JPH06227560A - 包装体及びその包装用シート - Google Patents

包装体及びその包装用シート

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JPH06227560A
JPH06227560A JP1764593A JP1764593A JPH06227560A JP H06227560 A JPH06227560 A JP H06227560A JP 1764593 A JP1764593 A JP 1764593A JP 1764593 A JP1764593 A JP 1764593A JP H06227560 A JPH06227560 A JP H06227560A
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JP
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fiber
sheet
heat
casing
meat
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JP1764593A
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English (en)
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Yasuhiko Ogi
康彦 荻
Hideaki Nagao
英明 長尾
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Daifuku Seishi Kk
Original Assignee
Daifuku Seishi Kk
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Abstract

(57)【要約】 【目的】食肉用の包装用シート及び包装体を混合物の均
一付着が容易で、端部が重ね貼り型でヒートシールが容
易にできて、高いシール強度が得られ、高い充填圧力で
食肉製品を充填できるようにする。 【構成】共重合ポリエステル複合60%とN・BKP4
0%をビータに投入し水性スラリーを調整し抄造した。
このスラリーを原紙坪量40g/m2 で抄造した。次に
長尺連続シートに溶解したプルラン、キビ色素等を印刷
した。この長尺連続シートを円筒状の型に巻付け重ね合
わせて封筒状にした両端部をヒートシーラを用いて熱融
着した。この円筒状の包装用シートを長手方向と直交す
る方向に全幅に達するヒートシーラで熱融着し、融着部
分を切断して袋状ケーシングを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はヒートシール法によっ
て製袋されて、高い破裂強度をもつ食肉製品包装用ケー
シングに使用され、内面に色素やフレーバー等を容易に
均一付着させることができて、各種食肉製品を直接に充
填して、しかも結果的に製品の色や香を容易に調節する
のに適する食肉用の包装用シート及び包装体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】肉を充填する包装材料としては、例えば
特公昭和63−38480号に多数の米国特許が紹介さ
れている。特に各種麻繊維紙に希薄ビスコースを含浸、
乾燥、再生し、チューブ状に形成してから、高濃度ビス
コースを飽充して、再生セルロース膜に紙が埋め込まれ
た筒状の包装材料が提案され、広く我が国でも使用され
てきた。これは筒状にした後に所要長さに切断し、底の
部分をミシンで縫い合わせて袋状に仕上げて食肉製品を
充填するものである。
【0003】この種の包装材料に関しては、例えば、希
薄ビスコース加工の代りに耐アルカリ性強度付与製品を
添加してを抄紙する(特公昭45−3948号)等の変
法も多数提案されている。
【0004】最近では、希薄ビスコース加工の代りにセ
ルロースカルバミン酸塩及びアルカリ性硬化樹脂から成
る結合剤を含有する包装材料(特開平4−41795
号)も提案されている。さらに、近年は食肉製品に燻煙
処理が広く行なわれる傾向がある。例えば、加工時間の
短縮と加工効果の向上を目的として色素やフレーバーを
直接に、あるいは可食性被膜形成材と併用してケーシン
グの内面に付着させて燻煙加工により食肉製品表面に転
移させる方法により色彩(及びフレーバー)の改善され
た短時間燻煙処理の可能なケーシング製造技術及びケー
シング(特開昭54−49364号、特開昭57−15
5975号、特公昭61−13790号、特公平1−1
7653号、特公平1−17654号)が開発され、実
用化されている。
【0005】しかし、これらのチューブ形成法は複雑な
作業で手間と費用がかかるため、及び色素やフレーバー
の内面への付着が困難なために、ケーシングをチューブ
状に成形して、その外面に付着させ、次いでこれを裏返
して内外面を反転させる特公昭61−13790号の方
法が実用化されている。しかしながら、この方法は特に
複雑な作業になるため、手間も費用もさらに増大する。
【0006】近年は原紙をビスコース加工して再生セル
ロース被覆を施し、次に一面に色素やフレーバーを可食
性被膜形成材として塗布し付着させた包装用シートが澱
粉糊等の可食性接着材を用いて袋状に貼り合せる使用法
と併せて提案されている。しかし、この方法は乾燥その
他で手間と時間がかかる上、接着強度が充分でなく、高
い充填圧力の品種には使用が難しく、実用化されていな
い。
【0007】特公平2−42959号では、パルプ化天
然植物繊維やレーヨン等の親水性繊維からなる層(A
層)と、疎水性でかつヒートシール性を有する熱可塑性
繊維(B層)と前記A層からなる混抄層の米坪料24g
/m2 の抄き合せ紙の少なくとも一面にビスコース加
工を施した加工紙が提案されている。
【0008】特開昭60−132756号(特公平4−
3742号)では疎水性繊維と親水性とから成るガス透
過性基材と、該基材の一部を覆う再生セルロース層から
なるガス透過性を制御できる包装用材料が提案されてい
る。
【0009】しかしながら、これら2件の材料は熱によ
り融着するが、その融着力が食肉製品包装用ケーシング
として使える程に大きくないため実用化はされていな
い。又、最近はパルプ化天然繊維植物繊維主体の紙に、
ビスコースを塗布又は含浸し、直ちにセロハン等を重ね
合わせて引き続き乾燥、再生、水洗、乾燥等を経て、ビ
スコース由来の再生セルロースを接着剤とする積層体シ
ートがヒートシール性を有しない肉の包装材料として既
に実用化されている。
【0010】本出願人は特願平3−195490号にお
いて片面にセロハンを積層し、他面をヒートシール性と
した食肉製品包装用のケーシング材料を提案している。
これらのセロハン積層材料使用のケーシングは食肉包装
用として実用化されている。特に特願平3−19549
0号のケーシング材料は非積層面に色素(及びフレーバ
ー)を可食性被膜形成材と混用して付着させ、次いで非
積層面同士を合せてヒートシーラを用いて融着させてケ
ーシングを製造し、比較的充填圧力の低い食肉製品包装
用として広く実用に供されている。これはヒートシール
によって接着剤を使用しないで高速で自動製袋ができ、
ビスコース加工により付着した再生セルロースにより紙
の耐水強度や繊維間強度、紙層間強度が改善され、紙粉
や繊維の脱落が大幅に減少する等の利点が認められた結
果である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
2−42959号等の従来の技術では期待された利点が
発揮されず、特公平2−42959号ではヒートシール
強度が例えば0.320kg/15mmと低いものであ
った。又、製袋後に加工肉製品を充填する(押し込む)
には最も低い圧力で充填する種類でも0.6kg/15
mm以上のシール強度を必要とする場合が多いため、従
来のものでは、充填時に破断が発生する場合があった。
【0012】特願平3−19540号により造られたシ
ート積層体を用いたケーシングは、ヒートシール強度が
著しく向上して、比較的低い充填圧力が適用される焼豚
等の食肉製品包装用ケーシングとしては実用に供せられ
ている。しかし、一部品種のハムやソーセージに適用さ
れる高い充填圧力に対しては、さらに高いヒートシール
強度を必要とする。
【0013】高いヒートシール強度を得るために包装材
料を厚くすることはケーシングが通常は袋状に使用され
るため、ケーシングが硬くなり、作業性が劣る結果にな
る。又、価格も上昇する。さらに、セロハン積層体は非
積層面だけを合せて熱融着により製袋するため、いわゆ
る合掌貼りとなり、比較的低い内圧でシール部が剥離す
る。しかしながら、セロハン積層面には熱融着性が無い
ため、高い内圧≒充填圧に耐える重ね貼り(封筒貼り)
によるシール部形成ができないため、合掌貼りに限定さ
れる。
【0014】この発明の目的は、シートの一面に色素、
フレーバー等の必要に応じて可食性被膜形成材を付着さ
せることができる熱融着可能なシートであって、混合物
の均一付着が容易であるとともに、端部が重ね貼り型で
ヒートシールが容易にできて高いシール強度が得られ、
あらゆる食肉製品が高い充填圧力で充填できる食肉用の
包装用シート及び包装体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、低融点で苛性アルカリによって容易に加
水分解する成分が実質的に表面を形成する繊維を第一の
繊維とし、パルプ化天然植物繊維を第二の繊維とし、主
として第一の繊維と第二の繊維から成り、少なくとも一
方面に被覆が施された包装用シートをその要旨とする。
すなわち、被覆は色素、フレーバー、皮膜形成材から選
ばれた物質を主成分とする。
【0016】又、一方の端部の表面に他方の端部の裏面
が接するように重ね合せてヒートシール法によって融着
することにより筒状又は袋状に成形したことを特徴とす
る包装体を要旨とする。
【0017】前記第一の繊維としてはヒートシールによ
って高い接着力が得られるとともにシール部分に収縮や
こじわの発生が少ない点からポリエステル系繊維が好ま
しい。ポリエチレンテレフタレートと、共重合ポリエス
テルの芯鞘構造複合繊維が良い。
【0018】すなわち、第一の繊維は、複合繊維化され
ていることが好ましく、組合せる繊維成分としては高融
点成分がヒートシールによって著しい劣化、特に、強度
低下を生じない程度に低融点成分との間に融点及び軟化
点の差があることが好ましい。この発明でいう第一の繊
維での低融点とは、食品産業で使用されているヒートシ
ール機で軟化あるいは溶融する温度特性をもつものをい
う。又、苛性アルカリによって容易に加水分解するとは
苛性ソーダ水溶液の濃度が0.1〜10%で加水分解が
進むものをいい、特に室温で浸漬し、液から引き上げて
加温する程度の作用で表面光沢が低下する程度の作用を
受けることが好ましい。
【0019】又、第一の繊維の低融点成分とは、高分子
物質であって分子にエステル結合を有するものが良い。
エステル基には、0.1〜10%苛性ソーダ水溶液で容
易に加水分解するものが多く、特にその種類は限定する
ものではない。分子の主鎖にエステル基をもつものとし
ては各種の共重合ポリエステルがあり、高融点成分であ
るポリエチレンテレフタレートと組合せて複合繊維とす
るのに適している。共重合ポリエステルとしては、酸成
分としてテレフタ−ル酸、イソフタル酸、セバシン酸、
5−スルホイソフタル酸金属塩等のジカルボン酸から2
種又はそれ以上を組合せる。あるいはジオール成分とし
てエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4
ブタンジオール、ポリエチレングリコール等から2種又
はそれ以上を組合せる。つや消剤、滑り剤等は包装材料
としての用途に由来する制約の許容する範囲内で添加し
て良い。
【0020】本発明の第一の繊維として特に好ましい特
性に表面親水性がある。表面親水性は低融点成分に5−
スルホイソフタル酸金属塩やポリエチレングリコール等
の浸水成分を用いるか、あるいは、繊維構造形成後に表
面に付与される物質によって与えられるもので良い。こ
の表面親水性によって第一の繊維は安定に分散し、その
効果はシート化終了後も継続して保持される。従って、
シートをビスコース加工してセルロースの再生被膜で被
覆する場合も、シートの第一の繊維含有率によってほと
んど変化することの無い安定した吸水度によりビスコー
スが浸透し、第一の繊維も含めてシート表面及び内部全
体を被覆し、セルロース再生被膜が接着する。
【0021】従って、得られるビスコース加工シートの
紙層内剥離強度は第一の繊維含有率が高い方が大きい値
を示す。このような表面親水性を与える代表的物質は親
水基を共重合するか、親水性高分子を混合したテレフタ
ル酸をイソフタル酸及びスルホン化イソフタル酸ナトリ
ウム塩を含むポリエステル共重合体であって、アルキレ
ンオキサイド重合体または共重合体等の混合物、又はテ
レフタル酸、イソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリ
ウム塩及及びポリエチレングリコールとエチレングリコ
ールの多元共重合体等(特開平3−180587号,特
開昭3−33837号)がある。
【0022】このような表面親水性付与物質は近年にな
って開発されたもので、この数年来ポリエステル系繊維
への応用が急速に普及し、実用化されている。従って、
この出現以前は期待できなかった効果が得られるように
なっている。
【0023】なお、低融点成分として、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、塩化ビニールポリアミド等のアルカ
リ非加水分解性主鎖を有する高分子が用いられると、ビ
スコース加工後にヒートシール強度が充分に高くならな
い。
【0024】第一の繊維と第二の繊維の他に少量のポリ
エチレンテレフタレート系繊維やポリアミド系繊維等は
混用できるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビ
ニール等の非アルカリ加水分解性で疎水性の合成繊維、
合成パルプ、又は、これらを表面に有する複合繊維はシ
ート化後の表面親水性が不足する。例えばビスコース加
工法により再生セルロース被膜被覆を行なうと、疎水性
繊維表面に充分に成膜付着しないため、部分的に被覆不
足や接着不足を生じるので、好ましくない。
【0025】繊維の太さは0.5〜5d(デニール)、
好ましくは1〜3dが良い。繊維の長さは2〜12m
m、好ましくは3〜9mmが良い。繊維に巻縮はないも
のが良いが、サイドバイドサイド型複合繊維にしばしば
発現するうねりは差し支えない。
【0026】第二の繊維は叩解可能であり、叩解度と含
有率によって緻密の程度を調節できる。第二の繊維とし
ては、マニラ麻、サイザル麻、N・BKP、L・BK
P、U・BKP、リンター、ケナフ、みつまた、楮、雁
皮、その他木材パルプ等が挙げられる。
【0027】本発明の包装用シートにおいて、第一の繊
維と第二の繊維との重量比率は、 第一の繊維:第二の繊維=95:5〜45:55 であることが好ましい。
【0028】その理由としては、第二の繊維の効果とし
て、被覆付着の均一性があるが、比率が低くなると叩解
により繊維のフィブリル化を進める等の調整を行っても
均一性が低下し、95:5よりも第二の繊維が少なくな
ると実用的に好ましくない。また、第二の繊維比率が5
5を越えるとシートのヒートシール強さが著しく低下
し、破袋の危険が増大する。
【0029】本発明のシートの形成は、第一の繊維と、
第二の繊維を水に分散させ、これを抄網を用いて湿シー
トを形成し、次いで乾燥機を用いて乾燥すると同時に繊
維間接着を行なう、紙抄き技術と抄紙機よって行なわれ
る。抄紙機は円網型、短網型、傾斜短網型、サクション
フォーマ型等の各種の型式のものを使用できる。
【0030】本発明の包装用シートに付着することが可
能な色素は、食品に使用が認められるものに限定され
る。例えば、次の様なものがある。特に、栽培植物から
抽出されるものが好ましい。 (天然色素)ラッカイン酸、カルミン酸、ケルメシン
酸、シコニン、アルカンニン、エキノクローム、クロロ
フィル、シソニン、デルフィニジン、ナスニン、クリサ
ンティミン、カリステフィン、シアニン、ブドウ果皮抽
出色素、ブドウ果汁色素、カーサミン、ブテイン、ベタ
シアニン、ベタキサンチン、赤大根色素、アンナット、
クチナシ色素、酵素処理クチナシ色素、パーム油色素、
ニンジン色素、ブラジリン、ヘマトキシリン、モナスカ
ス色素、トウモロコシ色素、アカネ色素、キビ色素、シ
ア色素、カラメル色素、等。 (合成色素)赤色2号(アマランス)、赤色3号(エリ
スロシン)、赤色102号(ニューコクシン)、赤色1
06号(アシッドレッド)。
【0031】青色1号(ブリリアントブルーFCF)、
青色2号(インジゴカルミン)。 黄色4号(タートラジン)、黄色5号(サンセットイエ
ロー)等。 (フレーバー)本発明の包装用シートに付着することが
可能なフレーバーは、燻煙処理時間を大幅に短縮あるい
は省略しても芳醇な燻煙臭が付与されるばかりでなく、
公害源となる排煙が大幅に減少できる。フレーバーとし
ては次のようなものがある。
【0032】焼肉フレーバー、燻臭フレーバー、チーズ
フレーバー、バターフレーバー、クリームフレーバー、
ニンニクフレーバー、果汁フレーバー(ミカン、バナ
ナ、モモ、イチゴ等)、各種スパイス(チョウジ、ウィ
キョウ、セージ、キャラウェー、ウコン、ショウガ、ワ
サビ、ペパー、パプリカ、チリ、シナモン、ハッカ、オ
ールスパイス等)等。
【0033】被膜形成材は繊維結合用被膜形成材と、可
食性被膜形成材とがある。繊維結合用被膜形成材を使用
する主な使用目的は繊維毛羽脱落防止にある。高圧で食
肉製品が充填されると、ケーシング内面に存在する毛羽
が脱落して食肉表層に喰い込む可能性がある。これを防
止するために比較的強靱な造膜性物質で、シートを被覆
する。繊維結合用被膜形成材としては再生セルロースが
好適であるが、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シセルロース、メチルセルロース、セルロースカルバミ
ン酸塩等のセルロース誘導体と、ポリアミドアミンエピ
クロルヒドリンのようなセルロース反応性薬品との併用
も使用可能である。
【0034】その他としては、キトサン、マンナン、プ
ルラン、その他の可食性造膜性高分子物質が利用でき
る。可食性被膜形成材については可食性の被膜形成能の
あるもので、腐敗し難いものが適する。キトサン、マン
ナン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、ペクチン酸ナ
トリウム等がある。
【0035】可食性被膜形成材の主な使用目的は色素や
フレーバーをケーシング内面に付着させる担体である。
同時に繊維結合用被膜形成材の補助効果も材質によって
は期待できる。
【0036】繊維結合用被膜形成材のケーシングへの適
用は第一の繊維と第二の繊維によるシート形成後に行な
われる。再生セルロースはビスコース塗布によって行な
われる。再生セルロース付着量は食肉製品充填後の燻煙
条件や、色素やフレーバの内面付着加工条件によって異
なるが、繊維重量の1〜50%の範囲で良いが、多くな
ると重ね合せ融着性が悪化する傾向がある。
【0037】可食性被膜形成材の適用は、繊維結合用被
膜形成材の適用後にやはりシート上で行なう。適用は水
分散液あるいはアルコール分散液として、色素やフレー
バーと混合分散して塗布、印刷等の手段で行なう。色素
や、フレーバーと可食性被膜形成材の比率は夫々の物質
によって調節するので特定できない。特に穀物抽出色素
等は可食性被膜形成材が少量でも塗布付着が可能であ
る。塗布付着はグラビア印刷機等の公知の塗布又は印刷
機を用いる。以上の構成及び方法によって本発明の包装
用シートが得られる。
【0038】ケーシング形成のためにはシートを袋状に
端部を重ね合せて融着するが、シートは一般にケーシン
グの径に応じた幅に裁断された長手方向に連続した形状
を用いる。そして、これを引出して適当な円筒状又は円
弧状のガイドを用いて長手方向の両端部が一方の表面と
他方の表面が接して重なり合うように導いてこの重なり
あった部分を電気加熱バーシーラー、インパルスシーラ
等のヒートシール装置で融着する。さらに、袋の底にな
る部分も同様の装置で融着して、この部分を裁断するこ
とによってケーシングが造られる。
【0039】
【作用】本発明による製品は袋状等に形成し、ヒートシ
ールとして接合部分を封じた後も曲げやずれへの柔軟性
をシール部分以外は必要とするため、シート形成時に第
一の繊維の低融点部分を過度に溶融することは避ける
が、その結果として層内の繊維間接着が低くなる。しか
し、ビスコース加工等の加工を行なうと、再生セルロー
ス等の被覆形成材で層全体が含浸被覆されて、層内の繊
維間接着が強化される。第一の繊維が高率で含有される
状態でも第二の繊維が含有されるため、これに再生セル
ロース等が強固に付着し、繊維間の接着が強化される。
この結果、食肉製品包装用ケーシングとして使用の際、
内面部に存在する繊維が高圧充填された食肉製品に付着
してケーシング内面から脱落することを防止できる。
【0040】ケーシング製袋後はその内面になる面に、
連続して平なシート状で色素やフレーバーを付着させる
ことができる。可食性被膜形成材を適宜組合せることに
よって、塗布機あるいは印刷機を用いて均一に高能率で
付着させることができる。ケーシング形成をヒートシー
ル装置を用いて高能率で行なっても、高い破裂強度を有
し、あらゆるハム、ソーセージ等の高圧充填(3.0K
g/cm2 以上の圧入)に耐えることが、融着強度が色
素やフレーバーを付着させた面と、付着させない面を重
ね合せてヒートシール装置で融着させることによって達
成できる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は、再生
セルロース等の被膜形成材により繊維間の接着が改善さ
れて、ヒートシール法による製袋工程や食品の充填の
際、及び包装終了後の運搬その他の取扱い時、破袋のト
ラブル発生を阻止する効果がある。
【0042】さらに、食肉製品の高圧充填によるケーシ
ング内面の繊維脱落と移行を阻止する効果がある。又、
第一の繊維によって、本発明シートの端部の表面と裏面
を重ね合わせて融着することにより、色素やフレーバー
等が一方の面に付着していても強固な接合が形成され
て、内面に色素やフレーバー等が均一に付着していなが
ら高圧充填時、及び包装終了後に破袋のトラブル発生を
阻止する効果がある。
【0043】
【実施例】低融点(低軟化点)成分と高融点成分の複合
繊維と、パルプ化天然繊維を、表1の第一の繊維の欄の
重量比率でビータに投入し、水性スラリーを調整した。
非イオン系の分散助剤を適宜使用した。
【0044】このスラリーを円網抄紙機に流送して、表
1の坪量で抄造した。なお、乾燥にはヤンキー式乾燥筒
を使用した。次に常法により溶解パルプから調整した
6.5重量%セルロースと、6%の苛性ソーダを含む熟
成度の若いビスコースを薄い苛性ソーダ水溶液で希釈
し、含浸機を用いて再生セルロース付着量が5g/m2
になるように含浸し、次いで乾燥、凝固、洗浄、乾燥等
の通常のビスコース加工に含まれる工程を適宜に施して
繊維間接着が改善された長尺連続シートを得た。
【0045】次いで、プルラン5%、アラビヤゴム0.
5%、アルギン酸ナトリウム0.5%、キビ色素5%、
レシチン少量、スモークフレーバー少量を溶解した。水
性塗料を調整し、これを水で粘度調節してグラビヤ印刷
機を用いて、前記長尺連続シートであるビスコース加工
シートの平滑面(ヤンキー乾燥機に接触乾燥された面)
に印刷した。この印刷済の長尺連続シートを幅240m
mにスリットし、外径76.2mmの円筒状の型に、円
筒の中心軸にシートの長手方向が一致するように巻付け
て、重ね合せられた両端部をヒートシーラを用いて熱融
着した。得られた円筒状の包装用シートを250mm間
隔で長手方向と直交する方向に全幅に達するヒートシー
ラで熱融着し、融着部分を切断して、袋状ケーシングを
形成した。
【0046】[ヒートシール強度]ヒートシール強度は
未加工シート及びビスコース加工シートを20℃、65
%RHの雰囲気に放置した後に、2枚を平滑面と非平滑
面が接するように重ね合せて、紙の縦方向及び横方向に
ヒートシーラに挿入し、シールを行なった。この接合部
を接合部の延びる方向と直交方向に幅15mmの試験片
を採取し、20℃、65%RHの雰囲気で一夜放置して
から、JISP8113に準じて定速伸長型引張試験機
を用いて引き剥がす最大応力を求め、ヒートシール強度
とした。その結果を表2に示す。
【0047】上記のようなヒートシーラを用いた袋状の
ケーシングを試作し、筒の径に合せてカットした塩漬け
の肉の塊を押し込み圧力1.41Kg/cm2 にて押し
込んだところ、実施例の1,2,3,4,5,6,の袋
は破袋しなかったが、比較例1は65%、比較例2は全
量破袋した。又、実施例の肉を圧入した袋を1週間後に
開いたところ、内面の毛羽の肉への移行は認められなか
った。
【0048】実施例1,2,3,4,5,6の肉入り袋
はスモーク(燻煙処理)も正常に行なわれたが、比較例
1,2は十分に行なうことができなかった。特に比較例
2は殆どスモークの効果がなかった。
【0049】なお、表1において、共重合ポリエステル
複合とは、共重合ポリエステル(軟化接着温度110
℃)を鞘、ポリエチレンフタレートを芯とするもので、
共重合ポリエステル系親水性処理剤を用いて表面親水化
したものである。その太さは2d、繊維長5mmの複合
繊維である。
【0050】又、低融点ポリオレフィンPP複合とは、
共重合ポリオレフィン(軟化接着温度110℃)を鞘、
ポリプロピレンを芯とするもので、その太さは2d、繊
維長5mmの複合繊維である。
【0051】又、ポリエチレン系合成パルプとは、ポリ
エチレンを微細にフィブリル化した形状に繊維化し、さ
らに親水化処理が施されたもので、「SWP」(三井石
油化学工業株式会社製)の商品名で市販されている。
【0052】なお、表2の中の紙層内剥離強度は、紙の
層内の繊維間接着強さの尺度となる値で、特に、接着剥
離力に対する紙層内破壊抵抗力の重要な尺度となる。従
って、ケーシングの破裂に対する抵抗力の一つの尺度に
なり得る。さらに、繊維の脱落に対する抵抗力の尺度に
もなる。
【0053】本発明の実施例で使用された第一繊維が有
する親水性は抄紙中および抄紙後の乾燥された紙でも保
持される。実施例1と4では第一の繊維の含有率が60
%と90%と大幅に異なっている。にもかかわらず、吸
水度(JISP8141,クレム法による吸水度測定
法)は35mm/1分と33mm/1分とほぼ同等で、
NBKP100%紙の値36mm/1分と較べてもほぼ
同等であった。ビスコース加工による再生セルロース付
着量も原紙坪量40g/m2 に対して、実施例1が4.
8g/m2 ,実施例4が4.5g/m2 と差が著しく小
さい。含まれる木材パルプが40%と10%と大きく異
なっても同一条件で加工して付着量の差が少ない。
【0054】本発明に使用される第一の繊維は例えば特
開昭60ー132756号、および、本発明の比較例
1、2において使用された合成繊維や合成パルプのよう
に親水性が劣り、ビスコース加工の効果も部分的なもの
と異なり、ビスコース加工の浸透もよく、再生セルロー
スによる被覆が十分に行われていると考えることによっ
て本発明の効果が理解できる。
【0055】ビスコース加工による再生セルロース付着
の効果は、繊維の脱落防止効果が主となる。特に第二の
繊維(パルプ化天然植物繊維)に対して効果が大きい。
共重合ポリエステル複合繊維は乾燥工程等の熱処理の効
果が大きい。実施例1では紙屑内剥離強度はビスコース
加工で51g/m2 増加するが、実施例3では25g/
2 であった。この効果は含有されるパルプ化天然植物
繊維の含有率と大きく相関している。従って、再生セル
ロースやその他セルロース系皮膜形成材の効果は第二の
繊維の含有率が著しく小の場合は省略できる。
【0056】[封筒法と合掌法の比較]封筒法と合掌法
とのヒートシールでの違いを図1に示す。坪量を40g
/m2 ,ヒートシールの条件を190℃×2Kg/cm
2 ×2秒とする。この条件下で共重合ポリエステル複合
繊維と親水性繊維の混合比率をそれぞれ(90%、10
%)、(80%、20%)、(70%、30%)、(6
0%、40%)とした。なお、図2は封筒法、図3は合
掌法での包袋体1の断面図を示している。
【0057】いずれの混合比率においても縦、横両方向
に封筒法は高い強度を有することがわかる。なお、この
発明は前記実施例に限定されるものではなく、この発明
の趣旨から逸脱しない範囲で任意に変更することも可能
である。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】合掌法と封筒法によるヒートシール強度を示す
特性図である。
【図2】封筒法の断面図である。
【図3】合掌法の断面図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】特公平2─42959号では、パルプ化天
然植物繊維やレーヨン等の親水性繊維からなる層(A
層)と、疎水性でかつヒートシール性を有する熱可塑性
繊維(B層)と前記A層からなる混抄層の米坪量24g
/m2 の抄き合せ紙の少なくとも一面にビスコース加工
を施した加工紙が提案されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】ビスコース加工による再生セルロース付着
の効果は、繊維の脱落防止効果が主となる。特に第二の
繊維(パルプ化天然植物繊維)に対して効果が大きい。
共重合ポリエステル複合繊維は乾燥工程等の熱処理の効
果が大きい。実施例1では紙層内剥離強度はビスコース
加工で51g/15mm増加するが、実施例3では25
g/15mmであった。この効果は含有されるパルプ化
天然植物繊維の含有率と大きく相関している。従って、
再生セルロースやその他セルロース系皮膜形成材の効果
は第二の繊維の含有率が著しく小の場合は省略できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 8/14 D 7199−3B D21H 23/04 17/36 13/24 7199−3B D21H 5/20 D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低融点で苛性アルカリによって容易に加水
    分解する成分が実質的に表面を形成する繊維を第一の繊
    維とし、パルプ化天然植物繊維を第二の繊維とし、主と
    して第一の繊維と第二の繊維から成り、少なくとも一方
    面に被覆が施されたことを特徴とする包装用シート。
  2. 【請求項2】第一の繊維が共重合ポリエステルとポリエ
    チレンテレフタレートの複合繊維である請求項1に記載
    のヒートシール性包装用シート。
  3. 【請求項3】第一の繊維と第二の繊維との重量比率が 第一の繊維:第二の繊維=95:5〜45:55 であることを特徴とする請求項1に記載の包装用シー
    ト。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載のヒート
    シール性包装用シートにおいて、被覆は複数の被覆処理
    にてされたものであることを特徴とする包装用シート。
  5. 【請求項5】低融点で苛性アルカリによって容易に加水
    分解する成分が実質的に表面を形成する繊維を第一の繊
    維とし、パルプ化天然植物繊維を第二の繊維とし、主と
    して第一の繊維と第二の繊維から成り、少なくとも一方
    面に被覆が施されたシートの被覆面を内面としてヒート
    シールにより筒状又は袋状に成形した包装体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008003121A1 (en) * 2006-07-04 2008-01-10 Russell Leslie Burton Paper strengthening methods and apparatus
JP2016190685A (ja) * 2016-07-21 2016-11-10 Oci株式会社 食品用ネット付ケーシング
CN108130802A (zh) * 2017-12-14 2018-06-08 九洲生物技术(苏州)有限公司 用于火腿肠类食品的包装体
WO2019059225A1 (ja) 2017-09-22 2019-03-28 株式会社巴川製紙所 熱可塑性繊維シート

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