JPH0914577A - 高温配管のライニング構造 - Google Patents

高温配管のライニング構造

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JPH0914577A JP7163635A JP16363595A JPH0914577A JP H0914577 A JPH0914577 A JP H0914577A JP 7163635 A JP7163635 A JP 7163635A JP 16363595 A JP16363595 A JP 16363595A JP H0914577 A JPH0914577 A JP H0914577A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 曲がり部の影響を受けることなくライナを軸
方向及び半径方向に自由に熱変形させることができ、か
つライナのまわりにできる隙間が小さくかつ周方向にほ
ぼ均等であり、内部保温材の保温性能を各部でほぼ均一
に保持できる高温配管のライニング構造を提供する。 【構成】 耐圧外管12、内部保温材14、ライナ1
6、及び支持金具18からなる。耐圧外管12の曲がり
部は、中心線Z−Zに対して斜めに傾斜した端面を互い
に接続した複数の円筒形外管片12a〜dからなる。ラ
イナ16は、各外管片と同心に配置され、かつ各外管片
の両端面と平行な両端面を有する複数の円筒形ライナ片
16a〜dからなる。支持金具18は、ライナ片の一端
17bに接合され、他端17aを軸線方向に移動可能に
同心に囲む複数の支持リング19と、支持リングに内端
が固定され、半径方向外方に斜めに延びた複数の支持プ
レート20と、からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は曲がり部を有する高温配
管に係わり、更に詳しくは、高温配管のライニング構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、加圧下で石炭を流動燃焼させる
加圧流動層ボイラ(Pressurised Fluidized Bed Combus
ter)は、図3に例示するように、ボイラ本体1、サイク
ロン2、灰クーラ3、ベッド材貯蔵容器4、等が圧力容
器5内に格納された構成のものであり、外部から供給さ
た石炭Cをボイラ本体1内で燃焼させ、その排ガスがサ
イクロン2に送られ、サイクロン2で除去された灰が灰
クーラ3で冷却されてボイラ本体1に戻り、灰が除去さ
れた排ガスが排ガス管7を通って外部のガスタービン
(図示せず)に供給され、仕事(例えば発電機の駆動)
をするようになっている。なお、この図でA,Bは燃焼
用空気と流動層、6a,6b,6cは蒸発器、過熱器、
及び再熱器である。
【0003】図3において、サイクロン2を出たガス
は、高温高圧(例えば860℃、15ata以上)であ
り、かつサイクロン2では分離できない微細な灰を含ん
でいる。このため、従来の排ガス管7(高温配管)の曲
がり部は、図4に例示するように、圧力を受ける耐圧外
管8a、内部を流れる高温ガス9を保温しかつ耐圧外管
8aの温度を低く保持する内部保温材8b、及び灰によ
る保温材の摩耗や高温ガス流れによる保温材の飛散を防
止する一体ライナ8c、等から構成されていた。
【0004】また、このライナ8cは、高温ガス9に直
接接触するため、圧力を受けずに自由に熱変形(熱膨張
と熱収縮)する必要がある。このため、ライナ8cの外
側にも高温ガス9がわずかに流れるように、ライナ8c
の接続箇所に隙間(図示せず)を設けると共に、曲がり
部のライナ8cを図4(B)に示す支持板8dを介して
外管8aに連結・固定し、ライナ8cが軸方向に自由に
熱変形できるようにしていた。なお、図4(B)は、
(A)のA−A線における断面図である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の高温配管のライニング構造では、ライナ8cが熱変形
すると、図4のB部に示すように、ライナ8cは軸方向
だけではなく、半径方向にも変位し、特に固定位置(支
持板8dの位置)から離れた部分では、曲がり部の熱変
形による半径方向移動量が加わるため半径方向(B部で
は上向き)の変位が大きくなり、保温材に強く当たっ
て保温材8bを破損させ保温材同士の隙間を拡大させた
り、保温材8bとライナ8cとの隙間が部分的に大き
くなってその部分の保温性能を低下させ、これにより耐
圧外管8aのメタル温度を部分的に上昇させたり、更
に、保温材8b同士の隙間が拡大すると、高温ガス9が
耐圧外管8aにまで達し、耐圧外管8aを部分的に過熱
し、許容応力を大幅に低下させてしまう、キャスタブ
ル等の断熱材の場合、クラック発生し粒子がガスタービ
ンへ飛散してタービン翼を破損させるおそれがある、等
の問題点があった。
【0006】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、曲
がり部の影響を受けることなくライナを軸方向及び半径
方向に自由に熱変形させることができ、かつライナのま
わりにできる隙間が小さくかつ周方向にほぼ均等であ
り、内部保温材の保温性能を各部でほぼ均一に保持で
き、かつ保温材に亀裂や破損を生じさせにくい、高温配
管のライニング構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、内圧を
受ける耐圧外管と、耐圧外管の内面に取付けられ、内側
を流れる高温ガスを保温して耐圧外管の温度を下げる内
部保温材と、内部保温材の内側に配置され、高温ガスに
よる保温材の飛散及び摩耗を防止するライナと、ライナ
を耐圧外管に固定する支持金具と、からなり、耐圧外管
の曲がり部は、少なくとも一端面が中心線に対して斜め
に傾斜した端面を互いに接続した複数の円筒形外管片か
らなり、これにより耐圧外管の曲がり部を形成し、ライ
ナは、前記各外管片と同心に配置され、かつ各外管片の
両端面と平行な両端面を有する複数の円筒形ライナ片か
らなり、支持金具は、隣接するライナ片の一方の端部に
接合され、他方の端部を軸線方向に移動可能に同心に囲
む複数の支持リングと、該支持リングに内端が固定さ
れ、半径方向外方に斜めに延び、耐圧外管の内面に外端
が固定された複数の支持プレートと、からなる、ことを
特徴とする高温配管のライニング構造が提供される。
【0008】本発明の好ましい実施例によれば、前記支
持リングは、隣接するライナ片の端部を同心に囲む1対
のリングからなり、該リングは互いに接合されている。
また、前記内部保温材は、圧縮性を有する繊維質であ
る、ことが好ましい。
【0009】
【作用】上記本発明の構成によれば、耐圧外管の曲がり
部が、中心線に対して斜めに傾斜した端面を互いに接続
した複数の円筒形外管片から形成されており、かつライ
ナは、各外管片と同心に配置され、かつ各外管片の両端
面と平行な両端面を有する複数の円筒形ライナ片から構
成されているので、各ライナ片の両端部を各外管片の端
面付近に位置決めすることができる。
【0010】また、複数の支持プレートの内端が各支持
リングに固定され、支持プレートが半径方向外方に斜め
に延び、支持プレートの外端が耐圧外管の内面に固定さ
れているので、支持プレートの半径方向の撓みにより支
持リングの半径方向変位を許容しながら、支持リングを
外管片の内面から同一の間隔を隔て、かつ外管片の端面
付近に位置決めすることができる。更に、支持プレート
と各ライナ片はほぼ同一の温度であるため、それらの半
径方向熱変位量はほぼ同一であり、曲がり部の影響を受
けることなくライナを半径方向に自由に熱変形させるこ
とができる。
【0011】また、複数の支持リングがそれぞれ隣接す
るライナ片の一方の端部に接合され、他方の端部を軸線
方向に移動可能に同心に囲んでいるので、熱変形時に各
ライナ片の一端を、隣接する一方の支持リングに固定し
たまま、他端を他方の支持リングの内側で軸方向に熱膨
張させることができ、これにより、曲がり部の影響を受
けることなくライナを軸方向に自由に熱変形させること
ができる。
【0012】従って、各支持リングは、複数の支持プレ
ートにより外管片の内面から同一の間隔で外管片の端面
付近に位置決めされているので、ライナのまわりにでき
る隙間が小さくかつ周方向にほぼ均等であり、内部保温
材の保温性能を各部でほぼ均一に保持できる。また、ラ
イナのまわりにできる隙間が均等で小さいので、保温材
の変形を最小限にすることができ、特に、圧縮性を有す
る繊維質の内部保温材を用いることにより、亀裂や破損
をほとんどなくすことができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。なお、各図において共通する部分には同
一の符号を付して使用する。図1は、本発明による高温
配管のライニング構造を示す図であり、(A)は側面断
面図、(B)は図1(A)のC−C線における断面図で
ある。また、図2は、図1(A)のD部拡大図である。
【0014】図1及び図2において、本発明の高温配管
のライニング構造は、内圧を受ける耐圧外管12と、耐
圧外管12の内面に取付けられた内部保温材14と、内
部保温材14の内側に配置され高温ガス9による保温材
の飛散及び摩耗を防止するライナ16と、ライナ16を
耐圧外管12に固定する支持金具18とからなる。
【0015】耐圧外管12の曲がり部は、図1におい
て、a,b,cの各端面で互いに接続された複数の円筒
形外管片12a,12b,12c,12dからなる。各
外管片12a〜dの少なくとも一端面a,b,cは中心
線Z−Zに対してそれぞれ斜めに傾斜し、これにより耐
圧外管の曲がり部を形成するようになっている。
【0016】内部保温材14は、内側を流れる高温ガス
9を保温して耐圧外管12の温度を下げる機能を有す
る。この内部保温材14は、適当な取付け金具(例えば
スタッドボルト)により耐圧外管12の内面にほぼ一定
の厚さに取付けられている。この内部保温材14は、例
えば1000℃以上の高温に耐え、かつ圧縮性を有する
繊維質であるのがよく、例えば、セラミックファイバ、
等がよい。かかる内部保温材14の使用により、熱変形
によりライナ16のまわりにできる隙間を内部保温材1
4の復元力により無くすことができ、かつ変形による内
部保温材14同士の隙間の拡大や破損をほとんどなくす
ことができる。
【0017】更に図1において、ライナ16は、複数の
円筒形ライナ片16a,16b,16c,16dからな
る。各ライナ片16a〜dは、各外管片12a〜dにそ
れぞれ対応して同心に配置され、かつ各外管片12a〜
dの両端面とほぼ平行な両端面17a,17bを有して
いる。この構成により、各ライナ片の両端面17a,1
7bを各外管片12a〜dの端面付近に位置決めするこ
とができる。
【0018】支持金具18は、複数の支持リング19と
複数の支持プレート20からなる。支持リング19は、
図2に示すように、隣接するライナ片の一方の端部17
bに溶接等で接合され、ライナ片の他方の端部17aを
軸線方向に移動可能に同心に囲んでいる。すなわち、支
持リング19は、互いに溶接により接合された1対のリ
ング19a,19bからなり、それぞれのリング19
a,19bは、隣接するライナ片の端部17a,17b
をそれぞれ同心に囲み、ライナ端部17bとリング19
bが互いに溶接されている。かかる構成により、熱変形
時に各ライナ片の一端部17bを、隣接する一方の支持
リング19に固定したまま、他端部17aを他方の支持
リング19の内側で軸方向に熱膨張させることができ、
これにより、曲がり部の影響を受けることなく各ライナ
片16a〜dを軸方向に自由に熱変形させることができ
る。
【0019】また、図1(B)に示すように、支持プレ
ート20は、支持リング19に内端20aが固定され、
半径方向外方に斜めに延び、耐圧外管12の内面に外端
19bが固定されている。この構成により、支持プレー
ト20の半径方向の撓みにより支持リング19の半径方
向変位を許容しながら、支持リング19を外管片12a
〜dの内面から同一の間隔を隔て、かつ外管片12a〜
dの端面付近に位置決めすることができる。更に、支持
プレート20と各ライナ片16a〜dはほぼ同一の温度
であるため、それらの半径方向熱変位量はほぼ同一であ
り、曲がり部の影響を受けることなく各ライナ片16a
〜dを半径方向に自由に熱変形させることができる。
【0020】従って、各支持リング19は、複数の支持
プレート20により外管片12a〜dの内面から同一の
間隔で外管片の端面付近に位置決めされているので、各
ライナ片は、外管片12a〜dと同心を維持したまま軸
方向に伸びるだけであり、各ライナ片16a〜dのまわ
りにできる隙間は小さくかつ周方向にほぼ均等となる。
これにより、内部保温材14の保温性能を各部でほぼ均
一に保持でき、また、ライナ16のまわりにできる隙間
が均等で小さいので、保温材の変形を最小限にすること
ができ、特に、圧縮性を有する繊維質の内部保温材を用
いることにより、保温材同士の隙間拡大や破損をほとん
どなくすことができる。
【0021】なお、上述した実施例では、本発明を高温
配管の曲がり部について説明したが、本発明はかかる曲
がり部に限定されず、Tピース部、Yピース部、等の高
温配管の分岐・合流部にも同様に適用できる。従って本
発明は上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸
脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】上述したように、本発明の高温配管のラ
イニング構造は、曲がり部の影響を受けることなくライ
ナを軸方向及び半径方向に自由に熱変形させることがで
き、かつライナのまわりにできる隙間が小さくかつ周方
向にほぼ均等であり、内部保温材の保温性能を各部でほ
ぼ均一に保持でき、かつ保温材同士の隙間拡大や破損を
生じさせにくい、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高温配管のライニング構造を示す
図である。
【図2】図1のD部拡大図である。
【図3】従来の加圧流動層ボイラの全体構成図である。
【図4】従来の高温配管のライニング構造を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ボイラ本体 2 サイクロン 3 灰クーラ 4 ベッド材貯蔵容器 5 圧力容器 6a 蒸発器 6b 過熱器 6c 再熱器 7 排ガス管 8a 耐圧外管 8b 内部保温材 8c 一体ライナ 9 高温ガス 12 耐圧外管 12a〜d 外管片 14 内部保温材 16 ライナ 16a〜d ライナ片 17a,17b 端部(端面) 18 支持金具 19 支持リング 20 支持プレート A 空気 B 流動層 C 石炭

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内圧を受ける耐圧外管と、耐圧外管の内
    面に取付けられ、内側を流れる高温ガスを保温して耐圧
    外管の温度を下げる内部保温材と、内部保温材の内側に
    配置され、高温ガスによる保温材の飛散及び摩耗を防止
    するライナと、ライナを耐圧外管に固定する支持金具
    と、からなり、 耐圧外管の曲がり部は、少なくとも一端面が中心線に対
    して斜めに傾斜した端面を互いに接続した複数の円筒形
    外管片からなり、これにより耐圧外管の曲がり部を形成
    し、 ライナは、前記各外管片と同心に配置され、かつ各外管
    片の両端面と平行な両端面を有する複数の円筒形ライナ
    片からなり、 支持金具は、隣接するライナ片の一方の端部に接合さ
    れ、他方の端部を軸線方向に移動可能に同心に囲む複数
    の支持リングと、該支持リングに内端が固定され、半径
    方向外方に斜めに延び、耐圧外管の内面に外端が固定さ
    れた複数の支持プレートと、からなる、ことを特徴とす
    る高温配管のライニング構造。
  2. 【請求項2】 前記支持リングは、隣接するライナ片の
    端部を同心に囲む1対のリングからなり、該リングは互
    いに接合されている、ことを特徴とする請求項1に記載
    の高温配管のライニング構造。
  3. 【請求項3】 前記内部保温材は、圧縮性を有する繊維
    質である、ことを特徴とする請求項1に記載の高温配管
    のライニング構造。
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