JP2018080802A - 配管部材、ガス化複合発電装置、配管部材の組立方法 - Google Patents
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Description
このような構成によれば、ライナが溶接部のない筒状であるので、溶接部の腐食生成物の残存や割れが生じることがなく、タイル状の耐摩耗ライナのような脱落が生じることもない。
本発明に係る配管部材は、固体物を含んだ流体が内部を流れる配管部材であって、筒状の外管と、前記外管の内側に、径方向に間隔をあけて設けられ、1個又は前記管軸方向に直列状に並べて配置された複数個の筒状のライナと、前記外管の一端側に設けられ、前記一端側に配置された前記ライナを、管軸方向及び前記管軸周りの周方向に拘束した状態で保持する第1ライナ保持部材と、前記外管の他端側に設けられ、前記他端側に配置された前記ライナを、前記管軸方向にスライド移動可能、かつ前記周方向に拘束した状態で保持する第2ライナ保持部材と、を備えることを特徴とする。
図1は、本実施形態に係る配管部材を適用した石炭ガス化複合発電設備の概略構成図である。
なお、ガスタービン17と蒸気タービン18は同一軸として1つの発電機19を回転駆動しなくてもよく、別の軸として複数の発電機を回転駆動しても良い。
図2に示すように、ガス生成ライン49、及びチャー戻しライン46の少なくとも一部は、複数本の配管部材100を直列に接続することで形成されている。
各配管部材100は、直管状で、外管101と、外管101の内側に挿入配置されたライナ102と、外管101とライナ102との間に充填された耐火材(充填材)103と、1個又は複数個が直列状に並んだライナ102の一端に設けられた第1ライナ保持部材104及び他端に設けられた第2ライナ保持部材105と、を備えている。
なお、耐火材103は、通過するガス流量や使用環境に応じて、充填を省略して耐火材103を設けない場合があってもよい。
また、ライナ102の外周面102aも、外管101への挿入時の摩擦や引っ掛りを低減することで作業性を高めるため、機械加工により研削する等して、平滑化するのが好ましい。
外管101内に複数のライナ102を直列状に配置する場合、管軸C方向において互いに前後するライナ102、102同士を互いに突き当てて隙間が生じないようにしてもよい。不要な隙間を発生させないことで、外管101の耐摩耗性と耐食性が低減することを防止できる。
一方、ライナ102の下流側の端部102dの外周面には、各突起111に対応した位置に、凹溝(被係合部)121が形成されている。図2に示すように、各凹溝121は、ライナ102の端部102dにおいて、流れ方向Fの下流側に向かって開口し、流れ方向Fの上流側に、管軸C方向に直交する突き当たり壁部121wが形成されている。第1ライナ保持部材104の各突起111が、凹溝121に挿入されつつ、突き当たり壁部121wに突き当たる。そのため、第1ライナ保持部材104の内側に挿入されたライナ102は、管軸C方向に沿った流れ方向Fの下流側への移動、及び周方向への移動が拘束される。これにより、不要な隙間を発生させないことで、外管101の耐摩耗性と耐食性が低減することを防止できる。
一方、ライナ102の上流側の端部102cの外周面には、各突起112に対応した位置に、管軸C方向に連続するガイド溝(被ガイド部)122が形成されている。このガイド溝122は、管軸C方向の長さが、突起112の長さよりも大きい。また、第2ライナ保持部材105の突起112は、ガイド溝122の流れ方向Fの下流側の終端122eとの間に、管軸C方向に隙間S4を隔てている。
このとき、隙間S1は、上述の隙間S4と同一又は若干大きく設定することで、より確実に熱伸び差を許容して、その影響を抑制することができる。
図4に示すように、第1ライナ保持部材104は、外管101内に複数のライナ102を直列状に配置する場合、配管部材100の流れ方向Fの下流側の端部100dだけでなく、他のライナ102のうちから少なくとも1つに流れ方向Fの下流側の端部102dの外周側に設けるようにしてもよい。また他の構成とその関係は、図2,図3に示した実施形態で示したものと同様である。
また、図5に示すように、ガス生成ライン49、及びチャー戻しライン46の少なくとも一部において、管軸C方向が湾曲するエルボ部49Eに用いられる配管部材100Rを用いてもよい。配管部材100Rは、所定の曲率半径で湾曲形成された湾曲部101wを有する外管101Rと、外管101の内側に、管軸C方向に沿って直列に挿入配置された複数のライナ102Rと、を備えている。また配管部材100Rは、外管101Rとライナ12Rとの間に充填された耐火材103を備えていてもよい。また他の構成とその関係は、図2,図3に示した実施形態で示したものと同様である。
第1ライナ保持部材104、第2ライナ保持部材105は、それぞれ、溶接等によって外管101Rの内周面101bに接合されていてもよい。
配管部材100Rの流れ方向Fの上流側の端部100cに配置されたライナ102は、第2ライナ保持部材105によって、流れ方向Fに沿ってスライド移動可能、かつ周方向への移動が拘束された状態で保持される。
これにより、不要な隙間を発生させないことで、外管101Rの耐摩耗性と耐食性が低減することを防止できる。
次に、上記したような配管部材100、100Rの製造方法について説明する。
配管部材100、100Rを製造するには、まず、外管101、101Rの流れ方向Fの下流側の端部100dの内側の所定位置に、第1ライナ保持部材104を取り付けて、外管101、101Rに溶接などで固定する。
1個又は複数個が直列状に並んだ所定数のライナ102、102Rを挿入した後、外管101、101Rの流れ方向Fの上流側の端部100dの内側に、第2ライナ保持部材105を取り付けて、外管101、101Rに溶接などで固定する。
これによって、配管部材100、100Rが製造される。
また、第2ライナ保持部材105の突起112によって、ライナ102のガイド溝122のスライド方向をガイドすることで、第2ライナ保持部材105により、ライナ102を、管軸C方向にスライド移動可能、かつ周方向に拘束した状態で保持することができる。
このような配管部材100の組立方法によれば、配管部材100を容易に組み立てることができる。
また、上述した実施形態では、燃料として石炭を使用したが、高品位炭や低品位炭であっても適用可能であり、また、石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマスであってもよく、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
11 給炭設備
11a 給炭ライン
14 ガス化炉設備
15 チャー回収設備
16 ガス精製設備
17 ガスタービン
18 蒸気タービン
19 発電機
20 排熱回収ボイラ
41 圧縮空気供給ライン
42 空気分離設備
43 第1窒素供給ライン
45 第2窒素供給ライン
46 チャー戻しライン
47 酸素供給ライン
48 異物除去設備
49 ガス生成ライン(配管部)
49E エルボ部
49b 管台部
51 集塵設備
52 供給ホッパ
53 ガス排出ライン
61 圧縮機
62 燃焼器
63 タービン
64 回転軸
65 圧縮空気供給ライン
66 燃料ガス供給ライン
67 燃焼ガス供給ライン
68 昇圧機
69 タービン
70 排ガスライン
71 蒸気供給ライン
72 蒸気回収ライン
73 復水器
74 ガス浄化設備
75 煙突
100 配管部材
100R 配管部材
100c 端部(他端)
100d 端部(一端)
101 外管
101B 分岐外管
101R 外管
101a フランジ部
101b 内周面
101c 端面
101j 端部
101w 湾曲部
102 ライナ
102B 分岐ライナ
102R ライナ
102a 外周面
102b 内周面
102c 端部
102d 端部
102j 端部
103 耐火材(充填材)
104 第1ライナ保持部材
105 第2ライナ保持部材
106 ボルト・ナット
107 隙間
111 突起(係合部)
112 突起(ガイド部)
121 凹溝(被係合部)
121w 突き当たり壁部
122 ガイド溝(被ガイド部)
122e 終端
C 管軸
F 流れ方向
S1 隙間
S3 隙間
S4 隙間
Claims (12)
- 固体物を含んだ流体が内部を流れる配管部材であって、
筒状の外管と、
前記外管の内側に、径方向に間隔をあけて設けられ、1個又は管軸方向に直列状に並べて配置された複数個の筒状のライナと、
前記外管の一端側に設けられ、前記一端側に配置された前記ライナを、前記管軸方向及び前記管軸周りの周方向に拘束した状態で保持する第1ライナ保持部材と、
前記外管の他端側に設けられ、前記他端側に配置された前記ライナを、前記管軸方向にスライド移動可能、かつ前記周方向に拘束した状態で保持する第2ライナ保持部材と、
を備えることを特徴とする配管部材。 - 前記第1ライナ保持部材は、前記ライナの外周側に設けられるとともに、内周側に係合部を有し、
前記ライナの外周面には、前記係合部が係合する被係合部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配管部材。 - 前記第2ライナ保持部材は、前記ライナの外周側に設けられるとともに、内周側に、前記ライナの前記管軸方向に沿ったスライド移動方向をガイドするガイド部が設けられ、
前記ライナの外周面には、前記ガイド部によってスライド方向がガイドされる被ガイド部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管部材。 - 前記外管の他端に、外周側に張り出すフランジ部が形成され、
前記ライナにおいて、前記外管の前記フランジ部が形成された他端側の端部は、前記外管の前記他端側の端面よりも前記管軸方向の内側にオフセットしていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の配管部材。 - 前記外管と前記ライナとの間に充填された充填材をさらに備える請求項1から4の何れか一項に記載の配管部材。
- 前記外管から分岐した管台部を備え、
前記管台部は、前記外管から分岐した分岐外管と、分岐外管に固定された筒状の分岐ライナと、を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の配管部材。 - 前記外管は、所定の曲率半径で湾曲形成された湾曲部を有し、前記外管の内側に、前記湾曲部と同じ曲率半径で湾曲形成された複数の前記ライナが挿入配置されていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の配管部材。
- 前記ライナは、前記外管の内側に、前記管軸に沿って複数が直列に設けられていることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の配管部材。
- 複数の前記ライナのそれぞれは、前記流体の流れ方向の下流側の端部が、前記第1ライナ保持部材によって、前記管軸方向及び前記管軸周りの周方向に拘束した状態で保持されていることを特徴とする請求項8に記載の配管部材。
- 前記ライナの内周面は、機械加工により研削加工が施されていることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の配管部材。
- 炭素含有固体燃料を燃焼させてガス化させることで生成ガスを生成するガス化炉設備と、
前記ガス化炉設備で生成された前記生成ガスに含まれるチャーを回収するチャー回収設備と、
前記ガス化炉設備と前記チャー回収設備とを接続する配管の少なくとも一部を形成し、請求項1から10の何れか一項に記載の配管部材によって構成された配管部と、
を備えることを特徴とするガス化複合発電装置。 - 請求項1から10の何れか一項に記載の配管部材の組立方法であって、
前記外管の内側に前記第1ライナ保持部材を取り付ける工程と、
前記外管の内側に前記ライナを挿入する工程と、
前記外管の内側に前記第2ライナ保持部材を取り付ける工程と、
を有することを特徴とする配管部材の組立方法。
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