JP6896564B2 - 燃料供給配管構造およびこれを備えた燃料粉砕供給システムならびに燃料供給配管構造の運用方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明にかかる燃料供給配管構造は、粉砕前の燃料を所定の供給量で供給する燃料供給機に接続された上部配管と、粉砕機に接続されて該粉砕機に前記燃料を導く下部配管と、前記上部配管と前記下部配管の間に設けられ、ロータリバルブと接続配管とが交換可能とされた交換部とを備えていることを特徴とする。
上部配管と下部配管との間に、ロータリバルブと接続配管とが交換可能な交換部を設けることとした。これにより、バイオマス燃料を用いる場合にはロータリバルブを設置して粉砕機からの加圧ガスの吹き上げをロータリバルブでシールし、燃料供給機やさらにその上流のバンカまで加圧ガスが吹き上げることを防止することができる。石炭燃料を用いる場合にはロータリバルブに代えて接続配管を設置する。石炭燃料の場合は、バイオマス燃料に比べて密に貯留されるので、粉砕機からの加圧ガスの吹き上げは燃料供給機やその上流のダウンスパウトで石炭の層によりシールすることができる。
したがって、粉砕機に供給する燃料を石炭燃料もしくはバイオマス燃料のいずれかに切り替えた場合であっても、共通の燃料供給機や粉砕機を利用することができる。
なお、バイオマス燃料の場合は、水を供給するとバイオマス燃料が吸水し湿潤して管内を閉塞するおそれがあるので、水の供給を停止するよう開閉する弁を設けてある。
図1には、本実施形態に係る燃料粉砕供給システム及び燃料供給配管構造を備えたボイラ設備1が示されている。なお、本実施形態では上方とは鉛直上側方向を、下方とは鉛直下側方向を示している。
ボイラ設備1は、ボイラ本体3に供給するバイオマス燃料及び石炭燃料を粉砕する粉砕機5を備えている。ここで、バイオマス燃料とは、再生可能な生物由来の有機性資源であり、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などであり、ここに提示したものに限定されることはない。バイオマス燃料は、バイオマスの成育過程において二酸化炭素を取り込むことから、地球温暖化ガスとなる二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルとされるため、その利用が種々検討されている。
粉砕機5には微粉燃料供給管7が接続されており、粉砕機5で粉砕された微粉燃料が搬送ガスとなる熱空気とともに微粉燃料供給管7を介してバーナ9へと導かれるようになっている。
粉砕機5には、バイオマス用サイロ11に貯蔵されたバイオマス燃料がバンカ13を介して導かれる。
粉砕機5には、熱空気供給管15が接続されている。熱空気供給管15は、1次通風機17に接続されており、空気予熱器19によって予熱された空気と、空気予熱器19をバイパスした空気とが混合して温度調整された空気が導かれるようになっている。また、熱空気供給管15には、ガス再循環通風機21を介して電気集塵機23を通過した排ガスの一部が導かれるようになっている。したがって、粉砕機5には、熱空気供給管15を介して、空気予熱器19で温度調整され、かつ排ガスによって酸素濃度調整された混合気が導かれる。
上述したバイオマス用サイロ11からバーナ9までの機器によって、燃料粉砕供給システムが構成されている。
誘引通風機27から導かれた排ガスは、脱硫装置29にて脱硫された後に煙突31へと導かれて大気へと放出される。
粉砕機5は、加圧式とされた竪型ミルとされており、石炭燃料やバイオマス燃料などの固形物を粉砕する。粉砕機5は、鉛直方向に延在する中心軸線回りを回転する粉砕テーブル42と、粉砕テーブル42の上面に対向して設けられた粉砕ローラ43とを備えている。粉砕テーブル42と粉砕ローラ43との間で石炭燃料やバイオマス燃料(ペレット)が粉砕される。粉砕された燃料は、熱空気供給管15(図1参照)から供給された熱空気によって巻き上げられ、ロータリセパレータ44を通り微粉のサイズで分級された後に、微粉燃料供給管7(図1参照)を通りボイラ本体3のバーナ9へと導かれる。
上部配管49の下方のロータリバルブ47との間には、上部配管49の本体から分割された上部配管下端部56が設けられている。上部配管下端部56の下端はフランジを介してロータリバルブ47に対して固定される。上部配管49の本体の下側と上部配管下端部56の上側との接続部には、スリーブジョイント54が設けられている。スリーブジョイント54は、ロータリバルブ47と短管(接続配管)48(図3参照)とを交換する際に取り外しがされる。スリーブジョイント54は、上部配管49の本体の下側と上部配管下端部56の上側との接続部を覆う筒部54aと、筒部54aを外周側から締め付けて固定する締付バンド(締付固定具)54bとを備えている。筒部54aは、例えば可撓性を備えるゴム製とされている。締付バンド54bは、例えば半割りとされたリング形状とされている。上部配管49の本体と上部配管下端部56とを突き合わせた状態で筒部54aを覆うように被せ、締付バンド54bで筒部54aを締め付けることで、上部配管49の本体の下側と上部配管下端部56の上側との間を気密に固定するようになっている。締付バンド54bは複数設けても良い。
ロータリバルブ47には、シールエア用バルブ47a1を介してシールエア配管47aが接続されている。シールエア配管47aから供給されたシールエアによって、バルブハウジングと回転部との摺動部をシールするようになっている。
ホッパ部70の内面に耐摩耗材を設ける理由は以下のとおりである。図6のようにロータリバルブ47が存在していると、燃料がホッパ部70に直接衝突することはなく、またロータリバルブ47を用いる場合は燃料がバイオマス燃料とされるのでホッパ部70の内面が損傷するおそれはない。これに対して、ロータリバルブ47を設置した状態から、図7に示すように短管48を設置した状態に交換すると、短管48が存在するだけなので燃料供給機50から落下した石炭は重力で加速して直接ホッパ部70に衝突するものがある。また、ロータリバルブ47との交換を前提とした構造となっているので、ホッパ部70の位置はロータリバルブ47の下方になる方が便宜であり、この場合は燃料供給機50からホッパ部70までの距離が長くなる。比較例として図8の場合のように石炭専用の場合にはロータリバルブ47との交換を前提としないので、給炭管40’の上端部側に設けたホッパ部70’は、燃料供給機50の近傍に近づけて配置することができる。したがって、図7に示したようにロータリバルブ47を設置した状態から短管48を設置した状態に交換することが可能な構造を採用する場合には、燃料供給機50からホッパ部70までの距離が長くなるために、ホッパ部70の内面に重力落下で加速した石炭が高速で衝突することになる。したがって、ホッパ部70の内面に耐摩耗材を設けることは、ホッパ部70の内面の損傷を低減する上で有効となる。
図9に示されているように、粉砕機5は、下部床F1上に設置され、燃料供給機50は上部床F2上に設置されている。下部床F1と上部床F2との間で、ロータリバルブ47の設置位置よりも下方でかつ下部配管45の上部付近の接続部分の高さ位置に、中間床F3が設けられている。
まず、スリーブジョイント54の筒部54aを締め付けている半割とされた締付バンド54bを緩める、または取外す(符号S1参照)。
次に、スリーブジョイント54の筒部54aを上方向へスライドする(符号S2参照)。なお、筒部54aを下方向へスライドさせても良い。
次に、上部配管下端部56を水平方向に移動して取り外す(符号S3参照)。これにより、ロータリバルブ47の上方に空間が形成され、ロータリバルブ47の取外しが容易になる。
次に、ロータリバルブ47を、上部床F2から吊り下げたロープ72を利用し、吊り下げて水平方向に移動する(符号S4参照)。例えば、上部床F2に設けたホイスト又はモノレールから吊り下げたロープの下端を、ロータリバルブ47に設けたアイプレートに取り付けて吊り下げる。なお、中間床F3に下部レールや、台車、コロ等の横引装置を設けてロータリバルブ47を移動させても良い。
次に、ロータリバルブ47をさらに水平方向に吊り下げて移動させ(符号S5参照)、中間床F3上の所定位置に保管する。
以上により、ロータリバルブ47の搬出及び保管が終了する。
上部配管49と下部配管45との間に、ロータリバルブ47と短管48とが交換可能な交換部を設けることとした。これにより、バイオマス燃料を用いる場合にはロータリバルブ47を設置して粉砕機5からの加圧ガスの吹き上げをロータリバルブ47でシールし、燃料供給機50やさらにその上流のバンカ13まで加圧ガスが吹き上げることを防止することができる。石炭燃料を用いる場合にはロータリバルブ47に代えて短管48を設置する。石炭燃料の場合は、バイオマス燃料に比べて密に貯留されるので、粉砕機5からの加圧ガスの吹き上げは燃料供給機50やその上流のダウンスパウト52でシールすることができる。
したがって、バイオマス燃料を石炭燃料から切り替えた場合であっても、共通の燃料供給機50や粉砕機5を利用することができる。
また、上述した実施形態では、バイオマス燃料としては全てをバイオマス系燃料を用いて粉砕する粉砕機5として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、石炭とともにバイオマス燃料を混合して粉砕する粉砕機に対しても用いることができる。
3 ボイラ本体
5 粉砕機
7 微粉燃料供給管
9 バーナ
11 バイオマス用サイロ
13 バンカ
15 熱空気供給管
17 1次通風機
19 空気予熱器
21 ガス再循環通風機
23 電気集塵機
25 脱硝装置
27 誘引通風機
29 脱硫装置
31 煙突
40 燃料供給配管構造
42 粉砕テーブル
43 粉砕ローラ
44 ロータリセパレータ
45 下部配管
47 ロータリバルブ
48 短管(接続配管)
49 上部配管
50 燃料供給機
50a シールエア配管
50a1 シールエア用バルブ
50b 消火水配管
50b1 消火水用バルブ
51 ベルトコンベア
52 ダウンスパウト
54 スリーブジョイント
54a 筒部
54b 締付バンド(締付固定具)
56 上部配管下端部
58 台座(分岐配管)
60 消火水配管(水供給部)
60a 消火水用バルブ
61 パージエア配管
61a パージエア用バルブ
62 ボール弁
63 キャップ
65 中継管
67 洗浄水ノズル
68 洗浄水供給配管
69 洗浄水用ボール弁
70 ホッパ部
72,73 ロープ
F1 下部床
F2 上部床
F3 中間床
Claims (9)
- 粉砕前の燃料を所定の供給量で供給する燃料供給機に接続された上部配管と、
粉砕機に接続されて該粉砕機に前記燃料を導く下部配管と、
前記上部配管と前記下部配管の間に設けられ、ロータリバルブと接続配管とが交換可能とされた交換部と、
を備えていることを特徴とする燃料供給配管構造。 - 前記上部配管の下端には、該上部配管の本体から分割されるとともに前記交換部に接続される上部配管下端部が設けられ、
前記上部配管の前記本体の下端側と前記上部配管下端部の上端側を覆う筒部と、該筒部を外周側から締め付けて固定する締付固定具とを備えるスリーブジョイントを備えていることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給配管構造。 - 前記ロータリバルブの鉛直下方には、水を供給する水供給部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料供給配管構造。
- 前記水供給部は、水平方向に対して安息角以上に傾斜して前記下部配管へと通気する分岐配管に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の燃料供給配管構造。
- 前記分岐配管には、パージエア供給部、及び/又は、温度計挿入部、及び/又は、突き棒挿入部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の燃料供給配管構造。
- 前記上部配管の内部には、鉛直下方へ向けて水を供給し散布する洗浄水ノズルと、前記水の供給を制御する弁が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の燃料供給配管構造。
- 前記下部配管の上端部には、ホッパ部が設けられ、
該ホッパ部の内面には耐摩耗材が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の燃料供給配管構造。 - 燃料を貯留するバンカと、
該バンカから燃料を受け入れて所定の供給量で供給する燃料供給機と、
請求項1から7のいずれかに記載された燃料供給配管構造と、
該燃料供給配管構造の鉛直下方に設けられた粉砕機と、
を備えていることを特徴とする燃料粉砕供給システム。 - 粉砕前の燃料を所定の供給量で供給する燃料供給機に接続された上部配管と、
粉砕機に接続されて該粉砕機に前記燃料を導く下部配管と、
前記上部配管と前記下部配管の間に設けられ、ロータリバルブと接続配管とが交換可能とされた交換部と、
を備えた燃料供給配管構造の運用方法であって、
バイオマス燃料を用いる場合に、前記接続配管に代えて前記ロータリバルブを設置し、石炭を用いる場合に、前記ロータリバルブに代えて前記接続配管を設置することを特徴とする燃料供給配管構造の運用方法。
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