JP6906365B2 - 釣り糸およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の釣り糸は引張強度18cN/dtex以上の高強力繊維を引き揃えた原糸または撚糸、あるいは製紐した製紐糸の少なくともいずれかを使用して芯糸が形成され、該芯糸に、該芯糸の融点もしくは分解温度よりも融点が低い合成繊維を少なくとも一部に使用してカバーリングが施されており、カバーリングを施された後、カバーリング糸の一部もしくは全部が溶融され固化されていることが重要である。
JIS L1013:2010の定義によった。すなわち、綛状に取った試料を20℃、65%RHの温湿度調整室に24時間放置した後、長さ100cmの試料20本をとりそのときの質量を測定し、次式により算出した。
繊度=試料の質量/試料の長さ×1000
デジタルマイクロメーター(MITUTOMO社製)でモノフィラメントの直径をランダムに5点測定しその平均値で表示した。
JIS L1013の規定に準じて測定した。すなわち、釣り糸を20℃、65%RHの温湿度調整室で24時間放置後、(株)オリエンテック社製「テンシロンUTM−4−100型」引張試験機を使用して、試長250mm、引張速度300mm/分の条件で引張破断強力および結節破断強力を1サンプルに対して5回測定し、その平均を求め強度を算出した。
JIS L―1095―7.10.2Bの規定に準じて測定した。すなわち、固定されたφ3.0mmの摩擦子(硬質鋼線(SWP−SF))の上に接触させたモノフィラメントを、前記摩擦子の左右各55度の角度で斜め下に設けたフリーローラー2個(ローラー間距離:70mm)の下に掛け、別の1個のフリーローラーの上を介してモノフィラメントの一端に0.2g/dの荷重をかけてセットする。モノフィラメント試料を往復回数:105回/分、往復ストローク:25mmの条件で摩擦子に接触往復させて、同一試料につき各10本のモノフィラメントについて夫々切断するまでの往復曲げ回数を室温にて測定して平均値を求めた。この平均値が大きいほど耐屈曲摩耗性が良好なことを表す。
JIS Z―8807の規定に準じて測定した。すなわち、ピクノメーターの重量:Wa、ピクノメーター+試料の重量:Wb、ピクノメーター+試料+標線までの溶液重量:Wc、ピクノメーター+標線までの溶液重量:Wdをそれぞれ測定して下式にて算出した。
式=(Wb−Wa)/(Wb−Wa−Wc+Wd)×溶液の密度
実際に10人の釣り人に本発明の釣り糸を使用して240gのジグを使い実際に釣りをしてもらった時の評価結果を下記の基準で判定した。
○:従来の高密度ポリエチレン釣り糸に比べキャスティング時の糸ふけが少なく、狙ったポイントにジグを落とすことができ、巻き上げ時のガイドとの擦過音も少なく魚を掛けた時の摩擦にも耐え一日快適に釣りができた。
×:従来の高密度ポリエチレン釣り糸に比べキャスティング時の糸ふけが少なく、狙ったポイントにジグを落とすことができたが、巻き上げ時のガイドとの擦過音が大きく、魚を掛けた時ガイドとの擦過で糸が切れてしまい釣り糸としては使用できなかった。
株式会社クラレ製液晶ポリエステル繊維「商品名:ベクトラン」56T×8本を製紐した芯糸に、繊維表面にナイロンマルチフィラメントとして東レ株式会社製ナイロン6(N6)繊維「商品名:アミラン」44T×8本でカバーするように上からカバーリングを施した後、処理温度240℃、処理時間80秒で表面のナイロン繊維を溶融させて本発明の釣り糸を作成した。作成した釣り糸の製造条件、評価結果を表1に示す。
芯糸の液晶ポリエステル繊維を「商品名:ベクトラン」110Tマルチフィラメント4本で製紐した後、東レ株式会社製ナイロン6繊維「商品名:アミラン」56T×4本、ナイロン66(N66)繊維「商品名:プロミラン」78T×4本の合計8本でカバーリングした後、処理温度240℃、処理時間80秒で処理して融点の低いナイロン6のみを溶かした半溶融釣り糸を作成した。作成した釣り糸の製造条件、評価結果を表1に示す。
実施例2の芯糸の組本数を8本にした以外は同様の条件で釣り糸を作成した。作成した釣り糸の製造条件、評価結果を表1に示す。
東レ・デュポン株式会社製アラミド繊維「商品名:ケブラー」220T×4本を製紐した芯糸に、ナイロンマルチフィラメントとして東レ株式会社製「商品名:アミラン」235T×4本でカバーリングした後、処理温度260℃、処理時間80秒で表面のナイロン繊維を溶融させて本発明の釣り糸を作成した。作成した釣り糸の製造条件、評価結果を表1に示す。
実施例2の芯糸にカバーリングで使う「商品名:アミラン」44T×2本を同時に製紐した後、ナイロンマルチフィラメントとして東レ株式会社製ナイロン6繊維「商品名:アミラン」44T×8本でカバーリングを施した後、処理温度240℃、処理時間80秒で表面のナイロン繊維を溶融させて本発明の釣り糸を作成した。作成した釣り糸の製造条件、評価結果を表1に示す。
実施例5のカバーリング糸の加工方法をブレードからカバーリング機を使い巻き付けに替えた以外は同様の条件で釣り糸を作成した。作成した釣り糸の製造条件、評価結果を表1に示す。
東レ株式会社製炭素繊維「商品名:トレカ」110T×4本を製紐した芯糸に、公知の製法で作成したPVDF(ポリフッ化ビニリデン)製モノフィラメント46T×8本を公知のリング撚糸機を使い巻き付けたのち、処理温度200℃、処理時間60秒で表面のPVDF繊維を溶融させて本発明の釣り糸を作成した。作成した釣り糸の製造条件、評価結果を表1に示す。
表面のカバーリング糸を溶融する工程を省いた以外は実施例1と同様の方法で釣り糸を作成した。作成した釣り糸の製造条件、評価結果を表1に示す。
実施例4で作成した芯糸をそのまま釣り糸として評価した。釣り糸としての製造条件、評価結果を表1に示す。
東レ・デュポン株式会社製アラミド繊維「商品名:ケブラー」220T×8本を製紐した芯糸に、東レファインケミカル株式会社製PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)繊維「トヨフロン」220T×2本をカバーリング機で巻き付けたものを釣り糸として評価した。釣り糸としての製造条件、評価結果を表1に示す。
芯糸の素材を東レ株式会社製ナイロン66繊維「商品名:プロミラン」235T×4本を製紐した芯糸に、公知の製法で作成したPVDF製モノフィラメント46T×8本をカバーリング機で巻き付けたのち、処理温度200℃、処理時間60秒で表面のPVDF繊維を溶融させて釣り糸を作成した。作成した釣り糸の製造条件、評価結果を表1に示す。
Claims (7)
- 引張強度18cN/dtex以上の高強力繊維を引き揃えた原糸または撚糸、あるいは製紐した製紐糸の少なくともいずれかを使用して芯糸が形成されており、該芯糸に、該芯糸の融点もしくは分解温度よりも融点が低い合成繊維を少なくとも一部に使用してカバーリングが施されており、カバーリング糸の少なくとも一部が溶融固化されていることを特徴とする釣り糸。
- 前記カバーリング糸に融点が異なる2種類以上の合成繊維が使用されており、一方の低融点カバーリング糸のみが少なくとも一部溶融固化されている、請求項1に記載の釣り糸。
- 前記カバーリング糸が融点の異なる2種類以上のポリマーの複合糸からなる、請求項1または2に記載の釣り糸。
- 前記芯糸に液晶ポリエステル繊維、アラミド繊維、炭素繊維の中から選ばれた少なくとも1種が使用されている、請求項1〜3のいずれかに記載の釣り糸。
- 前記カバーリング糸にポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、フッ素系繊維、ポリオレフィン系繊維の中から選ばれた少なくとも1種が使用されている、請求項1〜4のいずれかに記載の釣り糸。
- 前記カバーリング糸の割合が釣り糸全体の5%〜70%の範囲にある、請求項1〜5のいずれかに記載の釣り糸。
- 引張強度18cN/dtex以上の高強力繊維を引き揃えた原糸または撚糸、あるいは製紐した製紐糸の少なくともいずれかを使用して芯糸を形成した後、該芯糸の融点もしくは分解温度よりも融点が低い合成繊維を少なくとも一部に使用してカバーリングを施し、しかる後に、カバーリング糸の融点〜融点+100℃の範囲内の温度でカバーリング糸の少なくとも一部を溶融させた後、固化させることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の釣り糸の製造方法。
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