以下、図面を参照して、実施形態に係る通信装置およびプログラムについて詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、通信装置およびプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入された、情報処理装置の一例である複数のPOS端末の保守管理を行う保守システムへの適用例である。
(保守システムの全体構成の説明)
図1は、実施形態に係る通信装置を備えたPOS端末の保守管理を行う保守システム1の全体構成を示すブロック図である。保守システム1は、一または複数の店舗において使用される複数のPOS端末10の保守管理を行う。保守システム1は、複数のPOS端末10と、店舗サーバ20と、外部サーバ30と、複数のアクセスポイント40と、ルーター42と、ONU(Optical Network Unit)44とを備える。
POS端末10同士は、メッシュネットワーク50によって接続される。店舗に設置された複数のアクセスポイント40に対してそれぞれ近接したPOS端末10は、アクセスポイント40とWi−Fi(登録商標)等の無線LAN52によって接続される。POS端末10は、アクセスポイント40と、ルーター42と、LANネットワーク54とを介して、店舗サーバ20に接続される。また、POS端末10は、アクセスポイント40と、ルーター42と、ONU44と、インターネット56とを介して、外部サーバ30に接続される。
POS端末10は、情報処理装置の一例であり、一取引に係る販売対象の商品を登録する登録処理等を実行する。
POS端末10は、自己診断機能を備えている。自己診断機能とは、POS端末10自身、およびPOS端末10に接続された周辺機器である、例えば、後述するプリンタ17、カードリーダライタ18(いずれも図3参照)等の状態を診断する機能である。
POS端末10は、自己診断を行った結果、発生したエラー履歴をエラー情報として生成する。また、POS端末10は、自身の稼働状態の履歴をログ情報として生成する。さらに、POS端末10は、自身が実行したメンテナンス処理の内容である変更履歴をメンテナンス情報として生成する。POS端末10は、生成したこれらの情報を、POS端末10自身の状態を示す状態情報108(図4参照)とする。なお、POS端末10の構成、および状態情報108の具体例について、詳しくは後述する。
店舗サーバ20は、例えば店舗に備えられて、当該店舗に設置された任意のPOS端末10から状態情報108を受信する。そして、店舗サーバ20は、受信した状態情報108を保存して管理する。
外部サーバ30は、例えば店舗外に備えられて、当該店舗に設置された任意のPOS端末10から状態情報108を受信する。そして、外部サーバ30は、受信した状態情報108を保存して管理する。
複数のPOS端末10は、メッシュネットワーク50によって互いに接続される。メッシュネットワーク50は、近接した位置にあるPOS端末10(情報処理装置)が相互に通信することによって、網目状の通信経路を形成するネットワーク構成である。具体的には、POS端末10同士は、例えば、IEEE802.15.4g国際標準規格に準拠した920MHz帯の無線通信によって接続される。
アクセスポイント40は、店舗内に複数設置される。アクセスポイント40は、POS端末10と店舗サーバ20、またはPOS端末10と外部サーバ30が通信を行う際に中継器として作用する。アクセスポイント40は、近傍のPOS端末10との間で、前述したWi−Fi(登録商標)通信を行うことによって情報を送受信する。より具体的には、アクセスポイント40は、POS端末10が備える不図示の無線LANブリッジと通信を行うことによって情報を送受信する。
ルーター42は、店舗サーバ20からの要求を受信する。また、ルーター42は、外部サーバ30からの要求を受信する。そして、ルーター42は、受信した要求を、アクセスポイント40を介して、POS端末10に送出する。
逆に、ルーター42は、POS端末10から、アクセスポイント40を介して受信した要求に対する返答を、店舗サーバ20および外部サーバ30に送出する。
ONU44は、光回線終端装置である。ONU44は、ルーター42から送信されたデジタル信号を光信号に変換して、WAN(Wide Area Network)回線62に送出する。WAN回線62は、店舗と店舗外とを接続する公衆回線の一例であり、例えば光回線で構成される。また、ONU44は、WAN回線62から受信した光信号をデジタル信号に変換して、ルーター42に送出する。なお、WAN回線62は、光回線に限定されるものではなく、例えば電話回線であってもよい。WAN回線62が電話回線で構成されるときは、ONU44の代わりに、モデム(不図示)が設置される。WAN回線62は、インターネット56に接続される。前述した外部サーバ30は、WAN回線62を介して、インターネット56に接続される。したがって、各POS端末10は、インターネット56を介して、外部サーバ30と接続される。
各アクセスポイント40は、ルーター42を介して、店舗内に敷設されたLAN回線60に接続される。LAN回線60は、店舗内に敷設されたLANネットワーク54に接続される専用回線の一例である。前述した店舗サーバ20は、LAN回線60を介して、LANネットワーク54に接続される。したがって、各POS端末10は、LANネットワーク54を介して、店舗サーバ20と接続される。
(ネットワーク構成の説明)
次に、POS端末10同士を接続するネットワークの構成について説明する。図2は、ネットワークの一般的な構成について説明する図であり、図2(a)はメッシュネットワーク50の概略構成を示す図である。図2(b)は、比較例であるスター型ネットワーク51の概略構成を示す図である。各図に示したノードK1〜K9、およびノードK10〜K14が、それぞれPOS端末10と対応している。
保守システム1を構成するPOS端末10(情報処理装置)は、図2(a)に示すメッシュネットワーク50によって接続される。メッシュネットワーク50は、前述したように、例えば、920MHz帯の無線通信(例えばZigBee(登録商標))によって構成されて、全てのPOS端末10を互いに接続する。メッシュネットワーク50によるネットワーク接続を行うことによって、ネットワークを構成する特定のノードに異常が生じた場合であっても、別のノードを中継したネットワークを構成することができる。したがって、通信が途絶することがない。
例えば、図2(a)のメッシュネットワーク50において、ノードK1が、ノードK2を介して、ノードK4と通信していた場合に、ノードK2が不具合によって動作しなくなったとする。このとき、ノードK1は、例えばノードK8とノードK7とを中継して、ノードK4との通信を継続することができる。なお、その他の経路、例えば、ノードK1−K8−K7−K6−K4を接続する経路によっても通信の継続が可能であるのは勿論である。いずれの経路で通信を継続するかは、そのときの電波状況に依存する。このように、メッシュネットワーク50にあっては、あるノードから送信された情報が、隣接する他のノードが中継を繰り返すことによって目的のノードまで伝達される。したがって、メッシュネットワーク50を用いることによって、障害に対する耐性を高くすることができる。すなわち、メッシュネットワーク50を用いることによって、故障に強いネットワークを構成することができる。
メッシュネットワーク50は、中継器であるアクセスポイントを介することなく、隣接するノード(機器)同士を直接接続する。したがって、例えば無線LAN接続と比較すると、接続可能なノード数をより多く設定することができる。すなわち、メッシュネットワーク50は、実施形態の保守システム1のように複数のPOS端末10を互いに接続するような場合に適したネットワーク構成である。さらに、メッシュネットワーク50を形成することによって、アクセスポイントを設置する必要がないため、ネットワークの設置コストを低く抑えることができる。
さらに、メッシュネットワーク50は、少なくとも隣接するノード間で通信することができればよいため、通信に要する消費電力が低いという特徴を有する。したがって、図1に示したメッシュネットワーク50は、例えば1日数回程度の定期的な頻度で、全てのPOS端末10の状態情報108を収集する用途に用いるのに適したネットワーク構成である。
一方、図2(b)は、比較例であるスター型ネットワーク51の構成例である。図2(b)に示すスター型ネットワーク51にあっては、各ノードK10〜K14は、アクセスポイントAPを介して接続される。このスター型ネットワーク51によっても、前述した、複数のPOS端末10の状態情報108を収集することは可能である。しかしながら、スター型ネットワーク51にあっては、アクセスポイントAPが故障した場合には全ての通信が途絶するため、メッシュネットワーク50と比べると、障害に対する耐性が低い。
(POS端末の構成の説明)
次に、POS端末10の構成について説明する。図3は、POS端末10の一例を示す外観斜視図である。POS端末10は、ドロワ11の上に載置される。そして、POS端末10は、ドロワ11の引出し12の開放動作を制御する。POS端末10は、上面にキーボード13を備える。キーボード13は、各種操作指示を入力するキーを備える。
POS端末10は、上面前方に第1表示部15を備える。第1表示部15は、表示面上にタッチパネルが積層された液晶表示装置(LCD)である。第1表示部15は、例えば、店舗の店員に向けて各種画面を表示する。
POS端末10は、上面後方に第2表示部16を備える。第2表示部16は、表示面上にタッチパネルが積層された液晶表示装置(LCD)である。第2表示部16は、例えば、顧客に向けて各種画面を表示する。
POS端末10は、上面左側にプリンタ17を備える。プリンタ17は、取引単位のレシートおよびジャーナルを印字発行する。また、POS端末10は、上面右側に設けられたカード読取溝に通されたカードからカード情報の読み取りや書き込みを実行するカードリーダライタ18を備える。
POS端末10は、さらに、手持ち式のスキャナ19を備える。スキャナ19は、顧客が持参した商品に付されたバーコード等のコードシンボルからコード情報を光学的に読み取る。
(POS端末のハードウェア構成の説明)
次に、保守システム1が有する各装置のハードウェア構成について説明する。図4は、POS端末10のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。POS端末10は、制御部101と、記憶部102と、通信インタフェース103と、第1表示部15と、第2表示部16と、キーボード13と、プリンタ17と、カードリーダライタ18と、スキャナ19とを備える。制御部101と、記憶部102と、通信インタフェース103と、第1表示部15と、第2表示部16と、キーボード13と、プリンタ17と、カードリーダライタ18と、スキャナ19とは、システムバス104を介して相互に接続している。
制御部101は、POS端末10の全体の動作を制御し、POS端末10が有する各種の機能を実現する。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。CPUは、POS端末10の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROMまたは記憶部102等に格納されたプログラムを実行する。
また、制御部101は、メッシュネットワーク50によって接続された他のPOS端末10から状態情報108を読み出して、自身の記憶部102に記憶する。さらに、制御部101は、メッシュネットワーク50によって接続された他のPOS端末10に対して、自身が記憶している状態情報108を送信する。すなわち、制御部101は、送受信手段として機能する。
さらに、制御部101は、店舗サーバ20または外部サーバ30からの要求を受けて、自身が記憶している状態情報108を、店舗サーバ20または外部サーバ30に対して出力する。すなわち、制御部101は出力手段として機能する。
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置で構成される。記憶部102は、制御プログラム107と、自身の状態情報108と、メッシュネットワーク50(図1)を介して収集した他のPOS端末10の状態情報108とを記憶する。すなわち、記憶部102は、共有手段として機能する。
制御プログラム107は、オペレーティングシステムや、POS端末10が備える機能を実現させるためのプログラムである。そして、制御プログラム107には、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるためのプログラムが含まれる。
状態情報108は、メンテナンス情報ファイル108aと、エラー情報ファイル108bと、ログ情報ファイル108cとを備える。各ファイルについて、詳しくは後述する。
通信インタフェース103は、POS端末10を隣接する別のPOS端末10と接続するためのインタフェースである。さらに、通信インタフェース103は、POS端末10とアクセスポイント40との間でWi−Fi(登録商標)通信を行うためのインタフェースである。
(店舗サーバのハードウェア構成の説明)
図5は、店舗サーバ20のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。店舗サーバ20は、制御部201と、記憶部202と、通信インタフェース203と、操作部204と、表示部205とを備える。制御部201と、記憶部202と、通信インタフェース203と、操作部204と、表示部205とは、システムバス206を介して相互に接続している。
制御部201は、店舗サーバ20の全体の動作を制御し、店舗サーバ20が有する各種の機能を実現する。制御部201は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、店舗サーバ20の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROMまたは記憶部202等に格納されたプログラムを実行する。
また、制御部201は、無線LAN52(図1)によって接続された任意のPOS端末10にアクセスすることによって、当該POS端末10に記憶された状態情報108を読み出して、自身の記憶部202に記憶する。すなわち、制御部201は、任意のPOS端末10にアクセスすることによって、全てのPOS端末10の状態情報108を読み出す。
さらに、制御部201は、LAN回線60(図1)および無線LAN52を介して、指定したPOS端末10のリモート操作を実行する。このリモート操作は、例えば、POS端末10がエラーによって動作を停止した際に、動作を復旧させるために利用する。
記憶部202(保管手段の一例)は、HDDやSSDなどの記憶装置を備える。記憶部202は、制御プログラム207と、全てのPOS端末10の状態情報208と、POS端末10にエラーが発生した際の対処内容を示した処置ファイル209とを記憶する。
制御プログラム207は、オペレーティングシステムや、店舗サーバ20が備える機能を実現させるためのプログラムである。制御プログラム207には、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるためのプログラムが含まれる。
状態情報208は、各POS端末10の記憶部102が記憶する全てのPOS端末10の状態情報108(図4)と同じ情報である。状態情報208は、メンテナンス情報ファイル208aと、エラー情報ファイル208bと、ログ情報ファイル208cとを備える。メンテナンス情報ファイル208aと、エラー情報ファイル208bと、ログ情報ファイル208cは、それぞれ、メンテナンス情報ファイル108aと、エラー情報ファイル108bと、ログ情報ファイル108cと同じ情報である。しかし、格納場所が異なるため、便宜上異なる符号を用いて表記する。なお、各ファイルの内容について、詳しくは後述する。
処置ファイル209は、保守システム1の保守対象であるPOS端末10に発生することが想定される障害の種別毎に、その障害への処置内容を示した一または複数の処置情報を記憶する。
通信インタフェース203は、店舗サーバ20を、LANネットワーク54(図1)を介してPOS端末10と接続するためのインタフェースである。さらに、通信インタフェース203は、店舗サーバ20を、LANネットワーク54およびインターネット56(図1)を介して外部サーバ30と接続するためのインタフェースである。
操作部204は、キーボードや、マウス等の入力装置である。操作部204は、店舗サーバ20に対する操作を受け付ける。
表示部205は、例えば、液晶表示装置(LCD)である。なお、表示部205は、液晶表示装置に限らず、有機EL表示装置等であってもよい。
(外部サーバのハードウェア構成の説明)
図6は、外部サーバ30のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。外部サーバ30は、制御部301と、記憶部302と、通信インタフェース303と、操作部304と、表示部305とを備える。制御部301と、記憶部302と、通信インタフェース303と、操作部304と、表示部305とは、システムバス306を介して相互に接続している。
制御部301は、外部サーバ30の全体の動作を制御し、外部サーバ30が有する各種の機能を実現する。制御部301は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、外部サーバ30の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROMまたは記憶部302等に格納されたプログラムを実行する。
また、制御部301は、WAN回線62(図1)および無線LAN52によって接続された任意のPOS端末10にアクセスすることによって、当該POS端末10に記憶された状態情報108を読み出して、自身の記憶部302に記憶する。すなわち、制御部301は、任意のPOS端末10にアクセスすることによって、全てのPOS端末10の状態情報108を読み出す。なお、制御部301は、WAN回線62およびLAN回線60によって接続された店舗サーバ20から状態情報208を読み出してもよい。
さらに、制御部301は、WAN回線62、無線LAN52およびメッシュネットワーク50を介して、指定したPOS端末10のリモート操作を実行する。このリモート操作は、例えば、POS端末10がエラーによって動作を停止した際に、動作を復旧させるために利用する。
記憶部302(保管手段の一例)は、HDDやSSDなどの記憶装置を備える。記憶部302は、制御プログラム307と、全てのPOS端末10の状態情報308と、POS端末10にエラーが発生した際の対処内容を示した処置ファイル309とを記憶する。
制御プログラム307は、オペレーティングシステムや、外部サーバ30が備える機能を実現させるためのプログラムである。なお、制御プログラム307は、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるためのプログラムを含む。
状態情報308は、各POS端末10の記憶部102が記憶する全てのPOS端末10の状態情報108(図4)と同じ情報である。また、状態情報208は、店舗サーバ20の記憶部202が記憶する状態情報208と同じ情報である。状態情報308は、メンテナンス情報ファイル308aと、エラー情報ファイル308bと、ログ情報ファイル308cとを備える。メンテナンス情報ファイル308aと、エラー情報ファイル308bと、ログ情報ファイル308cは、それぞれ、メンテナンス情報ファイル(108a、208a)と、エラー情報ファイル(108b、208b)と、ログ情報ファイル(108c、208c)と同じ情報である。しかし、格納場所が異なるため、便宜上異なる符号を用いて表記する。なお、各ファイルの内容について、詳しくは後述する。
処置ファイル309は、保守システム1の保守対象であるPOS端末10に発生することが想定される障害の種別毎に、その障害への処置内容を示した一または複数の処置情報を記憶する。
(メンテナンス情報のデータ構成の説明)
POS端末10のメンテナンス情報は、POS端末10の設定変更、POS端末10の制御プログラム107の更新(ファームウェア更新)等を含む。これらのメンテナンス情報は、前述したように、メンテナンス情報ファイル(108a、208a、308a)として記憶部(102、202、302)に記憶される。なお、POS端末10の制御部101は、メッシュネットワーク50(図1)で接続された他のPOS端末10の記憶部102に記憶されたメンテナンス情報ファイル108aを読み出す。そして、制御部101は、読み出したメンテナンス情報ファイル108aを、読み出した側のPOS端末10の記憶部102に、メンテナンス情報ファイル108aとして記憶する。
図7は、メンテナンス情報ファイル108a(208a、308a)の構成の一例を示す図である。メンテナンス情報ファイル108a(208a、308a)は、保守対象の装置であるPOS端末10に対して行われたメンテナンスの履歴を記憶する。メンテナンス情報ファイル108a(208a、308a)は、日時と、装置コードと、メンテナンス内容とを関連付けて記憶する。日時は、メンテナンスを行った日時を示す。装置コードは、メンテナンスを行ったPOS端末10を特定する識別子である。メンテナンス内容は、行ったメンテナンスの内容を示す情報である。
(エラー情報のデータ構成の説明)
POS端末10にエラーが発生したとき、POS端末10の制御部101は、発生したエラー履歴を記録したエラー情報を受信する。そして、POS端末10の制御部101は、受信したエラー情報を、エラー情報の一例であるエラー情報ファイル(108b、208b、308b)として記憶部(102、202、302)に記憶する。なお、POS端末10の制御部101は、メッシュネットワーク50(図1)で接続された他のPOS端末10の記憶部102に記憶されたエラー情報ファイル108bを読み出す。そして、制御部101は、読み出したエラー情報ファイル108bを、読み出した側のPOS端末10の記憶部102に、エラー情報ファイル108bとして記憶する。
POS端末10のエラー情報は、例えば、POS端末10自身のエラー情報をはじめ、POS端末10の周辺機器に発生したエラーであるキーボードエラー、プリンタエラー、カード読み取りエラー、スキャナ読み取りエラー等を含む。
図8は、POS端末10が状態情報として収集したエラー情報の構成の一例を示す図である。エラー情報は、エラー情報ファイル(108b、208b、308b)に格納される。エラー情報ファイル(108b、208b、308b)は、保守対象の装置であるPOS端末10に発生したエラーに関する各種情報を記憶する。エラー情報ファイル(108b、208b、308b)は、日時と、装置コードと、部品コードと、エラーコードと、緊急度と、ログ保存場所と、エラー内容と、状態と、原因と、処置とを関連付けて記憶する。日時は、エラーを検出した日時やエラーから復旧した日時等を示す。装置コードは、エラーが発生したPOS端末10を特定する識別子である。部品コードは、エラーが発生したPOS端末10において、エラーが発生した部品を示す識別子である。エラーコードは、発生したエラー内容を示す番号である。緊急度は、発生したエラーに対して急いで処置すべき度合いを示す情報である。ログ保存場所は、エラーが発生した際に生成されたログの保存場所を示す情報である。エラー内容は、発生したエラーの内容を示す情報である。状態は、エラーが発生したPOS端末10の状態を示す情報である。原因は、POS端末10にエラーが発生した原因を示す情報である。処置は、発生したエラーに対する処置内容を示す。
(ログ情報のデータ構成の説明)
POS端末10は、稼働した際に、稼働状態をログ情報として生成する。そして、POS端末10は、生成したログ情報を、ログ情報の一例であるログ情報ファイル(108c、208c、308c)として記憶部(102、202、302)に記憶する。なお、POS端末10の制御部101は、メッシュネットワーク50(図1)で接続された他のPOS端末10の記憶部102に記憶されたログ情報ファイル108cを読み出す。そして、制御部101は、読み出したログ情報ファイル108cを、読み出した側のPOS端末10の記憶部102に、ログ情報ファイル108cとして記憶する。
図9は、POS端末10が状態情報として収集したログ情報の構成の一例を示す図である。ログ情報は、ログ情報ファイル(108c、208c、308c)に格納される。ログ情報ファイル(108c、208c、308c)は、各記憶部102、202、302に形成されたフォルダの中に格納される。ログ情報ファイル(108c、208c、308c)は、日時と、装置コードと、ログ内容とを含む。日時は、ログが発生した日時を示す。装置コードは、ログが発生したPOS端末10を特定する識別子である。ログ内容は、POS端末10が実際に行った実行内容、およびPOS端末10がプリンタ17やカードリーダライタ18等の入出力機器と送受信した内容を示す。ログ内容は、ログファイルとして記憶される。
(処置ファイルの構成の説明)
図10は、処置ファイル(209、309)の構成の一例を示す図である。処置ファイル(209、309)は、保守システム1の保守対象であるPOS端末10に発生することが想定されるエラーの種別毎に、各エラーへの処置内容を示した一または複数の処置情報を記憶する。処置ファイル(209、309)は、エラーコードと、処置情報とを関連付けて記憶する。エラーコードは、エラー内容の種別を識別可能な識別情報である。ここで、エラーには、問題が発生したことを示すエラーや、不適切な状態になったことを示すワーニング等が含まれる。さらに詳しくは、エラーは、HDDが故障して情報を読み出すことができなくなったことを示すエラーや、プリンタ17の用紙が無くなったことを示すエラーや、プリンタ17の用紙の残量が少なくなったことを示すワーニング等である。処置情報は、エラーから復旧するための処置内容が示された情報である。さらに詳しくは、処置情報は、保守対象であるPOS端末10をリモート操作するリモート操作情報である。店舗サーバ20または外部サーバ30は、リモート操作情報をPOS端末10に送信して、リモート操作することによりエラーから復旧させる。また、処置情報は、エラーから復旧させる処置内容が示された画像情報である。すなわち、店舗サーバ20または外部サーバ30は、エラーから復旧させる処置内容が示された画像情報をPOS端末10に表示させて、画像情報が示す処置内容を手動で実行させることにより、POS端末10をエラーから復旧させる。
(保守システムの機能構成の説明)
次に、保守システム1の機能構成について説明する。図11は、保守システム1の機能構成を示す機能ブロック図である。
POS端末10の制御部101は、記憶部102に記憶された制御プログラム107をRAMに展開し、制御プログラム107に従って動作することで、図11に示す各機能部をRAMに生成する。具体的には、POS端末10の制御部101は、機能部として、通信制御部1001と、自己診断部1002と、状態情報受信部1003と、リモート操作制御部1004と、表示制御部1005と、売上登録部1006とを備える。
通信制御部1001は、通信インタフェース103を制御して、メッシュネットワーク50を介して接続された他のPOS端末10と通信を行う。また、通信制御部1001は、通信インタフェース103を制御して、無線LAN52およびLAN回線60を介して接続された店舗サーバ20と通信を行う。さらに、通信制御部1001は、通信インタフェース103を制御して、無線LAN52およびWAN回線62を介して接続された外部サーバ30と通信を行う。
自己診断部1002は、POS端末10自身の状態を診断する自己診断機能を制御する。さらに、自己診断部1002は、自己診断機能においてPOS端末10が備える各部品についても状態を診断する。例えば、自己診断部1002は、POS端末10自身およびPOS端末10を構成する部品について、全部または一部の機能が使用不可となっているか否かを判定する。または、自己診断部1002は、POS端末10およびPOS端末10を構成する部品の使用時間や使用回数等を計測する。または、自己診断部1002は、POS端末10およびPOS端末10を構成する部品の温度や湿度等の状態を計測する。具体的には、自己診断部1002は、POS端末10およびPOS端末10を構成する部品のプログラム等が応答しない状態になっているか否かを判定する。または、自己診断部1002は、プリンタ17の用紙の残量や、スキャナ19がコードシンボルを正常に読み取れるか等を診断する。または、自己診断部1002は、HDDやSSD等である記憶部102の使用時間や使用回数を計測する。または、自己診断部1002は、HDDやSSD等である記憶部102が設置された空間の温度や湿度を計測する。
自己診断部1002は、自己診断機能の実行結果としてPOS端末10自身の状態を示す、前述した状態情報108を生成する。
また、自己診断部1002は、障害に対する処置が実行されたことを条件として、自己診断を実行する。そして、自己診断が終了した後で、状態情報108(エラー情報ファイル108b)を生成する。これは、障害に対する処置を実行することによって、障害から復旧したことを確認するためである。
状態情報受信部1003は、メッシュネットワーク50を介して接続された他のPOS端末10から状態情報108を受信する。
リモート操作制御部1004は、POS端末10を外部からリモート操作するリモート操作情報を受信したことを条件に、リモート操作情報に応じた処理を実行する。リモート操作情報に応じた処理とは、例えば、POS端末10自身を再起動させる処理である。または、リモート操作情報に応じた処理とは、POS端末10自身を初期状態に移行させる処理である。または、リモート操作情報に応じた処理とは、POS端末10自身の設定を変更する処理である。
表示制御部1005は、第1表示部15および第2表示部16を制御して各種画面を表示させる。
売上登録部1006は、販売データ処理を制御する。販売データ処理とは、販売対象の商品等を登録する処理や、商品の合計金額等を算出する処理である。
店舗サーバ20の制御部201は、記憶部202に記憶された制御プログラム207をRAMに展開し、制御プログラム207に従って動作することで、図11に示す各機能部をRAMに生成する。具体的には、店舗サーバ20の制御部201は、機能部として、通信制御部2001と、保守制御部2002と、表示制御部2003とを備える。
通信制御部2001は、通信インタフェース203を制御して、LAN回線60および無線LAN52を介して接続されたPOS端末10と通信を行う。また、通信制御部2001は、通信インタフェース203を制御して、LAN回線60およびWAN回線62を介して接続された外部サーバ30と通信を行う。
保守制御部2002は、通信制御部2001がPOS端末10から状態情報108を受信したことを条件に、受信した状態情報108を状態情報208として記憶する。この処理によって、全てのPOS端末10の状態情報108が、状態情報208として店舗サーバ20に記憶される。
また、保守制御部2002は、通信制御部2001がPOS端末10から受信した状態情報108の中に、エラーが発生したことを示すエラー情報が含まれているかを判定する。具体的には、状態情報108の中のエラー情報ファイル108bの内容を参照することによって、エラーが発生したかを判定する。そして、保守制御部2002は、状態情報108の中にエラー情報が含まれていることを条件に、発生したエラーを解決するための保守制御を実行する。
表示制御部2003は、表示部205(図5)を制御して各種画面を表示させる。例えば、表示制御部2003は、表示部205に処置画面2100を表示させる。図12は、プリンタ17に発生したエラーを復旧させる方法を示した処置画面2100の一例を示す図である。保守システム1の管理者は、処置画面2100に示された内容を確認および実行することにより、プリンタ17をエラーから復旧させる。なお、図12に示す処置画面2100は、処置内容を文字によって示しているが、これに限るものではない。すなわち、処置画面2100は、図形や、静止画や、動画等を含んでいてもよい。さらに、画面表示のみならず、音声によって処置内容を示してもよい。
外部サーバ30の制御部301は、記憶部302に記憶された制御プログラム307をRAMに展開し、制御プログラム307に従って動作することで、図11に示す各機能部をRAMに生成する。具体的には、外部サーバ30の制御部301は、機能部として、通信制御部3001と、保守制御部3002と、表示制御部3003とを備える。
通信制御部3001は、通信インタフェース303を制御して、WAN回線62およびLAN回線60を介して接続された店舗サーバ20と通信を行う。また、通信制御部3001は、通信インタフェース303を制御して、WAN回線62および無線LAN52を介して接続されたPOS端末10と通信を行う。
保守制御部3002は、通信制御部3001がPOS端末10から状態情報108を受信したことを条件に、受信した状態情報108を状態情報308として記憶する。この処理によって、全てのPOS端末10の状態情報108が、状態情報308として外部サーバ30に記憶される。
また、保守制御部3002は、通信制御部3001がPOS端末10から受信した状態情報108の中に、エラーが発生したことを示すエラー情報が含まれているかを判定する。具体的には、状態情報108の中のエラー情報ファイル108bの内容を参照することによって、エラーが発生したかを判定する。そして、保守制御部3002は、状態情報108の中にエラー情報が含まれていることを条件に、発生したエラーを解決するための保守制御を実行する。
表示制御部3003は、表示部305(図6)を制御して各種画面を表示させる。例えば、表示制御部3003は、表示部305に処置画面3100を表示させる。図12は、プリンタ17に発生したエラーを復旧させる方法を示した処置画面3100の一例を示す図であり、前述した表示部205に表示される処置画面2100と同じ画面である。
なお、図11に示すように、店舗サーバ20と外部サーバ30とは、同様の機能構成を有している。したがって、店舗サーバ20と外部サーバ30とのいずれからでも、POS端末10の状態を確認することができる。また、POS端末10にエラーが発生した際に、店舗サーバ20と外部サーバ30とのいずれからでも、エラーを解消するための保守制御を実行することができる。したがって、保守システム1の管理者は、店舗サーバ20と外部サーバ30とのうち、作業しやすいサーバから、必要な保守管理を行えばよい。
(POS端末と店舗サーバが実行する処理の流れの説明)
次に、保守システム1が実行する処理について説明する。なお、説明を簡単にするため、まず、保守システム1を構成するPOS端末10と店舗サーバ20とが連携して行う処理の流れの一例について説明し、次に、保守システム1を構成するPOS端末10と外部サーバ30とが連携して行う処理の流れについて説明する。
図13は、本実施形態の保守システム1を構成するPOS端末10と店舗サーバ20が連携して行う処理の一連の流れの一例を示すフローチャートである。まず、POS端末10が行う処理について説明する。
POS端末10の自己診断部1002は、前回の自己診断の実施から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS10)。自己診断部1002は、前回の自己診断の実施から所定時間が経過した場合(ステップS10:Yes)はステップS12に進む。一方、自己診断部1002は、前回の自己診断の実施から所定時間が経過していない場合(ステップS10:No)はステップS10を繰り返す。
自己診断部1002は、POS端末10の自己診断を実行する(ステップS12)。
自己診断部1002は、自己診断の結果に基づいて、状態情報108を生成する(ステップS14)。
状態情報受信部1003は、メッシュネットワーク50を介して、他のPOS端末10の状態情報108を受信する(ステップS16)。
POS端末10は、受信した状態情報108を記憶部102に記憶する(ステップS18)。
POS端末10は、店舗サーバから状態情報108の出力要求があるかを判定する(ステップS20)。状態情報108の出力要求がある場合(ステップS20:Yes)はステップS22に進み、それ以外の場合(ステップS20:No)はステップS20を繰り返す。
次に、通信制御部1001は、状態情報108を店舗サーバ20に送信する(ステップS22)。
通信制御部1001は、後述するステップS50において店舗サーバ20から送信された処置情報を受信する。そして、表示制御部1005は、受信した処置情報を第1表示部15に表示する(ステップS24)。
POS端末10の制御部101は、受信した処置情報に基づく処置を実行する(ステップS26)。なお、店舗サーバ20が、POS端末10のリモート操作制御部1004をリモート操作することによって、処置情報に基づく処置を実行してもよい。
自己診断部1002は、POS端末10の自己診断を実行する(ステップS28)。
自己診断部1002は、自己診断の結果に基づいて、状態情報108を生成する(ステップS30)。
状態情報受信部1003は、メッシュネットワーク50を介して、他のPOS端末10の状態情報108を受信する(ステップS32)。
POS端末10は、受信した状態情報108を記憶部102に記憶する(ステップS34)。
POS端末10は、店舗サーバから状態情報108の出力要求があるかを判定する(ステップS36)。状態情報108の出力要求がある場合(ステップS36:Yes)はステップS38に進み、それ以外の場合(ステップS36:No)はステップS36を繰り返す。
次に、通信制御部1001は、状態情報108を店舗サーバ20に送信する(ステップS38)。その後、POS端末10は、図13の処理を終了する。なお、このときにステップS10に戻って、前述した一連の処理を繰り返して実行しても構わない。
次に、店舗サーバ20が行う処理について説明する。まず、店舗サーバ20の通信制御部2001は、POS端末10に対して、状態情報108の出力を要求する(ステップS40)。
店舗サーバ20の通信制御部2001は、ステップS22においてPOS端末10が送信した状態情報108を受信する(ステップS42)。
店舗サーバ20は、受信した状態情報108を状態情報208として記憶部202に記憶する(ステップS44)。
店舗サーバ20の保守制御部2002は、状態情報208にエラーコードが含まれているかを判定する(ステップS46)。そして、状態情報208にエラーコードが含まれている場合(ステップS46:Yes)はステップS48に進む。一方、状態情報208にエラーコードが含まれていない場合(ステップS46:No)はステップS60に進む。
保守制御部2002は、処置ファイル209の中からエラーコードに応じた処置内容を抽出する(ステップS48)。
店舗サーバ20の通信制御部2001は、処置ファイル209から読み出した処理内容を、処置情報としてPOS端末10に送信する(ステップS50)。
次に、店舗サーバ20の通信制御部2001は、POS端末10に対して、状態情報108の出力を要求する(ステップS52)。
通信制御部2001は、ステップS38においてPOS端末10が送信した状態情報108を受信する(ステップS54)。
店舗サーバ20は、受信した状態情報108を状態情報208として記憶部202に記憶する(ステップS56)。
保守制御部2002は、状態情報208にエラーコードが含まれていないか、すなわちPOS端末10がエラーから復旧したかを判定する(ステップS58)。そして、状態情報208にエラーコードが含まれていない場合(ステップS58:Yes)、すなわちPOS端末10がエラーから復旧した場合はステップS60に進む。一方、状態情報208にエラーコードが含まれている場合(ステップS58:No)、すなわちPOS端末10がエラーから復旧していない場合はステップS48に戻る。
店舗サーバ20は、状態情報208の閲覧要求があるかを確認する(ステップS60)。状態情報208の閲覧要求がある場合(ステップS60:Yes)は、ステップS62に進む。一方、状態情報208の閲覧要求がない場合(ステップS60:No)は、店舗サーバ20は、図13の処理を終了する。なお、ステップS60において、状態情報208の閲覧要求がないとき(ステップS60:No)に、ステップS40に戻って、前述した一連の処理を繰り返して実行しても構わない。
店舗サーバ20の表示制御部2003は、POS端末10の状態情報208を、表示部205に表示する(ステップS62)。POS端末10の管理者は、表示部205に表示された状態情報208を確認して、必要に応じてPOS端末10の状況の確認を行う等の管理を行う。その後、店舗サーバ20は、図13の処理を終了する。なお、ステップS62を実行した後で、ステップS40に戻って、前述した一連の処理を繰り返して実行しても構わない。
(POS端末と外部サーバが実行する処理の流れの説明)
次に、図14を用いて、保守システム1を構成するPOS端末10と外部サーバ30とが連携して行う処理の流れについて説明する。図14は、本実施形態の保守システム1を構成するPOS端末10と外部サーバ30が連携して行う処理の一連の流れの一例を示すフローチャートである。
POS端末10が行う処理の流れは、図13で説明した一連の処理の流れと同じであるため、説明を省略して、外部サーバ30が行う処理の流れについてのみ説明する。
まず、外部サーバ30の通信制御部3001は、POS端末10に対して、状態情報108の出力を要求する(ステップS70)。
外部サーバ30の通信制御部3001は、ステップS22において店舗サーバ20が送信した状態情報208を受信する(ステップS72)。
外部サーバ30は、受信した状態情報208を状態情報308として記憶部302に記憶する(ステップS74)。
外部サーバ30の保守制御部3002は、状態情報208にエラーコードが含まれているかを判定する(ステップS76)。そして、状態情報208にエラーコードが含まれている場合(ステップS76:Yes)はステップS78に進む。一方、状態情報208にエラーコードが含まれていない場合(ステップS76:No)はステップS90に進む。
保守制御部3002は、処置ファイル309の中からエラーコードに応じた処置内容を抽出する(ステップS78)。
外部サーバ30の通信制御部3001は、処置ファイル309から読み出した処理内容を、処置情報としてPOS端末10に送信する(ステップS80)。
次に、外部サーバ30の通信制御部3001は、POS端末10に対して、状態情報108の出力を要求する(ステップS82)。
通信制御部3001は、ステップS38においてPOS端末10が送信した状態情報108を受信する(ステップS84)。
外部サーバ30は、受信した状態情報108を状態情報308として記憶部302に記憶する(ステップS86)。
保守制御部3002は、状態情報308にエラーコードが含まれていないか、すなわちPOS端末10がエラーから復旧したかを判定する(ステップS88)。そして、状態情報208にエラーコードが含まれていない場合(ステップS88:Yes)、すなわちPOS端末10がエラーから復旧した場合はステップS90に進む。一方、状態情報308にエラーコードが含まれている場合(ステップS88:No)、すなわちPOS端末10がエラーから復旧していない場合はステップS78に戻る。
外部サーバ30は、状態情報308の閲覧要求があるかを確認する(ステップS90)。状態情報308の閲覧要求がある場合(ステップS90:Yes)は、ステップS92に進む。一方、状態情報308の閲覧要求がない場合(ステップS90:No)は、外部サーバ30は、図14の処理を終了する。なお、ステップS90において、状態情報308の閲覧要求がないとき(ステップS90:No)に、ステップS70に戻って、前述した一連の処理を繰り返して実行しても構わない。
外部サーバ30の表示制御部3003は、POS端末10の状態情報308を、表示部305に表示する(ステップS92)。POS端末10の管理者は、表示部305に表示された状態情報308を確認して、必要に応じて店舗に出向いて、POS端末10の状況の確認を行う等の管理を行う。その後、外部サーバ30は、図14の処理を終了する。なお、ステップS92を実行した後で、ステップS70に戻って、前述した一連の処理を繰り返して実行しても構わない。
なお、図13または図14のフローチャートにおいて、店舗サーバ20と外部サーバ30とは、必要に応じて、互いが記憶している状態情報(208、308)を送受信して共有してもよい。
以上説明したように、実施形態に係る通信装置を備えたPOS端末10の保守システム1によれば、制御部101(送受信手段)が、メッシュネットワーク50を介して互いに無線接続された、複数のPOS端末10(情報処理装置)の各々の状態を示す状態情報108を互いに送受信して、記憶部102(共有手段)が、各POS端末10の状態情報108を共有する。そして、店舗サーバ20の制御部201、または外部サーバ30の制御部301が、いずれかのPOS端末10と通信を行うことによって、制御部101(出力手段)は、状態情報108を店舗サーバ20または外部サーバ30に対して出力する。したがって、POS端末10が設置された現場に出向くことなく、保守対象である全てのPOS端末10の状態情報108を確実に把握することができ、これによって、POS端末10の保守・管理を効率的に行うことができる。さらに、保守対象である複数のPOS端末10は、メッシュネットワーク50を介して無線接続されているため、一部のメッシュネットワーク50が不通になった場合であっても、全てのPOS端末10の状態を確実に把握することができる。
また、実施形態に係る通信装置を備えたPOS端末10の保守システム1によれば、状態情報108は、POS端末10(情報処理装置)のメンテナンス情報と、エラー情報と、ログ情報とのうち、少なくとも一つである。したがって、全てのPOS端末10(情報処理装置)の稼働状態を確実に把握することができる。
さらに、実施形態に係る通信装置を備えたPOS端末10の保守システム1によれば、複数のPOS端末10(情報処理装置)のうちいずれかのPOS端末10にエラーが発生したことを条件として、エラーが発生したPOS端末10は、自身に対する再起動指示と、初期状態への移行指示と、設定変更指示と、のうち少なくとも一つの指示を受け付ける。したがって、現場に出向くことなく、必要な復旧措置を講じることができる。
そして、実施形態に係る通信装置を備えたPOS端末10の保守システム1によれば、複数のPOS端末10(情報処理装置)は、前記指示に対応する処理を行ったことを条件として、状態情報108を生成する。したがって、エラーから復旧したことを迅速に確認することができる。
また、実施形態に係る通信装置を備えたPOS端末10の保守システム1によれば、前記指示は、LAN回線60(専用回線)またはWAN回線62(公衆回線)を介して行われる。したがって、店舗内または店舗外のいずれからでも、POS端末10の保守管理を行うことができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態のPOS端末10と、店舗サーバ20と、外部サーバ30とが実行する制御プログラム(107、207、307)は、POS端末10、店舗サーバ20、外部サーバ30がそれぞれ備える記憶部(102、202、302)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らない。例えば、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態のPOS端末10と、店舗サーバ20と、外部サーバ30とが実行する制御プログラム(107、207、307)を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納して、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。