好ましい。これらの中、比較的低温で融着
可能なこと取扱易さ及び経済性を考慮すれば、ポリエチ
レン(軟化点:100〜110 ℃、融点:125〜135 ℃) 及びポ
リプロピレン(軟化点:140〜160 ℃、融点:165 〜173
℃) が挙げられる。尚ポリエチレン及びポリプロピレン
は分子構造や結晶性により、軟化点や融点が相当変動す
るから、それらの点を考慮して選択する必要がある。シ
ート素材の繊維の融点は一般に200 ℃以上の場合が多い
ため、熱融着によりシートを損傷させないためには、熱
融着性繊維はこれよりかなり融点が低い繊維が好まし
く、融点、衛生上の配慮、取扱性等を考慮すれば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、またこれらの繊維を鞘とし
ポリエステル繊維を芯とした芯・鞘繊維或いは、サイド
バイサイド構造、または混合紡糸フィラメント、或いは
これらの少なくとも2種類の繊維の混紡、混撚糸でもよ
い。例えば、ポリエステル・ポリプロピレン芯・鞘繊維
を使用すると、融点が低いポリプロピレンの鞘の部分は
溶融するが、芯のポリエステルは溶融せず、繊維の結晶
構造及び形状のまま存続するため、接着部分の強度を高
めることが出来る。
【0017】これらの繊維からなる糸の形態としては、
紡績糸でもマルチフィラメント或いはモノフィラメント
でもよく、また単一種類の繊維のみからなるこれらの糸
の他、複数種類の繊維を含む糸でもよい。これらの中、
融着性及び接着強度の点から紡績糸が最も好ましい。ま
たこれらの糸からなる単一または複合した組紐でもよ
く、組紐の形態としては平紐でも丸紐でも或いはまたそ
の他の形態を有する紐でもよい。
【0018】熱融着性を有する糸で、長い矩形状シート
の縁を貼り合わせて筒状に成型する場合、糸は融着する
シートとシートの間に挟んだ状態で融着させる必要があ
る。この様な方法で融点が高い繊維からなるシートとシ
ートを、それよりもかなり融点が低い繊維を熱溶融させ
ることによって融着させると、シート部分が殆ど損傷を
受けないため、融着部分の強度を全く低下させずに融着
させることが可能である。特にシートの組織が不織布の
時には熱融着性繊維の融点がシート素材の融点よりかな
り低い場合でも、溶融した成分が不織布の内部に浸透す
るため充分高い接着強度がえられる。
【0019】この際融着材として使用する糸は、1本で
も複数本でもよい。より融着部分の強度を高めるため、
例えば、複数本の糸を隣接させて平行に並べたり、或い
は波状に並べても鎖状に組んで融着させてもよい。また
太い組紐と細い糸を併用してもよく、例えば、太い組紐
でシートを充分に融着させ、細く強い糸は仮付けしてケ
ーシングを開口し易い様に成型することも可能である。
【0020】また、筒状成型体の融着部分の形状は直線
でも波状でも或いはまた螺旋状でもよく、その他の性状
でもよい。筒状成型体の形状は円筒状の他、断面が4角
形でも楕円形でも、或いはまた蒲鉾状でもよい。また、
筒状成型体は1枚のシートを貼り合わせたものの他、組
成、組織或いは性質が異なる複数のシートを貼り合わせ
て成型したものでもよい。例えば、熱に対する伸度が異
なる2種類のシートを貼り合わせた成型体に、高い圧力
をかけて肉類を充填した後加熱して燻煙すれば蒲鉾状の
ハムやソーセージが得られる。
【0021】熱融着方法はどのような方法でもよいが、
超音波融着装置やヒートロールが使用可能であり、前者
がより好ましい。
【0022】ケーシング材に、肉類を充填するには予め
筒状成型体の表面を蛇腹状に折り畳んだ後、ハム等の充
填クリップ機に供給し、既に燻煙以前の工程が処理済の
肉類を充填し両端をクリップする。更に本発明には前記
のケーシング材に肉類を充填して常法で燻煙、温浴クッ
キング、冷却、包装の諸工程を経て製造されたハム、ソ
ーセージ類も含まれている。ケーシングの融着部分の強
度を高めることにより、問題になっていた製造工程にお
けるケーシングの破損等を防止することが出来る。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0024】(実施例1)図1に本発明の一態様である
円筒状のハムのケーシングの斜視図を示す。原料シート
は適度な燻煙透過性、水滴不透過性及び収縮性を有する
ポリエステルスパンボンド不織布を、細長い矩形状に裁
断し、その長辺を重ね合わせて円筒形にし、重ね合わせ
た2枚のシートの間に24番手6本縒りのポリプロピレン
紡績糸1本を、円筒の長さ方向に挿入して、超音波融着
装置でポリプロピレン紡績糸のみを溶融して2枚のポリ
エステルスパンボンド不織布を融着し、直径10cmの円筒
形のケーシングを成型した。
【0025】円筒形のケーシングを蛇腹状に折り畳ん
で、ハムの充填クリップ機に供給し、既に原料肉を塩
漬、水浸等燻煙以前の工程が処理済の肉類をケーシング
に充填し、燻煙室に吊るして30℃で5時間乾燥した後、
徐々に温度を上げ60℃で燻煙発生装置で発生させたサク
ラ材の煙を吹き込み、6 時間燻煙した。更に、温浴クッ
キング、冷却工程を経てボンレスハムを製造した。
【0026】充填クリップ機では高い圧力をかけて充填
・クリップし、また加温して燻煙したが、融着部分の破
れは全く発生しなかった。製造したハムは燻製品特有の
好ましい香味と外観を有し、茶褐色の特有な燻煙色を呈
し味も良好であった。
【0027】(実施例2)図2に本発明の一態様である
円筒状のハムのケーシングの斜視図を示す。原料シート
は実施例1と同様な、適度な燻煙透過性、水滴不透過性
及び収縮性を有するポリエステルスパンボンド不織布を
使用した。シートを細長い矩形状に裁断し、シートの縁
を少し重ねてスパイラルに巻いて円筒形にし、重ね合わ
せた2枚のシートの間に芯がポリエステル、鞘がポリプ
ロピレンの芯・鞘繊維の24番手紡績糸8本縒り2本を平
行に挿入し、超音波融着装置で糸のポリプロピレン部分
のみを溶融して2枚のポリエステルスパンボンド不織布
を融着して直径6cmの円筒形のケーシングに成型した。
【0028】円筒形のケーシングを蛇腹状に折り畳ん
で、実施例1と同様にハムの充填クリップ機に供給し、
充填クリップ機では高い圧力をかけて充填・クリップし
て燻煙、温浴クッキング、冷却工程を経てロースハムを
製造した。
【0029】充填クリップ機では高い圧力をかけて充填
し、また加温して燻煙したが、融着部分の破れは全く発
生しなかった。製造したハムの品質も良好であった。
【0030】(実施例3)図3に本発明の一態様である
円筒状のハムのケーシングの斜視図を示す。原料シート
は適度な燻煙透過性、水滴不透過性及び収縮性を有する
ポリエステルを主成分としたスパンボンド不織布を、細
長い矩形状に裁断し、その長辺を重ね合わせて円筒形に
し、重ね合わせた2枚のシートの間にポリエチレン紡績
糸1本を円筒の長さ方向に挿入し、その他ポリプロピレ
ンマルチフィラメント糸を図に示す様な形状に挿入して
ヒートロールで融着した。ポリエチレン紡績糸は充分に
溶融してシートの接着材として作用し、ポリプロピレン
糸は仮付けされた状態になっていため、この糸の部分か
ら容易に開口出来る様になっている。シート融着後直径
12cmの円筒形のケーシングが得られた。
【0031】このケーシングを使用して実施例1と同様
な方法でハムを製造したが、ケーシングの破れはなく、
仮付けした開口用の糸のため容易にケーシングを開口す
ることが出来た。
【0032】(実施例4)図4に本発明の一態様である
円筒状のハムのケーシングの斜視図を示す。実施例3に
おいて、ポリエチレン紡績糸の代わりにポリエチレン紡
績糸からなる平紐を使用し、その外ポリプロピレンマル
チフィラメント糸を波形に入れた他は全く実施例3と様
にしてケーシングを成型した。ハム製造工程でのケーシ
ングの破れは全くなく、またケーシングの開口が容易で
あった。
【0033】(実施例5)図5に本発明の一態様である
蒲鉾形のハムの充填燻煙後の斜視図を示す。ケーシング
の原料シートは適度な燻煙透過性、水滴不透過性及び収
縮性を有する実施例1と同じシート及び、そのシートに
更に熱収縮性繊維を含有させ加熱時収縮性を有するシー
トを使用し、同一サイズの細長い矩形状に裁断して重ね
合わせ、図に示す様にシートの縁の重ね合わせた部分の
間に、長さ方向に沿って24番手6本よりのポリプロピレ
ン紡績糸を2本づつ、隣接して平行に挿入し、超音波融
着装置でポリプロピレン紡績糸のみを溶融して2枚のポ
リエステル不織布を融着し、円筒形のケーシングを成型
した。
【0034】円筒形のケーシングを蛇腹状に折り畳ん
で、ハムの充填クリップ機に供給し、充填クリップ機で
は高い圧力をかけて肉類を充填して燻煙した。ケーシン
グは熱をかけた時挙動が異なる2種類のシートからなっ
ているため、高い圧力をかけて肉類を充填・クリップ後
燻煙した時、伸度が高い側のシートは大きく脹らみ、収
縮性を有するシートは縮むため、ケーシングの断面は蒲
鉾状となった。
【0035】その他の工程は実施例1とほぼ同様に処理
して断面が蒲鉾形のベリーハムを製造した。ケーシング
への肉類の充填・クリップ時及び燻煙時には、伸度が異
なるシートを貼り合わせたケーシングを使用しているた
め、部分的にはかなり大きな力がかかっているが、ケー
シングの破損は全く認められなかった。
【0036】(実施例6)図6に本発明の一態様である
蒲鉾形のハムの肉類充填燻煙後の斜視図を示す。ケーシ
ングの仕様は実施例5と同様であるが、2連の充填クリ
ップ機を使用して2本の蒲鉾形のハムを背中合わせの形
で同時に充填したものである。背中を合わせにしたのは
底が平らな蒲鉾形にするためである。また、実施例5と
同様にハム製造中にケーシングの破損は発生しなかっ
た。
【0037】(実施例7)図7に本発明の一態様である
蒲鉾形のハムの肉類充填燻煙後の斜視図を示す。実施例
6と同様に背中を合わせとなった2連の充填クリップ機
を2列平行に配置したものである。従って、4本のハム
が同時に充填出来る様になっている。ケーシングの構造
及びサイズは実施例6と同様である。ハム製造中にケー
シングの破損は発生しなかった。
【0038】また、図8(a) 〜(h) には本発明において
シートの縁を重ねた間に熱融着性の糸または組紐を挿入
し、熱融着によりケーシングを成型した種々の態様のケ
ーシングの断面図を示す。
【0039】
【発明の効果】本発明は燻煙透過性、水滴不透過性及び
収縮性を有し、合成繊維を含む繊維組織からなる原料シ
ートを筒状に成型したハム、ソーセージ等のケーシング
材または、それを使用して作られたハム及びソーセージ
である。熱融着性を有する糸を使用して特定の方法でシ
ートを融着することによって、従来から問題点とされて
いた貼り合わせ部分の強度を著しく高めた特徴を有する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様である円筒状のハムのケーシン
グの斜視図を示す。
【図2】本発明の一態様である円筒状のハムのケーシン
グの斜視図を示す。
【図3】本発明の一態様である円筒状のハムのケーシン
グの斜視図を示す。
【図4】本発明の一態様である円筒状のハムのケーシン
グの斜視図を示す。
【図5】本発明の一態様であるのハムのケーシング充填
後の斜視図を示す。
【図6】本発明の一態様であるのハムのケーシング充填
後の斜視図を示す。
【図7】本発明の一態様であるのハムのケーシング充填
後の斜視図を示す。
【図8】(a) 〜(h) は本発明の種々の態様のケーシング
の断面図を示す。
【符号の説明】
1 ケーシング本体 2 原料シート 3 熱融着性の糸 4 シートの重ね合わせ部分 5 熱収縮性繊維を含む原料シート 6 熱融着性の紐

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細長い矩形状シートの縁を貼り合わせて
    筒状に成型したケーシング材において、燻煙透過性、水
    滴不透過性及び収縮性を有し、合成繊維を含む繊維組織
    からなるシートを、少なくとも1本の熱融着性を有する
    紡績糸、マルチフィラメント、モノフィラメントまたは
    組紐を、シートの縁を重ね合わせた間に挿入してシート
    を熱融着せしめて成型された、ハム、ソーセージ等のケ
    ーシング材。
  2. 【請求項2】熱融着性を有する紡績糸、マルチフィラメ
    ント、モノフィラメントまたは組紐がポリエチレン、ポ
    リプロピレンまたはポリエステルの単繊維、芯・鞘繊維
    または複合繊維からなる請求項1記載のハム、ソーセー
    ジ等のケーシング材。
  3. 【請求項3】 細長い矩形状シートの縁を貼り合わせて
    筒状に成型したケーシング材において、燻煙透過性、水
    滴不透過性及び収縮性を有し、合成繊維を含む繊維組織
    からなるシートを、少なくとも1本の熱融着性を有する
    紡績糸、マルチフィラメント、モノフィラメントまたは
    組紐を、シートの縁を重ね合わせた間に挿入してシート
    を熱融着せしめて成型されたケーシング材に肉類を充填
    して製造されたハムまたはソーセージ類。
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