JP3952261B2 - 食品包装材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は食品を包装する不織布資材に関する。さらに詳しくは、取り扱い性にすぐれ、食品の加熱処理あるいは燻製製造に好適に用いられる食品包装材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品包装材用途では、不織布やフィルムなどが広く用いられている。食品の加工処理方法は種々様々であり、本発明の主たる目的のひとつである食材の加熱処理あるいは燻製食品製造用資材としては、従来、コラーゲンのフィルムやセルロース系フィルムなどが用いられてきた。最近、欧州で狂牛病や口蹄疫などが問題となっており、食品関連用途に用いられるコラーゲンの使用の安全性に疑問視される場合が出てきた。一方、セルロース系フィルムの製造に関しては、環境問題意識のたかまりから廃水処理基準も厳しくなりつつあり、製造により生じる廃液処理の問題から製造が容易ではなくなってきた。
【0003】
上記の問題を回避する方法として、不織布などの多孔質材料を用いることも、場合により可能である。しかしながら、水分の多い食材を加熱処理あるいは燻製処理する際に水分の移動をできるだけ抑制したい場合には、このような素材を用いることは容易ではない。例えば、含水率の高い調味料を含ませた肉を燻製処理した場合には、肉汁を含む液体が必要以上に多孔質材料を通過して包装材の内部や表面まで浸透した状態で固化してしまい、包装材を除去するとスモークによる着色層がいっしょに剥離してしまうために着色やフレーバー成分が製品にあまり残らないなどの問題を生じる場合が少なくなかった。
【0004】
一方、通常の透湿性の低いフィルムを用いた場合には、燻製処理に用いた場合にスモーク成分の透過が不十分であり、色づきや香りの付与が不十分になるという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水分の過度の移動を抑制するがスモーク成分などガス成分の移動が可能な食品包装材を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる問題点を解決するため、本発明では安価で作業性のよい食品包装材を提供することを目的として以下の手段をとる。
【0007】
すなわち、第1の発明は、繊維径が3〜20ミクロン、目付けが5〜50g/m2の不織布に、厚みが5〜50ミクロンの透湿防水性膜を複合したことを特徴とする食品包装材である。
第2の発明は、繊維径が3〜20ミクロンで複合繊維を含む繊維からなる目付けが5〜50g/m2の不織布が、平滑カレンダー処理されてなり、かつ通気度が0〜20cc/cm2・秒の透湿防水性シートであることを特徴とする食品包装材。
【0008】
第3の発明は、前記透湿防水性膜が、ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルよりなることを特徴とする第1に記載の食品包装材である。
さらに第4の発明は、透湿度が50〜20000g/m2・24時間、耐水圧が50〜20000mmAqの間にあることを特徴とする第1〜3のいずれかに記載の食品包装である。
【0009】
また、第5の発明は、前記不織布の材料が、エチレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレート及びブチレンテレフタレートのうちの繰り返し単位の少なくとも1種を有するホモポリマーまたはコポリマー及びこれらのポリマーのブレンド物からなる群から選ばれるポリマーであることを特徴とする第1〜4のいずれかに記載の食品包装材である。
そして第6の発明は、前記不織布があらかじめカレンダー加工処理されており、厚みが0.03〜0.5mmであることを特徴とする第1〜4のいずれかに記載の食品包装材である。
【0010】
さらに第7の発明は、前記不織布あるいは前記透湿防水性膜の表面の少なくとも何れか1箇所に、着色剤あるいはスパイス成分を印刷したことを特徴とする第1〜6のいずれかに記載の食品包装材である。
そして第8の発明はスモーク処理に用いられることを特徴とする第1〜7のいずれかに記載の食品包装材である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における食品包装材を構成する透湿防水性膜は、適度な透湿性、すなわちガス成分の通過が可能であり、かつ過度の水分の移動を抑制することが可能であるため使用される。該透湿防水性膜は、透湿性が高くかつ耐水圧を高くできるために無孔の膜であることが好ましいが、有孔タイプでも良く、使用条件に合わせた素材を選定することが可能である。
【0012】
本発明における透湿防水性膜を形成するポリマーは、ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルよりなることが好ましい。
ブロック共重合ポリエステルよりなる無孔膜はソフトセグメント部に水分子を吸着させ、アモルファス樹脂層内部を水分子が浸透あるいは拡散していくことより透湿性が得られるものと推定される。例えばソフトセグメントとして、グリコール成分を共重合する量を増やしていくことで透湿度は向上していくが、樹脂自身の強度は低下していく。共重合ポリエステルのハードセグメント成分としては、芳香族ポリエステルあるいは脂環族ポリエステルあるいはそれらの誘導体あるいはそれらの混合物などから選択され、ソフトセグメント成分としてはポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)ブロックポリグリコール、脂肪族ポリエステルなどから選択される事が好ましい。また、ブロック共重合体ポリエステルは弾性があり伸びが比較的大きいために食材の形への追随性が良くなる場合が多く、この観点からも好ましい。
【0013】
本発明における透湿防水膜の透湿度は、50〜10000g/m2・24時間の間にあることが好ましく、特に好ましくは2000〜10000g/m2・24時間、更に好ましくは3000〜10000g/m2・24時間である。また、耐水圧は50〜20000mmAqであることが好ましく、より好ましくは200〜20000mmAqであり、特に好ましくは500〜20000mmAqである。
【0014】
透湿防水膜は、透湿度や耐水圧を所望の範囲に設定するためにブロック共重合ポリエステルよりなる無孔フィルムである場合には、膜厚みが5〜50ミクロンである。膜厚みが50ミクロンより厚いと耐水圧を高くすることが可能であるが透湿性に劣るという問題点を生じやすい。一方、膜厚みが5ミクロンより薄いと水圧がかかった際に膜の破壊が生じるために耐水圧を高く取ることが困難となる。また、膜が薄すぎるとハンドリング時や使用状態において膜の破壊が起こりやすいという問題がある。なお、包装材に処理される食品を入れる際に穴あけ加工をして気泡の抜けをよくすることがあるが、本発明で規定する透湿度や耐水圧は加工以前の値を意味するものであり、すでに穴明きがある場合はその孔を適当な樹脂などで孔を埋めて測定を行う。
【0015】
本発明において無孔透湿防水性膜の原料として好適に用いられる、ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルは、融点150〜230℃の間にあり、メルトフローレイト(MFR)が230℃で10〜150g/10分の間にあることが好ましい。ポリエステルの融点はソフトセグメントの構造と構成比率により決定されるが、耐水圧や透湿度を所望の値に設定するためにはこの温度域にあることが好ましい。また、MFRが230℃で10〜150g/10分前後であることが好ましい。本発明で使用される共重合ポリエステルは180〜230℃前後で加工することが膜の加工性の観点から特に好ましい。つまり、膜の厚みや幅の変動を小さくするためにはこの範囲のMFRにあることが好ましい。MFRが150g/10分より高くなるとサージングなどの影響により幅の変動が大きくなりやすい場合がありあまり好ましくなく、MFRが小さくなりすぎると膜を本発明の目的とする薄さに成形することが困難であった。
【0016】
本発明で用いられる透湿防水性膜は、補強材となる不織布と接合される。この不織布の繊維径は3〜20ミクロンであることが好ましく、より好ましくは5〜16ミクロンである。繊維径を細くすることで膜の破壊や剥離を生じにくくすることが可能となる。膜の厚みが平均繊維径の1/2より薄くなると、膜が破れたりあるいは繊維層から剥離するという問題を生じやすい傾向がある。一方、繊維径が3ミクロンより細い場合には補強効果が小さくなるという問題を生じやすい。なお、繊維径は平均値を代表値として考えることが、嵩高性や伸縮性を出すためにそれより太い繊維を重量分率で30%程度までなら混合しても本発明の目的を阻害しない。従って,平均繊維径は全体の繊維の中で細い方から70%だけを取り出して計算すればよい。太い繊維が過度に混合されると、包装材の表面の平滑性が悪くなるためあまり好ましくない。
【0017】
本発明で用いられる不織布は、ポリエステル系不織布であることが強度や耐熱性の観点から好ましい。ここで、不織布を構成するポリエステルは、エチレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレート及びブチレンテレフタレートのうちの繰り返し単位の少なくとも1種を有するホモポリマーまたはコポリマー及びこれらのポリマーのブレンド物からなる群から選ばれるポリマーである。具体的例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのホモポリマーやこれらの共重合物あるいはブレンド物が挙げられる。ポリエステル系不織布はブロック共重合ポリエステル膜と積層接着して用いる場合に接着性が良く、接合の前に特別な表面処理などをして接着性を改善するなどの必要がないため好ましい。膜との接着性の観点からより好ましくは、膜を形成するブロック共重合ポリエステルである。これは、湿潤下において透湿性の高いブロック共重合ポリエステルが膨潤しやすいことから、基材である不織布と膨潤率が異なり剥離を生じる場合があるという問題の解決につながるものである。あるいは、化学的な結合力を高めるためには、ブロック共重合体の構成モノマーのうちから、一種あるいは複数のモノマーを選択して重合させたものであることが特に好ましい。一方、ポリオレフィン系の不織布では接着力が弱く、使用中に剥離の問題を生じる場合があり、慎重な素材の選択が重要となる。ポリエステル系不織布は、必要に応じてコロナ処理などを行うことにより、さらに接着性を改善することも推奨される。また、不織布の原料には、適当な酸化防止剤や耐候材、滑材、着色剤などを混合することも可能である。
【0018】
本発明で用いられる不織布の形態としては特に規定されるものではないが、長繊維不織布が強度特性に優れており、表面が平滑であるため膜との密着性がよくなることから接合状態が良くなり特に好ましい。短繊維を用いた場合には風合いが柔らかくなり包装材がしなやかになるため、食品が柔らかい場合に特に好ましい形態のひとつである。
【0019】
不織布を構成する繊維は複合繊維であることが好ましく、これにより低融点成分のみを溶融させてフィルム化させることが可能となり、食品との剥離性や着色剤やスパイスなどの印刷性を向上させることが可能である。エンボス加工により部分接着された不織布は、透湿防水性膜の貼り付けの有無に係わらず、食品に凹凸がつくったり、印刷の均一性があまりよくなかったりする可能性があるため、再度平滑カレンダー処理をすることが好ましい。食品と接触する面の不織布層のエンボスの深さが0.5mmより深いとその傾向が顕著となりあまり好ましくない。
【0020】
また、不織布の目付けは5〜50g/m2である。目付けが小さすぎると補強効果が十分得られにくいため好ましくなく、目付けが高すぎると本発明の目的である薄くて軽量な透湿防水シートとならないだけでなく、シートが硬くなりすぎて折り曲げ時に骨立ちが生じて、透湿膜層の破壊が起こりやすいという問題点が生じやすい。
【0021】
また、不織布はカレンダー加工処理されていることが望ましい。より好ましくは、厚みが0.03〜0.35mmになるように平滑化されていることが好ましい。カレンダー加工処理されることで、シートの表面平滑性をあげ、透湿防水性膜との接着強度をあげたり、食品と包装材の剥離性を大幅に向上させたりすることができる。カレンダー加工処理以外には、風合いを柔らかくしたり、繊維の交絡を良くしたりする目的で、ニードルパンチ加工や水流交絡加工を行うことも好ましい形態のひとつであるが、不織布表面があまり毛羽立つと膜との接着性がるので注意が必要である。樹脂などのバインダーにより不織布と膜の接着性を上げることも可能であるが、膜との接着性に考慮する必要がある。シートの厚みは厚すぎると膜との密着性が悪くなり、薄すぎるとペーパーライクな硬い風合いになるためあまり好ましくない。特に、厚みが大きすぎたり風合いが硬すぎたり下場合には、食品を包装材で包み込んだ際の末端固定部での皺が入りやすくなるなどの問題がありので好ましくない。
【0022】
不織布と透湿防水性の膜の複合方法は特に規定されないが、押し出しラミネート法で積層接着処理されることが、接着強度やコストなどの観点から特に好ましい形態のひとつである。ここで押し出しラミとは、Tダイより透湿性の樹脂を補強不織布とほぼ同じ幅で押し出してフィルム状の膜にして5〜30cmくらいのオフセットで補強不織布と接触させたのにローラで挟み込んで接着をさせると同時に膜を冷却する手法をいう。本発明で好適に用いるブロック共重合ポリエステルの場合には粘着性が高いためにロールからの剥離性が悪くなることから工程通過性悪くなる場合があるため、少なくとも膜と接触させる側のロールはPTFEなど離型性の良い樹脂でコーティングされていること、あるいはマット加工されていることが好ましい。
【0023】
また、本発明でブロック共重合ポリエステルよりなる膜層を用いる場合には、結晶構造を安定化させて伸長回復性や寸法安定性を改善する目的で100〜180℃の間の温度で1〜120分程度熱処理を行うことも好ましい。これにより引っ張り変形などを受けた際の膜の伸長回復性や形態安定性を改善することが可能である。
【0024】
透湿防水性膜を用いないで食品包装材用の透湿防水シートを得る場合は、繊維径が3〜20ミクロン、目付けが5〜50g/m2であり、かつ複合繊維を含む不織布を平滑カレンダー処理して、フラジール通気度が0〜20cc/cm2・秒になるよう設定する方法がある。不織布に複合繊維を含ませてカレンダー平滑化させることが、通気度のコントロールの観点からも必要である。また、この平滑化処理により、食品との剥離性がよくなる。複合繊維としては、芯鞘型の繊維が好ましく、特に好ましくは芯成分がポリエステルあるいはポリプロピレンであることが好ましく、鞘成分はポリエステルあるいはポリエチレンあるいはその共重合物であることが好ましい。これらの成分を用いることにより耐熱性や表面平滑性を良くすることが可能であった。通気度は、0〜20cc/cm2・秒の間にあることが、食品加工性の観点から好ましく、さらに好ましくは0.1〜10cc/cm2・秒であり、特に好ましくは2〜10cc/cm2・秒あった。通気度が小さすぎると、スモーク成分の移動が抑制されてあまり好ましくない。通気度が大きすぎると、肉汁などが過度に通過することにより、包装材除去時に色成分もいっしょに剥離除去されてしまいあまり好ましくない。通気度が0〜0.1である場合には、不織布の繊維自身が透湿防水性のあるもの、例えば本発明の膜の構成材料として用いられるブロック共重合ポリエステルなど、であることが好ましい。
【0025】
本発明の透湿防水シートは、透湿度が50〜20000g/m2・24時間、耐水圧が100〜20000mmAqであることが好ましい。透湿度が前記の間にあると、ガス成分の移動が阻害されることがないため好ましい。透湿度が20000g/m2・24時間以上でもあまり問題はないが、熱や紫外線などに対する耐久性が低下しやすいのであまり好ましくない。耐水圧が20000mmAqを超えることはあまり問題ないが一般的に風合いが硬くなる場合が多くなる。
【0026】
また、不織布あるいは膜の表面の少なくとも何れか1箇所に、食紅などの着色剤あるいはコショウなどのスパイス成分を印刷することも好ましい。スパイス成分や着色成分などが転写されることで外観を良くしたり、味の改善を図ったりすることが可能となる。また、透湿防水性膜を用いない場合には、肉汁などの液体の透過を制御することにもなり好ましい。また、食品と包装材の剥離性の改善にも役立つ場合が多く好ましい。透湿防水性膜を用いない場合には、印刷を行うことにより印刷成分層が肉汁などの液体移動の抑制にも役立つことから特に好ましい。
【0027】
さらに、食品を包装材に充填あるいは包み込む際に空気抜けを促進して密着性をあげるために孔あけ加工をおこなうことも好ましい。この場合は直径が約1mm以下の孔を0.1〜10mmピッチくらいであけることが特に好ましい。
【0028】
【実施例】
次に本発明を具体的な実施例で説明する。
本発明で使用される測定法は以下のとおりである。
(透湿度)
JIS−L1099の[4.1.1(A−1法)塩化カルシウム使用、φ70mm]により測定した。
(耐水圧)
JIS−L1902の[5.1 B法(高水圧法)]により測定を行った。
【0029】
(繊維径)
走査型電子顕微鏡により適当な倍率で写真撮影を行い、ランダムに繊維を20〜200程度選んで各繊維の側面間の距離を測定した。撮影倍率より換算して円断面を仮定して繊維径を測定した。繊維径の分布は一般的に釣り鐘型の正規分布に準じた形となるが、異なった繊維径の繊維が混合された場合などはピークが複数存在するため、繊維径が細いほうから70%に相当する分だけ選択して平均値を計算した。
(通気度)
JIS L 1096 A法(フラジール法)に準じて、1.27mmAqの差圧下での空気通過量を測定した。
【0030】
(実施例1)
ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルである東洋紡績株式会社製ペルプレン樹脂GP550(230℃のMFR34、融点174℃)を230℃でTダイにより押し出し、15cmのオフセットをおいて20g/m2の東洋紡績株式会社製ポリエステル製スパンボンド不織布(エクーレ、平均繊維径14ミクロン)と接触させて平均12ミクロンの厚みになるようにして貼り合わせた。得られた不織布の透湿度8400g/m2・24時間、耐水圧は1500mmAqであった。該包装材に気泡抜きを目的として約2mmピッチで直径約0.2mmの孔をあけた後、ハム工場で液体状の調味料を添加した肉を包んで燻製処理を行ってハムを製造したところ、色づきやフレーバーの付与がうまく行われた。コラーゲンフィルムを用いたのと同じ外観や味が得られ全く問題がなかった。
【0031】
(実施例2)
ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルである東洋紡績株式会社製共重合ポリエステル樹脂のペルプレンP40H(190℃のMFR10、融点172℃)を205℃でTダイにより押し出し、15cmのオフセットをおいて実施例に用いたスパンボンド不織布と接触させて平均12ミクロンの厚みになるようにして貼り合わせた。得られた不織布の透湿度3300g/m2・24時間、耐水圧は2700mmAqであった。実施例1と同じ方法でハムを製造したが、良好な着色性、フレーバー付与が可能であった。
【0032】
(実施例3)
ブロック共重合ポリエステル(東洋紡績株式会社製GP550)を鞘部、ポリエチレンテレフタレートを芯成分とする平均繊維径が14ミクロンの複合繊維100%よりなり、カレンダー処理により目付け15g/m2、厚み0.06mmに調整した短繊維不織布を作成した。得られた不織布の透湿度19300g/m2・24時間、耐水圧は120mmAqであった。表面に着色層を印刷して後、実施例と同じ方法にてハムを製造した。良好な着色性、フレーバー付与が確認された。
【0033】
(比較例1)
実施例1において膜を形成する樹脂を低密度ポリエチレンとして、205℃でTダイにより押し出し、15cmのオフセットをおいて20g/m2の接触させて平均12ミクロンの厚みになるようにして張り合わせた。得られた不織布の透湿度34g/m2・24時間、耐水圧は3800mmAqであった。実施例1と同じ方法でハムを製造したが、着色は全く認められず、フレーバーも極わずかで問題であった。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、液状水の透過を抑制するがスモーク成分などガス成分の移動が可能で取り扱い性にすぐれ、食品の加熱処理あるいは燻製製造に好適に用いられる食品包装材を提供することを可能となる。また、本発明の不織布は衣料用途や各種殺菌包装用資材、ルーフィング材、ハウスラップ材、調湿膜などの工業資材、マルチシートなどの農業資材などの用途にも利用可能である。

Claims (6)

  1. 繊維径が3〜20ミクロンの繊維からなり、目付けが5〜50g/mの不織布に、厚みが5〜50ミクロンのハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルよりなる透湿防水性膜を複合したことを特徴とするスモーク処理に用いられる食品包装材。
  2. 繊維径が3〜20ミクロンで複合繊維を含む繊維からなる目付けが5〜50g/mの不織布が、平滑カレンダー処理されてなり、かつ通気度が0〜20cc/cm・秒の透湿防水性シートであることを特徴とするスモーク処理に用いられる食品包装材。
  3. 透湿度が50〜20000g/m・24時間、耐水圧が50〜20000mmAqであることを特徴とする請求項1又は2に記載の食品包装材。
  4. 前記不織布の材料が、エチレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレート及びブチレンテレフタレートのうちの繰り返し単位の少なくとも1種を有するホモポリマーまたはコポリマー及びこれらのポリマーのブレンド物からなる群から選ばれるポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食品包装材。
  5. 前記不織布があらかじめカレンダー加工処理されており、厚みが0.03〜0.5mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食品包装材。
  6. 前記不織布あるいは前記透湿防水性膜の表面の少なくとも何れか1箇所に、着色剤あるいはスパイス成分を印刷したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の食品包装材。
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