JP6366551B2 - 耐摩耗性と屈曲性に優れたコード糸 - Google Patents

耐摩耗性と屈曲性に優れたコード糸 Download PDF

Info

Publication number
JP6366551B2
JP6366551B2 JP2015171617A JP2015171617A JP6366551B2 JP 6366551 B2 JP6366551 B2 JP 6366551B2 JP 2015171617 A JP2015171617 A JP 2015171617A JP 2015171617 A JP2015171617 A JP 2015171617A JP 6366551 B2 JP6366551 B2 JP 6366551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
sheath
strength
yarn
cord yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015171617A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016056492A (ja
Inventor
ハン キム、イル
ハン キム、イル
Original Assignee
ハン キム、イル
ハン キム、イル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ハン キム、イル, ハン キム、イル filed Critical ハン キム、イル
Publication of JP2016056492A publication Critical patent/JP2016056492A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6366551B2 publication Critical patent/JP6366551B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)

Description

本発明は、コア及び前記コアを巻き囲むシース(sheath)で構成された2層以上の多層構造のコード糸(cord yarn)に関する。
また、本発明は、前記シースに金属材料を含ませることで、耐摩耗性を向上させたものである。
また、本発明は、前記シースの金属材料とコアとの間で緩衝作用を果たせるように、前記シースが有機高分子または有機高分子素材の糸をさらに含むか、若しくは、前記コアが柔軟性のある有機高分子素材の糸を一本以上含むようにした屈曲性(flexibility)に優れたコード糸に関する。
コード糸は糸を撚り合わせて製造されるが、一般に最終的な撚りは全体的な糸の撚り方向の逆方向に撚りを掛けて形成される。
このような撚りはS撚り、Z撚り、またはこれらの組合せからなる。
このように製造されるコード糸は、カイト(凧)糸、ブラインド調整用紐、釣り糸、高強力産業用紐、デンタルフロス、パラシュートの紐などに使用でき、産業全般で使用されている。
しかし、前記コード糸を釣り糸に使用する場合、釣り糸が魚の歯、鱗の摩擦によって切られることが時々発生する。
また、ワイヤのみで構成された釣り糸は摩擦には強いものの、屈曲性(柔軟性)に欠けて釣り針に連結するための結び目を作り難い。
そこで、本発明は、ワイヤより強力が高く、一般原糸より耐摩耗性に優れながら、釣り糸として柔軟性も共に備えるコード糸を製造するため、コア及び前記コアを巻き囲むシースを含むコード糸構造として、コアには直線強力と屈曲性に優れた素材を使用し、シースには耐摩耗性を向上させる金属材料及び緩衝材料をさらに使用した。
コード糸に関しては、2011年9月6日公開の特許文献1「金属線材含有伸縮糸及び当該糸を用いた繊維製品」が開示されている。しかし、本発明は高強度原糸コアCにワイヤ及び高分子繊維を交互に巻き付ける構造である一方、上記先行文献は単に金属線材を芯糸に巻き付ける構成を有しているため本発明と異なり、製造方法及び製造装置においても異なる。
また、1998年12月5日公開の特許文献2「タイヤコード糸の構造」が開示されているが、本発明のように原糸にワイヤ及び高分子繊維を巻き付けるコード糸とは異なる。
また、2008年7月14日公告の特許文献3「刺繍機用コード糸供給装置及びコード糸縫着方法」が開示されているが、本発明とは異なる製造装置及び方法を提示している。
また、2007年6月7日公開の特許文献4に、芯糸がナイロンなどの熱可塑性樹脂であり、金属細線、アラミドまたは高密度ポリエチレンから選択された1種からなる鞘糸で芯糸の周囲を巻き付ける釣り糸が開示されているが、本発明のようにコアとメタル素材との間で緩衝役割を果たす破断伸度20%以上、弾性係数15GPa以下の有機高分子繊維に対応する構成は示されていない。
韓国特許公開第10−2011−0099099号 韓国特許公開第20−1998−0065555号 韓国特許登録番号第10−0846197号 日本特許公開2007−135500号
本発明は、ワイヤより強力が高く、一般原糸より耐摩耗性に優れながら、釣り糸として柔軟性も共に備えるコード糸を製造することを目的とする。
本発明は、コアC及び前記コアを巻き囲むシースの2層構造を有して、耐摩耗性に優れたがらも屈曲性(柔軟性)に優れたコード糸を製造する。コード糸に高い引張強力(直線強力)を持たせるためには第1要素としてのコアCの直線強力が重要であるため、比強度5g/denier以上の有機高分子素材の糸を一本以上含み、柔軟性のある剛性3、000N/mm以下のメタル素材の糸や低融点高分子糸をさらに含むことができる。
また、本発明によるコアCの有機高分子素材としては、高強力ナイロン、高強力ポリエステル、ポリアリレート、パラアラミド、PBO(Polyphenylene benzobisoxazole)、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン、PPS(Polyphenylene sulfide)、PVDF(Polyvinylidene fluoride)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)、PVA(Polyvinyl alcohol)、ポリケトンが使用できるが、これらに限定されることはない。
また、本発明のコード糸は、釣り糸用途での使用時に釣り針、リング、スナップなどとの連結のため結び目が作られるほどの柔軟性を持たせるため、第2要素として屈曲性を向上させる緩衝素材を適切な含量で含むことができる。
コアCに使用された有機高分子が基本的な柔軟性を有しているが、コード糸の高い屈曲性のためにシースもコアとメタル素材との緩衝役割を果たす破断伸度20%以上及び弾性係数15GPa以下の有機高分子繊維ナイロン、ポリエステル及びポリプロピレンのうち1本以上で構成される。
また、本発明のコード糸は、釣り竿ガイド、水中の岩、魚の鱗、魚の歯などによる摩耗を最小化するため、耐摩耗性を高めることを目的に第3要素としてシースにメタル素材を適切な含量で使用して製造することができる。
上記のような構成のため、本発明はコアC及び前記コアを巻き囲むシースを含む2層以上の多層構造でなるコード糸であって、前記コアは直線強力を出せる比強度5g/denier以上の有機高分子素材の糸を一本以上含み、前記シースはA素材及びB素材の2種の素材からなり、前記A素材は摩耗強力を向上させるため柔軟性のある引張強度3,000N/mm以下のメタル素材一本以上で構成され、前記B素材はコアとA素材との緩衝役割を果たす破断伸度20%以上及び弾性係数15GPa以下の有機高分子繊維ナイロン、ポリエステル及びポリプロピレンのうち1本以上で構成され、前記シースは前記コアCにS撚りで巻き付けられる多数の束とZ撚りで巻き付けられる多数の束を含むコード糸である。
また、本発明において、コアC成分の総デニール(denier)[単位長9,000m当りの重量(g)]をdc、A素材の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をdm、B素材の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をdsとすれば、1)5≦dc≦100,000、2)0.1≦(dm/(dc+dm))≦0.90、3)0.1≦(dm/(ds+dm))≦0.95、4)0.1≦(dc/(dc+ds))≦0.90の含量を満たすことが望ましい。
*dc=5からは鮎用、100,000辺りは鮫用であり、本発明のコード糸を釣り糸に使用する場合、鮎から鮫まで適用することができる。
*dm/(dc+dm)の値が0.1未満であれば、鮎用としても使用できないほど切断抵抗(cut resistance)が低く、0.90を超えれば、dsがどんなに大きくなっても折れ易い傾向を見せる。
*dm/(ds+dm)の値が0.1未満であれば、dcとは関係なく、dsの破断伸度が高過ぎて感度が悪くなり、0.95を超えれば、dcとは関係なく、衝撃吸収性能が急激に悪くなる。
*dc/(dc+ds)の値が0.1未満であれば、鮎用としても使用できないほど直線強度が弱くなり、0.9を超えれば、衝撃吸収素材が少な過ぎて衝撃に弱くなる。
また、本発明によるコアCの有機高分子素材の糸は、高強力ナイロン、高強力ポリエステル、ポリアリレート、パラアラミド、PBO、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン有機高分子のうちいずれか1つであり、前記コアCは柔軟性のある剛性3,000N/mm以下のメタル素材の糸や低融点高分子糸をさらに含むことができる。
前記シースのA素材は、3,000N/mm以下の鋼鉄線、ステンレス線、亜鉛線、銅線、チタン線またはこれらの合金線のメタル素材、若しくは、比強度5g/denier以上のパラアラミド、ポリアリレート、PBO、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン、PPS、PVDF、PTFE、PVA、ポリケトンのうち一本以上と組み合わせられた前記メタル素材で構成され、前記メタル素材は単一種類または異種のメタル素材からなり得る。
また、前記コアC成分の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をdc、A素材(メタルを含む素材)の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をdm、B素材(緩衝役割を果たす有機高分子繊維)の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をds、1メートル当りシースの撚数をTM、コア糸の平均比重をgc、シースのB素材(緩衝役割を果たす有機高分子繊維)の平均比重をgs、シースのA素材(メタル素材及び有機高分子繊維を含むメタル素材)の平均比重をgmとするとき、
5≦TM{[dc×(gc)]/[(ds)×(gs)+(dm)×(gm)]}≦400の条件を満たす撚数(TM)を有し得る。
また、本発明は、前記コード糸、若しくは、前記コード糸にウレタン、アクリル、またはPVCコーティング、撥水、シリコン処理して製造した加工コード糸を含む織物、編物、ストリング、釣り糸、ロープ、携帯電話用アクセサリー、デンタルフロス、パラシュートの紐またはブラインドの紐のいずれか1つの製品であり得る。
本発明による金属材料を含むコード糸は、耐摩耗性に優れるだけでなく、金属材料で囲まれるコアCに優れた直線強力と柔軟性のある高分子物質を使用することで屈曲性を有し得る。
また、本発明は、コアCを巻き囲む材料に、単に金属材料のみではなく高分子繊維を混合することで、金属材料と高分子繊維との緩衝役割を果たすだけでなく、その比率を適切に調整して多様な範囲の耐摩耗性を有するコード糸を製造することができる。
このように多様な範囲の耐摩耗性を有するコード糸は多様な種類の釣り糸に使用することができる。
例えば、歯のある魚類(太刀魚、鮪、鮫)用釣り糸には金属材料の比率を増やして耐摩耗性を強化し、小さい魚を釣る場合には金属材料の比率を減らして柔軟性を増大させることができる。
また、SUS(ステンレス鋼)316などの金属材料を単独で使用する釣り糸と違って、本発明は優れた屈曲性(柔軟性)によりあらゆる種類の結び目が作れるため、釣り針のような釣り糸連結具との結び目連結が容易である。
本発明によるコード糸の製造装置を示した簡略説明図 図1によって製造された本発明のコード糸を示した説明図 ブレイド工程におけるS撚り及びZ撚りを説明する簡略説明図 耐摩耗性試験でコード糸デニール毎の張力を選定するための事前試験の結果表 本発明によるコード糸、一般ブレイド釣り糸、及びメタルブレイドの結び目の写真 引張強力、摩耗強力などの物性評価の結果表 本発明によるコード糸の耐摩耗性試験写真 本発明の比較例によるコード糸の試験写真 本発明によるシースに使用される有機高分子繊維とその他の繊維とを比べたデータの表
図1は、本発明による金属材料を含むコード糸の一実施例を製造するブレイディング製造装置を示した簡略図である。
本発明の製造装置は、ナイロンボビンn1、n2、n3、n4及びワイヤボビンw1、w2、w3、w4が回転する外層回転盤5A〜5D内で位置を変更しながらナイロン及びワイワが繰り出され、前記繰り出されたナイロン及びワイヤはコアボビン2から繰り出されるコアを巻き囲み、前記ナイロン及びワイヤに囲まれたコアはコンベヤローラー3に沿ってワイヤボビン4に巻き取られ、図2のように形成される。
本発明では、図2に示されたように、ナイロン及びワイワがコア糸CにS撚り及びZ撚りで交互に撚り合わせられ、完全にコアCを巻き囲んでいる。
図2に示されたナイロン及びワイヤからなる複合糸は、ワイヤ2本とナイロン2本がS撚り及びZ撚りでコアCを巻き囲んでいるが、本発明の他の実施例ではワイヤ及びナイロンの本数を変更することができる。
例えば、ワイヤ1本とナイロン7本、ワイヤ2本とナイロン6本、ワイヤ3本とナイロン5本、及びワイヤ4本とナイロン4本のように、ワイヤとナイロンとの比率が変更でき、ワイヤ1本とナイロン15本及びワイヤ2本とナイロン14本のようにコアCを巻き囲むワイヤ及びナイロンの全体本数を変更することもできる。
本発明の耐摩耗性複合コード糸を釣り糸に使用する場合、小さい魚用に適用するときはワイヤの比率を減らしてワイヤ1本にナイロン2本またはナイロン3本の比率で適用することが望ましく、大きい魚用または歯のある鮫類用などに適用するときはワイヤ1本にナイロン1本またはワイヤ3本にナイロン1本の比率でワイヤの比率を増やして適用し、耐摩耗性を高くすることが望ましい。
また、本発明において、ナイロンはポリエステル及びポリプロピレンに代替することができ、これらは図9に示されたように、破断伸度20%以上及び弾性係数15GPa以下の有機高分子繊維である。
また、本発明において、コアCは優れた直線強力及び柔軟性を有する素子として高強力ナイロン、高強力ポリエステル、ポリアリレート、パラアラミド、PBO、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン、PPS、PVDF、PTFE、PVA、ポリケトンを使用できるが、これらに限定されることはない。
また、本発明において、ワイヤ複数本の束がワイヤ1本を成し得、図2にはワイヤ6本が1本のワイヤ束を成していることが示されている。
本発明のコード糸では、優れた耐摩耗性を有するため、3,000N/mm以下の金属素材をコアC重量対比80〜400%、コード糸全体重量対比25〜80%程度を含むことが望ましい。
また、図1に示されたコード糸は、総8本のワイヤ及びナイロンがコアCを巻き囲んでいるが、総4本(4ブレイド)、16本(16ブレイド)、32本(32ブレイド)などと巻き囲むブレイドの本数を変更することができる。
本発明によるコード糸は、コアC部分に超高分子量ポリエチレンを使用して直線強力を発揮できるようにし、モノフィラメントではなくマルチフィラメント糸を使用することで、直線強力と共に基本的な柔軟性を有することができる。
また、シース部分には、メタル糸、及び伸び率20%以上且つ弾性係数15GPa以下の有機高分子繊維を使用し、メタル糸はコード糸の高い摩耗強力を維持する役割を果たし、有機高分子はコード糸とメタル糸との緩衝作用だけでなく一層屈曲性(柔軟性)の高いコード糸が製造できるように適切な比率で使用する。
また、本発明によれば、高い屈曲性のため、図5に示されたように一般釣り糸針の結び目と同等レベルで結び目を作ることができる。
また、本発明は高い耐摩耗性のため、図6の物性評価表に示されたように、摩耗後の強力維持率を92%以上維持することができる。
本発明の主な用途は釣り糸であり、各種の物性特性をUTM引張試験機と自体製作した摩耗強度試験機で分析した。
特に、摩耗強度試験機の摩耗子としては3M社のラッピングプラスチックペーパー(wrapping plastic paper)#400を使用し、摩耗されるコード糸に適用される張力(荷重)は、図4のように、事前試験を通じてコード糸デニール毎の張力(30回摩擦後の表面損傷率が80%以上になる張力)を選定して試験を行った。
また、摩耗前の引張強力値を30回摩耗試験後の引張強力値と比べて摩耗強度比(摩耗後の引張強力維持率)を計算し、耐摩耗性を比べた(図7を参照)。
超高分子量ポリエチレン400d(dはデニール)をコアCに使用し、シースには0.035mmのSUS316L 3つを並列で並べたものを一束にして4本と高強力ナイロン70d 4本とを一緒に使用して、コア:シースの比率を27%:73%(重量比)にしてS撚り及びZ撚りでコード糸を製造した。
このようにして製造したコード糸は、直径0.402mm、引張強力(直線強力)14.6kgf、比強度(tenacity)9.5g/denier、摩耗強度比(摩耗後の強力維持率)96%以上であって、100%ワイヤのみを撚って製造したコード糸の3.1g/denierより高い比強度と、一般超高分子量ポリエチレンブレイド釣り糸より優れた耐摩耗性を有する製品が得られた。
また、実施例1において、コアC成分の総デニールdcは400であり、A素材であるSUS316Lの総デニールdmは816[(0.035mmのワイヤ1本のデニール=68d)68d×3×4=816d]であり、B素材である高強力ナイロンの総デニールdsは280[70d×4=280]である。
これら値を請求項2の式に代入すれば、
(1)dc=400、(2)dm/(dc+dm)=0.67、(3)dm/(ds+dm)=0.74、(4)dc/(dc+ds)=0.59と、請求項2の式を満たすことが分かる。
また、コアの超高分子ポリエチレンの平均比重gcは0.97、ナイロンシースの平均比重gsは1.14、SUS316Lシースの平均比重gmは7.9である。請求項4の5≦TM{[dc×(gc)]/[(ds)×(gs)+(dm)×(gm)]}≦400に代入してみれば、1メートル当りシースの撚数(TM)は685ないし54,795の範囲にあることが望ましい。
超高分子量ポリエチレン1、800d(dはデニール)をコアCに使用し、シースには0.070mmのSUS316L 6つを並列で並べたものを一束にして4本と高強力ナイロン280d 4本とを一緒に使用して、コア:シースの比率を19%:81%にしてS撚り及びZ撚りでコード糸を製造した。
このようにして製造したコード糸は、直径0.851mm、引張強力(直線強力)56.2kgf、比強度8.4g/denier、摩耗強度比(摩耗後の強力維持率)99%以上であって、メタル糸を含むシースの比率を高めることで実施例1より優れた耐摩耗性を有する製品が得られた。
また、実施例2において、コアC成分の総デニールdcは1800であり、A素材であるSUS316Lの総デニールdmは6,576[(0.070mmのワイヤ1本のデニール=274d)274d×6×4=6,576d]であり、B素材である高強力ナイロンの総デニールdsは1,120[280d×4=1,120]になる。
これら値を請求項2の式に代入すれば、
(1)dc=1800、(2)dm/(dc+dm)=0.79、(3)dm/(ds+dm)=0.85、(4)dc/(dc+ds)=0.62と、請求項2の式を満たすことが分かる。
また、コアの超高分子ポリエチレンの平均比重gcは0.97、ナイロンシースの平均比重gsは1.14、SUS316Lシースの平均比重gmは7.9である。請求項4の5≦TM{[dc×(gc)]/[(ds)×(gs)+(dm)×(gm)]}≦400に代入してみれば、1メートル当りシースの撚数(TM)は1,220ないし97,560の範囲にあることが望ましい。
超高分子量ポリエチレン8,500d(dはデニール)をコアCに使用し、シースには0.150mmのSUS316L 6つを並列で並べたものを一束にして4本と高強力ナイロン1,260d 4本とを一緒に使用して、コア:シースの比率を19%:81%にしてS撚り及びZ撚りでコード糸を製造した。
このようにして製造したコード糸は、直径1.949mm、引張強力(直線強力)166.4kgf、比強度5.1g/denier、摩耗強度比(摩耗後の強力維持率)92%以上であって、一般にコード糸が太くなるほど強力及び耐摩耗性は低下するが、本実施例では少なくとも92%の耐摩耗性を維持する優れた製品が得られた。
また、実施例3において、コアC成分の総デニールdcは8,500であり、A素材であるSUS316Lの総デニールdmは30,144[(0.150mmのワイヤ1本のデニール=1,256d)1,256d×6×4=30,144d]であり、B素材である高強力ナイロンの総デニールdsは5,040[1,260d×4=5,040d]である。
これら値を請求項2の式に代入すれば、
(1)dc=8,500、(2)dm/(dc+dm)=0.78、(3)dm/(ds+dm)=0.86、(4)dc/(dc+ds)=0.63と、請求項2の式を満たすことが分かる。
また、コアの超高分子ポリエチレンの平均比重gcは0.97、ナイロンシースの平均比重gsは1.14、SUS316Lシースの平均比重gmは7.9であり、請求項4の5≦TM{[dc×(gc)]/[(ds)×(gs)+(dm)×(gm)]}≦400に代入してみれば、1メートル当りシースの撚数(TM)は1,190ないし95,238の範囲にあることが望ましい。
(比較例1)
75dの超高分子量ポリエチレン4本と70dの高強力ナイロン4本とを52%:48%の比率でコード糸を製造した。
このようにして製造したコード糸は、直径0.452mm、引張強力12.9kgf、比強度9.9g/denier、摩耗強度比53.5%であった。
コアC部分がなく、超高分子量ポリエチレンと高強力ナイロンとの比率を1:1程度にしてシースのみでコード糸を製造したとき、比強度は比較的に高かったものの、摩耗強度比は53.5%と良くなかった。
(比較例2)
フロロカーボン696d(2号)をコアCに使用し、シースには75dの超高分子量ポリエチレン4本と70dの高強力ナイロン4本とを55%:45%の比率で使用してコード糸を製造した。
このようにして製造したコード糸は、直径0.509mm、引張強力15.1kgf、比強度7.6g/denier、摩耗強度比47.7%であった。
コアCにカーボンを使用し、シースに超高分子量ポリエチレンと高強力ナイロンとの比率を1:1程度にして使用したとき、比強度及び摩耗強度比ともに良くなかった。
(比較例3)
メタル素材SUS 0.035mm×1×19をコアCに使用し、シースには75dの超高分子量ポリエチレン4本と70dの高強力ナイロン4本とを70%:30%の比率で使用してコード糸を製造した。
このようにして製造したコード糸は、直径0.489mm、引張強力15.7kgf、比強度5.4g/denier、摩耗強度比54.1%であった。
コアCに撚り合わせられたメタル糸を使用し、シースに超高分子量ポリエチレンと高強力ナイロンとを使用したコード糸も比強度及び摩耗強度比ともに良くなかった。
(比較例4)
125dの高強力ポリエステル8本を撚り合わせたものをコアCにし、150dの超高分子量ポリエチレン8本をシースにして45%:55%の比率でコード糸を製造した。
このようにして製造したコード糸は、直径0.560mm、引張強力23.3kgf、比強度9.9g/denier、摩耗強度比41.2%であった。
シースに有機高分子のみを使用する場合は、54%以上の耐摩耗性(摩耗強度比)は得られないことが分かった。
(比較例5)
0.100mm(550d)のメタル素材AISI304 1本をコアCにし、シースには同じ直径、同じ素材の6本がTM325のS撚りで撚り合わせられたワイヤブレイド製品は、引張強力12.1kgf、比強度3.1g/denier、摩耗強度比99.2%であった。予想通り摩耗強度比は最も高かったが、比強度は良くなかった。
また、図5に示されたように、釣り糸として使用するとき、釣り針と連結するには屈曲性(柔軟性)が足りないため、結び目を作り難く、別途の結束材料を使用して連結しなければならないという短所がある。
図9には、ナイロン、ポリエステル及びポリプロピレンの物性値が示されているが、破断伸度が20%を超えて柔軟性が高く、且つ、弾性係数が15GPa以下と変形に対する抵抗力が小さくて柔軟であることが分かる。
本発明の具体的な実施例ではシースのB素材としてナイロンのみを使用してしているが、ナイロンをポリエステル及びポリプロピレンのように柔軟性が高くて外部変形に対する抵抗力が小さい有機高分子に代替することができる。
図9を見れば、パラアラミド、ポリアリレート、UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)、PBOなどはナイロン、ポリエステル及びポリプロピレンに比べて弾性係数が大きく、破断伸度が低いことが分かる。
また、一般にメタル素材の場合は、弾性係数が少なくとも50以上であって、外部変形に抵抗力が大きい。
したがって、本発明では、シースのB素材として柔軟性の大きい有機高分子を使用して、シースのA素材である金属材料とコアの高分子繊維との間で緩衝役割を果たすようにした。また、前記B素材の比率を適切に調整することで、多様な範囲の耐摩耗性を有するコード糸を製造することができる。
以上、本発明を具体的な構成要素などの特定事項と限定された実施例及び図面に基づいて説明したが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、記載された実施例によって本発明が限定されることはなく、本発明が属する分野で通常の知識を持つ者であればこのような記載から多様に修正及び変形することができる。したがって、本発明の思想は記載された実施例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲だけでなく、特許請求の範囲と均等又は等価的変形の全てが本発明の思想の範疇に属する。
2 コアボビン
n1、n2、n3、n4 ナイロンボビン
3 コンベヤローラー
w1、w2、w3、w4 ワイヤボビン
4 ワイヤボビン
5A、5B、5C、5D 回転盤

Claims (5)

  1. コアC及び前記コアを巻き囲むシースを含む2層以上の多層構造でなるコード糸であって、
    前記コアCは、高強力ナイロン、高強力ポリエステル、ポリアリレート、パラアラミド、PBO、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン有機高分子のうちいずれか1つから選ばれる糸を含み、
    前記シースは、A素材及びB素材の2種の素材からなり、
    前記A素材は、摩耗強力を向上させるため柔軟性のある引張強度3,000N/mm以下のメタル素材を含み、
    前記B素材は、コアとA素材との緩衝役割を果たす破断伸度20%以上及び弾性係数15GPa以下のナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンのうちのいずれか1つの繊維1本以上からなり、
    前記シースは、前記A素材及びB素材から成る複数本がS撚りとZ撚とを交互に行いながらコアCに巻きついていき、コアCを完全に巻き囲む形態であり、コアCは外部に露出しない
    ことを特徴とするコード糸。
  2. コアC成分の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をdc、A素材の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をdm、B素材の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をdsとして、
    (1)5≦dc≦100,000
    (2)0.1≦(dm/(dc+dm))≦0.90
    (3)0.1≦(dm/(ds+dm))≦0.95
    (4)0.1≦(dc/(dc+ds))≦0.90
    の含量を満たす
    請求項1に記載のコード糸。
  3. 前記コアCは、柔軟性のある剛性3,000N/mm以下のメタル素材の糸又は低融点高分子糸をさらに含み、
    前記シースのA素材は、3,000N/mm以下の鋼鉄線、ステンレス線、亜鉛線、銅線、チタン線またはこれらの合金線のメタル素材、若しくはパラアラミド、ポリアリレート、PBO、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン、PPS、PVDF、PTFE、PVA、ポリケトンのうち一本以上と組み合わせられた前記メタル素材で構成され、
    前記メタル素材は単一種類または異種のメタル素材からなる
    請求項1に記載のコード糸。
  4. 前記コアC成分の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をdc、A素材(メタルを含む素材)の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をdm、B素材(緩衝役割を果たす有機高分子繊維)の総デニール[単位長9,000m当りの重量(g)]をds、1メートル当りシースの撚数をTM、コア糸の平均比重をgc、シースのB素材(緩衝役割を果たす有機高分子繊維)の平均比重をgs、シースのA素材(メタル素材及び有機高分子繊維を含むメタル素材)の平均比重をgmとして、
    5≦TM{[dc×(gc)]/[(ds)×(gs)+(dm)×(gm)]}≦400の条件を満たす撚数(TM)を有する
    請求項1ないし3のいずれかに記載のコード糸。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載の前記コード糸、若しくは、前記コード糸にウレタン、アクリル、またはPVCコーティング、撥水、シリコン処理して製造した加工コード糸を含む織物、編物、ストリング、釣り糸、ロープ、携帯電話用アクセサリー、デンタルフロス、パラシュートの紐またはブラインドの紐のいずれか1つである
    ことを特徴とする製品。
JP2015171617A 2014-09-05 2015-09-01 耐摩耗性と屈曲性に優れたコード糸 Active JP6366551B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2014-0118256 2014-09-05
KR20140118256 2014-09-05
KR1020150097048A KR20160029649A (ko) 2014-09-05 2015-07-08 내마모성과 굴곡성이 우수한 코드사
KR10-2015-0097048 2015-07-08

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016056492A JP2016056492A (ja) 2016-04-21
JP6366551B2 true JP6366551B2 (ja) 2018-08-01

Family

ID=55542190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015171617A Active JP6366551B2 (ja) 2014-09-05 2015-09-01 耐摩耗性と屈曲性に優れたコード糸

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6366551B2 (ja)
KR (1) KR20160029649A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109183226A (zh) * 2018-11-23 2019-01-11 苏州高研纺织科技有限公司 一种高性能导电纱线

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02227018A (ja) * 1989-02-28 1990-09-10 Toho Kinzoku Kk 釣糸
EP0498216B1 (en) * 1991-02-06 1995-11-08 BETTCHER INDUSTRIES, INC. (a Delaware Corporation) Improved yarn and safety apparel
JP3616562B2 (ja) * 2000-09-19 2005-02-02 朝日インテック株式会社 釣糸
JP3839701B2 (ja) * 2001-10-29 2006-11-01 有限会社よつあみ 釣糸
JP4773397B2 (ja) * 2007-05-08 2011-09-14 株式会社ワイ・ジー・ケー 剥離除去可能な被覆付きハリス
JP4886592B2 (ja) * 2007-05-21 2012-02-29 株式会社ワイ・ジー・ケー 耐切創性に優れた釣糸

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016056492A (ja) 2016-04-21
KR20160029649A (ko) 2016-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2544527B1 (en) Fluoropolymer fiber composite bundle
JP5881253B2 (ja) マルチフィラメント糸構造
CA2753367C (en) Fluoropolymer fiber composite bundle
JP5165579B2 (ja) 高性能ポリエチレン繊維を含有するロープ
US9045856B2 (en) Hybrid rope and method for manufacturing the same
KR101576509B1 (ko) 단섬유를 포함하는 심초구조의 낚시줄
WO2014069299A1 (ja) 合成繊維ロープ
UA101614C2 (en) Rope
WO2016162569A1 (en) Sealed rope, use thereof and method for production
JP4097004B2 (ja) 繊維ロープ
JP6366551B2 (ja) 耐摩耗性と屈曲性に優れたコード糸
JP7249468B2 (ja) 二重ロープ構造体
GB2052580A (en) Rope assembly
AU2015202643B2 (en) Fluoropolymer fiber composite bundle
EP4148181A1 (en) Cut resistant jacket
JP2000023604A (ja) 釣 糸
JPH09154457A (ja) 延縄用幹縄および釣糸
KR20240054349A (ko) 내절단성 재킷
JP2022103147A (ja) 二重ロープ構造体
JP2554843B2 (ja) 延縄用幹縄

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180703

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6366551

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250