JP6897209B2 - カバー体、媒体収容カセット - Google Patents
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Description
給紙カセットは、多くの場合カセット前面に把持部を備え、この把持部を把持して給紙カセットを手前側に引き出すことができる様に構成されている。
この様な構成において、不用意な給紙カセットの挿抜を規制したいという要請もあり、その様な要請に応える為に装置本体と給紙カセットとを例えば南京錠で連結する構成を採用することも考えられる。しかしこの場合、装置本体と給紙カセットの双方に南京錠を通す為のフック(突起)を形成する必要があり、前記フックの形成によって装置の寸法が大きくなるとともに装置の美観上も好ましくない。
加えて、前記スライド部がスライドすることにより前記第1状態と前記第2状態とを切り換える構成であるので、例えば前記スライド部がスライドするのではなく回動する様な構成に比べて状態切り換えを行う為に必要なスペースが小さくて済む。
本態様によれば、前記凹部における前記媒体収容カセットの幅方向にスライドすることにより、前記第1状態と前記第2状態とを切り換える構成において、上述した第1のまたは第2の態様の作用効果が得られる。
尚、前記凹部における前記媒体収容カセットの幅方向とは、鉛直方向と交差する方向を意味する。
その上で前記スライド部の先端が前記上側操作部と前記下側操作部とを連結する連結部に形成された規制穴に入り込むことにより、前記操作部の変位動作が規制される構成であるので、前記上側操作部或いは前記下側操作部に、前記スライド部の先端が入り込む規制穴を形成する構成に比して、前記上側操作部或いは前記下側操作部を操作する際の操作感の低下を抑制できる。
本態様によれば、上述した第1の態様と同様の作用効果が得られる。
また、図5は前面パネルを外した状態の給紙カセットの斜視図、図6は操作レバー及び変換機構の斜視図、図8、図9、図10は操作レバー及び変換機構の断面図、図11及び図12は給紙カセットの要部側面図、図13は手掛け凹部の正面図である。
更に、図14は他の実施形態に係る手掛け凹部の正面図である。
図1及び図2においてプリンター1は、スキャナー部2及び装置本体3によって大略構成されている。装置本体3は、記録用紙を搬送する搬送経路(不図示)や記録ヘッド7(後述)を備えており、また、本実施例では媒体収容カセットの一例として四つの給紙カセット10A、10B、10C、10Dを着脱可能に備えている。図2において符号8A、8B、8C、8Dは、それぞれ給紙カセット10A、10B、10C、10Dが収容されるカセット収容部を示している。
符号7は、インクを吐出するノズルが用紙幅方向全域をカバーする様に設けられた記録ヘッド(所謂ラインヘッド)であり、用紙幅方向への移動を伴わないで用紙幅全体に記録が可能な記録ヘッドとして構成されている。
尚、本実施例では装置奥行き方向が用紙幅方向であり、装置幅方向が用紙給送、搬送、排出のこれらを行う方向となっている。
また、給紙カセット10の前面側には手掛け凹部13が形成されており、この手掛け凹部13の内側の操作レバー31(後述)を操作することで、ユーザーは作業性容易に給紙カセット10を引き抜くことができる。
張り出し部12は、用紙収容部11の幅よりも装置側方(本実施例では装置右側)に張り出している。
上述した表示窓14は、張り出し部12に設けられている。
給紙カセット10は、カセット収容部8に装着される際、装着状態にロックされ、ロック解除操作を行わない限り引き抜くことができない様に構成されている。給紙カセット10のロックは、図5、図11、図12に示す「カセット側係合部」としてのロックレバー27と、図11、図12に示す「本体側係合部」としての係止フック26との係合により行われる。
ロックレバー27と係止フック26は、給紙カセット10を装置本体にロックするロック手段25を構成する。
尚、係止フック26は給紙カセット10側ではなく装置本体3(カセット収容部8)側に設けられているが、図11、図12では説明の便宜上係止フック26のみを示し、装置本体3の図示は省略している。
図6において変換機構30は、操作レバー31の変位方向に対し交差する方向(本実施形態では装置幅方向)に延設されるとともにロックレバー27を備える第1回動軸34と、第1回動軸34の延設方向と同じ方向に延設されるとともに第1回動軸34が嵌合し、第1回動軸34とともに回動する第2回動軸35と、を備えている。
また変換機構30は、付勢手段としての圧縮ばね36を備え、この圧縮ばね36が、第2回動軸35の下方側に設けられた被押圧部35bを装置手前側に押圧し、これにより第2回動軸35及び第1回動軸34が、ロックレバー27が係止フック26に進出する際(ロックする際)の回動方向に付勢される(図9も参照)。
尚、図7の符号35cは、圧縮ばね36が嵌合するばね嵌合部を示している。
また、図9は、変換機構30を含む給紙カセット10の前方部を被押圧部35b及び圧縮ばね36の位置において第2回動軸35の回動軸線と直交する面で切断した断面図である。
この状態から操作レバー31に手を掛けて装置手前側、即ち給紙カセット10の引き抜き側に引き寄せると(図8〜図10において左方向)、操作レバー31の装置手前側への変位に伴ってアーム部32のレバー押圧部32aが、レバー係合部35a、35aを装置手前側に押し、これにより第2回動軸35及び第1回動軸34が図8〜図10の反時計回り方向に回動して、ロックレバー27が係止フック26から離間してロック解除となる(図10)。
尚、ロック解除された状態で操作レバー31から手を離すと、圧縮ばね36の付勢力によって操作レバー31は元の位置に戻る(図8、図9の状態)。
従ってユーザーは上側操作部31a及び下側操作部31bのいずれを操作しても給紙カセット10のロック及びロック解除、即ちロックレバー27の状態切り換えを行うことができる。
本実施形態では、上述のようにユーザーは上側操作部31a及び下側操作部31bのいずれを操作してもロックレバー27の状態切り換えを行うことができるので、ユーザーの様々な要請に応えることができる。
また、操作レバー31は手掛け凹部13の内側に配置されており、カセット前面に露出しない構成の為、カセット前面の凹凸が少なく、美観に優れた給紙カセット10を構成できる。
より詳しくは、図13において符号13aは手掛け凹部13の上側縁部を、符号13bは下側縁部を、符号13cは右側縁部を、符号13dは左側縁部を、それぞれ示していて、本実施形態において上側操作部31aは上側縁部13aよりも上側の領域を持ち、下側操作部31bは下側縁部13bよりも下側の領域を持つ。
図13において符号A1、A2は、手掛け凹部13の外側領域の裏面側において上側操作部31aと下側操作部31bの占める範囲を示しており(斜線で示した領域)、いわば手指を掛けることができるかかりしろを示すものである。本実施形態ではこのような手指のかかりしろが確保されている。
この様な構成によって、上側操作部31aと下側操作部31bが手掛け凹部13の開口内に突出する構成に比して、手掛け凹部13の開口を大きく確保でき、操作性が向上する。
図14において符号310は他の実施形態に係る操作レバー31を示しており、符号B1、B2は、手掛け凹部13の外側領域の裏面側において右側操作部31cと左側操作部31dの占める範囲を示しており(斜線で示した領域)、手指を掛けることができるかかりしろを示すものである。
この様に構成することで、ユーザーは手掛け凹部13の内部において上下左右いずれの側にも手指を掛けることができ、給紙カセット10のロック及びロック解除を行う際の操作性がより一層向上する。
(1)上記実施形態では、手掛け凹部13の内側において上下、或いは上下左右に手指を掛けることができる操作部を設けたが、上下左右に限らず、例えば斜め方向にも操作部を設けても良いし、或いは操作レバー31を円環状に形成し、手掛け位置を上下左右等に限定しない構成としても良い。
(2)上記実施形態は、本発明を媒体の一例としての記録用紙を収容する給紙カセットに適用したが、給紙カセットに限らず、操作部を操作して装着のロック及びロック解除を行うその他の着脱体に対して適用することもできる。
図15〜図17に示す様に給紙カセット10の手掛け凹部13に対し、カバー体40が着脱可能に構成されている。
カバー体40は、手掛け凹部13に入り込んで当該手掛け凹部13を塞ぐ本体部40aと、本体部40aを手掛け凹部13に対してロックするスライド部材45(図16及び図17ではスライド部材45の先端部45aが現れている)とを備えて成る。そして本体部40aが手掛け凹部13に入り込むことで上述した操作部としての操作レバー31の操作(ロック解除操作)が規制されることとなる。この様なカバー体40によって装置寸法の増大を押さえつつ、不用意な給紙カセット10の着脱操作を規制することができる。
この状態からカバー体40を給紙カセット10の手掛け凹部13に差し入れ、カバー体40の前面中央に設けられた凹部42a内の操作突起46a(操作カム46)を押し込むと、図16に示す様に本体部40aの両側部から側方に向けてスライド部材45の先端部45aが飛び出す。
尚、前面中央に設けられた操作突起46a(操作カム46)を押し込むと、本体部40aに対する鍵部材55の拘束が解除され、鍵部材55を鍵穴51から引き抜くことが可能となる。
以上がカバー体40の概略機能である。
図19に示す様にカバー体40は、本体部40aの外側を構成する筐体41と、本体部40aの前面を構成するパネル部42と、を備えている。またカバー体40は、筐体41の内部に収容されるベースフレーム43、サブフレーム44、二つのスライド部材45、操作カム46、三つのロック部材47、二つのコイルばね48、三つのコイルばね49、二つのコイルばね50、のこれらを備えている。
符号55は、上述した鍵部材である。
サブフレーム44はベースフレーム43に対して厚み方向に所定の間隔を空けた状態で固定され、サブフレーム44とベースフレーム43との間に形成された隙間に、二つのスライド部材45と、三つのロック部材47とが配置される。
ロック部材47は略T字の形状を成し、ベースフレーム43とサブフレーム44との間に挟まれた状態で、ベースフレーム43及びサブフレーム44によって奥行き方向にガイドされる。図20及び図21において符号43e、43f、43g、のこれらは、三つのロック部材47を奥行き方向にガイドする、ベースフレーム43に形成されたガイド溝である。サブフレーム44にも同様のガイド溝が形成されており、ロック部材47は、ベースフレーム43とサブフレーム44との間に挟まれた状態において、一部がベースフレーム43及びサブフレーム44から厚み方向に突出する。ロック部材47においてベースフレーム43から厚み方向に突出する部分は、後述するが、鍵部材55と係合する。
そしてこれらの凹部に三つのロック部材47が図24に示す様に入り込むことで、スライド部材45の第1状態、即ちカバー体40を手掛け凹部13にロックする状態(先端部45aが係合穴13gに入り込んだ状態)が維持される。
第1凹部45cと第3凹部45eは、ほぼ同じ幅で形成されており、第2凹部45dは、第1凹部45c及び第3凹部45eよりも大きい幅で形成されており、スライド部材45が第2状態(図22:ロック解除状態)から第1状態(図24:ロック状態)に移行する過程において、図23に示す様に最初に真ん中のロック部材47−2のみが相手側の第2凹部45dに入り込む様に構成されている。この理由については、後に説明する。
また、コイルばね49は、ロック部材47がスライド部材45に圧接する方向にロック部材47を付勢する付勢手段である。
更にコイルバネ50は、操作カム46が本体部40a内に引き込む方向に操作カム46を付勢する付勢手段である。
ベースフレーム43には左右方向に適宜の間隔を空けて三つの規制突起43b、43c、43dが形成されている。この規制突起43b、43c、43dは、対応しない鍵部材によって三つのロック部材47が押し込まれない様に、つまり鍵機能を実現する様に設けられたものである。従って対応する鍵部材55には、三つの規制突起43b、43c、43dを避ける様に、三つの溝部、即ち第1溝部55d、第2溝部55e、第3溝部55f、のこれらが形成されている。
ここで、鍵部材55が引き抜かれたということは、本来はカバー体40が手掛け凹部13に対してロックされたことを意味するが、部品精度の関係上、ロックが完了しないまま鍵部材55の受け入れ溝55gからストッパー45bが抜け出て、鍵部材55を引き抜くことが可能な状態となってしまう虞もある。
設計上、最初にロック部材47−2が相手側の第2凹部45dに入り込んだ状態では、スライド部材45に形成されたストッパー45bが、鍵部材55に形成された受け入れ溝55gに入り込み始めた位置となる。
以上の様な二段階ロック機構により、手掛け凹部13に対するカバー体40のロックが完了しないまま鍵部材55が引き抜かれてしまう問題を回避できる。
具体的には、図14の変形例である図25に示す様に、上側操作部31aと下側操作部31bとを連結する連結部となっている右側操作部31c及び左側操作部31dに、規制穴としての係合穴130gを形成し、この係合穴130gに、スライド部材45の先端部45aが入り込む様に構成する。
これにより、振動や衝撃等によって給紙カセット11の装置本体3に対するロック状態が意図せず解除されてしまうことを回避できる。
尚、係合穴130gは、必ずしも右側操作部31c及び左側操作部31dに形成する必要はなく、上側操作部31aや下側操作部31bに形成しても良い。また、右側操作部31c及び左側操作部31dに代えて、単に上側操作部31aと下側操作部31bとを連結する連結部として構成し、当該連結部に係合穴130gを形成しても良い。その場合、操作部に係合穴を形成する構成に比して、操作感の低下を抑制できる。
従って給紙カセット10の美観が向上するとともに、カバー体40が給紙カセット10に装着された際の当該給紙カセット10の寸法増加を回避できる。
(1)上記実施例ではカバー体40を給紙カセット10の手掛け凹部13から取り外した状態で、鍵部材55からカバー体40から引き抜けないように拘束される構成としたが、鍵部材55がカバー体40から引き抜ける構成としても良い。
(2)カバー体40の操作突起46a(操作カム46)を押し込んだ際、当該操作カム46が直接的に或いは他の部材を介して間接的に操作部としての操作レバー31を変位させ、ロックレバー27(図11)が係止フック26(図11)に係止する状態、即ちロック状態に切り換わるように構成しても良い。
また、スライド部材45が左右に突出するのではなく、上下に突出するように構成しても良いし、或いは上下左右に突出するように構成しても良い。
その際、鍵部材55は、複数のカバー体40の全てで共通のものとしても良いし(一つの鍵部材で全てのカバー体40の解錠する)、任意の複数のカバー体40で共通のものとしても良いし、複数のカバー体40の全てで異なるものとしても良い。
(5)カバー体40は、本実施形態では給紙カセットに適用したが、これに限られず、着脱のロック及びロック解除を行う操作部と、当該操作部が設けられる凹部と、を備えたその他の構成に適用することも可能である。
Claims (9)
- 媒体を収容する媒体収容部、並びに、凹部に設けられ装置本体に対する前記媒体収容部のロック及びロック解除を行う操作部を備えた媒体収容カセットに対して着脱可能なカバー体であって、
前記媒体収容カセットにおいて前記凹部に入り込んで前記凹部を塞ぐ本体部と、
前記本体部から突出して前記本体部を前記凹部に対してロックする第1状態と、ロックを解除して前記凹部への前記本体部の入り込み及び前記凹部からの取り外しを許容する第2状態と、をスライドして切り換えるスライド部と、
前記凹部の奥行き方向に沿って変位可能な押圧ボタンと、を備え、
前記スライド部は、前記押圧ボタンが押されることで、前記第2状態から前記第1状態に切り換わる、
ことを特徴とするカバー体。 - 請求項1に記載のカバー体において、前記スライド部の先端が前記凹部の内側に設けられた係合穴に係合することにより前記スライド部の前記第1状態が形成される、
ことを特徴とするカバー体。 - 請求項1または請求項2に記載のカバー体において、前記スライド部は、前記凹部における前記媒体収容カセットの幅方向にスライドすることにより、前記第1状態と前記第2状態とを切り換える、
ことを特徴とするカバー体。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のカバー体において、鍵部材を挿入する開口を備え、
前記鍵部材を前記開口に挿入することで、前記スライド部が前記第1状態から前記第2状態に切り換わる構成を備える、
ことを特徴とするカバー体。 - 請求項4に記載のカバー体において、
前記スライド部が前記第2状態のとき、前記鍵部材は前記開口から抜けない状態となり、前記鍵部材は前記カバー体と共に前記凹部から取り外し可能であることを特徴とするカバー体。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のカバー体において、当該カバー体は、前
記本体部が前記凹部に入り込み且つ前記スライド部が前記第1状態をとる際に、前記スライド部によって前記凹部に設けられた前記操作部の変位動作を規制する、
ことを特徴とするカバー体。 - 請求項6に記載のカバー体において、前記操作部は、前記凹部の内側の上側に位置する上側操作部と、前記凹部の内側の下側に位置する下側操作部と、前記上側操作部と前記下側操作部とを連結する連結部と、を備え、
前記スライド部の先端が前記連結部に形成された規制穴に入り込むことにより、前記操作部の変位動作が規制される、
ことを特徴とするカバー体。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のカバー体において、前記凹部は、前記媒体収容カセットの前記装置本体からの引き出し方向前面に形成されており、
前記本体部は、前記媒体収容カセットの前面側に、前記凹部の内側の輪郭に沿った形状及び大きさを備えるパネル部を有し、
前記本体部が前記凹部を塞いだ状態において、前記パネル部の面と前記媒体収容カセットの前面とが面一になる、
ことを特徴とするカバー体。 - 媒体を収容する媒体収容部と、
凹部に設けられ装置本体に対する前記媒体収容部のロック及びロック解除を行う操作部と、
前記凹部に入り込んで前記凹部を塞ぐ本体部、前記本体部から突出して前記本体部を前記凹部に対してロックする第1状態と、ロックを解除して前記凹部への前記本体部の入り込み及び前記凹部からの取り外しを許容する第2状態と、をスライドして切り換えるスライド部、及び前記凹部の奥行き方向に沿って変位可能な押圧ボタンを備えて成るカバー体と、を備え、
前記カバー体の前記スライド部は、前記押圧ボタンが押されることで、前記第2状態から前記第1状態に切り換わる、
媒体収容カセット。
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