JP2016102633A - 汚泥焼却炉の補修方法 - Google Patents
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炉本体は、鋼製ケーシングによって形成されており、鋼製ケーシングの内周面は炉内ライニングである耐火材及び断熱材で内張りされている。
また、腐食した鋼製ケーシングに外側から当て板を溶接して強度維持を図る方法は、鋼製ケーシングの座屈防止処置は出来るものの、既設ケーシングの肉厚腐食は進行してしまう。また、耐火物を支持しているキャスターアンカーやレンガの荷重を支持しているレンガ受け金物などの強度は保持することができないため、恒久的な対策とはならない。
このような構成によれば、除去工程をより安全に行うことができる。
図1は、本発明の実施形態の汚泥焼却炉の補修方法が適用される流動床焼却炉1の概略を説明する側断面図である。流動床焼却炉1は、下水処理場などの施設において汚泥を濃縮して脱水した脱水ケーキを燃やすための汚泥焼却炉である。図1に示すように、流動床焼却炉1は、下方に風箱3を備えた円筒形状の炉本体2を有している。
脱水ケーキは、投入機(図示せず)から投入口10を介して炉本体2内部の砂層部7に投入される。
炉本体2の上部は、上方に凸の円錐形状となるように、上方に向かって絞り込まれている。炉本体2の頂部、即ち、円錐形状の頂点には、排ガスEを排出する排出口13が設けられている。排出口13から排出された排ガスEは、例えば、ガス冷却塔や、バグフィルタなどの排ガス処理装置に導入される。
サドル部形成工程は、炉本体2における切断箇所Cとなる箇所の上方の部位に、複数のサドル部18(支持部材)を形成する工程である。図3に示すように、炉本体2の外周面より径方向外周側に突出する部材である。サドル部18は鋼材によって形成されており、炉本体2の周方向に複数設けられている。
ジャッキ20は、油圧ジャッキを用いることが好ましく、また、梁19とサドル部18との間の鉛直方向の間隔が小さい場合には、爪付きのジャッキを用いることが好ましい。また、梁19は、既設の梁19を用いる場合は、適宜補強することが好ましい。
第一フランジ部22は、軸方向から見て、円形の外形を有する板状の部材である。第一フランジ部22は、例えば、溶接によって炉本体2の縁部に接合される。
まず、例えば四つに分割されている交換用炉体23を一体の筒状をなすものとして説明する。図5に示すように、交換用炉体23は、円筒形状の本体部24と、本体部24の軸方向の両端部に形成されている第二フランジ部25と、を有している。
交換用炉体23は、炉本体2と同様に、鋼材によって形成されており、本体部24の内周面は炉内ライニングである耐火材及び断熱材で内張りされていてもよい。
図6に示すように、分割された交換用炉体23である分割交換用炉体26は、縦断方向の断面を縁取りする側面フランジ部27を有している。側面フランジ部27は、交換用炉体23の分割線から径方向外周側に突出するように形成される。側面フランジ部27は、交換用炉体23の周方向から見て、矩形の外形を有する板状の部材である。側面フランジ部27の径方向の幅は、炉本体2のフランジ部22,25と同様の寸法とすることが好ましい。
組立工程では、分割交換用炉体26同士を、側面フランジ部27を用いて、例えば、溶接によって互いに接合する。接合された側面フランジ部27同士は、例えば、六角ボルトなどの締結部材を用いて締結することが好ましい。六角ボルトを用いて締結することによって、側面フランジ部27同士の接合を強固にすることができる。
ここで、フランジ部22,25の径方向の幅は、炉本体2の変形を許容する寸法とされている。即ち、炉本体2が経年使用に伴い変形した場合においても、フランジ部22,25同士を接合することにより、炉本体2の変形を吸収できる寸法とされている。
接合されたフランジ部22,25同士は、例えば、六角ボルトなどの締結部材を用いて締結することが好ましい。六角ボルトを用いて締結することによって、フランジ部22,25同士の接合を強固にすることができる。
例えば、上記実施形態の支持工程においては、切断箇所Cより上方位置の炉本体2をジャッキ20により下方より支持する構成としたが、炉本体2をクレーン等で吊り上げてもよい。
また、上記実施形態では、流動床焼却炉1の炉本体2の補修を例に説明したが、本実施形態の汚泥焼却炉の補修方法を循環型流動炉の補修に適用してもよい。
また、上記実施形態では、一ヶ所のみの切断箇所Cのみを除去する構成としたが、複数個所の切断箇所Cを除去して同時に複数個所の補修を実施してもよい。
2 炉本体
3 風箱
4 分散板
6 一次空気導入口
7 砂層部
8 流動砂
9 フリーボード部
10 投入口
12 二次空気導入口
13 排出口
15 鋼製ケーシング
16 断熱層
17 耐火層
18 サドル部(支持部材)
19 梁
20 ジャッキ
22 第一フランジ部
23 交換用炉体
24 本体部
25 第二フランジ部
26 分割交換用炉体
27 側面フランジ部
A1 一次空気
C 切断箇所
E 排ガス
Claims (4)
- 筒状の炉本体を軸方向の複数個所で輪切り状に切断して切断箇所を除去する除去工程と、
全体として、前記切断箇所に対応する筒状をなし、周方向に複数に分割された交換用炉体を形成する交換用炉体形成工程と、
前記交換用炉体を前記炉本体の前記切断箇所にそれぞれ搬入して一体の筒状に組立てる組立工程と、
前記炉本体の外周面に設けられたフランジ部と前記交換用炉体の外周面に設けられたフランジ部とを接合する接合工程と、
を有する汚泥焼却炉の補修方法。 - 前記交換用炉体は、縦断方向の断面を縁取りする側面フランジ部により互いに接合されている請求項1に記載の汚泥焼却炉の補修方法。
- 前記除去工程の前に前記切断箇所より上方位置の前記炉本体を所定の支持構造物にて支持する支持工程を有する請求項1又は請求項2に記載の汚泥焼却炉の補修方法。
- 前記炉本体の外周面には、前記フランジより径方向外方へ突出する支持部材が設けられている請求項3に記載の汚泥焼却炉の補修方法。
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