本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。
<インクジェット記録装置>
インクジェット記録装置10について、図1〜図3を参照して説明する。インクジェット記録装置10では、記録媒体15が間欠的に搬送され、記録媒体15に所定の柄が記録される。柄の記録は、種々の記録媒体15に対し要求される。そのため、インクジェット記録装置10には、例えば、種々の厚みの記録媒体15に対応することが求められる。即ち、インクジェット記録装置10は、厚みの異なる各種の記録媒体15に所定の柄を記録することができる。記録媒体15としては、布帛又は建築資材が例示される。実施形態では、記録媒体15は、長尺とされている。記録媒体は、短尺であってもよい。柄の記録に用いられるインク色は、ブラック、マゼンタ、イエロー及びシアンの4色とする。インク色は、これら以外の色であってもよい。インク色数は、3色以下又は5色以上としてもよい。インクジェット記録装置10は、搬送部20と、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cと、キャリッジ40と、支持部50と、メインタンク60K,60M,60Y,60Cと、供給流路61K,61M,61Y,61Cと、サブタンク62K,62M,62Y,62Cと、接続流路63K,63M,63Y,63Cと、移動部70と、昇降部80を備える。
搬送部20は、記録媒体15を搬送する。実施形態では、搬送部20によって記録媒体15が搬送される方向を、「搬送方向」という。インクジェット記録装置10では、搬送部20による記録媒体15の搬送は、間欠的に行われる。搬送部20は、ベルトコンベアである。搬送部20は、一対の搬送ローラ21,22と、無端ベルト23と、第一モータ25を備える。搬送ローラ21は、キャリッジ40より搬送方向の下流側に設けられる。搬送ローラ22は、キャリッジ40より搬送方向の上流側に設けられる。無端ベルト23は、環状のベルトである。無端ベルト23は、搬送ローラ21,22に、張力が作用した状態で架け渡される。無端ベルト23が搬送ローラ21,22に架け渡された状態で、搬送面24は、搬送ローラ21,22の間で水平な状態となる。搬送面24は、無端ベルト23の外周面によって形成される。記録媒体15は、搬送面24に載せ置かれる。第一モータ25は、搬送ローラ21に連結される。第一モータ25としては、例えば、エンコーダ付きのサーボモータが採用される。第一モータ25は、搬送ローラ21を搬送方向に対応する方向に回転させる。無端ベルト23は、搬送ローラ21の回転に伴い、搬送方向に対応する方向に回転する。搬送ローラ22は、無端ベルト23の回転に従動して搬送方向に対応する方向に回転する。図1及び図2で、搬送ローラ21,22の内部に示す矢印は、搬送ローラ21,22の回転方向を示す。
インクジェットヘッド30Kは、ブラックインクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド30Mは、マゼンタインクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド30Yは、イエローインクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド30Cは、シアンインクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cには、前述の色のインクを吐出するノズルが複数形成される。実施形態では、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cでノズルが形成された各面を、「吐出面31」という(図3参照)。吐出面31は、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cでノズルが形成された各面を総称し、又はインクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cのうちの何れかのインクジェットヘッドでノズルが形成された面を示す。インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cによれば、記録媒体15に、フルカラーの柄を記録することができる。図1及び図2で、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cより搬送方向の下流側に図示された記録媒体15の部分に付した模様は、記録媒体15に記録された柄に対応する。
キャリッジ40は、ベース部41と、台座部44と、2個の連結部46を備える。ベース部41と台座部44と2個の連結部46は、一体をなす。例えば、台座部44と2個の連結部46がベース部41に固定される。キャリッジ40では、ベース部41に、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cが主走査方向に隣り合った状態で搭載される。主走査方向は、無端ベルト23の幅方向に一致し、搬送方向に直交する。主走査方向におけるインクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cの配列順序は、図1及び図2とは異なる順序としてもよい。これらの配列順序は、諸条件を考慮して適宜決定される。台座部44には、後述するナット83が設けられる。キャリッジ40では、取付面45(図3参照)は、ベース部41の上面42より鉛直方向の上側とされる。取付面45は、ナット83が設けられる台座部44の面である。取付面45は、水平面とされる。2個の連結部46は、後述する2本のガイドレール58に対応させ、ベース部41の主走査方向の第一側及び第二側の両端部に設けられる。
支持部50は、キャリッジ40と移動部70を接続する。支持部50は、本体部51と、ガイド部57を備える。本体部51は、壁部52と、締結部55と、設置部56を含む。本体部51では、壁部52と締結部55と設置部56が一体的に形成される。壁部52は、鉛直方向に沿った壁状の本体部51の部分である。実施形態では、壁部52の搬送方向の下流側の面を、「第一壁面53」といい、壁部52の搬送方向の上流側の面を、「第二壁面54」という。締結部55は、本体部51の鉛直方向の上端部と下端部の間となる鉛直方向の所定の位置で、第一壁面53から搬送方向の下流側に突出する本体部51の部分である。本体部51は、締結部55で後述する移動部70のタイミングベルト73に接続される。設置部56は、本体部51の鉛直方向の上端部に設けられ、搬送方向の上流側に突出する本体部51の部分である。設置部56の鉛直方向の上側の面(本体部51の上端面)は、水平面を含む。
ガイド部57は、キャリッジ40の鉛直方向への移動をガイドする。即ち、ガイド部57は、前述の移動をガイドするガイド機構である。ガイド部57は、本体部51に設けられる。ガイド部57は、本体部51に設けられた状態でキャリッジ40と接続される。インクジェット記録装置10では、ガイド部57は、同様の2個の直動機構を備える構成とされる。インクジェット記録装置10では、ガイド部57となる前述の直動機構は、リニアガイドとされる。支持部50では、ガイド部57としての2個の直動機構は、第二壁面54の主走査方向の第一側と第二側に設けられる。即ち、第二壁面54の主走査方向の第一側及び第二側の両端部では、ガイドレール58が鉛直方向に沿った状態で設けられる。2個のブロック59は、キャリッジ40のベース部41に設けられた2個の連結部46と接続される。主走査方向の第一側と第二側でブロック59は、ガイドレール58と係合した状態でガイドレール58の上を鉛直方向に移動する。ガイド部57としては、公知のリニアガイドを採用することができる。そのため、ガイド部57となるリニアガイドの構造等に関する説明は、省略する。
メインタンク60Kは、ブラックインクを貯留する。供給流路61Kは、メインタンク60Kとサブタンク62Kを接続する。サブタンク62Kは、キャリッジ40のベース部41上でインクジェットヘッド30Kの上方に設けられる。即ち、サブタンク62Kは、ベース部41上でインクジェットヘッド30Kの真上に設けられる。サブタンク62Kは、インクジェットヘッド30Kに供給されるブラックインクを副次的に貯留する。接続流路63Kは、サブタンク62Kとインクジェットヘッド30Kを接続する。サブタンク62Kをインクジェットヘッド30Kの上方(真上)に設けることで、接続流路63Kの流路長を短くすることができる。
メインタンク60Mは、マゼンタインクを貯留する。供給流路61Mは、メインタンク60Mとサブタンク62Mを接続する。サブタンク62Mは、キャリッジ40のベース部41上でインクジェットヘッド30Mの上方に設けられる。即ち、サブタンク62Mは、ベース部41上でインクジェットヘッド30Mの真上に設けられる。サブタンク62Mは、インクジェットヘッド30Mに供給されるマゼンタインクを副次的に貯留する。接続流路63Mは、サブタンク62Mとインクジェットヘッド30Mを接続する。サブタンク62Mをインクジェットヘッド30Mの上方(真上)に設けることで、接続流路63Mの流路長を短くすることができる。
メインタンク60Yは、イエローインクを貯留する。供給流路61Yは、メインタンク60Yとサブタンク62Yを接続する。サブタンク62Yは、キャリッジ40のベース部41上でインクジェットヘッド30Yの上方に設けられる。即ち、サブタンク62Yは、ベース部41上でインクジェットヘッド30Yの真上に設けられる。サブタンク62Yは、インクジェットヘッド30Yに供給されるイエローインクを副次的に貯留する。接続流路63Yは、サブタンク62Yとインクジェットヘッド30Yを接続する。サブタンク62Yをインクジェットヘッド30Yの上方(真上)に設けることで、接続流路63Yの流路長を短くすることができる。
メインタンク60Cは、シアンインクを貯留する。供給流路61Cは、メインタンク60Cとサブタンク62Cを接続する。サブタンク62Cは、キャリッジ40のベース部41上でインクジェットヘッド30Cの上方に設けられる。即ち、サブタンク62Cは、ベース部41上でインクジェットヘッド30Cの真上に設けられる。サブタンク62Cは、インクジェットヘッド30Cに供給されるシアンインクを副次的に貯留する。接続流路63Cは、サブタンク62Cとインクジェットヘッド30Cを接続する。サブタンク62Cをインクジェットヘッド30Cの上方(真上)に設けることで、接続流路63Cの流路長を短くすることができる。
メインタンク60K,60M,60Y,60Cに貯留された各色のインクは、メインタンク60K,60M,60Y,60Cから流出し、供給流路61K,61M,61Y,61Cのうちの対応する色の供給流路を流れてサブタンク62K,62M,62Y,62Cに供給される。サブタンク62K,62M,62Y,62Cに供給された各色のインクは、接続流路63K,63M,63Y,63Cのうちの対応する色の接続流路を流れてインクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cに供給される。図1及び図2では、供給流路61K,61M,61Y,61Cは、簡略化された状態で図示されている。供給流路61K,61M,61Y,61Cは、後述するキャリッジ40の主走査方向及び鉛直方向への各移動に対応可能な状態で設けられる。
移動部70は、支持部50を介して接続されたキャリッジ40を主走査方向に往復移動させる。換言すれば、移動部70は、キャリッジ40と支持部50を主走査方向に往復移動させる。即ち、移動部70は、前述の往復移動を実施する駆動機構である。移動部70は、支持部50の搬送方向の下流側に設けられる。移動部70は、2個のプーリ71,72と、タイミングベルト73と、第二モータ74を備える。プーリ71は、搬送部20を基準として、主走査方向の第一側に設けられる。プーリ72は、搬送部20を基準として、主走査方向の第二側に設けられる。プーリ72は、回転自在に支持される。タイミングベルト73は、張力が作用した状態でプーリ71,72に架け渡される。第二モータ74は、プーリ71に連結される。第二モータ74は、プーリ71を回転させる。第二モータ74としては、例えば、エンコーダ付きのサーボモータが採用される。図1及び図2で、プーリ71の内部に示す矢印は、プーリ71の回転方向を示す。キャリッジ40は、支持部50を介してタイミングベルト73に取り付けられる。
昇降部80は、キャリッジ40を鉛直方向に移動させる。昇降部80は、キャリッジ40のベース部41より上方となる状態で支持部50に設けられる。インクジェット記録装置10では、昇降部80は、支持部50の設置部56に設けられる。昇降部80は、昇降軸部81と、第三モータ84を備える。昇降部80は、昇降軸部81が主走査方向においてサブタンク62Mとサブタンク62Yの間に配置された状態でキャリッジ40と接続される。昇降軸部81は、主走査方向の第一側でサブタンク62Mと隣り合い、主走査方向の第二側でサブタンク62Yと隣り合う。昇降軸部81は、鉛直方向に沿った状態とされる。インクジェット記録装置10では、昇降軸部81は、ボールねじとされる。従って、昇降軸部81は、ねじ軸82と、ナット83を備える。即ち、昇降部80が支持部50に設けられた状態で、昇降軸部81は、ねじ軸82とナット83が主走査方向においてサブタンク62Mとサブタンク62Yの間に設けられ、且つねじ軸82が鉛直方向に沿った状態とされる。インクジェット記録装置10では、上述した通り、サブタンク62Mは、インクジェットヘッド30Mの上方に設けられ、サブタンク62Yは、インクジェットヘッド30Yの上方に設けられる。従って、主走査方向においてサブタンク62Mとサブタンク62Yの間は、主走査方向においてインクジェットヘッド30Mとインクジェットヘッド30Yの間でもある。
ナット83は、キャリッジ40の台座部44に設けられる。ナット83は、台座部44の取付面45(図3参照)に固定される。これに伴い、昇降部80は、キャリッジ40と接続される。上記では説明を省略したが、台座部44には、ナット83が取付面45に固定された状態でナット83のねじ孔と連続する第一孔部が形成される。第一孔部は、取付面45を含む搬送方向に沿った台座部44の部分を鉛直方向に貫通する。図1〜図3では、第一孔部は、不図示とされている。更に、キャリッジ40のベース部41には、第一孔部と同軸の第二孔部43が形成される。第二孔部43は、ベース部41を鉛直方向に貫通する。第一孔部と第二孔部43は、ねじ軸82の外径より大きな直径の貫通孔とされる。第一孔部には、ねじ軸82が挿入される。昇降部80によるキャリッジ40の上昇に伴い、鉛直方向の下側に第一孔部を通過したねじ軸82は、その後、第二孔部43に通される(図2参照)。但し、ねじ軸82は、次の状態で鉛直方向の下側に第二孔部43を通過しない寸法とするとよい。前述の状態は、昇降部80によってキャリッジ40を鉛直方向の上昇端まで上昇させた状態である。この場合、鉛直方向の下側となるねじ軸82の先端部は、図3の「第二状態」と同様、前述の状態でキャリッジ40のベース部41から鉛直方向の下側に突出しない。第二孔部43は、底を有する孔部としてもよい。昇降軸部81では、公知のボールねじを採用することができる。そのため、昇降軸部81となるねじ軸82とナット83の構造等に関する説明は、省略する。
第三モータ84は、設置部56に設けられる。第三モータ84は、回転軸85(図3参照)が鉛直方向の下側に突出した状態で設置部56の鉛直方向の上側の水平面に固定される。回転軸85は、ねじ軸82に連結される。第三モータ84は、ねじ軸82を回転させる。第三モータ84としては、エンコーダ付きのサーボモータが採用される。図1及び図2で、第三モータ84の内部に示す矢印は、ねじ軸82の回転方向を示す。第三モータ84によってねじ軸82が第一方向に回転すると、ナット83は、鉛直方向の上側に移動する。キャリッジ40は、ナット83の鉛直方向の上側への移動に伴い、ナット83と同じ量だけ鉛直方向の上側に移動する。第三モータ84によってねじ軸82が第二方向に回転すると、ナット83は、鉛直方向の下側に移動する。第二方向は、前述の第一方向とは反対方向である。例えば、第一方向への回転が右回転である場合、第二方向への回転は左回転である。キャリッジ40は、ナット83の鉛直方向の下側への移動に伴い、ナット83と同じ量だけ鉛直方向の下側に移動する。昇降部80によるキャリッジ40の鉛直方向への移動は、2個のリニアガイドによるガイド部57によってガイドされる。
インクジェット記録装置10で柄が記録媒体15に記録される場合、昇降部80と移動部70と搬送部20は、次のように動作する。先ず、インクジェット記録装置10は、ギャップG1が新たに柄が記録される所定の厚みの記録媒体15に対応した状態とされる。ギャップG1は、記録媒体15の表面と吐出面31の間隔である。ギャップG1は、搬送面24と吐出面31の間隔から記録媒体15の厚みを差し引いた差分に対応する。例えば、搬送面24と吐出面31の間隔がG2で記録媒体15の厚みがT1である場合(図1及び図3の「第一状態」参照)、ギャップG1は、「間隔G2−厚みT1」である。搬送面24と吐出面31の間隔がG3で記録媒体15の厚みがT2である場合(図2及び図3の「第二状態」参照)、ギャップG1は、「間隔G3−厚みT2」である。ギャップG1は、記録媒体15に記録された柄の記録品質に影響を及ぼす。例えば、ギャップG1は、インク種に応じて適宜設定される。この他、例えば、ギャップG1は、記録媒体15の材質及び/又は表面状態に応じて適宜設定される。インクジェット記録装置10では、昇降部80で第三モータ84の駆動が開始され、キャリッジ40が鉛直方向に移動される。第三モータ84の駆動は、次の位置にキャリッジ40が移動するまで継続される。前述の位置は、記録媒体15の表面と吐出面31の間隔がギャップG1となる鉛直方向の位置である。
例えば、厚みT1の記録媒体15に対応した状態のインクジェット記録装置10(図1及び図3の「第一状態」参照)で、新たに厚みT2の記録媒体15に柄が記録されるとする。インクジェット記録装置10では、昇降部80で第三モータ84の駆動が開始され、キャリッジ40が鉛直方向の上側に移動される。第三モータ84の駆動は、厚みT2の記録媒体15の表面と吐出面31の間隔がギャップG1となる鉛直方向の位置にキャリッジ40が移動するまで継続される(図2及び図3の「第二状態」参照)。厚みT2の記録媒体15に対応した状態のインクジェット記録装置10(図2及び図3の「第二状態」参照)で、新たに厚みT1の記録媒体15に柄が記録されるとする。インクジェット記録装置10では、昇降部80で第三モータ84の駆動が開始され、キャリッジ40が鉛直方向の下側に移動される。第三モータ84の駆動は、厚みT1の記録媒体15の表面と吐出面31の間隔がギャップG1となる鉛直方向の位置にキャリッジ40が移動するまで継続される(図1及び図3の「第一状態」参照)。
その後、インクジェット記録装置10では、柄の記録が開始される。この場合、移動部70では、プーリ71に連結された第二モータ74が時計回りと反時計回りに往復して回転する。第二モータ74の回転に伴い、プーリ71が左右両側に往復して回転する。第二モータ74が所定の方向に回転することでプーリ71が左回転すると、タイミングベルト73も左回転する。プーリ72は、左回転するタイミングベルト73に従動して回転する。これに伴い、キャリッジ40は、主走査方向の第二側から第一側に移動する。キャリッジ40が、主走査方向の第一側の移動端に到達すると、第二モータ74の回転方向は反転し、プーリ71は、右回転する。プーリ71が右回転すると、タイミングベルト73も右回転する。プーリ72は、右回転するタイミングベルト73に従動して回転する。これに伴い、キャリッジ40は、主走査方向の第一側から第二側に移動する。キャリッジ40が、主走査方向の第二側の移動端に到達すると、第二モータ74の回転方向は再度反転し、プーリ71は、再度左回転する。
搬送部20は、上述したキャリッジ40の主走査方向への往復移動に対応させて記録媒体15を搬送方向に搬送する。即ち、搬送部20による記録媒体15の搬送は、キャリッジ40の主走査方向への往復移動に応じて間欠的に行われる。各色のインクは、キャリッジ40が主走査方向に移動している所定のタイミングで、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cに形成された各ノズルから、記録媒体15に向けて吐出される。インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cの各ノズルから吐出された各色のインクは、記録媒体15の表面に着弾する。着弾した各色のインクによって記録媒体15に柄が記録される。移動部70は、柄の記録が終了するまで動作する。従って、キャリッジ40の主走査方向への往復移動は、柄の記録が終了するまで繰り返される。搬送部20は、柄の記録が終了した後、所定のタイミングで停止する。搬送部20の停止に伴い、搬送方向への記録媒体15の搬送も終了する。
<実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)インクジェット記録装置10では、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cがキャリッジ40のベース部41に搭載される(図1及び図2参照)。サブタンク62K,62M,62Y,62Cは、キャリッジ40のベース部41上でインクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cのうちの対応する色のインクジェットヘッドの上方に設けられる。キャリッジ40は、支持部50を介して移動部70と接続される。支持部50には、昇降部80が設けられる。昇降部80は、キャリッジ40のベース部41より上方に設けられる。昇降部80は、キャリッジ40を鉛直方向に移動させる。昇降部80は、昇降軸部81を備える。昇降軸部81は、鉛直方向に沿った状態で設けられる。昇降部80は、昇降軸部81が主走査方向においてサブタンク62Mとサブタンク62Yの間に配置された状態でキャリッジ40と接続される。そのため、サブタンク62K,62M,62Y,62Cと昇降部80を、搬送方向に沿った方向にコンパクトに配置することができる。キャリッジ40を搬送方向に沿った方向に小型化することができる。搬送方向に沿った方向は、主走査方向に直交する方向であり、「副走査方向」とも称される。
(2)支持部50には、ガイド部57が設けられる(図1及び図2参照)。ガイド部57は、2個の直動機構を備える構成とされる。前述の直動機構は、リニアガイドとされる。支持部50では、第二壁面54の主走査方向の第一側及び第二側の両端部に、ガイドレール58が鉛直方向に沿った状態で設けられる。2個のブロック59は、主走査方向の第一側及び第二側のガイドレール58に対応させ、キャリッジ40のベース部41の主走査方向の第一側及び第二側の両端部に設けられる。主走査方向の第一側と第二側でブロック59は、ガイドレール58と係合した状態でガイドレール58の上を鉛直方向に移動する。そのため、昇降部80によるキャリッジ40の鉛直方向への移動をスムーズに行うことができる。
<変形例>
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では、上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は、適宜省略する。
(1)インクジェット記録装置10では、サブタンク62K,62M,62Y,62Cは、キャリッジ40のベース部41上でインクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cのうちの対応する色のインクジェットヘッドの上方(真上)に設けられる(図1及び図2参照)。サブタンク62K,62M,62Y,62Cは、キャリッジ40のベース部41上でインクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cのうちの対応する色のインクジェットヘッドより上方に設けられていればよい。インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cに対するサブタンク62K,62M,62Y,62Cの配置は、諸条件を考慮して適宜決定される。
(2)インクジェット記録装置10では、昇降部80は、昇降軸部81と、第三モータ84を備える(図1〜図3参照)。昇降軸部81は、ねじ軸82とナット83を備えるボールねじとされる。昇降部は、キャリッジを鉛直方向に移動できる構成であればよい。例えば、昇降部は、油圧シリンダ又はエアシリンダのようなアクチュエータとしてもよい。この場合、油圧シリンダ又はエアシリンダのロッドが昇降軸部となる。昇降部としての油圧シリンダ又はエアシリンダは、ロッドの突出方向が鉛直方向の下側となる状態で支持部50に設けられる。即ち、油圧シリンダ又はエアシリンダは、前述した状態で設置部56の鉛直方向の上側の水平面に固定される。油圧シリンダ又はエアシリンダは、ロッドが主走査方向においてサブタンク62Mとサブタンク62Yの間に配置された状態でキャリッジと接続される。ロッドは、鉛直方向に沿った状態とされ、主走査方向の第一側でサブタンク62Mと隣り合い、主走査方向の第二側でサブタンク62Yと隣り合う。ロッドは、先端部でキャリッジの台座部と接続される。台座部では、第一孔部は、省略してもよい。昇降部を油圧シリンダ又はエアシリンダとした場合、キャリッジは、ベース部と、2個の連結部46を備え、台座部44に対応する構成は、省略してもよい。ベース部では、第二孔部43は、省略してもよい。ロッドの先端部は、直接、ベース部と接続される。支持部のガイド部も、キャリッジ40の鉛直方向への移動をガイドできる構成であればよく、ガイド部57のリニアガイドとは異なる構成としてもよい。例えば、ガイド部は、シャフトとリニアブッシュによる構成としてもよい。シャフトは、ガイドレール58に相当し、リニアブッシュは、ブロック59に相当する。
(3)インクジェット記録装置10では、昇降部80は、昇降軸部81が主走査方向においてサブタンク62Mとサブタンク62Yの間に配置された状態でキャリッジ40と接続される(図1及び図2参照)。昇降部80は、昇降軸部81が主走査方向においてサブタンク62Kとサブタンク62Mの間又はサブタンク62Yとサブタンク62Cの間に配置された状態でキャリッジと接続されてもよい。この場合、キャリッジでは、台座部44は、ベース部に対し、昇降軸部81の主走査方向の位置に対応させて設けられる。ベース部では、第二孔部43が昇降軸部81の主走査方向の位置に対応させて形成される。但し、昇降軸部81を主走査方向においてサブタンク62Mとサブタンク62Yの間に配置させた場合、移動部70によって主走査方向に往復移動される移動体を、主走査方向の第一側と第二側で対称な構造とし、主走査方向の第一側と第二側で均等な重量バランスとすることができる。移動体の主走査方向への往復移動をスムーズに行うことができる。前述の移動体は、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cとキャリッジ40と支持部50とサブタンク62K,62M,62Y,62Cと接続流路63K,63M,63Y,63Cと昇降部80を含む。
(4)インクジェット記録装置10には、搬送部20が設けられ、搬送部20によって記録媒体15が搬送方向に搬送される(図1及び図2参照)。搬送方向は、主走査方向に直交する方向に沿った方向である。主走査方向に直交する方向において、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cに対する記録媒体の移動は、相対的に行われればよい。即ち、インクジェット記録装置では、キャリッジ40を主走査方向に直交する方向に移動させてもよい。この場合、インクジェット記録装置は、テーブル状の載置部を備え、記録媒体は、このテーブル状の載置部の上面に載せ置かれる。搬送部20は、省略される。キャリッジ40を主走査方向に直交する方向に移動させる場合、インクジェット記録装置は、第一移動部と、第二移動部を備える。第一移動部は、上述した移動部70に対応する移動部である。第二移動部は、キャリッジ40を主走査方向に直交する方向に移動する移動部である。第二移動部は、第一移動部によるキャリッジ40の往復移動に応じてキャリッジ40を主走査方向に直交する方向の一方側から他方側に間欠的に移動する。第二移動部は、キャリッジ40と共に、支持部50と第一移動部を同一方向に移動する。このような構成は、例えば、記録媒体が短尺である場合に採用することができる。
(5)インクジェット記録装置10では、昇降部80は、1個の昇降軸部81を備える(図1及び図2参照)。昇降部は、複数の昇降軸部を備える構成としてもよい。複数の昇降軸部を備える昇降部は、次のような場合に採用される。前述の場合としては、キャリッジ40が主走査方向に幅広となる場合が例示される。キャリッジ40に搭載するインクジェットヘッドの数が増加し又は各色のインクジェットヘッドが大型化する場合、キャリッジ40は、主走査方向に幅広となる。複数の昇降軸部を備える昇降部が設けられたインクジェット記録装置10について、図4及び図5を参照して説明する。但し、図4及び図5では、搬送部20と移動部70の図示は、省略されている。図4及び図5に基づく説明では、図1及び図2に示すインクジェット記録装置10との対応を明らかにするため、共通する又は対応する各部に対する符号は、上記同様とする。図5に基づく説明では、図4に基づく説明との対応を明らかにするため、共通する又は対応する各部に対する符号は、図4で用いる符号と同様とする。
図4及び図5に示すインクジェット記録装置10では、インクジェットヘッドの数を6個としている。図4及び図5に示すインクジェット記録装置10が備えるインクジェットヘッドは、上記同様のインクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cと、インクジェットヘッド30LM,30LCとする。従って、図4及び図5に示すインクジェット記録装置10は、更に、メインタンク60LM,60LCと、供給流路61LM,61LCと、サブタンク62LM,62LCと、接続流路63LM,63LCを備える。
インクジェットヘッド30LMは、ライトマゼンタインクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド30LCは、ライトシアンインクを吐出するインクジェットヘッドである。図4及び図5に示すインクジェット記録装置10では、主走査方向におけるインクジェットヘッド30K,30M,30Y,30C,30LM,30LCの配列順序は、主走査方向の第一側から第二側に向けて、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30C,30LM,30LCの順序とされている。インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30C,30LM,30LCの配列順序は、図4及び図5とは異なる順序としてもよい。インクジェットヘッド30LM,30LCは、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30Cと同様の構成とされる。
メインタンク60LMは、ライトマゼンタインクを貯留する。供給流路61LMは、メインタンク60LMとサブタンク62LMを接続する。サブタンク62LMは、キャリッジ40のベース部41上でインクジェットヘッド30LMの上方に設けられる。即ち、サブタンク62LMは、ベース部41上でインクジェットヘッド30LMの真上に設けられる。サブタンク62LMは、インクジェットヘッド30LMに供給されるライトマゼンタインクを副次的に貯留する。接続流路63LMは、サブタンク62LMとインクジェットヘッド30LMを接続する。サブタンク62LMをインクジェットヘッド30LMの上方(真上)に設けることで、接続流路63LMの流路長を短くすることができる。
メインタンク60LCは、ライトシアンインクを貯留する。供給流路61LCは、メインタンク60LCとサブタンク62LCを接続する。サブタンク62LCは、キャリッジ40のベース部41上でインクジェットヘッド30LCの上方に設けられる。即ち、サブタンク62LCは、ベース部41上でインクジェットヘッド30LCの真上に設けられる。サブタンク62LCは、インクジェットヘッド30LCに供給されるライトシアンインクを副次的に貯留する。接続流路63LCは、サブタンク62LCとインクジェットヘッド30LCを接続する。サブタンク62LCをインクジェットヘッド30LCの上方(真上)に設けることで、接続流路63LCの流路長を短くすることができる。
メインタンク60LM,60LCに貯留された各色のインクは、メインタンク60LM,60LCから流出し、供給流路61LM,61LCのうちの対応する色の供給流路を流れてサブタンク62LM,62LCに供給される。サブタンク62LM,62LCに供給された各色のインクは、接続流路63LM,63LCのうちの対応する色の接続流路を流れてインクジェットヘッド30LM,30LCに供給される。図4及び図5に示すインクジェット記録装置10でも、供給流路61K,61M,61Y,61C,61LM,61LCは、上記同様、キャリッジ40の主走査方向及び鉛直方向への各移動に対応可能な状態で設けられる。
インク色を6色とする場合、インク色の組み合わせは、ブラックとマゼンタとイエローとシアンとライトマゼンタとライトシアンとは異なる組み合わせとしてもよい。例えば、ブラックとマゼンタとイエローとシアンの他に採用するインク色は、ライトマゼンタとライトシアンとは異なる色としてもよい。柄の記録には、クリアインクを用いてもよい。前述の6色以外の色のインク又はクリアインクが採用される場合、インクジェット記録装置は、採用される色に対応するインクジェットヘッドとメインタンクと供給流路とサブタンクと接続流路を備える。
図4に示すインクジェット記録装置10では、昇降部90は、2個の昇降軸部92,93と、第四モータ94と、第五モータ95を備える。昇降軸部92,93は、昇降軸部81と同様の構成とされる。即ち、昇降軸部92,93は、ボールねじとされ、ねじ軸82と、ナット83を備える。第四モータ94と第五モータ95は、第三モータ84に対応するモータである。図4に示すインクジェット記録装置10では、キャリッジ40には、2個の台座部47,48が設けられる。台座部47,48は、台座部44に対応し、台座部44と同様の構成とされる。2個の台座部47,48のうち、台座部47は、昇降軸部92に対応する位置に設けられ、台座部48は、昇降軸部93に対応する位置に設けられる。昇降軸部92のナット83は、台座部47に設けられ、昇降軸部93のナット83は、台座部48に設けられる。
昇降軸部92は、主走査方向の第一側でサブタンク62Kと隣り合い、主走査方向の第二側でサブタンク62Mと隣り合う。昇降軸部92は、鉛直方向に沿った状態とされる。即ち、昇降部90が支持部50に設けられた状態で、昇降軸部92は、ねじ軸82とナット83が主走査方向においてサブタンク62Kとサブタンク62Mの間に設けられ、且つねじ軸82が鉛直方向に沿った状態とされる。昇降軸部93は、主走査方向の第一側でサブタンク62LMと隣り合い、主走査方向の第二側でサブタンク62LCと隣り合う。昇降軸部93は、鉛直方向に沿った状態とされる。即ち、昇降部90が支持部50に設けられた状態で、昇降軸部93は、ねじ軸82とナット83が主走査方向においてサブタンク62LMとサブタンク62LCの間に設けられ、且つねじ軸82が鉛直方向に沿った状態とされる。昇降軸部92,93は、搬送方向の位置が一致した状態で設けられる。即ち、昇降軸部92,93は、サブタンク62M,62Y,62C,62LMを挟み主走査方向に隣り合った状態で設けられる。
昇降部90では、第四モータ94は、昇降軸部92に対して設けられ、第五モータ95は、昇降軸部93に対して設けられる。第四モータ94は、回転軸85が昇降軸部92のねじ軸82に連結された状態でこのねじ軸82を回転させる。第五モータ95は、回転軸85が昇降軸部93のねじ軸82に連結された状態でこのねじ軸82を回転させる。第四モータ94と第五モータ95は、同期が取られた状態で駆動される。これに伴い、昇降軸部92,93の各ねじ軸82は、同じタイミングで同一方向に同一速度で同一量だけ回転する。図4で、第四モータ94と第五モータ95の内部に示す矢印は、ねじ軸82の回転方向を示す。図4では、第四モータ94と第五モータ95の各回転軸85は、不図示とされている。
図4に示すインクジェット記録装置10では、図1及び図2に示すインクジェット記録装置10と同様、不図示の移動部70によって主走査方向に往復移動される移動体を、主走査方向の第一側と第二側で対称な構造とし、主走査方向の第一側と第二側で均等な重量バランスとすることができる。前述の移動体は、インクジェットヘッド30K,30M,30Y,30C,30LM,30LCとキャリッジ40と支持部50とサブタンク62K,62M,62Y,62C,62LM,62LCと接続流路63K,63M,63Y,63C,63LM,63LCと昇降部90を含む。
昇降部が複数の昇降軸部を備える場合、所定の伝達機構によって一のねじ軸82の回転を他のねじ軸82に伝達させてもよい。例えば、図5に示すインクジェット記録装置10のように、昇降部91が2個の昇降軸部92,93を備える場合、昇降部91には、2個のプーリ96,97とタイミングベルト98が設けられる。図5に示すインクジェット記録装置10では、昇降軸部92,93の各ねじ軸82は、鉛直方向の上側となる端部が設置部56の鉛直方向の上側に突出した状態とされる。昇降軸部92,93の各ねじ軸82は、例えば、軸受99を介して回転自在に支持される。軸受99は、設置部56に設けられる。
プーリ96,97は、設置部56から鉛直方向の上側に突出したねじ軸82の端部にそれぞれ取り付けられる。タイミングベルト98は、張力が作用した状態でプーリ96,97に架け渡される。第三モータ84は、昇降軸部92に対して設けられる。第三モータ84は、回転軸85が昇降軸部92のねじ軸82に連結された状態でこのねじ軸82を回転させる。図5で、第三モータ84の内部に示す矢印は、ねじ軸82の回転方向を示す。
第三モータ84によって昇降軸部92のねじ軸82が第一方向に回転すると、プーリ96は、第一方向に回転し、タイミングベルト98も、第一方向に回転する。プーリ97は、第一方向に回転するタイミングベルト98に従動して回転する。これに伴い、昇降軸部93のねじ軸82は、昇降軸部92のねじ軸82と同じタイミングで第一方向に同一速度で同一量だけ回転する。第三モータ84によって昇降軸部92のねじ軸82が第二方向に回転すると、プーリ96は、第二方向に回転し、タイミングベルト98も、第二方向に回転する。プーリ97は、第二方向に回転するタイミングベルト98に従動して回転する。これに伴い、昇降軸部93のねじ軸82は、昇降軸部92のねじ軸82と同じタイミングで、第二方向に同一速度で同一量だけ回転する。
上述した通り、図4に示すインクジェット記録装置10では、昇降軸部93のねじ軸82は、第五モータ95によって回転される。これに対し、図5に示すインクジェット記録装置10では、昇降軸部93のねじ軸82は、プーリ96,97とタイミングベルト98による伝達機構を介して回転される。図4及び図5に示すインクジェット記録装置10は、この点で相違するが、この他の構成は、同様とされる。従って、図5に示すインクジェット記録装置10に関するこの他の説明は、省略する。
昇降部に設ける昇降軸部は、3個以上としてもよい。例えば、図4及び図5に示すインクジェット記録装置10と同様、キャリッジに搭載されるインクジェットヘッドが6個である場合、3個目の昇降軸部は、例えば、主走査方向の中心に配置される2個のサブタンクの間に設けられる。キャリッジには、3個目の昇降軸部に対応する台座部が設けられ、この昇降軸部のナットが、上記同様、前述の台座部に設けられる。前述の2個のサブタンクは、図4及び図5に基づけば、サブタンク62Y,62Cである。3個目の昇降軸部を備える昇降部では、図4に示すインクジェット記録装置10と同様、各昇降軸部に対してモータが設けられる。これとは異なり、3個目の昇降軸部を備える昇降部には、図5に示すインクジェット記録装置10と同様、プーリとタイミングベルトによる伝達機構を設けてもよい。この場合、モータの駆動に伴う一のねじ軸の回転が他の2本のねじ軸に伝達されてもよい。但し、一のねじ軸の回転が他のねじ軸に伝達され、更に、この他のねじ軸の回転が、残りのねじ軸に伝達されてもよい。
図4及び図5に示すインクジェット記録装置10では、サブタンク62Kは、サブタンク62K,62M,62Y,62C,62LM,62LCのうち、最も主走査方向の第一側に設けられるサブタンクであり、サブタンク62Mは、このサブタンク62Kと主走査方向に隣り合うサブタンクである。図4及び図5に示すインクジェット記録装置10では、サブタンク62LCは、サブタンク62K,62M,62Y,62C,62LM,62LCのうち、最も主走査方向の第二側に設けられるサブタンクであり、サブタンク62LMは、このサブタンク62LCと主走査方向に隣り合うサブタンクである。