JP3909634B2 - 火災発生位置検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル内や屋内等において発生した火災の火災発生位置を検出する火災発生位置検出装置に関し、特に、撮像手段により監視領域を撮像した画像に基づいて火災発生位置を検出する火災発生位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像に基づいて火災を感知する火災感知装置として、例えば、撮像された画像から輝度値の高い領域を火炎の候補領域として抽出し、この候補領域が本当の火炎領域であるか否かを判別し、抽出された候補領域が本当の火炎領域であると判別されることによって火災を感知する火災感知装置が提案された(特開平10−188169号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平10−188169号公報には何ら開示されていないが、火災発生位置を検出する場合には、抽出され本当の火炎領域であると判別された候補領域の画像上の位置に基づいて火災発生位置を求めることが考えられる。
【0004】
火災発生位置の検出は火災の発生が感知されたことを前提としなければ意味がないため、火災が精度良く感知されなければ、必然的に火災発生位置を精度良く検出することができない。ところが、前記従来の火災感知装置では、必ずしも十分に精度良く火災を感知することは困難であった。
【0005】
また、前記従来の火災感知装置では、撮像された画像から輝度値の高い領域を火災の候補領域として1次的に抽出しているので、撮像された領域内に火炎が見えていない場合(例えば、炎が車両に隠れている場合)には、火災を感知することが困難であった。したがって、前記従来の火災感知装置を利用した火災発生位置検出装置では、撮像された領域内に火炎が見えていない場合、火災発生位置を検出することができなかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、精度良く火災発生位置を検出することができる火災発生位置検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、車両等に炎が隠れることによって撮像された領域内に炎が見えていない場合であっても、火災発生位置を検出することができる火災発生位置検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
火炎の大きさは所定周波数(ゆらぎ周波数)で変化し、それに伴って、火炎から発せられる放射の強度(例えば、可視光の強度、可視光中のG成分やR成分の強度、赤外線強度等)はゆらぎ周波数で変化する。このゆらぎ周波数は、約2Hz〜10Hz程度である。一方、例えば、トンネル内の照明灯などの固定光源、車両のヘッドライトやテールランプなどから発せられる放射の強度は変化せず、その強度は直流成分のみを有する。そこで、監視領域を撮像した画像から、フーリエ変換により放射強度に関するパワースペクトルを求め、そのパワースペクトルにおいて、ゆらぎ周波数帯の強度が所定閾値以上であることを判別することによって、固定光源や車両のヘッドライト等の影響を受けることなく、火災を感知することができると考えられる。
【0009】
しかしながら、前記パワースペクトルにおけるゆらぎ周波数帯においても、種々の要因で、火炎によらない強度が含まれる。このため、ゆらぎ周波数帯の強度が所定閾値以上であることを判別することにより火災を感知する場合には、十分な精度で火災を感知することができない。
【0010】
これに対し、本発明者は、前記パワースペクトルを時間経過に従って順次求め、各パワースペクトルにおけるゆらぎ周波数帯の強度を時系列データとして求めると、このゆらぎ周波数帯の強度が時系列的に所定の増加傾向を示すことを見出した。これは、火災が発生すると、時間経過に従って火炎が拡大していくことによるものである。一方、ゆらぎ周波数帯の強度は、他の要因によっては、火炎が拡大していく過程で見られるような、時系列的な所定の増加傾向を示すことがない。したがって、ゆらぎ周波数帯の強度の時系列的な変化が所定の増加傾向を示すことを判別することによって、火災を感知すれば、精度良く火災を感知することができる。
【0011】
そして、前記パワースペクトルを求めるに際し、撮像手段により撮像された画像から強度の高い領域として抽出した火災の候補領域の平均強度又は積算強度等によってパワースペクトルを求めるのではなく、撮像手段により撮像された画像における予め定めた対象領域内の積算強度又は平均強度等によってパワースペクトルを求めれば、撮像された領域内に火炎が見えていない場合(例えば、炎が車両に隠れている場合)であっても、火炎から発して壁面等で反射した放射の強度を捕らえることができるので、火災を感知することができる。
【0012】
さらに、以上のようにして火災を感知した際の増加傾向の判定の基となった画像又はその判定時点付近において得られた画像から、火災発生位置を求めれば、精度良く火災を感知したことを前提とするので、精度良く火災発生位置を検出することができる。
【0013】
本発明は、以上のような本発明者による新たな知見に基づいてなされたものである。
【0014】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による火災発生位置検出装置は、監視領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段から時間経過に従って順次得られる各画像について、当該画像における予め定めた対象領域内の各画素の放射強度に応じた値の積算値に応じた値を求める第1の演算手段と、時間的にずれた各所定期間に対応して、当該所定期間内に得られた前記複数の画像についてそれぞれ前記第1の演算手段により求められた複数の値に対してフーリエ変換を行って、パワースペクトルを求めるフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して求められた各パワースペクトルについて、所定周波数帯の強度の平均値に応じた値を求める第2の演算手段と、前記第2の演算手段により求められた値の時系列的な変化が所定の増加傾向を示すか否かを判定する増加傾向判定手段と、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定されたことを必要条件として、当該判定に用いられた又は当該判定時点付近において前記撮像手段により得られた画像に基づいて火災発生位置を求めて当該火災発生位置を示す火災発生位置検出信号を出力する火災位置検出手段と、を備えたものである。
【0015】
前記対象領域は、撮像手段から得られた画像の全体の領域であってもよいし、その全体の領域から例えばトンネル内の照明灯の領域を除いた領域としてもよい。また、前記各画素の放射強度に応じた値の積算値に応じた値は、当該積算値そのものであってもよいし、例えば、前記各画素の放射強度に応じた値の平均値であってもよい。前記各所定期間は、時間的に重複していなくてもよいし、一部時間的に重複していてもよい。また、前記各所定期間が時間的に重複していない場合には、前記各所定期間が時間的に連続していてもよいし、前記各所定期間の間に時間間隔があってもよい。前記所定周波数帯は、ゆらぎ周波数帯に含まれるように適宜定めておく。これらの点については、後述する各態様についても同様である。
【0016】
前記第1の態様によれば、監視領域を撮像する撮像手段から時間経過に従って順次得られる各画像について、第1の演算手段によって、当該画像における予め定めた対象領域内の各画素の放射強度に応じた値の積算値に応じた値が求められる。フーリエ変換手段によって、時間的にずれた各所定期間に対応して、当該所定期間内に得られた前記複数の画像についてそれぞれ第1の演算手段により求められた複数の値に対してフーリエ変換が行われて、パワースペクトルが求められる。フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して求められた各パワースペクトルについて、第2の演算手段によって、所定周波数帯の強度の平均値に応じた値が求められる。そして、増加傾向判定手段によって、第2の演算手段により求められた値の時系列的な変化が所定の増加傾向を示すか否かが判定される。増加傾向判定手段によって所定の増加傾向を示すと判定されたことを必要条件として、火災位置検出手段によって、当該判定に用いられた又は当該判定時点付近において前記撮像手段により得られた画像に基づいて火災発生位置が求められて当該火災発生位置を示す火災発生位置検出信号が出力される。
【0017】
したがって、前記第1の態様によれば、前述した知見に従い、精度良く火災を感知した上で火災発生位置を検出することができ、ひいては、火災発生位置検出の精度を高めることができる。また、前記第1の態様によれば、撮像された画像から輝度値の高い領域を火炎の候補領域として抽出してこの候補領域が時間的に移動する場合に火災とは感知しないことによって走行車両のヘッドライト等を火炎であると誤認識する事態を防止するような特別な処理が、必要ないので、移動火災であっても感知することができ、ひいては、移動火災であってもその発生位置を検出することができる。ここで、移動火災とは、例えば走行中の車両で発生した火災である。
【0018】
本発明の第2の態様による火災発生位置検出装置は、前記第1の態様による火災発生位置検出装置において、前記フーリエ変換手段により求められた各パワースペクトルが、所定周波数帯において鋭い強度ピークを有するか否かを判別するピーク判別手段と、前記第2の演算手段により求められ前記増加傾向判定手段により増加傾向の判定に用いられた複数の値のうち、所定数以上の値が、前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであるか否かを判定する判定手段と、を備えたものである。そして、前記火災位置検出手段は、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定され、かつ、前記判定手段によって前記所定数以上の値が前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであると判定されたことを必要条件として、前記火災発生位置を求めて前記火災発生位置検出信号を出力するものである。
【0019】
ところで、緊急車両の回転灯の場合、その回転周波数はゆらぎ周波数帯に含まれる。したがって、前記第1の態様において、前記対象領域内に回転灯が入ることによって、前記パワースペクトルの所定周波数帯の平均値等は時系列的に増加傾向を示すこととなる。しかし、回転灯の面積は小さいので、回転灯による増加傾向は火災による増加傾向に比べて増加の度合いが低く、前記第1の態様によっても、回転灯を火災であると誤認識するような事態はほとんどない。
【0020】
しかしながら、回転灯の影響を一層低減することは、火災感知の精度を一層向上させて火災発生位置検出の精度を一層向上させる上で好ましい。火災の場合には、前記パワースペクトルは所定周波数帯において鋭い強度ピークを有しないの対し、回転灯の場合には、前記パワースペクトルは所定周波数帯において鋭い強度ピークを有する。前記第2の態様は、この点に着目し、回転灯の影響を一層低減して、火災感知の精度を一層向上させて火災発生位置検出の精度を一層向上させることができるものである。
【0021】
すなわち、前記第2の態様では、ピーク判別手段によって、フーリエ変換手段により求められた各パワースペクトルが、所定周波数帯において鋭い強度ピークを有するか否かが判別される。つまり、各パワースペクトルが回転灯の影響を受けているか否かが判別される。そして、判定手段によって、第2の演算手段により求められ増加傾向判定手段により増加傾向の判定に用いられた複数の値のうち、所定数以上の値が、ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであるか否かが判定される。
【0022】
例えば、増加傾向判定手段による増加傾向の判定に5個の値が用いられたとして具体的に説明する。これらの5個の値はそれぞれ第2の演算手段によって各パワースペクトルに基づいて得られたものである。ピーク判別手段は、既に、これらの5個の値の基となった5個のパワースペクトルについてそれぞれ鋭い強度ピークを有するか否か(すなわち、回転灯の影響を受けているか否か)を判別している。判定手段によって、前記5個の値のうち例えば3個(1個〜5個のいずれでもよく、その個数が多いほど回転灯の影響をより低減できる。)以上の値が、ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであるか否かが判定される。すなわち、3個以上の値が回転灯の影響を受けていないものであるか否かが判定される。
【0023】
そして、前記第2の態様では、火災位置検出手段は、前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定されたことを必要条件とするのみならず、前記判定手段によって前記所定数以上の値が前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであると判定されたこと(前述した例では、3個以上の値が回転灯の影響を受けていないものであること)も必要条件として、火災発生位置を求めて火災発生位置検出信号を出力する。
【0024】
したがって、前記第2の態様によれば、回転灯の影響が一層低減され、火災感知の精度が一層向上し、ひいては火災位置検出の精度が一層向上するのである。
【0025】
本発明の第3の態様による火災発生位置検出装置は、監視領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段から時間経過に従って順次得られる各画像について、当該画像における予め定めた対象領域内の各画素の放射強度に応じた値の積算値に応じた値を求める第1の演算手段と、時間的にずれた各所定期間に対応して、当該所定期間内に得られた前記複数の画像についてそれぞれ前記第1の演算手段により求められた複数の値に対してフーリエ変換を行って、パワースペクトルを求めるフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して求められた各パワースペクトルが、所定周波数帯において鋭い強度ピークを有するか否かを判別するピーク判別手段と、前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して求められたパワースペクトルのうち、前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルについて、所定周波数帯の強度の平均値に応じた値を求める第2の演算手段と、前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルについて前記第2の演算手段により求められた値の時系列的な変化が、所定の増加傾向を示すか否かを判定する増加傾向判定手段と、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定されたことを必要条件として、当該判定に用いられた又は当該判定時点付近において前記撮像手段により得られた画像に基づいて火災発生位置を求めて当該火災発生位置を示す火災発生位置検出信号を出力する火災位置検出手段と、を備えたものである。
【0026】
前記第2の態様では、回転灯の影響を受けた値であるか否かに関わらずにその値を増加傾向の判定において用い、所定の増加傾向を示すと判定されたことのみならず、その判定が回転灯の影響を所定の程度以下しか受けなかったことを必要条件として火災発生位置を求めて火災発生位置検出信号を出力しており、増加傾向の判定後の処理によって回転灯の影響を低減させていた。これに対し、前記第3の態様では、事前に、増加傾向の判定の際に用いる値を回転灯の影響を受けなかった値とすることによって、回転灯の影響を低減させている。前記第3の態様によっても、前記第1及び第2の態様と同様の利点が得られる。
【0027】
本発明の第4の態様による火災発生位置検出装置は、前記第1乃至第3のいずれかの態様による火災発生位置検出装置において、前記増加傾向判定手段は、前記第2の演算手段により求められた時系列をなす各値に対して、当該時系列における当該値以前の時系列的に連続する所定数の値の平均値に応じた値を求める第3の演算手段を有し、該第3の演算手段により求められた値に基づいて前記所定の増加傾向を示すか否かを判定するものである。
【0028】
前記第2の演算手段により求められた値は、何らかのノイズ的な要因によって突発的に変動する場合がある。そこで、前記第4の態様では、第2の演算手段により求められた値を直接的に用いて前記所定の増加傾向を判定するのではなく、第2の演算手段により求められた複数の値を第3の演算手段によって平均化し、この平均化された値に基づいて増加傾向の判定を行っている。このため、第2の演算手段により求められた値が時系列的に突発的に変動しても、第3の演算手段により求められた値の時系列的な変化は平滑化され、突発的な変動の影響が緩和され、前記増加傾向の判定を一層精度良く行うことができ、ひいては、一層精度良く火災を感知することができ、それにより一層精度良く火災発生位置を検出することができる。
【0029】
本発明の第5の態様による火災発生位置検出装置は、前記第4の態様による火災発生位置検出装置において、前記増加傾向判定手段は、前記第3の演算手段により求められた値が、当該時系列における当該値以前の時系列的に連続する所定数の値のうちの所定数以上の値がそれぞれ当該時系列における各直前の値より大きく、かつ、当該値が、当該時系列における当該値に対して時系列的に所定数前の値より所定閾値以上大きい場合に、前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定するものである。
【0030】
この第5の態様は、増加傾向の判定の具体例を挙げたものであるが、前記第1乃至第4の態様では、増加傾向の判定はこの例に限定されるものではない。
【0031】
本発明の第6の態様による火災発生位置検出装置は、前記第1乃至第5のいずれかの態様による火災発生位置検出装置において、前記火災位置検出手段は、前記画像における所定領域内に炎に相当する領域が存在する場合に当該炎に相当する領域の所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として求める火災位置演算手段を有するものである。前記所定領域は、前記画像の一部の領域であってもよいし、前記画像の全体の領域であってもよい。
【0032】
この第6の態様は、火災位置検出手段の具体的な構成例を挙げたものであるが、前記第1乃至第5の態様では、火災位置検出手段の構成はこの例に限定されるものではない。
【0033】
本発明の第7の態様による火災発生位置検出装置は、前記第6の態様による火災発生位置検出装置において、前記火災位置演算手段は、前記画像における前記所定領域を所定閾値で2値化する2値化処理手段と、2値化された前記所定領域について水平方向にプロジェクション処理を行う水平プロジェクション処理手段と、前記水平プロジェクション処理手段により得られた水平プロジェクション値に基づいて、前記炎に相当する領域の前記所定位置を求める手段と、を有するものである。
【0034】
この第7の態様は、火災位置演算手段の具体的な構成例を挙げたものであるが、前記第6の態様では、火災位置演算手段の構成はこの例に限定されるものではない。
【0035】
本発明の第8の態様による火災発生位置検出装置は、前記第1乃至第7のいずれかの態様による火災発生位置検出装置において、前記火災位置検出手段が前記火災発生位置を求めて前記火災発生位置検出信号を出力するための前記必要条件を必要条件として、前記火災位置検出手段が用いた前記画像に基づいて炎の大きさを求めて当該炎の大きさを示す炎大きさ検出信号を出力する炎大きさ検出手段を備えたものである。
【0036】
この第8の態様のように炎大きさ検出手段を有していると、火災の規模等を知ることができ、好ましい。
【0037】
本発明の第9の態様による火災発生位置検出装置は、前記第8の態様による火災発生位置検出装置において、前記炎大きさ検出手段は、前記画像における前記所定領域内に炎に相当する領域が存在する場合に当該炎に相当する領域の大きさに相当する実際の大きさを炎の大きさとして求める炎大きさ演算手段を有するものである。
【0038】
この第9の態様は、炎大きさ検出手段の具体的な構成例を挙げたものであるが、前記第8の態様では、炎大きさ検出手段の構成はこの例に限定されるものではない。
【0039】
本発明の第10の態様による火災発生位置検出装置は、前記第9の態様による火災発生位置検出装置において、前記炎大きさ演算手段は、前記画像における前記所定領域を所定閾値で2値化する2値化処理手段と、2値化された前記所定領域について水平方向にプロジェクション処理を行う水平プロジェクション処理手段と、2値化された前記所定領域について垂直方向にプロジェクション処理を行う垂直プロジェクション処理手段と、前記水平プロジェクション処理手段及び前記垂直プロジェクション処理手段によりそれぞれ得られた水平プロジェクション値及び垂直プロジェクション値に基づいて、前記炎に相当する領域の大きさを求める手段と、を有するものである。
【0040】
この第10の態様は、炎大きさ演算手段の具体的な構成例を挙げたものであるが、前記第9の態様では、炎大きさ演算手段の構成はこの例に限定されるものではない。
【0041】
本発明の第11の態様による火災発生位置検出装置は、監視領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段から時間経過に従って順次得られる各画像について、当該画像における予め定めた対象領域を互いに重複することなくあるいは重複を許して小領域に分割し、これらの各小領域ごとに、当該小領域内の各画素の放射強度に応じた値の積算値に応じた値を求める第1の演算手段と、時間的にずれた各所定期間に対応して、当該所定期間内に得られた前記複数の画像についてそれぞれ前記各小領域ごとに前記第1の演算手段により求められた複数の値に対してフーリエ変換を行って、前記各小領域ごとにパワースペクトルを求めるフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して前記各小領域ごとに求められた各パワースペクトルについて、所定周波数帯の強度の平均値に応じた値を求める第2の演算手段と、前記第2の演算手段により求められた値の時系列的な変化が所定の増加傾向を示すか否かを前記各小領域ごとに判定する増加傾向判定手段と、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定された小領域の数が所定数以上であることを必要条件として、当該判定に用いられた又は当該判定時点付近において前記撮像手段により得られた画像に基づいて火災発生位置を求めて当該火災発生位置を示す火災発生位置検出信号を出力する火災位置検出手段と、を備えたものである。
【0042】
前記第1の態様では、対象領域全体について一連の処理を行って増加傾向の判定を行っていたのに対し、この第11の態様では、対象領域を複数の小領域に分割して各小領域ごとに前記第1の態様と同様の一連の処理を行って各小領域ごとに増加傾向の判定を行い、所定の増加傾向を示すと判定された小領域の数が所定数以上であることを必要条件として、火災発生位置を求めて火災発生位置検出信号を出力している。したがって、この第11の態様によれば、基本的に前記第1の態様と同様の利点が得られるのみならず、次の利点も得られる。
【0043】
すなわち、例えば、実際には同じ大きさの炎であっても、撮像手段から当該炎までの距離が異なれば、撮像手段により撮像された画像における炎の大きさは異なる。このため、前記第1の態様では、同じ火災が発生したとしてもそれらの火災の発生位置が異なれば前記増加傾向が異なる場合があるので、火災の発生位置に応じて火災感知の感度が異なる場合がある。これに対して、前記第11の態様では、各小領域ごとに一連の処理を行って各小領域ごとに増加傾向の判定を行うので、火災の発生位置による火災感知の感度のばらつきを低減することができ、一層精度良く火災を感知することができ、ひいては、一層精度良く火災発生位置を検出することができる。
【0044】
本発明の第12の態様による火災発生位置検出装置は、前記第11の態様による火災発生位置検出装置において、前記フーリエ変換手段により前記所定期間に対応して前記各小領域ごとに求められた各パワースペクトルが、所定周波数帯において鋭い強度ピークを有するか否かを判別するピーク判別手段と、前記第2の演算手段により前記各小領域ごとに求められ前記増加傾向判定手段により前記各小領域ごとの増加傾向の判定に用いられた複数の値のうち、所定数以上の値が、前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであるか否かを判定する判定手段と、を備えたものである。そして、前記火災位置検出手段は、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定され、かつ、前記判定手段によって前記所定数以上の値が前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであると判定された、小領域の数が、所定数以上であることを必要条件として、前記火災発生位置を求めて前記火災発生位置検出信号を出力する。
【0045】
本発明の第13の態様による火災発生位置検出装置は、監視領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段から時間経過に従って順次得られる各画像について、当該画像における予め定めた対象領域を互いに重複することなくあるいは重複を許して小領域に分割し、これらの各小領域ごとに、当該小領域内の各画素の放射強度に応じた値の積算値に応じた値を求める第1の演算手段と、時間的にずれた各所定期間に対応して、当該所定期間内に得られた前記複数の画像についてそれぞれ前記各小領域ごとに前記第1の演算手段により求められた複数の値に対してフーリエ変換を行って、前記各小領域ごとにパワースペクトルを求めるフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して前記各小領域ごとに求められた各パワースペクトルが、所定周波数帯において鋭い強度ピークを有するか否かを判別するピーク判別手段と、前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して前記各小領域ごとに求められたパワースペクトルのうち、前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルについて、所定周波数帯の強度の平均値に応じた値を求める第2の演算手段と、前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルについて前記第2の演算手段により求められた値の時系列的な変化が、所定の増加傾向を示すか否かを前記各小領域ごとに判定する増加傾向判定手段と、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定された小領域の数が所定数以上であることを必要条件として、当該判定に用いられた又は当該判定時点付近において前記撮像手段により得られた画像に基づいて火災発生位置を求めて当該火災発生位置を示す火災発生位置検出信号を出力する火災位置検出手段と、を備えたものである。
【0046】
本発明の第14の態様による火災発生位置検出装置は、前記第11乃至第13のいずれかの態様による火災発生位置検出装置において、前記増加傾向判定手段は、前記第2の演算手段により求められた前記各小領域ごとに時系列をなす各値に対して、当該時系列における当該値以前の時系列的に連続する所定数の値の平均値に応じた値を求める第3の演算手段を有し、該第3の演算手段により求められた値に基づいて前記所定の増加傾向を示すか否かを前記各小領域ごとに判定するものである。
【0047】
本発明の第15の態様による火災発生位置検出装置は、前記第14の態様による火災発生位置検出装置において、前記増加傾向判定手段は、前記第3の演算手段により求められた値が、当該時系列における当該値以前の時系列的に連続する所定数の値のうちの所定数以上の値がそれぞれ当該時系列における各直前の値より大きく、かつ、当該値が、当該時系列における当該値に対して時系列的に所定数前の値より所定閾値以上大きい場合に、当該小領域について前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定するものである。
【0048】
前記第12乃至第15の態様は、それぞれ前記第2乃至第5の態様に対応しており、各小領域に関して前記第2乃至第5の態様と同様の処理を行うものである。したがって、前記第12乃至第15の態様によれば、前記第11の態様と同様の利点が得られる上に、それぞれ前記第2乃至第5の態様と同様の利点が得られる。
【0049】
本発明の第16の態様による火災発生位置検出装置は、前記第11乃至第15のいずれかの態様による火災発生位置検出装置において、前記小領域への分割が、前記撮像手段から前記監視領域の各部への距離に応じて行われたものである。
【0050】
この第16の態様は小領域への分割の例を挙げたものであるが、前記第11乃至第15の態様では、小領域への分割はこの例に限定されるものではない。
【0051】
例えば、前記第11乃至第16のいずれかの態様による火災発生位置検出装置において、前記監視領域が道路を含み、前記小領域への分割が、前記各小領域が前記道路の像と交差する方向に延びるように行われてもよい。
【0052】
なお、この場合、前記各小領域の幅に対応する前記道路における実際の距離が互いに略々同じとなるように、前記各小領域の幅を定めておいてもよいが、これに限定されるものではない。
【0053】
本発明の第17の態様による火災発生位置検出装置は、前記第11乃至16のいずれかの態様による火災発生位置検出装置において、前記火災位置検出手段は、前記画像における所定領域と、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域あるいはこれにその周辺領域も含む領域とが重複した重複領域内に、炎に相当する領域が存在する場合に、当該炎に相当する領域の所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として求める第1の火災位置演算手段と、前記重複領域内に炎に相当する領域が存在しない場合に、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域の所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として求める第2の火災位置演算手段と、を有するものである。前記所定領域は、前記画像の一部の領域であってもよいし、前記画像の全体の領域であってもよい。
【0054】
ところで、前記第1乃至第17の態様によれば、前述した知見に従い、車両等に炎が隠れることによって撮像された領域内に炎が見えていない場合であっても火災を感知することができる。そして、前記第11乃至第17の態様では、各小領域ごとに増加傾向の判定を行っているので、所定の増加傾向を示すと判定された小領域は、炎の少なくとも一部が存在するかあるいは炎を反射した壁面等が存在する小領域である。したがって、前記第17の態様のように、所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域あるいはこれにその周辺領域も含む領域との重複領域内に、炎に相当する領域が存在する場合に、当該炎に相当する領域の所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として求めれば、火災発生位置を一層精度良く検出することができる。また、前記第17の態様のように、所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域あるいはこれにその周辺領域も含む領域との重複領域内に、炎に相当する領域が存在しない場合に、所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域の所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として求めれば、車両等に炎が隠れることによって撮像された領域内に炎が見えていない場合であっても、火災発生位置を検出することができる。
【0055】
本発明の第18の態様による火災発生位置検出装置は、前記第17の態様による火災発生位置検出装置において、前記第1の火災位置演算手段は、前記重複領域を所定閾値で2値化する2値化処理手段と、2値化された前記重複領域について水平方向にプロジェクション処理を行う水平プロジェクション処理手段と、前記水平プロジェクション処理手段により得られた水平プロジェクション値に基づいて、前記炎に相当する領域の前記所定位置を求める手段と、を有するものである。
【0056】
この第18の態様は、第1の火災位置演算手段の具体的な構成例を挙げたものであるが、前記第6の態様では、第1の火災位置演算手段の構成はこの例に限定されるものではない。
【0057】
本発明の第19の態様による火災発生位置検出装置は、前記第11乃至第18のいずれかの態様による火災発生位置検出装置において、前記火災位置検出手段が前記火災発生位置を求めて前記火災発生位置検出信号を出力する前記必要条件を必要条件として、前記火災位置検出手段が用いた前記画像に基づいて炎の大きさを求めて当該炎の大きさを示す炎大きさ検出信号を出力する炎大きさ検出手段を備えたものである。
【0058】
この第19の態様のように炎大きさ検出手段を有していると、火災の規模を知ることができ、好ましい。
【0059】
本発明の第20の態様による火災発生位置検出装置は、前記第19の態様による火災発生位置検出装置において、前記炎大きさ検出手段は、前記画像における前記所定領域と、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域あるいはこれにその周辺領域も含む領域とが重複した重複領域内に、炎に相当する領域が存在する場合に、当該炎に相当する領域の大きさに相当する実際の大きさを炎の大きさとして求める炎大きさ演算手段を有するものである。
【0060】
前記第19の態様では、各小領域ごとに増加傾向の判定を行っているので、所定の増加傾向を示すと判定された小領域は、炎の少なくとも一部が存在するかあるいは炎を反射した壁面等が存在する小領域である。したがって、前記第20の態様のように、所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域あるいはこれにその周辺領域も含む領域との重複領域内に、炎に相当する領域が存在する場合に、当該炎に相当する領域の大きさに相当する実際の大きさを炎の大きさとして求めれば、火災の大きさを一層精度良く検出することができる。
【0061】
本発明の第21の態様による火災発生位置検出装置は、前記第20の態様による火災発生位置検出装置において、前記炎大きさ演算手段は、前記重複領域を所定閾値で2値化する2値化処理手段と、2値化された前記重複領域について水平方向にプロジェクション処理を行う水平プロジェクション処理手段と、2値化された前記重複領域について垂直方向にプロジェクション処理を行う垂直プロジェクション処理手段と、前記水平プロジェクション処理手段及び前記垂直プロジェクション処理手段によりそれぞれ得られた水平プロジェクション値及び垂直プロジェクション値に基づいて、前記炎に相当する領域の大きさを求める手段と、を有するものである。
【0062】
この第21の態様は、炎大きさ演算手段の具体的な構成例を挙げたものであるが、前記第20の態様では、炎大きさ演算手段の構成はこの例に限定されるものではない。
【0063】
本発明の第22の態様による火災発生位置検出装置は、前記第1乃至第21の態様による火災発生位置検出装置において、前記画素の放射強度に応じた値が、輝度値、G成分値、R成分値及び赤外線強度値のうちのいずれかであるものである。
【0064】
この第22の態様は画素の放射強度に応じた値の例を挙げたものである。前記撮像手段としていわゆる可視光用白黒カメラを用いた場合には当該値として輝度値を用いることができ、カラーカメラを用いた場合には当該値として輝度値、G成分値又はR成分値を用いることができ、赤外線カメラを用いた場合には当該値として赤外線強度値を用いることができる。もっとも、前記第1乃至第21の態様では、前記画素の放射強度に応じた値は、第22の態様に挙げた例に限定されるものではない。
【0065】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
【0066】
図1は、本発明の第1の実施の形態による火災発生位置検出装置を示す概略ブロック図である。
【0067】
本実施の形態による火災発生位置検出装置は、図1に示すように、監視領域を撮像する撮像手段としての可視光用CCD白黒カメラ1と、カメラ1からの画像アナログ信号を画素ごとに例えば256階調のデジタル信号に変換するA/D変換器2と、デジタル信号に変換された画像(画像信号)を記憶する画像メモリ3と、画像メモリ3からの画像に対して後述する処理を行う処理部4とを備えている。図面には示していないが、処理部4は、後述する動作を実現するように、マイクロコンピュータ及び他の電子回路等で構成されている。
【0068】
図面には示していないが、カメラ1は、高速道路等のトンネル内の天井又は高所の壁に所望の間隔(例えば、約200m間隔)で設置されており、カメラ1からフレーム周期(1/30秒間隔)で順次画像が得られ、各画像が1/30秒間隔で画像メモリ3に順次取り込まれる。この画像の例を図2に示している。図2において、5,6はトンネルの壁面の像の領域、7は路面(道路)の像の領域、8は車線の像、9は炎の像を示している。なお、本実施の形態では、画像メモリ3には1枚の画像のみが記憶され、順次新しい画像に更新されるようになっている。もっとも、画像メモリ3に複数の画像が記憶されるようにしてもよい。また、画像の取り込み時間間隔も1/30秒に限定されるものではない。
【0069】
次に、本実施の形態による火災発生位置検出装置の動作について、図3及び図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0070】
まず、カメラ1から得られた1枚の画像が画像メモリ3内に取り込まれ(ステップS1)、処理部4は、この画像における予め定めた対象領域(本実施の形態では画像全体の領域であるが、トンネル内の照明灯等の領域を除いた領域としてもよい。)内の各画素の放射強度に応じた値(本実施の形態では、輝度値)の積算値(以下、「輝度積算値」という。)を算出し、内部メモリ(図示せず)に時系列データとして格納する(ステップS2)。輝度積算値の代わりに、例えば、各画素の輝度値の平均値を求めてもよい。
【0071】
ステップS1,S2は64回(その回数はこれに限定されない。)繰り返され、カメラ1から1/30秒間隔で順次得られた64枚の画像が順次画像メモリ3に取り込まれ、64枚の画像にそれぞれ対応して64個の輝度積算値が時系列データとして内部メモリに格納される。
【0072】
その後、処理部4は、64個の輝度積算値に対して高速フーリエ変換等のフーリエ変換を行って、パワースペクトルを求める(ステップS3)。
【0073】
ここで、炎、固定光源(ナトリウム灯)及び回転灯のパワースペクトルを図5に示す。炎の場合、図5(a)に示すように、全帯域に強度が存在し、かつ周波数が高くなるにつれて一般的に強度が下がり、しかも鋭い強度ピークは存在しない。固定光源の場合、図5(b)に示すように、直流成分のみ強度が存在する。回転灯の場合、図5(c)に示すように、特定周波数帯域に鋭い強度ピークが存在する。
【0074】
次に、処理部4は、ステップS3で求めたパワースペクトルについて、炎のゆらぎ周波数帯に含まれる所定周波数帯(例えば、2Hz〜4Hz)の強度の平均値(以下、「パワー平均値」という。)を算出する(ステップS4)。ステップS1〜S6の一連の処理は繰り返されるので、各一連の処理ごとに(すなわち、時間的にずれた各所定期間に対応して)パワー平均値が算出され、パワー平均値が時系列データとして内部メモリに格納される。
【0075】
次いで、処理部4は、ステップS4で算出された最新のパワー平均値以前の時系列的に連続する所定数のパワー平均値の平均値(「以下、「移動平均値」という。)を算出する(ステップS5)。すなわち、前記所定数を例えば4個であるとすると、処理部4は、今回の一連の処理S1〜S6中にステップS4で算出されたパワー平均値、1回前の一連の処理中に算出されたパワー平均値、2回前の一連の処理中に算出されたパワー平均値、及び、3回前の一連の処理中に算出されたパワー平均値の、合計4個のパワー平均値の平均値を算出する。ステップS1〜S6の一連の処理は繰り返されるので、各一連の処理ごとに移動平均値が算出され、移動平均値が時系列データとして内部メモリに格納される。なお、移動平均値の代わりに、例えば、積算値を算出してもよい。
【0076】
ここで、火災発生前後におけるパワー平均値及び移動平均値の時系列的な(時間的な)変化の様子を図6に示す。図6からわかるように、火災が発生すると、パワー平均値及び移動平均値が増加していきやがて高いレベルに維持される。パワー平均値は突発的に変動しているが、移動平均値は平滑化されていることもわかる。なお、図6において、縦軸は、エネルギーを対数で表したものをパワー平均値及び移動平均値のデシベルとして表している。
【0077】
その後、処理部4は、ステップS4で算出されたパワー平均値の時系列的な変化が所定の増加傾向を示すか否かを判定する(ステップS6)。本実施の形態では、処理部4は、ステップS5で算出された移動平均値に基づいて前記所定の増加傾向を示すか否かを判定する。具体的には、処理部4は、ステップS5で算出された最新の移動平均値以前の時系列的に連続する所定数の移動平均値のうちの所定数以上の移動平均値がそれぞれ当該時系列における各直前の移動平均値より大きく、かつ、当該最新の移動平均値が、当該最新の移動平均値に対して時系列的に所定数前の値より所定閾値以上大きい場合に、パワー平均値の時系列的な変化が所定の増加傾向を示すと判定する。
【0078】
その具体例について、図7を参照して説明する。図7の例では、連続する5個の移動平均値A1〜A5が示されており、移動平均値A5が最新となっている。例えば、処理部4は、最新の移動平均値A5以前の時系列的に連続する4個の移動平均値A5,A4,A3,A2のうちの3個以上がそれぞれ当該時系列における各直前の移動平均値より大きく、かつ、当該最新の移動平均値A5が、当該最新の移動平均値A5に対して時系列的に4個前の移動平均値A1より所定閾値以上大きい場合に(すなわち、図6中のΔが所定閾値以上大きい場合に)、パワー平均値の時系列的な変化が所定の増加傾向を示すと判定する。
【0079】
本実施の形態では、ステップS6の判定が火災が発生しているか否かの判定となっており、ステップS6において所定の増加傾向を示すと判定されることによって、火災が感知される。
【0080】
本実施の形態によれば、前述した知見に従い、車両等に炎が隠れることによって撮像された領域内に炎が見えていない場合であっても火災を感知することができ、しかも、精度良く火災を感知することができる。また、本実施の形態によれば、撮像された画像から輝度値の高い領域を火炎の候補領域として抽出してこの候補領域が時間的に移動する場合に火災とは感知しないことによって走行車両のヘッドライト等を火炎であると誤認識する事態を防止するような特別な処理が、必要ないので、移動火災であっても感知することができる。
【0081】
ところで、緊急車両の回転灯の場合、その回転周波数はゆらぎ周波数帯に含まれる。したがって、本実施の形態において、撮像領域内に回転灯が入ることによって、移動平均値は時系列的に増加傾向を示すこととなる。しかし、回転灯の面積は小さいので、回転灯による増加傾向は火災による増加傾向に比べて増加の度合いが低く、本実施の形態によっても、回転灯を火災であると誤認識するような事態はほとんどない。
【0082】
ステップS6において所定の増加傾向を示さないと判定されると(すなわち、火災が感知されないと)、最初に戻る。一方、ステップS6において所定の増加傾向を示すと判定されると(すなわち、火災が感知されると)、ステップS7へ移行する。
【0083】
ステップS7において、処理部4は、現時点で画像メモリ3に格納されている1枚の画像を所定閾値で2値化する。もっとも、画像メモリ3が複数の画像を記憶するようになっていれば、ステップS7において、処理部4は、ステップS6における所定の増加傾向を示すという判定に用いられたいずれか1枚の画像を2値化してもよい。また、処理部4は、ステップS6における所定の増加傾向を示すという判定の時点付近においてカメラ1から得られた画像を2値化してもよく、ステップS6の判定後に新たに画像メモリ3取り込んだ画像を2値化してもよい。
【0084】
その後、処理部4は、ステップS7で2値化された画像に対して、壁面の像の領域5,6(図2参照)を取り除くマスク処理を行う(ステップS8)。すなわち、本実施の形態では、後述するステップS11での炎に相当する領域が存在するか否かを判定するための所定領域を、道路の像の領域7(図2参照)としている。もっとも、必ずしもこの所定領域を領域7とする必要はないし、また、ステップS8のマスク処理は必ずしも行わなくてもよい。なお、ステップS7,S8の順序は逆でもよいことは言うまでもない。
【0085】
次いで、処理部4は、図8に示すように、ステップS8でマスク処理された画像に対して水平方向にプロジェクション処理を行う(ステップS9)。図8において、PHは、水平プロジェクション処理により得られた水平プロジェクション値を示す。
【0086】
さらに、処理部4は、図8に示すように、ステップS8でマスク処理された画像に対して垂直方向にプロジェクション処理を行う(ステップS10)。図8において、PVは、垂直プロジェクション処理により得られた垂直プロジェクション値を示す。
【0087】
その後、処理部4は、ステップS7で2値化された画像の道路の像の領域7内に炎に相当する領域が存在するか否かを判定する(ステップS11)。本実施の形態では、この判定は、ステップS9で求めた水平プロジェクション値PHのピーク値が所定閾値PH以上でかつステップS10で求めた垂直プロジェクション値PVが所定閾値PV以上であるか否かを判定することによって、行われる。
【0088】
ステップS11で領域7内に炎に相当する領域が存在すると判定されると、処理部4は、プロジェクション値PH,PVに基づいて当該画像における炎に相当する領域を求め、その領域の所定位置(例えば、下部位置)に相当する実際の位置を火災発生位置として算出する(ステップS12)。当該画像における炎に相当する領域は、具体的には、次のようにして求めることができる。図8に示すように、水平プロジェクション値PHのピークの位置から上下両側の水平プロジェクション値PHが所定閾値PH以上であるか否かを調べて、閾値PHとなる水平位置H1,H2を求める。また、図8に示すように、垂直プロジェクション値PVのピークの位置から左右両側の垂直プロジェクション値PVが所定閾値PV以上であるか否かを調べて、閾値PVとなる垂直位置V1,V2を求める。これによって、当該画像において、図8中の太線の矩形で示す炎に相当する領域が求まる。そして、この太線の矩形の領域の下部位置の座標に応じて距離補正を行って、当該下部位置に相当する実際の位置を火災発生位置として算出すればよい。
【0089】
次に、処理部4は、当該画像における炎に相当する領域(図8中の太線の矩形)の大きさに相当する実際の大きさを算出する(ステップS13)。具体的には、例えば、当該画像における炎に相当する領域の各部の座標に応じて距離補正を行って、この領域の大きさに相当する実際の大きさを算出すればよい。なお、炎の大きさは、例えば、面積として算出してもよいし、縦横の長さとして算出してもよい。
【0090】
その後、処理部4は、ステップS12で算出された火災発生位置を示す火災発生位置検出信号及びステップS13で算出された炎の大きさを示す炎大きさ検出信号を、監視センター等へ出力し(ステップS14)、最初に戻る。トンネル内には所定間隔で消火装置が設置されているので、消火装置を制御する制御装置に火災発生位置検出信号を出力すれば、火災発生位置に近い消火装置を作動させることが可能となる。
【0091】
一方、ステップS11において領域7内に炎に相当する領域が存在しないと判定されると(すなわち、火災が感知されたにも関わらず、炎が車両に隠れているなどによって炎が見えていない場合などには)、処理部4は、火災が感知された旨を単に示す火災感知信号を監視センター等へ出力し(ステップS15)、最初に戻る。
【0092】
本実施の形態によれば、精度良く火災を感知した上で火災発生位置を検出することができ、ひいては、火災発生位置検出の精度を高めることができる。また、本実施の形態では、炎の大きさも検出されるので、火災の規模等を知ることができる。
【0093】
[第2の実施の形態]
【0094】
図9は、本発明の第2の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作の一部を示す概略フローチャートである。図9において、図3中のステップと同一又は対応するステップには同一符号を付し、その重複する説明は省略する。なお、本実施の形態では、図9中のステップS24でYESと判定されると図4中のステップS7へ移行し、図4中のステップS14,S15の後には図9中の最初に戻る。
【0095】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、ステップS3,S4間にステップS21〜S23が追加され、ステップS6,S7間にステップS24が追加されている点のみである。
【0096】
本実施の形態では、ステップS3の後、処理部4は、ステップS3で求められたパワースペクトルが所定周波数帯(例えば、0Hz〜15Hz)において鋭い強度ピークを有するか否かが判別される(ステップS21)。つまり、前述した図5からわかるように、ステップS3で求められたパワースペクトルが回転灯の影響を受けているか否かが判別される。
【0097】
ステップS21において鋭い強度ピークを有しないと判別されると、処理部4は、後のステップS4で算出されるパワー平均値と関連づけられるべき関連づけデータを「強度ピークなし」にセットし(ステップS22)、ステップS4へ移行する。一方、ステップS21において鋭い強度ピークを有すると判別されると、処理部4は、後のステップS4で算出されるパワー平均値と関連づけられるべき関連づけデータを「強度ピークあり」にセットし(ステップS23)、ステップS4へ移行する。
【0098】
ステップS6において所定の増加傾向を示すと判定されると、処理部4は、ステップS4で算出されステップS6の判定に用いられた(本実施の形態の場合には、移動平均値を介して用いられている。)複数のパワー平均値のうち、「強度ピークなし」の関連づけデータに関連づけられたパワー平均値の数が所定数以上であるか否かを判定する(ステップS24)。なお、「強度ピークなし」に関連づけられたパワー平均値は、ステップS21で鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくもの、すなわち、回転灯の影響を受けたパワースペクトルに基づくものである。
【0099】
ステップS24で所定数以上であると判定されるとステップS7へ移行する一方、ステップS24で所定数以上でないと判定されるとそのまま最初に戻る。
【0100】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる他、ステップS21〜S24が追加されたことによって、回転灯の影響が一層低減され、火災感知の精度が一層向上し、ひいては、火災発生位置検出の精度が一層向上する。
【0101】
[第3の実施の形態]
【0102】
図10は、本発明の第3の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作の一部を示す概略フローチャートである。図10において、図3中のステップと同一又は対応するステップには同一符号を付し、その重複する説明は省略する。なお、本実施の形態では、図10中のステップS6でYESと判定されると図4中のステップS7へ移行し、図4中のステップS14,S15の後には図10中の最初に戻る。
【0103】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、ステップS3,S4間にステップS25が追加されている点のみである。
【0104】
本実施の形態では、ステップS3の後、処理部4は、ステップS3で求められたパワースペクトルが所定周波数帯(例えば、0Hz〜15Hz)において鋭い強度ピークを有するか否かが判別される(ステップS25)。つまり、前述した図5からわかるように、ステップS3で求められたパワースペクトルが回転灯の影響を受けているか否かが判別される。
【0105】
ステップS25において鋭い強度ピークを有しないと判別されると、ステップS4へ移行する。一方、ステップS25において鋭い強度ピークを有すると判別されると、直ちに最初へ戻る。この場合、すなわち、ステップS3で求められたパワースペクトルが回転灯の影響を受けている場合には、パワー平均値及び移動平均値は算出されない。
【0106】
したがって、本実施の形態では、ステップS6の判定で用いられる移動平均値ひいてはパワー平均値は回転灯の影響を受けなかったものとなり、回転灯の影響が一層低減され、火災感知の精度が一層向上し、ひいては火災発生位置検出の精度が一層向上する。なお、本実施の形態によっても前記第1の実施の形態と同様の利点が得られることは、言うまでもない。
【0107】
[第4の実施の形態]
【0108】
図11は、本発明の第4の実施の形態による画像の分割状況を示す図である。図12及び図13は、本実施の形態による火災発生位置検出装置の動作を示す概略フローチャートである。なお、図11において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0109】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、処理部4の動作のみであるので、ここでも図1を参照する。
【0110】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、主として、前記第1の実施の形態ではカメラ1から画像メモリ3に取り込まれた画像の対象領域が分割されることなく処理されていたのに対し、本実施の形態では、当該対象領域が図11に示すように小領域R1〜Rnに分割され各領域ごとに処理される点である。
【0111】
本実施の形態では、図11に示すように、画像が重複することなく小領域R1〜Rnに分割されている。本実施の形態では、各小領域R1〜Rnへの分割は、カメラ1から前記監視領域の各部への距離に応じて行われている。また、本実施の形態では、各小領域R1〜Rnは、道路の像7と交差するように水平方向に延びている。また、各小領域R1〜Rnの幅は、それらの幅に対応する道路における実際の距離が互いに略々同じとなるように、定められている。もっとも、小領域への分割方法は以上のような方法に限定されるものではない。
【0112】
まず、本実施の形態では、カメラ1から得られた1枚の画像が画像メモリ3内に取り込まれ(ステップS31)、処理部4は、この画像における予め定めた対象領域(本実施の形態では画像全体の領域であるが、トンネル内の照明灯等の領域を除いた領域としてもよい。)を前述したように小領域R1〜Rnに分割し、これらの各小領域R1〜Rnごとに、当該小領域内の各画素の放射強度に応じた値(本実施の形態では、輝度値)の積算値(以下、「輝度積算値」という。)を算出し、内部メモリ(図示せず)に時系列データとして格納する(ステップS32)。輝度積算値の代わりに、例えば、各画素の輝度値の平均値を求めてもよい。
【0113】
ステップS31及びn個の小領域について繰り返すステップS32は、64回(その回数はこれに限定されない。)繰り返され、カメラ1から1/30秒間隔で順次得られた64枚の画像が順次画像メモリ3に取り込まれ、64枚の各画像のn個の小領域R1〜Rnにそれぞれ対応して64×n個の輝度積算値が各小領域R1〜Rnごとに時系列データとして内部メモリに格納される。
【0114】
その後、処理部4は、内部メモリの小領域カウント値を0にリセットする(ステップS33)。
【0115】
次に、処理部4は、各小領域R1〜Rnについて、前述した図3中のステップS3〜S6にそれぞれ相当するステップS34〜37、及び、ステップS38を行う。このとき、ステップS37において当該小領域について所定の増加傾向を示すと判定されると、処理部4は、小領域カウント値を1だけカウントアップする(ステップS38)。一方、ステップS37において当該小領域について所定の増加傾向を示さないと判定されると、そのまま当該小領域に関するステップS34〜S38の一連の処理を終了する。したがって、小領域カウント値は、所定の増加傾向を示すと判定された小領域の数を示す。なお、処理部4は、各小領域R1〜Rnに対応して、当該小領域についてステップS37で所定の増加傾向を示すと判定されたか否かを示す識別データを、内部メモリに記憶する。
【0116】
全ての小領域R1〜RnについてステップS34〜S38の処理が終了すると、処理部4は、小領域カウント値が所定数以上であるか否かを判定する(ステップS39)。この所定数は、1以上の所望の値に設定することができる。
【0117】
本実施の形態では、ステップS39の判定が火災が発生しているか否かの判定となっており、ステップS39において所定数以上であると判定されることによって、火災が感知される。
【0118】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の火災感知を行うことができるのみならず、火災の発生位置による火災感知の感度のばらつきを低減することができ、ひいては、一層精度良く火災を感知することができる。
【0119】
ステップS39において所定数以上ではないと判定されると(すなわち、火災が感知されないと)、最初に戻る。一方、ステップS39において所定数以上であると判定されると(すなわち、火災が感知されると)、ステップS40へ移行する。
【0120】
ステップS40において、処理部4は、現時点で画像メモリ3に格納されている1枚の画像を所定閾値で2値化する。もっとも、画像メモリ3が複数の画像を記憶するようになっていれば、ステップS7において、処理部4は、ステップS39における所定数以上であるという判定に用いられたいずれか1枚の画像を2値化してもよい。また、処理部4は、ステップS39における所定数以上であるという判定の時点付近においてカメラ1から得られた画像を2値化してもよく、ステップS39の判定後に新たに画像メモリ3取り込んだ画像を2値化してもよい。
【0121】
その後、処理部4は、ステップS40で2値化された画像に対して、壁面の像の領域5,6(図2参照)を取り除くマスク処理を行う(ステップS41)。すなわち、本実施の形態では、所定領域を道路の像の領域7(図2参照)としている。もっとも、必ずしもこの所定領域を領域7とする必要はないし、また、ステップS41のマスク処理は必ずしも行わなくてもよい。なお、ステップS40,S41の順序は逆でもよいことは言うまでもない。
【0122】
次いで、処理部4は、ステップS41でマスク処理された画像における、ステップS37で所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域(以下、「火災判定小領域全体領域」という。)にその周辺領域も含む領域(以下、「火災判定小領域周辺領域」という。)に対して、水平方向にプロジェクション処理を行う(ステップS42)。すなわち、前記画像における領域7と火災判定小領域周辺領域との重複領域に対して、水平方向にプロジェクション処理を行う。この点について、図14を参照して具体的に説明する。今、ステップS39の判定における所定数が1であり、ステップS37で所定の増加傾向を示すと判定された小領域が小領域R6のみであったとする。そして、当該小領域R6の周辺領域としてその両側の小領域R5,R7を用いるものとする。すると、この場合、火災判定小領域周辺領域は小領域R5〜R7の全体がなす領域となり、この領域と領域7との重複領域は、図14中のハッチングを付した部分となる。よって、この場合には、処理部4は、ステップS42において、このハッチングを付した重複領域に対して、水平方向にプロジェクション処理を行うことになる。
【0123】
なお、ステップS42において、処理部4は、ステップS8でマスク処理された画像における火災判定小領域全体領域に対して、水平方向にプロジェクション処理を行ってもよい。
【0124】
さらに、処理部4は、ステップS42における水平プロジェクション処理の対象となった領域と同じ領域に対して、すなわち、ステップS41でマスク処理された画像における火災判定小領域周辺領域に対して(前記重複領域に対して)、垂直方向にプロジェクション処理を行う(ステップS43)。
【0125】
その後、処理部4は、ステップS7で2値化された画像の前記重複領域内に炎に相当する領域が存在するか否かを判定する(ステップS44)。本実施の形態では、この判定は、ステップS42で求めた水平プロジェクション値のピーク値が所定閾値以上でかつステップS43で求めた垂直プロジェクション値が所定閾値以上であるか否かを判定することによって、行われる。
【0126】
ステップS44で前記重複領域内に炎に相当する領域が存在すると判定されると、処理部4は、前述した図4中のステップS12と同様に、ステップS42で求めた水平プロジェクション値及びステップS43で求めた垂直プロジェクション値に基づいて当該画像における炎に相当する領域を求め、その領域の所定位置(例えば、下部位置)に相当する実際の位置を火災発生位置として算出する(ステップS45)。
【0127】
次に、処理部4は、前述した図4中のステップS13と同様に、当該画像における炎に相当する領域の大きさに相当する実際の大きさを炎の大きさを算出する(ステップS46)。
【0128】
その後、処理部4は、ステップS45で算出された火災発生位置を示す火災発生位置検出信号及びステップS46で算出された炎の大きさを示す炎大きさ検出信号を、監視センター等へ出力し(ステップS47)、最初に戻る。トンネル内には所定間隔で消火装置が設置されているので、消火装置を制御する制御装置に火災発生位置検出信号を出力すれば、火災発生位置に近い消火装置を作動させることが可能となる。
【0129】
一方、ステップS44において前記重複領域内に炎に相当する領域が存在しないと判定されると(すなわち、火災が感知されたにも関わらず、炎が車両に隠れているなどによって炎が見えていない場合などには)、処理部4は、火災判定小領域全体領域の所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として算出する(ステップS48)。具体的には、例えば、火災判定小領域全体領域の所定位置の座標に応じて距離補正を行って、当該所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として算出すればよい。
【0130】
ステップS48の後に、処理部4は、ステップS48で算出された火災発生位置を示す火災発生位置検出信号を、監視センター等へ出力し(ステップS49)、最初に戻る。この場合にも、消火装置を制御する制御装置に火災発生位置検出信号を出力すれば、火災発生位置に近い消火装置を作動させることが可能となる。
【0131】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られるのみならず、火災の発生位置による火災感知の感度のばらつきを低減することができ、一層精度良く火災を感知することができ、ひいては、一層精度良く火災発生位置を検出することができる。また、本実施の形態によれば、前記重複領域内に炎に相当する領域が存在しない場合に、火災判定小領域全体領域の所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として求めているので、車両等に炎が隠れることによって撮像された領域内に炎が見えていない場合であっても、火災発生位置を検出することができる。
【0132】
[第5の実施の形態]
【0133】
図15は、本発明の第5の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作の一部を示す概略フローチャートである。図15において、図12中のステップと同一又は対応するステップには同一符号を付し、その重複する説明は省略する。なお、本実施の形態では、図15中のステップS39でYESと判定されると図13中のステップS40へ移行し、図13中のステップS47,S49の後には図15中の最初に戻る。
【0134】
本実施の形態が前記第4の実施の形態と異なる所は、ステップS34,S35間に前述した図9中のステップS21〜S23にそれぞれ相当するステップS51〜S53が追加され、ステップS37,S38間に前述した図9中のステップS24に相当するステップS54が追加されている点のみである。
【0135】
本実施の形態によれば、前記第4の実施の形態と同様の利点が得られる他、ステップS51〜S54が追加されたことによって、回転灯の影響が一層低減され、火災感知の精度が一層向上し、ひいては火災発生位置検出の精度が一層向上する。
【0136】
[第6の実施の形態]
【0137】
図16は、本発明の第6の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作の一部を示す概略フローチャートである。図16において、図12中のステップと同一又は対応するステップには同一符号を付し、その重複する説明は省略する。なお、本実施の形態では、図16中のステップS39でYESと判定されると図13中のステップS40へ移行し、図13中のステップS47,S49の後には図16中の最初に戻る。
【0138】
本実施の形態が前記第4の実施の形態と異なる所は、ステップS34,S35間に前述した図10中のステップS25に相当するステップS55が追加されている点のみである。
【0139】
本実施の形態によれば、前記第4の実施の形態と同様の利点が得られる他、ステップS35が追加されたことによって、回転灯の影響が一層低減され、火災感知の精度が一層向上する。
【0140】
前述した第4乃至第6の実施の形態では、画像における対象領域を互いに重複することなく小領域R1〜Rnへ分割していたが、例えば、図17に示すように、画像における対象領域を重複を許して小領域R1〜Rn,R’1〜R’n+1へ分割してもよい。図17に示す例では、図11に示されたものと全く同一の小領域R1〜Rnの他、小領域R1〜Rnの境界を跨って小領域R1〜Rnと重複するような小領域R’1〜R’n+1が追加されている。小領域R’1〜R’n+1同士の境界は、図17中左右方向へ延びた破線で示している。図11に示す例では、炎がちょうど小領域R1〜Rnの境界で発生するような場合火災感知の感度が低下するおそれがあるが、図17に示す例では、そのようなおそれがなくなる。
【0141】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0142】
例えば、可視光用CCD白黒カメラ1に代えて、可視光用カラーカメラや赤外線カメラ等を用いてもよい。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、精度良く火災発生位置を検出することができる。
【0144】
また、本発明によれば、車両等に炎が隠れることによって撮像された領域内に炎が見えていない場合であっても、火災発生位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による火災発生位置検出装置を示す概略ブロック図である。
【図2】カメラにより撮像された画像の例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作を示す概略フローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作を示す他の概略フローチャートである。
【図5】炎、固定光源及び回転灯のパワースペクトルを示す図である。
【図6】パワー平均値及び移動平均値の時系列的な変化の様子を示す図である。
【図7】増加傾向の判定方法の一例を示す図である。
【図8】プロジェクション処理を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作の一部を示す概略フローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作の一部を示す概略フローチャートである。
【図11】本発明の第4の実施の形態による画像の分割状況を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作を示す概略フローチャートである。
【図13】本発明の第4の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作を示す他の概略フローチャートである。
【図14】プロジェクション処理の対象となる領域を示す図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作の一部を示す概略フローチャートである。
【図16】本発明の第6の実施の形態による火災発生位置検出装置の動作の一部を示す概略フローチャートである。
【図17】画像の他の分割状況を示す図である。
【符号の説明】
1 カメラ
2 A/D変換器
3 画像メモリ
4 処理部

Claims (22)

  1. 監視領域を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段から時間経過に従って順次得られる各画像について、当該画像における予め定めた対象領域内の各画素の放射強度に応じた値の積算値に応じた値を求める第1の演算手段と、
    時間的にずれた各所定期間に対応して、当該所定期間内に得られた前記複数の画像についてそれぞれ前記第1の演算手段により求められた複数の値に対してフーリエ変換を行って、パワースペクトルを求めるフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して求められた各パワースペクトルについて、所定周波数帯の強度の平均値に応じた値を求める第2の演算手段と、
    前記第2の演算手段により求められた値の時系列的な変化が所定の増加傾向を示すか否かを判定する増加傾向判定手段と、
    前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定されたことを必要条件として、当該判定に用いられた又は当該判定時点付近において前記撮像手段により得られた画像に基づいて火災発生位置を求めて当該火災発生位置を示す火災発生位置検出信号を出力する火災位置検出手段と、
    を備えたことを特徴とする火災発生位置検出装置。
  2. 前記フーリエ変換手段により求められた各パワースペクトルが、所定周波数帯において鋭い強度ピークを有するか否かを判別するピーク判別手段と、
    前記第2の演算手段により求められ前記増加傾向判定手段により増加傾向の判定に用いられた複数の値のうち、所定数以上の値が、前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであるか否かを判定する判定手段と、
    を備え、
    前記火災位置検出手段は、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定され、かつ、前記判定手段によって前記所定数以上の値が前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであると判定されたことを必要条件として、前記火災発生位置を求めて前記火災発生位置検出信号を出力することを特徴とする請求項1記載の火災発生位置検出装置。
  3. 監視領域を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段から時間経過に従って順次得られる各画像について、当該画像における予め定めた対象領域内の各画素の放射強度に応じた値の積算値に応じた値を求める第1の演算手段と、
    時間的にずれた各所定期間に対応して、当該所定期間内に得られた前記複数の画像についてそれぞれ前記第1の演算手段により求められた複数の値に対してフーリエ変換を行って、パワースペクトルを求めるフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して求められた各パワースペクトルが、所定周波数帯において鋭い強度ピークを有するか否かを判別するピーク判別手段と、
    前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して求められたパワースペクトルのうち、前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルについて、所定周波数帯の強度の平均値に応じた値を求める第2の演算手段と、
    前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルについて前記第2の演算手段により求められた値の時系列的な変化が、所定の増加傾向を示すか否かを判定する増加傾向判定手段と、
    前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定されたことを必要条件として、当該判定に用いられた又は当該判定時点付近において前記撮像手段により得られた画像に基づいて火災発生位置を求めて当該火災発生位置を示す火災発生位置検出信号を出力する火災位置検出手段と、
    を備えたことを特徴とする火災発生位置検出装置。
  4. 前記増加傾向判定手段は、前記第2の演算手段により求められた時系列をなす各値に対して、当該時系列における当該値以前の時系列的に連続する所定数の値の平均値に応じた値を求める第3の演算手段を有し、該第3の演算手段により求められた値に基づいて前記所定の増加傾向を示すか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の火災発生位置検出装置。
  5. 前記増加傾向判定手段は、前記第3の演算手段により求められた値が、当該時系列における当該値以前の時系列的に連続する所定数の値のうちの所定数以上の値がそれぞれ当該時系列における各直前の値より大きく、かつ、当該値が、当該時系列における当該値に対して時系列的に所定数前の値より所定閾値以上大きい場合に、前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定することを特徴とする請求項4記載の火災発生位置検出装置。
  6. 前記火災位置検出手段は、前記画像における所定領域内に炎に相当する領域が存在する場合に当該炎に相当する領域の所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として求める火災位置演算手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の火災発生位置検出装置。
  7. 前記火災位置演算手段は、前記画像における前記所定領域を所定閾値で2値化する2値化処理手段と、2値化された前記所定領域について水平方向にプロジェクション処理を行う水平プロジェクション処理手段と、前記水平プロジェクション処理手段により得られた水平プロジェクション値に基づいて、前記炎に相当する領域の前記所定位置を求める手段と、を有することを特徴とする請求項6記載の火災発生位置検出装置。
  8. 前記火災位置検出手段が前記火災発生位置を求めて前記火災発生位置検出信号を出力するための前記必要条件を必要条件として、前記火災位置検出手段が用いた前記画像に基づいて炎の大きさを求めて当該炎の大きさを示す炎大きさ検出信号を出力する炎大きさ検出手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の火災発生位置検出装置。
  9. 前記炎大きさ検出手段は、前記画像における前記所定領域内に炎に相当する領域が存在する場合に当該炎に相当する領域の大きさに相当する実際の大きさを炎の大きさとして求める炎大きさ演算手段を有することを特徴とする請求項8記載の火災発生位置検出装置。
  10. 前記炎大きさ演算手段は、前記画像における前記所定領域を所定閾値で2値化する2値化処理手段と、2値化された前記所定領域について水平方向にプロジェクション処理を行う水平プロジェクション処理手段と、2値化された前記所定領域について垂直方向にプロジェクション処理を行う垂直プロジェクション処理手段と、前記水平プロジェクション処理手段及び前記垂直プロジェクション処理手段によりそれぞれ得られた水平プロジェクション値及び垂直プロジェクション値に基づいて、前記炎に相当する領域の大きさを求める手段と、を有することを特徴とする請求項9記載の火災発生位置検出装置。
  11. 監視領域を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段から時間経過に従って順次得られる各画像について、当該画像における予め定めた対象領域を互いに重複することなくあるいは重複を許して小領域に分割し、これらの各小領域ごとに、当該小領域内の各画素の放射強度に応じた値の積算値に応じた値を求める第1の演算手段と、
    時間的にずれた各所定期間に対応して、当該所定期間内に得られた前記複数の画像についてそれぞれ前記各小領域ごとに前記第1の演算手段により求められた複数の値に対してフーリエ変換を行って、前記各小領域ごとにパワースペクトルを求めるフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して前記各小領域ごとに求められた各パワースペクトルについて、所定周波数帯の強度の平均値に応じた値を求める第2の演算手段と、
    前記第2の演算手段により求められた値の時系列的な変化が所定の増加傾向を示すか否かを前記各小領域ごとに判定する増加傾向判定手段と、
    前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定された小領域の数が所定数以上であることを必要条件として、当該判定に用いられた又は当該判定時点付近において前記撮像手段により得られた画像に基づいて火災発生位置を求めて当該火災発生位置を示す火災発生位置検出信号を出力する火災位置検出手段と、
    を備えたことを特徴とする火災発生位置検出装置。
  12. 前記フーリエ変換手段により前記所定期間に対応して前記各小領域ごとに求められた各パワースペクトルが、所定周波数帯において鋭い強度ピークを有するか否かを判別するピーク判別手段と、
    前記第2の演算手段により前記各小領域ごとに求められ前記増加傾向判定手段により前記各小領域ごとの増加傾向の判定に用いられた複数の値のうち、所定数以上の値が、前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであるか否かを判定する判定手段と、
    を備え、
    前記火災位置検出手段は、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定され、かつ、前記判定手段によって前記所定数以上の値が前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルに基づくものであると判定された、小領域の数が、所定数以上であることを必要条件として、前記火災発生位置を求めて前記火災発生位置検出信号を出力することを特徴とする請求項11記載の火災発生位置検出装置。
  13. 監視領域を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段から時間経過に従って順次得られる各画像について、当該画像における予め定めた対象領域を互いに重複することなくあるいは重複を許して小領域に分割し、これらの各小領域ごとに、当該小領域内の各画素の放射強度に応じた値の積算値に応じた値を求める第1の演算手段と、
    時間的にずれた各所定期間に対応して、当該所定期間内に得られた前記複数の画像についてそれぞれ前記各小領域ごとに前記第1の演算手段により求められた複数の値に対してフーリエ変換を行って、前記各小領域ごとにパワースペクトルを求めるフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して前記各小領域ごとに求められた各パワースペクトルが、所定周波数帯において鋭い強度ピークを有するか否かを判別するピーク判別手段と、
    前記フーリエ変換手段により前記各所定期間に対応して前記各小領域ごとに求められたパワースペクトルのうち、前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルについて、所定周波数帯の強度の平均値に応じた値を求める第2の演算手段と、
    前記ピーク判別手段により鋭い強度ピークを有しないと判別されたパワースペクトルについて前記第2の演算手段により求められた値の時系列的な変化が、所定の増加傾向を示すか否かを前記各小領域ごとに判定する増加傾向判定手段と、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定された小領域の数が所定数以上であることを必要条件として、当該判定に用いられた又は当該判定時点付近において前記撮像手段により得られた画像に基づいて火災発生位置を求めて当該火災発生位置を示す火災発生位置検出信号を出力する火災位置検出手段と、
    を備えたことを特徴とする火災発生位置検出装置。
  14. 前記増加傾向判定手段は、前記第2の演算手段により求められた前記各小領域ごとに時系列をなす各値に対して、当該時系列における当該値以前の時系列的に連続する所定数の値の平均値に応じた値を求める第3の演算手段を有し、該第3の演算手段により求められた値に基づいて前記所定の増加傾向を示すか否かを前記各小領域ごとに判定することを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の火災発生位置検出装置。
  15. 前記増加傾向判定手段は、前記第3の演算手段により求められた値が、当該時系列における当該値以前の時系列的に連続する所定数の値のうちの所定数以上の値がそれぞれ当該時系列における各直前の値より大きく、かつ、当該値が、当該時系列における当該値に対して時系列的に所定数前の値より所定閾値以上大きい場合に、当該小領域について前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定することを特徴とする請求項14記載の火災発生位置検出装置。
  16. 前記小領域への分割は前記撮像手段から前記監視領域の各部への距離に応じて行われたことを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の火災発生位置検出装置。
  17. 前記火災位置検出手段は、前記画像における所定領域と、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域あるいはこれにその周辺領域も含む領域とが重複した重複領域内に、炎に相当する領域が存在する場合に、当該炎に相当する領域の所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として求める第1の火災位置演算手段と、前記重複領域内に炎に相当する領域が存在しない場合に、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域の所定位置に相当する実際の位置を火災発生位置として求める第2の火災位置演算手段と、を有することを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載の火災発生位置検出装置。
  18. 前記第1の火災位置演算手段は、前記重複領域を所定閾値で2値化する2値化処理手段と、2値化された前記重複領域について水平方向にプロジェクション処理を行う水平プロジェクション処理手段と、前記水平プロジェクション処理手段により得られた水平プロジェクション値に基づいて、前記炎に相当する領域の前記所定位置を求める手段と、を有することを特徴とする請求項17記載の火災発生位置検出装置。
  19. 前記火災位置検出手段が前記火災発生位置を求めて前記火災発生位置検出信号を出力する前記必要条件を必要条件として、前記火災位置検出手段が用いた前記画像に基づいて炎の大きさを求めて当該炎の大きさを示す炎大きさ検出信号を出力する炎大きさ検出手段を備えたことを特徴とする請求項11乃至18のいずれかに記載の火災発生位置検出装置。
  20. 前記炎大きさ検出手段は、前記画像における前記所定領域と、前記増加傾向判定手段によって前記時系列的な変化が前記所定の増加傾向を示すと判定された小領域全体がなす領域あるいはこれにその周辺領域も含む領域とが重複した重複領域内に、炎に相当する領域が存在する場合に、当該炎に相当する領域の大きさに相当する実際の大きさを炎の大きさとして求める炎大きさ演算手段を有することを特徴とする請求項19記載の火災発生位置検出装置。
  21. 前記炎大きさ演算手段は、前記重複領域を所定閾値で2値化する2値化処理手段と、2値化された前記重複領域について水平方向にプロジェクション処理を行う水平プロジェクション処理手段と、2値化された前記重複領域について垂直方向にプロジェクション処理を行う垂直プロジェクション処理手段と、前記水平プロジェクション処理手段及び前記垂直プロジェクション処理手段によりそれぞれ得られた水平プロジェクション値及び垂直プロジェクション値に基づいて、前記炎に相当する領域の大きさを求める手段と、を有することを特徴とする請求項20記載の火災発生位置検出装置。
  22. 前記画素の放射強度に応じた値が、輝度値、G成分値、R成分値及び赤外線強度値のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の火災発生位置検出装置。
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