JP6910159B2 - 調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、調理器に関し、特に、調理器の調理容器内の圧力を減圧する機能を有する調理器に関する。
特許文献1には、密閉された調理空間を有する調理容器を備えた調理器が記載されている。この調理器の調理容器には、例えば食材及び調味液が収容される。なお、調味液は、食材の調味をするための液体である。特許文献1に記載された調理器は、調理容器内の圧力を、負圧に減圧した後に常圧に戻す工程を連続して繰り返す。これにより、特許文献1の調理器では食材に調味液を浸透させている。
特開2008−73309号公報
調理容器内の圧力を負圧に減圧した後に常圧に戻すと、調理容器に収容されている液体が飛び跳ねてしまう場合がある。この液体が飛び跳ねると、液体とともに調理容器内に収容されている食材が跳ねてしまい、食材が崩れて形が悪くなることがある。また、調理容器に収容されている液体が飛び跳ねると、調理容器の側壁及び蓋の下面等に液体が付着し、調理容器及び蓋等が汚れてしまうことがある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、調理容器に収容されている液体が飛び跳ねてしまうことを抑制することができる調理器を提供することを目的としている。
本発明に係る調理器は、本体と、開口部を含み、本体に取り付けられ、食材を収容する調理容器と、調理容器の開口部に設けられ、調理容器を閉塞する閉塞手段と、調理容器内の圧力を負圧に減圧する減圧手段と、減圧手段で減圧された調理容器内の圧力を上昇させるように構成されている圧力変更手段と、調理モードを複数有し、調理モードに応じて圧力変更手段を制御する制御装置と、を備え、圧力変更手段は、圧力の上昇速度を、第1の上昇速度と、第1の上昇速度よりも圧力の上昇速度が高い第2の上昇速度とに、切替自在に構成されており、制御装置は、複数の調理モードのうちのいずれかの調理モードの動作開始が指示されると、減圧手段により調理容器内の圧力を減圧した後、圧力の上昇速度が、指示された調理モードに対応して予め設定された第1の上昇速度又は第2の上昇速度となるように圧力変更手段を制御するものである
本発明によれば、上記構成を備えているので、調理容器に収容されている液体が飛び跳ねてしまうことを抑制することができる。
実施の形態の調理器を模式的に示す断面図である。 実施の形態の調理器の本体及び調理容器を模式的に示す断面図である。 実施の形態の調理器の外蓋及び内蓋等を模式的に示す断面図である。 実施の形態の調理器の調圧部の説明図である。 実施の形態の調理器のシステム構成の概略を示す図である。 実施の形態の調理器が備える染み込みモードの説明図である。 実施の形態の調理器が備える真空保存モードの説明図である。 調理容器内の圧力を負圧から常圧に戻す場合に、調理容器内の圧力の上昇速度を変えることを説明する図である。 調圧部によって調理容器内の圧力を上昇させる場合、及び、加熱コイルによって調理容器内の圧力を上昇させる場合を説明する図である。 制御装置の構成例を示す図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。本開示では、重複する箇所については適宜に簡略化又は省略する。なお、本開示は、以下の実施の形態で説明する構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。また、本開示の図面では、各構成部材の大きさ及び各構成部材の形状は、説明のために便宜的に示しており、その大きさ及び形状に限らない。
実施の形態.
図1Aは、実施の形態の調理器100を模式的に示す断面図である。図1Bは、実施の形態の調理器100の本体1及び調理容器2を模式的に示す断面図である。図1Cは、実施の形態の調理器100の外蓋及び内蓋等を模式的に示す断面図である。図1Bでは、説明の便宜上、本体1と調理容器2とを離した状態で示している。図1Cでは、説明の便宜上、内蓋7と外蓋8とを離した状態で示している。また、図1Cでは、説明の便宜上、ポンプ14及び圧力センサ18の図示を省略している。
実施の形態では、調理器100に収容する収容物を食材と称する。食材は、例えば肉、魚及び野菜である。また、実施の形態では、食材に例えば味付けをするために調理器100に収容する収容物を調味液と称する。調味液は、例えば調味料及び水である。調理器100は、食材を調理するモードとして、染み込みモード及び真空保存モードを備えている。
調理器100は、本体1と、調理容器2と、内蓋7と、外蓋8と、調圧部12と、パッキン13A〜13Dとを備える。また、調理器100は、ポンプ14と、操作表示部15と、カートリッジ20とを備える。更に、調理器100は、制御装置16(図3参照)と、圧力センサ18と、カバー19とを備える。本体1は、筐体3と、加熱コイル4と、温度センサ5と、圧縮バネ6とを備える。なお、調圧部12は本発明における圧力変更手段に対応する。また、ポンプ14は本発明における減圧手段に対応する。
調理容器2は、有底の鍋状部材である。調理容器2は、底部2Aと周面部2Bとを有している。底部2Aは、調理容器2の下部に位置している。周面部2Bは、例えば円筒形状をしている。周面部2Bには、側壁2B1が形成されている。調理容器2の上部には、開口部2Cが形成されている。調理容器2の上部には、開口部2Cの外側に配置されているフランジ2Dが形成されている。調理容器2は、本体1の筐体3に取り付けられている。調理容器2は、筐体3とは一体ではなく、筐体3から取り外すことができる。なお、調理容器2と筐体3とは一体であってもよい。
筐体3は、筐体3の外側表面が形成されている外郭部3Aと、外郭部3Aよりも内側に配置されている凹状部3Bとを有している。凹状部3Bには、調理容器2が載置される。筐体3の上部には、開口部3Cが形成されている。外郭部3Aと凹状部3Bとの間には、加熱コイル4等が配置される中空部3Dが形成されている。凹状部3Bには、底部3B1と、底部3B1に形成された孔部3B2とを有している。底部3B1は、筐体3に調理容器2が取り付けられている状態において、調理容器2の底部2Aと対向する。孔部3B2は、底部3B1の中央部に位置している。
加熱コイル4は、螺旋状のコイルである。加熱コイル4は、中空部3Dに配置されている。加熱コイル4は、例えば底部3B1に取り付けられる。なお、加熱コイル4は、底部3B1以外の部分に取り付けられていてもよい。加熱コイル4は、底部3B1を挟んで調理容器2の底部2Aに対向している。加熱コイル4には、高周波の電流(電力)が供給される。加熱コイル4は、電磁誘導によって調理容器2を発熱させる。
温度センサ5は、調理容器2の温度を検出する。温度センサ5は、底部3B1の孔部3B2に配置されている。温度センサ5は、調理容器2の底部2Aと接触する上面5Aを備えている。上面5Aは、筐体3に調理容器2が取り付けられていてもいなくても、底部3B1の上面UPよりも上側に位置している。温度センサ5は、圧縮バネ6に取り付けられている下面5Bを備えている。温度センサ5の下部には、圧縮バネ6が取り付けられている。
圧縮バネ6は、温度センサ5を支持する。圧縮バネ6は、中空部3Dに配置されている。圧縮バネ6は、温度センサ5の下側に位置している。調理容器2が筐体3に取り付けられると、調理容器2の重みによって圧縮バネ6が縮む。このように、圧縮バネ6が縮むことで、調理容器2を筐体3に取り付けたときに、調理容器2の底部2Aが破損すること及び温度センサ5の上面5Aが破損すること、を回避することができる。また、圧縮バネ6が縮むことで、温度センサ5は圧縮バネ6に上側に押される。このため、調理容器2の底部2Aと温度センサ5の上面5Aとの接触がより確実となり、温度センサ5の調理容器2の温度の検出精度の低下を抑制することができる。
内蓋7は、例えば椀状に構成される。内蓋7は、例えば外蓋8に着脱自在に固定される。内蓋7は、調理容器2の開口部2Cに設けられている。内蓋7は、調理容器2の開口部2Cを閉塞する。内蓋7が調理容器2の開口部2Cを閉塞した状態では、内蓋7及び調理容器2には、調理空間SPが形成される。外蓋8には開口部7C及び開口部7Dが形成されている。開口部7Cにはポンプ14が配置され、開口部7Dには圧力センサ18が配置されている。内蓋7は、本発明の閉塞手段に対応する構成である。
外蓋8は、例えば椀状に構成される。外蓋8は、例えばヒンジ等を介して筐体3に取り付けられる。外蓋8がヒンジによって筐体3に取り付けられている場合には、外蓋8はヒンジを支点として回転する。外蓋8を開閉することで、外蓋8に固定された内蓋7が外蓋8とともに移動する。すなわち、外蓋8を開くことで、内蓋7が調理容器2の開口部2Cを開放する。また、外蓋8を閉じることで、内蓋7が調理容器2の開口部2Cを閉塞する。外蓋8には開口部8B及び開口部8Cが形成されている。開口部8Bにはポンプ14が配置され、開口部8Cには圧力センサ18が配置されている。
内蓋7の内周面7Aには、パッキン9が取り付けられている。パッキン9は、調理空間SPの密閉性を向上させるシール部材である。内蓋7が調理容器2の開口部2Cを閉塞している状態では、パッキン9は、フランジ2Dに配置されている。パッキン9は、内蓋7の内周面7Aと調理容器2のフランジ2Dとの間の隙間を埋めている。
内蓋7の下面7Eには、カバー19が設けられている。カバー19は、内蓋7のうち開口部7C、開口部7D及び通気孔10の形成された部分に対向して設けられている。
内蓋7には、通気孔10が形成されている。通気孔10は、内蓋7を貫通している。また、外蓋8には、カートリッジ20が設けられている。カートリッジ20は、蒸気を冷却する機能を有する。カートリッジ20には、蒸気が通過する蒸気通路PS1が形成されている。カートリッジ20には、蒸気孔20A及び蒸気孔20Bが形成されている。外蓋8の下面8Aと内蓋7の上面7Bとの間には、蒸気通路PS2が形成されている。調理空間SP内の蒸気は、通気孔10、蒸気通路PS2、蒸気孔20B、蒸気通路PS1及び蒸気孔20Aを介して流出する。以下の説明において、通気孔10、蒸気通路PS2、蒸気孔20B、蒸気通路PS1及び蒸気孔20Aは、通気経路とも称する。通気経路は、調理容器2内で発生した蒸気を調理器100の外部へ排出する。通気経路は、調理容器2内の調理空間SPと調理器100外の空間とを繋ぐ経路である。
調圧部12は、例えば外蓋8に取り付けられている。調圧部12は、蒸気通路PS2に配置されている。調圧部12は、内蓋7の通気孔10を開放すること、及び、内蓋7の通気孔10を閉塞すること、ができる。
調圧部12は、調圧弁12a及び駆動部12bを備える。内蓋7から調圧弁12aが離れている場合には、通気孔10は開放されている。内蓋7のうち通気孔10が形成されている部分に調圧弁12aが接触している場合には、通気孔10は閉塞されている。駆動部12bは、調圧弁12aの位置を制御して、調圧弁12aの開度を変える。より詳細には、駆動部12bは、調圧弁12aの上下方向の位置を制御して、調圧弁12aの開度を変える。
パッキン13A、パッキン13B及びパッキン13Dは、調理容器2で発生した蒸気が通気経路の外へ漏れることを防止する機能を有する。パッキン13Cは、開口部7C及び開口部7Dから内蓋7の上側へ蒸気が侵入してしまうことを防止する機能を有する。パッキン13Aは、内蓋7の上面7Bと外蓋8の下面8Aとの間の隙間を埋めるように配置されている。パッキン13Aは外蓋8のうちカートリッジ20が設けられている部分に配置されている。パッキン13Aから調圧部12までの距離は、蒸気孔20Bから調圧部12までの距離よりも長くなっている。パッキン13Bは、内蓋7の上面7Bと外蓋8の下面8Aとの間の隙間を埋めるように配置されている。パッキン13Bは調圧部12に下側に配置されている。パッキン13Cは内蓋7の上面7Bと外蓋8の下面8Aとの間の隙間を埋めるように配置されている。パッキン13Cは開口部7C及び開口部7Dに配置されている。パッキン13Dはカートリッジ20の下側に配置されている。パッキン13Dは蒸気孔20Bに配置されている。
ポンプ14は、調理空間SPの空気を吸引し、調理空間SPの外部へ排出する機能を有する。つまり、ポンプ14は、調理容器2内を減圧することができる。ポンプ14は、調理容器2内の圧力を大気圧未満の圧力にすることができる。ここで、大気圧未満の圧力を負圧とも称する。ポンプ14は、内蓋7及び外蓋8に取り付けられている。ポンプ14は、内蓋7の開口部7C及び外蓋8の開口部8Bに設けられている。ポンプ14は、調理容器2の上側に配置されている。ポンプ14の周りには、パッキン13Cが配置されている。
操作表示部15は、例えばスイッチを備える。また、操作表示部15は、例えば液晶画面を備える。操作表示部15のスイッチは、例えば使用者が調理器100を使用する際に操作される。操作表示部15の液晶画面は、例えば調理器100の動作状態を表示する。操作表示部15は、例えば外蓋8の外側面に設けられている。なお、操作表示部15は、例えば筐体3に設けられていてもよい。
圧力センサ18は、内蓋7及び外蓋8に取り付けられている。圧力センサ18は、制御装置16に接続される。圧力センサ18の検出圧力は制御装置16に出力される。制御装置16には、例えば予め定められた圧力Pが記憶されている。この予め定められた圧力Pは、後述する染み込みモード及び真空保存モードで用いられる。調理器100には圧力センサ18が設けられているので、例えば気候といった使用環境に依らず、調理容器2内の減圧を精度よく行うことができる。
カバー19は、調味液がポンプ14、圧力センサ18及び調圧部12に付着することを防止する機能を有する。カバー19は、例えば下面が閉塞されてかつ側面が開口した形状を有する。調理器100にはカバー19が設けられているので、例えばポンプ14が調味液を吸引してしまうことを防止することができる。つまり、調理器100は、ポンプ14が故障してしまうことを抑制することができる。カバー19は、調圧部12に調味液が付着すること、及び、圧力センサ18に調味液が付着すること、を防止することができる。
図2は、調圧部12の説明図である。図2(a)は調圧弁12aの開度が全開の状態を示し、図2(c)は調圧弁12aの開度が全閉の状態を示している。また、図2(b)は調圧弁12aの開度が全開と全閉との間の開度となっている状態を示している。調圧部12が調圧弁12aで通気孔10を塞ぐことにより、調理空間SPは密閉される。また、調圧部12が通気孔10から調圧弁12aを離して通気孔10を開放することにより、調理空間SPは通気経路と連通する。通気経路の圧力は常圧(大気圧)であるため、調理空間SPが通気経路と連通すると、調理空間SPの圧力は常圧となる。
ここで、調圧弁12aの開度が全閉であるときの調圧弁12aの開度を第1の開度とする。また、調圧弁12aの開度が全開であるときの調圧弁12aの開度を第2の開度とする。更に、第1の開度よりも大きく第2の開度よりも小さい調圧弁12aの開度を第3の開度とする。調圧部12は、調圧弁12aの開度を、第1の開度(図2(c)参照)と第2の開度(図2(a)参照)と第3の開度(図2(b))とに、切替可能に構成されている。つまり、調圧部12は、図2(b)に示すように、調圧弁12aの開度を、全開とするだけでなく、全開と全閉との間の中間的な開度とすることもできる。
制御装置16が調圧部12の駆動部12bを制御することで、駆動部12bが調圧弁12aを移動させる。駆動部12bは調圧弁12aを予め定められた速度で移動させることができる。また、駆動部12bは調圧弁12aを予め定められた位置に移動させることができる。具体的には、調圧弁12aは、通気孔10を全閉とする第1の位置と、通気孔10を全開とする第2の位置と、調圧弁12aの開度を第3の開度とする第3の位置と、に移動自在である。第3の位置は第1の位置よりも通気孔10から離れており、第2の位置は第3の位置よりも通気孔10から離れている。つまり、第3の位置は第1の位置よりも上側であり、第2の位置は第3の位置よりも上側である。
駆動部12bが調圧弁12aの位置を変更することにより、調圧弁12aの開度が変わる。調圧弁12aの開度が変わることにより、調理器100は調理容器2内の圧力を変えることができる。また、調圧弁12aの開度が変わることにより、調理器100は調理容器2内の圧力の上昇速度を変えることができる。
図2(c)に示すように、通気孔10が閉塞している状態で、ポンプ14を駆動すると調理容器2内の圧力が常圧よりも低くなる。つまり、調理容器2内の圧力が負圧になる。調理容器2内の圧力が負圧になった状態で、図2(b)に示すように、駆動部12bが調圧弁12aの位置を第1の位置から第3の位置へ移動すると、調理容器2内の圧力は第1の上昇速度で上昇する。また、調理容器2内の圧力が負圧になった状態で、図2(a)に示すように、駆動部12bが調圧弁12aの位置を第1の位置から第2の位置へ移動すると、調理容器2内の圧力は第2の上昇速度で上昇する。ここで、第2の上昇速度の方が第1の上昇速度よりも高い。
次に、調圧弁12aの開度と通気孔10の開口面積との関係について説明する。調圧弁12aの開度と通気孔10の開口面積とは対応関係にある。調圧弁12aが通気孔10を全閉とするとき、すなわち調圧弁12aの開度が第1の開度であるとき、通気孔10の開口面積は0である。また、調圧弁12aが通気孔10を全開とするとき、すなわち調圧弁12aの開度が第2の開度であるとき、通気孔10の開口面積を開口面積Sとする。更に、調圧弁12aの開度が第3の開度であるとき、通気孔10の開口面積を開口面積S’とする。ここで、開口面積Sは開口面積S’よりも広い。
なお、調理容器2内の圧力の上昇速度は次のように制御することもできる。つまり、駆動部12bが調圧弁12aを移動させる速度を変えることで、調理容器2内の圧力の上昇速度を変えることができる。調圧弁12aを例えば第3の位置から第2の位置へ移動させる場合には、調圧弁12aを第1の移動速度で移動させた場合の圧力の上昇速度よりも、調圧弁12aを第1の移動速度よりも低い第2の移動速度で移動させた場合の圧力の上昇速度の方が、低くなる。
このように、調理器100は調圧弁12aの開度(通気孔10の開口面積)を変えることで、調理容器2内の圧力の上昇速度を変えることができる。通気孔10の開口面積は、調理容器2内の収容物及び調理器100が載置された空間の温度に依らない。このため、調理容器2内の収容物及び調理器100が載置された空間の温度によって、圧力の上昇速度の制御の精度が低減してしまうことを抑制することができる。
図3は、実施の形態の調理器100のシステム構成の概略を示す図である。調理器100は、制御装置16及びインバータ17を備える。制御装置16及びインバータ17は、本体1の例えば筐体3内に設けられている。なお、制御装置16及びインバータ17は、例えば筐体3の外部に設けられてもよい。加熱コイル4及びインバータ17は本発明における圧力変更手段である。
図3に示すように、制御装置16は、温度センサ5、調圧部12、ポンプ14、操作表示部15及びインバータ17に接続される。制御装置16は、例えば温度センサ5が検出した温度に基づいて動作する。また、制御装置16は、例えば使用者による操作表示部15の操作に基づいて動作する。更に、制御装置16は、例えば圧力センサ18の検出した圧力に基づいて動作する。制御装置16は、調圧部12の駆動部12b、操作表示部15及びインバータ17を制御する。
インバータ17は、図3に示すように、加熱コイル4に接続される。インバータ17は高周波電流を供給する電源ACに接続されている。制御装置16は、例えばインバータ17に、加熱コイル4へ高周波電流を供給させる。これにより、加熱コイル4には高周波磁界が発生する。加熱コイル4に高周波磁界が発生すると、底部3B1を間に挟んで加熱コイル4に対向する調理容器2の底部2A(図1B参照)が、加熱コイル4と磁気結合する。加熱コイル4と磁気結合した調理容器2の底部2Aは、励磁される。これにより、調理容器2の底部2Aに渦電流が誘起される。
調理容器2の底部2Aは予め定められた電気抵抗を有する。このため、調理容器2の底部2Aに渦電流が誘起されると、底部2Aにジュール熱が生じる。調理容器2は、このジュール熱によって発熱する。調理容器2は、加熱コイル4及びインバータ17による誘導加熱で発熱する。なお、調理器100の加熱手段は誘導加熱に限定されない。つまり、加熱コイル4及びインバータ17の代わりに電熱ヒーター等を本体1に設けてもよい。
次に、上述した図1A、図1B及び図1Cを参照して、調理器100の動作を説明する。使用者は、調理器100を使用する際、まず内蓋7及び外蓋8を開ける。使用者は、本体1から調理容器2を取り出す。使用者は、食材等を調理容器2内に入れる。
使用者は、食材等が収容された調理容器2を、本体1の凹状部3Bに置く。使用者は、調理容器2を本体1に置いた後、内蓋7及び外蓋8を閉める。内蓋7及び外蓋8が閉められると、パッキン9は、調理容器2のフランジ2Dと内蓋7とに挟まれて圧縮される。このとき、パッキン9は、フランジ2D及び内蓋7に接触している。また、調圧部12の調圧弁12aは、通気孔10を塞いでいる。パッキン9及び調圧部12は、調理空間SPの密閉性を向上させている。
使用者は、内蓋7及び外蓋8を閉めた後、操作表示部15を操作する。使用者は、操作表示部15のスイッチを操作することによって、調理の条件又は保存の条件を設定する。調理の条件は、各種の構成要素を有する。つまり、調理の条件は、例えば調理容器2内の圧力、調理容器2内の圧力上昇速度、調理時間及び調理温度等が含まれる。また、保存の条件も、各種の構成要素を有する。つまり、保存の条件は、例えば調理容器2内の圧力、調理容器2内の圧力上昇速度及び保存時間等が含まれる。
制御装置16には、調理の条件に関する各種の構成要素を組み合わせて構成される調理モードが予め記憶されていてもよい。また、制御装置16には、保存の条件に関する各種の構成要素を組み合わせて構成される保存モードが予め記憶されていてもよい。これにより、使用者は、操作表示部15を操作して予め記憶されている調理モード及び予め記憶されている保存モードを選択することができる。
使用者は、上述した条件又はモードを設定した後、再び操作表示部15の動作開始に係るスイッチを操作する。これにより、調理器100は、食材等の調理又は食材等の保存を開始する。そして、調理器100は、使用者によって設定された条件又はモードに基づいて、食材等の調理又は保存をする。
図4は、実施の形態の調理器100が備える染み込みモードの説明図である。なお、図4(a)は調理容器2内の圧力を縦軸で示し、経過時間を横軸で示している。図4(b)は通気孔10の開口面積を縦軸で示し、経過時間を横軸で示している。
図5は、実施の形態の調理器100が備える真空保存モードの説明図である。なお、図5(a)は調理容器2内の圧力を縦軸で示し、経過時間を横軸で示している。図5(b)は通気孔10の開口面積を縦軸で示し、経過時間を横軸で示している。
染み込みモードは、食材に調味液を染み込ませるモードである。染み込みモードは、短時間で大きな具材に味を染み込ませることができるモードである。また、染み込みモードは、短時間で乾物に水を吸水させることができるモードである。使用者は操作表示部15のスイッチを操作すると、制御装置16は染み込みモードを実行する。
染み込みモードが開始すると、制御装置16が調圧部12の駆動部12bを制御し、調圧弁12aが通気孔10を閉塞する。また、制御装置16は、調理容器2内の空間が密閉された状態でポンプ14を駆動させる。ポンプ14は、調理空間SPの空気を調理器100の外部へ排出する。ポンプ14が駆動することにより、図4(a)に示すように、調理容器2内の圧力は大気圧未満、すなわち負圧となる。
ポンプ14は、調理容器2内の圧力が予め定められた圧力Pになるまで駆動させられる。つまり、圧力センサ18の検出圧力が予め定められた圧力Pとなると、制御装置16はポンプ14を停止する。予め定められた圧力Pは、負圧である。また、予め定められた圧力Pは、例えば0.5atm以下の圧力である。更に、予め定められた圧力Pは本発明における第1の圧力に対応し、常圧は本発明における第2の圧力に対応する。
調理容器2内の圧力がポンプ14によって負圧にされた後は、制御装置16が調圧部12の駆動部12bを制御し、調圧弁12aが通気孔10を開放する。染み込みモードでは、調圧弁12aの開度を第1の開度(全閉)から第2の開度(全開)とする。つまり、調理容器2内の圧力が予め定められた圧力Pまで低下するまでは、調圧弁12aは第1の開度であり、調理容器2内の圧力が予め定められた圧力Pに到達すると、調圧弁12aが第2の開度となる。このとき、図4(b)に示すように、通気孔10の開口面積は、0からSへ拡大する。これにより、調理空間SPの空気は、通気経路を介して、調理器100の外部へ排出される。また、調理容器2内の圧力は、予め定められた圧力Pから常圧になる。調理容器2内の圧力が常圧になると、制御装置16は染み込みモードを終了する。
染み込みモードでは、調理容器2内の圧力を負圧にしている。これにより、食材の細胞間の空間が拡張される。また、調理容器2内の圧力を負圧にすることにより、食材から、食材に含まれる空気及び食材に含まれる水分等が放出される。これにより、食材中に隙間が生じる。
また、染み込みモードでは、調理容器2内の圧力が負圧の状態から急激に常圧となる。このように、圧力が急激に上昇することにより、減圧によって拡張した食材の細胞間の空間に調味液が浸透する。また、圧力が急激に上昇することにより、減圧によって生じた食材中の隙間に、調味液が浸透する。染み込みモードでは、このようにして調味液が食材に浸透する。
このとき、予め定められた圧力Pから常圧に戻るまでの時間Taが短いほど、調味液が食材に浸透する効果が高まる。また、予め定められた圧力Pと常圧との差が大きいほど、調味液が食材に浸透する効果が高まる。
一方、真空保存モードは、食材等の酸化を抑制し、また、食材等に微生物が繁殖することを抑制することができるモードである。真空保存モードは、調理空間SPを密閉した状態で調理容器2内を減圧する。調理後の食品を保存する場合及び調理前の仕込み段階の食品を保存する場合には、使用者は、操作表示部15のスイッチを操作し、制御装置16に予め記憶された真空保存モードを選択する。
真空保存モードが開始すると、制御装置16が調圧部12の駆動部12bを制御し、調圧弁12aが通気孔10を閉塞する。また、制御装置16は、調理容器2内の空間が密閉された状態でポンプ14を駆動させる。ポンプ14は、調理空間SPの空気を調理器100の外部へ排出する。ポンプ14が駆動することにより、図5(a)に示すように、調理容器2内の圧力は負圧となる。
ポンプ14は、調理容器2内の圧力が予め定められた圧力Pになるまで駆動させられる。つまり、圧力センサ18の検出圧力が予め定められた圧力Pとなると、制御装置16はポンプ14を停止する。予め定められた圧力Pは、負圧である。
使用者が操作表示部15のスイッチを操作して真空保存モードの終了を指示すると、制御装置16が調圧部12を制御し、調圧弁12aが通気孔10を開放する。
真空保存モードでは、調圧弁12aの開度を第1の開度(全閉)から第3の開度とする。つまり、調理容器2内の圧力が予め定められた圧力Pまで低下するまでは、調圧弁12aは第1の開度である。そして、制御装置16は調理容器2内の圧力を常圧まで上昇させる指示を操作表示部15から受け付けると、調圧弁12aは第3の開度となる。これにより、図5(a)に示すように、調理容器2内の圧力は予め定められた圧力Pから1atm(常圧)へ緩やかに上昇する。真空保存モードの昇圧時間Tbは、染み込みモードの昇圧時間Taよりも長い。調理容器2内の圧力が常圧になると、制御装置16は真空保存モードを終了する。
真空保存モードでは調理空間SP内の酸素を調理器100の外部へ排出するため、調理容器2の食品が酸化し、食品が劣化してしまうことを抑制することができる。また、真空保存モードでは、調理空間SPが密閉状態であるため、調理空間SPの外部からの微生物の侵入を回避することができる。また、真空保存モードでは、調理空間SPを真空状態にするため、好気性の微生物の繁殖を抑制することができる。つまり、真空保存モードでは、調理容器2の食品の衛生を保つことができる。
食材への調味液の浸透は、経過時間が長いほど浸透が進んでいくため、保存された食材はほぼ飽和状態まで調味液の浸透が進んでいることが多い。そのため、急激に減圧状態から常圧状態に戻しても、更に調味液の浸透が進むことがない。逆に、急激に減圧状態から常圧状態に戻すと、調理容器2及び内蓋7に調味液が飛び散ってしまう場合がある。そうすると、使用者の片付けの際の手間が増えてしまう。また、調理後の軟らかい状態の食材であれば、保存終了時に急激に昇圧すると調味液と一緒に食材も跳ねて、その衝撃で食材が崩れて形が悪くなる可能性がある。真空保存モードでは、上述のように、緩やかに調理容器2内の圧力を上昇させる。このため、調理容器2の調味液が飛び跳ねてしまうことを抑制することができる。したがって、調理器100は、調理容器2の側壁及び内蓋7の下面が汚れてしまうことを抑制することができ、調理器100の片付けの際の手間を軽減することができる。また、調理器100は、食材が崩れて形が悪くなることを抑制することができる。
なお、調理器100は、調理容器2内の圧力が負圧の状態で収容物の加熱調理を行ってもよい。例えば調理器100は、調理容器2内の圧力が負圧の状態で、調理容器2内の温度が100℃よりも低くなっている低温調理を行うことができてもよい。例えば食材が鶏胸肉のようなコラーゲンの少ない肉、ブロッコリー、又は葉物等の軟らかくなりやすい食材に対しては、負圧での低温調理又は常圧での調理がより好適である。調理器100によって収容物の加熱調理を行う際の調理容器2内の圧力は、使用者が操作表示部15を操作することによって設定することができる。
負圧から常圧への圧力の上昇速度が切替自在となっておらず、圧力の上昇速度が固定値であり、且つ、その固定値が高い調理器では、短時間に食材の内部まで調味液を浸透させることができても、食材が崩れたり、調味液が飛び散ったりしてしまう。常に圧力の変化速度が小さい調理器では、食材が崩れたり調味液が飛び散ったりすることが防げても短時間に食材の内部まで調味液を浸透させることができない。実施の形態の調理器100は、調圧弁12aの開度、すなわち開口面積の大きさを変えることで、調理容器2内の圧力の上昇速度を切り替えることができる。この調理器100では、食材の調理条件及び食材の保存条件に応じて、食材への調味液の浸透を起こさせるか、又は、食材が崩れたり容器内が汚れたりすることを抑制するかを選択することができる。このため、調理器100は、使い勝手がよく、様々な使用シーンに対応することができる。
実施の形態では、染み込みモードにおける圧力の上昇速度と真空保存モードにおける圧力の上昇速度が切替自在となっていることを説明したが、それに限定されない。例えば、食材の種類、調理メニュー、予約時間、調理時間及び保温時間に応じて、負圧から常圧への圧力の上昇速度が切替自在となっていてもよい。
例えば、食材でいえば大根などの野菜類は負圧から常圧への圧力の変化速度を大きくすることで調味液の浸透する効果が出やすく、尚且つ、調味液と一緒に大根が跳ねたとしても、その衝撃で崩れるようなことがない。そのため、食材が野菜の場合は負圧から常圧への圧力の変化速度を大きくすることが好ましい。一方、豆腐は野菜に比べると負圧から常圧への圧力の変化速度を大きくしたとしても調味液の浸透が進みにくく、尚且つ調味液と一緒に豆腐が跳ねるとその衝撃で崩れてしまう。このため、食材が豆腐の場合には、負圧から常圧への圧力の上昇速度を低くすることが好ましい。
また、調理メニューが肉じゃがのような煮物の場合、大きな食材に調味液を浸透させることが美味しさに大きく寄与する場合は負圧から常圧への圧力の変化速度を大きくすることが好ましい。一方、ミートソース及びキーマカレーのように食材が小さな場合には、食材中心まですぐに調味液が浸透するため、常圧への圧力の変化速度を利用して調味液の浸透を促進しても美味しさとして大きな効果がない。むしろ、負圧から常圧への圧力の変化速度を大きくして調味液と一緒に食材が跳ねると、食材が小さいため多量に広範囲に飛び散ってしまうため調理容器2内や内蓋7が大きく汚れてしまい、片付けの手間が増えてしまう。このため、調理容器2内の圧力の上昇速度を低くすることが好ましい。
また、予約時間、調理時間及び保温時間が長い場合には、時間が経過する間に食材へ調味液が浸透するため、常圧への圧力の変化速度を利用して調味液の浸透を促進しても美味しさとして大きな効果がない。むしろ、負圧から常圧への圧力の変化速度を大きくして調味液が跳ねると、調味液が調理容器2内や内蓋7に飛び散って、片付けの手間が増えてしまう。このため、圧力の変化速度を小さくすることが好ましい。
以上のとおり、食材の種類や調理メニュー、予約時間、調理時間及び保温時間によって、好ましい昇圧速度が異なる。このため、制御装置16の記憶手段が、食材の種類や調理メニュー、予約時間、調理時間及び保温時間ごとに最適な昇圧速度を記憶しているとよい。また、調理器100は、食材の種類、調理メニュー、予約時間、調理時間及び保温時間を、例えば使用者が操作表示部15を操作することによって設定することができるとよい。そして、制御装置16は、設定された情報に基づいて、調理容器2内の圧力の昇圧速度が最適となるように調圧部12を制御する。
負圧から常圧への圧力の変化量及び変化速度が大きいほど、調味液が食材の内部を移動するエネルギーが大きくなる。調味液が食材の内部を移動するエネルギーを十分に大きくすれば、例えば食材の一部が調味液から出ている場合においても、食材の内部まで調味液を十分に浸透させることができる。
調味液が食材の内部を移動するエネルギーを十分に大きくするためには、例えば減圧時到達圧力Pは0.5atm以下であるとよい。実施の形態において制御装置16は、一例として、減圧時到達圧力Pが0.5atm以下となるようにポンプ14を駆動させる。
また、調味液が食材の内部を移動するエネルギーを十分に大きくするためには、昇圧時間Taは、一例として5秒以内であるとよい。実施の形態においては、通気孔10が完全に開放されることによって調理容器2内が昇圧される。調理器100の外部の空気が調理容器2内へ勢いよく流入することにより、一例として昇圧時間Taは5秒以内の時間となる。逆に、負圧から常圧への圧力の変化速度が大きいほど、食材が崩れたり調味液が飛び散ったりしてしまうので昇圧時間Tbは、一例として10秒以上であるとよい。
図6は、調理容器2内の圧力を負圧から常圧に戻す場合に、調理容器2内の圧力上昇速度を変えることを説明する図である。負圧から常圧への圧力の変化量が小さい場合はエネルギーが小さいため食材が崩れたり調理容器2内が汚れたりすることはほとんどない。図6に示すように、負圧の圧力P’(例えば0.9atm)から常圧までの圧力の上昇速度は大きくてもエネルギーが小さいため食材が崩れたり容器内が汚れたりすることはほとんどない。なお、圧力P’が本発明における第3の圧力に対応している。
図6に示すように、圧力Pから圧力P’への昇圧は、圧力P’から常圧への昇圧と比較すると、圧力の変化量が大きい。圧力Pから圧力P’への昇圧の過程で、食材が崩れたり容器内が汚れたりすることを防ぐため、圧力Pから圧力P’への昇圧では、圧力の上昇速度を低く抑える。なお、この圧力の上昇速度は本発明における第1の上昇速度に対応している。
また、図6に示すように、圧力P’から常圧への昇圧は、圧力Pから圧力P’への昇圧と比較すると、圧力の変化量が小さい。つまり、圧力Pから圧力P’への昇圧の過程と比較すれば、圧力P’から常圧への昇圧の過程では、食材が崩れたり容器内が汚れたりしにくい。このため、圧力P’から常圧への昇圧の過程では圧力の上昇速度を高めることとし、調理器100は圧力Pから常圧に戻るまでにトータルで必要となる時間Tcの時間を短縮している。なお、この圧力の上昇速度が本発明における第2の上昇速度に対応している。
なお、調理容器2内の圧力を負圧から常圧に戻す場合に、調理容器2内の圧力上昇速度を変える態様は、真空保存モード及び染み込みモードのいずれにも適用することができる。
なお、調理容器2内の圧力の上昇速度を切替自在とする手段は、通気孔10開口面積の大きさを制御するだけに限らない。他の手段として例えば、調理容器2内の収容物を加熱し、発生する水蒸気を利用してもよい。調圧弁12aが通気孔10を閉塞し、調理容器2が密閉された状態で調理容器2を加熱し、水蒸気が発生すると調理容器2内の圧力が徐々に上がる。
図7は、調圧部12によって調理容器2内の圧力を上昇させる場合、及び、加熱コイル4によって調理容器2内の圧力を上昇させる場合を説明する図である。
図7(a1)、図7(a2)及び図7(a3)は、調圧部12によって調理容器2内の圧力を上昇させる場合を示している。図7(a1)、図7(a2)及び図7(a3)は、調理容器2内の圧力の上昇速度を上昇速度v1としたときの図である。
図7(b1)、図7(b2)及び図7(b3)は、加熱コイル4によって調理容器2内の圧力を上昇させる場合を示している。図7(b1)、図7(b2)及び図7(b3)は調理容器2内の圧力の上昇速度を上昇速度v2としたときの図である。なお、上昇速度v1の方が上昇速度v2よりも高い。つまり、図7(a1)〜図7(a3)は調理容器2内の圧力の上昇速度が相対的に高い場合の説明図であり、図7(b1)〜図7(b3)は調理容器2内の圧力の上昇速度が相対的に低い場合の説明図である。
図7(a1)及び図7(b1)は調理容器2内の圧力を縦軸で示し、経過時間を横軸で示している。図7(a2)及び図7(b2)は通気孔10の開口面積を縦軸で示し、経過時間を横軸で示している。図7(a3)及び図7(b3)は加熱コイル4のON状態及びOFF状態を縦軸で示し、経過時間を横軸で示している。
調理容器2内の圧力の上昇速度が高い場合は、図7(a1)に示すように、制御装置16はポンプ14を制御して調理容器2内の圧力を負圧にする。このとき、制御装置16は調圧部12を制御して通気孔10を全閉とする。その後、図7(a2)に示すように、制御装置16は、調圧部12を制御して通気孔10を全開とする。つまり、制御装置16は、通気孔10の開口面積をSとする。これにより、図7(a1)に示すように、調理容器2内の圧力は、負圧から常圧になる。このとき、制御装置16は加熱コイル4を通電しない。
調理容器2内の圧力の上昇速度が低い場合は、図7(b1)に示すように、制御装置16はポンプ14を制御して調理容器2内の圧力を負圧にする。調理容器2内の圧力が予め定められた圧力Pになると、制御装置16は、加熱コイル4へ通電を開始する。このとき、制御装置16は調圧部12を制御して通気孔10を全閉とする。加熱コイル4への通電により調理容器2が加熱され、調理容器2内の水分が蒸発する。ここでは、制御装置16はインバータ17を制御して、第1の電力を加熱コイル4に供給している。これにより、調理空間SPに水蒸気が発生し、調理容器2内の圧力が上昇する。ここでの圧力の上昇速度は、上述した第1の上昇速度よりも低い第3の上昇速度である。調理容器2内の圧力が常圧になると、制御装置16は、調圧部12を制御して通気孔10を全開とする。
以上の方法であれば、通気孔の開口面積を調節する構成が不要となるため、複雑な構成を取らずに、調理容器2内の圧力の上昇速度を切替自在とすることが出来る。また、通気孔の開口面積を調節する構成が不要となると、調理器100のサイズを抑えることができ、コンパクトな調理器100を提供することが出来る。
なお、加熱コイル4を用いて圧力を上昇させる場合においても、図6のように、圧力の上昇速度を切り替えることができる。制御装置16はインバータ17を制御して、加熱コイル4に第1の電力よりも大きい第2の電力を供給する。これにより、調理器100は、圧力の上昇速度を、上述した第2の上昇速度よりも低く、且つ、第3の上昇速度よりも高い、第4の上昇速度とすることができる。つまり、調理器100は、加熱コイル4に第1の電力を供給して調理容器2内の圧力の上昇速度を第3の上昇速度とし、加熱コイル4に第2の電力を供給して調理容器2内の圧力の上昇速度を第4の上昇速度とすることができる。
なお、調圧部12は、実施の形態のように調圧弁12aを有する調圧部12に限られない。調圧部は、調理容器2内の圧力が低い状態から高い状態になるまでの圧力上昇速度を変えることができるものであればよい。
なお、調理器100は、ポンプ14以外の減圧手段を採用してもよい。例えば、調理器100は、ポンプ14を備えない構成でもよく、ポンプとは別手段で負圧状態にしてもよい。具体的には、調理容器2を加熱コイル4で加熱し収容物を沸騰させて調理容器2内の空間が水蒸気で充満された状態で通気孔10を閉塞し調理容器2を密閉する。そして加熱コイル4への通電を停止すると、調理容器2と調理容器2内の収容物、水蒸気も温度が低下する。水蒸気の温度が低下し水に戻ると調理容器2の調理空間SPの気体(水蒸気)が減ることになるため、調理容器2内の圧力が低下、つまり負圧状態にすることが可能となる。
また、加熱手段を備えない構成でもよく、具体的には例えば漬物を調理・保存する容器としてもよい。短時間に漬物を浸ける場合は、調味液と食材を容器内に入れてポンプ14で減圧し、その後、調圧部12で通気孔10を一気に開放することで負圧状態から急激に常圧に昇圧し調味液の浸透を促進する。こうすることで短時間に漬物を調理することが出来る。
一方、漬物を長時間かけて調理・保存するときは、調味液と食材を容器内に入れて密閉しポンプ14で減圧した状態でおいておく。こうすると、外部からの雑菌の侵入を防ぎつつ容器内が低酸素状態となることで漬物の風味として重要な乳酸菌が増殖し、衛生的に美味しい漬物を作ることが出来る。そして、容器を開封して食べるときは、負圧状態から常圧に戻すときの圧力上昇速度が小さくなるように調圧部12で制御することで、昇圧したときに調味液が飛び散ったりせず、余計な洗い物の手間を増やすことがない。
図8は、制御装置16の構成例を示す図である。制御装置16の各機能は、例えば処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア50であってもよい。処理回路は、プロセッサ51及びメモリ52を備えていてもよい。処理回路は、一部が専用ハードウェア50として形成され、更にプロセッサ51及びメモリ52を備えていてもよい。処理回路が、その一部が専用ハードウェア50として形成され、プロセッサ51及びメモリ52を備えている場合の例を示している。
一部が少なくとも1つの専用ハードウェア50である処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ51及び少なくとも1つのメモリ52を備える場合、制御装置16の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ52に格納される。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
プロセッサ51は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ52には、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御装置16の各機能を実現することができる。また、調理器100の構成は、単一の制御装置16により動作が制御されるものに限定されない。調理器100は、複数の装置が連携することにより動作が制御されるように構成されてもよい。
1 本体、2 調理容器、2A 底部、2B 周面部、2B1 側壁、2C 開口部、2D フランジ、3 筐体、3A 外郭部、3B 凹状部、3B1 底部、3B2 孔部、3C 開口部、3D 中空部、4 加熱コイル、5 温度センサ、5A 上面、5B 下面、6 圧縮バネ、7 内蓋、7A 内周面、7B 上面、7C 開口部、7D 開口部、7E 下面、8 外蓋、8A 下面、8B 開口部、8C 開口部、9 パッキン、10 通気孔、12 調圧部、12a 調圧弁、12b 駆動部、13A〜13D パッキン、14 ポンプ、15 操作表示部、16 制御装置、17 インバータ、18 圧力センサ、19 カバー、20 カートリッジ、20A 蒸気孔、20B 蒸気孔、50 専用ハードウェア、51 プロセッサ、52 メモリ、100 調理器、PS1 蒸気通路、PS2 蒸気通路、SP 調理空間、UP 上面。

Claims (8)

  1. 本体と、
    開口部を含み、前記本体に取り付けられ、食材を収容する調理容器と、
    前記調理容器の開口部に設けられ、前記調理容器を閉塞する閉塞手段と、
    前記調理容器内の圧力を負圧に減圧する減圧手段と、
    前記減圧手段で減圧された前記調理容器内の圧力を上昇させるように構成されている圧力変更手段と、
    調理モードを複数有し、前記調理モードに応じて前記圧力変更手段を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記圧力変更手段は、前記圧力の上昇速度を、第1の上昇速度と、前記第1の上昇速度よりも前記圧力の上昇速度が高い第2の上昇速度とに、切替自在に構成されており、
    前記制御装置は、複数の前記調理モードのうちのいずれかの前記調理モードの動作開始が指示されると、前記減圧手段により前記調理容器内の圧力を減圧した後、前記圧力の上昇速度が、前記指示された前記調理モードに対応して予め設定された前記第1の上昇速度又は前記第2の上昇速度となるように前記圧力変更手段を制御する
    ことを特徴とする調理器。
  2. 前記閉塞手段は、前記調理容器内と前記調理容器外とを連通する通気孔を含み、
    前記圧力変更手段は、前記通気孔に設けられた調圧弁と、前記調圧弁の開度を変える駆動部とを含み、
    前記駆動部は、前記調圧弁の開度を変えて前記圧力の上昇速度を切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の調理器。
  3. 前記調圧弁の開度が全閉であるときの前記調圧弁の開度を第1の開度とし、
    前記調圧弁の開度が全開であるときの前記調圧弁の開度を第2の開度とし、
    前記第1の開度よりも大きく前記第2の開度よりも小さい前記調圧弁の開度を第3の開度としたとき、
    前記駆動部は、前記調圧弁の開度を、前記第1の開度と前記第2の開度と前記第3の開度とに、切替可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の調理器。
  4. 前記駆動部は、前記調圧弁の位置を変えて、前記調圧弁の開度を変える
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の調理器。
  5. 前記駆動部は、前記調圧弁の上下方向の位置を変えて、前記調圧弁の開度を変える
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の調理器。
  6. 前記減圧手段はポンプであり、
    前記調圧弁の開度を全閉としている状態で、前記ポンプが駆動して前記調理容器内の前記圧力を負圧にする
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の調理器。
  7. 前記圧力を第1の圧力から前記第1の圧力よりも高い第2の圧力へ上昇させるときにおいて、
    前記圧力変更手段は、
    前記第1の圧力から前記第1の圧力よりも高く前記第2の圧力よりも低い第3の圧力まで前記圧力を上昇させるときには、前記圧力の上昇速度を前記第1の上昇速度とし、
    前記第3の圧力から前記第2の圧力まで前記圧力を上昇させるときには、前記圧力の上昇速度を前記第2の上昇速度とする態様を、前記調理モードに応じて前記第1の上昇速度又は前記第2の上昇速度に切り替える制御とは別に、前記調理モードのいずれにも適用可能である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の調理器。
  8. 前記圧力変更手段は、前記調理容器を加熱し、前記圧力の上昇速度を切り替える加熱手段を更に含む
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の調理器。
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