JP6900653B2 - ランデル型モータの製造方法 - Google Patents

ランデル型モータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ランデル型モータの製造方法に関するものである。
例えば特許文献1に記載されるように、モータには、モータケースの内部に、ランデル型ロータとステータとを収容したランデル型モータがある。ランデル型ロータは、周方向に複数の爪状磁極を有する2つのロータコアと、2つのロータコアの間に配置され軸方向に磁化された界磁磁石とを有する。そして、ランデル型ロータでは、一方のロータコアの爪状磁極と他方のロータコアの爪状磁極とが周方向に交互に配置され、界磁磁石によって各爪状磁極が交互に異なる磁極として機能するようになっている。
特許文献1に記載されたランデル型モータでは、ランデル型ロータと一体回転する回転軸は、モータケースによって保持された軸受により回転可能に支持されている。また、モータケースの内側には、ランデル型ロータを回転させるための回転磁界を形成する巻線が巻装されたステータコアを有するステータが固定されている。
特開2015−216756号公報
ところで、上記のようなランデル型モータの駆動時にランデル型ロータが振動すると、その振動がモータケースに伝達され、ランデル型モータ全体が振動してしまう。すると、当該ランデル型モータが固定された場所に振動が伝達されたり、振動によって騒音が発生したりする虞がある。そのため、ランデル型モータの振動の抑制が望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、振動を抑制することができるランデル型モータの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するランデル型モータの製造方法は、周方向に複数の爪状磁極を有する第1及び第2ロータコアを各ロータコアの爪状磁極が周方向に交互となるように組み合わせ、各ロータコアの爪状磁極が交互に異なる磁極として機能するように前記第1及び第2ロータコアの間に軸方向に磁化された界磁磁石を配置してなるロータと、該ロータを回転させる回転磁界を形成するための巻線が巻装されたステータコアを有するステータと、前記ロータ及び前記ステータを収容するモータケースと、を備えたランデル型モータの製造方法であって、前記モータケースは、筒状の側壁部を有するヨークハウジングと、前記側壁部の軸方向の一端を閉塞するように前記ヨークハウジングに固定されるエンドフレームとを有し、前記ステータコアの軸方向の一端側を前記側壁部に圧入して前記ステータコアを前記ヨークハウジングに固定する一方で、前記ステータコアの軸方向の他端側を前記ヨークハウジングの外部に配置するステータコア固定工程と、前記ステータコア固定工程よりも後に、前記ステータコアの軸方向の他端側を前記エンドフレームの内部空間に配置した状態で前記エンドフレームを前記ヨークハウジングに固定するエンドフレーム固定工程と、を備え、前記エンドフレーム固定工程において、前記エンドフレームと前記ヨークハウジングの固定部とは、前記エンドフレーム側から取り付けられるボルトにより固定され、前記ステータコア固定工程により前記ヨークハウジングの外部に配置された前記ステータコアの軸方向の他端側の非圧入部は、前記ステータコアの軸方向において、前記ヨークハウジングの前記固定部よりも、前記側壁部の内側に圧入された前記ステータコアの軸方向の一端側の圧入部と反対側に位置し、前記エンドフレーム固定工程において、前記ボルトの頭部は、前記ステータコアの軸方向において、前記非圧入部よりも前記圧入部と反対側に位置し、且つ前記頭部が前記エンドフレームよりも前記ヨークハウジングと反対側に突出しないように取り付けら、前記ステータコア固定工程よりも前に、複数枚のコアシートを軸方向に積層して前記ステータコアを形成するコアシート積層工程と、前記コアシート積層工程の後に、軸方向に積層された複数枚の前記コアシートに前記巻線を巻装する巻線工程と、を備え、前記コアシート積層工程では、軸方向に隣り合うコアシートにおける軸方向対向面の係合部同士の凹凸係合により前記複数枚の前記コアシートが仮固定状態となり、前記ステータコア固定工程は、前記巻線工程よりも後に行われ、前記ステータコア固定工程では、前記ステータコアの軸方向の一端側を前記側壁部に圧入する力によって複数枚の前記コアシートを軸方向に加圧することにより複数枚の前記コアシートを軸方向にかしめて、前記仮固定状態にあった複数枚の前記コアシートを軸方向に隣り合うコアシートの前記軸方向対向面同士が当接した固定状態とする
この方法によれば、ステータコアは、ステータコア固定工程においてその軸方向の一端側がヨークハウジングの内部に配置され、エンドフレーム固定工程においてその軸方向の他端側がエンドフレームの内部に配置される。そのため、ステータコアは、ヨークハウジングとエンドフレームとに跨って配置されることになる。従って、ヨークハウジングとエンドフレームとの固定部分の内側にステータコアの一部が配置されることになる。そのため、ヨークハウジングにおいてエンドフレームに固定される部分付近の剛性が高くなることから、ヨークハウジングの耐震性が向上する。その結果、製造されるランデル型モータの振動を抑制することができる。
この方法によれば、ステータコア固定工程において、側壁部にステータコアの軸方向の一端側を圧入するために同ステータコアを軸方向に押圧する力によって、軸方向に隣り合うコアシート同士を固定することができる。即ち、ステータコアの軸方向の一端側を側壁部に圧入すると同時に、複数枚のコアシート同士を容易に固定することができる。
本発明のランデル型モータの製造方法によれば、振動を抑制することができる。
実施形態のブラシレスモータを軸方向から見た正面図。 実施形態のブラシレスモータの側面図。 実施形態のブラシレスモータの断面図(図1におけるA−A断面図)。 実施形態のブラシレスモータの分解斜視図。 実施形態におけるロータ、支持プレート及びセンサマグネットの斜視図。 実施形態におけるロータの分解斜視図。 実施形態におけるステータコアの平面図。 実施形態におけるステータコアの断面図(図7におけるB−B断面図)。 実施形態におけるステータの部分拡大側面図。 別の形態のコアシートの平面図。 別の形態のコアシートの平面図。 別の形態のブラシレスモータの側面図。
以下、ランデル型モータの一実施形態について説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態のブラシレスモータMは、ランデル型モータであって、車両エンジンルームに配置される位置制御装置用、詳しくはエンジンに連結されるバルブタイミング可変装置に用いられるモータである。
図1〜図4に示すように、ブラシレスモータMはモータケース1を有している。モータケース1は、有蓋筒状に形成された磁性体よりなる筒状フロントハウジング2と、その筒状フロントハウジング2の開口部を閉塞するアルミ(非磁性体)よりなるエンドフレーム3とを有している。
筒状フロントハウジング2は、鉄系の金属材料から形成されている。筒状フロントハウジング2は、軸方向に延びる円筒状の側壁部2aと、側壁部2aの軸方向の一端部(図3において右側の端部)から径方向内側に向けて延出された蓋状部2bと、側壁部2aの軸方向の他端部(エンドフレーム3側の端部)から径方向外側に鍔状に延出された固定部2cとを有する。固定部2cは、側壁部2aに対して直交するように延出されている。また、固定部2cには、軸方向に貫通した複数の固定孔2dが設けられている。
図3及び図4に示すように、エンドフレーム3は、軸方向に凹設され筒状フロントハウジング2側に開口した回路収容部3aを有する。また、エンドフレーム3において、回路収容部3aの開口部の外周には、軸方向と直交する平面状をなす固定面3bが設けられている。固定面3bは、回路収容部3aの開口部を囲む環状をなしている。また、エンドフレーム3には、筒状フロントハウジング2の固定孔2dと対応する位置に軸方向に貫通した複数の固定孔3dが設けられている。
筒状フロントハウジング2とエンドフレーム3とは、回路収容部3aが側壁部2aの内側に開口するように対向配置され、固定部2cが固定面3bに軸方向から当接した状態で、固定孔2d及び固定孔3dに挿通された図示しないボルトによって固定されている。詳しくは、エンドフレーム3側から固定孔3d及び固定孔2dにボルトが挿通されて同ボルトが不図示の車両におけるブラシレスモータMの固定場所(例えばエンジン)に固定されることにより、エンドフレーム3の外周縁部と固定部2cとが共締めされる。これにより、ブラシレスモータMは、筒状フロントハウジング2の固定部2c及びエンドフレーム3の外周縁部が車両における固定場所に対して固定され、エンドフレーム3は、側壁部2aの固定部2c側の軸方向の端を閉塞するように筒状フロントハウジング2に固定される。
側壁部2aの内周面にステータ5が固定され、そのステータ5の内側には、回転軸6に固着され同回転軸6とともに一体回転する所謂ランデル型構造のロータ7が配設されている。回転軸6は、非磁性体のステンレス製シャフトであって、筒状フロントハウジング2の蓋状部2bに形成した軸受保持部2eに収容固定された軸受8及びエンドフレーム3の回路収容部3aの底面3fに形成した軸受保持部3eに収容固定された軸受9にて、モータケース1に対して回転可能に支持されている。なお、軸受9は非磁性体よりなる。
回路収容部3aの底面3fは、回転軸6の軸線と直交する平面状をなしている。軸受保持部3eは、回路収容部3aの底面3fから軸方向内部側(ロータ7側)に突出しており、その軸受保持部3eに固定された軸受9は、底面3fよりもロータ7側に突出するように配置されている。
回転軸6の先端部は、筒状フロントハウジング2から突出している。そして、回転軸6の回転駆動によって、運転状態に応じたバルブタイミング(エンジンのクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相)が適宜変更されるようになっている。
[ステータ5]
ステータ5は、円筒状のステータコア11を有し、そのステータコア11の外周面が側壁部2aの内周面に固定されている。ステータコア11の内側には、軸線方向に沿って形成され、かつ、周方向に等ピッチに配置される複数のティース11aが、径方向内側に向かって延出形成されている。各ティース11aは、T型のティースであって、その径方向の内周面は、回転軸6の中心軸線O(図5参照)を中心とする同心円の円弧を軸線方向に延出した円弧面である。
図7及び図8に示すように、このようなステータコア11は、磁性鋼板をプレス加工により打ち抜いて形成され軸方向に積層された複数枚の板状のコアシート12から構成されている。各コアシート12は、円環状の板状をなす環状部12aと、環状部12aから径方向内側に延びる平板状の積層ティース部12bとを有する。なお、図1及び図2では、各コアシート12を省略してステータコア11を図示している。
各コアシート12の軸方向の一端面である第1軸方向対向面12c(図7において手前側の面)は、軸方向と直交する平面状をなしている。各コアシート12は、この第1軸方向対向面12cに軸方向に凹設された凹部状の第1係合部12dを有する。本実施形態では、第1係合部12dは、各積層ティース部12bの先端部における周方向の中央部、及び、各積層ティース部12bと環状部12aとの境界部分における積層ティース部12bの周方向の中央部に設けられている。また、各第1係合部12dは、軸方向から見た形状が円形状をなしている。
各コアシート12の軸方向の他端面である第2軸方向対向面12e(図7において裏面)は、軸方向と直交する平面状をなしている。各コアシート12は、この第2軸方向対向面12eに軸方向に突出した凸部状の第2係合部12fを有する。本実施形態では、第2係合部12fは、第1軸方向対向面12cに設けられた各第1係合部12dの裏側に設けられている。即ち、第2係合部12fは、各積層ティース部12bの先端部における周方向の中央部、及び、各積層ティース部12bと環状部12aとの境界部分における積層ティース部12bの周方向の中央部に設けられている。また、各第2係合部12fは、軸方向から見た形状が円形状をなしており、その直径は、第1係合部12dの内径と略等しくなっている。なお、本実施形態の第2係合部12fは、プレス加工により第1軸方向対向面12cに第1係合部12dを形成することにより、同時に第2軸方向対向面12eに設けられるものである。
このようなコアシート12は、各コアシート12の環状部12aが軸方向に重なるように、かつ、各積層ティース部12bが軸方向に積層されて各ティース11aを構成するように軸方向に積層されている。そして、軸方向に隣り合うコアシート12のうち一方のコアシート12の第1軸方向対向面12cと他方のコアシート12の第2軸方向対向面12eとが軸方向に対向して当接するとともに、同第1軸方向対向面12cに設けられた第1係合部12dに同第2軸方向対向面12eに設けられた第2係合部12fが軸方向から圧入されて凹凸係合している。軸方向に隣り合うコアシート12同士は、互いに凹凸係合した第1係合部12dと第2係合部12fとによって、周方向の相対回転及び軸方向相対移動が阻止されている。なお、ステータコア11を構成する複数枚のコアシート12のうち、軸方向の片側の端(図8において左端)のコアシート12であって、第1軸方向対向面12c側にのみ隣のコアシート12が配置されるコアシート12に設けられた第1係合部12dは、コアシート12を軸方向に貫通する孔状をなしている。そして、同コアシート12は、第2係合部12fを備えない。
図3に示すように、ステータコア11は、同ステータコア11の軸方向の一端側(図3において右側であって、蓋状部2b側)が側壁部2aの内側に圧入された圧入部11bとなっている。更に、ステータコア11は、同ステータコア11の軸方向の他端側(図1において左側であって、固定部2c側)がエンドフレーム3の内部空間に配置された非圧入部11cとなっている。非圧入部11cは、筒状フロントハウジング2からエンドフレーム3側に突出し、回路収容部3a内に配置されている。そして、ステータコア11は、圧入部11bにおいて筒状フロントハウジング2に固定されている。なお、本実施形態では、ステータコア11の軸方向の長さの半分以上が圧入部11bとなっている。
ステータコア11の各ティース11aには、インシュレータ13を介して3相の巻線(図3ではV相巻線15)がそれぞれ巻回されている。具体的には、図4に示すように、12個のティース11aには、周方向に3相巻線、即ち、U相巻線14、V相巻線15、W相巻線16が順番に集中巻きにて巻回されている。そして、これら巻回した各相巻線14,15,16に3相の駆動電流が供給されるとステータ5に回転磁界が形成され、同ステータ5の内側に配置した回転軸6に固着されたロータ7が正逆回転されるようになっている。
なお、図4及び図9に示すように、各相巻線14,15,16の一端部は、インシュレータ13に組み付けられた中性点ターミナル17に接続されている。中性点ターミナル17は、所定形状をなす導電性の金属板材を屈曲して形成されている。中性点ターミナル17は、ステータコア11の軸方向の片側(エンドフレーム3側)で周方向に沿って延びる略帯状をなす本体部17aを有する。また、中性点ターミナル17は、本体部17aからステータコア11と反対側に軸方向に突出したU相接続部17b、V相接続部17c及びW相接続部17dと、本体部17aからステータコア側に軸方向に突出した一対の取付け部17e,17fとを有する。U相接続部17b、V相接続部17c及びW相接続部17dは、周方向に離間しており、U相巻線14の一端部、V相巻線15の一端部及びW相巻線16の一端部がそれぞれ機械的及び電気的に接続されている。また、一対の取付け部17e,17fは、周方向に離間しており、インシュレータ13に設けられた一対の取付け凹部13aに挿入されている。各取付け凹部13aは、軸方向に凹設された凹部状をなすとともに、径方向外側に開口している。中性点ターミナル17は、取付け部17e,17fが一対の取付け凹部13aにそれぞれ軸方向から圧入されることにより、インシュレータ13に対して組み付けられている。各取付け凹部13aは、凹部状をなすため、各取付け凹部13aの底部13bが取付け部17e,17fの先端とステータコア11との間に介在されることになる。そのため、各取付け部17e,17fを各取付け凹部13aに圧入する際に、取付け部17e,17fがステータコア11に接触してしまうことが各取付け凹部13aの底部13bによって抑制される。従って、中性点ターミナル17とステータコア11との絶縁不良の発生が抑制されるため、ブラシレスモータMの生産性が向上される。
ここで、ステータ5のモータケース1への固定手順を中心にブラシレスモータMの製造方法について説明する。
まず、磁性鋼板をプレス加工により打ち抜いて予め形成した複数枚のコアシート12を軸方向に積層してステータコア11を形成するコアシート積層工程を行う。コアシート積層工程では、軸方向に隣り合うコアシート12の第1軸方向対向面12cと第2軸方向対向面12eとが軸方向に対向するように、かつ、同第1軸方向対向面12cに設けられた第1係合部12dに同第2軸方向対向面12eに設けられた第2係合部12fが軸方向から挿入されるように複数枚のコアシート12が積層される。コアシート積層工程で形成されたステータコア11においては、各コアシート12の第1係合部12dに軸方向に隣り合うコアシート12の第2係合部12fが圧入されて凹凸係合しており、軸方向に隣り合うコアシート12同士の周方向の相対回転及び軸方向相対移動が抑制されているが、積層された複数のコアシート12は仮固定状態である。
次に、コアシート積層工程で形成したステータコア11にインシュレータ13を装着し、各ティース11aにU相巻線14、V相巻線15、W相巻線16を巻装する巻線工程を行う。
次に、ステータコア11の軸方向の一端側を側壁部2aに圧入してステータコア11を筒状フロントハウジング2に固定するステータコア固定工程を行う。ステータコア固定工程では、図示しない治具等を用いて、ステータコア11を側壁部2aの内側に圧入していく。このとき、ステータコア11の軸方向の一端側が側壁部2aの内側に配置される一方で、同ステータコア11の軸方向の他端側は筒状フロントハウジング2の外部に配置されたままとなるようにステータコア11を側壁部2aの内側に圧入する。また、このとき、ステータコア11の軸方向の一端側を側壁部2aに圧入する力によって複数枚のコアシート12を軸方向に加圧することにより複数枚のコアシート12を軸方向にかしめて一体化する。即ち、仮固定状態にあった複数枚のコアシート12が、完全に固定された固定状態とされる。この固定状態では、軸方向に隣り合うコアシート12の第1軸方向対向面12cと第2軸方向対向面12eとが当接するとともに、互いに凹凸係合した第1係合部12dと第2係合部12fとによって軸方向に隣り合うコアシート12同士の周方向の相対回転及び軸方向相対移動が阻止される。そして、ステータコア11は、側壁部2aの内側に圧入された部分が圧入部11bとなり、筒状フロントハウジング2の外部に配置された部分が非圧入部11cとなる。また、ステータコア11は、圧入部11bにおいて筒状フロントハウジング2に対して固定された状態になる。
次に、エンドフレーム3を筒状フロントハウジング2に固定するエンドフレーム固定工程を行う。エンドフレーム固定工程では、非圧入部11c(ステータコア11の軸方向の他端側)をエンドフレーム3の回路収容部3a内に配置した状態で同エンドフレーム3を筒状フロントハウジング2の固定部2cに固定する。エンドフレーム3は、固定面3bが固定部2cに軸方向から当接した状態で固定孔2d及び固定孔3dに挿通される図示しないボルトによって固定部2cに固定される。このようにして、ステータ5はモータケース1に固定されて収容される。
[ロータ7]
図6に示すように、ロータ7は、第1及び第2ロータコア20,30、界磁磁石40を有している。
[第1ロータコア20]
図3及び図6に示すように、第1ロータコア20は、軟磁性材よりなる電磁鋼板にて形成され、エンドフレーム3側に配置されている。第1ロータコア20は、円板状の第1コアベース21を有し、その中心位置に貫通穴21aが貫通形成されている。貫通穴21aのエンドフレーム3側の外周部には、略円筒状のボス部21eが突出形成されている。本実施形態では、バーリング加工により、貫通穴21aとボス部21eとを同時に形成している。なお、ボス部21eの外径は、回転軸6の一側を回転可能に支持する軸受9の外径、即ち、エンドフレーム3に設けられ軸受9を収容固定する軸受保持部3eの内径より短く形成されている。
貫通穴21a(ボス部21e)に回転軸6が圧入されて貫挿されることにより、第1コアベース21が回転軸6に対して圧着固定される。この時、ボス部21eを形成することによって、第1コアベース21は、回転軸6に対して強固に圧着固定される。そして、この第1コアベース21が回転軸6に圧着固定されたとき、ボス部21eは、軸受保持部3eに収容固定された軸受9に対して、軸方向に離間して配置されるようになっている。
第1コアベース21の外周面21dには、等間隔に複数(本実施形態では4つ)の第1爪状磁極22が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成されている。ここで、第1爪状磁極22において、第1コアベース21の外周面21dから径方向外側に突出した部分を第1基部23といい、軸方向に屈曲された先端部分を第1磁極部24という。
第1基部23と第1磁極部24からなる第1爪状磁極22の周方向両端面22a,22bは、径方向に延びる(軸方向から見て径方向に対して傾斜していない)平坦面となっている。そして、各第1爪状磁極22の周方向の角度、即ち前記周方向両端面22a,22b間の角度は、周方向に隣り合う第1爪状磁極22の間の隙間の角度より小さく設定されている。
また、第1磁極部24の径方向外側面f1は、軸直交方向断面形状が回転軸6の中心軸線Oを中心とする同心円形状の円弧面を有し、その径方向外側面f1に第1補助溝25と第2補助溝26との2つの溝が設けられている。第1及び第2補助溝25,26は、径方向外側面f1の周方向中心から両側にそれぞれ同角度だけずれた位置に形成されている。
また、第1及び第2補助溝25,26は、軸直交方向断面形状がコ字状に形成され、その底面が平面であって、その両側から径方向外側に延びる側面に対して直角に形成されている。このように、第1及び第2補助溝25,26の底面は、平面形状であることから、軸直交断面形状が回転軸6の中心軸線Oを中心とする同心円弧形状にならない。その結果、第1磁極部24の第1及び第2補助溝25,26の底面を含む径方向外側面f1は、全体として、軸直交方向断面形状が回転軸6の中心軸線Oを中心とする同心円形状にならない。
第1コアベース21の反対向面21bには、4個の位置決め係止孔27が中心軸線Oを中心とする同心円上に等角度の間隔で貫通形成されている。4個の位置決め係止孔27は、第1コアベース21に形成した隣り合う第1爪状磁極22の中間位置上に形成されている。
[第2ロータコア30]
第2ロータコア30は、第1ロータコア20と同一材質及び同形状であって、筒状フロントハウジング2側に配置される。第2ロータコア30は、円板状の第2コアベース31を有し、その中心位置に貫通穴31aが貫通形成されている。貫通穴31aの蓋状部2b側の外周部には、略円筒状のボス部31eが突出形成されている。本実施形態では、バーリング加工により、貫通穴31aとボス部31eとを同時に形成している。なお、ボス部31eの外径は、回転軸6の他側を回転可能に支持する軸受8の外径、即ち、筒状フロントハウジング2に設けられ軸受8を収容固定する軸受保持部2eの内径より短く形成されている。
貫通穴31a(ボス部31e)に回転軸6が圧入されて貫挿されることにより、第2コアベース31が回転軸6に対して圧着固定される。この時、ボス部31eを形成することによって、第2コアベース31は、回転軸6に対して強固に圧着固定される。そして、この第2コアベース31が回転軸6に圧着固定されたとき、ボス部31eは、軸受保持部2eに収容固定された軸受8に対して、軸方向に離間して配置されるようになっている。
第2コアベース31の外周面31dには、等間隔に4つの第2爪状磁極32が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成されている。ここで、第2爪状磁極32において、第2コアベース31の外周面31dから径方向外側に突出した部分を第2基部33といい、軸方向に屈曲された先端部分を第2磁極部34という。
第2基部33と第2磁極部34からなる第2爪状磁極32の周方向両端面32a,32bは径方向に延びる平坦面とされている。そして、各第2爪状磁極32の周方向の角度、即ち前記周方向両端面32a,32b間の角度は、周方向に隣り合う第2爪状磁極32の間の隙間の角度より小さく設定されている。
また、第2磁極部34の径方向外側面f2は、軸直交方向断面形状が回転軸6の中心軸線Oを中心とする同心円形状の円弧面を有し、その径方向外側面f2に第1補助溝35と第2補助溝36との2つの溝が設けられている。第1及び第2補助溝35,36は、径方向外側面f1の周方向中心から両側にそれぞれ同角度だけずれた位置に形成されている。
また、第1及び第2補助溝35,36は、軸直交方向断面形状がコ字状に形成され、その底面が平面であって、その両側から径方向外側に延びる側面に対して直角に形成されている。このように、第1及び第2補助溝35,36の底面は、平面形状であることから、軸直交断面形状が回転軸6の中心軸線Oを中心とする同心円弧形状にならない。その結果、第2磁極部34の第1及び第2補助溝35,36の底面を含む径方向外側面f2は、全体として、軸直交方向断面形状が回転軸6の中心軸線Oを中心とする同心円形状にならない。
第2コアベース31には、4個の位置決め係止孔37が中心軸線Oを中心とする同心円上に等角度の間隔で貫通形成されている。4個の位置決め係止孔37は、第2コアベース31に形成した隣り合う第2爪状磁極32の中間位置上に形成されている。
そして、第2ロータコア30は、各第2爪状磁極32が第1ロータコア20の各第1爪状磁極22間となるようにして第1ロータコア20と対向させて組み合わされる。このとき、第2ロータコア30は、第1コアベース21と第2コアベース31との軸方向の間に、界磁磁石40が配置されるようにして第1ロータコア20に対して組み付けられる。
[界磁磁石40]
図6に示すように、界磁磁石40は、円板状の永久磁石であって、その中央部に貫通穴40aが形成されている。界磁磁石40は、その貫通穴40aに円筒状のスリーブ41が貫挿されている。スリーブ41は、非磁性体よりなり本実施形態では回転軸6と同じステンレス製である。なお、スリーブ41の軸方向の長さは、本実施形態では界磁磁石40の軸方向厚さより若干長い。また、スリーブ41の外径は、界磁磁石40の貫通穴40aの内径より小さく、ボス部21e,31eの外径以上となるように形成されている。従って、界磁磁石40の貫通穴40aの内径は、ボス部21e,31eの外径より大きくなる。
また、スリーブ41の外周面と界磁磁石40の貫通穴40aの内周面とは磁束を通さない硬化性樹脂からなる接着剤にて接着固定されている。具体的には、スリーブ41を回転軸6に非圧入で挿入した後、そのスリーブ41に界磁磁石40の貫通穴40aを貫挿する。このとき、貫通穴40aの内周面に硬化性樹脂よりなる接着剤を塗布して貫挿する。その結果、接着剤が硬化することによって、界磁磁石40は、スリーブ41に対して接着固定される。
界磁磁石40の外径は、第1及び第2コアベース21,31の外径と一致するように設定されている。従って、界磁磁石40の外周面40bが第1及び第2コアベース21,31の外周面21d,31dと面一となる。
界磁磁石40は、軸方向に磁化されていて、第1ロータコア20側をN極、第2ロータコア30側をS極とするように磁化されている。従って、この界磁磁石40によって、第1ロータコア20の第1爪状磁極22はN極として機能し、第2ロータコア30の第2爪状磁極32はS極として機能する。
従って、本実施形態のロータ7は、界磁磁石40を用いた所謂ランデル型ロータである。ロータ7は、N極となる第1爪状磁極22と、S極となる第2爪状磁極32とが周方向に交互に配置されており、磁極数が8極となる。
すなわち、本実施形態のブラシレスモータMは、ロータ7の極数が2×n(但し、nは自然数)に設定されるとともに、ステータ5のティース11aの数が3×nに設定され、具体的には、ロータ7の極数が「8」に設定され、ステータ5のティース11aの数が「12」に設定されている。
[整流磁石42]
また、ロータ7は、界磁磁石40の外周面に例えば接着によって固定される整流磁石42を備えている。界磁磁石40は、中央に孔を有する円環状をなす。なお、界磁磁石40と整流磁石42とは、異なる材料で構成される。具体的には、界磁磁石40は、例えば異方性の焼結磁石であり、例えばフェライト磁石、サマリウムコバルト(SmCo)磁石、ネオジム磁石等で構成される。整流磁石42は、例えばボンド磁石(プラスチックマグネット、ゴムマグネット等)であり、例えばフェライト磁石、サマリウム鉄窒素(SmFeN)系磁石、サマリウムコバルト(SmCo)系磁石、ネオジム磁石等で構成される。
整流磁石42は、背面磁石部43,44と極間磁石部45とを有し、背面磁石部43,44及び極間磁石部45のそれぞれで漏れ磁束を抑えるように磁化された極異方性磁石である。
詳述すると、一方の背面磁石部43は、第1爪状磁極22の第1磁極部24の内周面と、第2コアベース31の外周面31dとの間に配置される。そして、背面磁石部43は、第1磁極部24の内周面に当接する側がその第1磁極部24と同極のN極に、第2コアベース31の外周面31dに当接する側がその第2コアベース31と同極のS極となるように径方向成分を主として磁化されている。
他方の背面磁石部44は、第2爪状磁極32の第2磁極部34の内周面と、第1コアベース21の外周面21dとの間に配置される。そして、背面磁石部44は、第2磁極部34の内周面に当接する側がその第2磁極部34と同極のS極に、第1コアベース21の外周面21dに当接する側がその第1コアベース21と同極のN極となるように径方向成分を主として磁化されている。
極間磁石部45は、第1爪状磁極22と第2爪状磁極32との周方向の間に配置されている。極間磁石部45は、周方向において第1爪状磁極22側がN極に、第2爪状磁極32側がS極となるように周方向成分を主として磁化されている。
[支持プレート51及びセンサマグネット60]
図3及び図5に示すように、ロータ7のエンドフレーム3側の端面(第1コアベース21の反対向面21b)には、センサマグネット60を保持する支持プレート51が固定されている。なお、支持プレート51は、非磁性体(本実施形態では真鍮)にて形成されている。
図5に示すように、支持プレート51は、円板状のベース部53を有している。ベース部53はその中心部に回転軸6が貫通する貫通窓53aが形成されている。ベース部53の第1ロータコア20側の面には、等角度の間隔で4個の第1係止突起54がプレス加工にて突出形成されている。各第1係止突起54は第1コアベース21の反対向面21bに形成した各位置決め係止孔27にそれぞれ嵌着する。このとき、ベース部53は、第1コアベース21の反対向面21bと軸方向に当接するとともに、整流磁石42の一部(背面磁石部44及び極間磁石部45の軸方向端面)と軸方向に当接する。
ベース部53の外周縁部には、円筒壁55がロータ7とは反対側(エンドフレーム3側)に向かって軸方向に延出形成されている。円筒壁55の外径は、ロータ7の外形と略等しく形成されている。
図4及び図5に示すように、円筒壁55の内周面には、リング形状のセンサマグネット60が設けられている。なお、センサマグネット60は、その径方向外側面が円筒壁55の内周面に接着剤にて固定されている。このとき、リング形状のセンサマグネット60の中心軸が、回転軸6の中心軸線Oと一致するように、センサマグネット60は支持プレート51に対して固定される。このように、センサマグネット60は、ロータ7の軸方向側方位置において、回転軸6及びロータ7と一体回転可能に構成されている。
図5に示すように、センサマグネット60は、N極とS極とが周方向に交互に等角度の間隔で磁化されている。詳述すると、センサマグネット60の第1ロータコア20側の磁極は、第1爪状磁極22と軸方向に対向する部分がN極、第2爪状磁極32と軸方向に対向する部分がS極となるように磁化されている。つまり、リング形状のセンサマグネット60の第1ロータコア20側の磁極は、N極に磁化されたN極部分60nとS極に磁化されたS極部分60sが第1爪状磁極22の磁極と第2爪状磁極32の磁極に対応するように磁化されている。
図3に示すように、このセンサマグネット60は、エンドフレーム3の回路収容部3aの底面3fからロータ7側に突出する軸受保持部3eの径方向外側に配置されている。換言すれば、軸受保持部3eは、その一部がリング状のセンサマグネット60の内周側に配置されるように構成されている。なお、軸受保持部3eは、支持プレート51のベース部53と軸方向に対向し、センサマグネット60と径方向に対向している。
[磁気センサ62]
エンドフレーム3の回路収容部3aには、センサマグネット60に対して軸方向に一定の間隔を開けて対向するホールIC等の磁気センサ62が収容されている。磁気センサ62は、回路収容部3aの底面3fに固定された制御回路基板63上に支持されている。そして、ロータ7が回転すると、センサマグネット60がロータ7と一体回転し、センサマグネット60のN極に磁化されたN極部分60nとS極に磁化されたS極部分60sとが、磁気センサ62の前方を交互に通過する。磁気センサ62はそのセンサマグネット60の磁極に応じた検出信号を制御回路基板63上に構成される制御回路に出力する。そして、磁気センサ62からの検出信号を受けた制御回路は、その検出信号に基づいてロータ7の回転位置(角度)を算出するとともに回転数(速度)等を算出し、これに基づいて生成した駆動電流を巻線14,15,16に供給することでブラシレスモータMの駆動制御を行う。
次に、本実施形態の作用について説明する。
ステータコア11は、同ステータコア11の軸方向の一端側が側壁部2aの内側に圧入された圧入部11b、同ステータコアの軸方向の他端側がエンドフレーム3の内部空間(回路収容部3a)に配置された非圧入部11cとなっている。
この構成によれば、ステータコア11は、軸方向の一端側が筒状フロントハウジング2の内部に配置され、軸方向の他端側がエンドフレーム3の内部に配置されているため、筒状フロントハウジング2とエンドフレーム3とに跨って配置されている。従って、筒状フロントハウジング2とエンドフレーム3との固定部分の内側にステータコア11の一部が配置されることになる。因みに、従来のブラシレスモータでは、ステータコアは、その全体がヨークハウジングの内部に配置され、同ステータコアの外周面全体がヨークハウジングの内周面に圧接していた。本実施形態のように、筒状フロントハウジング2とエンドフレーム3との固定部分の内側にステータコア11の一部が配置されると、筒状フロントハウジング2においてエンドフレーム3に固定される部分付近の剛性が高くなることから、筒状フロントハウジング2の耐震性が向上する。本実施形態では、筒状フロントハウジング2において固定部2c付近の剛性が高くなることから、固定部2cに対して側壁部2aが振動することを抑制することができる。
次に、本実施形態の効果を記載する。
(1)ブラシレスモータMの振動を抑制することができる。また、本実施形態のブラシレスモータMは、筒状フロントハウジング2の固定部2c及びエンドフレーム3の外周縁部が、車両におけるブラシレスモータMの固定場所に対して固定されるため、上記構成とすることで、よりブラシレスモータMの振動を抑制しやすくなる。
(2)軸方向に隣り合うコアシート12のうち一方のコアシート12は、他方のコアシート12と軸方向に対向する第1軸方向対向面12cに第1係合部12dを有し、他方のコアシート12は、第1軸方向対向面12cと軸方向に対向する第2軸方向対向面12eに第1係合部12dに軸方向から係合する第2係合部12fを有する。そして、互いに係合した第1係合部12d及び第2係合部12fは、軸方向に隣り合うコアシート12の周方向の相対回転及び軸方向の相対移動を阻止する。
この構成によれば、第1係合部12dと第2係合部12fとは軸方向から係合するものであるため、側壁部2aにステータコア11の軸方向の一端側を圧入するために同ステータコア11を軸方向に押圧する力によって、軸方向に隣り合うコアシート12の第1係合部12dと第2係合部12fとを係合させることができる。従って、ステータコア11の軸方向の一端側を側壁部に圧入すると同時に、複数枚のコアシート12同士を容易に固定することができる。
(3)第1係合部12dは、軸方向に凹設された凹部であり、第2係合部12fは、軸方向に突出し第1係合部12dと凹凸係合する凸部である。そのため、側壁部2aにステータコア11の軸方向の一端側を圧入する際に第1係合部12dと第2係合部12fとを容易に凹凸係合させることができる。また、第1係合部12dと第2係合部12fとは、軸方向に突出した凸部と軸方向に凹設された凹部という簡単な構成であるため、コアシート12の形状が複雑化されることが抑制される。
(4)ブラシレスモータMを製造する際、ステータコア11は、ステータコア固定工程においてその軸方向の一端側が筒状フロントハウジング2の内部に配置され、エンドフレーム固定工程においてその軸方向の他端側がエンドフレーム3の内部に配置される。そのため、ステータコア11は、筒状フロントハウジング2とエンドフレーム3とに跨って配置されることになる。従って、筒状フロントハウジング2とエンドフレーム3との固定部分の内側にステータコア11の一部が配置されることになる。そのため、筒状フロントハウジング2においてエンドフレーム3に固定される部分付近の剛性が高くなることから、筒状フロントハウジング2の耐震性が向上する。その結果、製造されるブラシレスモータMの振動を抑制することができる。
(5)ブラシレスモータMを製造する際、ステータコア固定工程において、側壁部2aにステータコア11の軸方向の一端側を圧入するために同ステータコア11を軸方向に押圧する力によって、軸方向に隣り合うコアシート12同士を固定することができる。即ち、ステータコア11の軸方向の一端側を側壁部2aに圧入すると同時に、複数枚のコアシート12同士を容易に固定することができる。従って、ステータコア11を側壁部2aに圧入する力を利用して、複数枚のコアシート12から構成されるステータコア11を容易に形成することができる。
(6)従来、ステータコアが複数枚のコアシートを積層して形成されるものである場合には、巻線が巻装されるまでコアシート同士を仮固定するために、本実施形態の第1係合部12d及び第2係合部12fのような係合部をコアシートに設けていた。そのため、本実施形態のように、ステータコア11の他端側が筒状フロントハウジング2に圧入されずエンドフレーム3の内部空間に配置される構成とする際には、第1係合部12d及び第2係合部12fの直径(締め代)の変更や、数の増加をするのみで、コアシート12の形状を大きく変更しなくてもよい。従って、本実施形態のように、ステータコア11の軸方向の一端側は筒状フロントハウジング2に圧入し他端側はエンドフレーム3の内部空間に配置する構成としても、設備費や製造コストが増大することは抑制される。
(7)固定部2cからステータコア11の軸方向の一端面(蓋状部2b側の端面)までの距離D1(図3参照)が短くなるため、側壁部2aの軸方向の長さを短くすることが可能である。また、ステータコア11の軸方向の他端面(エンドフレーム3側の端面)を制御回路基板63に近接させて、ステータコア11の軸方向の他端面と制御回路基板63との間の軸方向の距離D2(図3参照)を短くすることが可能である。従って、側壁部2aの軸方向の長さを短くするとともに、距離D2を短くすることにより、ブラシレスモータM1の軸方向の薄型化が可能となる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、軸方向に積層された複数枚のコアシート12は、当該コアシート12からなるステータコア11を側壁部2aに圧入するときに同ステータコア11を圧入する力によってかしめられて一体化される。しかしながら、複数枚のコアシート12は、側壁部2aに圧入される前に、予めかしめられて一体化されて(固定状態とされて)いてもよい。
・各コアシート12における第1係合部12d及び第2係合部12fの形成位置は、上記実施形態の位置に限らない。また、各コアシート12における第1係合部12d及び第2係合部12fの数も上記実施形態の数に限らない。
例えば、図10に示す例では、第1係合部12dは、第1軸方向対向面12cにおいて、各積層ティース部12bの径方向の略中央部に設けられるとともに、環状部12aにおける隣り合う積層ティース部12bの中間部分にそれぞれ設けられている。そして、第2係合部12fは、第1軸方向対向面12cに設けられた各第1係合部12dの裏側に設けられている。即ち、第2係合部12fは、第2軸方向対向面12eにおいて、各積層ティース部12bの径方向の略中央部に設けられるとともに、環状部12aにおける隣り合う積層ティース部12bの中間部分にそれぞれ設けられている。
また例えば、図11に示す例では、第1係合部12dは、第1軸方向対向面12cにおいて、各積層ティース部12bの径方向の略中央部に設けられるとともに、環状部12aにおける隣り合う積層ティース部12bの間にそれぞれ2つずつ設けられている。そして、第2係合部12fは、第1軸方向対向面12cに設けられた各第1係合部12dの裏側に設けられている。即ち、第2係合部12fは、第2軸方向対向面12eにおいて、各積層ティース部12bの径方向の略中央部に設けられるとともに、環状部12aにおける隣り合う積層ティース部12bの間にそれぞれ2つずつ設けられている。
・上記実施形態では、第1係合部12d及び第2係合部12fは、軸方向から見た形状が円形状をなしているが、円形状以外の形状であってもよい。例えば、第1係合部12d及び第2係合部12fは、軸方向から見た形状が、楕円状、多角形状等であってもよい。
・上記実施形態では、第1軸方向対向面12cに設けられた第1係合部12dが軸方向に凹設された凹部状をなし、第2軸方向対向面12eに設けられた第2係合部12fが軸方向に突出した凸部状をなしている。しかしながら、第1係合部12dが軸方向に突出した凸部状をなし、第2係合部12fが軸方向に凹設された凹部状をなしていてもよい。また、第1軸方向対向面12cに設けられる第1係合部12dと第2軸方向対向面12eに設けられる第2係合部12fとは、必ずしも凹凸係合するものでなくてもよい。軸方向に隣り合うコアシート12同士を固定する第1係合部12dと第2係合部12fとは、軸方向から係合し、軸方向に隣り合うコアシート12の周方向の相対回転及び軸方向の相対移動を阻止するものであればよい。
・上記実施形態では、ステータコア11は、軸方向に積層された複数枚の板状のコアシート12から構成されている。しかしながら、ステータコア11は、必ずしも複数枚のコアシート12からなるものでなくてもよい。例えば、ステータコア11は、焼結コアや、それぞれティース11aを有するように周方向に分割された形状をなす複数の分割コアを連結して形成されたものであってもよい。
・図12に示すブラシレスモータM1のように、エンドフレーム3が、筒状フロントハウジング2と反対側に制御回路等の電子部品を収容する構成の場合には、同エンドフレーム3における筒状フロントハウジング2と反対側の軸方向の端部に、同エンドフレーム3に収容された制御回路等を覆うモータカバー80が設けられる。この場合、モータカバー80をエンドフレーム3に接着固定し、ブラシレスモータM1を車両の固定場所に固定するための取付けボルト81によって、エンドフレーム3と筒状フロントハウジング2の固定部2cとを共締めする構成としてもよい。なお、取付けボルト81は、エンドフレーム3側から同エンドフレーム3及び固定部2cを貫通して固定箇所に取り付けられる。このようにすると、モータカバー80、エンドフレーム3及び固定部2cを取付けボルト81にて共締めする場合に比べて、取付けボルト81の頭部81aを固定部2c側に軸方向に寄せることができる。従って、頭部81aがエンドフレーム3よりも軸方向に(筒状フロントハウジング2と反対側に)突出することを抑制できるため、固定場所に固定された状態のブラシレスモータM1を頭部81aの分だけ軸方向に薄型化することができる。また、車両においてブラシレスモータM1の周辺に配置される部品に頭部81aが干渉することを抑制することができる。
・ブラシレスモータMの構成は、上記実施形態のものに限らず、適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、ブラシレスモータMは、バルブタイミング可変装置の駆動源として用いられているが、その他の装置(例えば、スロットル弁制御装置等)の駆動源として用いられてもよい。
1…モータケース、2…ヨークハウジングとしての筒状フロントハウジング、3…エンドフレーム、2a…側壁部、5…ステータ、7…ロータ、11…ステータコア、11b…圧入部、11c…非圧入部、12…コアシート、12c…第1軸方向対向面、12d…第1係合部、12e…第2軸方向対向面、12f…第2係合部、14…巻線としてのU相巻線、15…巻線としてのV相巻線、16…巻線としてのW相巻線、20…第1ロータコア、22…爪状磁極としての第1爪状磁極、30…第2ロータコア、32…爪状磁極としての第2爪状磁極、40…界磁磁石、M,M1…ランデル型モータとしてのブラシレスモータ。

Claims (1)

  1. 周方向に複数の爪状磁極を有する第1及び第2ロータコアを各ロータコアの爪状磁極が周方向に交互となるように組み合わせ、各ロータコアの爪状磁極が交互に異なる磁極として機能するように前記第1及び第2ロータコアの間に軸方向に磁化された界磁磁石を配置してなるロータと、該ロータを回転させる回転磁界を形成するための巻線が巻装されたステータコアを有するステータと、前記ロータ及び前記ステータを収容するモータケースと、を備えたランデル型モータの製造方法であって、
    前記モータケースは、筒状の側壁部を有するヨークハウジングと、前記側壁部の軸方向の一端を閉塞するように前記ヨークハウジングに固定されるエンドフレームとを有し、
    前記ステータコアの軸方向の一端側を前記側壁部に圧入して前記ステータコアを前記ヨークハウジングに固定する一方で、前記ステータコアの軸方向の他端側を前記ヨークハウジングの外部に配置するステータコア固定工程と、
    前記ステータコア固定工程よりも後に、前記ステータコアの軸方向の他端側を前記エンドフレームの内部空間に配置した状態で前記エンドフレームを前記ヨークハウジングに固定するエンドフレーム固定工程と、を備え、
    前記エンドフレーム固定工程において、前記エンドフレームと前記ヨークハウジングの固定部とは、前記エンドフレーム側から取り付けられるボルトにより固定され、
    前記ステータコア固定工程により前記ヨークハウジングの外部に配置された前記ステータコアの軸方向の他端側の非圧入部は、前記ステータコアの軸方向において、前記ヨークハウジングの前記固定部よりも、前記側壁部の内側に圧入された前記ステータコアの軸方向の一端側の圧入部と反対側に位置し、
    前記エンドフレーム固定工程において、前記ボルトの頭部は、前記ステータコアの軸方向において、前記非圧入部よりも前記圧入部と反対側に位置し、且つ前記頭部が前記エンドフレームよりも前記ヨークハウジングと反対側に突出しないように取り付けられ
    前記ステータコア固定工程よりも前に、複数枚のコアシートを軸方向に積層して前記ステータコアを形成するコアシート積層工程と、
    前記コアシート積層工程の後に、軸方向に積層された複数枚の前記コアシートに前記巻線を巻装する巻線工程と、を備え、
    前記コアシート積層工程では、軸方向に隣り合うコアシートにおける軸方向対向面の係合部同士の凹凸係合により前記複数枚の前記コアシートが仮固定状態となり、
    前記ステータコア固定工程は、前記巻線工程よりも後に行われ、前記ステータコア固定工程では、前記ステータコアの軸方向の一端側を前記側壁部に圧入する力によって複数枚の前記コアシートを軸方向に加圧することにより複数枚の前記コアシートを軸方向にかしめて、前記仮固定状態にあった複数枚の前記コアシートを軸方向に隣り合うコアシートの前記軸方向対向面同士が当接した固定状態とすることを特徴とするランデル型モータの製造方法。
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