以下に添付図面を参照して、本発明に係る飲料提供装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である飲料提供装置の構成を模式的に示す模式図である。ここで例示する飲料提供装置1は、飲料容器であるカップCに対して乳飲料成分を含有するコーヒー飲料を提供するものであり、蒸気生成部10、乳飲料供給部30、空気供給部40、ミキシング部50、フォーミング部60及びノズル70を備えて構成されている。
蒸気生成部10は、蒸気タンク11、蒸気供給管24、排水管25及びリリーフ管26を備えて構成されている。蒸気タンク11は、給湯経路12を通じて湯タンク13に接続されている。ここで湯タンク13は、図2にも示すように、湯生成用ヒータ14を内蔵している。この湯生成用ヒータ14は、後述する制御部90から与えられる駆動指令により駆動して通電状態となるもので、通電状態となることにより、図示せぬ水供給手段により湯タンク13の内部に供給された水を加熱して湯を生成するものである。つまり、湯タンク13は、湯を生成して貯留するものである。このような湯タンク13には、オーバーフロー管15が設けられている。このオーバーフロー管15は、湯タンク13の内部の水位が予め決められた高さ以上となる場合に、湯を外部に排出するためのものである。つまり、湯タンク13の内部は、オーバーフロー管15を通じて外気に連通している。
給湯経路12は、複数の給湯管121が接続されて構成されており、その途中において、湯供給ポンプ16、ストレーナ17、給湯ポンプ18が設けられている。
このような給湯経路12においては、一端側を構成する給湯管121(以下、上流側給湯管121aともいう)が湯タンク13の底部より上方に突出する態様で湯タンク13の内部に進入している。この上流側給湯管121aの上端面には導湯口121bが形成されており、導湯口121bは、湯タンク13に貯留する湯の予め設定された低水位レベルL1(図2参照)よりも上方側に設けられている。この低水位レベルL1は、湯タンク13に貯留される湯の許容される最低限の高さレベルである。
また、上流側給湯管121aにおいては、導湯口121bよりも下方であって低水位レベルL1よりも下方側となる周面部分に導湯口121bよりも小径な補助導湯口121cが設けられている。
湯供給ポンプ16は、例えば遠心ポンプにより構成されており、制御部90から駆動指令が与えられた場合に駆動するものである。この湯供給ポンプ16は、駆動する場合には、上流側給湯管121aを通じて吸入した湯を、自身に一端が接続された湯供給管19に送出するものである。つまり、湯供給ポンプ16は、駆動する場合には、湯タンク13に貯留された湯を湯供給管19に送出する一方、駆動停止となる場合には、湯タンク13に貯留された湯が給湯経路12を通過することを許容するものである。
湯供給管19は、他端が飲料生成部20に接続されている。飲料生成部20は、ブリュアと称されるものであり、湯供給管19を通じて供給された湯と、自身に投入されたコーヒー原料とでコーヒー飲料を抽出するものである。この飲料生成部20の構成は公知であるからここではその説明を割愛する。
上記湯供給管19は、湯タンク13における湯の水位よりも上方側となる部分において、飲料生成部20に供給する方向に向かうにしたがって漸次上方に傾斜する上勾配部分19aを有しており、この上勾配部分19aには、図3に示すように、空気導入孔19bが形成されている。また、上勾配部分19aには、空気導入孔19bを通じて湯供給管19の連通する態様で空気導入管21の一端が接続されている。この空気導入管21は、他端が湯タンク13の内部に連通する態様で湯タンク13に接続されている。
また、上勾配部分19aにおいては、空気導入孔19bよりも上流側部分に縮径管19cが挿入されている。縮径管19cは、外径が湯供給管19の内径d1に適合している。つまり、縮径管19cの内径d2は、湯供給管19の内径d1よりも小さいものである。具体的に説明すると、湯供給管19の内径d1が例えば5.0〜6.0mm程度とされる場合、縮径管19cの内径d2が例えば3.5〜4.5mm程度とされている。また本実施の形態1では、空気導入管21の内径d3が1.5〜2.5mm程度とされている。尚、空気導入管21の内径d3は、縮径管19cの内径d2よりも小さい必要はなく、かかる内径d2よりも大きくても構わない。
つまり、上勾配部分19aは、空気導入孔19bよりも上流側部分が該空気導入孔19bが形成された部分を含む下流側部分よりも湯の供給に対する抵抗が大きくなるよう構成されている。
上記空気導入管21の上勾配部分19aにおける空気導入孔19bよりも上流側部分に対する角度であるが、本発明においては特に限定されるものではないが、90°以下であることが好ましい。
ストレーナ17は、給湯経路12において湯供給ポンプ16よりも下流側に設けられている。このストレーナ17は、給湯経路12を通過する湯に含まれる固着物を取り除くものであり、本実施の形態1では、湯の原料となる水に含有されるカルシウム成分が結晶化して生ずるスケールを取り除くものである。
給湯ポンプ18は、例えばダイヤフラムポンプにより構成されており、制御部90から駆動指令が与えられた場合に駆動するものである。この給湯ポンプ18は、駆動する場合に、湯タンク13から蒸気タンク11に湯を供給するものである。また、この給湯ポンプ18は、駆動することにより、湯タンク13の内部の空気を蒸気タンク11に供給する給気機能を有している。尚、給湯ポンプ18と蒸気タンク11との間の給湯管121には逆止弁122が設けられている。この逆止弁122は、順方向の閉止圧力を湯タンク13の水頭圧以上の大きさに調整されている。
上記蒸気タンク11は、内部に蒸気生成用ヒータ22を内蔵している。この蒸気生成用ヒータ22は、後述する制御部90から与えられる駆動指令により駆動して通電状態となるもので、通電状態となることにより、給湯経路12を通じて供給された湯を加熱して加圧蒸気を生成するものである。つまり、蒸気タンク11は、供給された湯を加熱して加圧蒸気を生成するものである。
蒸気供給管24は、一端が蒸気タンク11に接続され、他端がミキシング部50に接続されており、蒸気タンク11とミキシング部50とを接続するものである。この蒸気供給管24の途中には、蒸気供給弁24a及び蒸気逆止弁24bが設けられている。この蒸気供給弁24aは、制御部90から与えられる指令により開閉するものである。蒸気供給弁24aは、開成する場合には、蒸気供給管24を加圧蒸気が通過することを許容するものである。また蒸気供給弁24aは、閉成する場合には、蒸気供給管24を加圧蒸気が通過することを規制するものである。蒸気逆止弁24bは、蒸気タンク11からミキシング部50への流体(加圧蒸気)の通過を許容する一方、ミキシングから蒸気タンク11への流体の通過を規制するものである。
排水管25は、一端が蒸気タンク11に接続されており、蒸気タンク11の内部の湯を排出させるためのものである。この排水管25には排水コック25aが設けられている。排水コック25aは、揺動可能に設けられており、手動操作にて開く方向に揺動することで排水管25を湯が通過することを許容するものである。
リリーフ管26は、一端が蒸気タンク11に接続されており、蒸気タンク11の内部空気、湯及び蒸気を排出するためのものである。このリリーフ管26には、安全弁26aが設けられている。この安全弁26aは、蒸気タンク11の内部の圧力が予め設定された大きさ(例えば400kPa程度)以上となる場合に開成するものである。尚、図2中の符号27は、サーモスタットである。サーモスタット27は、蒸気タンク11の内部の温度が予め設定された大きさ(例えば130℃程度)以上となる場合に、制御部90に停止信号を与えるものである。ここで、サーモスタット27が停止信号を送出する基準となる温度(130℃程度)は、蒸気タンク11の内部圧力が約170kPaのときの沸点であり、安全弁26aの設定圧力(400kPa程度)よりも低く設定されている。
乳飲料供給部30は、バッグ・イン・ボックス(以下、BIBともいう)31及びチューブポンプ32を備えて構成されている。
BIB31は、カップCに供給する乳飲料(泡立たせた状態の牛乳)の原液(以下、牛乳原液ともいう)を封入した袋状容器を箱状容器に収容して構成されるものである。このBIB31は、図示せぬ保冷庫に配置してある。
チューブポンプ32は、保冷庫の内部において、BIB31の下方側に設けられている。このチューブポンプ32は、制御部90から与えられる指令により駆動するもので、駆動する場合には、BIB31に接続されたチューブ33を複数のローラ等で押し潰すようにして、BIB31の牛乳原液を汲み出すものである。
尚、図1中の符号34は、コネクタである。かかるコネクタ34は、BIB31に接続されたチューブ33の先端部に取り付けられており、このチューブ33を、ミキシング部50に接続された液供給管51の一端に接続させるものである。液供給管51には、液逆止弁51aが設けられている。液逆止弁51aは、BIB31からミキシング部50への流体の通過を許容する一方、ミキシング部50からBIB31への流体の通過を規制するものである。
空気供給部40は、空気供給管41を備えて構成されている。空気供給管41は、一端がエアポンプ42に接続され、他端がミキシング部50に接続されており、エアポンプ42とミキシング部50とを接続するものである。エアポンプ42は、制御部90から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合に、空気を圧縮して空気供給管41を通じて圧縮空気を送出するものである。
上記空気供給管41の途中には、空気逆止弁41aが設けられている。空気逆止弁41aは、エアポンプ42からミキシング部50への流体(圧縮空気)の通過を許容する一方、ミキシング部50からエアポンプ42への流体の通過を規制するものである。
ミキシング部50は、蒸気供給管24を通じて供給された加圧蒸気と、液供給管51を通じて供給された牛乳原液とを混合させて牛乳原液を加熱し、更に空気供給管41を通じて供給された圧縮空気を混合させることにより僅かに泡立たされた状態の牛乳飲料を生成するものである。
フォーミング部60は、飲料送出管61を介してミキシング部50に接続されている。このフォーミング部60は、飲料送出管61を通じてミキシング部50から送出された牛乳飲料を泡立たせるものである。
ノズル70は、飲料導出管71を介してフォーミング部60に接続されているとともに、飲料供給管72を通じて飲料生成部20に接続されている。このノズル70は、飲料導出管71を通じてフォーミング部60から送出された牛乳飲料(泡立たされた状態の牛乳飲料)と、飲料供給管72を通じて飲料生成部20から供給されたコーヒー飲料とをカップCに吐出するものである。
図4は、本発明の実施の形態1である飲料提供装置1の特徴的な制御系を示すブロック図である。この図4に示すように、飲料提供装置1は、排水スイッチ81、加熱スイッチ82、低水位検知センサ83、下限水位検知センサ84、上限水位検知センサ85、第1内部温度センサ86、第2内部温度センサ87及び制御部90を有している。
排水スイッチ81は、制御部90に電気的に接続された図示せぬリモートコントローラに設けられている。この排水スイッチ81は、作業者により操作されると、排水信号を制御部90に与えるものである。
加熱スイッチ82は、排水スイッチ81と同様にリモートコントローラに設けられている。この加熱スイッチ82は、作業者により操作されると、加熱信号を制御部90に与えるものである。
低水位検知センサ83は、湯タンク13の内部に設けられている。この低水位検知センサ83は、湯タンク13に貯留される湯の水位が上記低水位レベルL1よりも低くなる場合に、その旨を検知してオン信号を制御部90に与えるものである。
下限水位検知センサ84は、蒸気タンク11の内部に設けられている。この下限水位検知センサ84は、蒸気タンク11の内部の湯の水位によって上下動する水位フロート23(図2参照)が下限位置にあるときに、その旨を検知してオン信号を制御部90に与えるものである。
上限水位検知センサ85は、蒸気タンク11の内部に設けられている。この上限水位検知センサ85は、上記水位フロート23が上限位置にあるときに、その旨を検知してオン信号を制御部90に与えるものである。
第1内部温度センサ86は、湯タンク13の内部温度T1を検出してその検出信号を制御部90に与えるものである。第2内部温度センサ87は、蒸気タンク11の内部温度T2を検出してその検出信号を制御部90に与える内部温度検出手段である。
制御部90は、メモリ100に記憶されたプログラムやデータにしたがって飲料提供装置1の各部の動作を統括的に制御するものであり、本実施の形態1の特徴的なものとして、入力処理部91、判定処理部92、比較処理部93、ポンプ駆動処理部94、バルブ駆動処理部95及びヒータ駆動処理部96を備えている。
尚、制御部90は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
入力処理部91は、排水スイッチ81等から与えられる排水信号等や、各センサ83等から与えられる信号を入力するものである。判定処理部92は、内蔵する時計等の計時部により時間の計測を開始し、計測時間がメモリ100から読み出した設定時間や動作時間を経過したか否かを判定するものである。比較処理部93は、入力処理部91を通じて入力した温度と、メモリ100から読み出した各種温度とを比較するものである。
ポンプ駆動処理部94は、湯供給ポンプ16や給湯ポンプ18に対して駆動指令又は駆動停止指令を出力してこれらポンプ16等を駆動又は駆動停止にさせるものである。バルブ駆動処理部95は、蒸気供給弁24aに対して開指令又は閉指令を与えて該蒸気供給弁24aを開成又は閉成させるものである。ヒータ駆動処理部96は、蒸気生成用ヒータ22に駆動指令又は駆動停止指令を与えて蒸気生成用ヒータ22を駆動又は駆動停止にさせるものである。
以上のような構成を有する飲料提供装置1においては、制御部90により湯生成用ヒータ14が駆動させられることにより湯タンク13に供給された水が加熱されて所望の温度の湯が生成され、該湯タンク13に貯留される。
そして、制御部90により給湯ポンプ18が駆動させられることにより、湯タンク13に貯留された湯が蒸気タンク11に送出され、制御部90により蒸気生成用ヒータ22が駆動させられることにより湯が加熱されて加圧蒸気が生成される。
湯タンク13から蒸気タンク11への湯の送出は、蒸気タンク11に設けられた水位フロート23が下限位置にあることが下限水位検知センサ84により検知されると制御部90が給湯ポンプ18を駆動させることにより行われ、水位フロート23が上限位置にあることが上限水位検知センサ85により検知されると制御部90が給湯ポンプ18を駆動停止にさせることにより停止される。このようにして湯タンク13には所望の温度の湯が貯留され、かつ蒸気タンク11には加圧蒸気が生成される。
上記飲料提供装置1においては、次のようにして乳飲料成分を含有するコーヒー飲料をカップCに提供することができる。
制御部90により湯供給ポンプ16が所定時間駆動させられることにより湯タンク13に貯留された湯が飲料生成部20に供給され、飲料生成部20にてコーヒー飲料が抽出される。抽出されたコーヒー飲料は、ノズル70に供給される。
制御部90により蒸気供給弁24aが開成させられるとともに、チューブポンプ32及びエアポンプ42が駆動させられることで、BIB31の牛乳原液が汲み出されてミキシング部50に至り、蒸気タンク11で生成された加圧蒸気は、蒸気供給管24を通過してミキシング部50に至り、更に圧縮空気が空気供給管41を通過してミキシング部50に至る。
そして、ミキシング部50においては、加圧蒸気により牛乳原液が加熱され、また圧縮空気が進入することで加圧蒸気に加熱された牛乳原液と混合されて牛乳飲料が生成される。ここで生成された牛乳飲料は圧縮空気により僅かに泡立たせされた状態となる。このようにしてミキシング部50にて生成された牛乳飲料は、飲料送出管61を通過してフォーミング部60に至る。
フォーミング部60においては、牛乳飲料が壁面等に当接することで牛乳飲料の泡立ち量が増大されて泡立たされることになる。このように泡立たされた牛乳飲料は、飲料導出管71を通過してノズル70に供給される。
そして、ノズル70により飲料生成部20から供給されたコーヒー飲料とフォーミング部60から供給された泡立たされた牛乳飲料とがカップCに吐出されることで、乳飲料成分を含有するコーヒー飲料が提供される。
上記飲料提供装置1においては、湯供給管19の上勾配部分19aに空気導入孔19bが形成されているので、所定時間駆動した湯供給ポンプ16が駆動停止した際に、空気導入管21を通過した空気が、図3に破線矢印イで示すように、空気導入孔19bより湯供給管19に進入する。ここで空気導入孔19bより進入した空気は、湯よりも比重が小さいため、上勾配部分19aの上方側、すなわち供給方向下流側に向かうこととなる。上勾配部分19aの湯は、湯供給ポンプ16の駆動停止後も慣性力で流れようとするが、空気導入孔19bより進入した空気を巻き込みながら流れる結果、図3の二点鎖線で示す部分Aにて分離し、かかる部分Aよりも上流側の湯は、図3中の実線矢印ロで示すように、自重によって湯タンク13に戻る。つまり、湯供給ポンプ16が駆動停止した際に湯切りを良好に行うことができる。
図5は、図1及び図4に示した制御部90が実施する給湯制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる給湯制御処理を説明しながら飲料提供装置1の動作について説明する。
この給湯制御処理において制御部90は、第1内部温度センサ86が湯タンク13の内部温度T1を検出して検出信号を送出することにより、入力処理部91を通じて検出信号(内部温度T1)を入力した場合(ステップS101:Yes)、比較処理部93を通じてメモリ100より該メモリ100に記憶された下限温度(例えば63℃等)を読み出して、内部温度T1が下限温度以下であるか否かを比較する(ステップS102)。
内部温度T1が下限温度以下である場合(ステップS102:Yes)、制御部90は、ポンプ駆動処理部94を通じて給湯ポンプ18に駆動禁止指令を送出する(ステップS103)。
一方、上記ステップS101で検出信号(内部温度T1)を入力せずに入力処理部91を通じて低水位検知センサ83からのオン信号を入力した場合(ステップS101:No,ステップS104:Yes)、あるいは上記ステップS102で内部温度T1が下限温度を上回っていて、入力処理部91を通じて低水位検知センサ83からのオン信号を入力した場合(ステップS102:No,ステップS104:Yes)、制御部90は、上記ステップS103を実施する。
このようにして上記ステップS103を実施した制御部90は、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、湯タンク13に貯留された湯が低温である場合や、湯タンク13に貯留された湯が少量の場合に、蒸気タンク11への給湯動作を行うことを回避することができる。
ところで、飲料提供装置1に対してメンテナンス作業が行われた後に電源が投入された場合等に、作業者により加熱スイッチ82が操作されることで、制御部90が入力処理部91を通じて加熱信号を入力すると、該制御部90が加熱指令が与えられたものとして以下の加熱制御処理を実施する。尚、加熱制御処理の前提として、湯タンク13において湯が生成され、該湯が蒸気タンク11に供給されているものとする。
図6は、制御部90が実施する加熱制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
この加熱制御処理において制御部90は、第2内部温度センサ87が蒸気タンク11の内部温度T2を検出して検出信号を送出することにより、入力処理部91を通じて検出信号(内部温度T2)を入力した場合(ステップS201:Yes)、比較処理部93を通じてメモリ100より該メモリ100に記憶された基準温度(例えば88℃等)を読み出して、内部温度T2が基準温度以下であるか否かを比較する(ステップS202)。
このステップS202で内部温度T2が基準温度を上回る場合には、後述する処理を実施することなく手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
一方、ステップS202において内部温度T2が基準温度以下である場合(ステップS202:Yes)、制御部90は、バルブ駆動処理部95を通じて蒸気供給弁24aに開指令を送出するとともに、ヒータ駆動処理部96を通じて蒸気生成用ヒータ22に駆動指令を送出し(ステップS203,ステップS204)、第2内部温度センサ87からの検出信号の入力待ちとなる(ステップS205)。
入力処理部91を通じて第2内部温度センサ87より検出信号(内部温度T2)を入力した場合(ステップS205:Yes)、制御部90は、比較処理部93を通じてメモリ100より該メモリ100に記憶された設定温度(例えば90℃等)を読み出して、内部温度T2が設定温度以上であるか否かを比較する(ステップS206)。
内部温度T2が設定温度未満である場合(ステップS206:No)、制御部90は、上述したステップS205及びステップS206を繰り返す。その一方、内部温度T2が設定温度以上である場合(ステップS206:Yes)、制御部90は、判定処理部92を通じて時間の計測を開始し(ステップS207)、この計測時間がメモリ100から読み出した設定時間(例えば5分間)を経過するまで待機する(ステップS208)。ここで設定時間は、任意に決められるものであるが、蒸気生成用ヒータ22が駆動して生成した加圧蒸気により蒸気タンク11の内部に残留する空気を蒸気供給管24を通じて追い出すのに十分な時間である。
そして、判定処理部92を通じて計測時間が設定時間を経過したと判定した場合(ステップS208:Yes)、制御部90は、時間の計測を終了し(ステップS209)、その後に、ヒータ駆動処理部96を通じて蒸気生成用ヒータ22に駆動停止指令を送出するとともに、バルブ駆動処理部95を通じて蒸気供給弁24aに閉指令を送出し(ステップS210,ステップS211)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、蒸気タンク11に残留していた空気を蒸気タンク11の外部に排出することができる。
このような飲料提供装置1においては、蒸気タンク11のメンテナンス作業を行うために該蒸気タンク11を空にする場合、排水コック25aを開く方向に揺動させることにより、排水管25を通じて内部の湯を排出することができる。
しかしながら、飲料提供装置1に対する電源がオフにされてから暫くの期間放置等されることにより蒸気タンク11の内部圧力が大気圧に略等しくなっていると、排水コック25aを開く方向に揺動させても排水管25を通じて内部の湯を排出することができない。
そこで、排水コック25aを開く方向に揺動させた状態で、作業者により排水スイッチ81が操作されることで、制御部90が入力処理部91を通じて排水信号を入力すると、該制御部90が排水指令が与えられたものとして以下の排水制御処理を実施する。
図7は、制御部90が実施する排水制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
この排水制御処理において制御部90は、ポンプ駆動処理部94を通じて給湯ポンプ18に駆動指令を送出し(ステップS301)、下限水位検知センサ84からのオン信号の入力待ちとなる(ステップS302)。
給湯ポンプ18を駆動させることにより、湯タンク13に貯留された湯(水)が蒸気タンク11に供給され、湯の水位が導湯口121bよりも下方になると、湯タンク13の内部空気が蒸気タンク11に供給される。そして、蒸気タンク11の内部の湯が排水管25を通じて外部に排出され、湯の水位の低下に応じて水位フロート23が下方に移動する。
入力処理部91を通じて下限水位検知センサ84からオン信号を入力した場合(ステップS302:Yes)、制御部90は、判定処理部92を通じて時間の計測を開始し(ステップS303)、この計測時間がメモリ100から読み出した動作時間を経過するまで待機する(ステップS304)。ここで動作時間は、任意に決められるものであるが、蒸気タンク11の内部の湯(水)を排出するのに十分な時間である。
そして、判定処理部92を通じて計測時間が動作時間を経過したと判定した場合(ステップS304:Yes)、制御部90は、時間の計測を終了し(ステップS305)、その後に、ポンプ駆動処理部94を通じて給湯ポンプ18に駆動停止指令を送出し(ステップS306)、手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、排水管25を通じて蒸気タンク11の湯を排出することで該蒸気タンク11の内部を空にすることができる。
以上説明したように本発明の実施の形態1である飲料提供装置1によれば、制御部90が、入力処理部91を通じて排水信号を入力した場合、給湯ポンプ18を駆動させる一方、下限水位検知センサ84を通じて蒸気タンク11の水位が予め設定された下限位置にあると検知されてから予め決められた動作時間が経過した場合に、給湯ポンプ18を駆動停止にさせるので、蒸気タンク11の内部を空にすることができ、これにより、蒸気タンク11のメンテナンス作業を簡単なものとすることができる。
上記飲料提供装置1によれば、制御部90が、入力処理部91を通じて加熱信号を入力し、かつ第2内部温度センサ87により検出された内部温度T2が予め決められた基準温度以下となる場合には、蒸気供給弁24aを開成させつつ蒸気生成用ヒータ22を駆動させる一方、内部温度T2が予め決められた設定温度以上となる場合には、予め設定された設定時間が経過した後に蒸気供給弁24aを閉成させるので、蒸気タンク11に残留していた空気を蒸気タンク11の外部に排出することができ、これにより、蒸気タンク11のエア抜きを簡単に行うことができる。
上記飲料提供装置1によれば、湯タンク13の湯の水位よりも上方側となる湯供給管19の上勾配部分19aに空気導入孔19bが形成されているので、飲料生成部20を湯タンク13の湯の水位よりも低い個所に設置することができるとともに、湯供給ポンプ16が駆動停止した際に湯切りを良好に行うことができる。これにより、飲料生成部20の設置個所の自由度を増大させつつ、該飲料生成部20に対する湯の供給量を安定させることができる。
特に、上勾配部分19aは、空気導入孔19bよりも上流側部分に縮径管19cが設けられることにより、該上流側部分が該空気導入孔19bが形成された部分を含む下流側部分よりも湯の供給に対する抵抗が大きくなるよう構成されている。これにより、上勾配部分19aにおける空気導入孔19bの下流側部分での湯の流量や流速が低下してしまうことを防止して湯が空気導入管21に逆流してしまうことを回避させることができる。この結果、安定した湯の供給を行うことができる。
また、空気導入管21が、一端が空気導入孔19bを通じて湯供給管19に連通し、かつ他端が湯タンク13の内部に連通する態様で設けられているので、湯供給管19を通過する湯が空気導入孔19bを通じて外部に吹き出したり、該空気導入孔19bを通じて塵埃物が湯供給管19に進入したりすることを防止することができる。
上記飲料提供装置1によれば、給湯経路12が、湯タンク13で生成されて貯留された湯を蒸気タンク11に供給するので、水に含まれるカルシウム等の成分が結晶化して生じるスケールを湯タンク13で発生させることができる。そして、給湯経路12が、湯タンク13に貯留する湯の予め設定された低水位レベルよりも上方側に設けられた導湯口121bより湯を導入して蒸気タンク11に供給するので、湯タンク13に堆積するスケールを供給することを抑制することができる。しかも、給湯経路12にはストレーナ17が設けられているので、湯タンク13の湯に浮遊するスケールを導湯口121bより吸い込んだとしてもストレーナ17で除去することができる。従って、蒸気タンク11でのスケールの発生を低減させることができる。
上記飲料提供装置1によれば、制御部90が上記給湯制御処理を行うことにより、湯タンク13に貯留された湯が低温である場合や、湯タンク13に貯留された湯が少量の場合に、蒸気タンク11への給湯動作を行うことを回避することができ、これにより、蒸気タンク11が損傷してしまうことを回避することができる。特に、給湯経路12における導湯口121bよりも下方であって低水位レベルL1よりも下方側に導湯口121bよりも小径な補助導湯口121cが形成されているので、仮に湯タンク13の湯の水位が低水位レベルL1を下回ったとしても補助導湯口121cから湯を吸い込むことが可能であり、蒸気生成用ヒータ22が駆動した蒸気タンク11に対して空気のみを供給して該蒸気タンク11が破損等してしまうことを防止することができる。
上記飲料提供装置1によれば、給湯ポンプ18と蒸気タンク11との間の給湯管121に設けられた逆止弁122の順方向の閉止圧力が湯タンク13の水頭圧以上の大きさに調整されているので、閉止用の電磁弁を給湯経路12に設けなくても蒸気タンク11を、該蒸気タンク11の内部の湯の水位が湯タンク13の湯の水位よりも低い個所に設置することができ、製造コストの低減化を図りつつ蒸気タンク11の設置個所の自由度を向上させることができる。
上記飲料提供装置1によれば、蒸気タンク11に設けたサーモスタット27が、蒸気タンク11の内部の温度が安全弁26aの作動圧力(例えば400kPa程度)よりも低い圧力(例えば170kPa程度)での沸点(130℃程度)となる場合に、制御部90に停止信号を与えるので、蒸気タンク11の内部が異常高圧となっても、安全弁26aが作動する前に飲料提供装置1の各部の駆動を停止させることができ、該飲料提供装置1が設置される店舗等に高温の湯等を排出して損傷を与えることを防止することができる。
<実施の形態2>
図8は、本発明の実施の形態2である飲料提供装置の要部である蒸気生成部を模式的に示す模式図であり、図9は、本発明の実施の形態2である飲料提供装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。尚、上述した実施の形態1である飲料提供装置1と同様の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
これら図8及び図9に示すように、飲料提供装置1′は、低水位検知センサ83、下限水位検知センサ84、上限水位検知センサ85、蒸気圧センサ28a、高水位検知センサ88、給水手段13a、湯供給ポンプ16、給湯ポンプ18、蒸気生成用ヒータ22、蒸気供給弁24a、排水弁25b、湯供給弁191、報知部101及び制御部110を備えている。尚、かかる飲料提供装置1′においては、上述した実施の形態1の飲料提供装置1と異なり、給湯経路12にストレーナ17が設けられていない。
蒸気圧センサ28aは、蒸気生成部10′において、図8に示すように、一端が蒸気タンク11に接続されて内部が該蒸気タンク11に連通するとともに、他端が閉塞された蒸気圧管28に設置されている。この蒸気圧センサ28aは、蒸気圧管28における蒸気圧、すなわち蒸気タンク11の内部の蒸気圧を検知するものである。かかる蒸気圧センサ28aは、検知した蒸気圧(以下、検知蒸気圧ともいう)を蒸気圧検知信号として制御部110に与えるものである。
高水位検知センサ88は、低水位検知センサ83と同様に、湯タンク13の内部に設けられている。この高水位検知センサ88は、湯タンク13に貯留される湯の水位が予め設定された上限水位に達する場合に、その旨を検知してオン信号を制御部110に与えるものである。
給水手段13aは、湯タンク13の内部に水を供給するものである。排水弁25bは、排水コック25aの代わりに排水管25に設けられている。この排水弁25bは、制御部110から与えられる指令により開閉するものである。排水弁25bは、開成する場合には、排水管25を湯が通過することを許容することで、該排水管25を通じて湯が排出されることを許容するものである。また排水弁25bは、閉成する場合には、排水管25を湯が通過することを規制することで、該排水管25を通じて湯が排出されることを規制するものである。
湯供給弁191は、湯供給管19における上勾配部分19aよりも下流側に設けられている。この湯供給弁191は、制御部110から与えられる指令により開閉するものである。湯供給弁191は、開成する場合には、湯供給管19を湯が通過することを許容するものである。また湯供給弁191は、閉成する場合には、湯供給管19を湯が通過することを規制するものである。報知部101は、例えばブザー音等の警告音を発するものである。
制御部110は、メモリ120に記憶されたプログラムやデータにしたがって飲料提供装置1′の各部の動作を統括的に制御するものであり、本実施の形態2の特徴的なものとして、入力処理部111、判定処理部112、比較処理部113、算出処理部114、ポンプ駆動処理部115、バルブ駆動処理部116、ヒータ駆動処理部117、給水駆動処理部118及び出力処理部119を備えている。尚、制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
入力処理部111は、各センサ83等から与えられる信号を入力するものである。判定処理部112は、内蔵する時計等の計時部により時間の計測を開始し、計測時間がメモリ120から読み出した各種時間を経過したか否かを判定するものである。この判定処理部112は、後述する蒸気圧チェック処理において正常判定又は異常判定を行うものであり、更に後述する水漏れ検出処理において水漏れ判定を行うものである。
比較処理部113は、入力処理部111を通じて入力した蒸気圧と、メモリ120から読み出した判定蒸気圧とを比較するものである。算出処理部114は、後述する水漏れ検出処理において、必要給水量及び必要最大時間を算出するものである。
ポンプ駆動処理部115は、湯供給ポンプ16や給湯ポンプ18に対して駆動指令又は駆動停止指令を送出してこれらポンプ16等を駆動又は駆動停止にさせるものである。バルブ駆動処理部116は、蒸気供給弁24a、排水弁25b及び湯供給弁191に対して開指令又は閉指令を与えてこれら弁24a等を開成又は閉成させるものである。ヒータ駆動処理部117は、蒸気生成用ヒータ22に駆動指令又は駆動停止指令を与えて蒸気生成用ヒータ22を駆動又は駆動停止にさせるものである。
給水駆動処理部118は、給水手段13aに対して駆動指令又は駆動停止指令を送出してこの給水手段13aを駆動又は駆動停止にさせるものである。出力処理部119は、報知部101に対して報知指令を送出してこの報知部101に報知動作を行わせるものである。
以上のような構成を有する飲料提供装置1′においては、上述した実施の形態1である飲料提供装置1と同様に、湯生成用ヒータ14が駆動することにより湯タンク13に供給された水が加熱されて所望の温度の湯が生成され、該湯タンク13に貯留される。
そして、給湯ポンプ18が駆動することにより、湯タンク13に貯留された湯が蒸気タンク11に送出され、蒸気生成用ヒータ22が駆動することにより湯が加熱されて加圧蒸気が生成される。
湯タンク13から蒸気タンク11への湯の送出は、蒸気タンク11に設けられた水位フロート23が下限位置にあることが下限水位検知センサ84により検知されると制御部110が給湯ポンプ18を駆動させることにより行われ、水位フロート23が上限位置にあることが上限水位検知センサ85により検知されると制御部110が給湯ポンプ18を駆動停止にさせることにより停止される。このようにして湯タンク13には所望の温度の湯が貯留され、かつ蒸気タンク11には加圧蒸気が生成される。
図10は、図9に示した制御部110が実施する給排水制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる給排水制御処理を説明しながら飲料提供装置1′の動作について説明する。尚、かかる給排水制御処理の前提として、蒸気生成用ヒータ22が駆動し、かつ排水弁25bが閉成しているものとする。
この給排水制御処理において制御部110は、入力処理部111を通じて下限水位検知センサ84からオン信号を入力した場合(ステップS401:Yes)、ポンプ駆動処理部115を通じて給湯ポンプ18に駆動指令を送出する(ステップS402)。これにより、給湯ポンプ18が駆動し、湯タンク13に貯留された湯が蒸気タンク11に供給される。
このように給湯ポンプ18に駆動指令を送出した制御部110は、入力処理部111を通じて上限水位検知センサ85からのオン信号の入力待ちとなる(ステップS403)。
湯タンク13から蒸気タンク11に湯が供給されることにより、水位フロート23が上昇する。そして、水位フロート23が上限位置にあることが上限水位検知センサ85により検知されることにより、制御部110が入力処理部111を通じて上限水位検知センサ85からオン信号を入力した場合(ステップS403:Yes)、ポンプ駆動処理部115を通じて給湯ポンプ18に駆動停止指令を送出する(ステップS404)。これにより、湯タンク13から蒸気タンク11への湯の送出は停止される。
給湯ポンプ18に駆動停止指令を送出した制御部110は、バルブ駆動処理部116を通じて排水弁25bに開指令を送出する(ステップS405)。これにより、排水弁25bが開成し、蒸気タンク11の湯が排水管25を通じて外部に排出される。
排水弁25bに開指令を送出した制御部110は、判定処理部112を通じて時間の計測を開始し(ステップS406)、この計測時間がメモリ120から読み出した排水設定時間を経過するまで待機する(ステップS407)。ここで排水設定時間は、任意に決められるものであるが、例えば上限位置にある水位フロート23が湯の排出により下限位置には達しない程度の時間である。尚、ここでは、蒸気タンク11に湯の供給を行ってから排水弁25bを開成させて湯の排出を行っているが、本発明においては、湯の供給と湯の排出とを同時に行ってもよい。
そして、判定処理部112を通じて計測時間が排水設定時間を経過したと判定した場合(ステップS407:Yes)、制御部110は、時間の計測を終了し(ステップS408)、その後に、バルブ駆動処理部116を通じて排水弁25bに閉指令を送出し(ステップS409)、その後に手順をリターンさせて今回の給排水制御処理を終了する。
これによれば、蒸気タンク11の湯を排出することで、蒸気タンク11の内部において加圧蒸気の生成により濃縮されるスケールの元となる成分を湯とともに排出することができる。
よって、本発明の実施の形態2である飲料提供装置1′によれば、給湯経路12が、湯タンク13で生成されて貯留された湯を蒸気タンク11に供給するので、水に含まれるカルシウム等の成分が結晶化して生じるスケールを湯タンク13で発生させることができる。そして、給湯経路12が、湯タンク13に貯留する湯の予め設定された低水位レベルよりも上方側に設けられた導湯口121bより湯を導入して蒸気タンク11に供給するので、湯タンク13に堆積するスケールを供給することを抑制することができる。しかも、制御部110が、上記給排水制御処理において、蒸気タンク11に対する湯の給水に応じて所定量の湯を外部に排出するので、蒸気タンク11で濃縮されるスケールの元となる成分を湯とともに排出することができ、蒸気タンク11の湯におけるスケールの元となる成分濃度を所定濃度以下とすることができる。従って、蒸気タンク11でのスケールの発生を低減させることができる。
また、上記飲料提供装置1′においては、上記給排水制御処理の途中において飲料の提供が行われる場合には、排水弁25bを開成させることを停止させることが好ましい。これにより、蒸気タンク11から供給される蒸気量のバラツキを抑制し、提供する飲料の品質低下を防止することができる。
上記飲料提供装置1′においては、制御部110が、予め決められたタイムスケジュールにしたがって以下に説明する蒸気圧チェック処理を実施する。
図11は、図9に示した制御部110が実施する蒸気圧チェック処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる蒸気圧チェック処理を説明しながら飲料提供装置1′の動作について説明する。
この蒸気圧チェック処理において制御部110は、ヒータ駆動処理部117を通じて蒸気生成用ヒータ22に駆動停止指令を送出するとともに、バルブ駆動処理部116を通じて蒸気供給弁24aに開指令を送出する(ステップS501,ステップS502)。このようにして蒸気生成用ヒータ22を駆動停止にさせることにより蒸気タンク11の内部の圧力は下がる方向に推移する。
このように蒸気供給弁24aに開指令を送出した制御部110は、判定処理部112を通じて時間の計測を開始し(ステップS503)、この計測時間がメモリ120から読み出した待機時間(例えば30秒間程度)を経過するまで待機する(ステップS504)。
そして、判定処理部112を通じて計測時間が待機時間を経過したと判定した場合(ステップS504:Yes)、制御部110は、時間の計測を終了し(ステップS505)、入力処理部111を通じての蒸気圧センサ28aからの蒸気圧検知信号の入力待ちとなる(ステップS506)。
入力処理部111を通じて蒸気圧検知信号を入力した場合(ステップS506:Yes)、制御部110は、比較処理部113を通じてメモリ120から閾値となる判定蒸気圧(例えば65kPa程度)を読み出して、検知蒸気圧が判定蒸気圧以下であるか否かを比較する(ステップS507)。
比較処理部113を通じて検知蒸気圧が判定蒸気圧以下である場合(ステップS507:Yes)、制御部110は、判定処理部112を通じて正常と判定し(ステップS508)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
一方、比較処理部113を通じて検知蒸気圧が判定蒸気圧を超える場合(ステップS507:No)、制御部110は、判定処理部112を通じて異常と判定し(ステップS509)、出力処理部119を通じて報知部101に対して報知指令を送出し(ステップS510)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
このような蒸気圧チェック処理を実施することにより、蒸気供給弁24aの故障や蒸気供給管24での配管詰まり等の不具合の発生を飲料提供装置1′自身で検知することができる。
また、上記飲料提供装置1′では、湯タンク13に対して給水を行う際に以下に説明する水漏れ検出処理を実施する。
図12は、図9に示した制御部110が実施する水漏れ検出処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる水漏れ検出処理を説明しながら飲料提供装置1′の動作について説明する。
この水漏れ検出処理において制御部110は、入力処理部111を通じて低水位検知センサ83からのオン信号を入力した場合(ステップS601:Yes)、算出処理部114を通じて必要吸水量の算出、並びに必要最大時間を算出する(ステップS602,ステップS603)。これらステップS602及びステップS603の処理について詳細に説明する。
まず、制御部110は、入力処理部111を通じて蒸気タンク11における湯量を確認する。具体的には、下限水位検知センサ84及び上限水位検知センサ85の信号状態を確認する。つまり、下限水位検知センサ84がオン信号を送出していれば蒸気タンク11における湯は低水位であり、上限水位検知センサ85がオン信号を送出していれば蒸気タンク11における湯は高水位である。また、下限水位検知センサ84がオフ状態であり、かつ上限水位検知センサ85がオフ状態である場合には、蒸気タンク11の湯は中水位である。
このようにして蒸気タンク11における湯量を確認した後に、制御部110は、算出処理部114を通じて蒸気タンク11の湯量及び湯タンク13の湯量から必要となる必要給水量を算出する。そして、制御部110は、算出処理部114を通じて必要給水量を供給するのに必要な許容時間である必要最大時間を算出する。
算出処理部114を通じて必要最大時間を算出した制御部110は、給水駆動処理部118を通じて給水手段13aに駆動指令を送出する(ステップS604)。これにより、給水手段13aによる湯タンク13への給水が開始される。
給水手段13aに対して駆動指令を送出した制御部110は、判定処理部112を通じて時間の計測を開始し(ステップS605)、この計測時間がステップS603で算出した必要最大時間が経過するまでに入力処理部111を通じて高水位検知センサ88からのオン信号の入力待ちとなる(ステップS606,ステップS607)。
必要最大時間が経過するまでに入力処理部111を通じて高水位検知センサ88よりオン信号を入力した場合(ステップS606:Yes,ステップS607:No)、制御部110は、給水駆動処理部118を通じて給水手段13aに駆動停止指令を送出するとともに(ステップS608)、時間の計測を終了し(ステップS609)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
一方、入力処理部111を通じて高水位検知センサ88よりオン信号を入力せずに必要最大時間が経過した場合(ステップS606:No,ステップS607:Yes)、制御部110は、給水駆動処理部118を通じて給水手段13aに駆動停止指令を送出するとともに(ステップS610)、時間の計測を終了する(ステップS611)。
そして、制御部110は、判定処理部112を通じて蒸気タンク11、給水経路12、湯タンク13等に水漏れの不具合が生じているとする水漏れ判定を行い(ステップS612)、出力処理部119を通じて報知部101に対して報知指令を送出し(ステップS613)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
このような水漏れ検出処理を実施することにより、水漏れを検出することができ、漏れる水量の最小化を図ることができる。
更に、上記飲料提供装置1′では、制御部110が、予め決められたタイムスケジュールにしたがって以下に説明する湯循環制御処理を実施する。
図13は、図9に示した制御部110が実施する湯循環制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる湯循環制御処理を説明しながら飲料提供装置1′の動作について説明する。
この湯循環制御処理において制御部110は、バルブ駆動処理部116を通じて湯供給弁191に閉指令を送出するとともに、ポンプ駆動処理部115を通じて湯供給ポンプ16に駆動指令を送出する(ステップS701,ステップS702)。この結果、湯供給ポンプ16の駆動により、湯タンク13の湯が上流側給湯管121a、湯供給ポンプ16、湯供給管19及び空気導入管21を経由して湯タンク13に戻るように循環する。
上述したように湯供給ポンプ16に駆動指令を送出した制御部110は、判定処理部112を通じて時間の計測を開始し(ステップS703)、この計測時間がメモリ120から読み出した循環時間を経過するまで待機する(ステップS704)。ここで循環時間は、任意に決められるものであるが、湯タンク13の湯が上述したように循環して湯供給ポンプ16近傍の湯供給管19等が十分に加熱されるのに十分な時間である。
そして、判定処理部112を通じて計測時間が循環時間を経過したと判定した場合(ステップS704:Yes)、制御部110は、時間の計測を終了する(ステップS705)。
その後、制御部110は、ポンプ駆動処理部115を通じて湯供給ポンプ16に駆動停止指令を送出するとともに(ステップS706)、バルブ駆動処理部116を通じて湯供給弁191に開指令を送出して湯供給ポンプ16の駆動を停止させるとともに(ステップS707)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、湯供給ポンプ16近傍の湯供給管19等が十分に加熱されるため、該湯タンク13から供給される湯の温度を十分に高いものとすることができ、提供する飲料の品質の向上を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態1及び実施の形態2について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態1では、空気導入孔19bが湯供給管19の上勾配部分19aに形成されていたが、本発明においては、空気導入孔が、湯供給管において該上勾配部分の供給方向下流側に連続して水平方向に延在する水平延在部分に形成されていてもよい。
上述した実施の形態1では、上記加熱制御処理において、ヒータ駆動処理部96を通じて蒸気生成用ヒータ22に駆動指令又は駆動停止指令を送出して、蒸気生成用ヒータ22の駆動を制御していたが、本発明においては、次のようにすることもできる。
すなわち、蒸気タンク11の内部圧力が予め設定された第1設定値(例えば80kPa程度)以下の場合に制御部90にオン信号を送出する一方、蒸気タンク11の内部圧力が予め設定された第2設定値(例えば90kPa程度)以上の場合に制御部90にオフ信号を送出する圧力センサを有する場合、制御部90は、圧力センサから与えられるオン信号又はオフ信号により、ヒータ駆動処理部96を通じて蒸気生成用ヒータ22に駆動指令又は駆動停止指令を送出して、蒸気生成用ヒータ22の駆動を制御してもよい。このような場合には、上記加熱制御処理において、ステップS204及びステップS210の処理を省略することができる。
上述した実施の形態1では、上記加熱制御処理において、蒸気タンクに湯を供給した後に、蒸気生成用ヒータ22を駆動させて生成した加圧蒸気により蒸気タンク11に残留していた空気を蒸気タンク11の外部に排出していたが、本発明においては、上限水位検知センサ85がオン信号を送出しても蒸気供給弁24aの開成を維持し、蒸気タンク11の内部に湯タンク13からの湯を満たすことで蒸気タンク11の空気を外部に排出するようにしてもよい。
本発明においては、図14に示すように、水位フロート23′は、上方に向けて延在するロッド231が支持部材232の下端部に取り付けられた支持片233の貫通孔233aを貫通する態様で設けられていてもよい。このような構成によれば、水位フロート23′の支持片233との摺動部が喫水面SMよりも上方に設けられることとなり、摺動部でのスケール析出による動作不良が生ずることを防止することができる。
上述した実施の形態2における給排水制御処理においては、上限水位検知センサ85により検知されるまで蒸気タンク11に湯を供給し、その後に排水設定時間が経過するまで排水弁25bを開成することにより蒸気タンク11から湯の排出を行っていたが、本発明においては、蒸気タンク11に対する湯の供給量を計測するようにし、蒸気タンク11からの排出量を供給量と同等、あるいは供給量の半分程度にするようにしてもよい。
このように排出量を供給量と同等にすることにより、蒸気タンク11における湯のスケールの元となる成分濃度を該蒸気タンク11に供給される湯のスケールの元となる成分濃度の2倍以下とすることができ、また排出量を供給量の半分程度にすることにより、蒸気タンク11における湯のスケールの元となる成分濃度を該蒸気タンク11に供給される湯のスケールの元となる成分濃度の3倍以下とすることができる。
また本発明においては、例えばキーボード等の入力手段を通じて蒸気タンク11の湯のスケールの元となる成分濃度を入力することにより、制御部110が入力された濃度以下となる態様で蒸気タンク11に対する供給量と排出量とを調整するようにしてもよい。
上述した実施の形態2である給排水制御処理においては、湯タンク13から蒸気タンク11に湯が供給されたから排水弁25bを開成させていたが、本発明においては、蒸気タンクへの湯の供給前に排水弁を開成させて蒸気タンクの湯を排出し、その後に湯タンクの湯を蒸気タンクに供給するようにしてもよい。
上述した実施の形態2における蒸気圧チェック処理においては、待機時間の経過後に蒸気圧センサ28aから蒸気圧検知信号を入力していたが、本発明においては、待機時間の経過中に蒸気圧センサ28aからの蒸気圧検知信号を常時監視し、この待機時間が経過するまでの間に検知蒸気圧が判定蒸気圧以下となれば正常判定を行ってもよい。
また本発明においては、かかる蒸気圧チェック処理におけるステップS506、ステップS507の処理を数回繰り返すようにしてもよい。
更に本発明においては、上記蒸気圧チェック処理の代わりに、次のようにして蒸気圧チェックを行ってもよい。すなわち、蒸気供給管に例えばサーミスタ等の温度センサを設置し、蒸気供給弁が開成してから所定時間経過後における温度センサによる検知温度が予め決められた判定温度以上であれば正常と判定し、判定温度未満であれば異常と判定してもよい。
このように蒸気供給弁が開成してから所定時間経過後の検知温度で判定するだけでは、飲料の提供が連続的に行われる場合に、前回供給した蒸気の温度を検知してしまう虞れがあるため、次のようにしてもよい。すなわち、蒸気供給弁が開成してから第1経過時間(例えば3秒間)が経過したときの第1検知温度と、蒸気供給弁が閉成してから第2経過時間(例えば7秒間)が経過したときの第2検知温度とを比較し、第2検知温度が第1検知温度よりも高い場合に正常と判定するようにしてもよい。
上述した実施の形態2における水漏れ検出処理においては、低水位検知センサ83からのオン信号の入力を契機として必要吸水量及び必要最大時間を算出して処理を実施していたが、本発明においては、所定のタイムスケジュールにて蒸気タンク及び湯タンクのそれぞれの湯量を検知して水漏れの検出処理を行ってもよい。
上述した実施の形態2における湯循環制御処理においては、湯供給弁191を閉成させて湯供給ポンプ16を駆動させることにより、湯タンク13の湯が上流側給湯管121a、湯供給ポンプ16、湯供給管19及び空気導入管21を経由して湯タンク13に戻るように循環させていたが、本発明においては、次のようにしてもよい。すなわち、給湯ポンプを駆動させつつ排水弁を開成させることにより、湯タンクの湯が給湯管、蒸気タンク及び排水管を通過するようにさせてもよい。これによっても、湯供給ポンプ近傍の配管等が十分に加熱されるため、該湯タンクから供給される湯の温度を十分に高いものとすることができ、提供する飲料の品質の向上を図ることができる。