JPS609566Y2 - 二重筒型煙筒 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 煙突における排ガス腐蝕対策として、外筒内に外筒を設
置する二重筒構造が採用される。

腐蝕環境条件が厳しい場合、内筒は短期間で取替、補修
する必要があるが、従来構造の場合、下部マンホール及
びダクト撤去後の煙路開口部等、狭いスペースから小片
に切断して搬出して補修するため、全面補修及び部分補
修時における大ブロックでの補修が不可能であり、内筒
継手数が大きいので高所での作業時間及び危険作業が多
く、溶接継手数が多量になるので溶接部の孔食発生率が
高く内筒の寿命が短かくなり、工期が延引し、工費が嵩
むという欠点があった。

本案はこのような欠点を除去するために提案されたもの
であって、塔その他の構造体で支持される二重筒型煙筒
において、下部ブロックが取外し可能に結合された外筒
と、同取外し可能の下部ブロックの内壁面に支持部材を
介して下端を固定され、且つ外筒内を上方に延びる内筒
とからなり、前記外筒内面には所要高さ毎に周方向に亘
って間隔をおいて支持片を突設するとともに、前記内筒
外面には同各々支持片に対して周方向に離脱可能なよう
に係合する被支持片を突設してなることを特徴とする二
重筒型煙筒に係るものである。

本案は前記のように構成されているので、内筒の取替、
補修に当っては、前記外筒における取外し可能な下部ブ
ロックの接続部を解放し、前記取外し可能な外筒の下部
ブロックの上端接合部レベルに沿って内筒を切断したの
ち、外筒を小距離上昇すると、この際内筒は多数の被支
持片及び支持片を介して前記下部ブロック上方の外筒に
支持されている。

このような状態で前記取外し可能な外筒の下部ブロック
を側方に引出したのち、吊上装置等を介して内筒を僅か
に上昇させて少し旋回させたのち降下させると、内筒の
被支持片は外向の支持片との係合を解除され、相隣る支
持片間々隔を潜り抜けることによって内筒は外筒内を下
降される。

従って前記外筒における取外し可能な下部ブロツクを取
外した後に生じた開放部において、内筒の下端を順次輪
切り切断して側方に引出し、次いで予め製作された内筒
新ブロックを上記と逆に前記開放部で接合しながら吊上
げていくことによって、元の状態に組立て復元されるも
のである。

このように本案によれば、外筒の下部のブロックを取外
し可能とし、内筒と外筒の対向面に突設された被支持片
と支持片とを係脱せしめるようにしたので、外筒から内
筒を取外す作業が非常に容易であり、外筒の下部ブロッ
クを取外した跡に生じた地上の空間部において、大きな
円筒ブロック単位で撤去または取替えることができ、短
時間で内筒を補修できるものである。

また従来に比して復元時に内筒の現場溶接部が少ないた
め、復元も容易で、溶接部孔軸の問題も減少し、内筒の
寿命を長くしうる等、本案は多くの利点を有するもので
ある。

以下本案を図示の実施例について説明する。

１は無滴、２は支持鉄塔、３は無滴にかかる水平荷重を
鉄塔１に伝達する支持部材、４，５は夫々無筋１を形成
する外筒及び内筒である。

４ａは外筒４のベースブロックで、その上部にフランジ
６を介して下部ブロック４ｂが接合され、同ブロック４
ｂの上端にフランジ６を介して外筒４の上方部分が接合
され、かくして前記下部ブロック４ｂが取外し可能に接
合されている。

前記ブロック４ｂの内周面にボックスリング状の支持部
材７が固着され、同支持部材７上に内筒４の下端を固着
支持している。

前記外筒４の内周面には所定高さ毎に周方向に亘って所
定間隔毎に支持片８ａが突設され、内筒５の外周面には
前記支持片８ａに架乗する被支持片８ｂが突設されてい
る。

支持片８ａと被支持片８ｂとは第２図に示す如く円周方
向に間隔をおいて配設され、支持片８ａの間隔は被支持
片８ｂの円周方向長さより大きく形成されている。

なお被支持片８ｂは第３図に示すように、外筒４側の支
持片８ａ上に架乗する状態のもとで内筒５の外周面に取
付けられる。

また内外両筒４，５の頂端は図示しないが内筒５上端を
伸縮継手を介して外筒４上端と固定若しくはシール接続
している。

図中９は内筒５の下端寄りに配設されたホッパ、１０は
同ホッパ９より上方で外筒４及び内筒５に接続された排
煙ダクトである。

また外筒４のベースブロック４ａは図示のように基礎上
に設置する外、鉄塔上に設ける場合もある。

而して内筒５の取替、修理に際しては、例えばこの種筒
身の建造に使用されている押上装置１１によって行なわ
れる。

押上装置１１としては、煙突１の下端部両側に架設した
１対の支柱１２．１２に列設した係止孔に係脱して上下
動する油圧ジヤツキ１３上に押上リング１４が配設され
た型式のものが使用される。

外筒４の下部外周には予め、或いは内筒５の取替に当っ
て固定リング１５が取付けられ、同固定リング１５と前
記押上リング１４との間には調整リング１６が介装され
る。

内筒５の取替え補修に当っては前記押上装置１１をセッ
トするとともに、外筒４の頂端に架設した粱を支点とし
て操作される内筒５吊支え用の吊ワイヤ１７をセットし
、しかるのち前記外筒４の下部ブロック４ｂにおける上
下端フランジ６．６部の接続ボルトを解放し、この状態
で第４図の上部フランジ６のレベル線１８に沿って内筒
５を切断し、同内筒５頂端と外筒４との接続、及び内外
両筒４，５と排煙ダクト１０との接続を解放する。

次に前記押上装置１１で前記押上リング１４、調整リン
グ１６及び固定リング１５を介して外筒４を少し押上げ
る。

この状態で上部の内筒５は被支持片８ｂ及び支持片８ａ
を介して外筒４に支持されたまま更に押上げ装置１１で
支持されている。

この状態のもとて前記外筒４の下部ブロック４ｂを第５
図の矢印１９に示すように側方に引出し、しかるのち吊
ワイヤ１７を介して内筒５を僅かに吊上げて小旋回させ
たのち巻下げると、内筒５はその被支持片８ｂが外筒４
における円周方向に相隣る支持片８ム、８ａ間の間隔２
０を潜り抜けることによって、外筒４内を下降する。

次いで前記下部ブロック４ｂを取外した外筒４下部にお
ける開放部において、前記のように下降した内筒５の下
端を順次輪切り切断して側方に引出し、次いで予め製作
された内筒新ブロックを上記とは逆に前記開放部で接合
しながら吊ワイヤ１７で吊上げていき、前とは逆の順序
で元の状態に組立て復元させる。

前記の作業は前記押上装置１１に代えて、支持鉄塔２か
ら外筒４を吊支える装置を使用しても同様に行なわれる
腰また前記無滴が鋼製のみならず、強化プラスチック製
等、他の材質で作られる場合にも適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に係る二重筒型無滴の一実施例を示す正面
図、第２図は第１図の矢視■−■図、第３図は第２図の
矢視■−■図、第４図は無滴下端部の一部を縦断して示
した正面図、第５図は外筒押上げ装置及び内筒吊支え用
吊ワイヤを配設した状態を示す斜面図である。 １・・・・・・無滴、２・・・・・・支持鉄塔、４・・
・・・・外筒、４ｂ・・・・・・外筒の下部ブロック、
５・・・・・・内筒、７・・・・・・支持部材、８ａ・
・・・・・支持片、８ｂ・・・・・・被支持片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塔その他の構造体で支持される二重筒型無滴において、
   下部ブロックが取外し可能に結合された外筒と、同取外
   し可能な外筒の下部ブロックの内壁面に支持部材を介し
   て下端を固定され、且つ外向内を上方に延びる内筒とか
   らなり、前記外筒内面には所要高さ毎に周方向に亘って
   間隔をおいて支持片を突設するとともに、前記内筒外面
   には同各々支持片に対して周方向に離脱可能なように係
   合する被支持片を突設してなることを特徴とする二重筒
   型無滴。