JP7236196B2 - サイクロン、ガス化炉、ガス化複合発電設備、及びサイクロンの製造方法 - Google Patents

サイクロン、ガス化炉、ガス化複合発電設備、及びサイクロンの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、サイクロン、ガス化炉、ガス化複合発電設備、及びサイクロンの製造方法に関するものである。
従来、ガス化炉設備として、石炭等の炭素含有固体燃料をガス化炉内に供給し、炭素含有固体燃料を部分燃焼させてガス化することで、可燃性ガスを生成する炭素含有燃料ガス化設備(石炭ガス化設備)が知られている。
石炭ガス化設備には、ガス化炉で石炭等の炭素含有固体燃料をガス化して生成される生成ガス中に含まれる石炭等の未反応固形分と灰分(チャー)とを分離及び回収する設備(集塵設備)が設けられている。集塵設備としては、一般に遠心力を利用して生成ガス中のチャーの分離及び回収を行う遠心分離機(サイクロン)が適用されている。
石炭ガス化設備に設けられるサイクロンとしては、例えば下記特許文献1~2のような技術が報告されている。特許文献1には、ガス化炉に接続され、スラグと水との混合流体を遠心分離するサイクロンとして、圧力容器の内部に非耐圧のサイクロン本体を設けた二重構造のサイクロンが開示されている。特許文献1のサイクロンでは、サイクロン本体を上部から吊り棒で支持し、圧力容器の上部を開放可能な構成とすることで、クレーン等でサイクロン本体を吊り上げて交換することが可能となっている。
特許文献2には、チャーの分離に使用されるサイクロンとして、サイクロン本体下部を分割可能な構造とすることが開示されている。特許文献2のサイクロンでは、分割部分を圧力容器に設けられたマンホールから出し入れすることで分割部分の交換が可能となっている。
特開2017-140554号公報 特開2017-127796号公報
ここで、例えば石炭等の未反応固形分と灰分(チャー)の分離及び回収を行う設備に適用されるサイクロンでは、内部に設置されたサイクロン本体にて生成ガス中のチャーを遠心分離する機能を有する。しかしながら、発明者らの鋭意なる研究により、サイクロン本体の内部をチャーが旋回することで、特に内部に導入された生成ガスがサイクロン本体の内周面の最初に接触する部分において、局所的かつ加速度的にサイクロン本体の摩耗や減肉の進行が大きくなることが判明した。また、サイクロン本体の内部空間で摩耗や減肉の多い領域が拡大することによってサイクロン効率が低下し、サイクロンの寿命が低下する。サイクロンの長寿命化については、局所的かつ加速度的な摩耗や減肉の進行の発生部分に対して改善が必用である。
また、サイクロン本体の交換を実施するためには、圧力容器を一時撤去するとともに生成ガス管等の後流配管を一時撤去する付帯工事が発生することもあるため、サイクロン本体のメンテナンスを容易で低コストに行うことを可能とする構造も求められてきている。
また、サイクロン本体の材質として耐摩耗性からクロム系鋳鉄を用いる場合があるが、クロム系鋳鉄は高温下での耐摩耗性に優れる一方で炭素含有率が高く、肉盛及び溶接に適さないため、サイクロン本体内部から摩耗や減肉した内周面への補修が困難となる。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、サイクロンの効率が低下することを防ぐことができ、長寿命なサイクロン、該サイクロンを備えたガス化炉及びガス化複合発電設備、及びサイクロンの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下の手段を採用する。
本開示のサイクロンは、炭素を含有する炭素含有固体燃料をガス化したときに生成される生成ガスが内部に導かれて前記生成ガス中の粒子を前記生成ガスから遠心分離するサイクロン本体と、該サイクロン本体の内部に前記生成ガスを導く入口部と、前記入口部から導かれる前記生成ガスの導入方向の位置である前記サイクロン本体の内部に導入された前記生成ガスが前記サイクロン本体の内周面の最初に接触する部分を含む前記生成ガスの回転方向へ前記サイクロン本体の前記内周面とは反対側の外周面に設けられた当て板と、を備える。
本開示のサイクロンにおいては、サイクロン本体の入口部から導かれる生成ガスの導入方向の位置を含む生成ガスの回転方向へサイクロン本体の内周面とは反対側の外周面に当て板が設けられている。これにより、サイクロン本体の内周面において摩耗や減肉の多い領域が拡大及び進行したとしても、サイクロン本体の外周面側に存在する当て板によってサイクロン本体の継続的使用か可能となるため、サイクロンの寿命が低下することを防ぐことができる。従って、長寿命なサイクロンとなる。また、サイクロン本体の取り替えが不要となるため、例えばサイクロン本体を圧力容器に収容する場合に圧力容器を一時撤去したり、生成ガス管等の後流配管を一時撤去したりする付帯工事が発生することを抑制できる。また、サイクロン本体に当て板を設けるという簡易な対応でよいため、材料費を低減できる。従って、サイクロン本体のメンテナンスを行う場合には、メンテナンスを容易かつ低コストに行うことができる。また、サイクロン本体の材質としてクロム系鋳鉄を用いた場合には、高温下での耐摩耗性に優れる一方で、炭素含有率が高いため、肉盛や溶接等の補修には適さない。しかしながら、上記のようにサイクロン本体の内周面とは反対側の外周面に当て板を設けることで、クロム系鋳鉄のサイクロン本体内部からの肉盛や溶接による補修が困難なことに対する補修対策を実施することができる。
上記サイクロンにおいて、前記サイクロン本体の前記外周面側には、前記当て板を収容するとともに支持する支持箱が取り付けられていることが好ましい。
このようにサイクロン本体の外周面側に当て板を収容するとともに当て板を支持する支持箱が取り付けられているので、当て板をサイクロン本体に対して確実に固定することができる。また、例えば、サイクロン本体の内部には生成ガスを排出するための出口内筒が設けられており、この出口内筒の外周に掛け回されたUボルトを用いて支持箱をサイクロン本体に固縛する態様とすることができる。
上記サイクロンにおいて、前記サイクロン本体及び前記支持箱を収容する圧力容器と、前記支持箱と前記圧力容器との間に設けられる付勢部材と、前記付勢部材を前記支持箱及び前記圧力容器に対して固定可能な固定部材と、を備え、前記付勢部材は、前記固定部材により前記支持箱及び前記圧力容器に対して押し込まれるときに前記支持箱を前記サイクロン本体の外周面側に付勢することで固定されることが好ましい。
上記のように付勢部材(例えば、バネ板)と固定部材(例えば、バネ板を押し込むことでバネ板に付勢力を与える押し込みボルト)とを設けることで、圧力容器とサイクロン本体との間に生じる反力によって支持箱のズレや脱落を防ぐことができ、付勢部材の弾性によって運転時の熱伸びを吸収することができる。また、付勢部材を固定部材により押し込むことで支持箱を付勢するようにサイクロン本体側と固定する構成とすることで、当て板等を設置した後においても付勢部材が支持箱に付勢力を与えてサイクロン本体側に固定する構成とすることができる。このようにすれば、付勢部材に押し込むことが可能な固定部材により、付勢部材による圧力容器とサイクロン本体との間の付勢力の有無を変更可能となるので、支持箱の設置又は取り外しを容易とすることができる。
上記サイクロンにおいて、前記当て板の外面と、前記当て板の前記外面と対向する前記支持箱の内面との間には充填材が充填されていることが好ましい。
このように当て板の圧力容器側に面する外面と、当て板の外面と対向する支持箱の内面との間に充填材を充填することで、支持箱と当て板との間の密着性を高めることができる。また、当て板の外側に充填材を充填することによって、当て板の外面の周囲に生じた隙間に対しても充填材が充填されるので、当て板の外面を十分に保護することができる。
上記サイクロンにおいて、前記サイクロン本体の前記外周面と、前記当て板における前記サイクロン本体の前記外周面と対向する側の面との間に目地材が充填されていることが好ましい。
このようにサイクロン本体の外周面と、当て板におけるサイクロン本体の外周面と対向する側の面との間に目地材(例えば充填材と類似の素材)を充填することで、サイクロン本体と当て板との間に生じた隙間を封止することができる。これにより、サイクロン本体と当て板との間の密着性を高め、隙間が発生しないようにすることができる。
上記サイクロンにおいて、前記当て板には、ボルトの頭部が埋め込まれるとともに前記ボルトのネジ部が前記当て板の表面から突出している、又は、皿ボルトの頭部を前記当て板の板厚内部に収容して前記皿ボルトの軸方向の回転を拘束して支持するとともに前記皿ボルトのネジ部が挿通する貫通穴が形成されていることが好ましい。
当て板としてボルトの頭部が埋め込まれている(例えば、当て板が鋳造品である場合には、ボルトが鋳包みされている)とともにボルトのネジ部が当て板の外面から圧力容器側に突出しているものを用いれば、ボルトの頭部を新たに摩耗から保護する必要がない。また、当て板の固定に当たって新たにボルトを用意する必要がなくなるため、部品点数を少なくすることができる。さらに、ボルトの頭部が当て板に埋め込まれているため、ボルトの頭部と当て板との間の隙間の発生を防止してボルトの軸方向の回転を拘束して確実に支持することができる。また、当て板として皿ボルト(例えば高クロム鋳鉄ボルト)の頭部を当て板の板厚内部で収容して皿ボルトの軸方向の回転を拘束して支持するとともに皿ボルトのネジ部が挿通する貫通穴が形成されているものを用いれば、当て板に挿入された皿ボルトが当て板から取り外し可能となるため、皿ボルトが損傷した場合に皿ボルトのメンテナンスや交換を行うことができる。
上記サイクロンにおいて、前記当て板は、高クロム鋳鉄製であることが好ましい。
当て板の材質をクロム系鋳鉄のなかでも高クロム鋳鉄製(例えば25Cr鋳鉄)とすることで、当て板の高温下での耐摩耗性を向上させることができる。また、当て板の固定に用いるボルトを耐摩耗性の高い高クロム鋳鉄製の当て板に溶接固定できないので、鋳包みとして固定することができる。
また、本開示は、上述のサイクロンを備え、前記炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉を提供する。
本開示のガス化炉であれば、上述のサイクロンを備えているため、サイクロン本体の内周面において摩耗や減肉の多い領域が拡大及び進行したとしても、サイクロンの寿命が低下することを防ぐことができる。従って、サイクロンを長寿命とすることができる。また、サイクロンにおけるサイクロン本体のメンテナンスを容易かつ低コストに行うことができる。従って、経済性の高いガス化炉となる。
また、本開示は、上述のガス化炉で生成した生成ガスの少なくとも一部を燃焼させることで回転駆動するガスタービンと、該ガスタービンから排出されるタービン排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により回転駆動する蒸気タービンと、前記ガスタービンおよび/または前記蒸気タービンと回転連結された発電機と、を備えるガス化複合発電設備を提供する。
本開示のガス化複合発電設備であれば、上述のサイクロンを備えているため、サイクロン本体の内周面において摩耗や減肉の多い領域が拡大及び進行したとしても、サイクロンの寿命が低下することを防ぐことができる。従って、サイクロンを長寿命とすることができる。また、サイクロンにおけるサイクロン本体のメンテナンスを容易かつ低コストに行うことができる。従って、経済性の高いガス化複合発電設備(ガス化複合発電システム)となる。
また、本開示は、炭素を含有する炭素含有固体燃料をガス化したときに生成される生成ガスが内部に導かれて前記生成ガス中の粒子を前記生成ガスから遠心分離するサイクロン本体と、該サイクロン本体の内部に前記生成ガスを導く入口部と、を備えるサイクロンを準備する準備工程と、前記入口部から導かれる前記生成ガスの導入方向の位置である前記サイクロン本体の内部に導入された前記生成ガスが前記サイクロン本体の内周面の最初に接触する部分を含む前記生成ガスの回転方向へ前記サイクロン本体の前記内周面とは反対側の外周面に当て板を設置する設置工程を有するサイクロンの製造方法を提供する。
本開示のサイクロンの製造方法は、サイクロン本体の入口部から導かれる生成ガスの導入方向の位置を含む生成ガスの回転方向へサイクロン本体の内周面とは反対側の外周面に当て板を設置する設置工程を有する。これにより、サイクロン本体の内周面において摩耗や減肉の多い領域が拡大及び進行したとしても、サイクロン本体の外周面側に存在する当て板によってサイクロン本体の継続的使用が可能となるため、サイクロンの寿命の低下を防止することができる。従って、長寿命なサイクロンを製造することができる。また、製造されたサイクロンにおいては、サイクロン本体の取り替えが不要となるため、例えばサイクロン本体を圧力容器に収容する場合に圧力容器を一時撤去したり、生成ガス管等の後流配管を一時撤去したりする付帯工事が発生することを抑制できる。また、サイクロン本体に当て板を設けるという簡易な対応でよいため、材料費を低減できる。従って、サイクロン本体のメンテナンスを行う場合、メンテナンスを容易かつ低コストに行うことができる。また、サイクロン本体の材質としてクロム系鋳鉄(例えば25Cr鋳鉄などの高クロム鋳鉄)を用いた場合には、高温下での耐摩耗性に優れる一方で、炭素含有率が高いため、肉盛や溶接等の補修には適さない。しかしながら、上記のようにサイクロン本体の内周面とは反対側の外周面に当て板を設置することで、クロム系鋳鉄のサイクロン本体内部からの肉盛や溶接による補修が困難なことに対する補修対策を実施することができる。
上記サイクロンの製造方法において、複数枚の前記当て板を準備し、前記設置工程において、前記サイクロン本体の前記外周面に、複数枚の前記当て板を順次設置することが好ましい。
複数枚の当て板を準備すれば、当て板の設置に当たり、サイクロン本体の外周面に対して、複数枚の当て板を順次設置することが可能となる。従って、例えば圧力容器に設けられたメンテナンス用開口可能部分であるマンホールに入る程度の大きさに分割した当て板を複数枚準備すれば、マンホールを介して順次当て板の搬入を行うことが可能となる。このようにすれば、当て板の設置作業を圧力容器の内部で行うことができ、メンテナンス時においては当て板を取り替える必要がある範囲に対して交換作業を実施するので、健全な領域での過剰なメンテナンスを抑えることができる。さらには、圧力容器や生成ガス管等の一時撤去の付帯工事の発生を防止することができる。即ち、メンテナンス時の工期を短縮できる。
本開示のサイクロンによれば、サイクロンの効率が低下することを防ぐことができ、長寿命なサイクロンとなる。また、例えばサイクロン本体のメンテナンスを行う場合には、メンテナンスを容易かつ低コストに行うことができる。
本開示の一実施形態に係る石炭ガス化複合発電設備を示す概略構成図である。 図1のガス化炉設備を示した概略構成図である。 本開示の一実施形態に係るサイクロンの上部の構成を示す斜視図である。 本開示の一実施形態に係る支持箱近傍の構成を示す縦断面図である。 図4の付勢部材が固定部材により固定された状態を示す側面図である。 図4の付勢部材が固定部材により固定されていない状態を示す側面図である。 サイクロン本体に当て板が設けられる前の状態を示す部分斜視図である。 サイクロン本体に当て板が設けられた後の状態を示す部分斜視図である。 当て板の外面に充填材が充填された後の状態を示す部分斜視図である。
以下に、本開示に係るサイクロン、ガス化炉、ガス化複合発電設備、及びサイクロンの製造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、上方とは鉛直上側の方向を、下方とは鉛直下側の方向を示している。
〔石炭ガス化複合発電設備(ガス化複合発電設備)〕
以下、本開示の一実施形態に係るサイクロンについて、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るサイクロンを適用する石炭ガス化複合発電設備の概略構成図である。
本実施形態に係るガス化炉設備14が適用される石炭ガス化複合発電設備(IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle)10は、空気を主とする酸化剤として用いており、ガス化炉設備14において、燃料から可燃性ガス(生成ガス)を生成する空気燃焼方式を採用している。そして、石炭ガス化複合発電設備10は、ガス化炉設備14で生成した生成ガスを、ガス精製設備16で精製して燃料ガスとした後、ガスタービン17に供給して発電を行っている。すなわち、本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10は、空気燃焼方式(空気吹き)の発電設備となっている。ガス化炉設備14に供給する燃料としては、例えば、石炭等の炭素含有固体燃料が用いられる。
石炭ガス化複合発電設備(ガス化複合発電設備)10は、図1に示すように、給炭設備11と、ガス化炉設備14と、チャー回収設備15と、ガス精製設備16と、ガスタービン17と、蒸気タービン18と、発電機19と、排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)20とを備えている。
給炭設備11は、原炭として炭素含有固体燃料である石炭が供給され、石炭を石炭ミル(図示略)などで粉砕することで、細かい粒子状に粉砕した微粉炭を製造する。給炭設備11で製造された微粉炭は、給炭ライン11a出口で後述する空気分離設備42から供給される搬送用イナートガスとしての窒素ガスによって加圧されて、ガス化炉設備14へ向けて供給される。イナートガスとは、酸素含有率が約5体積%以下の不活性ガスであり、窒素ガスや二酸化炭素ガスやアルゴンガスなどが代表例であるが、必ずしも約5体積%以下に制限されるものではない。
ガス化炉設備14は、給炭設備11で製造された微粉炭が供給されると共に、チャー回収設備15で回収されたチャー(石炭の未反応分と灰分)が再利用を目的として供給されている。
また、ガス化炉設備14には、ガスタービン17(圧縮機61)からの圧縮空気供給ライン41が接続されており、ガスタービン17で圧縮された圧縮空気の一部が昇圧機68で所定圧力に昇圧されてガス化炉設備14に供給可能となっている。空気分離設備42は、大気中の空気から窒素と酸素を分離生成するものであり、第1窒素供給ライン43によって空気分離設備42とガス化炉設備14とが接続されている。そして、この第1窒素供給ライン43には、給炭設備11からの給炭ライン11aが接続されている。また、第1窒素供給ライン43から分岐する第2窒素供給ライン45もガス化炉設備14に接続されており、この第2窒素供給ライン45には、チャー回収設備15からのチャー戻しライン46が接続されている。更に、空気分離設備42は、酸素供給ライン47によって、圧縮空気供給ライン41と接続されている。そして、空気分離設備42によって分離された窒素は、第1窒素供給ライン43及び第2窒素供給ライン45を流通することで、石炭やチャーの搬送用ガスとして利用される。また、空気分離設備42によって分離された酸素は、酸素供給ライン47及び圧縮空気供給ライン41を流通することで、ガス化炉設備14において酸化剤として利用される。
ガス化炉設備14は、例えば、2段噴流床形式のガス化炉101(図2参照)を備えている。ガス化炉設備14は、内部に供給された石炭(微粉炭)およびチャーを酸化剤(空気、酸素)により部分燃焼させることでガス化させ生成ガスとする。なお、ガス化炉設備14は、微粉炭に混入した異物(スラグ)を除去する異物除去設備48が設けられている。そして、このガス化炉設備14には、チャー回収設備15に向けて生成ガスを供給する生成ガスライン49が接続されており、チャーを含む生成ガスが排出可能となっている。この場合、図2に示すように、生成ガスライン49にシンガスクーラ102(ガス冷却器)を設けることで、生成ガスを所定温度まで冷却してからチャー回収設備15に供給してもよい。
チャー回収設備15は、集塵設備51と供給ホッパ52とを備えている。この場合、集塵設備51は、1つまたは複数のサイクロンやポーラスフィルタにより構成され、ガス化炉設備14で生成された生成ガスに含有するチャーを分離することができる。そして、チャーが分離された生成ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製設備16に送られる。供給ホッパ52は、集塵設備51で生成ガスから分離されたチャーを貯留するものである。なお、集塵設備51と供給ホッパ52との間にビンを配置し、このビンに複数の供給ホッパ52を接続するように構成してもよい。そして、供給ホッパ52からのチャー戻しライン46が第2窒素供給ライン45に接続されている。
ガス精製設備16は、チャー回収設備15によりチャーが分離された生成ガスに対して、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物を取り除くことで、ガス精製を行うものである。そして、ガス精製設備16は、生成ガスを精製して燃料ガスを製造し、これをガスタービン17に供給する。なお、チャーが分離された生成ガス中にはまだ硫黄分(HSなど)が含まれているため、このガス精製設備16では、アミン吸収液などによって硫黄分を除去回収して、有効利用する。
ガスタービン17は、圧縮機61、燃焼器62、タービン63を備えており、圧縮機61とタービン63とは、回転軸64により連結されている。燃焼器62には、圧縮機61からの圧縮空気供給ライン65が接続されると共に、ガス精製設備16からの燃料ガス供給ライン66が接続され、また、タービン63に向かって延びる燃焼ガス供給ライン67が接続されている。また、ガスタービン17は、圧縮機61からガス化炉設備14に延びる圧縮空気供給ライン41が設けられており、中途部に昇圧機68が設けられている。従って、燃焼器62では、圧縮機61から供給された圧縮空気の一部とガス精製設備16から供給された燃料ガスの少なくとも一部とを混合して燃焼させることで燃焼ガスを発生させ、発生させた燃焼ガスをタービン63へ向けて供給する。そして、タービン63は、供給された燃焼ガスにより回転軸64を回転駆動させることで発電機19を回転駆動させる。
蒸気タービン18は、ガスタービン17の回転軸64に連結されるタービン69を備えており、発電機19は、この回転軸64の基端部に連結されている。排熱回収ボイラ20は、ガスタービン17(タービン63)からの排ガスライン70が接続されており、排熱回収ボイラ20への給水とタービン63の排ガスとの間で熱交換を行うことで、蒸気を生成するものである。そして、排熱回収ボイラ20は、蒸気タービン18のタービン69との間に蒸気供給ライン71が設けられると共に蒸気回収ライン72が設けられ、蒸気回収ライン72に復水器73が設けられている。また、排熱回収ボイラ20で生成する蒸気には、ガス化炉101のシンガスクーラ102で生成ガスと熱交換して生成された蒸気を含んでもよい。従って、蒸気タービン18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69が回転駆動し、回転軸64を回転させることで発電機19を回転駆動させる。
そして、排熱回収ボイラ20の出口から煙突75までには、ガス浄化設備74を備えている。
ここで、本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10の作動について説明する。
本実施形態の石炭ガス化複合発電設備10において、給炭設備11に原炭(石炭)が供給されると、石炭は、給炭設備11において細かい粒子状に粉砕されることで微粉炭となる。給炭設備11で製造された微粉炭は、空気分離設備42から供給される窒素により第1窒素供給ライン43を流通してガス化炉設備14に供給される。また、後述するチャー回収設備15で回収されたチャーが、空気分離設備42から供給される窒素により第2窒素供給ライン45を流通してガス化炉設備14に供給される。更に、後述するガスタービン17から抽気された圧縮空気が昇圧機68で昇圧された後、空気分離設備42から供給される酸素と共に圧縮空気供給ライン41を通してガス化炉設備14に供給される。
ガス化炉設備14では、供給された微粉炭及びチャーが圧縮空気(酸素)により燃焼し、微粉炭及びチャーがガス化することで、生成ガスを生成する。そして、この生成ガスは、ガス化炉設備14から生成ガスライン49を通って排出され、チャー回収設備15に送られる。
このチャー回収設備15にて、生成ガスは、まず、集塵設備51に供給されることで、生成ガスに含有する微粒のチャーが分離される。そして、チャーが分離された生成ガスは、ガス排出ライン53を通してガス精製設備16に送られる。一方、生成ガスから分離した微粒のチャーは、供給ホッパ52に堆積され、チャー戻しライン46を通ってガス化炉設備14に戻されてリサイクルされる。
チャー回収設備15によりチャーが分離された生成ガスは、ガス精製設備16にて、硫黄化合物や窒素化合物などの不純物が取り除かれてガス精製され、燃料ガスが製造される。圧縮機61が圧縮空気を生成して燃焼器62に供給する。この燃焼器62は、圧縮機61から供給される圧縮空気と、ガス精製設備16から供給される燃料ガスとを混合し、燃焼することで燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスによりタービン63を回転駆動することで、回転軸64を介して圧縮機61及び発電機19を回転駆動する。このようにして、ガスタービン17は発電を行うことができる。
そして、排熱回収ボイラ20は、ガスタービン17におけるタービン63から排出された排ガスと排熱回収ボイラ20への給水とで熱交換を行うことにより蒸気を生成し、この生成した蒸気を蒸気タービン18に供給する。蒸気タービン18では、排熱回収ボイラ20から供給された蒸気によりタービン69を回転駆動することで、回転軸64を介して発電機19を回転駆動し、発電を行うことができる。
なお、ガスタービン17と蒸気タービン18は同一軸として1つの発電機19を回転駆動しなくてもよく、別の軸として複数の発電機を回転駆動しても良い。
その後、ガス浄化設備74では、排熱回収ボイラ20から排出された排気ガスの有害物質が除去され、浄化された排気ガスが煙突75から大気へ放出される。
次に、図1及び図2を参照して、上述した石炭ガス化複合発電設備10におけるガス化炉設備14について詳細に説明する。図2は、図1のガス化炉設備を示した概略構成図である。
ガス化炉設備14は、図2に示すように、ガス化炉101と、シンガスクーラ102と、を備えている。
ガス化炉101は、鉛直方向に延びて形成されており、鉛直方向の下方側に微粉炭及び酸素が供給され、部分燃焼させてガス化した生成ガスが鉛直方向の下方側から上方側に向かって流通している。ガス化炉101は、圧力容器110と、圧力容器110の内部に設けられるガス化炉壁(炉壁)111とを有している。そして、ガス化炉101は、圧力容器110とガス化炉壁111との間の空間にアニュラス部115を形成している。また、ガス化炉101は、ガス化炉壁111の内部の空間において、鉛直方向の下方側(つまり、生成ガスの流通方向の上流側)から順に、コンバスタ部116、ディフューザ部117、リダクタ部118を形成している。
圧力容器110は、内部が中空空間となる筒形状に形成され、上端部にガス排出口121が形成される一方、下端部(底部)にスラグホッパ122が形成されている。ガス化炉壁111は、内部が中空空間となる筒形状に形成され、その壁面が圧力容器110の内面と対向して設けられている。本実施形態では圧力容器110は円筒形状で、ガス化炉壁111のディフューザ部117も円筒形状に形成されている。そして、ガス化炉壁111は、図示しない支持部材により圧力容器110内面に連結されている。
ガス化炉壁111は、圧力容器110の内部を内部空間144と外部空間146に分離する。ガス化炉壁111は、後述するが、横断面形状がコンバスタ部116とリダクタ部118との間のディフューザ部117で変化する形状とされている。ガス化炉壁111は、鉛直上方側となるその上端部が、圧力容器110のガス排出口121に接続され、鉛直下方側となるその下端部が圧力容器110の底部と隙間を空けて設けられている。そして、圧力容器110の底部に形成されるスラグホッパ122には、貯留水が溜められており、ガス化炉壁111の下端部が貯留水に浸水することで、ガス化炉壁111の内外を封止している。ガス化炉壁111には、バーナ126、127が挿入され、内部空間144にシンガスクーラ102が配置されている。ガス化炉壁111の構造については後述する。
アニュラス部115は、圧力容器110の内側とガス化炉壁111の外側に形成された空間、つまり外部空間146であり、空気分離設備42で分離された不活性ガスである窒素が、図示しない窒素供給ラインを通って供給される。このため、アニュラス部115は、窒素が充満する空間となる。なお、このアニュラス部115の鉛直方向の上部付近には、ガス化炉101内を均圧にするための図示しない炉内均圧管が設けられている。炉内均圧管は、ガス化炉壁111の内外を連通して設けられ、ガス化炉壁111の内部(コンバスタ部116、ディフューザ部117及びリダクタ部118)と外部(アニュラス部115)との圧力差を所定圧力以内となるよう略均圧にしている。
コンバスタ部116は、微粉炭及びチャーと空気とを一部燃焼させる空間となっており、コンバスタ部116におけるガス化炉壁111には、複数のバーナ126からなる燃焼装置が配置されている。コンバスタ部116で微粉炭及びチャーの一部を燃焼した高温の燃焼ガスは、ディフューザ部117を通過してリダクタ部118に流入する。
リダクタ部118は、ガス化反応に必要な高温状態に維持されコンバスタ部116からの燃焼ガスに微粉炭を供給し部分燃焼させて、微粉炭を揮発分(一酸化炭素、水素、低級炭化水素等)へと分解してガス化されて生成ガスを生成する空間となっており、リダクタ部118におけるガス化炉壁111には、複数のバーナ127からなる燃焼装置が配置されている。
シンガスクーラ102は、ガス化炉壁111の内部に設けられると共に、リダクタ部118のバーナ127の鉛直方向の上方側に設けられている。シンガスクーラ102は熱交換器であり、ガス化炉壁111の鉛直方向の下方側(生成ガスの流通方向の上流側)から順に、蒸発器(エバポレータ)131、過熱器(スーパーヒータ)132、節炭器(エコノマイザ)134が配置されている。これらのシンガスクーラ102は、リダクタ部118において生成された生成ガスと熱交換を行うことで、生成ガスを冷却する。また、蒸発器(エバポレータ)131、過熱器(スーパーヒータ)132、節炭器(エコノマイザ)134は、図に記載されたその数量を限定するものではない。
ここで、上述のガス化炉設備14の動作について説明する。
ガス化炉設備14のガス化炉101において、リダクタ部118のバーナ127により窒素と微粉炭が投入されて点火されると共に、コンバスタ部116のバーナ126により微粉炭及びチャーと圧縮空気(酸素)が投入されて点火される。すると、コンバスタ部116では、微粉炭とチャーの燃焼により高温燃焼ガスが発生する。また、コンバスタ部116では、微粉炭とチャーの燃焼により高温ガス中で溶融スラグが生成され、この溶融スラグがガス化炉壁111へ付着すると共に、炉底へ落下し、最終的にスラグホッパ122内の貯水へ排出される。そして、コンバスタ部116で発生した高温燃焼ガスは、ディフューザ部117を通ってリダクタ部118に上昇する。このリダクタ部118では、ガス化反応に必要な高温状態に維持されて、微粉炭が高温燃焼ガスと混合し、高温の還元雰囲気において微粉炭を部分燃焼させてガス化反応が行われ、生成ガスが生成される。ガス化した生成ガスが鉛直方向の下方側から上方側に向かって流通する。
次に、本実施形態に係るサイクロンについて説明する。本実施形態に係るサイクロンは、例えば図1の集塵設備51に適用される。
図3は、本実施形態に係るサイクロンの上部の構成を示す斜視図である。図3中、太線矢印は生成ガスのサイクロン本体内部への導入方向を示している。本実施形態のサイクロン161は、円筒状のサイクロン本体(サイクロン内筒)162を備えている。サイクロン本体162は、図3中不図示の圧力容器に収容されている。
サイクロン本体162には、サイクロン本体162の内部に生成ガスを導く入口部163がサイクロン本体162内に開口するように接続されている。サイクロン本体162の上部には、サイクロン本体162にて未反応固形分の粒子(チャー)が遠心分離された生成ガスを外部へ排出する出口内筒164があり、一端がサイクロン本体162から鉛直上方向に突出しており、他端はサイクロン本体162内の鉛直下方向に開口するように接続されている。出口内筒164は不図示のガス排出ラインに接続されている。
炭素を含有する炭素含有固体燃料をガス化したときに生成される生成ガスは、図3中の太線矢印の通りに入口部163からサイクロン本体162の内部に導かれて、生成ガス中の未反応固形分の粒子(チャー)が生成ガスから遠心分離される。分離されたチャーはサイクロン本体162の鉛直下方へ重力で落下し、不図示の供給ホッパへと回収される。一方、遠心分離された生成ガスは出口内筒164からさらに微細のチャーを除去するために集塵設備51の構成である不図示のポーラスフィルタへと導かれる。
サイクロン本体162は、その外周面を取り囲む環状の内筒支持環165によって荷重が支えられている。内筒支持環165には、複数の吊り具(吊り棒)166の一端部(下端)がボルト等によって固定されており、内筒支持環165は、複数の吊り具166により吊り下げられている。複数の吊り具166の他端部(上端)は、図3中不図示の圧力容器にボルト等によって固定されている。
サイクロン本体162の外周面には複数の当て板167が設けられている。本実施形態では、入口部163から導かれる生成ガスの導入方向の位置から生成ガスの回転する方向へ少なくとも1/4周以上に、さらに好ましくは1/2周以下でサイクロン本体162の内周面とは反対側の外周面には、複数の当て板167が設けられている。なお、図3では、設置される複数の当て板167のうち一部を示す。
サイクロン本体162の外周面側には、例えばサイクロン本体162の中心軸線を中心とした円弧形状(扇型形状)の支持箱168が内筒支持環165上に設けられている。支持箱168は、サイクロン本体162側の面及び鉛直上方側の面が開放されており、四面で構成されている。また、支持箱168は長辺方向に複数に分割可能となっている。支持箱168の材質は、例えばSUS系材料である。
複数の当て板167は、支持箱168に収容されるとともに支持されている。なお、内筒支持環165における吊り具166の一端が固定された部分の近傍には、支持箱168の代わりに吊り具部支持箱169が設けられていてもよい。吊り具部支持箱169は、吊り具166の一端が固定された部分の近傍に対して、支持箱168に比べて狭い円弧形状(扇状形状)の領域に設けたものである。仮にサイクロン本体162の摩耗が進んだ際にも吊り具166が摩耗しないように、当て板167の形状を不図示のコの字状にして、吊り具166の一端が固定された部分を取り囲むようにしてもよい。
支持箱168の周方向両端辺の上部には、Uボルト170の両先端部がそれぞれ接続固定されている。Uボルト170のU字状折曲部は、例えば出口内筒164の外周に掛け回されている。このような構成により、支持箱168はサイクロン本体162の外周面側に密着するように支持される。Uボルト170のU字状折曲部は、出口内筒164の外周に限定するものでなく、サイクロン本体162の中心方向にある構造物であればよい。例えばサイクロン本体162の上面に支持ピンを設けてU字状折曲部を支持してもよい。
次に、図4を示して、本実施形態における支持箱近傍の構成についてより詳細に説明する。
図4は、本実施形態に係る支持箱近傍の構成を示す縦断面図である。図4中、紙面左側はサイクロン本体162の中心に向かう方向を示し、紙面右側はサイクロン本体162の中心から離れる方向を示している。図4に示すように、サイクロン161は、最外側にサイクロン本体162及び支持箱168を内部に収容する圧力容器171を備えている。
支持箱168と圧力容器171との間には付勢部材172が設けられている。付勢部材172としては、例えばバネ板が適用される。付勢部材172の一端(鉛直下方側の端部)は、ピン173により回動可能に固定されている。また、付勢部材172の他端側(鉛直上端側)は圧力容器171の内周面に接離可能となっている。ピン173の両端部は、それぞれ(一対の)付勢部材固定用板材174(図4では1つしか示されていない)に固定されている。付勢部材固定用板材174のサイクロン本体162側の端辺は支持箱168の外面と接している。なお、付勢部材172、ピン173、及び一対の付勢部材固定用板材174の組み合わせは、サイクロン本体162の周方向に沿って複数設けられる。
支持箱168の外面と圧力容器171の内周面との間で付勢部材172の鉛直上方には、直線状の固定部材175が設置されている。直線状の固定部材175は、鉛直方向に沿って延在しており、支持箱168の外面に取り付けられたガイド部材176により鉛直上下方向に沿って移動可能となっている。付勢部材172となる固定部材175の下端側の先端部177は、楔としての機能を有する部材であり、上下方向への移動手段は例えば押し込みボルトが適用される。固定部材175の下端側の先端部177は、付勢部材172に接離可能となっている。固定部材175を図4中の太矢印に沿って鉛直下方側に押し込み、付勢部材172に固定されたピン173を中心とした時計回り方向に回動させることで、付勢部材172は他端側(鉛直上端側)が圧力容器171の内周面に接触して押し付けられた状態で固定される。
サイクロン本体162の外周面と支持箱168の内面との間には、当て板167が設けられている。当て板167は、例えばクロム系鋳鉄であり、さらに好ましくは高クロム鋳鉄製(例えば、25Cr鋳鉄)である。当て板167には、ボルト(鋳包みボルト)178の頭部179aが埋め込まれるとともにボルト178のネジ部179bが当て板167の外面(圧力容器171側の表面)から突出している。ネジ部179bは支持箱168を貫通しており、支持箱168の外面側にてナット180と螺合している。図7では当て板167に対して、1本のボルト(鋳包みボルト)178の頭部179aが埋め込まれる状況を示しているが、ボルト(鋳包みボルト)178の数は1本に限定されず、複数本あってもよい。さらにボルト178は耐熱性があることが好ましく、材質は例えば、SUS系材料である。
当て板167の外面と、当て板167の外面と対向する支持箱168の内面との間には充填材181が充填されている。当て板167の外面側に充填材181が充填されて、当て板167の外面に充填材181を設けることにより保護性が向上する。充填材181の厚みは、例えば10mmから50mm程度である。充填材181の材質は、例えば主な素材としてアルミナ、シリカ、又はこれらの混合物で流し込み施工するキャスタブル材である。これにより、当て板167の外面は充填材181により保護される。
また、サイクロン本体162の外周面と、当て板167におけるサイクロン本体162の外周面と対向する側の面との間には、例えば2mmから5mm程度の目地材182が充填され、隙間が発生しないようになっている。目地材182としては、例えば充填材181と類似の素材が適用される。
次に、図5A及び図5Bを示して、本実施形態における付勢部材が固定部材により固定される構成についてより詳細に説明する。
図5Aは、図4の付勢部材が固定部材により固定された状態を示す側面図である。図5Bは、図4の付勢部材が固定部材により固定されていない状態を示す側面図である。
図5Aに示すように、固定部材175はガイド部材176の内部を挿通しており、鉛直上下方向に沿って移動可能となっている。付勢部材172が固定部材175により押し込まれることで付勢部材172が固定部材175に押し付けられて固定された状態では、固定部材175の先端部177は付勢部材固定用板材174の長手方向下部まで押し込まれ、先端部177が付勢部材172と接触している。この状態のとき、付勢部材172は、図5A中不図示の支持箱168に対して付勢力を与える。
一方、付勢部材172が固定部材175により固定されていない状態では、図5Bに示すように、固定部材175の先端部177は付勢部材固定用板材174の長手方向上部までしか押し込まれておらず、付勢部材172が不図示の圧力容器171の内周面から離間している。従って、付勢部材172はピン173を中心として回動可能となっている。この状態のとき、付勢部材172は、図5B中不図示の支持箱168に対して付勢力を与えない。
〔サイクロンの製造方法〕
次に、本実施形態に係るサイクロンの製造方法について図6~8を示して具体的に説明する。
なお、以下では、図3に示すサイクロン161を製造する場合を一例として説明するが、これに限定されない。
(準備工程)
準備工程においては、図6に示すように、サイクロン161’において、支持箱168が内筒支持環165上に設けられている。支持箱168の周方向両端辺の上部には、Uボルト170の両端部がそれぞれ接続されることで支持箱168が支持及び固定されている。
(配置工程)
配置工程においては、図7に示すように、入口部から導かれる生成ガスの導入方向の位置を含む生成ガスの回転方向へサイクロン本体162の内周面とは反対側の外周面に複数枚の当て板167を順次設置する。当て板167としては、ボルト178の頭部が埋め込まれる(本実施形態では、例えばボルト178が鋳包みされている)とともにボルト178のネジ部179bが当て板167の圧力容器171側に面する外面側から突出しているものを用いる。
次に、図8に示すように、当て板167の外面側に充填材181を充填する。これにより、当て板167の外面は充填材181により保護される。
次に、目地材182(図8中不図示、図4参照)を、サイクロン本体162の外周面と、当て板167におけるサイクロン本体162の外周面と対向する側の面との間に充填する。これにより、サイクロン本体162と当て板167との間の隙間が封止される。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態のサイクロン161においては、サイクロン本体162の入口部163から導かれる生成ガスの導入方向の位置を含む生成ガスの回転方向へサイクロン本体162の内周面とは反対側の外周面に当て板167が設けられている。これにより、サイクロン本体162の内周面において摩耗や減肉の多い領域が拡大及び進行したとしても、サイクロン本体162の外周面側に存在する当て板167によってサイクロン本体162の継続的使用か可能となるため、サイクロン161の寿命が低下することを防ぐことができる。従って、長寿命なサイクロン161となる。また、サイクロン本体162の取り替えが不要となるため、例えばサイクロン本体162を圧力容器171に収容する場合に圧力容器171を一時撤去したり、生成ガス管等の後流配管を一時撤去したりする付帯工事が発生することを抑制できる。また、サイクロン本体162に当て板167を設けるという簡易な対応でよいため、材料費を低減できる。従って、サイクロン本体162のメンテナンスを行う場合には、メンテナンスを容易かつ低コストに行うことができる。また、サイクロン本体162の材質としてクロム系鋳鉄を用いた場合には、高温下での耐摩耗性に優れる一方で、炭素含有率が高いため、肉盛や溶接等の補修には適さない。しかしながら、上記のようにサイクロン本体162の内周面とは反対側の外周面に当て板を設けることで、クロム系鋳鉄のサイクロン本体162内部からの肉盛や溶接による補修が困難なことに対する補修対策を実施することができる。
また、サイクロン本体162の外周面側に当て板167を収容するとともに当て板167を支持する支持箱168が取り付けられているので、当て板167をサイクロン本体162に対して確実に固定することができる。また、例えば、サイクロン本体162の内部には生成ガスを排出するための出口内筒164が設けられており、この出口内筒164の外周に掛け回されたUボルト170を用いて支持箱168をサイクロン本体162に固縛する態様とすることができる。
また、付勢部材(例えば、バネ板)172と固定部材(例えば、バネ板を押し込むことでバネ板に付勢力を与える押し込みボルト)175とを設けることで、圧力容器171とサイクロン本体162との間に生じる反力によって支持箱168のズレや脱落を防ぐことができ、付勢部材172の弾性によって運転時の熱伸びを吸収することができる。また、付勢部材172を固定部材175により押し込むことで支持箱168を付勢するようにサイクロン本体162側と固定する構成とすることで、当て板167等を設置した後においても付勢部材172が支持箱168に付勢力を与えてサイクロン本体162側に固定する構成とすることができる。このようにすれば、付勢部材172に押し込むことが可能な固定部材175により、付勢部材172による圧力容器171とサイクロン本体162との間の付勢力の有無を変更可能となるので、支持箱168の設置又は取り外しを容易とすることができる。
また、当て板167の圧力容器171側に面する外面と、当て板167の外面と対向する支持箱168の内面との間に充填材181を充填することで、支持箱168と当て板167との間の密着性を高めることができる。また、当て板167の外側に充填材181を充填することによって、当て板167の外面の周囲に生じた隙間に対しても充填材が充填されるので、当て板167の外面を十分に保護することができる。
また、サイクロン本体162の外周面と、当て板167におけるサイクロン本体162の外周面と対向する側の面との間に目地材182を充填することで、サイクロン本体162と当て板167との間に生じた隙間を封止することができる。これにより、サイクロン本体162と当て板167との間の密着性を高め、隙間が発生しないようにすることができる。
また、当て板167としてボルト178の頭部179aが埋め込まれている(例えば、当て板167が鋳造品である場合には、ボルト178が鋳包みされている)とともにボルト178のネジ部179bが当て板167の外面から圧力容器171側に突出しているものを用いれば、ボルト178の頭部179aを新たに摩耗から保護する必要がない。また、当て板167の固定に当たって新たにボルトを用意する必要がなくなるため、部品点数を少なくすることができる。また、ボルト178の頭部179aが当て板167に埋め込まれているため、ボルト178の頭部179aと当て板167との間の隙間の発生を防止してボルト178の軸方向の回転を拘束して確実に支持することができる。また、当て板167として皿ボルト(例えば高クロム鋳鉄ボルト)の頭部を板厚内部で収容して皿ボルトの軸方向の回転を拘束して支持するとともに皿ボルトのネジ部が挿通する貫通穴が形成されているものを用いれば、当て板167に挿入された皿ボルトが当て板167から取り外し可能となるため、皿ボルトが損傷した場合に皿ボルトのメンテナンスや交換を行うことができる。
また、当て板167の材質をクロム系鋳鉄のなかでも高クロム鋳鉄製(例えば、25Cr鋳鉄)とすることで、当て板167の高温下での耐摩耗性を向上させることができる。また、当て板167の固定に用いるボルトを耐摩耗性の高い高クロム鋳鉄製の当て板167に溶接固定できないので、鋳包みとして固定することができる。
また、本実施形態のガス化炉101であれば、上述のサイクロン161を備えているため、サイクロン本体162の内周面において摩耗や減肉の多い領域が拡大及び進行したとしても、サイクロン161の寿命が低下することを防ぐことができる。従って、サイクロン161を長寿命とすることができる。また、サイクロン161におけるサイクロン本体162のメンテナンスを容易かつ低コストに行うことができる。従って、経済性の高いガス化炉101となる。
また、本実施形態のガス化複合発電設備10であれば、上述のサイクロン161を備えているため、サイクロン本体162の内周面において摩耗や減肉の多い領域が拡大及び進行したとしても、サイクロン161の寿命が低下することを防ぐことができる。従って、サイクロン161を長寿命とすることができる。また、サイクロン161におけるサイクロン本体162のメンテナンスを容易かつ低コストに行うことができる。従って、経済性の高いガス化複合発電設備(ガス化複合発電システム)10となる。
本実施形態のサイクロン161の製造方法は、サイクロン本体162の入口部163から導かれる生成ガスの導入方向の位置を含む生成ガスの回転方向へサイクロン本体162の内周面とは反対側の外周面に当て板167を設置する設置工程を有する。これにより、サイクロン本体162の内周面において摩耗や減肉の多い領域が拡大及び進行したとしても、サイクロン本体162の外側に存在する当て板167によってサイクロン本体162の継続的使用が可能となるため、サイクロン161の寿命の低下を防止することができる。従って、長寿命なサイクロン161を製造することができる。また、製造されたサイクロン161においては、サイクロン本体162の取り替えが不要となるため、例えばサイクロン本体162を圧力容器171に収容する場合に圧力容器171を一時撤去したり、生成ガス管等の後流配管を一時撤去したりする付帯工事が発生することを抑制できる。また、サイクロン本体162に当て板167を設けるという簡易な対応でよいため、材料費を低減できる。従って、サイクロン本体162のメンテナンスを行う場合、メンテナンスを容易かつ低コストに行うことができる。また、サイクロン本体162の材質としてクロム系鋳鉄(例えば25Cr鋳鉄などの高クロム鋳鉄)を用いた場合には、高温下での耐摩耗性に優れる一方で、炭素含有率が高いため、肉盛や溶接等の補修には適さない。しかしながら、上記のようにサイクロン本体162の内周面とは反対側の外周面に当て板167を設置することで、クロム系鋳鉄のサイクロン本体162内部からの肉盛や溶接による補修が困難なことに対する補修対策を実施することができる。
また、複数枚の当て板167を準備すれば、当て板167の設置に当たり、サイクロン本体162の外周面に対して、複数枚の当て板167を順次設置することが可能となる。従って、例えば圧力容器171に設けられたメンテナンス用開口可能部分であるマンホールに入る程度の大きさに分割した当て板167を複数枚準備すれば、マンホールを介して順次当て板167の搬入を行うことが可能となる。このようにすれば、当て板167の設置作業を圧力容器171の内部で行うことができ、メンテナンス時においては当て板167を取り替える必要がある範囲に対して交換作業を実施するので、健全な領域での過剰なメンテナンスを抑えることができる。さらには、圧力容器171や生成ガス管等の一時撤去の付帯工事の発生を防止することができる。即ち、メンテナンス時の工期を短縮できる。
なお、上述した実施形態では、当て板167として、当て板167にボルト178の頭部179aが埋め込まれるとともにボルト178のネジ部179bが当て板167の表面から突出しているものを用いる態様を一例として挙げて説明したが、これに限定されない。具体的には、当て板167として、当て板167に皿ボルト(例えば高クロム鋳鉄ボルト)の頭部を当て板167の板厚内部に収容して皿ボルトの軸方向の回転を拘束して支持するとともに皿ボルトのネジ部が挿通する貫通穴が形成されているものを用いる態様としてもよい。
また、上述した実施形態では、微粉炭から可燃性ガスを生成する石炭ガス化炉を備えたIGCCを一例として説明したが、本開示のガス化炉設備は、例えば間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ等のバイオマス燃料など、他の炭素含有固体燃料をガス化するものにも適用可能である。また、本開示のガス化炉設備は、発電用に限らず、所望の化学物質を得る化学プラント用ガス化炉にも適用可能である。
また、上述した実施形態では、燃料として石炭を使用したが、高品位炭や低品位炭など他の炭素含有固体燃料であっても適用可能であり、また、石炭に限らず、再生可能な生物由来の有機性資源として使用されるバイオマス燃料であってもよく、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などを使用することも可能である。
なお、本実施形態はガス化炉101として、タワー型ガス化炉について説明してきたが、ガス化炉101はクロスオーバー型ガス化炉でも、ガス化炉101内の各機器の鉛直上下方向を生成ガスのガス流れ方向を合わせるように置き換えることで、同様に実施が可能である。
10 石炭ガス化複合発電設備(ガス化複合発電設備)
11 給炭設備
11a 給炭ライン
14 ガス化炉設備
15 チャー回収設備
16 ガス精製設備
17 ガスタービン
18 蒸気タービン
19 発電機
20 排熱回収ボイラ
41 圧縮空気供給ライン
42 空気分離設備
43 第1窒素供給ライン
45 第2窒素供給ライン
46 チャー戻しライン
47 酸素供給ライン
48 異物除去設備
49 生成ガスライン
51 集塵設備
52 供給ホッパ
53 ガス排出ライン
61 圧縮機
62 燃焼器
63 タービン
64 回転軸
65 圧縮空気供給ライン
66 燃料ガス供給ライン
67 燃焼ガス供給ライン
68 昇圧機
69 タービン
70 排ガスライン
71 蒸気供給ライン
72 蒸気回収ライン
73 復水器
74 ガス浄化設備
75 煙突
101 ガス化炉
102 シンガスクーラ
110 圧力容器
111 ガス化炉壁(炉壁)
115 アニュラス部
116 コンバスタ部
117 ディフューザ部
118 リダクタ部
121 ガス排出口
122 スラグホッパ
126 バーナ
127 バーナ
131 蒸発器
132 過熱器
134 節炭器
144 内部空間
146 外部空間
161 サイクロン
162 サイクロン本体(サイクロン内筒)
163 入口部
164 出口内筒
165 内筒支持環
166 吊り具(吊り棒)
167 当て板
168 支持箱
169 吊り具部支持箱
170 Uボルト
171 圧力容器
172 付勢部材
173 ピン
174 (一対の)付勢部材固定用板材
175 固定部材
176 ガイド部材
177 先端部
178 ボルト(鋳包みボルト)
179a 頭部
179b ネジ部
180 ナット
181 充填材
182 目地材

Claims (11)

  1. 炭素を含有する炭素含有固体燃料をガス化したときに生成される生成ガスが内部に導かれて前記生成ガス中の粒子を前記生成ガスから遠心分離するサイクロン本体と、
    該サイクロン本体の内部に前記生成ガスを導く入口部と、
    前記入口部から導かれる前記生成ガスの導入方向の位置である前記サイクロン本体の内部に導入された前記生成ガスが前記サイクロン本体の内周面の最初に接触する部分を含む前記生成ガスの回転方向へ前記サイクロン本体の前記内周面とは反対側の外周面に設けられた当て板と、
    を備えるサイクロン。
  2. 前記サイクロン本体の前記外周面側には、前記当て板を収容するとともに支持する支持箱が取り付けられている請求項1に記載のサイクロン。
  3. 前記サイクロン本体及び前記支持箱を収容する圧力容器と、
    前記支持箱と前記圧力容器との間に設けられる付勢部材と、
    前記付勢部材を前記支持箱及び前記圧力容器に対して固定可能な固定部材と、
    を備え、
    前記付勢部材は、前記固定部材により前記支持箱及び前記圧力容器に対して押し込まれるときに前記支持箱を前記サイクロン本体の外周面側に付勢することで固定される請求項2に記載のサイクロン。
  4. 前記当て板の外面と、前記当て板の前記外面と対向する前記支持箱の内面との間には充填材が充填されている請求項2又は請求項3に記載のサイクロン。
  5. 前記サイクロン本体の前記外周面と、前記当て板における前記サイクロン本体の前記外周面と対向する側の面との間に目地材が充填されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のサイクロン。
  6. 前記当て板には、ボルトの頭部が埋め込まれるとともに前記ボルトのネジ部が前記当て板の表面から突出している、又は、皿ボルトの頭部を前記当て板の板厚内部に収容して前記皿ボルトの軸方向の回転を拘束して支持するとともに前記皿ボルトのネジ部が挿通する貫通穴が形成されている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のサイクロン。
  7. 前記当て板は、高クロム鋳鉄製である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のサイクロン。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のサイクロンを備え、
    前記炭素含有固体燃料をガス化するガス化炉。
  9. 請求項8に記載のガス化炉で生成した生成ガスの少なくとも一部を燃焼させることで回転駆動するガスタービンと、
    該ガスタービンから排出されるタービン排ガスを導入する排熱回収ボイラで生成した蒸気により回転駆動する蒸気タービンと、
    前記ガスタービンおよび/または前記蒸気タービンと回転連結された発電機と、
    を備えるガス化複合発電設備。
  10. 炭素を含有する炭素含有固体燃料をガス化したときに生成される生成ガスが内部に導かれて前記生成ガス中の粒子を前記生成ガスから遠心分離するサイクロン本体と、該サイクロン本体の内部に前記生成ガスを導く入口部と、を備えるサイクロンを準備する準備工程と、
    前記入口部から導かれる前記生成ガスの導入方向の位置である前記サイクロン本体の内部に導入された前記生成ガスが前記サイクロン本体の内周面の最初に接触する部分を含む前記生成ガスの回転方向へ前記サイクロン本体の前記内周面とは反対側の外周面に当て板を設置する設置工程を有するサイクロンの製造方法。
  11. 複数枚の前記当て板を準備し、
    前記設置工程において、前記サイクロン本体の前記外周面に、複数枚の前記当て板を順次設置する請求項10に記載のサイクロンの製造方法。
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