JP6883801B2 - 消火設備 - Google Patents

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Description

本発明は、消火剤貯蔵容器に充填された消火剤を用いる消火設備に関する。
所定の防護区画に対する消火設備としては、一般にスプリンクラーが用いられる(例えば特許文献1)。
ところで、特許文献2では、赤外線カメラで火源を特定し、火源の情報に基づいて放水ノズルの放水角度を制御する消火装置を提案している。
また、特許文献3では、紫外線感知部と赤外線感知部とを用いて炎に対してノズルを正確に制御する消火装置を提案している。
特開2016−179034号公報 特開平9−245275号公報 特開平9−290031号公報
しかし、消火剤貯蔵容器に充填された消火剤を用いる消火設備では、消火剤が限られているため、特許文献1におけるスプリンクラーのように、複数設けた噴出口の全てから消火剤を噴出すると、消火剤噴出時間が極めて短くなり、十分に消火できない可能性がある。
特許文献2及び特許文献3のように、火源や炎を検出してノズルを最適に制御することで、限られた消火剤を有効に活用できる。
しかし、限られた空間では十分対応できるが、防護区画が広くなると、火点までの距離が遠くなってしまい、十分な消火が行いにくい。
そこで本発明は、例え防護区画が広くても、限られた消火剤を用いて、初期消火を確実に行うことができる消火設備を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の消火設備は、消火剤が充填される消火剤貯蔵容器と、前記消火剤を放出する複数の消火剤放出部と、前記消火剤貯蔵容器とそれぞれの前記消火剤放出部とを接続する消火剤配管と、それぞれの前記消火剤放出部の放出方向を変更する放出部駆動部と、熱源の位置、温度、形状、大きさ、色、明るさ、及び揺らぎの少なくとも一つを含む熱源情報を検出する熱源検出部と、前記熱源検出部で検出される前記熱源情報を入力とし、前記放出部駆動部での駆動と前記消火剤放出部からの消火剤放出を制御する制御部とを備えた消火設備であって、前記制御部が、前記熱源情報から火点を決定する火点決定部と、前記熱源情報から火災か否かを判定する火災判定部と、前記火災判定部で前記火災であると判定した場合に、前記火点決定部で決定した前記火点によって、前記消火剤を放出する前記消火剤放出部を選定する放出部選定部と、前記放出部選定部で選定された前記消火剤放出部に対応する前記放出部駆動部の動作方向を算出する動作方向算出部と、前記動作方向算出部で算出した前記動作方向の駆動指示を前記放出部駆動部に出力し、前記放出部選定部で選定された前記消火剤放出部に対して放出指示を出力する出力部とを有し、それぞれの前記消火剤放出部は離間して設置されており、前記放出部選定部では、前記火点からそれぞれの前記消火剤放出部までの距離が最も近い前記消火剤放出部を含む少なくとも2つの前記消火剤放出部を前記消火剤を放出する前記消火剤放出部として選定し、選定された複数の前記消火剤放出部について、前記動作方向算出部では、対応する前記放出部駆動部の動作方向をそれぞれ算出し、前記火点に対して異なる方向から前記消火剤を放出することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の消火設備において、前記熱源検出部としてサーモカメラを用い、前記熱源情報として温度分布を検出し、前記火点決定部では、最高温度の位置を前記火点として決定し、前記火災判定部では、前記火点での温度が閾値以上の場合に前記火災であると判定することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の消火設備において、前記火点決定部で決定した前記火点を撮影する撮影部と、前記撮影部で撮影した前記火点での炎の形状、大きさ、色、明るさ、及び揺らぎの少なくとも一つを含む炎要素から前記火災か否かを判定する第2火災判定部とを備え、前記制御部では、前記火災判定部で前記火災であると判定した場合に、前記第2火災判定部での判定を行うことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の消火設備において、周辺気体を採取して燃焼ガスを検出する臭気検出部と、前記臭気検出部で検出した前記燃焼ガスから前記火災か否かを判定する第3火災判定部とを備え、前記制御部では、前記火災判定部で前記火災であると判定した場合に、前記第3火災判定部での判定を行うことを特徴とする
発明の消火設備によれば、限られた消火剤を用いて、初期消火を確実に行うことができる。
本発明の一実施例による消火設備を機能実現手段で現したブロック 同消火設備での動作を示すフローチャート
本発明の第1の実施の形態による消火設備は、制御部が、熱源情報から火点を決定する火点決定部と、熱源情報から火災か否かを判定する火災判定部と、火災判定部で火災であると判定した場合に、火点決定部で決定した火点によって、消火剤を放出する消火剤放出部を選定する放出部選定部と、放出部選定部で選定された消火剤放出部に対応する放出部駆動部の動作方向を算出する動作方向算出部と、動作方向算出部で算出した動作方向の駆動指示を放出部駆動部に出力し、放出部選定部で選定された消火剤放出部に対して放出指示を出力する出力部とを有し、それぞれの前記消火剤放出部は離間して設置されており、前記放出部選定部では、前記火点からそれぞれの前記消火剤放出部までの距離が最も近い前記消火剤放出部を含む少なくとも2つの前記消火剤放出部を前記消火剤を放出する前記消火剤放出部として選定し、選定された複数の前記消火剤放出部について、前記動作方向算出部では、対応する前記放出部駆動部の動作方向をそれぞれ算出し、前記火点に対して異なる方向から前記消火剤を放出するものである。本実施の形態によれば、消火剤貯蔵容器に充填された限られた消火剤を用いて、初期消火を確実に行うことができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による消火設備において、熱源検出部としてサーモカメラを用い、熱源情報として温度分布を検出し、火点決定部では、最高温度の位置を火点として決定し、火災判定部では、火点での温度が閾値以上の場合に火災であると判定するものである。本実施の形態によれば、熱源検出部としてサーモカメラを用いることで、火点の検出と火災判定を行うことができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による消火設備において、火点決定部で決定した火点を撮影する撮影部と、撮影部で撮影した火点での炎の形状、大きさ、色、明るさ、及び揺らぎの少なくとも一つを含む炎要素から火災か否かを判定する第2火災判定部とを備え、制御部では、火災判定部で火災であると判定した場合に、第2火災判定部での判定を行うものである。本実施の形態によれば、更に第2火災判定部を備えることで、火災判定を正確に行え、誤判定を少なくできる。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態による消火設備において、周辺気体を採取して燃焼ガスを検出する臭気検出部と、臭気検出部で検出した燃焼ガスから火災か否かを判定する第3火災判定部とを備え、制御部では、火災判定部で火災であると判定した場合に、第3火災判定部での判定を行うものである。本実施の形態によれば、更に第3火災判定部を備えることで、火災判定を正確に行え、誤判定を少なくできる
下本発明の一実施例による消火設備について説明する。
図1は本実施例による消火設備を機能実現手段で現したブロック図である。
本実施例による消火設備は、消火剤が充填される消火剤貯蔵容器1と、消火剤を放出する複数の消火剤放出部2と、それぞれの消火剤放出部2の放出方向を変更する放出部駆動部3と、熱源の位置、温度、形状、大きさ、色、明るさ、及び揺らぎの少なくとも一つを含む熱源情報を検出する熱源検出部4と、火点決定部21で決定した火点Fを撮影する撮影部5と、周辺気体を採取して燃焼ガスを検出する臭気検出部6とを備えている。
消火剤放出部2、放出部駆動部3、熱源検出部4、撮影部5、及び臭気検出部6は、防護区画10内に設置される。防護区画10は、例えば居住空間におけるリビングやホテルのロビーなど、壁や扉で区画された一つの空間である。
消火剤貯蔵容器1は、防護区画10外にも設置することができる。消火剤貯蔵容器1とそれぞれの消火剤放出部2A、2B、2Cとは消火剤配管7で接続されている。
本実施例では、3つの消火剤放出部2A、2B、2Cと、それぞれの消火剤放出部2A、2B、2Cに対応する放出部駆動部3A、3B、3Cを備えている。
消火剤放出部2及び放出部駆動部3は、少なくても2つ備える必要があり、3つ以上備えることが好ましい。複数の消火剤放出部2は、天井面のように高所に配置し、それぞれの消火剤放出部2は、可能な限り離間させて設置することが好ましい。
本実施例による消火設備は、熱源検出部4で検出される熱源情報、撮影部5で撮影する火点Fでの炎情報、及び臭気検出部6で検出する燃焼ガス情報を入力とし、放出部駆動部3での駆動と消火剤放出部2からの消火剤放出を制御する制御部20を備えている。
制御部20は、火点決定部21と、火災判定部22と、放出部選定部23と、動作方向算出部24と、出力部25とを有する。
火点決定部21は、熱源情報から火点Fを決定する。
火災判定部22は、熱源情報から火災か否かを判定する。
放出部選定部23は、火災判定部22で火災であると判定した場合に、火点決定部21で決定した火点Fの位置によって、消火剤を放出する消火剤放出部2を選定する。
動作方向算出部24は、放出部選定部23で選定された消火剤放出部2に対応する放出部駆動部3の動作方向を算出する。
出力部25は、動作方向算出部24で算出した動作方向の駆動指示を放出部駆動部3に出力し、放出部選定部23で選定された消火剤放出部2に対して放出指示を出力する。
例えば、火点Fからそれぞれの消火剤放出部2までの距離によって消火剤を放出する消火剤放出部2を選定する場合を説明する。
消火剤放出部2Aが火点Fの位置から最も遠く、消火剤放出部2Cが火点Fの位置に最も近い場合には、放出部選定部23は、消火剤放出部2Cを消火剤を放出する消火剤放出部2として選定する。より好ましくは、放出部選定部23は、消火剤放出部2C及び消火剤放出部2Bを、消火剤を放出する消火剤放出部2として選定する。少なくとも2つの消火剤放出部2を選定することで、火点Fに対して異なる方向から消火剤を放出できるため確実な消火を行える。
なお、放出部選定部23では、火点Fの位置の他に、火点Fの範囲や強さ(温度)、又は火炎の形状によっても消火剤を放出する消火剤放出部2を選定することができる。
消火剤放出部2Cを選定した場合には、動作方向算出部24は、放出部駆動部3Cの動作方向を算出する。そして、出力部25は、放出部駆動部3Cに駆動指示を出力し、駆動動作完了後のタイミングで消火剤放出部2Cに放出指示を出力する。
消火剤放出部2C及び消火剤放出部2Bを選定した場合には、動作方向算出部24は、放出部駆動部3C及び放出部駆動部3Bの動作方向を算出する。そして、出力部25は、放出部駆動部3C及び放出部駆動部3Bに駆動指示を出力し、駆動動作完了後のタイミングで消火剤放出部2C及び消火剤放出部2Bに放出指示を出力する。
なお、本実施例では、消火剤放出部2に対して放出指示を出力するとして説明しているが、消火剤貯蔵容器1とそれぞれの消火剤放出部2とを独立した消火剤配管7で接続している場合には、各消火剤配管7に設けた開閉バルブを動作させることが、消火剤放出部2に対する放出指示である。
制御部20は、更に第2火災判定部26を有することが好ましい。
第2火災判定部26は、撮影部5で撮影した火点Fでの炎の形状、大きさ、色、明るさ、及び揺らぎの少なくとも一つを含む炎要素から火災か否かを判定する。第2火災判定部26での判定は、火災判定部22で火災であると判定した場合に行う。制御部20が更に第2火災判定部26を備えることで、火災判定を正確に行え、誤判定を少なくできる。
制御部20は、更に第3火災判定部27を有することが好ましい。
第3火災判定部27は、臭気検出部6で検出した燃焼ガスから火災か否かを判定する。第3火災判定部27での判定は、火災判定部22で火災であると判定した場合、更には第2火災判定部26で火災であると判定した場合に行う。制御部20が更に第3火災判定部27を備えることで、火災判定を正確に行え、誤判定を少なくできる。
熱源検出部4としてサーモカメラを用いることで、熱源情報として温度分布を検出し、
火点決定部21では、最高温度の位置を火点Fとして決定し、火災判定部22では、火点Fでの温度が閾値以上の場合に火災であると判定することができる。このように、熱源検出部4としてサーモカメラを用いることで、火点Fの検出と火災判定を行うことができる。
図2は本実施例による消火設備での動作を示すフローチャートである。
ステップ1では、任意の時間毎に熱源検出部4によって熱源の位置、温度、形状、大きさ、色、明るさ、及び揺らぎの少なくとも一つを含む熱源情報を検出する。
ステップ1で検出した熱源情報から、火点決定部21によって火点Fを決定する(ステップ2)。
また、ステップ1で検出した熱源情報、及び/又はステップ2で検出した火点Fから、火災判定部22によって火災か否かを判定する(ステップ3)。
ステップ3において、火災判定部22で火災でないと判定した場合には、ステップ1に戻って熱源情報を検出する。
ステップ3において、火災判定部22で火災であると判定した場合には、撮影部5で火点Fを撮影する(ステップ4)。
ステップ4で撮影した火点Fでの炎要素(炎の形状、大きさ、色、明るさ、及び揺らぎの少なくとも一つを含む)から第2火災判定部26では火災か否かを判定する(ステップ5)。
ステップ5において、第2火災判定部26で火災でないと判定した場合には、ステップ1に戻って熱源情報を検出する。
ステップ5において、第2火災判定部26で火災であると判定した場合には、臭気検出部6で燃焼ガスを検出する(ステップ6)。
ステップ6で検出した燃焼ガスから第3火災判定部27では火災か否かを判定する(ステップ7)。
ステップ7において、第3火災判定部27で火災でないと判定した場合には、ステップ1に戻って熱源情報を検出する。
ステップ7において、第3火災判定部27で火災であると判定した場合には、放出部選定部23で消火剤を放出する消火剤放出部2を選定する(ステップ8)。
そしてステップ7で選定された消火剤放出部2について、動作方向算出部24では、選定された消火剤放出部2に対応する放出部駆動部3の動作方向を算出する(ステップ9)。
ステップ9で放出部駆動部3の動作方向が算出されると、出力部25では、駆動指示を放出部駆動部3に出力する(ステップ10)。
そして、出力部25では、放出部選定部23で選定された消火剤放出部2に対して放出指示を出力する(ステップ11)。
以上のように、本実施例によれば、消火剤貯蔵容器1に充填された限られた消火剤を用いて、初期消火を確実に行うことができる。
本発明は、消火剤貯蔵容器に充填された消火剤を用いる消火設備に最適であるが、スプリンクラーなどの消火水を用いる消火設備にも適用できる。
1 消火剤貯蔵容器
2 消火剤放出部
3 放出部駆動部
4 熱源検出部
5 撮影部
6 臭気検出部
7 消火剤配管
10 防護区画
20 制御部
21 火点決定部
22 火災判定部
23 放出部選定部
24 動作方向算出部
25 出力部
26 第2火災判定部
27 第3火災判定部

Claims (4)

  1. 消火剤が充填される消火剤貯蔵容器と、
    前記消火剤を放出する複数の消火剤放出部と、
    前記消火剤貯蔵容器とそれぞれの前記消火剤放出部とを接続する消火剤配管と、
    それぞれの前記消火剤放出部の放出方向を変更する放出部駆動部と、
    熱源の位置、温度、形状、大きさ、色、明るさ、及び揺らぎの少なくとも一つを含む熱源情報を検出する熱源検出部と、
    前記熱源検出部で検出される前記熱源情報を入力とし、前記放出部駆動部での駆動と前記消火剤放出部からの消火剤放出を制御する制御部と
    を備えた消火設備であって、
    前記制御部が、
    前記熱源情報から火点を決定する火点決定部と、
    前記熱源情報から火災か否かを判定する火災判定部と、
    前記火災判定部で前記火災であると判定した場合に、前記火点決定部で決定した前記火点によって、前記消火剤を放出する前記消火剤放出部を選定する放出部選定部と、
    前記放出部選定部で選定された前記消火剤放出部に対応する前記放出部駆動部の動作方向を算出する動作方向算出部と、
    前記動作方向算出部で算出した前記動作方向の駆動指示を前記放出部駆動部に出力し、前記放出部選定部で選定された前記消火剤放出部に対して放出指示を出力する出力部と
    を有し、
    それぞれの前記消火剤放出部は離間して設置されており、
    前記放出部選定部では、前記火点からそれぞれの前記消火剤放出部までの距離が最も近い前記消火剤放出部を含む少なくとも2つの前記消火剤放出部を前記消火剤を放出する前記消火剤放出部として選定し、
    選定された複数の前記消火剤放出部について、前記動作方向算出部では、対応する前記放出部駆動部の動作方向をそれぞれ算出し、
    前記火点に対して異なる方向から前記消火剤を放出する
    ことを特徴とする消火設備。
  2. 前記熱源検出部としてサーモカメラを用い、
    前記熱源情報として温度分布を検出し、
    前記火点決定部では、最高温度の位置を前記火点として決定し、
    前記火災判定部では、前記火点での温度が閾値以上の場合に前記火災であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の消火設備。
  3. 前記火点決定部で決定した前記火点を撮影する撮影部と、
    前記撮影部で撮影した前記火点での炎の形状、大きさ、色、明るさ、及び揺らぎの少なくとも一つを含む炎要素から前記火災か否かを判定する第2火災判定部と
    を備え、
    前記制御部では、
    前記火災判定部で前記火災であると判定した場合に、前記第2火災判定部での判定を行う
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の消火設備。
  4. 周辺気体を採取して燃焼ガスを検出する臭気検出部と、
    前記臭気検出部で検出した前記燃焼ガスから前記火災か否かを判定する第3火災判定部と
    を備え、
    前記制御部では、
    前記火災判定部で前記火災であると判定した場合に、前記第3火災判定部での判定を行う
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の消火設備。
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