JP2003189772A - 釣り糸 - Google Patents

釣り糸

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JP2003189772A
JP2003189772A JP2001399252A JP2001399252A JP2003189772A JP 2003189772 A JP2003189772 A JP 2003189772A JP 2001399252 A JP2001399252 A JP 2001399252A JP 2001399252 A JP2001399252 A JP 2001399252A JP 2003189772 A JP2003189772 A JP 2003189772A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モノフィラメント製釣り糸よりも柔軟で糸よ
れが入りにくく、かつマルチフィラメントを紐状に編組
した釣り糸よりも伸縮性、擦過性に優れた特性を具備し
た釣糸の提供。 【解決手段】 本発明の釣り糸は、単糸直径0.05m
m以上0.78mm以下、かつ破断伸度20%以上の熱
可塑性樹脂の複数本を製紐してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本の熱可塑性
樹脂モノフィラメントを製紐してなる釣り糸に関する。
さらに詳しくは、複数本のモノフィラメントを製紐して
なり、破断伸度が高く、かつ伸張回復性に優れた釣り糸
に関する。
【0002】
【従来の技術】釣り糸としては、マルチフィラメントを
紐状に編組した釣り糸や、熱可塑性樹脂モノフィラメン
トからなる釣り糸など数多くのものが上市されている。
【0003】しかるに、最近では、釣り場の多様化、釣
り人口の増加および釣り技術の進歩などに応じて、マル
チフィラメントを紐状に編組した釣り糸のような柔軟性
を持ち、かつ熱可塑性樹脂モノフィラメントからなる釣
り糸のような伸縮性を併せ持つ釣り糸の実現が望まれて
いる。
【0004】釣り糸をたとえば鮎用のハリスとして使用
した場合、大鮎の引きに耐えるためには、ある程度の太
さを持った鮎ハリスを使用する必要がある。この鮎ハリ
スに熱可塑性樹脂モノフィラメント製のもの使用する
と、太さからくる剛性が高くなって野鮎に針が絡みにく
くなってしまい、野鮎が掛かる確率が極端に低くなって
しまうという結果となる。また、マルチフィラメントを
紐状に編組した釣り糸を鮎ハリスに使用すると、柔軟性
は十分に満足されるが、糸の伸縮性が極端に低く、大鮎
が掛かったときの急激な引きに対して力を吸収しきれず
にハリスが切れてしまったり、せっかく鮎に掛かった針
が野鮎の身切れによって取り逃がしてしまうという結果
となり、釣果が少なくなるという問題があった。
【0005】また、釣り糸をスピニングリールに巻いて
使う場合には、縦方向に糸を引きだし、横方向に糸を巻
き取るといったスピニングリールの構造上、熱可塑性樹
脂モノフィラメント製の釣り糸では、数時間から数回使
用すると糸に縒りが入ってしまう現象、いわゆる糸よれ
を生じるというという問題があり、マルチフィラメント
を紐状に編組した釣り糸では、編組加工時に撚りを掛け
ることからその形態を安定させようとする力が働き、で
き上がった釣り糸はよれにくくなるものの、単糸直径が
細いことから擦過に対して極端に弱くなってしまうとい
う問題があった。
【0006】さらに、雨天などにより釣り竿および釣り
糸の双方がともに濡れてしまったときに、モノフィラメ
ント製釣り糸およびマルチフィラメントを紐状に編組し
た釣り糸を使用すると、表面の平滑性が優れていること
から、竿にべたついてしまい極端に操作性が悪くなって
しまうという問題があった。
【0007】このような場合に、もし従来の熱可塑性樹
脂モノフィラメントで作られた釣り糸より柔軟で糸よれ
が入りにくく、かつマルチフィラメントを紐状に編組し
た釣り糸よりも伸縮性があり、擦過性に優れると共に、
雨天の日でも糸が竿にべたつくことなく操作性に優れた
釣り糸を開発することができれば、これを鮎ハリスとし
て使用した場合には、野鮎が掛かる確率を落とすことな
く、大鮎が掛かったときにハリス切れや身切れのトラブ
ルを起こすことなく取り込むことができ、好釣果の取得
が実現可能になることが予想される。さらに、スピニン
グリールに巻いて使った場合には、糸よれが入りにく
く、擦過にも強いばかりか、全天候でオールマイティー
に使用可能な釣り糸の実現が予想される。
【0008】一方、熱可塑性樹脂モノフィラメントで作
られた鮎ハリスを柔軟化する技術としては、特許第29
62462号に示されるように、モノフィラメントをテ
ーパー状に加工する方法が公知であるが、この方法で得
られるモノフィラメント製鮎ハリスは、柔軟性の目的は
達成することができるものの、テーパー部分の糸直径が
細くなり、その部分に力が集中してしまう結果、始めか
ら細直径のモノフィラメント製鮎ハリスを使用した場合
と同様に、鮎の引きに対して簡単に切れてしまうという
問題があった。
【0009】また、マルチフィラメントを紐状に編組し
た釣り糸の耐擦過性を向上させる方法としては、特許第
2962619号に開示されているように、引張強度2
0g/d以上、破断伸度4〜8%の範囲にある合成繊維
を、強力向上に全く寄与しない細デニールの別素材でカ
バーしてしまう方法や、実開昭57−194677に開
示されているように、ポリアミド撚合わせ芯材の外周に
ポリウレタンを被服する方法などが公知であるが、いず
れの方法も製法が煩雑であるばかりか、細デニールのマ
ルチフィラメントでカバーしてしまったり、ポリウレタ
ンで被覆してしまうことにより糸表面の平滑性が向上
し、結果として竿へのべたつきを解消することができな
いという問題があった。
【0010】さらに、釣り糸の表面を凸凹状にする方法
としては、特許番号第3111050に開示されている
ように、モノフィラメントの長手方向に複数本の溝を形
成する方法が挙げられるが、この方法では強度を保つた
めに凹状の溝の深さが、釣り糸の断面に外接する円の直
径の1〜10%であることが必須条件であり、このこと
により、凸凹の効果が小さくなり、結果として竿へのべ
たつきを押さえることができなくなってしまうという問
題が残されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0012】したがって、本発明の目的は、マルチフィ
ラメントを紐状に編組した釣り糸のような柔軟性を持
ち、熱可塑性樹脂モノフィラメントからなる釣り糸のよ
うな伸縮性を持つとともに、全天候での優れた操作性を
兼ね備えた釣り糸を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の釣り糸は、単糸直径0.05mm以上
0.78mm以下、かつJIS L1013の規定に準
じて測定した破断伸度が20%以上の熱可塑性樹脂モノ
フィラメントの複数本を製紐してなることを特徴とす
る。
【0014】なお、本発明の釣り糸においては、前記熱
可塑性樹脂モノフィラメントが、ポリアミド系樹脂、フ
ッ素系樹脂およびポリエステル系樹脂から選ばれたの少
なくとも1種よりなること、前記熱可塑性樹脂モノフィ
ラメントのJIS L1013の規定に準じて測定し
た、引張強度が、300MPa以上、特に350MPa
以上であること、前記釣り糸の下記式(I)で表される
瞬間回復率(L1)が70%以上であること、 L1=(H−H1)/H×100 (ここで、上記式中のHは糸の破断強力の30%の荷重
を掛けたときの糸の伸び長さを表し、H1は破断強力の
30%の荷重を掛けたまま1分間放置した後荷重をはず
したときの糸の伸び長さを表す。) 前記釣り糸を構成する熱可塑性樹脂モノフィラメントの
本数が2本以上10本以下であること、前記製紐が撚り
加工によりなされていること、前記撚り加工が下撚りと
反対方向に上撚りを掛けることにより、撚り糸の解除ト
ルクをうち消し合う構造であること、前記撚り加工後に
樹脂バインダーによる被覆がされていないことが、いす
れも好ましい条件であり、これらの条件を満たすことに
よって、一層優れた効果の取得を期待することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の釣り糸について
詳細に説明する。
【0016】本発明の釣り糸は、単糸直径0.05mm
以上0.78mm以下、特に0.10mm以上0.30
mm以下、かつJIS L1013の規定に準じて測定
した破断伸度が20%以上、特に25%以上の熱可塑性
樹脂モノフィラメントの複数本を製紐してなることを特
徴とし、かかる特性を満たすことによって、釣り糸とし
て製紐されたときに優れた柔軟性、伸縮性、耐擦過性お
よび操作性を発揮することができる。
【0017】ここで、熱可塑性樹脂モノフィラメントの
単糸直径が上記の範囲未満では、マルチフィラメントを
製紐した場合の場合と同様の問題が生じやすくなり、ま
た上記の範囲をこえると、モノフィラメント単体の場合
と同様の問題を生じ易くなるため好ましくない。
【0018】また、熱可塑性樹脂モノフィラメントの破
断強度が上記の範囲未満では、得られる釣り糸の強度が
不足してしまうため好ましくない。
【0019】本発明で使用する熱可塑性樹脂モノフィラ
メントは、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂およびポリ
エステル系樹脂から選ばれた少なくとも1種を通常の方
法で紡糸し、必要に応じて延伸・熱固定することにより
得られるものであるが、このようにして得られる熱可塑
性樹脂モノフィラメントは、その引張強度が300MP
a以上、好ましくは350MPa以上であることが、釣
り糸として製紐されたときに高い強度が得られることか
ら望ましい。
【0020】これらの熱可塑性樹脂モノフィラメント
は、目的とする特性を阻害しない範囲であれば、例えば
顔料、染料、結晶化抑制剤、金属化合物、比重調整剤、
撥水処理剤、親水処理剤、酸化チタンおよび可塑剤など
の添加剤を含有することができる。
【0021】また、熱可塑性樹脂モノフィラメントの形
態としては、単純なモノフィラメント以外にも、異形断
面モノフィラメント、海島複合モノフィラメント、二重
芯鞘モノフィラメントおよび三重芯鞘モノフィラメント
などを選択することもできる。
【0022】そして、本発明の釣り糸は、上記モノフィ
ラメントの2本以上10本以下、特に3本以上8本以下
を製紐加工することにより得ることができる。
【0023】製紐加工としては、撚り加工および組加工
が挙げられるが、加工コストが低くできることから、撚
り加工の方が有利である。
【0024】上記撚り加工の場合には、下撚りと反対方
向に上撚りを掛けることにより、撚り糸の解除トルクを
うち消し合う構造にすることが望ましく、これにより撚
り加工後の形態を安定させるための樹脂バインダーによ
る被覆をしなくて済み、糸表面の凸凹をそのまま残すこ
とができるため、雨天の日でも釣り糸が竿にべたつくこ
とがなく、全天候でのすぐれた操作性を実現することが
できる。
【0025】本発明の釣り糸は、JIS L1013の
規定に準じて測定した破断伸度が20%以上、特に70
%以上であり、かつ上記式(I)次式で表される瞬間回
復率(L1)が70%以上、特に80%以上であること
を満たすことが望ましく、かかる特性を満たすことによ
って、優れた柔軟性、伸縮性、耐擦過性および操作性を
発揮することができる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、各種特性の評価は、以下の方法に準じて行った。 [引張強度]JISL1013の定義に準じて行った。
すなわち、綛状に取った試料を20℃、65%RHの雰
囲気下に24時間放置した後、オリエンテック社製“テ
ンシロン”RTM500型引張試験機を用い、糸長:2
50mm、引張速度:300mm/分の条件で測定した
引張破断強力(N)を断面積で割り返して強度(MP
a)を求めた。 [破断伸度]JISL1013の定義に準じて行った。
すなわち、綛状に取った試料を20℃、65%RHの雰
囲気下に24時間放置した後、オリエンテック社製“テ
ンシロン”RTM500型引張試験機を用い、糸長:2
50mm、引張速度:300mm/分の条件で引張破断
強力(N)を測定したときの破断までの糸の伸びを測定
した。 [直径]デジタルマイクロメーター(MITUTOMO
製)でモノフィラメントの長径と短径を測定し、その平
均で表示した。 [瞬間回復率]スプールに巻き取った資料を20℃、6
5%RHの雰囲気下に24時間放置した後、オリエンテ
ック社製“テンシロン”RTM500型引張試験機を用
い、糸長:250mm、引張速度:300mm/分の条
件で測定し、瞬間回復率(L1)を次式により算出し
た。
【0027】L1=(H−H1)/H×100 (ここで、上記式中のHは糸の破断強力の30%の荷重
を掛けたときの糸の伸び長さを表し、H1は破断強力の
30%の荷重を掛けたまま1分間放置した後荷重をはず
したときの糸の伸び長さを表す。) [擦過テスト]JISL−1095−7.10.2Bに
基づいて作成された屈曲摩耗試験機を使用し、ナイロン
換算で0.22MPaの荷重を掛けて150回擦過後の
外観について目視で評価した結果であり、次の3基準で
判定した。
【0028】 ○…外観に全く変化が認められなかった、 △…バインダーが剥がれるか、あるい撚り糸にやや毛羽
が認められた、 ×…撚り糸の単糸が数本切れて毛羽立った状態になっ
た。 [実釣評価−1]数人の釣り人に依頼して、実際にモノ
フィラメントを製紐して作った鮎ハリスと、モノフィラ
メント製鮎ハリス、マルチフィラメントを製紐してなる
鮎ハリスを交互に使ってもらい、その時の鮎の掛かり具
合、鮎が掛かった後取り込み時のハリス切れ、身切れな
どトラブルの発生状況についてのフィーリング評価結果
を、次の3規準で判定した。
【0029】 ○…野鮎の掛かりが良く、取り込み時のトラブルもなか
った、 △…取り込み時のトラブルはなかったが、野鮎の掛かり
が極端に悪くなった、 ×…の鮎の掛かりは良かったが、取り込み時にハリス切
れ、身切れなどのトラブルが多発した。 [実釣評価−2]数人の釣り人に依頼して、雨天の日を
選んで実際にモノフィラメントを製紐して作った釣り糸
と、モノフィラメント製の釣り糸、マルチフィラメント
を製紐してなる釣り糸を交互に磯釣り用の道糸としてリ
ールに巻き込んで使ってもらい、糸よれ、竿へのべたつ
きなど操作性についてのフィーリング評価結果を、次の
3基準で判定した。
【0030】 ○…糸よれの発生、竿へのべたつきなどなく、一日中快
適に釣りができた、 △…糸よれの発生はなかったが、糸が竿にべたついてし
まい使いづらかった、 ×…糸よれの発生、竿へのべたつきともに発生してしま
い使いづらかった。 [実施例1]東レ(株)製共重合ポリアミド樹脂[M6
1021H4(相対粘度4.65)]に対し、東レ
(株)製ナイロン66樹脂[M3001C(相対粘度
2.95)]を30重量%添加し、撹拌ブレンドした原
料組成物を、エクストルーダー型紡糸機に供給し、29
0℃の温度で溶融し、孔径1.0mmの口金を通して押
し出した後、ただちに10℃の冷水浴中で冷却固化させ
未延伸糸を得た。
【0031】上記未延伸糸を、引き続き1段目延伸条
件:100℃の水蒸気中で3.8倍に延伸し、ついで2
段目条件:226℃の不活性気体中で1.55倍(トー
タル延伸倍率6.4倍)、その後同じく180℃の不活
性気体中でリラックス率0.9倍の熱セット処理を行う
ことにより、直径0.165mm、引張強度900MP
a、破断伸度26.3%のモノフィラメントを得た。
【0032】次に、上記モノフィラメントを、リング撚
糸機を使用し、下撚りをZ方向に60ターン/10cm
掛けたものを2本作り、その2本を合糸してS方向に上
撚りを51ターン/10cm掛けることにより、モノフ
ィラメントを製紐してなる釣り糸を得た。 [実施例2〜3]実施例1と同様の条件により、モノフ
ィラメントの直径を0.104mm、撚り本数を5本お
よびモノフィラメントの直径を0.069mm、撚り本
数を10本に変更した以外は、同様の条件にてモノフィ
ラメントを製紐してなる釣り糸を得た。 [比較例1〜4]釣り糸の素材、撚り本数、単糸物性、
樹脂バインダーによる被覆の有無について表1に示した
ように変更した以外は、実施例1と同様の条件にてモノ
フィラメントを製紐してなる釣り糸を得た。
【0033】上記実施例1〜3および比較例1〜5で得
られた釣り糸の物性結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明の釣り糸(実施
例1〜3)は、製紐していない釣り糸(比較例1)に比
べ、実釣評価−1で示される柔軟性、伸縮性にすぐれる
と共に、実釣評価−2で示される擦過性、操作性にもす
ぐれたものであり、全天候でオールマイティーに使える
釣り糸として、必要十分な効果を発現することができ
る。
【0035】一方、ポリアミドマルチフィラメントを使
った釣り糸(比較例2)の場合は、でき上がった釣り糸
の伸張回復率、破断伸度が規定範囲を外れてしまい、実
釣評価−1で示す柔軟性、衝撃吸収性の評価で鮎の取り
込み時のハリス切れ、身切れなどのトラブルが多発して
しまうばかりか、単糸直径が細くなることにより擦過製
が悪くなってしまい、さらに製紐後の釣り糸の表面の平
活性が上がってしまい実釣評価−2で示す操作性の評価
も糸が竿にべたつくことにより悪くなってしまった。
【0036】さらに、モノフィラメントの素材を、液晶
紡糸やゲル紡糸によって得られる低伸度、高強力タイプ
といわれる合成繊維であるポリエチレン系樹脂のテクミ
ロン(登録商標、三井石油化学株製)マルチフィラメン
トにした釣り糸(比較例3)の場合は、でき上がった釣
り糸の伸張回復率、破断伸度が規定範囲を外れてしま
い、実釣評価−1で示す柔軟性、衝撃吸収性の評価で鮎
の取り込み時のハリス切れ、身切れなどのトラブルが多
発してしまうばかりか、単糸直径が細くなることにより
擦過性が悪くなってしまい、さらに製紐後の釣り糸の表
面の平活性が上がってしまい、実釣評価−2で示す操作
性の評価も糸が竿にべたつくことにより悪くなってしま
った。
【0037】また、実施例1の釣り糸に樹脂バインダー
による被覆を施した釣り糸(比較例4)は、被覆加工を
施すことによって伸張回復率、破断伸度が規定範囲を外
れてしまうため、実釣評価−1で示す柔軟性、衝撃吸収
性の評価で鮎の取り込み時のハリス切れ、身切れなどの
トラブルが多発してしまうばかりか、被覆加工によって
糸の柔軟性もなくなってしまい、野鮎の掛かりも悪くな
ってしまった。さらには、被覆加工により糸表面の凸凹
も小さくなり、結果として実釣評価−2で示す操作性の
評価も糸が竿にべたつくことにより悪くなってしまっ
た。
【0038】さらにまた、単糸直径が規定範囲を外れる
釣り糸(比較例5)は、製紐後の釣り糸の直径が太くな
りすぎて鮎用のハリスとしての使用ができないばかり
か、市販のスピニングリールには糸が巻けなくなってし
まい、釣り糸としての使用ができなかった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の釣り糸
は、モノフィラメント製釣り糸に比較して柔軟で糸よれ
が入りにくく、かつマルチフィラメントを紐状に編組し
た釣り糸よりも伸縮性、擦過性に優れた特性を具備する
ものであり、かつ全天候でオールマイティーに使用する
ことができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸直径0.05mm以上0.78mm
    以下、かつJIS L1013の規定に準じて測定した
    破断伸度が20%以上の熱可塑性樹脂モノフィラメント
    の複数本を製紐してなることを特徴とする釣り糸。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂モノフィラメントが、
    ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂およびポリエステル系
    樹脂から選ばれた少なくとも1種よりなることを特徴と
    する請求項1に記載の釣り糸。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂モノフィラメントのJ
    IS L1013の規定に準じて測定した引張強度が3
    00MPa以上であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の釣り糸。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂モノフィラメントのJ
    IS L1013の規定に準じて測定した引張強度が3
    50MPa以上であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の釣り糸。
  5. 【請求項5】 前記釣り糸の下記式(I)で表される瞬
    間回復率(L1)が70%以上であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の釣り糸。 L1=(H−H1)/H×100……(I) (ここで、上記式中のHは糸に破断強力の30%の荷重
    を掛けたときの糸の伸び長さを表し、H1は破断強力の
    30%の荷重を掛けたまま1分間放置した後荷重をはず
    したときの糸の伸び長さを表す。)
  6. 【請求項6】 前記釣り糸を構成する熱可塑性樹脂モノ
    フィラメントの本数が、2本以上10本以下であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の釣り
    糸。
  7. 【請求項7】 前記製紐が撚り加工によりなされている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    釣り糸。
  8. 【請求項8】 前記撚り加工が下撚りと反対方向に上撚
    りを掛けることにより、撚り糸の解除トルクをうち消し
    合う構造であることを特徴とする請求項7に記載の釣り
    糸。
  9. 【請求項9】 前記撚り加工後に樹脂バインダーによる
    被覆がされていないことを特徴とする請求項7または8
    に記載の釣り糸。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007135500A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Toray Monofilament Co Ltd 釣り糸およびその製造方法

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JP2007135500A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Toray Monofilament Co Ltd 釣り糸およびその製造方法

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