JP6321403B2 - 火災検知システム及び火災検知方法 - Google Patents

火災検知システム及び火災検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、監視カメラで撮像した監視領域の画像から火災初期における煙を検知する火災検知システム及び火災検知方法に関する。
従来、監視カメラで撮像した監視領域の画像に対し画像処理を施すことにより、火災を検知するようにした様々な火災検知システムが提案されている。
このような火災検知システムにあっては、火災発生に対する初期消火や避難誘導の観点から火災の早期発見が重要である。
このため従来システム(特許文献1)にあっては、画像から火災に伴う煙により起きる現象として、透過率又はコントラストの低下、輝度値の特定値への収束、輝度分布範囲が狭まって輝度の分散の低下、煙による輝度の平均値の変化、エッジの総和量の低下、低周波帯域の強度増加を導出し、これらを総合的に判断して煙の検出を可能としている。
特開2008−046916号公報 特開平7−245757号公報 特開2010−238028号公報
しかしながら、このような従来の火災に伴う煙の画像から火災を検知する火災検知システムにあっては、監視カメラの近くの小さな火災による煙と、遠くの大きな火災による煙が識別できず、このため遠くで発生した火災に対しては、検知感度が落ち、火災を検知するまでの時間遅れが大きくなるという問題がある。逆に監視カメラの近くで発生した非火災現象による煙を、火災による煙と誤認識してしまう。例えば監視カメラの直近で吸われたタバコの煙を、遠くにある大きな火災による煙と誤認識することがあった。
本発明は、煙により減光する観測画像に基づき、距離によらず、一定の規模の火災を確実に検知可能とする火災検知システム及び火災検知方法を提供することを目的とする。
(火災検知システム)
本発明は、火災検知システムに於いて、
監視領域を撮影する撮像手段と、
撮像手段により撮像する監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に照明する照明手段と、
撮像手段により撮像した画像から煙プルームの存在する煙画像を判定する煙画像判定手段と、
煙画像判定手段により判定された煙画像から煙プルームの見込み角を検出する見込み角検出手段と、
煙画像判定手段により判定された煙画像から煙プルームによる減光率を検出する減光率検出手段と、
減光率検出手段で検出した減光率から煙プルームの太さを推定するプルーム太さ推定手段と、
見込み角検出手段で検出した煙プルームの見込み角とプルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さに基づき、撮像手段から煙プルームまでの火点距離を算出する距離算出手段と、
プルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に火災と判定すると共にそれ以外の場合に非火災と判定し、火災を判定した場合に距離算出手段で算出した火点距離及び又はプルーム太さ推定手段で推定した煙プルーム太さを示す情報と共に火災検知信号を出力する火災判定手段と、
を設けたことを特徴とする。
ここで、煙のプルーム(plume)とは、火災に伴う煙の上昇に伴って形成される筒状の煙範囲であり、火災の規模に応じた上昇速度と太さを有する。
(煙画像の判定)
煙画像判定手段は、監視領域に煙プルームが存在しない背景画像を保持し、撮像手段により撮像した画像と背景画像との差分画像を生成して煙プルーム領域を抽出し、煙プルーム領域の水平画素数が所定閾値以上の場合に煙画像と判定する。
(減光率の検出)
減光率検出手段は、煙画像判定手段で生成した差分画像から抽出した煙プルーム領域の所定高さの水平画素列の輝度と、当該水平画素列と同じ位置の背景画像の水平画素列の輝度に基づいて煙プルームの減光率を算出する。
(煙プルームの太さ推定)
プルーム太さ推定手段は、所定のモデル火災から求めた煙プルームによる減光率と太さの関係を予め設定し、この関係に基づいて減光率検出手段で検出した煙プルームの減光率から煙プルームの太さを推定する。
(火点距離の算出)
距離算出手段は、推定した煙プルームの太さを2r、煙プルームの見込み角をθとした場合、前記火点距離Lを、
L=r/tan(θ/2)
により算出して推定する。
(照明制御)
更に、撮像手段による撮像領域の背景となる壁面及び床面を、可視光又は赤外光により、常時点灯又は間欠点灯して照明する照明制御手段を設ける。
(火災判定による照明切替え制御)
照明手段は、火災判定手段が火災と判定した場合、背景照明から監視領域全体の照明に切り替える。
(減光率による材料判定)
減光率検出手段は、検出した煙プルームの減光率に基づいて燃焼物の種類を推定する。例えば、減光率検出手段は、検出した煙プルームの減光率が所定の閾値範囲の場合は紙、木材及び又は綿布を含む燃焼物と推定し、閾値範囲の上限を超える所定値以上の場合はポリウレタン等の樹脂を含む燃焼物と推定する。
(方法)
本発明は、火災検知方法に於いて、
撮像手段により撮像する監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に照明する照明ステップと、
撮像手段により撮像した画像から煙プルームの存在する煙画像を判定する煙画像判定ステップと、
煙画像判定ステップにより判定された煙画像から煙プルームの見込み角を検出する見込み角検出ステップと、
煙画像判定ステップにより判定された煙画像から煙プルームによる減光率を検出する減光率検出ステップと、
減光率検出ステップで検出した減光率から煙プルームの太さを推定するプルーム太さ推定ステップと、
見込み角検出ステップで検出した煙プルームの見込み角とプルーム太さ推定ステップで推定した煙プルームの太さに基づき、撮像手段から煙プルームまでの火点距離を算出する距離算出ステップと、
プルーム太さ推定ステップで推定した煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に火災と判定すると共にそれ以外の場合に非火災と判定し、火災を判定した場合に距離算出ステップで算出した火点距離及び又はプルーム太さ推定ステップで推定した煙プルーム太さを示す情報と共に火災検知信号を出力する火災判定ステップと、
を設けたことを特徴とする。
本発明による火災検知方法の他の特徴は、火災検知システムの場合と基本的に同じになる。
(基本的な効果)
本発明の火災検知システムは、監視領域を撮影する撮像手段と、
撮像手段により撮像する監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に照明する照明手段と、撮像手段により撮像した画像から煙プルームの存在する煙画像を判定する煙画像判定手段と、煙画像判定手段により判定された煙画像から煙プルームの見込み角を検出する見込み角検出手段と、煙画像判定手段により判定された煙画像から煙プルームによる減光率を検出する減光率検出手段と、減光率検出手段で検出した減光率から煙プルームの太さを推定するプルーム太さ推定手段と、見込み角検出手段で検出した煙プルームの見込み角とプルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さに基づき、撮像手段から煙プルームまでの火点距離を算出する距離算出手段と、プルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に火災と判定すると共にそれ以外の場合に非火災と判定し、火災を判定した場合に距離算出手段で算出した火点距離及び又はプルーム太さ推定手段で推定した煙プルーム太さを示す情報と共に火災検知信号を出力する火災判定手段とを設けるようにしたため、監視領域の煙が上がる空間は照明せずに、撮像手段で撮像する監視領域の背景となる床面及び壁面を一定照度に照明することで、火災により発生した煙プルームによる減光率を観測画像から検出し、予め設定した距離によらずに一定となる煙プルームの減光率から煙プルームの太さを推定して、煙プルームの太さが所定の火災判定閾値以上の場合に火災と判定することで、距離により大きさが変化する煙プルームにより減光する観測画像から確実に火災を検知して警報することを可能とする。
また、煙プルームの減光率から推定した煙プルームの太さに基づき、撮像手段から火炎までの火点距離を求めることができ、煙プルームの太さから火災を判定した場合に、火災検知信号と共に火炎距離及び又は煙プルームの太さを出力することで、例えば火災警報を出力すると共に火炎距離と煙プルームの太さ(大きさ)を表示し、これにより監視領域における火災の発生状況の把握を容易にして適切な対処を可能とする。
(煙画像の判定による効果)
また、煙画像判定手段は、監視領域に煙プルームが存在しない背景画像を保持し、撮像手段により撮像した画像と背景画像との差分画像を生成して煙プルーム領域を抽出し、煙プルーム領域の水平画素数が所定閾値以上の場合に煙画像と判定する
ようにしたため、火炎の可能性の低い煙画像に対する火災を判定するための処理を不要にして処理負担を低減可能とする。
(減光率の検出による効果)
また、減光率検出手段は、煙画像判定手段で生成した差分画像から抽出した煙プルーム領域の所定高さの水平画素列の輝度と、当該水平画素列と同じ位置の背景画像の水平画素列の輝度に基づいて煙プルームの減光率を算出するようにしたため、一定照度の背景が煙プルームの存在により減光して撮像されることによる観測画像からの減光率の検出ための処理、差分画像に基づく簡単な計算処理により高速に行うことを可能とする。
(減光率によるプルーム太さの推定による効果)
また、プルーム太さ推定手段は、所定のモデル火災から求めた煙プルームによる減光率と太さの関係を予め設定し、この関係に基づいて減光率検出手段で検出した煙プルームの減光率から煙プルームの太さを推定するようにしたため、煙プルームによる減光率は距離が変わっても一定であり、これにより煙プルームからの距離に関わらず、火災の規模を示す煙プルームの太さを簡単且つ確実に検知可能とする。
(火点距離の算出による効果)
また、距離算出手段は、推定した煙プルームの太さをd、煙プルームの見込み角をθとした場合、火点距離Lを、
L=r/tan(θ/2)
により算出して推定するようにしたため、距離に応じて大きさの変化する煙プルームの観測画像から火点までの距離を推定することができ、煙プルームの太さによる火災の規模に加えて火炎距離がわかることで、監視領域で発生した火災の様子や位置を適確に把握して対処可能とする。
(火災判定による照明切替え制御による効果)
また、照明制御手段は、火災判定手段が火災と判定した場合、背景照明から監視領域全体の照明に切り替えるようにしたため、火災を判定した場合に監視領域となる部屋全体を照明した画像が撮像できることで、そのモニタ画面などを見ることによる人為的な確認を可能とし、消火活動や避難活動につき適切に対処可能とする。
(減光率による材料判定による効果)
減光率検出手段は、検出した煙プルームの減光率に基づいて燃焼物の種類として、例えば、減光率検出手段は、検出した煙プルームの減光率が所定の閾値範囲の場合、例えば概ね15乃至40パーセントの場合は紙、木材及び又は綿布を含む燃焼物と推定し、前記閾値範囲の上限を超える所定値以上の場合、例えば概ね90パーセント以上の場合は、はポリウレタン等の樹脂を含む燃焼物と推定するようにしたため、燃焼物の種類を知ることで、消火活動の準備、消防機関への通報、避難誘導の準備等を燃焼物の種類に応じて適切に行うことを可能とする。
本発明の火災検知システムを設置した監視領域を示した説明図 火災により発生する煙をモデル化して示した説明図 火源熱量に対する煙プルームの太さと煙濃度の関係を示したグラフ図 アルバートによる天井流の実験式を求めるモデル火災を示した説明図 図3に基づいて求めた煙プルームの太さと煙濃度の関係を示したグラフ図 背景までの距離と一定照度で照明している背景のエネルギー及び面積の関係を示したグラフ図 煙プルームの高さに対する煙濃度及び煙上昇速度の関係を示したグラフ図 煙プルームの見込み角と火炎距離との関係を監視カメラの水平監視領域について示した説明図 本発明による火災検知システムの実施形態を示したブロック図 図9の煙画像判定部によりサブ画像を生成して判定する画像処理を示した説明図 図9の画像処理装置による火災検知処理を示したフローチャート 図6の煙プルームの太さと減光率の関係について余裕度をもつ火災判断領域を示したグラフ図 木材の燃焼による火源熱量に対する煙プルームの太さと煙濃度の関係を示したグラフ図 綿布の燃焼による火源熱量に対する煙プルームの太さと煙濃度の関係を示したグラフ図 ポリウレタンの燃焼による火源熱量に対する煙プルームの太さと煙濃度の関係を示したグラフ図
[火災検知システムの概要]
図1は本発明による火災検知システムを設置した監視領域を示した説明図である。
図1に示すように、監視領域16は部屋等の仕切り空間であり、監視領域16には撮像手段として機能する監視カメラ10を設置している。監視カメラ10で撮像した監視領域16の観測画像は伝送路を介して管理人室などに設置した画像処理装置12に伝送している。
画像処理装置12は、監視領域16で火災が発生して火点18から煙20が噴き上げた場合の観測画像を監視カメラ10から受信した場合、観測画像に存在する煙プルームの減光率を検出して推定した煙プルームの太さから火災を判断し、火災検知信号を煙プルームの太さ及び又は火点距離を示すデータと共に火災報知設備14へ送って火災警報を出力するようにしている。
(監視領域の照明)
監視カメラ10の観測画像から監視領域16の煙による減光率を正しく検出するためには、背景となる床面16a、壁面16b及び天井面16cのみが発光し、空間に広がる煙には照明が当たらない背景照明とすることが望ましい。これは、煙に照明が当ることにより発生する散乱光が監視カメラ10に入射したことにより、煙の減光量が相殺されて信号量が減少することを防ぐためである。
このため本実施形態にあっては、監視カメラ10により撮像する監視領域の背景となる壁面16a及び床面16bを一定照度に照明するための照明手段として床面照明装置22aと壁面照明装置22bを設置して間接照明している。
床面照明装置22aと壁面照明装置22bは、反射フードを備え、光源からの光を床面16aと壁面16bに向けて照射し、監視領域の空間には光が行かないようにしている。また、床面照明装置16aと壁面照明装置16bは、可視光又は赤外光の光源を使用し、常時点灯又は間欠点灯(パルス点灯)により床面22a及び壁面22bを一定照度に照明している。
監視領域の天井面16cには室内照明装置24を設けており、昼間等の人の在室中は、室内照明装置24を点灯して監視領域全体を照明している。夜間等に無人となって監視領域16の火災を監視カメラ10により監視する場合には、室内照明装置24を消灯し、床面照明装置22aと壁面照明装置22bを点灯する。
また、人の在室中に室内照明装置24を点灯している状態で監視カメラ10により火災を監視する場合には、室内照明装置24の照明光を近赤外線光を含まない可視光とし、床面照明装置22aと壁面照明装置22bの照明光を近赤外線光とすればよい。この場合、監視カメラ10の感知波長は、床面16a及び壁面16bを照明している近赤外線波長を含むものとする。
室内照明装置24として一般的な蛍光灯やLED照明器具は、750nm以上の近赤外線光の照射エネルギーは小さく、監視カメラ10の感知波長を750nm以上としたうえで、床面照明装置22aと壁面照明装置22bの光源を赤外線LEDや発熱ランプとすることで、監視カメラ10による監視領域の背景となる床面16a及び壁面16bを、室内照明装置24からの可視光により影響されない赤外光による一定照度で発光させることを可能とする。
なお、監視カメラ10により撮像する監視領域16を背景照明する代わりに、赤外線照明構造を背面に埋め込んだ発光パネルや、可視光を近赤外光に変換する蛍光塗料を塗布した面パネル等を設置して、一定照度を得るようにしても良い。
[検出原理]
(煙プルームと減光率)
図2は、図1示すように、火災により発生する煙をモデル化して示した説明図である。
図2に示すように、火災の初期段階においては、煙の上昇に伴って筒状の煙範囲となる煙プルーム26が形成され、煙プルーム26の太さ2r(半径r)は燃焼物の種類と火災の規模(発生熱量)により決定すると考えられる。なお、以下の説明で煙プルームを単にプルームという場合がある。
図1に示した監視カメラ10により撮像する監視領域16の背景となる床面16a及び壁面16bを一定照度で照明している場合、発生した煙20による散乱画像を監視カメラ10で撮像して煙プルームによる減光率を検出することができる。
いま、紙を燃焼物として、しだいに燃え広がっていく火災モデルを考える。この場合、煙プルーム26の太さは火災の拡大に伴って次第に太くなっていき、それと同時に煙プルーム26も濃くなって減光率が増していく。
図3は紙を燃焼物とした場合の火源熱量に対する高さH=1mの地点での煙プルームの太さ2r(m)、減光率y(%/m)及び煙上昇速度u(m/s)の関係を示したグラフ図である。なお、減光率y(%/m)は煙濃度を意味する
火災により発生する煙プルームは、火源の拡大による熱量の増加に伴って太くなり、同時に煙の上昇速度u(m/s)および減光率y(%/m) も大きくなっていく。
(アルパートの実験式)
火災により発生した煙プルーム中の高さ毎のプルーム太さと煙濃度(減光率)は、アルパート(Alpart)の実験式により求められる。このアルパートの実験式は、1972年5月18日、米国、フィラディルフィアで開催されたNational Fire Protection Association の年次会合の76番目の論文「天井設置された火災感知器の時間応答の計算(Calculation of Response Time of Ceiling−Mounted Fire Detectors)」で発表されている。
図4(A)は火点の発生熱量をアルパートによる天井流の実験式を求めるモデル火災を示した説明図である。
火点の発生熱量をQ(kW)とすると、上昇温度ΔT及び流速(煙上昇速度)uは次式となる。
ΔT=5.38(Q/r)2/3/H
u=0.2Q1/31/2/r5/6
プルームの高さHと半径r、煙濃度yの関係を求める。煙減光係数k(1/m)と温度上昇ΔTの関係は、燃焼する物質により定まり、いま紙の燃えた場合を考えると、
k/ΔT=0.41E−2(1/m・deg)
となる。減光係数k(1/m)を減光率y(%/m)に変換するには
y=(1−e-k)・100
となる。図4(B)は、k/ΔT比の代表値を示す。
以上の関係式により、燃焼物を紙とした場合に、発生熱量Qが次第に大きくなっていく火災による煙プルームの高さHにおける太さ2r(m)、減光率y(%/m)、上昇風速u(m/sec)を求めると、図3のグラフ図に示す関係が得られる。
図5は、図3のグラフ図に基づいて求めた煙プルームの太さと煙濃度の関係を示したグラフ図である。図5にあっては、煙プルームの太さに対応した減光率y(%/m)をもつ太さ2r(m)の煙プルームに、背景からの光が通過した場合の減光率Y(%)を求めて示している。図1の監視カメラ10により撮像した煙20の存在する監視領域16の観測画像から検出する減光率は、図5の煙プルームでの減光率Y(%)となる。
ここで、監視カメラ10の観測画像から検出する煙プルームの減光率Y(%)は、火点18から監視カメラ10までの火点距離Lによらず、一定となる。これは均一な光が当たる背景から監視カメラ10の1画素に入射するエネルギーが、背景までの距離によらず一定となることに基づく。
均一な光が当たる背景から監視カメラ10の1画素に入射するエネルギーErは、背景までの距離Lによらず一定となる
図6は背景までの距離と一定照度で照明している背景のエネルギー及び面積の関係を示したグラフ図である。
いま、監視カメラ10から背景までの距離をL0、監視カメラ10の1画素当りの視野角をθとすると、監視カメラ10の視野領域となる背景の面積S(m2)は、
S=(L0・tanθ)2
となる。
また、背景に均一な光が当たり、背景から発するその反射光の輝度率をW(mW/m2)とすると、監視カメラ10の1画素当りの視野内の背景から発する放射強度E(mW)は、E = W・S=W( L0・tanθ)2
となる。
この背景光がL0離れた監視カメラ10の1画素に入射するエネルギーEr(mW)は、距離L0の2乗に反比例する。背景までの異なる距離L01, L02における入射エネルギー:Er1, Er2
r2/Er1=L02 2/L01 2
r2 =Er1・L02 2/L01 2
=W(L01・tanθ)2 ・L02 2/L01 2
=W(L02・tanθ)2
=Er2
即ち、均一な光が当たる背景から監視カメラ10の1画素に入射するエネルギーErは、背景までの距離Lによらず一定となる
この光の経路に、減光率(1−α)の煙プルームによる煙層が介在する場合、煙層を透過して監視カメラ10の1画素に入射するエネルギーEsは、
Es=(1−α)Er
となり、監視カメラ10の入射エネルギーEsは煙層から監視カメラ10までの距離によらず、一定となる。
以上の関係から、図5に示したように、背景となる床面16aや壁面16bへの照度を一定となるようする背景照明にあっては、煙20による減光率Y(m)は背景までの距離Loおよび煙20までの火点距離Lによらず一義的に求めることができる。
(煙プルームの高さによる減光率と太さの関係)
火災により発生した煙プルームの高さ毎の煙プルームの太さと減光率の関係は、前述したように、図4に示したアルバートの理論により求められる。いま、紙を燃焼物と想定し、火点の熱量が30kWの初期火災で発生したプルームの高さH毎のプルーム半径r、減光率yおよび煙上昇速度uの関係を求めると図7のグラフ図に示すようになる。
図7に示すように、火災により発生した煙プルームは周囲の空気を巻き込むことにより、高さHが高くなるほど、煙プルーム半径rが太くなり、減光率yが低くなって行く関係にある。
したがって、煙プルームの比較的低い部位により減光率を検出することが望ましく、本実施形態では、火災を判定するために想定したモデル火災ではH=1.0mを設定している。
また、図1においては、監視カメラ10の光軸を床面16aから1メートルの高さに設定することが望ましい。なお、監視カメラ10を情報に設置して斜め下向きに監視する場合には、光軸のカメラ側の高さを例えば1.5m以下とするように設置する。
(煙プルームの太さと距離の関係)
監視カメラ10の観測画像に存在する煙プルームの減光率Yから太さ2rを推定することができると、監視カメラ10から煙プルームを発生している火点までの距離Lを算出することができる。
図8は煙プルームの見込み角と火点距離との関係を監視カメラの水平監視領域について示した説明図である。
火点距離Lを算出するためには、まず、観測された煙画像に存在する煙プルーム26の見込み角θを求める。ここで、見込み角とは監視カメラ10から特定の対象物を撮像した場合の画角を意味する。
監視カメラ10により撮像された煙画像の中の煙プルーム26の太さ2rは、煙プルーム26の見込み角θを表すものであり、見込み角θが同じであっても、監視カメラ10からの距離により煙画像の中の煙プルーム26の太さは変化してしまう。
いま、監視カメラ10の画面サイズを(水平)×(垂直)=(1400画素)×(1000画素)とし、監視カメラ10の撮影領域15の片側水平角度を45°とすると、1画素当りの見込み角αは
α=45°/700=0.064(°/画素)
となる。なお、以下の説明では、画素をピクセルという場合があり、また、画素数の単位として(pxl)を表記する場合がある。
ここで、監視カメラ10により撮像された煙プルームの太さ2rに対応した観測画面における水平方向の画素数を2Rピクセルとすると、煙プルームの見込み角θは、
θ=α・2R(°) (式1)
となる。
このように煙プルームの見込み角θが求まると、煙プルームの減光率Yから求めた煙プルームの太さ2rに基づき、監視カメラ10から煙プルーム26までの火点距離Lは、
L = r/tan(θ/2) (式2)
となる。
(火災の判定)
監視カメラ10の観測画像に占める煙プルームによる火災判定は、煙プルームの減光率Yから推定した煙プルームの太さ2rが、所定のモデル火災による煙プルームの閾値太さ(2r)th以上となった場合に火災と判定する。
本実施形態では、減光率Y=48(%)で太さ2r=0.6(m)の煙プルームを発生するモデル火災を想定し、火災と判定する煙プルームの閾値太さ(2r)th=0.6(m)を設定し、閾値太さ(2r)th以上となる場合に火災と判定し、それ未満の場合は非火災と判定する。
[火災検知システム]
(火災検知システムの機能構成)
図9は本発明による火災検知システムの機能構成の概略を示したブロック図である。図9に示すように、火災検知システムは、監視カメラ10と画像処理装置12で構成し、画像処理装置12は、そのハードウェアとしてCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等で構成する。
画像処理装置12は、CPUによるプログラムの実行により実現される機能として、煙画像判定手段として機能する煙画像判定部30、見込み角検出手段として機能する見込み角検出部32、減光率検出手段として機能する減光率検出部34、プルーム太さ推定手段として機能するプルーム太さ推定部36、距離算出手段として機能する距離算出部38、火災判定手段として機能する火災判定部40及び照明制御手段して機能する照明制御部42を設けている。また、伝送部28は監視カメラ10で撮像した画像データを受信する適宜の伝送インタフェースが使用される。
撮像手段として機能する監視カメラ10は、伝送部28の伝送制御により動画像データとして、例えば毎秒30フレームとなる監視領域の画像データを伝送し、画像処理装置12に設けた図示しないメモリに記憶する。本実施形態にあっては、例えば水平画素数が1400ピクセルで垂直画素数が1000ピクセルの解像度をもつ監視カメラ10を使用する。また監視カメラ10の感知波長は、赤外線による背景照明を考慮して、750nm以上とする。なお、背景画像44は定期的に更新することで、背景の変化に追従させる。
照明制御部42は、例えば夜間等に監視モードを設定して無人となった監視領域の火災監視を例にとると、タイマ設定による監視モードの自動設定又は手動設定により、室内照明装置24を消灯すると共に、床面照明装置22a及び壁面照明装置22bを常時点灯又はパルス点灯し、背景となる床面及び壁面のみを間接照明により一定照度で照明する。
煙画像判定部30は、監視カメラ10により撮像した画像から煙プルームが存在する煙画像を判定する。煙画像判定部30による煙画像の判定は、例えば図10に示すように、監視カメラ10で撮像した監視領域に煙プルームが存在しない観測画像を背景画像44としてメモリに記憶して保持し、監視カメラ10により撮像した観測画像45と保持している背景画像44との差分画像46を生成して煙プルーム領域48を抽出し、煙プルーム領域48の水平画素列50の画素数2R(pxl)が所定閾値2Rth以上の場合に煙画像と判定する。
ここで、差分画像46の煙プルーム領域48内の画素の輝度ΔBは、背景画像44の対応する画素の輝度をBr、観測画像45の対応する画素の輝度をBsとすると、
ΔB=Br−Bs
となり、煙プルームを通過する背景からの光の減光量を示す。
煙画像判定部30で煙画像と判定する水平画素数の閾値2Rthは、例えば最大監視距離L=30(m)で太さ2r=1.0(m)の煙プルームを発生する火災モデルを想定し、この場合に観測画像における煙プルームの水平画素数2Rは2R=12ピクセルとなることから、閾値2Rthを2Rth=12ピクセルに設定する。
見込み角検出部32は、煙画像判定部30で判定した煙画像における煙プルーム領域の水平画素数2Rから、前記式1により煙プルームの見込み角θを算出し、距離算出部38に出力する。
一方、減光率検出部34は、煙画像判定部30で判定した煙画像における煙プルーム領域の所定高さHにおける減光率Yを検出する。例えば減光率検出部34は、図10に示した煙画像判定部30で生成した差分画像46から抽出した煙プルーム領域48の所定高さHの水平画素列50の平均輝度ΔBと、この水平画素列50と同じ位置の背景画像44の水平画素列の平均輝度Brに基づいて煙プルームの減光率Y(%)を
Y=(ΔB/Br)・100
として算出する。
ここで、差分画像46における煙プルーム領域48の水平画素列50と同じ位置の観測画像45における水平画素列の平均輝度をBsとすると、ΔB=(Br−Bs)であり、減光率Y(%)は、
Y={(Br−Bs)/Br}・100
として算出したことを意味する。
なお、減光率Yの検出は、差分画像46の水平画素列50の特定画素、例えばセンター画素の輝度から算出しても良い、上下に位置する複数の水平画素列の平均輝度から算出しても良い。
プルーム太さ推定部36は、減光率検出部34で検出した減光率Y(%)から、図5に示した関係に基づき、対応する煙プルームの太さ2r(m)を推定する。
例えばプルーム太さ推定部36は、図5に示した減光率Yとプルーム太さ2rのグラフ特性近似をする関係式を設定しており、この関係式に検出した減光率Yを代入することで、煙プルームの太さ2rを算出して推定する。
またプルーム太さ推定部36は、図5に示した減光率Yとプルーム太さ2rのグラフ特性に基づく二元テーブルを準備しておき、検出した減光率Yによるテーブル参照で対応する煙プルームの太さ2rを読み出すようにしても良い。
距離算出部38は、見込み角検出部32で検出した煙プルームの見込み角θとプルーム太さ推定部36で推定した煙プルームの太さ2rから、前記式2に基づき、監視カメラ10から煙プルームまでの火点距離Lを算出する。
火災判定部40は、プルーム太さ推定部36で推定した煙プルームの太さ2rが所定の閾値(2r)th=0.6(m)以上の場合に火災と判定し、それ以外の場合は非火災と判定し、火災と判定した場合には、プルーム太さ推定部36で推定した煙プルームの太さ2r及び又は距離算出部38で算出した火点距離Lのデータと共に火災検知信号を外部の火災報知設備14に出力し、火災警報を出力させると共に例えば煙プルームの太さ2r及び又は火点距離Lを表示させる。
このような火災報知設備14において監視領域における煙プルームの太さ(大きさ)と距離を把握することで、例えば初期火災の段階にあるか、ある程度時間が過ぎて火災が拡大しているといった火災の状況を適確に把握して初期消火や到着した消防隊に対する状況説明を可能とする。
[火災検知の具体例]
いま、煙画像判定部30で判定した煙プルーム領域の水平画素数2Rが2R=46ピクセルであったとすると、見込み角検出部32で算出する見込み角θは前記式1から
θ=0.064×46=2.94°
となる。
このとき減光率検出34で煙画像から検出した煙プルームの減光率YがY=48(%)であったとすると、図5の輝度率とプルーム太さの関係から煙プルームの太さ2rは、2r=1.0(m)と推定する。
また距離算出部38は、tan(θ/2)=23/700であることから、前記式2により、監視カメラ10から火点までの火点距離Lを、
L=15.2(m)
と算出する。
火災判定部40は、プルーム太さ推定部36で推定した煙プルーム太さ2r=1.0(m)は閾値(2r)th=1.0(m)に一致することから、火災と判定する。
このため火災判定部40は、火災検知信号を煙プルームの太さデータ及び火点距離データと共に火災報知設備14に出力し、火災警報の出力と共に煙プルームの太さ2r=1.0(m)と火点距離L=15.2(m)を表示させ、監視領域で発生した火災の状況を確認可能とする。
一方、煙画像における煙プルームの水平画素数DがD=46ピクセルであり、見込み角θが同じθ=2.94°であっても、煙プルームの減光率Yが例えばY=14(%)であったとすると、この場合の煙プルームの太さは図5の関係から2r=0.30(m)と推定され、また監視カメラ10から火点までの火点距離Lは式2からL=4.6(m)となる。
この場合、煙プルームの太さd=0.30(m)は火災を判定する閾値(2r)th=1.0(m)未満であり、非火災と判定される。
[火災検知処理]
図11は、図9の実施形態による火災検知処理を示したフローチャートである。図11に示すように、まずステップS1(以下「ステップ」は省略)で煙画像における煙プルーム領域を判定する水平画素数の閾値2Rth、監視カメラ10における1画素当りの見込み角α、煙プルームの太さから火災を判定する火災判定閾値(2r)thを定数として設定する。
続いてS2に進み、監視カメラ10で撮像した観測画像と予め記憶した背景画像との差分画像から煙プルーム領域を検出し、煙プルーム領域の所定高さHの水平画素数2Rを求め、S3で所定の閾値2Rth以上であれば煙画像と判定し、S4に進む。
S4では、S2で検出した煙プルームの水平画素数2Rから見込み角θを算出し、続いてS5に進み、煙画像における煙プルームの減光率Yを検出する。続いてS6に進み、煙プルームの減光率Yから煙プルームの太さ2rを推定し、続いてS7に進んで、煙プルームの見込み角θと太さ2rから火点距離Lを算出する。
続いてS8に進み、煙プルームの太さ2rが火災閾値(2r)th以上であれば火災と判定し、S9で火災検知信号を、煙プルームの太さ2r及び又は火点距離Lのデータと共に出力する。
続いてS10に進み、室内照明装置24を点灯して監視領域全体を照明し、監視領域となる例えば部屋全体を照明した画像の監視カメラ10による撮像を可能とし、例えば監視画像を図示しないモニタのモニタ画面に表示し、これを見ることによる人為的な確認を可能とし、消火活動や避難活動につき適切に対処可能とする。
[火災判断領域の設定]
上記の実施形態にあっては、煙プルームの減光率Yから推定した太さ2rが火災判定のために設定したモデル火災による煙プルームの太さを閾値(2r)thとして、それ以上の場合に火災と判定しているが、煙プルームの太さから火災と判断する閾値に余裕度を持たせた火災判断領域を設定し、この火災判断領域から外れた関係となるプルーム状のものは火災ではなく、非火災として報知する。
図12は、図6に示した煙プルームの減光率と太さの関係につき余裕度をもった火災判断領域を設定した例を示す。図12において、火災と判定する火災判断領域は、煙プルームの太さ2rの例えば2r=0.5(m)〜1.5(m)の範囲に設定しており、減光率においては、概ねY=38(%)〜80(%)の範囲に対応している。
このような火災判断領域の設定により、図9の火災判定部40は、減光率Y=38(%)を検出して煙プルームの太さ2R=0.5(m)を推定した場合に火災予報を検知して火災予報警報(ブリアラーム)を出力させ、その後、減光率Y=48(%)を検出して煙プルームの太さ2R=1.0(m)を推定した場合に火災と判定して火災警報を出力させることを可能とする。
[燃焼材による煙プルーム太さと減光率の関係]
木材や布、紙等が燻焼した場合に発生する白色の煙プルームは、若干の差異はあるものの、図5に示した紙の場合とほぼ同等の煙プルーム太さと減光率の関係を維持し、図9の実施形態による火災検知が可能となる。
一方、ポリウレタン等の樹脂が燃えた場合には黒色に近い煙が発生する。アルパートの理論においても、燃焼物の種類により発生する煙の減光率は変化し、ポリウレタンやPVC等の樹脂が燃焼した際に発生する煙の減光率は、木材や紙が燻焼した際の白煙とは大きく異なることが分かっている。
図13は燃焼物を木材とした場合、図14は燃焼物を綿布とした場合、図15は燃焼物をポリウレタンとした場合について、アルパート理論により求めた火源熱量Qに対する煙プルームの太さ2r、減光率y及び煙上昇速度uの関係を示したグラフ図である。
図13の木材と図14の綿布は、図3に示した紙の場合とほぼ同等の関係が得られているが、図15のポリウレタンの場合は、前3者と大きく異なっている。
したがって、ポリウレタンやPVC等の樹脂が燃焼した際に発生する煙プルームの減光率と太さとの関係を別に準備して図9のプルーム太さ推定部36に設定しておくことで、検出した減光率から煙プルームの太さを推定して火災を検知できる。
しかしながら、石油等の液体火災の場合は、例えば床面に漏れて溜まった石油が一気に燃焼することもあり得る。この場合、木材等に比べ広い燃焼面積による非常に太いプルームが、高い減光率をもって観測されることとなり、木材等の煙プルームでの火災モデルとは異なるプロフィールとなる。
このため、観測画像の煙プルーム領域の大きさから液体火災であると判断された場合は、火災モデルを変更しなければならない。液体火災の場合は、木材燻焼のモデル火災と比べ、観測されるプルーム太さに比べ、減光率が大きくなる。また火源の大きさは石油の分布広さにより決まり、木材のように火災の進展に従い大きくなることはない。
このため本実施形態によって煙プルームの減光率とプルーム太さの関係から火点の距離を求めることは難しい。このため監視カメラの観察画像と背景画像との差分画像に存在する煙プルーム領域が極端に大きい場合に火災と判定して火災検知信号を出力し、火源距離の推定は行わないようにする。
[燃焼物の推定]
図9の実施形態は、燃焼物を紙としたモデル火災に基づく火災検知を説明してきたが、火災時の燃焼物は当然、様々なものが考えられる。
図4に示したように、アルパートの理論では、燃焼に伴い発生した熱量による温度上昇ΔTから、煙の減光率yを求めている。燃焼物が変われば発生する熱量も変わり、温度上昇も変化する。また単位温度変化毎の煙の減光率の変化割合を示すv;比率(k/ΔT)も燃焼物により異なってくるため、煙プルームの大きさと減光率も種々の形態を現す。
燃焼物を、紙・木材・綿布・ポリウレタンとした場合の発生熱量Qによるプルーム半径r、煙上昇速度u、煙減光率yの関係は図3、図13乃至図15に示したとおりであり、発生する煙が白色である紙・木材・綿布に対して、黒色の煙を発生するポリウレタンの特性が、前3者と大きく異なっている。
このため本実施形態によれば、図9の減光率検出部34で検出した減光率から燃焼物の種類を推定することが可能となる。ここで高さ1mの地点で観測されたプルーム太さ0.6m(半径0.3m)の紙・木材・綿布の燃焼による白い煙の減光率は概ね15〜38%/mとなる。また高さ1mの地点で観測されたプルーム太さ0.6m(半径0.3m)のポリウレタン等の樹脂が炎を伴って黒い煙の減光率は90(%/m)を超えている。
そこで図9の減光率検出部34の機能として、検出した減光率が所定の閾値範囲、例えば15〜40(%/m)の範囲にある場合は、紙・木材・綿布等が白い煙を出して燻焼していると推定し、この推定結果を火災報知設備14に送って表示させることで、紙・木材・綿布等が燃焼する火災に対し適切な初期消火の準備、現場確認、排煙等の準備を行うことを可能とする。
また、減光率検出部34で検出した減光率が前記の閾値範囲の上限を超えた所定値、例えば90(%/m)を超える場合は、ポリウレタン等の樹脂が炎を伴って黒い煙を出しながら燃焼していると推定し、この推定結果を火災報知設備14に送って表示させることで、ポリウレタン等の樹脂が燃焼する火災に対し、適切な初期消火の準備、現場確認、排煙等の準備を行うことを可能とする。
[火点距離及び煙プルーム太さの応用]
(火点距離の推定に基づく応用)
本発明の実施形態のような、監視カメラを略水平方向に設置して部屋内を監視する場合、カメラ画像のみでは火災位置を正確に知ることができない(角度だけが分かる)。
図9の画像処理装置12で火災を判定した場合に出力される火点距離Lを利用することで、図1の監視領域10における煙20が発生している火点位置を特定することができる。
監視領域16における煙20の火点位置が特定できると、例えば煙の位置情報を消火装置に送ることで適正な消火が可能となる。例えば、遠隔制御可能なスプリンクラーヘッドを備えたスプリンクラー消火設備を設置している場合には、火点位置に近いスプリンクラーヘッドだけを作動させる。また、移動可能な消火ロボットを火点付近まで自動で移動させる。また、放水銃の位置制御を行う。
また、工場や自動倉庫等、自動化された大空間施設では、火点位置を知ることで対象となる設備の運転停止や、付属する消火装置の稼働等、適切な処置が可能となる。
また、人による初期消火活動の際にも、火点位置に直行することができ、迅速な対応が可能となる。また、避難誘導の際、的確なルートの設定ができる。更に、消防隊員に火点の正確な位置を情報提供することができ、消火効率の向上を果たせることで人命救助と損害抑制に繋がる。これ以外にも、火点距離が分かることで、様々な対処が可能となる。
(煙プルーム太さの推定に基づく応用)
図9の画像処理装置12で火災を判定した場合に出力される煙プルームの太さ、即ち火点の大きさ(規模)の推定値を利用することで、次のような応用が可能となる。
例えば、煙の大きさ(規模)に合わせた適正な消火剤を使用することが可能となり、少ない消火剤で確実に消火可能となり、汚損防止や財産保護に繋がる。
また、煙プルームの急激な拡大変化から急激な火災の拡大が分かり、早期に適切な方法で避難誘導を開始することを可能とし、人命救助に繋がる。これ以外にも、煙プルームの太さから火災の規模が分かることで、様々な対処が可能となる。
〔本発明の変形例〕
(火点の等価直径)
上記の実施形態は、煙画像から火災と判定した場合に、火災検知信号に加え、推定した煙プルームの太さ及び又は火点距離のデータを出力するようにしているが、火災検知信号のみを出力するようにしても良い。
(非火災判定)
上記の実施形態は、煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に火災と判定して火災検知信号と共に煙プルームまでの火点距離及び又は煙プルームの太さを示すデータを出力しているが、非火災と判定した場合にも、非火災の煙検出信号と共に煙プルームまでの火点距離及び又は煙プルームの太さを示すデータを出力し、例えば非火災の煙検知による注意警報を出力すると共に、火点距離と煙プルームの太さを表示することで、火気厳禁となっている監視領域での火気の使用を報知し、例えば放火などに対処することを可能とする。
(監視カメラ)
上記の実施形態にあっては、説明を簡単にするため監視カメラの水平片側視野角θを45°とした場合を例にとっているが、適宜の視野角に適用できる。また、監視カメラの水平及び垂直の画素数も(1400×1000)ピクセルに限定されず、適宜の解像度のものが使用できる。
(画像処理装置)
上記の実施形態にあっては、監視カメラと画像処理装置を分離配置して伝送路により接続しているが、両者を一体化した装置としても良い。
(その他)
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:監視カメラ
12:画像処理装置
14:火災報知設備
15:撮影領域
16:監視領域
18:火点
20:煙
22a:床面照明装置
22b:壁面照明装置
24:室内照明装置
26:煙プルーム
28:伝送部
30:煙画像判定部
32:見込み角検出
34:減光率検出部
36:プルーム太さ推定部
38:距離算出部
40:火災判定部
42:照明制御部
44:背景画像
45:観測画像
46:差分画像
48:煙プルーム領域
50:水平画素列

Claims (18)

  1. 監視領域を撮影する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像する前記監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に背景照明する照明手段と、
    前記撮像手段により撮像した画像から煙プルームの存在する煙画像を判定する煙画像判定手段と、
    前記煙画像判定手段により判定された煙画像から煙プルームの見込み角を検出する見込み角検出手段と、
    前記煙画像判定手段により判定された煙画像から煙プルームによる減光率を検出する減光率検出手段と、
    前記減光率検出手段で検出した減光率から煙プルームの太さを推定するプルーム太さ推定手段と、
    前記見込み角検出手段で検出した煙プルームの見込み角と前記プルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さに基づき、前記撮像手段から前記煙プルームまでの火点距離を算出する距離算出手段と、
    前記プルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に火災と判定すると共にそれ以外の場合に非火災と判定し、火災を判定した場合に前記距離算出手段で算出した火点距離及び又は前記プルーム太さ推定手段で推定した煙プルーム太さを示す情報と共に火災検知信号を出力する火災判定手段と、
    を設けたことを特徴とする火災検知システム。
  2. 請求項1記載の火災検知システムに於いて、前記煙画像判定手段は、前記監視領域に煙プルームが存在しない背景画像を保持し、前記撮像手段により撮像した画像と前記背景画像との差分画像を生成して煙プルーム領域を抽出し、前記煙プルーム領域の水平画素数が所定閾値以上の場合に煙画像と判定することを特徴とする火災検知システム。
  3. 請求項2記載の火災検知システムに於いて、前記減光率検出手段は、前記煙画像判定手段で生成した差分画像から抽出した煙プルーム領域の所定高さの水平画素列の輝度と、当該水平画素列と同じ位置の前記背景画像の水平画素列の輝度に基づいて煙プルームの減光率を算出することを特徴とする火災検知システム。
  4. 請求項1記載の火災検知システムに於いて、前記プルーム太さ推定手段は、所定のモデル火災から求めた煙プルームによる減光率と太さの関係を予め設定し、前記関係に基づいて前記減光率検出手段で検出した煙プルームの減光率から煙プルームの太さを推定することを特徴とする火災検知システム。
  5. 請求項1記載の火災検知システムに於いて、前記距離算出手段は、推定した煙プルームの太さを2r、煙プルームの見込み角をθとした場合、前記火点距離Lを、
    L=r/tan(θ/2)
    により算出して推定することを特徴とする火災検知システム。
  6. 請求項1記載の火災検知システムに於いて、前記照明手段は、前記撮像手段による撮像領域の背景となる壁面及び床面を、可視光又は赤外光により、常時点灯又は間欠点灯して照明することを特徴とする火災検知システム。
  7. 請求項1記載の火災検知システムに於いて、更に、前記火災判定手段が火災と判定した場合、前記照明手段による背景照明から監視領域全体の照明に切り替える照明制御手段を設けたことを特徴とする火災検知システム。
  8. 請求項2記載の火災検知システムに於いて、前記減光率検出手段は、検出した煙プルームの減光率に基づいて燃焼物の種類を推定することを特徴とする火災検知システム。
  9. 請求項8記載の火災検知システムに於いて、前記減光率検出手段は、検出した煙プルームの減光率が所定の閾値範囲の場合は紙、木材及び又は綿布を含む燃焼物と推定し、前記閾値範囲の上限を超える所定値以上の場合はポリウレタン等の樹脂を含む燃焼物と推定することを特徴とする火災検知システム。
  10. 撮像手段により撮像する仕切り空間となる監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に背景照明する照明ステップと、
    前記撮像手段により撮像した画像から煙プルームの存在する煙画像を判定する煙画像判定ステップと、
    前記煙画像判定ステップにより判定された煙画像から煙プルームの見込み角を検出する見込み角検出ステップと、
    前記煙画像判定ステップにより判定された煙画像から煙プルームによる減光率を検出する減光率検出ステップと、
    前記減光率検出ステップで検出した減光率から煙プルームの太さを推定するプルーム太さ推定ステップと、
    前記見込み角検出ステップで検出した煙プルームの見込み角と前記プルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さに基づき、前記撮像手段から前記煙プルームまでの火点距離を算出する距離算出ステップと、
    前記プルーム太さ推定ステップで推定した煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に火災と判定すると共にそれ以外の場合に非火災と判定し、火災を判定した場合に前記距離算出ステップで算出した火点距離及び又は前記プルーム太さ推定ステップで推定した煙プルーム太さを示す情報と共に火災検知信号を出力する火災判定ステップと、
    を設けたことを特徴とする火災検知方法。
  11. 請求項10記載の火災検知方法に於いて、前記煙画像判定ステップは、前記監視領域に煙プルームが存在しない背景画像を保持し、前記撮像手段により撮像した画像と前記背景画像との差分画像を生成して煙プルーム領域を抽出し、前記煙プルーム領域の水平画素数が所定閾値以上の場合に煙画像と判定することを特徴とする火災検知方法。
  12. 請求項11記載の火災検知方法に於いて、前記減光率検出ステップは、前記煙画像判定ステップで生成した差分画像から抽出した煙プルーム領域の所定高さの水平画素列の輝度と、当該水平画素列と同じ位置の前記背景画像の水平画素列の輝度に基づいて煙プルームの減光率を算出することを特徴とする火災検知方法。
  13. 請求項10記載の火災検知方法に於いて、前記プルーム太さ推定ステップは、所定のモデル火災から求めた煙プルームによる減光率と太さの関係を予め設定し、前記関係に基づいて前記減光率検出ステップで検出した煙プルームの減光率から煙プルームの太さを推定することを特徴とする火災検知方法。
  14. 請求項10記載の火災検知方法に於いて、前記距離算出ステップは、推定した煙プルームの太さを2r、煙プルームの見込み角をθとした場合、前記火点距離Lを、
    L=r/tan(θ/2)
    により算出して推定することを特徴とする火災検知方法。
  15. 請求項10記載の火災検知方法に於いて、前記照明ステップは、前記撮像手段による撮像領域の背景となる壁面及び床面を、可視光又は赤外光により、常時点灯又は間欠点灯して照明することを特徴とする火災検知方法。
  16. 請求項10記載の火災検知方法に於いて、更に、前記火災判定ステップが火災と判定した場合、前記背景照明から監視領域全体の照明に切り替える照明制御ステップを設けたことを特徴とする火災検知方法。
  17. 請求項10記載の火災検知方法に於いて、前記減光率検出ステップは、検出した煙プルームの減光率に基づいて燃焼物の種類を推定することを特徴とする火災検知方法。
  18. 請求項17記載の火災検知方法に於いて、前記減光率検出ステップは、検出した煙プルームの減光率が所定の閾値範囲の場合は紙、木材及び又は綿布を含む燃焼物と推定し、前記閾値範囲の上限を超える所定値以上の場合はポリウレタン等の樹脂を含む燃焼物と推定することを特徴とする火災検知方法。
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