以下、図面を参照して、実施形態に係る情報処理装置、及びプログラムについて詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、情報処理装置、及びプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入された保守システムへの適用例である。
図1は、実施形態に係る保守システム1の一例を示す斜視図である。保守システム1は、一又は複数の店舗において使用されている各装置を保守するシステムである。保守システム1は、複数のPOS端末10と、店舗サーバ20と、保守サーバ30とを備える。保守サーバ30と店舗サーバ20とは、インターネットやVPN(Virtual Private Network)等のネットワーク40を介して接続されている。POS端末10と店舗サーバ20とは、店舗内ネットワーク50を介して接続されている。店舗内ネットワーク50は、各装置が相互に通信することにより網目上の通信経路を形成するメッシュ型のネットワークである。店舗内ネットワーク50は、ある装置から送信された情報を他の装置が中継することを繰り返し行うことにより目的の装置に情報を送信することができる。このように、店舗内ネットワーク50は、各装置が情報を中継するため、装置が故障したとしても替わりの通信経路を確保することができる故障に強いネットワークである。なお、図1に示す保守システム1は、複数台のPOS端末10と、一台の店舗サーバ20と、一台の保守サーバ30とを備えているが、各装置の台数はこれに限らない。また、本実施形態に係る保守システム1は、POS端末10を保守の対象装置としているが、保守の対象装置はPOS端末10以外の装置であってもよい。
POS端末10は、保守対象の装置である。POS端末10は、一取引に係る販売対象の商品を登録する登録処理等を実行する。また、POS端末10は、自己診断機能を備えている。自己診断機能とは、POS端末10自身の状態を診断する機能である。POS端末10は、自己診断の実行結果として、POS端末10自身の状態を示す状態情報を生成する。そして、POS端末10は、状態情報を保守サーバ30に送信する。
店舗サーバ20は、例えば店舗に設定される。店舗サーバ20は、店舗に設置されたPOS端末10を管理する。店舗サーバ20は、POS端末10と保守サーバ30との間の通信を中継する。例えば、店舗サーバ20は、POS端末10の各々から受信した状態情報を保守サーバ30に送信する。
保守サーバ30は、例えば保守対象の各装置の点検や修理等の保守を行うサービスマンが駐在する保守センターに設置される。保守サーバ30は、POS端末10の保守に用いられる情報処理装置である。保守サーバ30は、POS端末10から受信した状態情報を解析して、POS端末10の保守に用いる。例えば、保守サーバ30は、POS端末10をリモート操作することによりPOS端末10を保守する。または、保守サーバ30は、POS端末10の保守方法が示された画像情報等を出力する。
次に、POS端末10について説明する。図2は、POS端末10の外観の一例を示す外観斜視図である。POS端末10は、ドロワ11の上に載置される。そして、POS端末10は、ドロワ11の引出し12の開放動作を制御する。POS端末10は、上面右側にキーボード13を備える。キーボード13は、各種操作を入力するキーを備える。
POS端末10は、表示装置60(図3参照)を内蔵している。表示装置60は、キーボード13の上面右側に表示部61を備える。表示部61は、例えば液晶表示装置(LCD)である。表示部61は、保守サーバ30から送信された画像を表示する。なお、表示装置60は、POS端末10に内蔵されているが、POS端末10の制御から独立して各種画面を表示する。すなわち、表示装置60は、POS端末10において障害が発生している状態であっても、各種画面を表示することができる。
第1表示部15は、表示面上にタッチパネルが積層された液晶表示装置(LCD)である。第1表示部15は、例えば、店舗の店員に向けて各種画面を表示する。POS端末10は、上面後方に第2表示部16を備える。第2表示部16は、表示面上にタッチパネルが積層された液晶表示装置(LCD)である。第2表示部16は、例えば、顧客に向けて各種画面を表示する。
POS端末10は、上面左側にプリンタ17を備える。プリンタ17は、取引単位のレシート及びジャーナルを印字発行する。POS端末10は、表示装置60の右側に設けられたカード読取溝に通されたカードからカード情報の読み取りや書き込みを実行するカードリーダライタ18を備える。
POS端末10は、手持ち式のスキャナ19を備える。スキャナ19は、顧客が持参した商品に付されたバーコード等のコードシンボルからコード情報を光学的に読み取る。
次に、保守システム1が有する各種装置のハードウェア構成について説明する。
図3は、POS端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。POS端末10は、制御部101と、記憶部102と、通信インタフェース103と、スキャナ19と、キーボード13と、第1表示部15と、第2表示部16と、プリンタ17と、カードリーダライタ18とを備える。制御部101と、記憶部102と、通信インタフェース103と、スキャナ19と、キーボード13と、第1表示部15と、第2表示部16と、プリンタ17と、カードリーダライタ18とは、システムバス104を介して相互に接続している。
制御部101は、POS端末10の全体の動作を制御し、POS端末10が有する各種の機能を実現する。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。CPUは、POS端末10の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部102等に格納されたプログラムを実行する。
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部102は、制御プログラム105を記憶する。制御プログラム105は、オペレーティングシステムや、POS端末10が備えている機能を実現させるためのプログラムである。そして、制御プログラム105には、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるためのプログラムが含まれる。
通信インタフェース103は、店舗内ネットワーク50と接続するためのインタフェースである。
また、POS端末10が備える表示装置60は、制御部601と、記憶部602と、通信インタフェース603と、表示部61とを備える。制御部601と、記憶部602と、通信インタフェース603と、表示部61とは、システムバス604を介して相互に接続している。図3に示すように表示装置60は、制御部101と接続されておらず、独立している。
制御部601は、表示装置60の全体の動作を制御し、表示装置60が有する各種の機能を実現する。制御部601は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、表示装置60の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部602等に格納されたプログラムを実行する。
記憶部602は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部602は、制御プログラム605を記憶する。制御プログラム605は、オペレーティングシステムや、表示装置60が備えている機能を実現させるためのプログラムである。そして、制御プログラム605には、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるためのプログラムが含まれる。
通信インタフェース603は、店舗内ネットワーク50と接続するためのインタフェースである。
図4は、店舗サーバ20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。店舗サーバ20は、制御部201と、記憶部202と、通信インタフェース203と、操作部204と、表示部205とを備える。制御部201と、記憶部202と、通信インタフェース203と、操作部204と、表示部205とは、システムバス206を介して相互に接続している。
制御部201は、店舗サーバ20の全体の動作を制御し、店舗サーバ20が有する各種の機能を実現する。制御部201は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、店舗サーバ20の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部202等に格納されたプログラムを実行する。
記憶部202は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部202は、制御プログラム207を記憶する。制御プログラム207は、オペレーティングシステムや、店舗サーバ20が備えている機能を実現させるためのプログラムである。そして、制御プログラム207には、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるためのプログラムが含まれる。
通信インタフェース203は、ネットワーク40又は店舗内ネットワーク50と接続するためのインタフェースである。
操作部204は、キーボードや、マウス等の入力装置である。操作部204は、店舗サーバ20に対する操作を受け付ける。
表示部205は、例えば、液晶表示装置(LCD)である。なお、表示部205は、液晶表示装置に限らず、有機EL表示装置等であってもよい。
図5は、保守サーバ30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。保守サーバ30は、制御部301と、記憶部302と、通信インタフェース303と、操作部304と、表示部305とを備える。制御部301と、記憶部302と、通信インタフェース303と、操作部304と、表示部305とは、システムバス306を介して相互に接続している。
制御部301は、保守サーバ30の全体の動作を制御し、保守サーバ30が有する各種の機能を実現する。制御部301は、CPUと、ROMと、RAMとを備える。CPUは、保守サーバ30の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。そして、CPUは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部302等に格納されたプログラムを実行する。
記憶部302は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部302は、制御プログラム307と、装置テーブル308と、処置テーブル309と、障害傾向テーブル310と、障害管理テーブル311とを記憶する。制御プログラム307は、オペレーティングシステムや、保守サーバ30が備えている機能を実現させるためのプログラムである。そして、制御プログラム307には、本実施形態に係る特徴的な機能を実現させるためのプログラムが含まれる。
図6は、装置テーブル308のデータ構成の一例を示す説明図である。装置テーブル308は、保守対象の装置の状態を記憶する。装置テーブル308は、装置コードと、部品コードと、使用状態と、環境状態とを関連付けて記憶する。装置コードは、保守対象の装置を識別可能な識別情報である。部品コードは、保守対象の装置及び保守対象の装置を構成する部品を識別可能な識別情報である。ここで、部品は、POS端末10の一部に限らず、POS端末10に有線又は無線で接続された周辺装置等が含まれる。使用状態は、保守対象の装置及び保守対象の装置を構成する部品の使用状態を示す情報である。使用状態は、使用時間と、使用回数とを関連付けて記憶する。使用時間は、使用された時間の累積を示す情報である。使用回数は、使用された回数の累積を示す情報である。環境状態は、保守対象の装置及び保守対象の装置を構成する部品の使用環境を示す情報である。環境状態は、平均温度と、平均湿度と、温度と、湿度とを関連付けて記憶する。平均温度は、温度の平均値を示す情報である。平均湿度は、設置されている環境の湿度の平均値を示す情報である。温度は、温度を示す情報である。湿度は、設置されている環境の湿度を示す情報である。なお、装置テーブル308は、温度や湿度の平均値に限らず、中央値等を記憶していてもよい。
図7は、処置テーブル309のデータ構成の一例を示す説明図である。処置テーブル309は、保守対象の装置に発生することが想定される障害の種別ごとに、その障害への処置内容を示した一又は複数の処置情報を記憶する。処置テーブル309は、障害コードと、処置情報とを関連付けて記憶する。障害コードは、障害内容の種別を識別可能な識別情報である。ここで、障害には、問題が発生したことを示すエラーや、不適切な状態になったことを示すワーニング等が含まれる。さらに詳しくは、障害は、HDDが故障して情報を読み出すことができなくなったことを示すエラーや、プリンタ17の用紙が無くなったことを示すエラーや、プリンタ17の用紙の残量が少なくなったことを示すワーニング等である。処置情報は、障害から復旧するための処置内容が示された情報である。さらに詳しくは、処置情報は、保守対象の装置をリモート操作するリモート操作情報である。保守サーバ30は、リモート操作情報を保守対象の装置に送信して、リモート操作することにより障害から復旧させる。または、処置情報は、障害から復旧させる処置内容が示された画像情報である。すなわち、保守サーバ30は、障害から復旧させる処置内容が示された画像情報を表示させて、画像情報が示す処置内容を手動で実行させることにより障害から復旧させる。
図8は、障害傾向テーブル310のデータ構成の一例を示す説明図である。障害傾向テーブル310は、障害の発生時における装置の状態を記憶する。障害傾向テーブル310は、障害コードと、使用状態と、環境状態とを関連付けて記憶する。障害コードは、対象の障害を示す障害コードである。使用状態は、保守対象の装置又は保守対象の装置を構成する部品の障害時の使用状態を示す情報である。使用状態は、障害時使用時間と、障害時使用回数とを関連付けて記憶する。使用時間は、障害時における使用時間の累積を示す情報である。使用回数は、障害時における使用回数の累積を示す情報である。環境状態は、保守対象の装置又は保守対象の装置を構成する部品の障害時の使用環境を示す情報である。環境状態は、平均温度と、平均湿度と、障害時温度と、障害時湿度とを関連付けて記憶する。平均温度は、温度の平均値を示す情報である。平均湿度は、設置されている環境の湿度の平均値を示す情報である。障害時温度は、障害時の温度を示す情報である。障害時湿度は、障害時の湿度を示す情報である。なお、障害傾向テーブル310は、温度や湿度の平均値に限らず、中央値等を記憶していてもよい。
図9は、障害管理テーブル311のデータ構成の一例を示す説明図である。障害管理テーブル311は、保守対象の装置に発生した障害に関する各種情報を記憶する。障害管理テーブル311は、日時と、装置コードと、部品コードと、障害コードと、緊急度と、ログ保存場所と、障害内容と、状態と、原因と、処置とを関連付けて記憶する。日時は、障害を検出した日時や障害から復旧した日時等を示す情報である。装置コードは、障害等の事象が発生した装置を示す装置コードである。部品コードは、障害等の事象が発生した装置における事象が発生した部品を示す装置コードである。障害コードは、発生した障害を示す障害コードである。緊急度は、発生した障害に対して急いで処置すべき度合いを示す情報である。ログ保存場所は、障害が示されたログの保存場所を示す情報である。障害内容は、発生した障害の内容を示す情報である。状態は、保守対象の装置の状態を示す情報である。原因は、保守対象の装置に障害が発生した原因を示す情報である。処置は、発生した障害に対する処置内容を示す。
図5に戻り、通信インタフェース303は、ネットワーク40と接続するためのインタフェースである。
操作部304は、キーボードや、マウス等の入力装置である。操作部304は、保守サーバ30に対する操作を受け付ける。
表示部305は、例えば、液晶表示装置(LCD)である。なお、表示部305は、液晶表示装置に限らず、有機EL表示装置等であってもよい。
次に、保守システム1の各装置が有する特徴的な機能について説明する。ここで、図10は、保守システム1の各装置が有する特徴的な機能構成を示すブロック図である。
POS端末10の制御部101は、記憶部102に記憶された制御プログラム105をRAMに展開し、制御プログラム105に従って動作することで、図10に示す各機能部をRAMに生成する。具体的には、POS端末10の制御部101は、機能部として、通信制御部1001と、自己診断部1002と、リモート操作制御部1003と、表示制御部1004と、売上登録部1005とを備える。
通信制御部1001は、通信インタフェース103を制御して、店舗内ネットワーク50を介して接続されたPOS端末10や店舗サーバ20と通信する。
自己診断部1002は、POS端末10自身の状態を診断する自己診断機能を制御する。更に、自己診断部1002は、自己診断機能においてPOS端末10が備える各部品についても状態を診断する。例えば、自己診断部1002は、POS端末10自身及びPOS端末10を構成する部品について、全部又は一部の機能が使用不可となっているか否かを判定する。または、自己診断部1002は、POS端末10及びPOS端末10を構成する部品の使用時間や使用回数等を計測する。または、自己診断部1002は、POS端末10及びPOS端末10を構成する部品の温度や湿度等の状態を計測する。具体的な例を挙げて説明すると、自己診断部1002は、POS端末10及びPOS端末10を構成する部品のプログラム等が応答しない状態になっているか否かを判定する。または、自己診断部1002は、プリンタ17の用紙の残量や、スキャナ19がコードシンボルを読み取れるか否か等を診断する。または、自己診断部1002は、HDDやSSD等である記憶部102の使用時間や使用回数を計測する。または、自己診断部1002は、HDDやSSD等である記憶部102が設置された空間の温度や湿度を計測する。
自己診断部1002は、自己診断機能の実行結果としてPOS端末10自身の状態を示す状態情報を生成する。ここで、図11は、状態情報のデータ構成の一例を示す説明図である。状態情報は、POS端末10又はPOS端末10を構成する部品の状態を示す情報である。更に詳しくは、状態情報は、装置コードと、部品コードと、障害情報と、使用情報と、環境情報とを有する。装置コードは、POS端末10自身を示す識別情報である。部品コードは、POS端末10を構成する部品を示す識別情報である。なお、POS端末10全体の状態を示す場合には、POS端末10全体を示す部品コードが設定される。障害情報は、POS端末10に発生している障害を示す情報である。障害情報は、日時と、障害コードと、ログと、緊急度とを有する。日時は、障害が発生した日時を示している。障害コードは、POS端末10に発生している障害の種別を識別可能な識別情報である。ログは、POS端末10又はPOS端末10を構成する部品が出力したログファイルであって、障害内容が示されたログである。緊急度は、POS端末10に発生している障害に対して急いで処置すべき度合いを示す情報である。使用情報は、POS端末10又はPOS端末10を構成する部品の使用状態を示す情報である。使用情報は、使用時間と、使用回数とを有する。使用時間は、使用された時間を示す情報である。使用回数は、使用された回数を示す情報である。環境情報は、POS端末10又はPOS端末10を構成する部品の使用環境を示す情報である。環境情報は、温度と、湿度とを有する。温度は、温度を示す情報である。湿度は、湿度を示す情報である。
また、自己診断部1002は、障害に対する処置が実行されたことを条件に、自己診断を実行して状態情報を生成する。すなわち、自己診断部1002は、処置により障害から復旧したか否かを示す状態情報を生成する。
リモート操作制御部1003は、POS端末10自身をリモート操作するリモート操作情報を受信したことを条件に、リモート操作情報に応じた処理を実行する。例えば、リモート操作情報に応じた処理とは、POS端末10自身を再起動させる処理である。または、リモート操作情報に応じた処理とは、POS端末10自身を初期状態に移行させる処理である。または、リモート操作情報に応じた処理とは、POS端末10自身の設定を変更する処理である。
表示制御部1004は、第1表示部15及び第2表示部16を制御して各種画面を表示させる。
売上登録部1005は、販売データ処理を制御する。販売データ処理とは、販売対象の商品等を登録する処理や、商品の合計金額等を算出する処理である。
POS端末10が備える表示装置60の制御部601は、記憶部602に記憶された制御プログラム605をRAMに展開し、制御プログラム605に従って動作することで、図10に示す各機能部をRAMに生成する。具体的には、表示装置60の制御部601は、機能部として、通信制御部6001と、表示制御部6002とを備える。
通信制御部6001は、通信インタフェース603を制御して、店舗内ネットワーク50を介して接続されたPOS端末10や店舗サーバ20と通信する。
表示制御部6002は、表示部61を制御して各種画面を表示させる。例えば、表示制御部6002は、処置画面を表示させる。ここで、図12は、処置画面6100の一例を示す説明図である。処置画面6100は、障害から復旧させる方法が示された画面である。POS端末10の操作者は、処置画面6100に示された内容を確認及び実行することにより障害から復旧させる。図12に示す処置画面6100は、プリンタ17に発生した障害に応じた処置内容を示している。なお、図12に示す処置画面6100は、文字にて処置内容を示しているが、これに限らないものとする。例えば、図12に示す処置画面6100は、図形や、静止画や、動画等を含んでいてもよい。更に、表示装置60は、音声により処置内容を示してもよい。
店舗サーバ20の制御部201は、記憶部202に記憶された制御プログラム207をRAMに展開し、制御プログラム207に従って動作することで、図10に示す各機能部をRAMに生成する。具体的には、店舗サーバ20の制御部201は、機能部として、通信制御部2001を備える。
通信制御部2001は、通信インタフェース203を制御して、店舗内ネットワーク50を介して接続されたPOS端末10等と通信する。または、通信制御部2001は、通信インタフェース203を制御して、ネットワーク40を介して接続された保守サーバ30等と通信する。
保守サーバ30の制御部301は、記憶部302に記憶された制御プログラム307をRAMに展開し、制御プログラム307に従って動作することで、図10に示す各機能部をRAMに生成する。具体的には、保守サーバ30の制御部301は、機能部として、通信制御部3001と、保守制御部3002と、予防保守制御部3003と、表示制御部3004とを備える。
通信制御部3001は、通信インタフェース303を制御して、ネットワーク40を介して接続された店舗サーバ20等と通信する。
保守制御部3002は、入力手段である通信制御部3001が状態情報を受信したことを条件に、受信した状態情報に含まれる使用情報と、環境情報とを装置テーブル308の対象の装置コードの部品コードに関連付けて記憶させる。更に詳しくは、保守制御部3002は、状態情報に含まれる使用情報と、環境情報とを、使用状態と、環境状態として装置テーブル308に記憶させる。さらに、保守制御部3002は、平均温度と、平均湿度とを算出し、装置テーブル308に記憶させる。
また、保守制御部3002は、通信制御部3001が受信した状態情報に障害が発生したことを示す障害情報が状態情報に含まれているか否かを判定する。すなわち、判定手段である保守制御部3002は、通信制御部3001が受信した状態情報に基づいて、POS端末10に障害が発生しているか否かを判定する。保守制御部3002は、障害が発生したことを示す障害情報が含まれていることを条件に、障害傾向テーブル310と、障害管理テーブル311とに発生した障害について記憶させる。更に詳しくは、第2の記憶制御手段である保守制御部3002は、障害が発生したPOS端末10の状態を障害傾向テーブル310に記憶させる。すなわち、保守制御部3002は、使用状態と、環境状態とを、発生した障害の障害コードに関連付けて障害傾向テーブル310に記憶させる。また、保守制御部3002は、状態情報に含まれている日時と、装置コードと、部品コードと、障害コードと、緊急度とを障害管理テーブル311に記憶させる。また、保守制御部3002は、状態情報に含まれているログの保存場所と、障害コードが示している障害内容と、状態として障害が発生中であることと、ログに記憶されている障害の原因とを障害管理テーブル311に記憶させる。
識別手段である保守制御部3002は、障害が発生したことを示す障害情報が含まれていることを条件に、障害情報に基づいてPOS端末10に発生した障害の種別を識別する。すなわち、保守制御部3002は、障害情報から障害コードを検出する。抽出手段である保守制御部3002は、状態情報に含まれている障害情報に応じた処置情報を処置テーブル309から抽出する。なお、保守制御部3002は、障害から復旧させることができる適切な処置情報が記憶されていない場合等には、新たに処置情報を生成してもよい。この場合には、保守制御部3002は、操作部304が受け付けた操作に応じた処置情報を生成する。そして、処置手段である保守制御部3002は、処置情報を用いて、POS端末10を障害から復旧させる処置を、ネットワーク40及び店舗内ネットワーク50を介して実行する。この時、保守制御部3002は、処置情報が示す処置を処置テーブル309に記憶させる。
保守制御部3002は、様々な態様により処置情報を用いて、POS端末10に発生している障害を復旧させる処置を実行する。例えば、保守制御部3002は、処置情報を表示制御部3004に表示させる。この場合には、サービスセンターのサービスマンは、表示部305に表示された処置情報が示す障害から復旧させる処置内容を電話等により連絡する。
または、保守制御部3002は、抽出した処置情報を障害が発生しているPOS端末10に向けて通信制御部3001に送信させる。ここで、保守制御部3002は、処置情報に応じて送信先を変える。処置情報には、障害から復旧させる方法が示された処置画面6100を表示させる画像情報と、装置を障害から復旧させる操作内容が指示されたリモート操作情報とがある。保守制御部3002は、処置情報がリモート操作情報であることを条件に、状態情報に含まれている装置コードのPOS端末10に向けて処置情報を通信制御部3001に送信させる。すなわち、保守制御部3002は、状態情報を用いてリモート操作を実行する。一方、保守制御部3002は、処置情報が画像情報であることを条件に、状態情報に含まれている装置コードのPOS端末10が備える表示装置60に向けて処置情報を通信制御部3001に送信させる。なお、保守制御部3002は、表示出力と、送信出力との両方を実行してもよい。
第1の記憶制御手段である保守制御部3002は、障害から復旧したことを示す状態情報を通信制御部3001が受信したことを条件に、障害から復旧させた処置内容を処置情報として処置テーブル309に記憶させる。例えば、保守制御部3002は、障害が発生から障害から復旧したことを確認する自己診断機能を実行するまでの間に実行された処置内容を、障害から復旧させた処置内容として抽出する。そして、保守制御部3002は、抽出した障害から復旧させた処置内容を処置情報として処置テーブル309に記憶させる。
予防保守制御部3003は、保守対象の装置であるPOS端末10に対して予防保守を実行する。すなわち、予防保守制御部3003は、状態情報に基づいてPOS端末10に障害が発生するおそれがあると判定したことを条件に報知する。更に詳しくは、予防保守制御部3003は、障害傾向テーブル310に記憶されている各要素について統計的な解析により障害が発生する条件を算出する。そして、予防保守制御部3003は、処置情報が示すPOS端末10の状態を示した各要素について障害が発生する条件に適合しているか否かを判定する。報知手段である予防保守制御部3003は、処置情報の各要素について障害が発生する条件に適合していることを条件に報知する。一例を挙げて説明すると、予防保守制御部3003は、統計的な解析として、障害傾向テーブル310に記憶された使用時間、使用回数、平均温度、平均湿度、障害時温度、障害時湿度等の各要素の平均値や偏差値を算出する。そして、予防保守制御部3003は、処置情報の使用時間、使用回数、温度、湿度等の各要素が、算出した平均値や偏差値に適合したことを条件に、障害が発生するおそれがあることを報知する。
予防保守制御部3003は、様々な態様により報知する。例えば、予防保守制御部3003は、障害が発生するおそれがあることを表示制御部3004に表示させることにより報知する。または、予防保守制御部3003は、障害が発生するおそれがあることをPOS端末10、店舗サーバ20、表示装置60等に向けて通信制御部3001に送信させることにより報知する。予防保守制御部3003は、障害が発生するおそれがあることを報知することにより、障害が発生するおそれがあるPOS端末10や部品の交換等を促すことができる。
表示制御部3004は、表示部305を制御して各種画面を表示させる。例えば、表示制御部3004は、障害管理テーブル311の内容等を表示させる。または、表示制御部3004は、予防保守制御部3003に要求に応じて障害が発生するおそれがあることを報知する画面を表示させる。
次に、POS端末10が実行する保守処理について説明する。ここで、図13は、本実施形態の保守システム1が実行する保守処理の一例を示すフローチャート図である。保守処理とは、保守対象の装置であるPOS端末10を保守する処理である。
まず、POS端末10の自己診断部1002は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS11)。所定時間が経過していないことを条件に(ステップS11;No)、POS端末10の自己診断部1002は、自己診断機能の実行を待機する。
一方、所定時間が経過したことを条件に(ステップS11;Yes)、POS端末10の自己診断部1002は、自己診断機能を実行してPOS端末10の状態を示す状態情報を生成する(ステップS12)。
次いで、POS端末10の通信制御部1001は、状態情報を店舗サーバ20に送信する(ステップS13)。
次いで、店舗サーバ20の通信制御部2001は、状態情報を中継する(ステップS21)。すなわち、通信制御部2001は、受信した状態情報を保守サーバ30に送信する。
次いで、保守サーバ30の通信制御部3001は、店舗サーバ20が送信した状態情報を受信する(ステップS31)。次いで、保守サーバ30の保守制御部3002は、状態情報に含まれる使用情報と、環境情報とを装置テーブル308に記憶させる(ステップS32)。
次いで、保守サーバ30の保守制御部3002は、受信した状態情報に障害コードが含まれているか否かを判定する(ステップS33)。状態情報に障害コードが含まれていないことを条件に(ステップS33;No)、保守サーバ30は、保守処理を終了する。
一方、状態情報に障害コードが含まれていることを条件に(ステップS33;Yes)、保守サーバ30の保守制御部3002は、発生した障害に関する情報を障害傾向テーブル310及び障害管理テーブル311に記憶させる(ステップS34)。すなわち、保守制御部3002は、状態情報に含まれる使用情報と、環境情報とを障害傾向テーブル310に記憶させる。また、保守制御部3002は、状態情報に含まれる日時と、装置コードと、部品コードと、障害コードと、緊急度と、ログ保存場所と、障害内容と、状態と、原因とを障害管理テーブル311に記憶させる。
次いで、保守サーバ30の保守制御部3002は、障害コードに応じた処置情報を処置テーブル309から抽出する(ステップS35)。
次いで、保守サーバ30の保守制御部3002は、抽出した処置情報を出力させる(ステップS36)。すなわち、保守制御部3002は、送信出力及び表示出力のうち、少なくとも一方の出力方法により処置情報を出力させる。
次いで、店舗サーバ20の通信制御部2001は、保守サーバ30から処置情報が送信されたことを条件に状態情報を中継する(ステップS22)。すなわち、通信制御部2001は、受信した状態情報をPOS端末10に送信する。
次いで、POS端末10の通信制御部1001は、店舗サーバ20から処置情報を受信する(ステップS14)。
次いで、POS端末10は、処置情報を実行する(ステップS15)。更に詳しくは、POS端末10のリモート操作制御部1003は、処置情報がPOS端末10のリモート操作を指示するリモート操作情報であることを条件に、リモート操作を実行する。または、POS端末10が備える表示装置60の表示制御部6002は、処置情報が障害から復旧させる方法が示された画像情報であることを条件に、画像情報を表示させる。
次いで、POS端末10の自己診断部1002は、処置により障害から復旧したか否かを確認するために自己診断機能を実行して状態情報を生成する(ステップS16)。次いで、POS端末10の通信制御部1001は、状態情報を店舗サーバ20に送信する(ステップS17)。
次いで、店舗サーバ20の通信制御部2001は、状態情報を中継する(ステップS23)。
次いで、保守サーバ30の通信制御部3001は、状態情報を受信する(ステップS37)。次いで、保守サーバ30の保守制御部3002は、受信した状態情報においてPOS端末10が障害から復旧したことが示されているか否かを判定する(ステップS38)。POS端末10が復旧していないことを条件に(ステップS38;No)、保守サーバ30は、ステップS35に移行する。そして、保守サーバ30の保守制御部3002は、障害コードに応じた処置情報について、未だ出力していない処置情報を処置テーブル309から抽出する。そして、保守制御部3002は、未だ実施していない処置情報を出力する。
一方、POS端末10が復旧したことを条件に(ステップS38;Yes)、保守サーバ30の保守制御部3002は、復旧したことを障害管理テーブル311に記憶させる(ステップS39)。
以上により、保守システム1は、保守処理を終了する。
次に、POS端末10が実行する予防保守処理について説明する。ここで、図14は、本実施形態の保守システム1が実行する予防保守処理の一例を示すフローチャート図である。
ステップS41からステップS62までの処理は、図13のステップS11からステップS32までの処理と同様の処理である。
ステップS63において保守サーバ30の予防保守制御部3003は、受信した処置情報の各要素について障害が発生する条件に適合しているか否かを判定する(ステップS63)。障害が発生する条件に適合しないことを条件に(ステップS63;No)、保守サーバ30は、予防保守処理を終了する。
一方、障害が発生する条件に適合することを条件に(ステップS63;Yes)、保守サーバ30の予防保守制御部3003は、障害が発生する可能性が高いことを報知する(ステップS64)。
以上により、保守システム1は、予防保守処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る保守システム1によれば、保守サーバ30は、POS端末10において実行された自己診断の結果が示された状態情報を受信する。保守サーバ30は、状態情報に基づいてPOS端末10に障害が発生していると判定したことを条件に、POS端末10に発生している障害に応じた処置情報を処置テーブル309から抽出する。そして、保守サーバ30は、抽出した状態情報を出力する。保守サーバ30は、処理情報がリモート操作情報として送信された場合には、リモート操作により障害から復旧させる。または、保守サーバ30は、処理情報が画像情報として送信された場合には、表示装置60に障害から復旧させる処置内容を表示させて店員等の操作者に処置内容を実行させることにより障害から復旧させる。従って、保守サーバ30は、保守対象の装置の保守・管理を効率的に行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、上記実施形態では、表示装置60は、POS端末10による制御から独立していると説明した。しかしながら、表示装置60は、POS端末10と協働で処置画面6100等の各種画面を表示させてもよい。または、表示装置60は、POS端末10の制御により処置画面6100等の各種画面を表示させてもよい。
また、上記実施形態では、保守サーバ30は、処置画面6100等を表示させる画像情報を表示装置60に送信すると説明した。しかしながら、保守サーバ30は、表示装置60以外の装置に画像情報を送信してもよい。例えば、保守サーバ30は、店舗サーバ20に表示させるために画像情報を送信してもよい。または、保守サーバ30は、処置画面6100等が表示可能であることを条件に、障害が発生したPOS端末10に画像情報を送信してもよい。または、保守サーバ30は、障害が発生したPOS端末10を有する店舗の障害が発生していない装置に画像情報を送信してもよい。または、保守サーバ30は、障害が発生したPOS端末10を有する店舗の店員等が有するスマートフォン等に画像情報を送信してもよい。
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。